JP2015040817A - 糖タンパク質試料の調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 過ヨウ素酸酸化処理を利用した糖タンパク質試料の調製方法であって、糖鎖分析に適した糖タンパク質試料を効率的に調製し得る方法を提供すること。
【解決手段】 糖鎖と特異的に結合するポリマー粒子を用いて糖タンパク質試料を調製するに際し、糖タンパク質を担体に捕捉する前に、糖タンパク質の断片化と過ヨウ素酸酸化を行うことにより、効率的に糖タンパク質試料を調製し得ることを見出した。
【選択図】 なし
【解決手段】 糖鎖と特異的に結合するポリマー粒子を用いて糖タンパク質試料を調製するに際し、糖タンパク質を担体に捕捉する前に、糖タンパク質の断片化と過ヨウ素酸酸化を行うことにより、効率的に糖タンパク質試料を調製し得ることを見出した。
【選択図】 なし
Description
本発明は、糖タンパク質試料を調製する方法に関し、特に、糖タンパク質のうち、糖が結合している領域のみを効率的に調製する方法に関する。
糖鎖とは、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸などの単糖およびこれらの誘導体がグリコシド結合によって鎖状に結合した分子の総称である。
糖鎖は、非常に多様性に富んでおり、天然に存在する生物が有する様々な機能に関与する物質である。糖鎖は生体内でタンパク質や脂質などに結合した複合糖質として存在することが多く、生体内の重要な構成成分の一つである。生体内の糖鎖は細胞間情報伝達、タンパク質の機能や相互作用の調整などに深く関わっていることが明らかになりつつある。
例えば、糖鎖を有する生体高分子としては、細胞の安定化に寄与する植物細胞の細胞壁のプロテオグリカン、細胞の分化、増殖、接着、移動などに影響を与える糖脂質、及び細胞間相互作用や細胞認識に関与している糖タンパク質などが挙げられるが、これらの高分子の糖鎖が、互いに機能を代行、補助、増幅、調節、あるいは阻害しあいながら高度で精密な生体反応を制御する機構が次第に明らかにされつつある。さらに、このような糖鎖と細胞の分化増殖、細胞接着、免疫、及び細胞の癌化との関係が明確にされれば、この糖鎖工学と、医学、細胞工学、あるいは臓器工学とを密接に関連させて新たな展開を図ることが期待できる。
細胞や組織に発現しているタンパク質の動態を迅速に把握し,それらのタンパク質が関わる相互作用を解析することを目的とするプロテオミクス研究が90年代から盛んに行われている。しかしながら、その一方で、糖タンパク質に担持されている糖鎖に注目した解析(グライコミクス解析)の例は比較的少ない。
非特許文献1では二次元電気泳動のゲルおよび転写後のメンブレンから糖鎖を抽出・分析する方法が報告されている。この方法は、精製にカラム操作を要するなど、スループットの観点からは実用的とはいえない。
非特許文献2には、糖鎖と特異的に結合するポリマー粒子を用いて糖鎖を精製し、同時に糖鎖を標識化する技術が報告されている。この方法を用いれば糖鎖のハイスループット精製が可能である。
また、特許文献1には、試料中の糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化して糖鎖部分にアルデヒド基を導入した後、このアルデヒド基を通じて糖タンパク質を担体に捕捉し、その後、糖タンパク質の切断処理により、糖が結合しているペプチド断片のみを得る方法が報告されている。
P.Camilleriら、Analytical Biochemistry 284, pp.49−59, 2000年
H.Shimaokaら、Chemistry A European Journal 13, pp.1664−1673, 2007年
本発明の目的は、過ヨウ素酸酸化処理を利用した糖タンパク質試料の調製方法であって、糖鎖分析に適した糖タンパク質試料を効率的に調製し得る方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、非特許文献2に記載された糖鎖と特異的に結合するポリマー粒子を用いて糖タンパク質試料を調製するに際し、糖タンパク質を担体に捕捉する前に、糖タンパク質の断片化と過ヨウ素酸酸化を行うことにより、効率的に糖タンパク質試料を調製し得ることを見出した。また、この方法において、過ヨウ素酸酸化と還元を複数回繰り返すことにより、糖タンパク質をより均一な形態で調製し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、より詳しくは以下を提供するものである。
(1)糖タンパク質試料の調製方法であって、
(a)糖タンパク質を含む試料をプロテアーゼ処理して、糖タンパク質を断片化する工程、
(b)試料中の断片化された糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化処理して、糖タンパク質の糖鎖にアルデヒド基を導入する工程、
(c)試料中の糖鎖にアルデヒド基が導入された糖タンパク質を、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有する担体に接触させ、当該糖タンパク質を当該担体に捕捉する工程、
(d)糖タンパク質を捕捉した担体を洗浄する工程、
(e)糖タンパク質を捕捉した担体から糖タンパク質を遊離させる工程、
を含む方法。
(a)糖タンパク質を含む試料をプロテアーゼ処理して、糖タンパク質を断片化する工程、
(b)試料中の断片化された糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化処理して、糖タンパク質の糖鎖にアルデヒド基を導入する工程、
(c)試料中の糖鎖にアルデヒド基が導入された糖タンパク質を、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有する担体に接触させ、当該糖タンパク質を当該担体に捕捉する工程、
(d)糖タンパク質を捕捉した担体を洗浄する工程、
(e)糖タンパク質を捕捉した担体から糖タンパク質を遊離させる工程、
を含む方法。
(2)前記プロテアーゼがトリプシンである、(1)に記載の方法。
(3)工程(b)において、断片化された糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化処理した後、還元処理を行い、再度、過ヨウ素酸酸化処理を行う、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)水素化ホウ素ナトリウムで還元処理が行われる、(3)に記載の方法。
(5)前記糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基がヒドラジド基又はアミノオキシ基である、(1)から(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記担体が下記の(式1)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、(5)に記載の方法。
(R1,R2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖,R3,R4,R5はH,CH3,または炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。m,nはモノマーユニット数を示す。)
(7)前記担体が下記の(式2)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、(6)に記載の方法。
(7)前記担体が下記の(式2)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、(6)に記載の方法。
(m,nはモノマーユニット数を示す。)
(8)工程(e)において、酸処理により、前記担体から糖タンパク質を遊離させる、(1)から(7)のいずれかに記載の方法。
(8)工程(e)において、酸処理により、前記担体から糖タンパク質を遊離させる、(1)から(7)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、効率的に糖タンパク質試料を調製することが可能となる。また、本発明において、過ヨウ素酸酸化処理を繰り返すことにより、より均一性の高い糖タンパク質試料として調製することも可能であるため、その後の糖鎖分析の効率化を図ることも可能となる。
本発明は、糖タンパク質試料の調製方法であって、(a)糖タンパク質を含む試料をプロテアーゼ処理して、糖タンパク質を断片化する工程、(b)試料中の断片化された糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化処理して、糖タンパク質の糖鎖にアルデヒド基を導入する工程、(c)試料中の糖鎖にアルデヒド基が導入された糖タンパク質を、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有する担体に接触させ、当該糖タンパク質を当該担体に捕捉する工程、(d)糖タンパク質を捕捉した担体を洗浄する工程、(e)糖タンパク質を捕捉した担体から糖タンパク質を遊離させる工程、を含む方法を提供する。
本発明において「タンパク質」とは、完全なタンパク質のみならず、タンパク質の部分(例えば、ペプチド断片)も含む意である。
工程(a)において使用する「糖タンパク質を含む試料」は、例えば、全血、血清、血漿、尿、唾液、細胞、組織などの生体試料を用いることができる。また、精製された、あるいは未精製の糖タンパク質を用いることができる。糖タンパク質における糖鎖は、O型糖鎖であっても、N型糖鎖であってもよい。試料は脱脂、脱塩、タンパク質分画などの方法により前処理されていてもよい。
糖タンパク質を断片化するための「プロテアーゼ」としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、Staphylococcus aureus(V8)プロテアーゼ、顎下線プロテアーゼ、ブロメライン、サーモリシンなどが挙げられるが、好ましくはトリプシンである。
プロテアーゼによる切断を容易にするために、プロテアーゼ処理の前に、試料中の糖タンパク質を変性又は還元してもよい。変性剤としては、例えば、界面活性剤やカオトロピック剤を用いることができ、還元剤としては、例えば、β−メルカプトエタノール、ジチオトレイトール、tris−カルボキシエチルホスフィン(TCEP)を用いることができる。
工程(b)においては、糖タンパク質の糖鎖にアルデヒド基を導入するために、過ヨウ素酸酸化処理を行う。これにより、糖鎖構造におけるcis−ジオールをジアルデヒドに変換することができる。過ヨウ素酸酸化処理により形成された糖鎖上のアルデヒド基は、後述する担体上の官能基と反応するため、これにより担体上に糖タンパク質を捕捉することができる。
過ヨウ素酸酸化処理は、複数回繰り返すことができる。この場合、過ヨウ素酸酸化処理後、還元処理を行い、その後、再度、過ヨウ素酸酸化処理を行うというサイクルとなる。還元処理には、例えば、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)を好適に用いることができる。過ヨウ素酸酸化は、ジオールが結合する炭素鎖の開裂を伴なうため、これを繰り返すことにより、糖鎖をより短鎖にすることができる。これにより、糖タンパク質試料の均一性を高めることができる。この処理後、過ヨウ素酸を失活させるために、二亜硫酸ナトリウム添加、チオ硫酸ナトリム添加、脱塩処理、エチレングリコール添加などの処理を行ってもよい。簡便さなどの観点から、二亜硫酸ナトリウム添加またはチオ硫酸ナトリム添加が好ましい。
工程(c)に用いる「担体」としては、ポリマー粒子を用いることが好ましい。ポリマー粒子が固体粒子あるいはゲル粒子であれば、ポリマー粒子に糖タンパク質を捕捉させたのち、遠心分離やろ過などの手段によって容易に回収することができる。また、ポリマー粒子をカラムに充填して用いることも可能である。カラムに充填して用いる方法は、特に連続操作化の観点から重要となる。反応容器としてフィルタープレート(例えば、Millipore社製のMultiScreen Solvinert Filter Plate)を用いることにより、複数のサンプルを同時に処理することが可能となり、例えばゲルろ過に代表されるカラム操作による従来の精製手段と比較して、精製のスループットが大幅に向上される。また、当該粒子として磁性体ビーズを用いれば、磁力を使って容器壁面などにビーズを集積できるため、ビーズの洗浄を容易に行うことができる。
ポリマー粒子の形状は特に限定しないが、球状またはそれに類する形状が好ましい。ポリマー粒子が球状の場合、平均粒径は好ましくは0.05〜1000μmであり、より好ましくは0.05〜200μmであり、さらに好ましくは0.1〜200μmであり、最も好ましくは0.1〜100μmである。平均粒径が下限値未満では、ポリマー粒子をカラムに充填して用いる際、通液性が悪くなるために大きな圧力を加える必要がある。また、ポリマー粒子を遠心分離やろ過で回収することも困難となる。平均粒径が上限値を超えると、ポリマー粒子と試料溶液の接触面積が少なくなり、糖タンパク質の効率が低下する。
担体は、少なくとも表面の一部に糖タンパク質の糖鎖を捕捉するための官能基を有する。このような官能基としては、ヒドラジド基又はアミノオキシ基が好ましい。これら官能基は、糖タンパク質における糖鎖のアルデヒド基と反応して、ヒドラジド結合またはオキシム結合により糖タンパク質を捕捉することができる。
糖タンパク質を捕捉するための担体としては、下記(式1)又は(式2)で表される構造を有する架橋型ポリマーを担体として用いることが特に好ましい。
(R1,R2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖,R3,R4,R5はH,CH3,または炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。m,nはモノマーユニット数を示す。)
架橋型ポリマーとして、例えば、下記の構造を有する架橋型ポリマーを挙げることができる。
架橋型ポリマーとして、例えば、下記の構造を有する架橋型ポリマーを挙げることができる。
(m,nはモノマーユニット数を示す。)
本発明においては、ヒドラジド基含有ポリマー粒子である「BlotGlyco(R)」(住友ベークライト株式会社製、#BS−45603)を好適に用いることができる。
本発明においては、ヒドラジド基含有ポリマー粒子である「BlotGlyco(R)」(住友ベークライト株式会社製、#BS−45603)を好適に用いることができる。
糖タンパク質を捕捉するポリマー粒子によって糖タンパク質を捕捉する際の反応系のpHは、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。pH調整のためには、各種緩衝液を用いることができる。糖タンパク質捕捉時の温度は、好ましくは4〜90℃、より好ましくは4〜70℃、さらに好ましくは30〜80℃であり、最も好ましくは40〜80℃である。反応時間は適宜設定することができる。ポリマー粒子をカラムに充填して試料溶液を通過させてもよい。
工程(d)における、糖タンパク質を捕捉した担体の洗浄により、担体に捕捉された物質のうち糖タンパク質以外の物質(非特異的に吸着した物質)を除去することができる。
糖タンパク質以外の物質を除去する方法としては、疎水結合を解離する能力のあるカオトロピック試薬であるグアニジン水溶液で洗浄する方法や、純水や水溶性緩衝液(例えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液など)で洗浄する方法を用いることができる。洗浄工程における洗浄条件としては、温度が4〜40℃、洗浄時間が10秒〜30分である。洗浄方法としては、担体がポリマー粒子の場合は、洗浄液に浸漬し、洗浄液の交換を繰り返すことで洗浄することができる。
具体的には、遠沈管やチューブにポリマー粒子を入れ、洗浄液を加え、振とうの後、遠心操作によりポリマー粒子を沈殿させて、上清を除去する操作を繰り返すことにより洗浄する。例えば、遠心チューブ内にポリマー粒子を入れ、洗浄液を加え、ポリマー粒子を自然沈降、または、遠心分離により強制的に沈降させた後、上清を除去する操作を繰り返すことで洗浄することができる。前記洗浄操作は3〜6回行うことが好ましい。磁性ビーズを用いる場合には、遠心操作は不要であり、簡便である。
また、チューブ状の容器であって、底面部に、液体透過可能で該ビーズが不透過な孔径を有するフィルターを装着するフィルターチューブを用いることも可能である。該フィルターチューブにポリマー粒子を入れて使用することで、洗浄に要した洗浄液を、フィルターを介して除去することが可能となり、前記の遠心操作後の上清除去の工程が必要なくなり、作業性の向上を図ることができる。
また、6〜384穴のマルチウェルプレートの底部が前記フィルターを装着したものが各種市販されており、これらのプレートを用いることでハイスループット化することが可能である。特に96穴マルチウェルプレートは、溶液分注機器、吸引除去システム、およびプレートの搬送システムなどが開発されており、ハイスループット化に最適である。
連続式にて糖タンパク質捕捉反応を行った場合には、洗浄処理は、カラムに洗浄溶液を通して糖タンパク質捕捉反応から連続的に処理してもよい。また、マルチプレートを用いた場合には、ろ過操作あるいは遠心操作により糖タンパク質を捕捉した担体以外の物質を除去してもよい。
なお、担体上の余剰官能基は、例えば、無水酢酸などを利用してキャッピングすることができる。
工程(e)においては、糖タンパク質が捕捉された担体から糖タンパク質を遊離させる。担体から糖タンパク質を切り離すためには、酸処理を行うことが好ましい。酸処理においては、酸と有機溶媒の混合溶媒あるいは酸と水と有機溶媒の混合溶媒を用いることができる。酸と水と有機溶媒の混合溶媒の場合、水の含有率は好ましくは0.1%〜90%、より好ましくは0.1%〜80%、さらに好ましくは0.1%〜50%である。水の代わりに水性緩衝液を含有してもよい。緩衝液の濃度は好ましくは0.1mM〜1M、より好ましくは0.1mM〜500mM、さらに好ましくは1mM〜100mMである。反応溶液のpHは、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。使用する酸は、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、クエン酸、リン酸、硫酸が好ましく、より好ましくは酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、さらに好ましくは酢酸、トリフルオロ酢酸である。反応温度に関しては4〜90℃が好ましく、好ましくは25〜90℃で、さらに好ましくは40〜90℃である。反応時間は、10分間〜24時間、好ましくは10分間〜8時間、より好ましくは10分間〜3時間である。反応は、糖タンパク質を遊離させる反応を効率よく行う観点から、開放系で行って溶媒を完全に蒸発させることが好ましい。
弱酸性から中性付近で、糖タンパク質の遊離反応を行うことができるため、従来の強酸性処理、たとえば10%トリフルオロ酢酸処理による切出しのような強酸の存在下での切出し反応に比べて、シアル酸残基の脱離など糖鎖の加水分解などを引き起こすことを抑制することができるようになる。
続けて、上記工程で得られた遊離の糖タンパク質の糖鎖を標識化することも可能である。標識化の方法としては、還元的アミノ化法と交換反応法が挙げられる。
還元的アミノ化法においては、アミノ基を有する化合物により、糖タンパク質を標識化する。反応系においては、pHが酸性から中性の条件であるのが好ましく、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜7である。反応温度に関しては4〜90℃が好ましく、好ましくは25〜90℃ で、さらに好ましくは40〜90℃である。アミノ化合物の濃度は、1mM〜10Mであるのが好ましく、還元剤の濃度は、1mM〜10Mであるのが好ましい。反応時間は、10分間〜24時間、好ましくは10分間〜8時間、より好ましくは10分間〜3時間である。
ここで、アミノ基を有する化合物は、紫外可視吸収特性又は蛍光特性を有することが好ましく、具体的には下記の群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
8−Aminopyrene−1,3,6−trisulfonate,8−Aminonaphthalene−1,3,6−trisulphonate,7−amino−1,3−naphtalenedisulfonicacid,2−Amino9(10H)−acridone,5−Aminofluorescein,Dansylethylenediamine,2−Aminopyridine,7−Amino−4−methylcoumarine,2−Aminobenzamide,2−Aminobenzoicacid,3−Aminobenzoicacid,7−Amio−1−naphthol,3−(Acetylamino)−6−aminoacrdine,2−Amino−6−cyanoethylpyridine,Ethylp−aminobenzoate,p−Aminobenzonitrile,及び7−aminonaphthalene−1,3−disulfonicacid。
8−Aminopyrene−1,3,6−trisulfonate,8−Aminonaphthalene−1,3,6−trisulphonate,7−amino−1,3−naphtalenedisulfonicacid,2−Amino9(10H)−acridone,5−Aminofluorescein,Dansylethylenediamine,2−Aminopyridine,7−Amino−4−methylcoumarine,2−Aminobenzamide,2−Aminobenzoicacid,3−Aminobenzoicacid,7−Amio−1−naphthol,3−(Acetylamino)−6−aminoacrdine,2−Amino−6−cyanoethylpyridine,Ethylp−aminobenzoate,p−Aminobenzonitrile,及び7−aminonaphthalene−1,3−disulfonicacid。
特に、アミノ化合物が2−aminobenzamideの場合、pHが酸性から中性の条件で、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜8であり、さらに好ましくは2〜7である。反応温度に関しては4〜90℃、好ましくは30〜90℃で、さらに好ましくは40〜80℃である。アミノ化合物の濃度は1mM〜10M、好ましくは10mM〜10Mで、さらに好ましくは100mM〜1Mである。還元剤の濃度は、1mM〜10M、好ましくは10mM〜10M 、さらに好ましくは100mM〜2Mである。反応時間は、10分間〜24時間、好ましくは10分間〜8時間、さらに好ましくは1時間〜3時間である。
また、還元剤は、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、メチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、ピコリンボラン、ピリジンボランなどが使用可能であるが、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用するのが反応性の面から考えて好ましい。
先の糖タンパク質の切り離し工程後、得られる溶液は標識された糖鎖と過剰量加えた未反応アミノ化合物、還元剤が存在するため、これら余剰試薬を除去する工程を行うのが好ましい。シリカカラムによる除去、ゲル濾過による除去、イオン交換樹脂による除去、いずれの方法を用いても良いが、シアル酸の離脱を防ぐために使用する溶媒は中性であることが好ましい。
一方、交換反応法においては、洗浄操作後、アミノオキシ基を有する化合物を作用させることにより、ヒドラゾン−オキシム交換反応(糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基がヒドラジド基の場合)またはオキシム−オキシム交換反応(糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基がアミノオキシ基の場合)によって糖タンパク質が担体から切り離され、同時にアミノオキシ化合物によって標識化される。よって、本標識方法の場合、酸処理によって糖タンパク質を担体から切り離す操作は不要となる。
アミノオキシ基を有する化合物としては、下記から選ばれた物質またはその塩であることが好ましい。
O−benzylhydroxylamine; O-phenylhydroxylamine; O−(2,3,4,5,6−pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O−(4−nitrobenzyl)hydroxylamine; 2−aminooxypyridine; 2−aminooxymethylpyridine; 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n−butylester.
アミノオキシ基を有する化合物は、アルギニン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基、システイン残基およびこれら誘導体の少なくとも一つからなる部分を含むことが好ましい。特に下記(式3)で表される構造を有するものが好ましい。
O−benzylhydroxylamine; O-phenylhydroxylamine; O−(2,3,4,5,6−pentafluorobenzyl)hydroxylamine; O−(4−nitrobenzyl)hydroxylamine; 2−aminooxypyridine; 2−aminooxymethylpyridine; 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester; 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester; 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n−butylester.
アミノオキシ基を有する化合物は、アルギニン残基、トリプトファン残基、フェニルアラニン残基、チロシン残基、システイン残基およびこれら誘導体の少なくとも一つからなる部分を含むことが好ましい。特に下記(式3)で表される構造を有するものが好ましい。
交換反応時の反応液のpHは、pH2〜7が好ましく、pH3〜6がより好ましく、pH3.5〜5.5が最も好ましい。酢酸/アセトニトリル溶液を加えることにより、反応液を上記のpHに調整することができる。交換反応時の温度は、50〜95℃が好ましく、60〜90℃がより好ましく、70〜90℃が最も好ましい。交換反応時、反応容器を開放して加熱操作を行うことにより、溶媒を蒸発させながら反応を進め、最終的に乾固させることにより、効率よく交換反応を行うことができる。
なお、上記のように担体上の官能基と糖タンパク質の糖鎖との間の結合を切断する方法以外に、糖タンパク質における糖鎖とタンパク質との間の結合を切断する方法を利用することも考えられる。このような方法としては、グリコシダーゼなどの酵素を利用する方法やヒドラジン分解などの化学的方法が挙げられる。この場合も、酸処理による切断の場合と同様、その後に標識化することも可能である。
回収した標識化された糖鎖溶液はそのまま、あるいは、過剰に含まれる標識化合物を除去したのち、質量分析法やHPLCなどの分析手段によって分析することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(1)タンパク質の前処理
アシアロフェツイン1
mgを100mM重炭酸アンモニウム(和光純薬、017−02875)50μLに溶解させた後、120mM DTT(ジチオスレイトール、SIGMA、D9779)を5μL加え、60℃で30分間反応させた。反応終了後、123mM IAA(ヨードアセトアミド、和光純薬、093−02152)10μLを加えて遮光下、室温で1時間反応させた。続いて400Uのトリプシン(SIGMA、T0303)によってプロテアーゼ処理をし、タンパク質部分をペプチド断片化した。
アシアロフェツイン1
mgを100mM重炭酸アンモニウム(和光純薬、017−02875)50μLに溶解させた後、120mM DTT(ジチオスレイトール、SIGMA、D9779)を5μL加え、60℃で30分間反応させた。反応終了後、123mM IAA(ヨードアセトアミド、和光純薬、093−02152)10μLを加えて遮光下、室温で1時間反応させた。続いて400Uのトリプシン(SIGMA、T0303)によってプロテアーゼ処理をし、タンパク質部分をペプチド断片化した。
(2)糖鎖の酸化
(1)で調整した溶液に、100mMの過ヨウ素酸水溶液50μL添加し、37℃で30分間反応させた。反応後、250mM二亜硫酸ナトリウム25μL添加し、過ヨウ素酸を失活させた。
(1)で調整した溶液に、100mMの過ヨウ素酸水溶液50μL添加し、37℃で30分間反応させた。反応後、250mM二亜硫酸ナトリウム25μL添加し、過ヨウ素酸を失活させた。
(3)ペプチド断片の回収
糖鎖捕捉用の担体であるヒドラジド基を有する粒子5mg(BlotGlyco(R))、住友ベークライト株式会社製、BS−45603)が入ったディスポカラムに上記糖鎖溶液20μLおよび180μLの2%酢酸/アセトニトリル溶液を加え、80℃で1時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し粒子が乾固した状態であることを目視で確認した。グアニジン溶液、水、メタノール、トリエチルアミノ溶液にて粒子を洗浄後、10%無水酢酸/メタノールを添加し、室温で30分間反応させ、未反応のヒドラジド基をキャッピングした。キャッピング後、メタノール、塩酸水溶液、水にて粒子を洗浄した。
糖鎖捕捉用の担体であるヒドラジド基を有する粒子5mg(BlotGlyco(R))、住友ベークライト株式会社製、BS−45603)が入ったディスポカラムに上記糖鎖溶液20μLおよび180μLの2%酢酸/アセトニトリル溶液を加え、80℃で1時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し粒子が乾固した状態であることを目視で確認した。グアニジン溶液、水、メタノール、トリエチルアミノ溶液にて粒子を洗浄後、10%無水酢酸/メタノールを添加し、室温で30分間反応させ、未反応のヒドラジド基をキャッピングした。キャッピング後、メタノール、塩酸水溶液、水にて粒子を洗浄した。
続いて、粒子の入ったディスポカラムに超純水20μLおよび2%酢酸/アセトニトリル溶液180μLを加え、70℃で1.5時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し粒子が乾固した状態であることを目視で確認した。
50%アセトニトリル/超純水溶液50μLを粒子の入ったディスポカラムに添加後、溶液を遠心回収し、目的のペプチド断片を得た。
(4)ペプチド断片の確認
得られた溶液をMALDI−TOF MS(ブルカー・ダルトニクス社、Autoflex III)及びLC−MS(島津製作所、LC−IT−TOF MS)を用いて分析した。
得られた溶液をMALDI−TOF MS(ブルカー・ダルトニクス社、Autoflex III)及びLC−MS(島津製作所、LC−IT−TOF MS)を用いて分析した。
本発明によれば、糖タンパク質を効率的に調製することが可能になる。本発明は、学術的な研究目的か産業応用かを問わず、広く糖鎖分析において貢献するものである。
Claims (8)
- 糖タンパク質試料の調製方法であって、
(a)糖タンパク質を含む試料をプロテアーゼ処理して、糖タンパク質を断片化する工程、
(b)試料中の断片化された糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化処理して、糖タンパク質の糖鎖にアルデヒド基を導入する工程、
(c)試料中の糖鎖にアルデヒド基が導入された糖タンパク質を、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有する担体に接触させ、当該糖タンパク質を当該担体に捕捉する工程、
(d)糖タンパク質を捕捉した担体を洗浄する工程、
(e)糖タンパク質を捕捉した担体から糖タンパク質を遊離させる工程、
を含む方法。 - 前記プロテアーゼがトリプシンである、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)において、断片化された糖タンパク質を過ヨウ素酸酸化処理した後、還元処理を行い、再度、過ヨウ素酸酸化処理を行う、請求項1又は2に記載の方法。
- 水素化ホウ素ナトリウムで還元処理が行われる、請求項3に記載の方法。
- 前記糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基がヒドラジド基又はアミノオキシ基である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
- 工程(e)において、酸処理により、前記担体から糖タンパク質を遊離させる、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
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2013
- 2013-08-23 JP JP2013173156A patent/JP2015040817A/ja active Pending
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