JP5925185B2 - 骨補填材含有不織布 - Google Patents

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Description

本発明は骨補填材を含有する不織布に関する。
近年、加齢や歯周病等により歯牙を欠損した場合に、人工歯根を歯槽骨に埋め込み、その上に人工歯冠及び上部構造を装着する治療(いわゆる「インプラント治療」)が広く行われるようになっている。
歯牙が欠損すると(つまり、歯が抜けてしまうと)、それまで歯牙を支えていた歯槽骨は急速に吸収され、減少する。従って、インプラント治療では、人工歯根を歯槽骨に埋め込むには歯槽骨の厚さが不足している、という状況がしばしば起こる。歯槽骨の厚さが不足すると、人工歯根を埋め込んでも安定しない虞が大きい。このような場合には、骨を移植する、或いは骨を再生させる等の処置がとられる。
例えば、歯槽骨再生のために頻用される方法の一つとして、GBR法(骨再生誘導法:guided bone regeneration)が挙げられる。当該方法は、具体的には、歯槽骨が不足している部分(患部)に、粉砕した自家骨もしくは骨補填材を置き、その上にメンブレン(遮蔽膜、GBR膜ともいう)を置いて(即ち、骨補填材を補填した患部を包埋して)、歯肉組織の混入を防ぎつつ、歯槽骨の再生を促進させる方法である。しかし、現在用いられている骨補填材は、細胞の付着性及び増殖性は充分でなく、歯槽骨再生に長時間を要していた。また、歯槽骨への接着性や患部への留置性も良好とはいえず、GBR膜で包埋したとしても、患部から漏れ出ることもあった。
また、骨セメントが用いられる場合もあるが、骨セメントには細胞が浸潤できないという欠点がある。
上記のように、現在用いられる骨再生材料は、細胞付着性及び増殖性が充分でないという問題がある。
このような状況を改善するため、骨(特に歯槽骨)の再生に適した骨再生用材料の研究開発が続けられている(例えば特許文献1、特許文献2)。
WO2007/132186 特開2007−325543号公報
本発明は、骨(特に歯槽骨)の再生に好適な骨再生用材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、驚くべき事に、骨補填材を含有する不織布であって、骨補填材は不織布を構成する繊維間に含まれ、不織布を構成する繊維は生体適合性繊維である不織布が、非常に細胞(特に骨芽細胞)の増殖効率が高い(細胞増殖能が高い)骨再生用材料となることを見出し、さらに改良を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は例えば以下の項に記載の主題を包含する。
項1.
骨補填材を含有する不織布であって、
骨補填材は不織布を構成する繊維間に含まれ、
不織布を構成する繊維は生体適合性繊維である、
不織布。
項2.
生体適合性繊維が、生体適合性ポリマーを含んでなる繊維である、項1に記載の不織布。
項3.
生体適合性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、キチン、コラーゲン、ポリリジン、ポリアルギニン、ヒアルロン酸、セリシン、セルロース、デキストラン、及びプルランからなる群より選択される少なくとも1種である、項2に記載の不織布。
項4.
骨補填材が、β-TCP(β−リン酸三カルシウム)、α-TCP(α−リン酸三カルシウム)、HA(ハイドロキシアパタイト)、 DCPD (第二リン酸カルシウム)、OCP(オクタカルシウムフォスフェート)、4CP(テトラカルシウムフォスフェート)、アルミナ、ジルコニア、カルシウムアルミネート(CaO-Al2O3)、アルミノシリケート(Na2O-Al2O3-SiO2)、生体活性化ガラス、石英、及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の不織布。
項5.
骨補填材の粒径が50〜5000μm程度である、項1〜4のいずれかに記載の不織布。
項6.
不織布の空隙率が、78.5〜97%である、請求項1〜5のいずれかに記載の不織布。
項7.
不織布の繊維部分の空隙率が、80〜99.99%である、項1〜6のいずれかに記載の不織布。
項8.
不織布のかさ密度(g/cm)が、0.1〜0.6である、項1〜7のいずれかに記載の不織布。
項9.
項1〜8のいずれかに記載の不織布を含む骨再生用材料。
項10.
項1〜8のいずれかに記載の不織布を含む骨芽細胞培養足場材。
項A−1.
項1〜8のいずれかに記載の不織布を、骨を再生させるべき部位へ適用する工程を含む、骨を再生させる方法。
項A−2.
骨が歯槽骨である、項A−1に記載の方法。
項B−1.
骨再生における使用のための、項1〜8のいずれかに記載の不織布。
項B−2.
骨が歯槽骨である、項B−1に記載の不織布。
項C−1.
骨再生用製剤の製造における、項1〜8のいずれかに記載の不織布の使用。
項C−2.
骨再生用製剤が、歯槽骨再生用製剤である、項C−1に記載の使用。
項C−3.
in vitroでの細胞足場材としての、項1〜8のいずれかに記載の不織布の使用。
本発明の骨補填材を含有する不織布を細胞培養の足場として用いた場合、非常に細胞(特に骨芽細胞)の増殖効率が高まる(すなわち、細胞の増殖能を高めることができる)。また、当該不織布は骨補填材を含むため、特に骨芽細胞の培養の足場として用いた場合、骨再生効率も高めることができる。このため、当該不織布は、骨再生用材料として好適に用いることができる。具体的には、外的要因(例えば事故)により骨が損傷した場合や、内的要因(例えば骨粗鬆症、歯周病)により骨が少なく又は無くなった場合に、本発明の不織布を適用することで、(具体的には、患部に埋めたり貼付したりすることで)早期の骨の再生を達成することができる。
エレクトロスピニング法による不織布の製造方法の簡単な概要を示す。 本発明の不織布を製造する際に用いるアース電極の一例を示す。 本発明の不織布(及びエレクトロスピニング法により製造した通常の不織布)の断面図を示す。 本発明の不織布の断面図(走査型電子顕微鏡による)を示す。 本発明の不織布の例であるサンプル1〜3の細胞増殖能を検討した結果を示す。 ブロック状骨補填材(オスフェリオンのブロック)をラットに移植した際の、ブロック状骨補填材への結合組織浸潤の程度を示す、組織切片観察画像である。外側の破線が移植した骨補填材の輪郭を示し、内側の点線が当該骨補填材に浸潤した組織の先端を示す。 本発明の不織布をラットに移植した際の不織布への結合組織浸潤の程度を示す、組織切片観察画像である。外側の破線が移植した不織布の輪郭を示し、内側の点線が当該不織布に浸潤した組織の先端を示す。 各不織布を足場として細胞を培養した後、HE染色して得た画像、及び当該画像から測定した細胞浸潤距離を示す。 各不織布のポアサイズ測定結果、及び各不織布を足場として細胞を培養してHE染色して得た画像を示す。 不織布の繊維同士の間の距離(繊維間距離)の測定方法の概要を示す。 各不織布のポアサイズ測定結果、並びに各不織布を足場として細胞を培養してHE染色して得た画像及び当該画像から測定した細胞浸潤距離を示す。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、「質量」は「重量」と読み替えてもよい。
本発明は、骨補填材を含有する不織布に係る。当該不織布において、骨補填材は不織布を構成する繊維間に含まれる。また、不織布を構成する繊維は生体適合性繊維である。
不織布に含まれる骨補填材としては、公知のものを用いることができる。公知の骨補填材としては、例えば、β-TCP(β−リン酸三カルシウム)、α-TCP(α−リン酸三カルシウム)、HA(ハイドロキシアパタイト)、 DCPD (第二リン酸カルシウム)、OCP(オクタカルシウムフォスフェート)、4CP(テトラカルシウムフォスフェート)、アルミナ、ジルコニア、カルシウムアルミネート(CaO-Al2O3)、アルミノシリケート(Na2O-Al2O3-SiO2)、生体活性化ガラス、石英、炭酸カルシウム等が例示される。具体的にはこれらの成分を含んでなる欠片(好ましくは、これらの成分からなる欠片)を用いることができる。骨補填材は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を組み合わせて用いる場合、骨補填材1欠片の中に2種以上が組み合わされて含まれるものを用いてもよいし、1成分のみからなる欠片を2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、骨補填材1欠片の大きさは、不織布中に埋没して含有される程度の大きさ以下であればよい。また、形状も特に制限されず、例えば粒子状、ブロック状、円筒状等であり得る。
骨補填材1欠片の粒径が、不織布の厚さより短いことが好ましく、より好ましくは50〜5000μm程度、さらに好ましくは75〜5000μm程度、よりさらに好ましくは150〜3000μm程度、特に好ましくは500〜1500μm程度である。当該粒径は、乾式篩法で求めた値である。具体的には、JIS Z8801で規定される篩をセットしたロータップ振とう機を用いて得られる値である。乾式篩法により、当該粒径の骨補填材を得ることができる。また、乾式篩法により、粒径未知の骨補填材の粒径の程度を測定できる。なお、ここでの「粒径」とは骨補填材の形状を粒状に限定することを意図するものではなく、前記方法で求められる値を示すにすぎない。粒状ではない形状(例えばブロック状や円筒状)の骨補填材であっても、ここでいう「粒径」の値を求めることはできる。
本発明の不織布には、骨補填材として市販されているものを購入して用いてもよい。例えば、オスフェリオン(オリンパステルモバイオマテリアル株式会社)、ボーンセラム(オリンパステルモバイオマテリアル株式会社)、ネオボーン((株)エム・エムティー)、オステオグラフト−S(日本メディカルマテリアル株式会社)、アパセラム(ペンタックス株式会社)等が例示される。
本発明の不織布では、骨補填材は不織布を構成する複数(多数)の繊維と繊維との間に存在する。つまり、骨補填材は不織布を構成する繊維間に含まれる。1本の繊維内に含まれるものではない。不織布を構成する繊維が骨補填材を絡め取るように存在するともいえる。本発明の不織布を構成する繊維は生体適合性繊維である。生体適合性繊維とは、生体適合性ポリマーを含んでなる繊維をいう。生体内で生分解性を有するものが好ましい。繊維中の生体適合性ポリマーの含有率は、通常50質量%より大きく、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がよりさらに好ましく、95質量%以上が特に好ましく、実質的に100%であることが(即ち、生体適合性ポリマーのみからなる生体適合性繊維が)最も好ましい。
生体適合性ポリマーとは、生体に接着させた場合又は埋め込んだ場合に、異物反応が無い若しくは小さい(長期間にわたって生体に悪影響も強い刺激も与えず、本来の機能を果たしながら生体と平和共存できる)ポリマーをいう。生体吸収性ポリマーや生体分解性ポリマーが例示できる。
より具体的には、生体適合性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリヘキサメチレンカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルイソシアネート、ポリブチルイソシアネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリノルマルプロピルメタクリレート、ポリノルマルブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルノルマルプロピルエーテル、ポリビニルイソプロピルエーテル、ポリビニルノルマルブチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリビニルターシャリーブチルエーテル、ポリビニルクロリド、ポリビニリデンクロリド、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(N−ビニルカルバゾル)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルメチルケトン、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシクロペンテンオキシド、ポリスチレンサルホン、テフロン(登録商標)(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリシアノアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレン含む)、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデン(ポリビニリデンジフルオライド)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン並びにこれらの共重合体等の合成ポリマー、再生セルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、メチルセルロース、プロピルセルロース、ベンジルセルロース、フィブロイン、天然ゴム等の生体高分子とその誘導体が例示される。また、キチン、ゼラチン、コラーゲン、ポリアミノ酸(ポリリジン、ポリアルギニン)、ヒアルロン酸、セリシン、デキストラン、プルラン等も例示される。
これらのうち、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート及びポリシアノアクリレート、並びにこれらの共重合体などの脂肪族ポリエステル、ポリブチレンカーボネート、ポリエチレンカーボネートなどの脂肪族ポリカーボネートを好ましい例として挙げることができ、更に好ましくはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトンが挙げられる。なかでもポリ乳酸が特に好ましい。生体適合性ポリマーは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリマーや化合物を併用(例えばポリマー共重合体、ポリマーブレンド、リン脂質、その他化合物等、及びこれらの混合物)してもよい。
不織布を構成する繊維の平均繊維径は、好ましくは0.05〜20μm程度、より好ましくは0.1〜5μm程度、さらに好ましくは0.1〜3μm程度である。当該平均繊維径であれば、特に骨芽細胞が接着し易く、骨再生効率が向上するため有利である。なお、ここでの繊維径は繊維の直径をいう。また、当該平均繊維径は、該不織布の電顕撮影映像から各繊維の直径を測定し、ランダムに選択した50本の繊維径から算出した平均値をいう。
不織布の厚みは、不織布が適用される患部(骨欠損部位)の大きさにあわせて、適宜設定することができる。好ましくは0.1〜5cm程度、より好ましくは0.1〜1cm程度、さらに好ましくは0.1〜0.5cm程度である。なお、ここでの不織布の“厚み”は、当該不織布の厚み方向に圧力をかけずに測定した厚みをいう。測定には厚み計(Digital thickness gauge、尾崎製作所、DG−205M)などを用いることができる。
本発明の不織布のかさ密度((g/cm)、即ち、{不織布重量(g)/不織布体積(cm)})は、0.1〜0.6程度が好ましく、0.1〜0.5程度がより好ましく、0.1〜0.4程度がさらに好ましく、0.1〜0.3程度がよりさらに好ましく、0.15〜0.25程度がなお好ましく、0.15〜0.2程度が特に好ましい。含有される骨補填材がβ-TCP又はα-TCPである場合、特に、かさ密度が当該範囲であることが好ましい。なお、ここでの不織布体積は、不織布を長方形に切断(約4cm程度)し、縦、横、及び厚みの長さを上述の厚み計で測定し、縦、横、厚みの長さを乗じて求めた体積(cm)である。
本発明の不織布の空隙率は、78.5〜97%程度が好ましく、80〜97%程度、85〜97%程度、90〜97%程度、90〜95%程度、91〜95%程度、91.5〜95%程度、92〜95%程度、がこの順に好ましい。なお、空隙率(%)は、不織布を構成する繊維及び骨補填材そのものの密度(真密度)から求めることができる。すなわち、本発明の不織布1cmあたりに含まれる繊維の重量、及び骨補填材の重量を、それぞれの真密度で除することにより、当該繊維及び当該骨補填材のそれぞれが占める体積を求めることができるので、これらの体積(cm)の合計値を1(cm)から減じ、これに100を乗じることで、当該不織布の空隙率(%)を求めることができる。式で表せば次の通りである。
Figure 0005925185
また、上記繊維が占める体積(cm)を、上記骨補填材が占める体積(cm)を1(cm)から減じた値で除し、これに100を乗じることにより、不織布の繊維部分の空隙率(%)を求めることもできる。式で表せば次の通りである。
Figure 0005925185
不織布の繊維部分の空隙率は、85〜99.99%程度が好ましく、90〜99.99%程度がより好ましく、97.5〜99.99%程度がさらに好ましく、98〜99.8%程度がよりさらに好ましい。
なお、本明細書において、真密度は、定容積膨張法で求めた値である。真密度の測定には、例えば乾湿自動密度計(アキュピック1330;島津製作所)を用いることできる。
不織布の空隙率、不織布の繊維部分の空隙率が、上記の範囲であれば、特に細胞が浸潤し易く、また体液・血液等の通液性も高く、組織再生時において新生血管が侵入し易い点で有利である。なお、本発明の不織布の繊維部分の空隙率は、通常の不織布と比べて高い空隙率となっている。限定的な解釈を望むわけではないが、骨補填材を繊維間に含むことにより、高い空隙率が生じるものと考えられる。この高い繊維部分の空隙率にもかかわらず、本発明の不織布は、圧力を加えても、当該圧力を無くせば(例えば手で押しても、その後手をのければ)厚みがある程度回復される。これも、骨補填材を繊維間に含むために奏される効果と考えられる。
本発明の不織布のポアサイズは、0.5〜500μm程度が好ましく、1〜100μm程度がより好ましく、2〜50μm程度がさらに好ましく、3〜30μm程度がよりさらに好ましく、6〜20μm程度が特に好ましい。
なお、ここでの不織布のポアサイズとは、測定用サンプルとして本発明の不織布の表層を剥ぎ取ったものを用い、パーフルオロポリエステルを用いたハーフドライ法(ASTM E1294−89)により求められる最頻値(階級幅1μm)をいう。当該ポアサイズ測定には、capillary flow porometer(CFP-1200-AEL、 Porous Materials Inc)を用いることができる。
また、本発明の不織布では、部分によっては繊維が疎であったり密であったりする(すなわち、繊維分布の疎密構造が存在する)。繊維が密に存在する部分の繊維感距離は、5〜40μm程度が好ましく、10〜30μm程度がより好ましく、15〜25μm程度がさらに好ましい。また、繊維が疎に存在する部分の繊維間距離は、約50〜100μm程度である。ここでの不織布の繊維間距離は、不織布の凍結ブロック切片を顕微鏡で観察して得た画像から繊維を検出し、検出した繊維のデータから重心間距離法により求められる値である。
本発明の不織布の骨補填材比率は、10〜98%程度が好ましく、50〜98%程度がより好ましく、80〜98%程度がさらに好ましい。
なお、ここでの骨補填材比率とは、
{不織布に含まれる骨補填材(g)/不織布(g)}×100(%)
で求められる値をいう。不織布に含まれる骨補填材(g)は、本発明の不織布中のポリ乳酸をジクロロメタンにより溶解した後(つまり、不織布の繊維部分を溶解した後)の残渣の重量を測定して求めた値である。
本発明の不織布は、エレクトロスピニング法により製造することができる。エレクトロスピニング法は、不織布を製造する手法の一つとして周知の方法である。具体的には、ポリマー(及び、必要に応じて分散補助剤)を揮発性溶媒(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール、又はこれらの混合溶液等)に溶解した溶液を、電極間で形成された静電場中に吐出し、溶液を電極(アース電極)に向けて曵糸することにより、繊維状物質を製造する方法である。エレクトロスピニング法のごく簡単な概要を図1に示す。なお、図1は例示である。公知のエレクトロスピニング法であり、本発明の不織布を製造できる方法であれば、本発明の不織布の製造に用いることができる。図1を簡単に説明する。高電圧を、シリンジ(先端にノズル装着)中のポリマー溶解溶液に付加すると、ポリマー溶液のドロップが鋭い円錐となる。そして、さらに電圧が増すと、溶液はアース電極(例えば銅、アルミ等)に向かって飛ぶ(噴霧される)ことになり、アース電極上で薄い繊維の膜(即ち不織布)を形成する。つまり、図1では、アース電極がコレクターを兼ねる。
本発明において、エレクトロスピニング法に使用する生体適合性ポリマー溶解溶液中の生体適合性ポリマーの濃度は、適宜設定できるが、通常1〜30質量%程度、好ましくは2〜25質量%程度、より好ましくは3〜20質量%程度である。
また、電極間の距離(図1ではシリンジとアース電極間の距離)は、帯電量、ノズル寸法、紡糸液流量、紡糸液濃度等に依存しており、適宜設定することができる。例えば印加電圧が10kV程度のときには5〜50cm程度が好ましく、10〜30cm程度がより好ましい。また、印加される静電気電位は、通常3〜100kV程度、好ましくは5〜50kV程度、さらに好ましくは5〜30kV程度である。
本発明の不織布を製造工程では、エレクトロスピニング法により不織布を製造する途中で、骨補填材が供給される。具体的には、例えば、エレクトロスピニング法により、生体適合性ポリマー溶解溶液を少量噴霧して不織布を製造し、適当量の骨補填材を当該不織布上へ分散させた後、さらに生体適合性ポリマー溶解溶液を噴霧する、という工程により本発明の不織布を製造することができる。好ましくは、当該工程を数回〜数十回(具体的には2〜50回程度、好ましくは5〜10回程度)繰り返して本発明の不織布は製造される。言い換えれば、本発明の不織布の製造方法は、当該工程含み、好ましくは数回〜数十回の当該工程の繰り返しを含む。好ましい製造方法の一態様として、生体適合性ポリマー溶解溶液を0.5〜1.5μL/secの割合で噴霧し、15分おきに0.1〜0.2gの骨補填材を添加するという方法が例示できる。当該例示方法においては、骨補填材は合計添加量が1〜2g程度になるまで添加される。
なお、エレクトロスピニング法では、製造される不織布の厚さが厚くなるにつれ、当該不織布が存在するためにアース電極が負に帯電しにくくなり、よって生体適合性ポリマー溶解溶液が噴霧されにくくなる。このため、従来エレクトロスピニング法により、比較的厚い不織布を得ることは困難であった。本発明では、比較的厚い不織布を製造するために、アース電極に次のような工夫を施すことが好ましい。すなわち、アース電極として金属板(例えばアルミや銅の板)を用いるだけでなく、当該板上に突起(好ましくは円柱状又は円錐状)が備えられていることが好ましい。さらに、当該突起は、上下に可動であることが好ましい。このような突起を備えたアース電極であれば、不織布の厚さが厚くなり、アース電極が負に帯電しにくくなった場合に、当該突起を上昇させることにより、アース電極をさらに負に帯電させることが可能となる。当該突起は、金属板上に例えば1〜3cm程度の間隔で格子状に備えられることが好ましい。また、当該突起の断面積は、0.001〜0.5cm程度が好ましく、0.01〜0.1cm程度がより好ましい。本発明は、このような構成を備えたエレクトロスピニング用アース電極も包含する。なお、後述するように、図2は、このような構成を備えたエレクトロスピニング用アース電極の一態様を示す。
本発明の不織布は、細胞培養の足場として用いた場合、非常に細胞(特に骨芽細胞)の増殖効率を高める(細胞増殖能を高める)ため、細胞培養足場材として、さらには骨再生用材料として、好適に用いることができる。具体的には、外的要因(例えば事故)により骨が損傷した場合や、内的要因(例えば骨粗鬆症、歯周病)により骨が少なく又は無くなった場合に、本発明の不織布を適用することで、(具体的には、患部に埋めたり貼付したりすることで)早期の骨の再生を達成することができる。特に、本発明の不織布は、従来の不織布では不可能であった程度の厚みを備えることができるため、従来の骨補填材と同様に、骨再生をすべき部位(患部)へ埋め込むことにより、骨再生を促進させるという用い方ができる。
特に、本発明の不織布では、不織布の繊維に骨補填材を絡めて保持させたことで、骨補填材の留置性が高く、また、適度な靭性を有するため、患部が複雑な形状であっても容易に適用する(埋め込む)ことができる。また、細胞通過性及び通液性にも優れる。
制限はされないが、本発明の不織布は、特にインプラント治療における歯槽骨の再生のために好ましく用いることができる。
従来、GBR法(Guided Bone Regeneration:骨再生誘導療法)では、歯槽骨を再生させるエリアへ骨補填材を充填した後、骨組織再生を妨げる歯肉組織や上皮組織が当該エリア内へ浸潤するのを抑制するために、遮蔽膜を適用しなければならなかった(すなわち、骨補填材と遮蔽膜を“順次”適用して併用設置しなければならなかった)。このため、当該エリアに、まず骨補填材を充填し、次に遮蔽膜を適用することとなるので、施術者の手間が大きく、また施術者には高度な技術が求められていた。一方、本発明の不織布を骨補填材の代わりに用いる場合には、遮蔽膜と一緒に“一度に”適用することができるので、施術者の手間が軽減され、また従来に比べて技術的にも簡単に適用することができる。特に、従来骨補填材が適用部位から漏れ出す場合もしばしばあったが、本発明の不織布を骨補填材の代わりに用いれば、このような問題は起こらない。また、本発明の不織布は柔軟性に優れるため、患部の形状にあわせて変形させてから適用することもできるし、あるいは患部の形状にあわせて切断してから適用することもできる。
さらに、本発明の不織布において、内部に含まれる骨補填材から外側までの長さを長くすることで(つまり、本発明の不織布の、歯肉組織や上皮組織に接する面の繊維層を厚くすることで)、歯肉組織や上皮組織の再生エリアへの浸潤を抑制する(つまり、遮蔽膜の機能を付加する)こともできる。この場合、本発明の不織布のみを、遮蔽膜及び骨補填材の代わりとして用いることができる。
また、上述のように、本発明の不織布は、エレクトロスピニング法により、“生体適合性ポリマー溶解溶液を少量噴霧して不織布を製造し、適当量の骨補填材を当該不織布上へ分散させた後、さらに生体適合性ポリマー溶解溶液を噴霧する”という工程を繰り返すことにより、製造することができるが、この製造過程を少し変更することにより、様々な形態の有用な不織布を製造することもできる。例えば、最初に生体適合性ポリマー溶解溶液を大量噴霧して広く厚めの不織布を製造し、その上の比較的狭い一部分にだけ、骨補填材を加えては生体適合性ポリマー溶解溶液を噴霧するという操作を繰り返すと、広く厚い不織布を土台として、その一部に骨補填材を含む不織布が盛り上がってなる、シルクハット状の不織布が得られる。シルクハットに見立てた場合、つばの部分が広く厚い土台の不織布であり、クラウンの部分が骨補填材を含む不織布である。このシルクハット状の不織布では、クラウン部分を、歯槽骨を再生させるべきエリアへ埋め込み、さらにつばの部分で歯肉組織や上皮組織が当該エリア内へ浸潤するのを抑制することができる。すなわち、当該シルクハット状の不織布は、遮蔽膜及び骨補填材の両方の機能を有する。
このように、本発明の不織布は、骨再生用材料として用いることができる。さらに、本発明の不織布に骨芽細胞等を付着させたもの又は添加したものも本発明に包含される。つまり、本発明は、上記不織布を含む骨再生用材料を包含し、当該骨再生用材料は、上記不織布からなるものであってもよいし、骨芽細胞をさらに含む上記不織布であってもよい。なお、骨芽細胞を含ませるには、例えば当該不織布を足場として細胞を培養すればよい。
また、本発明の不織布は、骨芽細胞培養足場材として用いることができる。この場合において、上記の骨再生材料と同様の構成を有する不織布を、骨芽細胞培養足場材として用いることができる。
またさらに、本発明の不織布は、骨再生用材料として用い得ることから、例えば以下に記載する治療、術式又は用途に用いることができる。
<歯周組織再生、口腔外科領域>
骨縁下欠損、クラスII根分岐部病変、退縮型欠損、裂開型欠損における組織再生誘導法;顎堤の骨造成術、歯槽提増大術、インプラント周囲の骨造成術における骨再生誘導法;顎堤形成術;上顎洞底挙上術におけるサイナスリフト法;抜歯窩の保存におけるソケットプリザベーション法;鼻腔底挙上術;骨延長手術、骨壊死部分の掻爬後の骨充填、骨組織のがん病巣掻爬後の骨充填、外傷による骨折の治療のための骨充填における骨再建術;ブリッジ下の歯肉増大、歯肉退縮への根面被服、歯間乳頭再建、その他歯肉増大など審美目的での施術、等
<整形外科領域>
骨延長手術;骨壊死部分の掻爬後、骨組織のがん病巣掻爬後、外傷による骨折の治療、脊椎圧迫骨折、偽関節治療における骨再建術;骨延長手術:骨粗鬆症の治療における薬効成分のキャリアー材としての使用、等
なお、本発明は、上記本発明の不織布を、骨(好ましくは歯槽骨)を再生させるべき部位へ適用し、骨を再生させる方法も包含する。当該方法は、例えば上記治療、術式に用いることができる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、実験に際して当該技術分野の教科書等(例えばMolecular Cloning: A Laboratory Manual (3 Vol. Set) ;Cold Spring Harbor Laboratory Press)を適宜参照してもよい。
不織布の製造1
ポリ乳酸(三井化学、LACEA 、H−400)7gに、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール:ジクロロメタン=8:2(質量比)の混合溶液43gを加えて溶解させ、ポリ乳酸溶液を得た(14w/w%)。当該ポリ乳酸溶液をシリンジ(Henke SASS WOLF、5mL)に充填し、針(テルモ、ノンベベル針21G1.1/2)をシリンジに装着して、エレクトロスピニング装置にセットした。シリンジからターゲットとなるアースとの距離を8cmとし、印加電圧10kVにて、表1に示す条件で、噴霧量や噴霧時間をそれぞれ変化させ噴霧した。噴霧の間、15分おきに骨補填材(オスフェリオン/オリンパステルモバイオマテリアル株式会社)をできるだけまんべんなく添加した。当該添加は、合計添加量が2gになるまで行った。なお、用いた骨補填材(オスフェリオン)の粒径は0.5〜1.5mm(規格値)である。骨補填材全量を添加終了後、さらに15分間ポリ乳酸溶液を噴霧した。このようにして、表1に示す4種の不織布を製造した。
なお、製造にあたっては、アース電極(コレクターを兼ねる)として、上下可動の銅製の突起を備えたアルミ板を用いた。当該アース電極の概要を図2に示す。上記の噴霧の間、15分おきに当該銅製突起を0.5mmずつ上昇させた。
Figure 0005925185
不織布の物性評価1
以下の手順により、上記4種の不織布(サンプル0、1、2、3)の厚み、かさ密度、骨補填材比率、及び不織布を構成する繊維の繊維径を測定した。
サンプルをそれぞれ長方形に切断(約4cm程度)し、重量を測定した。測定サンプルの縦、横、及び厚みの長さを厚み計(Digital thickness gauge、尾崎製作所、DG−205M)で測定し、縦、横、厚みの長さを乗じて体積(cm)を求めた。なお、厚みは、20箇所の測定値の平均値とした。
サンプル重量と体積から、かさ密度を次の式により求めた。
かさ密度(g/cm)=サンプル重量(g)/サンプル体積(cm
さらに、カットした各サンプルをそれぞれコニカルチューブに入れ、50mLのジクロロメタンを加え、サンプル中のポリ乳酸を溶解した。次にコニカルチューブに沈殿を残し、上清を除去した。当該沈殿のジクロロメタンを蒸発させ、残った沈殿の重量を測定し、骨補填材の重量とした。そして、骨補填材比率を次の式により求めた。
骨補填材比率(%)=(ジクロロメタン不溶解物(沈殿)/用いたサンプル重量)×100
また、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジー、S−3400N)を用いて各サンプル断面を撮影し、500倍の電顕撮影映像からImage J(ver.1.43u)(NIH開発の画像処理ソフトフェア)により繊維径を測定した。繊維50本の繊維径の平均値を、各サンプルの繊維径とした。
なお、各サンプルの断面写真を図3に示す。図3では、Aがサンプル0を、Bがサンプル1を、Cがサンプル2を、Dがサンプル3を、それぞれ示す。図3から、サンプル0に比べ、サンプル1〜3が、骨補填材を取り込むことで厚みのある不織布となっていることが確認できた。また、走査型電子顕微鏡によるサンプル3の断面の撮影図を図4に示す。図4には、あわせて模式図も示す。
以上の物性評価の結果を表2に示す。
Figure 0005925185
またさらに、サンプル1〜3について、不織布の空隙率(%)、及び不織布の繊維部分の空隙率(%)を算出した。計算には、ポリ乳酸の真密度として1.26g/cm、骨補填材(オスフェリン)の真密度として3.17g/cm、の各値を用いた。結果を表3に示す。なお、当該真密度値は、乾湿自動密度計(アキュピック1330;島津製作所)により求めた値である。
Figure 0005925185
骨補填材を含まないポリ乳酸の不織布(サンプル0)は、厚さが0.163mmと薄く、特に患部(骨欠損部)に充填して用いる骨再生用材料としては、十分な厚さとはいいがたいものであったが、骨補填材を添加したポリ乳酸不織布(サンプル1〜3)は、厚さ2〜3mmの比較的厚手の不織布であって、手で押さえても手を離せば厚みが回復するものであり、骨再生用材料としても好適なものと考えられた。
不織布の細胞増殖能評価
以下の手順により、各不織布(サンプル1〜3)の細胞増殖能を検討した。具体的には、各サンプルにより増殖した細胞のDNA量を測定して、細胞増殖能を検討した。
<細胞培養>
各不織布サンプル(サンプル1〜3)を48穴シャーレ(住友ベークライト(株)、SUMILON、MS−80480)の底面と同じ大きさにカットし、48穴シャーレの底に置いた。これらには、約50mg分の骨補填材が含まれる。また、コントロールサンプルとして、骨補填材(オスフェリオン)約50mgをそのまま48穴シャーレの底に置いた。
各評価サンプルの上に、ステンレス管(ペニシリンカップ)を置き、さらに10%FBS/MEM培地(抗生物質とグルタミン酸を加えた10%FBS/MEM培地:以下の「10%FBS/MEM培地」も同様)を500μL加えた。プレート遠心機にて5min遠心し(2500rpm、室温)、減圧脱気して、さらに5min遠心した(2500rpm、室温)。そして、200μLの10%FBS/MEM培地を加え、37℃、5%COインキュベーター内で、1hr以上インキュベートした。培地を500μL吸い取って除去し、ヒト骨肉腫由来細胞MG−63を1.6×10cells/mLとなるように10%FBS/MEM培地に懸濁し、これを100μLずつ各wellに播種した(1.6×10cells/well)。5時間インキュベートし、細胞を評価サンプルに付着させた後、200μLの10%FBS/MEM培地を加え、培養した。培養1日、3日、8日後のサンプルを細胞増殖能評価に使用した。
<細胞増殖能の測定>
培養後、細胞の付着した各評価サンプル(不織布)を取り出し、それぞれPBS(リン酸緩衝生理食塩水)の入ったシャーレに加えた。PBSを含んだ状態の重量を測定し、乾燥重量とPBSを含んだ状態の評価サンプル重量から吸水量(PBSを含んだ状態の評価サンプル重量から、評価サンプルの実験に供される前の乾燥重量(シャーレ底面と同じ大きさにカットした時点で測定)を減じた量)を求めた。
サンプルの吸水量とTE緩衝液(Tris/Tris-HCl 10 mM、 EDTA 1mM)を合わせた溶液量が1200μLとなるようにTE緩衝液を各シャーレに加えた。2回凍結融解(−80℃で凍結させ、室温で融解させる操作を2回繰り返した)を行い、その後超音波処理を30分行って、細胞を破砕した。TE緩衝液中にDNAを溶出させた100μLの細胞溶解液(凍結融解及び超音波処理を行って得た細胞破砕液)を96穴蛍光測定用プレート(Nunc black microwell、cat.137101)に加え測定サンプルとした。
ピコグリーン(インビトロジェン)をTE緩衝液で希釈(100μLを20mLに希釈)し、測定サンプルに100μL加え、5分間、室温でインキュベートした。蛍光プレートリーダー(Molecular devices spectra Max gemin XPS)を用い、励起光480nm・測定波長520nmで、蛍光強度を測定した。ピコグリーンは、2本鎖DNA特異的染色剤であるため、得られた蛍光強度はDNA量(ひいては細胞数)を反映する。結果を図5に示す。骨補填材のみ(コントロール)を用いた場合に比べ、骨補填材を含む厚手のポリ乳酸不織布(サンプル1〜3)には、多数の細胞が付着し増殖することが確認できた。従って、これらの不織布は、骨再生材料として優れることがわかった。
不織布のポアサイズ測定
不織布のポアサイズ(最頻値)は、パーフルオロポリエステルを用いたハーフドライ法(ASTM E1294−89)により測定(直径7mmの円形測定アダプターを使用)した。なお、測定機器はcapillary flow porometer(CFP-1200-AEL、 Porous Materials Inc)を用いた。また、最頻値を求める際の階級幅は1μmとした。
不織布の製造2
ポリ乳酸(エボニックデグサジャパン株式会社、RESOMER(登録商標)、L 206S)5gに、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール:ジクロロメタン=8:2(質量比)の混合溶液45gを加えて溶解させ、ポリ乳酸溶液を得た(10重量%)。当該ポリ乳酸溶液をシリンジ(Henke SASS WOLF、5mL)に充填し、エレクトロスピニング装置(株式会社メック、NF-103A)にセットした。シリンジからターゲットとなるアース電極(4 x 4cmのアルミブロック:図2に示すものと同機構)との距離を22cmとし、印加電圧15kVにて、噴霧量1ml/hour、噴霧合計時間90minの条件で噴霧した。噴霧の間、3分おきに0.033gの骨補填材(オリンパステルモバイオマテリアル株式会社、オスフェリオンG1)、及びその骨補填材をより細かく破砕し、篩にて粒径を調節したものをまんべんなく添加した。当該添加は、30回、合計添加量が約1gになるまで行った。このようにして、表4に示す5種の不織布(A、B、C、D及びE)を作製した。
また、ブロック状(20mm×10mm×3.5mmの直方体状)のオスフェリオン(オスフェリオンA1)を骨補填材として用いて、同様に不織布を作製した。当該不織布を不織布Fとする(表4)。
Figure 0005925185
不織布の物性評価2
以下の手順により、不織布A〜Fの厚み、かさ密度、骨補填材比率、及び不織布を構成する繊維の繊維径を測定及び算出した。
各サンプルをそれぞれ4 x 4cmの正方形に切出し、重量を測定した。サンプルの厚みをデジマチックマイクロメータ(株式会社ミツトヨ、CLM1-15QM)で測定した。厚みは20箇所の測定値の平均値とした。
次に、上記「不織布の物性評価1」と同様にして、不織布A〜Fのかさ密度、骨補填材比率、及び不織布を構成する繊維の繊維径を測定及び算出した。但し、繊維径については、500倍ではなく2000倍の電顕撮影映像を用いて求めた。
以上の物性評価の結果を表5に示す。なお、不織布Fは、ブロック状の骨補填材を用いて製造したために、他の不織布に比べてかさ密度が大きい。
Figure 0005925185
またさらに、各不織布の空隙率(%)、及び各不織布の繊維部分の空隙率(%)を算出した。具体的には、計算には、ポリ乳酸の真密度として1.26g/cm3、骨補填材(オスフェリオン)の真密度として3.17 g/cm3を用い、上記「不織布の物性評価1」と同様にして算出した。但し、不織布Fは、ブロック状の骨補填材自体が多く空隙を含むため、不織布Fの繊維部分の空隙率を算出するときだけ、骨補填材の真密度として0.7065g/cm3を用いた。結果を表6に示す。
不織布Fは、ブロック状の骨補填材を用いて製造したために、他の不織布に比べて不織布の繊維部分の空隙率が低い。このため、他の不織布に比べると、若干硬めの不織布であった。
Figure 0005925185
不織布の製造3
使用ポリ乳酸溶液濃度を5重量%とし、エレクトロスピニング装置からの噴霧条件を噴霧量1 ml/hour、噴霧合計時間195 minとし、はじめに15 min噴霧した後、6 minおきに0.03 gの骨補填材を合計添加量が約1 gになるまで添加した以外は、上記「不織布の製造2」と同様にして、不織布αを製造した。
不織布の物性評価3
上記「不織布の物性評価2」と同様にして、不織布αの厚み、かさ密度、骨補填材比率、及び立体不織布を構成する繊維の繊維径を測定及び算出し、さらに立体不織布の空隙率(%)、及び立体不織布の繊維部分の空隙率(%)を算出した。結果を表7及び表8に示す。
Figure 0005925185
Figure 0005925185
不織布の製造4
アース電極を6×25cmのアルミブロックとして、噴霧条件を幅16 cm、噴霧量1 ml/hour、噴霧合計時間360 minとし、噴霧の間、6 minおきに0.135 gの骨補填材(オスフェリオン)を、59 回、合計添加量が約8 gになるまで、4×16 cmにまんべんなく添加した以外は、上記「不織布の製造2」と同様にして、不織布βを製造した。
不織布の物性評価4
上記「不織布の物性評価2」と同様にして、不織布βの厚み、かさ密度、骨補填材比率、及び立体不織布を構成する繊維の繊維径を測定及び算出し、さらに立体不織布の空隙率(%)、及び立体不織布の繊維部分の空隙率(%)を算出した。結果を表9及び表10に示す。
Figure 0005925185
Figure 0005925185
不織布の移植
不織布βを以下のようにしてラットへ移植し、結合組織の浸潤の程度を検討した。なお、ブロック状骨補填材そのもの(オスフェリオンA1)も同様にラットへ移植し、対照とした。
SD系雄性ラット(8週齢、約200g)を購入し、実験動物とした。当該ラットに2.5%イソフルラン吸入麻酔を施し、術部である背部を剃毛し、さらにイソジンおよび消毒用アルコールにて消毒した。背部の皮膚を切開し、疎性結合織内に空隙を作製した。この空隙に不織布β又は骨補填材のブロック(10 x 10 x 5 mm、オリンパステルモバイオマテリアル社、オスフェリオンA1より切出)を埋植し、縫合糸で閉創した。埋植から2週後、2.5%イソフルランの吸入麻酔下にて腹部大動脈から放血を行い、移植を施したラットを安楽死させた。当該ラットの致死確認後、埋植した検体を周辺部も含めて採取した。採取したサンプルを、10%中性緩衝ホルマリン液(マイルドホルム(登録商標)、和光純薬工業株式会社製)に浸漬して固定した。その後、当該サンプルから凍結非脱灰組織切片を作製し、ヘマトキシリン-エオジン染色を施した。得られた組織切片標本を光学顕微鏡で観察した。結果を図6a及び図6bに示す。不織布βへの結合組織浸潤は、対照であるブロック状骨補填材のそれよりも良好であった。
細胞浸潤性の検討1
<細胞培養>
不織布A〜Dを、直径約1cmの大きさにカットし、24穴シャーレ(住友ベークライト(株)、SUMILON、MS−80480)の底に設置した。評価サンプルをペニシリンカップ(ステンレス管)で押さえ、抗生物質とグルタミン酸を加えた10%FBS/MEM培地(以下特に断らない限り、単に「10%FBS/MEM培地」と標記した場合でも抗生物質とグルタミン酸を含む)を10000μL加えて湿らせ、減圧脱気した。37℃、5%COインキュベーター内で、1hr以上インキュベートした。事前に培養したMG−63(由来:ヒト骨肉腫、ヒューマンサイエンス研究資源バンク、Lot.05262004)を3.2×10cells/mLとなるように10%FBS/MEM培地に懸濁し、100μLずつ各wellに播種した(3.2×10cells/well)。一晩培養した細胞を評価サンプルとして用いた。
<細胞浸潤性評価>
細胞を4%パラフォルムアルデヒド溶液で1hr固定し、PBSにて洗浄をした。その後、サンプルをドライアイス冷却下のヘキサンで凍結し、4%CMCに凍結包埋した。凍結サンプルを厚さ30μLで薄切し、ヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)を行った。薄切サンプルを正立顕微鏡で(オリンパス株式会社、BH-2)にて観察した。また、Image J ver 1.44を用い最大の細胞浸潤距離を測定した。結果を図7に示す。空隙率、繊維部分の空隙率の上昇とともに、細胞の浸潤性が高くなることが確認できた。
不織布の製造5
噴霧合計時間120 minとし、噴霧の間、3 minおきに0.135 gの骨補填材(オスフェリオンG1)を、39 回、合計添加量が約5.3 gになるまで、4×16 cmにまんべんなく添加した以外は、上記「不織布の製造4」と同様にして、不織布γを製造した。
細胞浸潤性の検討2
不織布β及び不織布γの細胞浸潤性を検討した。不織布β及びγについて、次のようにして細胞培養を行った。すなわち、直径約1cmの大きさにカットし、10%FBS/MEM培地中で、減圧脱気し完全に湿らせた。そして、37℃、5%COインキュベーター内で、1hr以上インキュベートした。事前に培養したMG−63(由来:ヒト骨肉腫、ヒューマンサイエンス研究資源バンク、Lot.05262004)を1.6×10cells/mLとなるように10%FBS/MEM培地に懸濁し、各評価サンプルを細胞溶液10mLに60分浸した。サンプルは15分毎に溶液内で静かに撹拌した。細胞液からサンプルを取り出し、24穴シャーレ(住友ベークライト(株)、SUMILON、MS−80240)の底に設置した。培地を1mL加え、ペニシリンカップ(ステンレス管)でサンプルを押さえ、一晩培養した。この細胞を培養した不織布をサンプルとし、細胞を4%パラフォルムアルデヒド溶液で1hr固定し、PBSにて洗浄をした。その後、サンプルをドライアイス冷却下のヘキサンで凍結し、4%CMCに凍結包埋した。凍結サンプルを厚さ30μLで薄切し、HE染色を行った。薄切サンプルを顕微鏡で(オリンパス株式会社、BH-2)にて観察し、細胞浸潤性を評価した。
また上記「不織布のポアサイズ測定」と同様にして各不織布のポアサイズを測定した。但し、不織布β及びγのポアサイズを測定する際には、不織布の表層を剥ぎ取り、これを測定に用いた。
以上の結果を図8に示す。図8のポアサイズは最頻値を示す。
さらに、各不織布の繊維同士の間の距離(繊維間距離)を、次のようにして測定した。すなわち、測定するサンプル(不織布)をPBSに浸漬し、減圧脱泡する。PBSが浸潤したサンプルを4%CMC(カルボキシメチルセルロース)ゲルに沈め、凍結ブロックを作成した。作成したブロックから厚さ2μmのサンプルを作成し、スライドガラスとカバーガラスの間に樹脂で封入した。薄切サンプルを位相差顕微鏡で撮影した。撮影した画像から繊維の断面を検出し、その繊維間距離を重心間距離法にて測定を行った。重心間距離法の解析は、「A像くん」(旭化成エンジニアリング、ver 2.20)を用いて行った。当該解析の概要を図9に示す。なお、このようにして測定した繊維間距離は、不織布βでは18.4μm、不織布γでは27.2μm、不織布サンプル2では33.3μmであった。
細胞浸潤性の検討3(参考例)
細胞浸潤性と、不織布のポアサイズとの関係を解析するため、通常の不織布(平面不織布(i)〜(iii):表11)を製造し、細胞浸潤性を検討した。
Figure 0005925185
具体的には、ポリ乳酸ポリ乳酸(エボニックデグサジャパン株式会社、RESOMER(登録商標)、L 206S)5gに、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール:ジクロロメタン=8:2(質量比)の混合溶液45gを加えて溶解させ、ポリ乳酸溶液を得た(10 重量%)。当該ポリ乳酸溶液をシリンジ(Henke SASS WOLF、5mL)に充填し、エレクトロスピニング装置(株式会社メック、NF-103A)にセットした。シリンジからターゲット(3x 3cmのアルミブロック)となるアースとの距離を25cmとし、印加電圧15kVにて、噴霧量1ml/hour、噴霧合計時間60minの条件で噴霧し、不織布(i)を作製した。また不織布(ii)(iii)は、それぞれ、異なる種類の回転式のドラムをアースに用いた点以外は、不織布(i)と同様にして作製した。
不織布(i)〜(iii)について、上記「細胞浸潤性の検討2」と同様にして、細胞浸潤性を検討した。但し、不織布(i)のポアサイズ測定においてのみ、最頻値を求める際の階級幅は0.1μmとした。結果を図10に示す。図10のポアサイズは最頻値を示す。なお、図10の「最大浸潤距離」は、HE染色組織切片の観察画像から求めた。また、それぞれの不織布の繊維間距離は、不織布(i)では7.3μm、不織布(ii)では13.4μm、不織布(iii)では15.8μmであった。

Claims (8)

  1. 骨補填材を含有する不織布であって、
    骨補填材は不織布を構成する繊維間に含まれ、
    不織布を構成する繊維は生体適合性繊維であ
    骨補填材の粒径が50〜5000μmであり、
    不織布を構成する繊維の平均繊維径が0.05〜20μmであり、かつ
    不織布の空隙率が、78.5〜97%である、
    不織布。
  2. 生体適合性繊維が、生体適合性ポリマーを含んでなる繊維である、請求項1に記載の不織布。
  3. 生体適合性ポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体、ポリカプロラクトン、キチン、コラーゲン、ポリリジン、ポリアルギニン、ヒアルロン酸、セリシン、セルロース、デキストラン、及びプルランからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項2に記載の不織布。
  4. 骨補填材が、β-TCP(β−リン酸三カルシウム)、α-TCP(α−リン酸三カルシウム)、HA(ハイドロキシアパタイト)、 DCPD (第二リン酸カルシウム)、OCP(オクタカルシウムフォスフェート)、4CP(テトラカルシウムフォスフェート)、アルミナ、ジルコニア、カルシウムアルミネート(CaO-Al2O3)、アルミノシリケート(Na2O-Al2O3-SiO2)、生体活性化ガラス、石英、及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の不織布。
  5. 不織布の繊維部分の空隙率が、80〜99.99%である、請求項1〜のいずれかに記載の不織布。
  6. 不織布のかさ密度(g/cm)が、0.1〜0.6である、請求項1〜のいずれかに記載の不織布。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布を含む骨再生用材料。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布を含む骨芽細胞培養足場材。
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