JP5927760B2 - 酸性糖鎖試料調製方法 - Google Patents
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Description
また、糖鎖は多くの毒素、ウィルス及びバクテリアなどの病原性外来因子受容体であり、また、癌のマーカーとしても注目されており、こちらの分野においても、同様に新たな医薬や医療材料を創製しようとする試みが続けられている。
生体内において糖タンパク質、糖ペプチドは、細胞膜表面に存在して細胞膜受容体として働いたり、血清などの体液中に分泌されたり、また細胞外マトリックスの構成物として存在している。近年、こうした糖鎖が、生体活動に重要な役割を果たしていることが明らかにされて来ている。
このような糖鎖と細胞の分化増殖、細胞認識、免疫反応及び細胞癌化との関係が明確にされれば、この糖鎖と、細胞工学あるいは臓器工学とを密接に関連させ、新たな糖鎖工学の展開を図ることが期待される。
GAG類は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸などが存在しており、主に動物の結合組織に多数存在し、また、ヘパリンは抗血液凝固剤として有名であり、医薬品に利用されている。
GAG類は、生体内で種々のタンパク質と特異的な相互作用をしており、それにより生体機能を調製していることが知られている。
(1)酸性糖鎖を含有する溶液から酸性糖鎖を調製する方法であって、
酸性糖鎖を含有する溶液を、糖鎖固相担体と接触させて酸性糖鎖を捕捉する工程と、
前記酸性糖鎖を捕捉した糖鎖固相担体より前記酸性糖鎖を切り出し、該酸性糖鎖を回収する工程と、を有する酸性糖鎖の調製方法
(2)前記酸性糖鎖を回収する工程において、前記酸性糖鎖を切り出し、次いで該酸性糖鎖を標識化合物で標識し、標識化された酸性糖鎖を回収する(1)記載の酸性糖鎖の調製方法
(3)前記酸性糖鎖が、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、およびヘパリン中から選ばれる1以上の酸性多糖である(1)または(2)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(4)前記酸性多糖を構成する単糖、または前記酸性糖鎖を構成する二糖以上のオリゴ糖、または前記酸性多糖の断片糖鎖である(3)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(5)前記糖鎖固相担体が、乾燥重量1mgあたり1μmol以上のヒドラジド基を有するポリマー粒子である(1)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(6)前記糖鎖固相担体が下記の(式1)で表される構造を有するポリマー粒子である(1)または(4)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(7)前記固相担体が下記の(式2)で表される構造を有するポリマー粒子である(1)ないし(6)いずれか1項に記載の酸性糖鎖の調製方法。
(a)酸性多糖から酵素処理により断片糖鎖を作製する工程と、
(b)該酸性糖鎖と糖鎖固相担体をヒドラゾン結合により結合させる工程と、
(c)糖鎖を固相担体から切り離した後、アミノ基を有する化合物を作用させて、還元的アミノ化反応により前記化合物に結合させる工程を含む酸性糖鎖の調製方法。
(9)前記アミノ基を有する化合物が紫外可視吸収特性又は蛍光特性を有するものである(8)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(10)前記アミノ基を有する化合物が、
8-Aminopyrene-1,3,6-trisulfonate, 8-Aminonaphthalene-1,3,6-trisulphonate, 7-Amino-1,3-naphtalenedisulfonic acid, 2-Amino9(10H)-acridone,5-Aminofluorescein,Dansylethylenediamie, 2-Aminopyridine, 7-Amino-4-methylcoumarine, 2-Aminobenzamide, 2-Aminobenzoic acid, 3-Aminobenzoic acid, 7-Amino-1-naphthol, 3-(Acethylamino)-6-aminoacridine, 2-Amino-6-cyanoethylpyridine,Ethyl p-aminobenzoate, p-Aminobenzonitrile, 及び7-aminonaphothalene-1,3-disulfonic acid
から選ばれる少なくとも1つである(8)又は(9)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(11)前記(1)ないし(10)いずれか1項に記載の酸性糖鎖の調製方法により調製した酸性糖鎖試料。
(12)(1)ないし(7)いずれか1項に記載の酸性糖鎖の調製方法で
(a)酸性多糖から酵素処理により断片糖鎖を作製する工程と、
(b)該酸性糖鎖と糖鎖固相担体をヒドラゾン結合により結合させる工程と、
(c)ヒドラジド基を有する化合物、またはアミノオキシ基を有する化合物を作用させて、ヒドラゾン−オキシム交換反応により糖鎖を固相担体から切り離しつつ、前記化合物に結合させる工程を含む酸性糖鎖の調製方法。
(13)(a)工程が、前記酸性多糖を糖鎖分解酵素で処理し前記酸性多糖を構成する単糖、二糖以上のオリゴ糖である断片糖鎖を作製する工程である(8)又は(12)に記載の酸性糖鎖の調製方法。
(14)前記糖鎖分解酵素が、コンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、ケラタナーゼからなる酵素の少なくとも1種である(8)、(12)または(13)いずれか1項に記載の酸性糖鎖の調製方法。
(15)(b)工程が、前記酸性糖鎖を含有する溶液と前記糖鎖固相担体と混合してインキュベートする(8)又は(12)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(16)前記インキュベートが4℃以上90℃以下の条件で、5分以上24時間以下の時間行われる(15)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(17)前記インキュベートが50℃以上90℃以下の条件で、15分以上120分以下の時間行われる(15)または(17)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(18)(c)工程のヒドラジド基を有する化合物が下記から選ばれた物質またはその塩である(12)記載の酸性糖鎖の調製方法。
5-Dimethylaminonaphthalene-1-sulfonyl hydrazine (Dansylhydrazine); 2-hydrazinopyridine;9-fluorenylmethyl carbazate (Fmoc hydrazine);benzylhydrazine;4,4-difluoro-5,7-dimethyl-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene-3-propionoc acid, hydrazide;2-(6,8-difluoro-7-hydroxy-4-methylcoumarin)acetohydrazide;7-diethylaminocoumarin-3-carboxylic acid, hydrazide (DCCH);phenylhydrazine;1-Naphthaleneacethydrazide;2-hydrazinobenzoic acid;biotin hydrazide;phenylacetic hydrazide.
(19)(c)工程のアミノオキシ基を有する化合物が下記から選ばれた物質またはその塩である(12)記載の酸性糖鎖の調製方法。
O-benzylhydroxylamine;O-phenylhydroxylamine; O-(2,3,4,5,6-pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O-(4-nitrobenzyl)hydroxylamine; 2-aminooxypyridine; 2-aminooxymethylpyridine; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n-butyl ester;N-aminooxyacetyl-tryptophyl(arginine methyl ester)
(20)前記アミノオキシ基を有する化合物がアルギニン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基、システイン残基およびこれら誘導体の少なくとも一つからなる部分を含む(19)記載の酸性糖鎖の調製方法。
(21)前記アミノオキシ基を有する化合物が下記(式3)で表される構造を有する(19)または(20)記載の酸性糖鎖の調製方法。
切り出しの際に、標識化合物で標識し、標識された酸性糖鎖として回収してもよい。
当該糖鎖精製担体は、糖鎖を捕捉するための反応性の一級アミノ基をその表面に有する担体であり、該一級アミノとしてオキシルアミノ基またはヒドラジド基を有することが望ましい。これは、酵素やカップリング試薬などの非存在下においても糖鎖還元末端であるアルデヒド基と反応し結合可能であるから好適である。
また、粒子としたときの形状は球であることが好ましく、平均粒径0.1μm以上500μm以下の粒子である。この場合の平均粒径は光学顕微鏡視野において観察される各粒子の直径を計測することにより求めたものである。このような範囲の粒径を有する担体の粒子は、遠心分離、 フィルターなどによる回収が容易であり、かつ、充分な表面積を有しているために糖鎖との反応効率も高いと考えられる。粒径が上記の範囲よりも大幅に大きい場合、表面積が小さくなるために糖鎖との反応効率が低くなることがある。また、粒径が上記の範囲よりも大幅に小さい場合、特にフィルターによる粒子の回収が難しくなることがある。さらに、粒子をカラムに充填して用いる場合、粒径が過小であると通液の際の圧力損失が大きくなってしまうことがある。
前記酸性多糖から酸性糖鎖を得るには酵素処理により得ることができる。
ここで用いる酵素は、糖鎖分解酵素であり、具体的にはコンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、ケラタナーゼからなる酵素の少なくとも1種類であるが、特にこれらに限定されるものではない。
なお、この酸性多糖前処理工程は、使用する酸性多糖の精製度などの状況により省略することも可能である。
前記糖鎖精製担体で末端還元糖鎖と一級アミノ基の結合反応の条件の一具体例は、pHが2〜7、反応温度が50〜100℃、好ましくは60〜90℃、より好ましくは70〜85℃、反応時間が15〜120分である。最も好ましい条件はpH3〜6、反応温度が80℃、反応時間が1時間である。
pHが3未満、または7を越える場合は、中間体であるイミン体の生成が遅くなるため、捕捉効率が落ちる。反応温度は、50℃未満の場合、反応効率が著しく悪化する場合があり、糖鎖を十分に捕捉することができない。反応は、開放系で行って溶媒を完全に蒸発させることが好ましい。これは、溶媒が蒸発するにつれで溶液濃度が無限濃縮されることにより十分な反応をおこさせることが目的である。
また、90℃を超える場合は、酸性糖鎖自身に悪影響を及ぼすと共に、担体がプラスチックの場合は種類によって変形、溶融を発生することがある。
反応時間が30分より短い場合は十分な結合反応が得られない場合があり、糖鎖を十分に捕捉することが出来ない。また90分を超えた反応は、更なる糖鎖の捕捉は見られず時間をかけただけの効果がない。
糖鎖を捕捉した状態の糖鎖精製担体は、夾雑物を取り除くために洗浄する必要がある。
ここで、洗浄液に用いられる溶液としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;水および水性緩衝液などが使用される。ここで、洗浄に水溶液が用いられる場合、この水溶液のpHは中性付近であることが好ましく、そのpHは4〜10、より好ましくは6〜8である。
前期糖鎖捕捉した担体は、洗浄により、精製原料中の糖鎖以外の夾雑物を簡単に除去することが可能で、糖鎖のみを担体ごと回収することができる。
洗浄方法としては、粒子の場合は、洗浄液に浸漬し、洗浄液の交換を繰り返すことで洗浄することができる。
プレートの場合は、各ウェル内に洗浄液を分注、吸引除去を繰り返すことで簡便に洗浄することができる。また、必要に応じてプレートを遠心可能な遠心分離機を用いても良い。
また、6〜384穴のマルチウェルプレートの底部が前記フィルターを装着したものが各種市販されており、これらのプレートを用いることでハイスループット化することが可能である。特に96穴マルチウェルプレートは、溶液分注機器、吸引除去システム、およびプレートの搬送システム等が開発されており、ハイスループット化に最適である。
次のステップとして、担体ごと回収した酸性糖鎖を担体から遊離させ、酸性糖鎖試料として回収することについて以下に述べる。
このステップは、担体ごと回収した酸性糖鎖を担体から遊離させると同時に標識する方法と、酸性糖鎖を担体から遊離させた後に、標識する2つの方法がある。
具体的な方法を以下に示す。
8-Aminopyrene-1,3,6-trisulfonate, 8-Aminonaphthalene-1,3,6-trisulphonate, 7-Amino-1,3-naphtalenedisulfonic acid, 2-Amino9(10H)-acridone,5-Aminofluorescein,Dansylethylenediamie, 2-Aminopyridine, 7-Amino-4-methylcoumarine, 2-Aminobenzamide, 2-Aminobenzoic acid, 3-Aminobenzoic acid, 7-Amino-1-naphthol, 3-(Acethylamino)-6-aminoacridine, 2-Amino-6-cyanoethylpyridine,Ethyl p-aminobenzoate, p-Aminobenzonitrile, 及び7-aminonaphothalene-1,3-disulfonic acid
具体的には、2-Aminobenzamideによる標識の場合、担体から酸性糖鎖を遊離後、反応容器に0.35 M 2-Aminobenzamid, 1 M sodium cyanoborohydride, 30% 酢酸水溶液を加え、60℃で数時間反応する事で達成される。
5-Dimethylaminonaphthalene-1-sulfonyl hydrazine (Dansylhydrazine); 2-hydrazinopyridine;9-fluorenylmethyl carbazate (Fmoc hydrazine);benzylhydrazine;4,4-difluoro-5,7-dimethyl-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene-3-propionoc acid, hydrazide;2-(6,8-difluoro-7-hydroxy-4-methylcoumarin)acetohydrazide;7-diethylaminocoumarin-3-carboxylic acid, hydrazide (DCCH);phenylhydrazine;1-Naphthaleneacethydrazide;2-hydrazinobenzoic acid;biotin hydrazide;phenylacetic hydrazide.
O-benzylhydroxylamine;O-phenylhydroxylamine; O-(2,3,4,5,6-pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O-(4-nitrobenzyl)hydroxylamine; 2-aminooxypyridine; 2-aminooxymethylpyridine; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n-butyl ester.
前記の方法により得られた標識された酸性糖鎖は溶液状態で試料として回収される。この溶液状の酸性糖鎖試料は、目的に応じて、すぐに使用してもよいし、必要時まで保存しておいてよい。保存方法は、そのまま市販の蓋付きチューブなど、密閉容器に移し冷凍保存することが好ましい。さらに好ましくは凍結乾燥させてから冷凍保存する方法である。冷凍保存の温度は、−20℃以下が好ましく、より好ましくは−80℃以下である。
(グリコサミノグリカンの分解)
1mg/mLとなるよう10mMリン酸バッファーにヘパラン硫酸ナトリウム塩(ウシ腎臓由来、生化学工業株式会社)を溶解させた溶液4μLとα-MEM(インビトロジェン社製、)に10%ウシ胎児血清(BSA,インビトロジェン社製、)を加えた培地100μLと超純水(超純水製造装置MilliQにて製造、ミリポア社製)400μLを混合した溶液を限外濾過膜Amicon Ultra 10K、0.5mL(ミリポア社製、UFC501096)を用いて25℃、14000Gで30分間遠心分離をかけた。再度水480μLを加えて25℃、14000Gで40分間遠心分離をかけた後、回収した溶液25μLのうち10μLに消化用バッファー(10mM酢酸ナトリウム三水和物、ナカライテスク株式会社、31115−05)、10nM酢酸カルシウム一水和物(ナカライテスク株式会社、06717−92、pH = 7.0に調製)6μLと0.1%BSA(Equitech−bio inc社製、BAC65−0010)水溶液に溶解したヘパリナーゼ(生化学工業株式会社、100700)溶液5μL、0.1%BSA水溶液に溶解したヘパリチナーゼ(生化学工業株式会社、100703)溶液5μLを加え、全量が30μLとなるよう超純水を加えて、37℃で1時間インキュベートした。
糖鎖捕捉用の担体であるヒドラジド基を有する粒子5mg(BlotGlyco(R))、住友ベークライト株式会社製、BS−45601S、式2の構造を有し、モノマー仕込み比がm:n=20:1のポリマー)が入ったディスポカラムに上記グリコサミノグリカン分解溶液20μLおよび180μLの2%酢酸/アセトニトリル溶液を加え、80℃で1時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し粒子が乾固した状態であることを目視で確認した。グアニジン溶液、水、メタノール、トリエチルアミン溶液にて粒子を洗浄後、10%無水酢酸/メタノールを添加し、室温で30分間反応させ、未反応のヒドラジド基をキャッピングした。キャッピング後、メタノール、塩酸水溶液、水にて粒子を洗浄した。
2−aminobenzamide(2−AB、和光純薬、574−92441)による標識を行った。粒子の入ったディスポカラムに、2−ABおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムの終濃度がそれぞれ0.35M、1Mになるように30%酢酸/ジメチルスルホシキド(DMSO)混合溶媒に溶解させて調製した溶液50μLを添加し、60℃で2時間反応させた。
不飽和ヘパラン/へパリン-二糖キット(生化学工業株式会社)の6種類の標準二糖溶液20μL(100μM)を用いて、2−aminobenzamide(2−AB、和光, 574−92441)による標識を行った。2−ABおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムの終濃度がそれぞれ0.35M、1Mになるように30%酢酸/DMSO混合溶媒に溶解させて調製した溶液50μLを添加し、60℃で2時間反応させた。反応後は、アセトニトリルで10倍に希釈した後、シリカカラム (BlotGlycoキット付属品)に添加してシリカゲルに標識糖鎖を吸着させた。アセトニトリル、アセトニトリル/水混合溶液(95:5)にてカラムを洗浄後、超純水50μLにて標識糖鎖を回収した。6種類の糖鎖とは、以下の通りである。2-acetamido-2-deoxy-4-O-(4-deoxy-α-L-threo-hex-enopyranosyluronic acid)-D-glucose、2-deoxy-2-sulfamino-4-O-(4-deoxy-α-L-threo-hex-4-enopyranosyluronic acid)-D-glucose、2-acetamido-2-deoxy-4-O-(4-deoxy-α-L-threo-hex-4-enopyranosyluronic acid)-6-O-sulfo-D-glucose、2-deoxy-2-sulfamino-(4-deoxy-α-L-threo-hex-4-enopyranosyluronic acid)-6-O-sulfo-D-glucose、2-deoxy-2-sulfamino-(4-deoxy-2-O-sulfo-α-L-threo-hex-4-enopyranosyluronc acid)-D-glucose、2-deoxy-2-sulfamino-(4-deoxy-2-O-sulfo-α-L-threo-hex-4-enopyranosyluronc acid)-6-O-Sulfo-D-glucoseである。
回収した糖鎖水溶液5μLを、高速液体クロマトグラフ(LaChrom Elite、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて解析した。カラムは、順相クロマトグラフィーカラム(TSK−GEL Amide−80、東ソー株式会社)を用い、移動相には50mM ギ酸アンモニウム水溶液(pH4.4)とアセトニトリルを使用した。移動相は、50mM ギ酸アンモニウム水溶液(pH4.4)が20%から41.7%に80分かけて変化するように勾配をつけ、流速0.4mL/min、カラム温度30℃で流し、蛍光(励起波長330 nm、蛍光波長420 nm)にて検出した。得られたHPLCチャートを比較した結果、標準二糖のピークの溶出時間と一致する時間にグリコサミノグリカン分解物のピークも得られた(図2、3)。本手法により、生体試料中からグリコサミノグリカン糖鎖由来のピークが精製、標識できる事を確認した。
(実施例2)
(グリコサミノグリカンの分解)
実施例1と同様の方法にて処理を行った。
糖鎖捕捉用の担体であるヒドラジド基を有する粒子5mg(BlotGlyco(R))、住友ベークライト株式会社製、BS−45601S、式2の構造を有し、モノマー仕込み比がm:n=20:1のポリマー)が入ったディスポカラムに上記グリコサミノグリカン分解溶液20μLおよび180μLの2%酢酸/アセトニトリル溶液を加え、80℃で1時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し粒子が乾固した状態であることを目視で確認した。グアニジン溶液、水、メタノール、トリエチルアミン溶液にて粒子を洗浄後、10%無水酢酸/メタノールを添加し、室温で30分間反応させ、未反応のヒドラジド基をキャッピングした。キャッピング後、メタノール、塩酸水溶液、水にて粒子を洗浄した。
回収した糖鎖水溶液5μLを、高速液体クロマトグラフ(LaChrom Elite、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)にて解析した。カラムは、順相クロマトグラフィーカラム(TSK−GEL Amide−80、東ソー株式会社)を用い、移動相には50mM ギ酸アンモニウム水溶液(pH4.4)とアセトニトリルを使用した。移動相は、50mM ギ酸アンモニウム水溶液(pH4.4)が20%から41.7%に80分かけて変化するように勾配をつけ、流速0.4mL/min、カラム温度30℃で流し、蛍光(励起波長330 nm、蛍光波長420 nm)にて検出した。2ABhで標識された糖鎖由来のピークが検出された。
Claims (4)
- 酸性糖鎖を含有する溶液から酸性糖鎖を調製する方法であって、
(a)酸性糖鎖から酵素処理により断片糖鎖を作製する工程と、
(b)前記断片化した酸性糖鎖を含有する溶液と糖鎖固相担体を接触させてヒドラゾン結合により結合させる工程と、
(c)ヒドラジド基を有する化合物、またはアミノオキシ基を有する化合物を作用させて、ヒドラゾン−オキシム交換反応により糖鎖を固相担体から切り離しつつ、前記化合物に結合させることにより、糖鎖を回収する工程と、
を含み、
前記酸性糖鎖が、コンドロイチン硫酸、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、コンドロイチン、またはヘパリンである酸性多糖のうちの少なくとも1種、または、前記酸性多糖を構成する単糖、二糖以上のオリゴ糖、または前記酸性多糖を糖鎖分解酵素で処理した断片糖鎖であり、
(a)工程が、前記酸性糖鎖を糖鎖分解酵素で処理し前記酸性糖鎖を構成する単糖、二糖以上のオリゴ糖である断片糖鎖を作製する工程であり、
糖鎖分解酵素が、コンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼ、ヘパリナーゼ、ヘパリチナーゼ、ケラタナーゼからなる酵素の少なくとも1種であり、
前記ヒドラジド基を有する化合物が5-Dimethylaminonaphthalene-1-sulfonyl hydrazine (Dansylhydrazine); 2-hydrazinopyridine;9-fluorenylmethyl carbazate (Fmoc hydrazine);benzylhydrazine;4,4-difluoro-5,7-dimethyl-4-bora-3a,4a-diaza-s-indacene-3-propionoc acid, hydrazide;2-(6,8-difluoro-7-hydroxy-4-methylcoumarin)acetohydrazide;7-diethylaminocoumarin-3-carboxylic acid, hydrazide (DCCH);phenylhydrazine;1-Naphthaleneacethydrazide;2-hydrazinobenzoic acid;biotin hydrazide;phenylacetic hydrazideから選ばれた物質またはその塩であり、
アミノオキシ基を有する化合物が、O-benzylhydroxylamine;O-phenylhydroxylamine; O-(2,3,4,5,6-pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O-(4-nitrobenzyl)hydroxylamine; 2-aminooxypyridine; 2-aminooxymethylpyridine; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4-[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n-butyl ester;N-aminooxyacetyl-tryptophyl(arginine methyl ester) から選ばれた物質またはその塩であり、
糖鎖固相担体が下記の(式1)で表される構造を有するポリマー粒子である、酸性糖鎖の調製方法。
(R1,R2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−が挿入されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖,R3,R4,R5はH,CH3,または炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。) - 前記酸性糖鎖を回収する工程において、前記酸性糖鎖を切り出し、次いで該酸性糖鎖を標識化合物で標識し、標識化された酸性糖鎖を回収する請求項1記載の酸性糖鎖の調製方法。
- 前記固相担体が下記の(式2)で表される構造を有するポリマー粒子である請求項1または2に記載の酸性糖鎖の調製方法。
- 前記アミノオキシ基を有する化合物が下記(式3)で表される構造を有する請求項1ないし3記載の酸性糖鎖の調製方法。
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