JP5927235B2 - 試料ホルダー - Google Patents

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本発明は、試料ホルダーに関し、特に、傾斜角を広げることが可能な試料ホルダーに関する。
透過型電子顕微鏡等の顕微鏡において、試料を観察する際には、例えば、透過型電子顕微鏡の対物ポールピースのギャップ間の限られた空間に挿入する試料ホルダーの先端部は、対物レンズポールピースの限られた空間に挿入し、試料ホルダー軸上で電子線光軸に傾斜される必要があるので、必然的に、試料クレードル部は、出来るだけ薄く作られている。当該試料ホルダー先端部を、例えば、β傾斜させたい場合、モーターを回転させて、駆動軸(制御棒)を動かし、最終的に試料クレードル部を傾斜させる方法がある。また、フレームが導入棒に保持された状態において、てこ体が駆動棒に押された回動し、てこ体の回動により薄板が回動するように構成されることにより、試料を傾斜させることが可能な試料ホルダーが知られている(特許文献1)。
特開平04−206333号公報
しかしながら、上記特許文献1のような試料ホルダーを含め、上記レンズポールピースの間には、無駄な空間が存在している。ポールピースの間の無駄な空間について補足すると以下の通りである。まず、ポールピースは電子レンズを構成するに不可欠なジオメトリーである。そして、ポールピースの間に試料を挿入し試料傾斜などの機構に用いているが、従来の技術では、その空間を、試料操作としてまだ最良に有効利用されていない。一方、試料の傾斜角を広げることができれば、より多くの情報解析を行うことが可能となる。しかしながら、これまで、このような空間の有効利用は行われていない。
そこで、上記問題点を解決すべく、本発明は、ポールピース間の空間を利用して、傾斜角をより広げることが可能な試料ホルダー先端部及び試料ホルダーを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者は、ポールピース間の空間を有効利用すべく、鋭意検討を行った結果、本発明を見出すに至った。
すなわち、本発明の試料ホルダー先端部は、試料設置台座と、前記試料を固定する試料固定部と、リンク部材に接続するための支点とを有する試料ホルダー先端部であり、前記試料の試料面の位置を電子線の焦点面に配した場合に、前記試料面以外の面上に、前記支点を有し、かつ、前記支点は、前記試料面から上極のポールピースまでのギャップと、前記試料面から下極のポールピースまでのギャップとを比較して、空間が広いギャップ側に存在することを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、試料ホルダーのホルダー軸以外の軸上に存在することを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、前記上極のポールピース側と、前記下極のポールピース側との間で位置移動可能であることを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、球体で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーは、本発明の試料ホルダー先端部を有することを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、本発明の試料ホルダー先端部の支点を介して、接続するリンク部材を有することを特徴とする。
また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記支点は、前記リンク部材のフレーム内で位置移動可能であることを特徴とする。
本発明によれば、ポールピースの間の無駄な空間を利用することで、傾斜角を拡大することが可能であるという有利な効果を奏する。
図1は、本発明の一実施態様における試料ホルダーの断面図を示す図である。図1(a)は、図1(a)は、右上がりに試料クレードルを傾斜させた場合、図1(b)は、試料クレードルを傾斜させていない場合、図1(c)は、左上がりに試料クレードルを傾斜させた場合を、それぞれ示す。 図2は、本発明の一実施態様における試料ホルダーの断面図を示す図である。リンク部材のフレーム10による、第一の支点7のはさみ具合を調整する固定部材12(この例においては、ネジ。)が、一例として示されている。 図3は、本発明の一実施態様における試料ホルダー先端部の斜視図を示す図である。
本発明の試料ホルダー先端部は、試料設置台座と、前記試料を固定する試料固定部と、リンク部材に接続するための支点とを有する試料ホルダー先端部であり、前記試料の試料面の位置を電子線の焦点面に配した場合に、前記試料面以外の面上に、前記支点を有することを特徴とする。ここで、試料設置台座とは、電子顕微鏡の測定対象となる試料を載せる試料設置台座を意味し、試料クレードル部ともいう。試料クレードル部を所望の角度に傾斜させることにより種々の角度から見た試料の分析が可能となる。試料クレードル部を傾斜させるための傾斜機構は、例えば、制御棒と、駆動伝達軸と、モーターとからなることができる。
電子顕微鏡において、対物レンズは上極のポールピースと下極のポールピースの間に発生する磁場の経路に電子線を通過させ際に電子線が曲がる事で、光学的にレンズ効果得る事で、電子レンズになる。したがって、上極のポールピースと下極のポールピースのギャップの間にFocus面(焦点)を結ぶことになる。ただし、電子顕微鏡筐体構造的な制約から、上極のポールピースと下極のポールピースに印加できる磁場を均等に分配できない場合、焦点は、上極のポールピースと下極のポールピースとの真ん中に配する設計が出来ない場合がある。一般に、試料面の位置は、Focus面(焦点)に配しなければならず、そのため、試料Holder(及びGonioα(X)傾斜回転)の軸位置は、上極のポールピースと下極のポールピースの間に存在するFocus面(焦点)の高さに配している。
したがって、上極のポールピースと下極のポールピースとの真ん中に配する設計が出来ない場合、試料面(試料Holderの軸位置)と上極のポールピースまでのギャップとその反対側の、試料面(試料Holderの軸位置)と下極のポールピースまでのギャップとの寸法がアンバランスとなり、このような電子顕微鏡対物レンズは非対称型対物レンズと呼ばれている。一方、アンバランスになっていないものは、対称型対物レンズと呼ばれている。
歴史的には、非対称型対物レンズの時代が長いが、昨今の電子顕微鏡は、上極のポールピースと下極のポールピースの真ん中に配する設計(対称型対物レンズタイプ)のものが主流となってきている。対称型対物レンズタイプの場合、上極のポールピースと下極のポールピースのそれぞれに印加するため個々ポールピースに個々の磁場発生コイルを対称的な配置を施す。
本発明においては、このような対称型対物レンズのタイプ、非対称型対物レンズのタイプを問わず、適用可能であるが、特に非対称型対物レンズにおいて、効果が大きくなる。
球面収差の関係から、分解能的には、対称型対物レンズタイプのほうが有利であるが、いろいろな運用ニーズ(たとえば特性X線分析を優先的に取得することを考慮する場合)に応え、多様なレンズ配置を適選に設計されるため、依然としてこのような非対称レンズを搭載した電子顕微鏡も平行して存在している。
通常、試料ホルダー先端部においては、下から、試料設置台座、試料が存在し、当該試料は、試料固定部によって、試料設置台座に固定されている。試料は、試料メッシュ上に存在してもよい。この場合には、試料設置台座と、当該試料設置台座上に、試料を載せるための試料メッシュが存在する。試料メッシュとは、研究者Userの中では、TEM試料の形状イメージの総称をいう。試料は、試料メッシュにすくったり、貼り付けたり、または蒸着したりして、多様な手法により観察対象となる。たとえば、金属系の試料観察の場合、バルク材から試料を切り出しTEMに挿入し観察できるサイズ仕上げるので、製品名として存在する、TEM試料メッシュは一切使わない場合も多々有り得るが、このような場合の試料を観察する場合でも、本発明は適用可能であることは言うまでもない。また、試料メッシュの規格サイズとは、φ3mmのDiskが一般的であるが、本発明においては、これらに限定されない。
本発明においては、試料ホルダー先端部は、支点を有し、当該支点を介して、リンク部材に接続されている。当該リンク部材はさらに、駆動伝達軸へ、やはり支点等を介して接続されている。それによって、前記駆動伝達軸からの駆動力を通じて、試料設置台座の、試料ホルダー軸の軸回りの傾斜(以下では、α傾斜ともいう。)、及び試料ホルダー本体の長手方向に直交する軸回りの傾斜(以下では、β傾斜ともいう。)を可能とする。
また、本発明においては、前記試料の試料面の位置を電子線の焦点面に配した場合に、前記試料面以外の面上に、前記支点を有することを特徴とする。前記試料の試料面の位置を電子線の焦点面に配して、通常試料を観察することになる。一般に、支点を有する試料ホルダー先端部の場合には、前記試料面上に支点を有し、これによって、試料設置台座のα及びβ傾斜を的確に行っている。
一方、本発明においては、当該支点を試料面上の軸からずらすことによって、上極ポールピース及び下極ポールピース間に生じた無駄なギャップを利用することができ、ひいては、α及びβの傾斜角を拡大させることが可能となっている。すなわち、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、試料ホルダーのホルダー軸以外の軸上に存在する。また、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、前記試料面から上極のポールピースまでのギャップと、前記試料面から下極のポールピースまでのギャップとを比較して、空間が広いギャップ側に存在する。空間が広いギャップ側は、通常無駄なスペースとなっており、空状態となっている。そこで、本発明においては、当該無駄なスペースを有効利用して、当該無駄なスペース側に支点をずらすことにより、当該無断なスペース側に対して反対側において、試料ホルダー先端部の傾斜角を、α及びβ傾斜角を含めて、拡大することが可能となる。下記の実施例においては、下極側の空間が空いているが、上極側の空間を利用してもよく、上極側及び下極側のいずれの空間を利用してもよい。
また、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、前記上極のポールピース側と、前記下極のポールピース側との間で位置移動可能であることを特徴とする。このようにすることで、例えば、上極側に、空間が空いている場合には、上極側に支点を持ってくることで、α及びβ傾斜角を広げることができ、逆に、下極側に、空間が空いている場合には、下極側に支点を持ってくることで、α及びβ傾斜角を広げることができる。
前記上極のポールピース側と、前記下極のポールピース側との間で位置移動可能な支点は、前記位置移動が可能な程度で、ネジ等の固定手段で固定することができる。すなわち、前記上極のポールピース側と、前記下極のポールピース側との間で支点が上下運動を行うことができ、試料ホルダー先端部を、図1(a)及び(c)のように傾けることができる。すなわち、種々の電子顕微鏡に応じて所望の位置に支点を配置させて、用途に応じて傾斜角の拡大を図ることができる。
また、本発明の試料ホルダー先端部の好ましい実施態様において、前記支点は、球体で構成されていることを特徴とする。この場合、両サイド球体保持フレームの向かい合う内側の面に球体保持ディンプル(球が取れない最小限のくぼみ)をもうけ、ルビー球などの球体をはめ込むことができる。
当該支点が軸の場合、軸がスムーズに回る為には、軸の外周と軸用の穴面が、滑るだけの最小限のクリアランスが必要であるが、そこにはガタと摩擦が発生する場合が生じる。その要素は、軸の外周の径と、接する軸長(ピンが貫く各フレームの厚み)を掛けた面で発生する虞がある。
これに対して、第一の支点を球体とした場合には、クボミの外周の径に対して接触するリング状の箇所のみであるので、限りなくガタと摩擦を軽減できるという有利な効果を奏する。
また、本発明の試料ホルダーは、以上のような本発明の試料ホルダー先端部を有することを特徴とする。また、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、上述のような本発明の試料ホルダー先端部の支点を介して、接続するリンク部材を有することを特徴とする。前記リンク部材は、2つの支点を有することができ、一つの支点は、試料面、すなわち試料ホルダー軸面上に有することができる。当該支点を第二の支点とすると、駆動伝達軸からの駆動により、第二の支点を中心に前記リンク部材を回転させることができ、ひいては、試料ホルダー先端部のβ傾斜を可能とする。リンク部材の二つ目の支点を、第三の支点とすると、第三の支点は、駆動伝達軸からの駆動を試料ホルダー先端部へ伝える役割を果たす。すなわち、前記駆動伝達軸からの駆動により、第三の支点は上下に稼働することができ、試料面と電子線の光軸との交点を中心として、試料ホルダー先端部はβ傾斜することが可能となる。
また、前記駆動伝達軸を、試料ホルダー軸回りに回転させることで、試料ホルダー先端部のα傾斜を可能とする。
また、前記リンク部材にはフレームを有しており、当該フレームを挟んで、試料ホルダー先端部の支点を保持することができる。前記フレームは、固定部によって、支点を挟む強さを調整可能である。そして、本発明の試料ホルダーの好ましい実施態様において、前記支点は、前記リンク部材のフレーム内で位置移動可能である。
例えば、試料面から下極のポールピースまでの空間を利用する例であれば、下極のポールピースまでのギャップに無駄な空間をリンク部の駆動時の逃げに用いる事でβ(Y)傾斜の角度を増大させることが可能となる。従来の一般的なHolderのクレードル、リンク部材、リンク部材に力を与える部材などは、総て試料Holderの中心軸を介して対称な配置となっている。これに対して、本願発明においては、リンク部材の形状を非対称にすることができ、これによって、傾斜角を増大させることが可能である。
本発明においては、さらにHolderα(X)傾斜回転にも、リンクは干渉までの角度が改善できることになる。つまり一般に称する2軸傾斜(α及びβ傾斜)ホルダーの傾斜限界を大幅に改善できることとなる。
ここで、本発明の試料ホルダー先端部の一実施例を図面を参照して説明するが、本発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であることは言うまでもない。
図面を参照して、本発明の試料ホルダーの一実施態様を説明すれば以下の通りである。
図1は、本発明の一実施態様における試料ホルダーの断面図を示す図である。図1(a)は、図1(a)は、右上がりに試料クレードルを傾斜させた場合、図1(b)は、試料クレードルを傾斜させていない場合、図1(c)は、左上がりに試料クレードルを傾斜させた場合を、それぞれ示す。図1中、1は電子線レンズのポールピース(P−P)上極、2は電子線レンズのピールピース(P−P)下極、3は電子顕微鏡の電子線光軸、4は試料、5は電子線の焦点面、試料ホルダー挿入軸面、6は試料ホルダー先端部、7は第一の支点、8は第二の支点、9は第三の支点、10はリンク部材のフレーム、11はリンク部材、12は支点を固定する固定部材、13は駆動伝達軸、14は上極側のギャップB、15は下極側のギャップA、16はオフセット、17は傾斜角を、それぞれ示す。
従来のように、試料ホルダー先端部の支点が試料ホルダー軸上にあると、当該支点及びリンク部材が上極ポールピースに当たり傾斜角を増大することができない。しかしながら、本発明においては、図1(b)のように、試料ホルダー先端部の支点を試料ホルダー軸上からずらすことによって、試料ホルダー先端部をβ傾斜させた場合には、図1(a)及び図1(c)のように、傾斜角を増大させることが可能となる。
図1は、総ての好適な実施態様を一度に説明するために、総ての構成を含んだ例を示しているが、本発明は、これらすべてを具備しなければいけないものではなく、図1に限定して解釈されることを意図するものではない。なお、図1(a)においては、第一の支点7を固定する固定部材12は具体的に記載されていないが、例えばネジなどで、リンク部材のフレームに第一の支点7が収まり、所望の動き、すなわち、試料ホルダー先端部を図1(a)〜(c)のように傾斜角を確保できるように動作するように設定することができる。
図1(b)は、試料先端部を傾斜させていない場合である。また、この例においては、非対称型レンズの例であり、試料ホルダー軸5から下極ポールピースまでの間に無駄な空間がある例である。この例においては、第一の支点7を、電子線の焦点面5から、オフセット16を設けて、下極ポールピース側、すなわち無駄な空間が存在する側へ、第一の支点7を配置している。すなわち、図1の例においては、上極側のギャップB14より、下極側のギャップA15の方が大きい場合である。
図1(a)のように、試料ホルダー先端部をβ傾斜させたい場合には、駆動伝達軸13を、試料ホルダー取っ手方向(電子顕微鏡中心方向とは逆の方向)へ駆動することにより、第三の支点9を介してリンク部材11が、焦点面上に設置された第二の支点8を中心として回転し、第一の支点7を介して試料ホルダー先端部6をβ傾斜させることができる。この場合、リンク部材11は、通常焦点面を中心として対称であるが、本発明においては、非対称となっている。
また、図1(c)のように、試料ホルダー先端部をβ傾斜させたい場合には、駆動伝達軸13を、電子顕微鏡中心方向(電子線光軸方向。試料ホルダー取っ手方向とは逆方向)へ駆動することにより、第三の支点9を介してリンク部材11が、焦点面上に設置された第二の支点8を中心として回転し、第一の支点7を介して試料ホルダー先端部6をβ傾斜させることができる。
図2は、本発明の一実施態様における試料ホルダーの断面図を示す図である。リンク部材のフレーム10による、第一の支点7のはさみ具合を調整する固定部材12(この例においては、ネジ。)が一例として示されている。この態様において、第一の支点7は、上極のポールピース1側と、下極のポールピース2側との間にあり、試料面を試料ホルダー軸に合わせた状態において、両者の中間地点に支点7が来るように配置されている例である。上極1及び下極2との中間にあれば、上極側及び下極側にも傾斜角を拡大することができる。なお、図2において、支点を固定する固定部材12は、具体的にネジとなっているが、これに限定されず、支点7が、上極及び下極の間を移動することができ、ひいては、試料の傾斜角を得ることができればよい。
図3は、本発明の一実施態様における試料ホルダー先端部の斜視図を示す図である。図3において、20は試料保持クレードル、21はクレードル支点、22は第一の支点(球体)、23はツィーザー構造のフレーム部、24は第二の支点、25はリンク部材、26は固定部材(ツィーザーギャップ調整用ねじ)、27は球体保持ディンプル、28は球体保持フレーム部を、それぞれ示す。図3の一例において、両サイド球体保持フレーム28の向かい合う内側の面に球体保持ディンプル27(球が取れない最小限のくぼみ)を設けている。当該くぼみ27を通じて、ルビー球などの球体22をはめ込むことができる。第一の支点を球体とした場合には、摩擦が生じ得る場所は、くぼみ27の外周の径に対して接触するリング状の箇所のみであるので、限りなくガタと摩擦を軽減できるという有利な効果を奏する。
また、調整ネジ26については、リンクに配したツィーザー構造部で、球体22を掴むことができ、ツィーザーの掴み幅/強度を微小に調整できるように、実施することができる。理想的には、球体22とツィーザー構造のフレーム部23のクリアランスにガタがない最小限に調整し、リンク部材25が作動する際、球体22とツィーザー構造のフレーム部23の間で摺動できる程度に調整を狙うことができる。しかし、各部材が小さいため、理想通りにならない場合には、リンク部材25が動くとき球体22を回す事になるので、前途の球体保持ディンプル27での球体保持が役に立つ利点も有する。
更なるメリットとして、従来の様に、球体フレーム部にピンを通し、そのピンを挟むリンク構造の場合、互いのピンを保持する為に、ある程度の幅(軸上の距離)が必要であるので、正確な直行度や垂直度加工精度を要求される。大きい部材で有れば、昨今の機械加工制度が良くなっているので、なんら問題ないが、Holderの場合、当該部材が数ミリ程度の部材であるので、加工面の面粗度に埋もれるより実質は高い要求となる。従って、完璧に加工することは事実上不可能であり、組み込み段階で、時間を掛けて摺動馴らしを行って仕上げているのが現状である。これは、摺動馴らしによりガタが大きくなる問題を生じる虞がある。
一方、球体を用いた場合、完璧な直行度や垂直度加工精度はそれ程必要はなくなるので、組み立て調整工程での簡易化、短縮など、大きく改善となる利点を有することになる。
より高性能な試料分析を行う上で、試料クレードル部の傾斜角の増大は非常に重要であることから、本発明の試料ホルダーは、広範な範囲での分析評価の分野において有益であることが期待できる。
1 電子線レンズのポールピース(P−P)上極
2 電子線レンズのピールピース(P−P)下極
3 電子顕微鏡の電子線光軸
4 試料
5 電子線の焦点面、試料ホルダー挿入軸面
6 試料ホルダー先端部
7 第一の支点
8 第二の支点
9 第三の支点
10 リンク部材のフレーム
11 リンク部材
12 支点を固定する固定部材
13 駆動伝達軸
14 上極側のギャップB
15 下極側のギャップA
16 オフセット
17 傾斜角
20 試料保持クレードル
21 クレードル支点
22 第一の支点(球体)
23 ツィーザー構造のフレーム部
24 第二の支点
25 リンク部材
26 ツィーザーギャップ調整用ねじ
27 球体保持ディンプル
28 球体保持フレーム部

Claims (7)

  1. 試料設置台座と、前記試料を固定する試料固定部と、リンク部材に接続するための支点とを有する試料ホルダー先端部であり、前記試料の試料面の位置を電子線の焦点面に配した場合に、前記試料面以外の面上に、前記支点を有し、かつ、前記支点は、前記試料面から上極のポールピースまでのギャップと、前記試料面から下極のポールピースまでのギャップとを比較して、空間が広いギャップ側に存在する試料ホルダー先端部。
  2. 前記支点は、試料ホルダーのホルダー軸以外の軸上に存在する請求項1記載の試料ホルダー先端部。
  3. 前記支点は、前記上極のポールピース側と、前記下極のポールピース側との間で位置移動可能である請求項1又は2に記載の試料ホルダー先端部。
  4. 前記支点は、球体で構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の試料ホルダー先端部。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料ホルダー先端部を有する試料ホルダー。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料ホルダー先端部の支点を介して、接続するリンク部材を有する請求項5記載の試料ホルダー。
  7. 前記支点は、前記リンク部材のフレーム内で位置移動可能である請求項5又は6に記載の試料ホルダー。
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