JP5927502B2 - 冷凍サイクル装置およびそれを備えた空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明は、室外熱交換器に付着した霜を溶解した冷媒を圧縮機へ直接流す経路と冷媒加熱用の補助熱交換器を通じて圧縮機へ流す経路の切り替えを行う機構を備えた冷凍サイクル装置および空気調和機に関する。
従来、ヒートポンプ式空気調和機による暖房運転時、室外熱交換器に着霜した場合には、暖房サイクルから冷房サイクルに四方弁を切り替えて除霜を行っている。この除霜方式では、室内ファンは停止するものの、室内機から冷気が徐々に放出されることから暖房感が失われるという欠点がある。
そこで、室外機に設けられた圧縮機を熱源とする蓄熱槽を設け、暖房運転中に蓄熱槽に蓄えられた圧縮機の廃熱を利用して除霜するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、このような除霜方式を採用した冷凍サイクル装置の一例を示しており、室外機に設けられた圧縮機100と四方弁102と室外熱交換器104とキャピラリチューブ106と、室内機に設けられた室内熱交換器108とを冷媒配管で接続するとともに、キャピラリチューブ106をバイパスする第1バイパス回路110と、圧縮機100の吐出側の配管に一端を接続し他端をキャピラリチューブ106から室外熱交換器104へ至る配管に接続した第2バイパス回路112が設けられている。また、第1バイパス回路110には、二方弁114と逆止弁116と蓄熱熱交換器118が設けられ、第2バイパス回路112には、二方弁120と逆止弁122が設けられている。
さらに、圧縮機100の周囲には蓄熱槽124が設けられており、蓄熱槽124の内部には、蓄熱熱交換器118と熱交換するための潜熱蓄熱材126が充填されている。
この冷凍サイクルにおいて、除霜運転時には、二つの二方弁114、120が開制御され、圧縮機100から吐出された冷媒の一部は第2バイパス回路112へと流れ、残りの冷媒は四方弁102と室内熱交換器108へと流れる。また、室内熱交換器108を流れた冷媒は暖房に利用された後、わずかの冷媒がキャピラリチューブ106を通って室外熱交換器104へと流れる一方、残りの大部分の冷媒は第1バイパス回路110へ流入し、二方弁114を通って蓄熱熱交換器118へと流れて蓄熱材126より熱を奪い、逆止弁116を通った後、キャピラリチューブ106を通過した冷媒と合流して室外熱交換器104へと流れる。その後、室外熱交換器104の入口で第2バイパス回路112を流れてきた冷媒と合流し、冷媒が持つ熱を利用して除霜を行い、さらに四方弁102を通過した後、圧縮機100に吸入される。
この冷凍サイクル装置においては、第2バイパス回路112を設けることで、除霜時に圧縮機100から吐出されたホットガスを室外熱交換器104に導くとともに、室外熱交換器104に流入する冷媒の圧力を高く保つことで、除霜能力を向上させている。
特開平3−31666号公報
しかしながら、前記従来の構成では、熱源の有する熱量が少ない場合、圧縮機100から吐出されたホットガスの大部分を室外熱交換器に導く必要があり、それに伴い、室内熱交換器の圧力が低下することで、室内機の能力が低下し、快適性を損なうという課題があり、従来の方式同様、冷媒が室内熱交換器を流れた後、蓄熱槽を経由して室外熱交換器へ導かれる構成、もしくは冷媒が室内熱交換器を流れた後、室外熱交換器と蓄熱槽へ分配して導かれる構成とした場合は、蓄熱槽を流れる冷媒の温度が高くなり、蓄熱槽からの吸熱が十分にできず、室内機の能力を確保しようとすると、除霜に時間を有するという課題があった。
そこで、図1は圧縮機と、前記圧縮機に接続された室内熱交換器と、前記室内熱交換器と接続された膨張弁と、前記膨張弁と接続された室外熱交換器とを備え、前記室外熱交換器と前記圧縮機とが四方弁を介して接続された冷凍サイクル装置であって、冷媒加熱用の補助熱交換器を更に有し、前記室外熱交換器と前記四方弁の間に、前記室外熱交換器から前記四方弁へ直接冷媒を流す経路と前記室外熱交換器から前記補助熱交換器を通じて前記圧縮機の吸入管へ冷媒を流す経路との切り替えを可能とする三方弁とを設け、前記室外熱交換器に付着した霜を溶解する除霜運転時には、前記切り替え装置を制御して、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器を流れた冷媒が、前記補助熱交換器を流れ、前記圧縮機の吸入管へ導かれるようにしたものが提案されている。
しかしながら、この構成では、除霜運転時に前記三方弁が固着などによって切り替え異常となった場合、次に冷房サイクル運転をした時に圧縮機から吐出された冷媒が三方弁にて閉塞となり、高圧過昇や前記圧縮機の破損にまで至る恐れがあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、切り替えを可能とする三方弁が設けられた冷凍サイクル装置において、冷房サイクル運転時に前記三方弁切り替え異常が発生した場合でも、圧縮機保護を行い信頼性の高い空気調和機を提供することを目的とする。
さらに、その冷凍サイクル装置を備えることで除霜運転時、室内熱交換器と室外熱交換器を通った後の冷媒が補助熱交換器を通る構成としているため、室内熱交換器を高温に、補助熱交換器を低温とすることが可能となり、熱源からの吸熱を速やかに行うことで、除霜時間を短縮し、暖房運転時における除霜運転の室温低下を抑制して快適性を向上させることができる空気調和機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、圧縮機と、前記圧縮機に接続された室内熱交換器と、前記室内熱交換器と接続された膨張弁と、前記膨張弁と接続された室外熱交換器とを備え、前記室外熱交換器と前記圧縮機とが四方弁を介して接続された冷凍サイクル装置であって、冷媒加熱用の補助熱交換器を更に有し、前記室外熱交換器と前記四方弁の間に、前記室外熱交換器から前記四方弁へ直接冷媒を流す経路と前記室外熱交換器から前記補助熱交換器を通じて前記四方弁を介さず前記圧縮機の吸入管へ冷媒を流す経路との切り替えを可能とする三方弁とを設け、前記室外熱交換器に付着した霜を溶解する除霜運転時には、前記切り替え装置を制御して、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器を流れた冷媒が、前記補助熱交換器を流れ、前記四方弁を介さず前記圧縮機の吸入管へ導かれるように構成された冷凍サイクル装置において、冷房サイクル運転時に前記三方弁切り替え異常が発生した場合、本発明の異常検知判定に応じて圧縮機の運転を停止させるものであって、前記異常検知判定は、前記圧縮機の温度と前記室外配管温度検出手段で検出された配管温度との差が所定の温度以上となるとともに、現在の前記圧縮機の温度と冷房サイクル起動時の前記圧縮機の温度との差が所定の温度以上となることにより三方弁の切り替え異常と判定することで圧縮機保護を行い信頼性の高い空気調和機を提供するものである。
本発明によれば、冷房サイクル運転時に前記三方弁切り替え異常が発生した場合、異常
検知判定に応じて圧縮機の運転を停止させることが可能であり、高圧過昇や圧縮機破損を防止し圧縮機の信頼性を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を備えた空気調和機の構成図 同冷凍サイクル装置を備えた空気調和機において通常冷房時の冷媒の流れを示す模式図 同冷凍サイクル装置を備えた空気調和機において通常暖房時の冷媒の流れを示す模式図 同冷凍サイクル装置を備えた空気調和機において除霜・暖房時の冷媒の流れを示す模式図 本願発明にかかる実施の形態1を示す三方弁異常検知判定のフローチャート図 従来の冷凍サイクル装置を備えた空気調和機の構成図
第1の発明は、圧縮機と、前記圧縮機の温度を検出する圧縮機温度検出手段を備え、前記圧縮機に接続された室内熱交換器と、前記室内熱交換器と接続された膨張弁と、前記膨張弁と接続された室外熱交換器とを備え、前記室外熱交換器の配管温度を検出する室外配管温度検出手段と、前記室外熱交換器の吸込み温度を検出する室外吸込温度検出手段を備え、前記室外熱交換器と前記圧縮機とが四方弁を介して接続された冷凍サイクル装置であって、冷媒加熱用の補助熱交換器を更に有し、前記室外熱交換器と前記四方弁の間に、前記室外熱交換器から前記四方弁へ直接冷媒を流す経路と前記室外熱交換器から前記補助熱交換器を通じて前記四方弁を介さず前記圧縮機の吸入管へ冷媒を流す経路との切り替えを可能とする三方弁とを設け、前記室外熱交換器に付着した霜を溶解する除霜運転時には、前記三方弁を制御して、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器を流れた冷媒が、前記室外熱交換器から前記補助熱交換器を通じて前記四方弁を介さず前記圧縮機の吸入管へ冷媒を流す経路へ導かれる構成において、冷房サイクル運転時に前記三方弁の切り替え異常が発生した場合、異常検知判定に応じて圧縮機の運転を停止させるものであって、前記異常検知判定は、前記圧縮機の温度と前記室外配管温度検出手段で検出された配管温度との差が所定の温度以上となるとともに、現在の前記圧縮機の温度と冷房サイクル起動時の前記圧縮機の温度との差が所定の温度以上となることにより三方弁の切り替え異常と判定するものである。これにより、三方弁閉塞による高圧過昇を検知することが可能であり、高圧過昇や圧縮機の破損を防止し圧縮機の信頼性を向上させることができる。
の発明は、特に、第1の発明の冷房サイクル運転時に前記三方弁にて弁固着などに
より弁閉塞となる切り替え異常が発生した場合、所定の異常検知判定に応じて、圧縮機の運転を停止させる冷凍サイクル装置において、前記異常検知判定には、前記室外配管温度検出手段で検出された配管温度と室外吸込温度との差が所定の温度未満になると三方弁切り替え異常と判定することで、圧縮機の運転を停止することが可能となり、高圧過昇を防止することができる。
以下、本発明の冷凍サイクル装置の実施の形態について、空気調和機に搭載した例として図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置を備えた空気調和機の構成を示しており、空気調和機は、冷媒配管で互いに接続された室外機2と室内機4とで構成されている。
図1に示されるように、室外機2の内部には、圧縮機6と四方弁8とストレーナ10と膨張弁12と室外熱交換器14とが設けられ、室内機4の内部には、室内熱交換器16が設けられ、これらは冷媒配管を介して互いに接続されることで冷凍サイクルを構成している。
さらに詳述すると、圧縮機6と室内熱交換器16は、四方弁8が設けられた第1配管18を介して接続され、室内熱交換器16と膨張弁12は、ストレーナ10が設けられた第2配管20を介して接続されている。また、膨張弁12と室外熱交換器14は第3配管22を介して接続され、室外熱交換器14と圧縮機6は第4配管24および第5配管25を介して接続され、室外熱交換器14と圧縮機6を接続する第4配管24および第5配管25の間には四方弁8が配置されている。また、四方弁8と室外熱交換器14の間には三方弁(切り替え装置)42が第4配管24を介して接続されている。更に、圧縮機冷媒吸入側における第5配管25には、液相冷媒と気相冷媒を分離するためのアキュームレータ26が設けられている。また、室外熱交換器14と室内熱交換器16を結ぶ第3配管22には、第6配管(吐出ガスバイパス機構)28を介して圧縮機6と接続されており、第6配管28には電磁弁(吐出ガスバイパス機構)30が設けられている。
さらに、圧縮機6の周囲には蓄熱槽32が設けられ、蓄熱槽32の内部には、蓄熱熱交換器(補助熱交換器)34が設けられるとともに、蓄熱熱交換器34と熱交換するための蓄熱材(例えば、エチレングリコール水溶液)36が充填されており、蓄熱槽32と蓄熱熱交換器34と蓄熱材36とで蓄熱装置を構成している。
また、三方弁42と蓄熱熱交換器34はキャピラリチューブ(絞り機構)43を含む第7配管38を介して接続されており、四方弁8と圧縮機6を接続する第5配管25は第8配管40を介して蓄熱熱交換器34と接続されている。
また、圧縮機6には圧縮機温度を検出する圧縮機温度検出手段50を備え、室外熱交換器14には、配管温度を検出する室外配管温度検出手段44と、室外熱交換器14の吸込み温度を検出する室外吸込温度検出手段51を備えている。
室内機4の内部には、室内熱交換器16に加えて、送風ファン(図示せず)と上下羽根(図示せず)と左右羽根(図示せず)とが設けられており、室内熱交換器16は、送風ファンにより室内機4の内部に吸込まれた室内空気と、室内熱交換器16の内部を流れる冷媒との熱交換を行い、暖房時には熱交換により暖められた空気を室内に吹き出す一方、冷房時には熱交換により冷却された空気を室内に吹き出す。上下羽根は、室内機4から吹き出される空気の方向を必要に応じて上下に変更し、左右羽根は、室内機4から吹き出される空気の方向を必要に応じて左右に変更する。
なお、圧縮機6、送風ファン、上下羽根、左右羽根、四方弁8、膨張弁12、電磁弁3
0、三方弁42等は制御装置(図示せず、例えばマイコン)に電気的に接続され、制御装置により制御され動作する。
上記構成の本発明に係る冷凍サイクル装置において、各部品の相互の接続関係と機能を冷房運転時を例にとり冷媒の流れを模式的に示す図2を参照しながら通常冷房時の動作を説明する。図中、実線矢印は冷房に供する冷媒の流れを示している。
圧縮機6の吐出口から吐出された冷媒は、四方弁8から第5配管25を通って三方弁42を通り、室外熱交換器14へと至る。室外熱交換器14で室外空気と熱交換して凝縮した冷媒は、第3配管22を通り、膨張弁12に至る。膨張弁12で減圧した冷媒は、第2配管20を通り室内熱交換器16へ至る。室内熱交換器16で室内空気と熱交換して蒸発した冷媒は、室内熱交換器16を出て、第1配管18を通って四方弁8を介しアキュームレータ26を通って圧縮機6の吸入口を介して圧縮機6へと戻る。
また、第1配管18の圧縮機6の吐出口と四方弁8の間から分岐した第6配管28は、電磁弁30を介して第3配管22の膨張弁12と室外熱交換器14の間に合流している。通常冷房運転時、電磁弁30は閉制御されている。
三方弁42は、一方が四方弁8からの第5配管25と接続され、もう一方が室外熱交換器14へと続く第4配管24と接続され、更にもう一方が三方弁42と蓄熱熱交換器34とを接続する第7配管38と接続されており、前記制御装置により、冷房時は四方弁8から第5配管25を通じ室外熱交換器14へ冷媒を導く経路と、暖房時は室外熱交換器14から第4配管24を通じ四方弁8へ冷媒を導く経路と、除霜時には室外熱交換器14から第7配管38を通じ蓄熱熱交換器34を経て圧縮機6の吸入口へ冷媒を導く経路とを切り替えることが可能である。
通常冷房運転時には、四方弁8からの第5配管25との接続経路は開制御され、三方弁42と蓄熱熱交換器34とを接続する第7配管38との接続経路は閉塞されるよう制御装置より制御されており、三方弁切り替えの指示は出力されない。
三方弁42にて弁固着などにより四方弁8からの第5配管25との接続経路が弁閉塞となる切り替え異常が発生した場合、圧縮機6の吐出口から吐出された冷媒は、四方弁8から第5配管25を通って三方弁42にて行き場を失ってしまう。
これにより、圧縮機6の温度は高圧過昇により上昇し圧縮機温度検出手段50で検出された温度は上昇するが、室外熱交換器14には冷媒が流れない為、または流れにくくなり、室外配管温度検出手段44で検知される配管温度は上昇しなくなり、圧縮機温度検出手段50と室外配管温度検出手段44で検出された配管温度との差が所定の温度以上になると異常検知判定により三方弁切り替え異常の1つの条件が成立される。
また、これにより室外配管温度検出手段44で検出された配管温度は、冷媒が流れないことで室外気温度に近づくこととなり、室外配管温度検出手段44で検出された配管温度と室外吸込温度検出手段51で検知された室外気温度との差が所定の温度未満になると異常検知判定により三方弁切り替え異常の1つの条件が成立される。
また、圧縮機6の再起動時や、過渡期などでの誤検知を防ぐ為、現在冷房サイクル運転中の圧縮機温度検出手段50にて検出された圧縮機温度と、冷房サイクル起動時の圧縮機温度検出手段50にて検出された圧縮機温度が所定の温度以上となる場合に、異常検知判定により三方弁切り替え異常の1つの条件が成立される。
以上の三方弁切り替え異常の条件がすべて成立することで、三方弁切り替え異常と判定し、圧縮機の運転を停止することができる。
次に、図5は切り替えを可能とする三方弁を設けた本願発明にかかる実施の形態1を示す冷凍サイクル装置において、冷房サイクル運転時に三方弁異常検知判定制御を行った場合のフローチャート図である。
同図において、冷房サイクル運転中に異常検知判定71にて三方弁異常検知を行い、圧縮機温度検出手段50にて検知された圧縮機温度と、室外配管温度検出手段44で検出された配管温度との差が所定の温度以上、例えばa℃以上となれば、異常検知判定71は条件成立として、条件成立判定74へと移行する。
また、異常検知判定72にて三方弁異常検知を行い、室外配管温度検出手段44で検出された配管温度と、室外吸込温度検出手段51で検出された室外気温との差が所定の温度未満、例えばb℃未満となれば、異常検知判定72は条件成立として、条件成立判定74へと移行する。
また、異常検知判定73にて三方弁異常検知を行い、運転中現在の圧縮機温度検出手段50にて検知された圧縮機温度と、起動時の圧縮機温度検出手段50にて検知された圧縮機温度との差が所定の温度以上、例えばc℃以上となれば、異常検知判定73は条件成立として、条件成立判定74へと移行する。
条件成立判定74にて、すべての条件が成立した場合に三方弁異常と判定し、圧縮機を停止させる。
次に、空気調和機の暖房時の動作及び冷媒の流れを模式的に示す図3を参照しながら暖房時の動作を説明する。図中、実線矢印は暖房に供する冷媒の流れを示している。
圧縮機6の吐出口から吐出された冷媒は、四方弁8から第1配管18を通って室内熱交換器16へと至る。室内熱交換器16で室内空気と熱交換して凝縮した冷媒は、室内熱交換器16を出て第2配管20を通り、膨張弁12への異物侵入を防止するストレーナ10を通って、膨張弁12に至る。膨張弁12で減圧した冷媒は、第3配管22を通って室外熱交換器14に至り、室外熱交換器14で室外空気と熱交換して蒸発した冷媒は、第4配管24と三方弁42と四方弁8と第5配管25とアキュームレータ26を通って圧縮機6の吸入口を介して圧縮機6へと戻る。
さらに、内部に蓄熱材36と蓄熱熱交換器34を収納した蓄熱槽32は、圧縮機6に接して取り囲むように配置され、圧縮機6で発生した熱を蓄熱材36に蓄熱する。
次に、空気調和機の除霜・暖房時の動作及び冷媒の流れを模式的に示す図4を参照しながら除霜・暖房時の動作を説明する。図中、実線矢印は暖房に供する冷媒の流れを示しており、破線矢印は除霜に供する冷媒の流れを示している。
上述した通常暖房運転中に室外熱交換器14に着霜し、着霜した霜が成長すると、室外熱交換器14の通風抵抗が増加して風量が減少し、室外熱交換器14内の蒸発温度が低下する。本発明に係る空気調和機には、図4に示されるように、室外熱交換器14の配管温度を検出する室外配管温度検出手段44が設けられており、非着霜時に比べて、蒸発温度が低下したことを室外配管温度検出手段44で検出すると、制御装置より通常暖房運転から除霜・暖房運転へ切り替える指示が出力される。
通常暖房運転から除霜・暖房運転に移行すると、電磁弁30は開制御され、上述した通常暖房運転時の冷媒の流れに加え、圧縮機6の吐出口から出た気相冷媒の一部は第6配管28と電磁弁30を通り、第3配管22を通る冷媒に合流して、室外熱交換器14を加熱し、凝縮して液相化した後、三方弁42へ至る。
除霜・暖房運転時、三方弁42は、室外熱交換器14から蓄熱熱交換器34へ冷媒を導く経路、即ち第4配管24と第7配管38が連通するように制御され、三方弁42を通った冷媒はキャピラリチューブ43で減圧され低温となり、蓄熱熱交換器34で蓄熱材36の熱を吸熱し、気相、もしくは高クオリティー状態で、アキュームレータ26に至り、圧縮機6の吸入口へと戻る。
このような構成とすることで、蓄熱材36と熱交換を行う蓄熱熱交換器34を低温とすることができる。そして、蓄熱材36からの最大吸収熱量は、圧縮機6の温度と蓄熱熱交換器34の温度との温度差に比例するので、蓄熱熱交換器34の温度を低温にできれば、圧縮機6の温度と補助熱交換器34の温度との温度差をより大きくでき、蓄熱材36からの最大吸収熱量を増加させることが可能となり、除霜時間を短縮し、暖房運転時における除霜運転による室温低下を抑制して快適性を向上させることができる。
更に、蓄熱熱交換器34での液冷媒の蒸発が促進されることで、液冷媒が圧縮機6に戻ることがなくなり、圧縮機6の信頼性も向上させることができる。
また、従来技術の図6のように蓄熱熱交換器118を通る冷媒をバイパス経路とすると、蓄熱熱交換器118を通る冷媒の循環量が低下し、蓄熱材126の温度が高温である場合、蓄熱熱交換器118の後半部で過熱度が高くなることで熱交換量が低下し、除霜能力が十分に発揮できないことがあるが、本構成では蓄熱熱交換器34に1つの経路で冷媒を流す構成としているため、過熱度のとり過ぎによる熱交換量低下を防ぐことができ、除霜能力が十分に発揮できる。
除霜・暖房開始時に霜の付着により氷点下となった室外熱交換器14の温度は、圧縮機6の吐出口から出た気相冷媒と室内熱交換器16より戻る液相もしくは気液2相冷媒が混合された冷媒によって加熱されて、零度付近で霜が融解し、霜の融解が終わると、室外熱交換器14の温度は再び上昇し始める。この室外熱交換器14の温度上昇を室外配管温度検出手段44で検出すると、除霜が完了したと判断し、制御装置から除霜・暖房運転から通常暖房運転へ切り替える指示が出力される。
また、圧縮機6から第6配管28を経て電磁弁30を通り、室外熱交換器14に至る吐出ガスバイパス経路は、必ずしも必要ではなく、極めて大きな除霜能力が必要な場合を除いては無くす構成としても良い。
この場合、圧縮機6の吐出口から、第1配管18、室内熱交換器16、第2配管20、第3配管22を経て、室外熱交換器14へと気相冷媒が流れ、室外熱交換器14を除霜する構成となり、除霜能力は少し低下するが、低コストでコンパクトな構成が可能となる。
また、本構成では、三方弁42から蓄熱熱交換器34に至る第7配管38にキャピラリチューブ43を設けた構成としているが、本構成の変わりに蓄熱熱交換器34に連通する三方弁42の開口部を絞った仕様としてもよく、この場合、キャピラリチューブ43を除くことが可能となり、低コストでコンパクトな構成が可能となる。
本発明に係る冷凍サイクル装置は、熱源からの吸熱能力を向上させ、除霜能力を向上さ
せるだけでなく、圧縮機への液冷媒の戻りを極力低減し、圧縮機の信頼性を向上させることができるので、空気調和機、冷蔵庫、ヒートポンプ式給湯器等にも適用できる。
また、三方弁の切り替え異常が発生しない安定した冷房運転を提供すると共に、圧縮機の保護が可能な冷凍サイクルを提供し、信頼性の高い空気調和装置を提供することができる。
2 室外機
4 室内機
6 圧縮機
8 四方弁
10 ストレーナ
12 膨張弁
14 室外熱交換器
16 室内熱交換器
18 第1配管
20 第2配管
22 第3配管
24 第4配管
25 第5配管
26 アキュームレータ
28 第6配管(吐出ガスバイパス機構)
30 電磁弁(吐出ガスバイパス機構)
32 蓄熱槽
34 蓄熱熱交換器(補助熱交換器)
36 蓄熱材
38 第7配管
40 第8配管
42 三方弁(切り替え装置)
43 キャピラリチューブ(絞り機構)
44 室外配管温度検出手段
50 圧縮機温度検出手段
51 室外吸込温度検出手段

Claims (3)

  1. 圧縮機と、前記圧縮機の温度を検出する圧縮機温度検出手段を備え、前記圧縮機に接続された室内熱交換器と、前記室内熱交換器と接続された膨張弁と、前記膨張弁と接続された室外熱交換器とを備え、前記室外熱交換器の配管温度を検出する室外配管温度検出手段と、前記室外熱交換器の吸込み温度を検出する室外吸込温度検出手段を備え、前記室外熱交換器と前記圧縮機とが四方弁を介して接続された冷凍サイクル装置であって、冷媒加熱用の補助熱交換器を更に有し、前記室外熱交換器と前記四方弁の間に、前記室外熱交換器から前記四方弁へ直接冷媒を流す経路と前記室外熱交換器から前記補助熱交換器を通じて前記四方弁を介さず前記圧縮機の吸入管へ冷媒を流す経路との切り替えを可能とする三方弁とを設け、前記室外熱交換器に付着した霜を溶解する除霜運転時には、前記三方弁を制御して、前記室内熱交換器と前記室外熱交換器を流れた冷媒が、前記室外熱交換器から前記補助熱交換器を通じて前記四方弁を介さず前記圧縮機の吸入管へ冷媒を流す経路へ導かれる構成において、冷房サイクル運転時に前記三方弁の切り替え異常が発生した場合、異常検知判定に応じて圧縮機の運転を停止させるものであって、前記異常検知判定は、前記圧縮機の温度と前記室外配管温度検出手段で検出された配管温度との差が所定の温度以上となるとともに、現在の前記圧縮機の温度と冷房サイクル起動時の前記圧縮機の温度との差が所定の温度以上となることにより三方弁の切り替え異常と判定することを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記異常検知判定には、前記室外配管温度検出手段で検出された配管温度と室外吸込温度との差が所定の温度未満となることにより三方弁切り替え異常と判定することを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置を備えた空気調和機。
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