JP2000262608A - 複合型骨充填材 - Google Patents
複合型骨充填材Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い
組織を形成し得る複合型骨充填材の提供 【解決手段】本発明の複合型骨充填材は、生体吸収性有
機材料及びリン酸カルシウム化合物の組合せからなる。
前記生体吸収性有機材料が繊維状形、不織布状又は綿状
の形態である。また前記生体吸収性有機材料としては、
ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共
重合体又はコラーゲンから選択された少なくとも１種で
ある。リン酸カルシウム化合物が、水酸アパタイト、炭
酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン酸三カルシ
ウム又はリン酸四カルシウムが挙げられる。
組織を形成し得る複合型骨充填材の提供 【解決手段】本発明の複合型骨充填材は、生体吸収性有
機材料及びリン酸カルシウム化合物の組合せからなる。
前記生体吸収性有機材料が繊維状形、不織布状又は綿状
の形態である。また前記生体吸収性有機材料としては、
ポリ乳酸、ポリグリコール酸、乳酸とグリコール酸の共
重合体又はコラーゲンから選択された少なくとも１種で
ある。リン酸カルシウム化合物が、水酸アパタイト、炭
酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン酸三カルシ
ウム又はリン酸四カルシウムが挙げられる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、広く医科用、特に
整形外科、脳外科、形成外科等における骨欠損部の修復
用に用いる複合型骨充填材に関し、更に詳しくは生体吸
収性有機材料とリン酸カルシウム化合物とを用いた初期
強度を発現させ、かつ生体組織により近い組織を形成し
得る複合型骨充填材に関する。
整形外科、脳外科、形成外科等における骨欠損部の修復
用に用いる複合型骨充填材に関し、更に詳しくは生体吸
収性有機材料とリン酸カルシウム化合物とを用いた初期
強度を発現させ、かつ生体組織により近い組織を形成し
得る複合型骨充填材に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、整形外科、脳外科、形成外科等
（以下、整形外科等という。）における骨欠損部の修復
用に用いる骨充填材として、リン酸カルシウムが生体適
合性に優れているため主に用いられており、中でもアパ
タイトからなる緻密体、多孔体、顆粒等の形態で市販さ
れている。また複数のリン酸カルシウム化合物を混合
し、これに液体を添加してペースト状となし、骨ペース
ト（セメント）として一部の施設で使用されている。
（以下、整形外科等という。）における骨欠損部の修復
用に用いる骨充填材として、リン酸カルシウムが生体適
合性に優れているため主に用いられており、中でもアパ
タイトからなる緻密体、多孔体、顆粒等の形態で市販さ
れている。また複数のリン酸カルシウム化合物を混合
し、これに液体を添加してペースト状となし、骨ペース
ト（セメント）として一部の施設で使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ごときアパタイトからなる骨充填材は生体適合性には優
れているものの、生体内で吸収せずそのまま残存するこ
とから、緻密体の場合には、充填した骨充填部に骨の物
性と異なるセラミックスの性質が残存し生体融合されな
いので、特にその境界部において破断するという問題が
ある。一方、多孔体の場合は、その気孔率が高いほど気
孔内に新生骨等の形成により境界部における破断を回避
することができるが、充填初期の強度において問題が残
る。
ごときアパタイトからなる骨充填材は生体適合性には優
れているものの、生体内で吸収せずそのまま残存するこ
とから、緻密体の場合には、充填した骨充填部に骨の物
性と異なるセラミックスの性質が残存し生体融合されな
いので、特にその境界部において破断するという問題が
ある。一方、多孔体の場合は、その気孔率が高いほど気
孔内に新生骨等の形成により境界部における破断を回避
することができるが、充填初期の強度において問題が残
る。
【０００４】また顆粒の場合には、多孔体と同様の効果
を期待できるが、多孔体に比べ充填重量が多くなり、セ
ラミックスの性質が発現するとともに、充填初期強度の
問題もある。更に骨ペーストの場合は、厳密な意味で緻
密体とは異なるが、ペースト内に形成される空孔の径は
オングストロームのオーダーであり生体組織の侵入は不
可能な大きさであり、実際的には上記のアパタイト緻密
体の場合と同様の問題点を有する。
を期待できるが、多孔体に比べ充填重量が多くなり、セ
ラミックスの性質が発現するとともに、充填初期強度の
問題もある。更に骨ペーストの場合は、厳密な意味で緻
密体とは異なるが、ペースト内に形成される空孔の径は
オングストロームのオーダーであり生体組織の侵入は不
可能な大きさであり、実際的には上記のアパタイト緻密
体の場合と同様の問題点を有する。
【０００５】そこで、本発明者等は、複合型骨充填材
が、初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い組織
を形成し得るかという課題について種々検討したとこ
ろ、リン酸カルシウム化合物に特定の生体吸収性有機材
料を組み合わせることにより前記課題が解決され、優れ
た複合型骨充填材が得られることを見出し、ここに本発
明をなすに至った。したがって、本発明が解決しようと
する課題は、初期強度を発現させ、かつ生体組織により
近い組織を形成し得る複合型骨充填材を提供することに
ある。
が、初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い組織
を形成し得るかという課題について種々検討したとこ
ろ、リン酸カルシウム化合物に特定の生体吸収性有機材
料を組み合わせることにより前記課題が解決され、優れ
た複合型骨充填材が得られることを見出し、ここに本発
明をなすに至った。したがって、本発明が解決しようと
する課題は、初期強度を発現させ、かつ生体組織により
近い組織を形成し得る複合型骨充填材を提供することに
ある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、以
下の各発明によってそれぞれ達成される。
下の各発明によってそれぞれ達成される。
【０００７】（１）生体吸収性有機材料及びリン酸カル
シウム化合物の組合せからなることを特徴とする複合型
骨充填材。 （２）前記組合せが生体吸収性有機材料及びリン酸カル
シウム化合物の混合物であることを特徴とする前記第１
項に記載の複合型骨充填材。 （３）前記生体吸収性有機材料が繊維状形であることを
特徴とする前記第１項又は第２項に記載の複合型骨充填
材。 （４）前記生体吸収性有機材料が不織布状又は綿状の形
態であることを特徴とする前記第１項に記載の複合型骨
充填材。 （５）前記生体吸収性有機材料がポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体又はコラーゲン
から選択された少なくとも１種であることを特徴とする
前記第１項乃至第４項のいずれかに記載の複合型骨充填
材。 （６）前記リン酸カルシウム化合物が、水酸アパタイ
ト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン酸三
カルシウム又はリン酸四カルシウムのうちの１種または
２種以上の混合物、又はリン酸三カルシウムとリン酸水
素カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの混合
物、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム及び／
又はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸三カルシ
ウムとリン酸四カルシウム及び／又はリン酸二水素カル
シウムの混合物からなることを特徴とする前記第１項、
第２項又は第４項のいずれかに記載の複合型骨充填材。
シウム化合物の組合せからなることを特徴とする複合型
骨充填材。 （２）前記組合せが生体吸収性有機材料及びリン酸カル
シウム化合物の混合物であることを特徴とする前記第１
項に記載の複合型骨充填材。 （３）前記生体吸収性有機材料が繊維状形であることを
特徴とする前記第１項又は第２項に記載の複合型骨充填
材。 （４）前記生体吸収性有機材料が不織布状又は綿状の形
態であることを特徴とする前記第１項に記載の複合型骨
充填材。 （５）前記生体吸収性有機材料がポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体又はコラーゲン
から選択された少なくとも１種であることを特徴とする
前記第１項乃至第４項のいずれかに記載の複合型骨充填
材。 （６）前記リン酸カルシウム化合物が、水酸アパタイ
ト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン酸三
カルシウム又はリン酸四カルシウムのうちの１種または
２種以上の混合物、又はリン酸三カルシウムとリン酸水
素カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの混合
物、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム及び／
又はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸三カルシ
ウムとリン酸四カルシウム及び／又はリン酸二水素カル
シウムの混合物からなることを特徴とする前記第１項、
第２項又は第４項のいずれかに記載の複合型骨充填材。
【０００８】本発明の複合型骨充填材は、生体吸収性有
機材料及びリン酸カルシウム化合物の組合せからなるこ
とを特徴とするもので、このような構成を有することに
より、初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い組
織を形成し得るという優れた効果を奏するものである。
機材料及びリン酸カルシウム化合物の組合せからなるこ
とを特徴とするもので、このような構成を有することに
より、初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い組
織を形成し得るという優れた効果を奏するものである。
【０００９】本発明に用いられる生体吸収性有機材料及
びリン酸カルシウム化合物が混合物であることにより、
初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い組織を形
成し得る複合型骨充填材が得られる。また本発明に用い
られる生体吸収性有機材料が、繊維状形、不織布状又は
綿状の形態であることにより、初期強度を発現させ、か
つ生体組織により近い組織を形成し得るという優れた効
果を奏するものである。更に不織布状又は綿状の生体吸
収性有機材料にリン酸カルシウム化合物を含浸させるこ
とにより得られた生体吸収性有機材料及びリン酸カルシ
ウム化合物の組合せによっても、前記と同様の効果を奏
するものである。
びリン酸カルシウム化合物が混合物であることにより、
初期強度を発現させ、かつ生体組織により近い組織を形
成し得る複合型骨充填材が得られる。また本発明に用い
られる生体吸収性有機材料が、繊維状形、不織布状又は
綿状の形態であることにより、初期強度を発現させ、か
つ生体組織により近い組織を形成し得るという優れた効
果を奏するものである。更に不織布状又は綿状の生体吸
収性有機材料にリン酸カルシウム化合物を含浸させるこ
とにより得られた生体吸収性有機材料及びリン酸カルシ
ウム化合物の組合せによっても、前記と同様の効果を奏
するものである。
【００１０】生体吸収性有機材料がポリ乳酸、ポリグリ
コール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体又はコラーゲ
ンから選択された少なくとも１種であることにより、い
っそう優れた本発明の効果が得られる。またリン酸カル
シウム化合物が、水酸アパタイト、炭酸含有アパタイ
ト、フッ素アパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸
四カルシウムのうちの１種または２種以上の混合物、又
はリン酸三カルシウムとリン酸水素カルシウム及び／又
はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸四カルシウ
ムとリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カル
シウムの混合物、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシ
ウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの混合物からな
ることにより、いっそう優れた本発明の効果が得られ
る。
コール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体又はコラーゲ
ンから選択された少なくとも１種であることにより、い
っそう優れた本発明の効果が得られる。またリン酸カル
シウム化合物が、水酸アパタイト、炭酸含有アパタイ
ト、フッ素アパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸
四カルシウムのうちの１種または２種以上の混合物、又
はリン酸三カルシウムとリン酸水素カルシウム及び／又
はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸四カルシウ
ムとリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カル
シウムの混合物、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシ
ウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの混合物からな
ることにより、いっそう優れた本発明の効果が得られ
る。
【００１１】
【発明の実施の形態】以下に、詳細に本発明の実施の形
態を説明するが、本発明は、これらに限定されるもので
はない。
態を説明するが、本発明は、これらに限定されるもので
はない。
【００１２】本発明では、生体吸収性有機材料及びリン
酸カルシウム化合物の組合せからなることを特徴とする
もので、生体吸収性有機材料として、ポリ乳酸（ＰＬ
Ａ）、ポリグリコール酸（ＰＧＡ）、乳酸とグリコール
酸の共重合体又はコラーゲンから選択された少なくとも
１種を用いることが好ましい。またリン酸カルシウム化
合物としては、水酸アパタイト、炭酸含有アパタイト、
フッ素アパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸四カ
ルシウムのうちの１種または２種以上を用いることが好
ましい。リン酸カルシウム化合物が、リン酸三カルシウ
ム、リン酸四カルシウムである場合には、リン酸３カル
シウム又はリン酸４カルシウムの各単体及びこれらの混
合物、リン酸３カルシウムとリン酸水素カルシウム及び
又はリン酸２水素カルシウムの混合物、リン酸４カルシ
ウムとリン酸水素カルシウム及び又はリン酸２水素カル
シウムとの混合物、リン酸三カルシウム及びリン酸四カ
ルシウム並びにリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸
二水素カルシウムの混合物のいずれかであるペースト状
リン酸カルシウムが好ましい。
酸カルシウム化合物の組合せからなることを特徴とする
もので、生体吸収性有機材料として、ポリ乳酸（ＰＬ
Ａ）、ポリグリコール酸（ＰＧＡ）、乳酸とグリコール
酸の共重合体又はコラーゲンから選択された少なくとも
１種を用いることが好ましい。またリン酸カルシウム化
合物としては、水酸アパタイト、炭酸含有アパタイト、
フッ素アパタイト、リン酸三カルシウム又はリン酸四カ
ルシウムのうちの１種または２種以上を用いることが好
ましい。リン酸カルシウム化合物が、リン酸三カルシウ
ム、リン酸四カルシウムである場合には、リン酸３カル
シウム又はリン酸４カルシウムの各単体及びこれらの混
合物、リン酸３カルシウムとリン酸水素カルシウム及び
又はリン酸２水素カルシウムの混合物、リン酸４カルシ
ウムとリン酸水素カルシウム及び又はリン酸２水素カル
シウムとの混合物、リン酸三カルシウム及びリン酸四カ
ルシウム並びにリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸
二水素カルシウムの混合物のいずれかであるペースト状
リン酸カルシウムが好ましい。
【００１３】ここで、リン酸３カルシウムとリン酸水素
カルシウム及び又はリン酸２水素カルシウムの混合物と
は、リン酸３カルシウムとリン酸水素カルシウムの混合
物、リン酸３カルシウムとリン酸２水素カルシウムの混
合物、リン酸３カルシウムとリン酸水素カルシウムとリ
ン酸２水素カルシウムの混合物のいずれかであり、また
リン酸４カルシウムとリン酸水素カルシウム及び又はリ
ン酸２水素カルシウムとの混合物とは、リン酸４カルシ
ウムとリン酸水素カルシウムの混合物、リン酸４カルシ
ウムとリン酸２水素カルシウムとの混合物、リン酸４カ
ルシウムとリン酸水素カルシウムとリン酸２水素カルシ
ウムとの混合物、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシ
ウムとリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カ
ルシウムの混合物とは、リン酸三カルシウムとリン酸四
カルシウムとリン酸水素カルシウムの混合物、リン酸三
カルシウムとリン酸四カルシウムとリン酸二水素カルシ
ウムの混合物、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウ
ムとリン酸水素カルシウムとリン酸二水素カルシウムの
混合物のいずれかである。これらの混合物は、任意の割
合で混合することができる。
カルシウム及び又はリン酸２水素カルシウムの混合物と
は、リン酸３カルシウムとリン酸水素カルシウムの混合
物、リン酸３カルシウムとリン酸２水素カルシウムの混
合物、リン酸３カルシウムとリン酸水素カルシウムとリ
ン酸２水素カルシウムの混合物のいずれかであり、また
リン酸４カルシウムとリン酸水素カルシウム及び又はリ
ン酸２水素カルシウムとの混合物とは、リン酸４カルシ
ウムとリン酸水素カルシウムの混合物、リン酸４カルシ
ウムとリン酸２水素カルシウムとの混合物、リン酸４カ
ルシウムとリン酸水素カルシウムとリン酸２水素カルシ
ウムとの混合物、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシ
ウムとリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カ
ルシウムの混合物とは、リン酸三カルシウムとリン酸四
カルシウムとリン酸水素カルシウムの混合物、リン酸三
カルシウムとリン酸四カルシウムとリン酸二水素カルシ
ウムの混合物、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウ
ムとリン酸水素カルシウムとリン酸二水素カルシウムの
混合物のいずれかである。これらの混合物は、任意の割
合で混合することができる。
【００１４】これら生体吸収性有機材料及びリン酸カル
シウム化合物の組合せとしては、具体的には、ポリ乳酸
と水酸アパタイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタ
イト、リン酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムの少
なくとも１種が用いられ、またポリグリコール酸と水酸
アパタイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、
リン酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムの少なくと
も１種が用いられ、更に乳酸とグリコール酸の共重合体
と、水酸アパタイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパ
タイト、リン酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムの
少なくとも１種、又はリン酸三カルシウムとリン酸水素
カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの混合
物、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム及び／
又はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸三カルシ
ウムとリン酸四カルシウム及び／又はリン酸二水素カル
シウムの混合物が用いられ、コラーゲンと水酸アパタイ
ト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン酸三
カルシウム又はリン酸四カルシウムの少なくとも１種が
用いられる。
シウム化合物の組合せとしては、具体的には、ポリ乳酸
と水酸アパタイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタ
イト、リン酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムの少
なくとも１種が用いられ、またポリグリコール酸と水酸
アパタイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、
リン酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムの少なくと
も１種が用いられ、更に乳酸とグリコール酸の共重合体
と、水酸アパタイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパ
タイト、リン酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムの
少なくとも１種、又はリン酸三カルシウムとリン酸水素
カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの混合
物、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム及び／
又はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸三カルシ
ウムとリン酸四カルシウム及び／又はリン酸二水素カル
シウムの混合物が用いられ、コラーゲンと水酸アパタイ
ト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン酸三
カルシウム又はリン酸四カルシウムの少なくとも１種が
用いられる。
【００１５】これらの組合せのうち、特に好ましいもの
は、リン酸三カルシウム及び、リン酸四カルシウム並び
にリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシ
ウムの組合せである。これらは、用いる形態としては、
混合物として用いるか又は生体吸収性有機材料を各種の
形状、構造に形成し、これらにリン酸カルシウム化合物
を含浸させて用いることができる。生体吸収性有機材料
が繊維状であるときは、リン酸カルシウム化合物に繊維
状物を混合したものを骨充填材として用いる。また生体
吸収性有機材料が不織布状又は綿状の形態であるとき
は、これらの不織布状又は綿状物にリン酸カルシウム化
合物を含浸させ、好ましくは表面に生体吸収性有機材料
が露出するように表面を削る等して処理し、これを骨充
填材として用いる。
は、リン酸三カルシウム及び、リン酸四カルシウム並び
にリン酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシ
ウムの組合せである。これらは、用いる形態としては、
混合物として用いるか又は生体吸収性有機材料を各種の
形状、構造に形成し、これらにリン酸カルシウム化合物
を含浸させて用いることができる。生体吸収性有機材料
が繊維状であるときは、リン酸カルシウム化合物に繊維
状物を混合したものを骨充填材として用いる。また生体
吸収性有機材料が不織布状又は綿状の形態であるとき
は、これらの不織布状又は綿状物にリン酸カルシウム化
合物を含浸させ、好ましくは表面に生体吸収性有機材料
が露出するように表面を削る等して処理し、これを骨充
填材として用いる。
【００１６】本発明において、生体吸収性有機材料とリ
ン酸カルシウム化合物とを組み合わせる場合、生体吸収
性有機材料が繊維（又は粉末）の時には、それらの重量
割合は、リン酸カルシウム化合物１０〜９０重量％、好
ましくは５０〜８０重量％であり、また生体吸収性有機
材料９０〜１０重量％、好ましくは５０〜２０重量％で
ある。リン酸カルシウム化合物の重量割合が１０重量％
未満であると、初期強度発現が悪く、生体組織により近
い組織を形成することができない。したがって、新生骨
の形成ができない。またリン酸カルシウム化合物の重量
割合が９０重量％を越えると、生体吸収性有機材料の吸
収されたあとへの生体組織の侵入が不十分で脆く、十分
な効果が得られない。したがって、リン酸カルシウム化
合物５０〜８０重量％のとき、新生骨の生成量も多く、
かつ生体組織により近い組織を形成することができる。
また不織布状又は綿状の形態のときにはリン酸カルシウ
ム化合物の含浸量又は付着量は１０重量％以上であれ
ば、任意の量でよい。
ン酸カルシウム化合物とを組み合わせる場合、生体吸収
性有機材料が繊維（又は粉末）の時には、それらの重量
割合は、リン酸カルシウム化合物１０〜９０重量％、好
ましくは５０〜８０重量％であり、また生体吸収性有機
材料９０〜１０重量％、好ましくは５０〜２０重量％で
ある。リン酸カルシウム化合物の重量割合が１０重量％
未満であると、初期強度発現が悪く、生体組織により近
い組織を形成することができない。したがって、新生骨
の形成ができない。またリン酸カルシウム化合物の重量
割合が９０重量％を越えると、生体吸収性有機材料の吸
収されたあとへの生体組織の侵入が不十分で脆く、十分
な効果が得られない。したがって、リン酸カルシウム化
合物５０〜８０重量％のとき、新生骨の生成量も多く、
かつ生体組織により近い組織を形成することができる。
また不織布状又は綿状の形態のときにはリン酸カルシウ
ム化合物の含浸量又は付着量は１０重量％以上であれ
ば、任意の量でよい。
【００１７】本発明に用いられるリン酸カルシウム化合
物が、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムと第２
リン酸カルシウムの３種の混合物である場合、これらの
重量割合は、リン酸三カルシウム（又は第３リン酸カル
シウム）９０〜７０重量％、リン酸四カルシウム（又は
第４リン酸カルシウム）５〜２５重量％、第２リン酸カ
ルシウム５〜１０重量％からなるのが好ましい。これに
より生体刺激性がなく、高強度かつ劣化のない複合型骨
充填材が得られる。第４リン酸カルシウムの重量割合
が、５重量％未満の場合、遅延剤としての効果が発揮さ
れず、また２５重量％を越えると、初期強度が低くなり
過ぎるため使用できない。更に第３リン酸カルシウム及
び第２リン酸カルシウムの量は、第４リン酸カルシウム
の量を考慮して決定されるが、第３リン酸カルシウムが
９０重量％を越えると硬化が遅くなり、また７０重量％
未満では強度が弱い。一方、第２リン酸カルシウムの量
が、１０重量％を越えると、強度が低くなり、また５重
量％未満では硬化が遅くなる。
物が、リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウムと第２
リン酸カルシウムの３種の混合物である場合、これらの
重量割合は、リン酸三カルシウム（又は第３リン酸カル
シウム）９０〜７０重量％、リン酸四カルシウム（又は
第４リン酸カルシウム）５〜２５重量％、第２リン酸カ
ルシウム５〜１０重量％からなるのが好ましい。これに
より生体刺激性がなく、高強度かつ劣化のない複合型骨
充填材が得られる。第４リン酸カルシウムの重量割合
が、５重量％未満の場合、遅延剤としての効果が発揮さ
れず、また２５重量％を越えると、初期強度が低くなり
過ぎるため使用できない。更に第３リン酸カルシウム及
び第２リン酸カルシウムの量は、第４リン酸カルシウム
の量を考慮して決定されるが、第３リン酸カルシウムが
９０重量％を越えると硬化が遅くなり、また７０重量％
未満では強度が弱い。一方、第２リン酸カルシウムの量
が、１０重量％を越えると、強度が低くなり、また５重
量％未満では硬化が遅くなる。
【００１８】〔作用〕本発明の複合型骨充填材は、生体
組織である骨の物性に近く、ポリ乳酸、ポリグリコール
酸等の生体吸収性有機材料を用いた場合には、これらの
分解による生成物が弱酸性で、アパタイト、ペーストの
溶解（消失）による骨形成スペースが拡大される効果も
ある。
組織である骨の物性に近く、ポリ乳酸、ポリグリコール
酸等の生体吸収性有機材料を用いた場合には、これらの
分解による生成物が弱酸性で、アパタイト、ペーストの
溶解（消失）による骨形成スペースが拡大される効果も
ある。
【００１９】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【００２０】〔実施例１〕繊維状ＰＬＡ（分子量約５
万）からなる多孔体（気孔率７０％）３０重量部、リン
酸三カルシウム７５重量部、リン酸四カルシウム２０重
量部及びリン酸水素カルシウム５重量部の混合物１００
重量部に対し、蒸留水３０重量部にてペースト状とした
ものを充填し硬化させた径６ｍｍ、長さ１０ｍｍの試料
（充填ペースト体積約６０％）ならびに水酸アパタイト
多孔体（気孔率８０％）を家兎脛骨関節面直下に埋入し
経時的に観察した。この結果、後者は、埋入一週にて一
部新生骨の形成が認められるものの、多孔体形成の崩壊
が見られ、骨欠損部に変形を認めた。前者は、一週で材
料周囲に良好な骨形成を認め、４週でＰＬＡの明確な吸
収があり吸収部位と見られる部分にも骨形成を認めた。
万）からなる多孔体（気孔率７０％）３０重量部、リン
酸三カルシウム７５重量部、リン酸四カルシウム２０重
量部及びリン酸水素カルシウム５重量部の混合物１００
重量部に対し、蒸留水３０重量部にてペースト状とした
ものを充填し硬化させた径６ｍｍ、長さ１０ｍｍの試料
（充填ペースト体積約６０％）ならびに水酸アパタイト
多孔体（気孔率８０％）を家兎脛骨関節面直下に埋入し
経時的に観察した。この結果、後者は、埋入一週にて一
部新生骨の形成が認められるものの、多孔体形成の崩壊
が見られ、骨欠損部に変形を認めた。前者は、一週で材
料周囲に良好な骨形成を認め、４週でＰＬＡの明確な吸
収があり吸収部位と見られる部分にも骨形成を認めた。
【００２１】〔実施例２〕実施例１において、繊維状Ｐ
ＬＡを不織布状（気孔率８０％）、綿状（気孔率８５
％）とした以外は、同じ条件にて家兎に埋入した。経時
変化もこれらにおいて実施例１とほぼ同様に観察され
た。一方、比較例として綿状ＰＬＡ（気孔率９５％）を
用いてペーストを含浸させ家兎に埋入した試料において
は、材料周囲に骨の形成が観察されるもののペースト硬
化体内部においては骨の形成が認められなかった。
ＬＡを不織布状（気孔率８０％）、綿状（気孔率８５
％）とした以外は、同じ条件にて家兎に埋入した。経時
変化もこれらにおいて実施例１とほぼ同様に観察され
た。一方、比較例として綿状ＰＬＡ（気孔率９５％）を
用いてペーストを含浸させ家兎に埋入した試料において
は、材料周囲に骨の形成が観察されるもののペースト硬
化体内部においては骨の形成が認められなかった。
【００２２】
【発明の効果】本発明の複合型骨充填材は、生体吸収性
有機材料及びリン酸カルシウム化合物の組合せからなる
ことにより、初期強度を発現させ、かつ生体組織により
近い組織を形成し得るという優れた効果を奏するもので
ある。
有機材料及びリン酸カルシウム化合物の組合せからなる
ことにより、初期強度を発現させ、かつ生体組織により
近い組織を形成し得るという優れた効果を奏するもので
ある。
【００２３】本発明では、生体吸収性有機材料がポリ乳
酸、ポリグリコール酸、又はこれらの共重合体の場合に
は、これらの分解による生成物が弱酸性となり、アパタ
イト、ペーストの溶解（消失）による骨形成スペースが
拡大されるという優れた効果を奏するものである。
酸、ポリグリコール酸、又はこれらの共重合体の場合に
は、これらの分解による生成物が弱酸性となり、アパタ
イト、ペーストの溶解（消失）による骨形成スペースが
拡大されるという優れた効果を奏するものである。
Claims (6)
- 【請求項１】生体吸収性有機材料及びリン酸カルシウム
化合物の組合せからなることを特徴とする複合型骨充填
材。 - 【請求項２】前記組合せが生体吸収性有機材料及びリン
酸カルシウム化合物の混合物であることを特徴とする請
求項１に記載の複合型骨充填材。 - 【請求項３】前記生体吸収性有機材料が繊維状形である
ことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の複合型
骨充填材。 - 【請求項４】前記生体吸収性有機材料が不織布状又は綿
状の形態であることを特徴とする請求項１に記載の複合
型骨充填材。 - 【請求項５】前記生体吸収性有機材料がポリ乳酸、ポリ
グリコール酸、乳酸とグリコール酸の共重合体又はコラ
ーゲンから選択された少なくとも１種であることを特徴
とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記載の複合型
骨充填材。 - 【請求項６】前記リン酸カルシウム化合物が、水酸アパ
タイト、炭酸含有アパタイト、フッ素アパタイト、リン
酸三カルシウム又はリン酸四カルシウムのうちの１種ま
たは２種以上の混合物、又はリン酸三カルシウムとリン
酸水素カルシウム及び／又はリン酸二水素カルシウムの
混合物、リン酸四カルシウムとリン酸水素カルシウム及
び／又はリン酸二水素カルシウムの混合物、リン酸三カ
ルシウムとリン酸四カルシウム及び／又はリン酸二水素
カルシウムの混合物からなることを特徴とする請求項
１、請求項２又は請求項４のいずれかに記載の複合型骨
充填材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11066831A JP2000262608A (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 複合型骨充填材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11066831A JP2000262608A (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 複合型骨充填材 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000262608A true JP2000262608A (ja) | 2000-09-26 |
Family
ID=13327186
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11066831A Withdrawn JP2000262608A (ja) | 1999-03-12 | 1999-03-12 | 複合型骨充填材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000262608A (ja) |
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-
1999
- 1999-03-12 JP JP11066831A patent/JP2000262608A/ja not_active Withdrawn
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|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060606 |