JP5039542B2 - 骨置換物として有用な注入可能セメント用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、骨置換物として使用される注入可能セメント用組成物に関する。
燐酸カルシウム水硬性セメントは、骨置換物として使用されているものである。シリンジを使用して注入できるセメントは、これらのものがさほど侵襲的ではない外科手術によって骨欠損部に満たされることを可能にする限りにおいて、特に望ましい。さらに、骨粗鬆症の骨組織の強化及び安定化は、残りの骨基質を切除及び破壊することなく、ただ単に注入によって実施できる。
水又は水性相と、燐酸カルシウムの様々な先駆物質からなる粉末とを混合させることによって燐酸カルシウム水硬性セメントを製造することが知られている。例えば、M.Bohner(Injury,2000,31:S−D37−47)は、酸性の性質を有する燐酸カルシウムと塩基性の性質を有する燐酸カルシウムとの混合物から水硬性セメントを製造することを記載している。このようなセメントは、特に、商品名BoneSource(商標)、Cementek(商標)、Calcibon(商標)又はChronoS Inject(商標)の下に市販されているものである。これらのセメントの不利益の一つは、これらのものが非常にゆっくりと吸収されることである。
水硬性セメントの吸収速度を改善させるために様々なルートが調査されてきた。
特に、燐酸カルシウム化合物のカルシウムをストロンチウムで置換することが想定されてきた。例えば、GB−943678号には、ほぼ等しい重量割合の無水M(H2PO42及び金属M’の酸化物(ここで、M及びM’は、互いに独立して、Zn、Mg、Ba、Ca、Al、Cd又はSrを表すことができる。)の混合物からなる粉末であって、該粉末が0.15mL/gの水/粉末比で水と混合されたものから得られる燐酸カルシウム水硬性セメントが開示されている。例示されている唯一の組成は、Ca(H2PO42+ZnOであり、一方で、Zn(H2PO42+ZnOである。これらの粉末から得られたセメントは、100MPa以上の圧縮強度及びおよそ8〜10分の硬化時間を有する。しかしながら、本発明の発明者が、GB−943678号に開示された条件下で生じ得るペーストを得るために、1mL/gのL/P比を有する無水ビス燐酸二水素カルシウム(Ca(H2PO42)とCaOとの混合物で試験を実施したところ、得られた結果は、24時間後の圧縮強度が1MPa未満であることを示した。この文献の一般的な教示では、M及びM’の任意の組合せに関して必要な特性(良好な圧縮強度、高硬化速度)を示すセメントを得ることが可能とならない。さらに、金属M又はM’の一方がSrであろう特定の場合(GB943678号には示されていない)には、化合物Sr(H2PO42又は化合物SrOのいずれも平均的な多孔性の形成を可能にしないであろう。
Leroux外(Bioceramics,13,Trans Tech Publications,スイス,2001,235−238)は、最終セメント組成Ca9.75Sr0.25(PO46(OH)2に相当する、4.3重量%までのSrを含むセメントを記載している。この組成は、上記Cementek(商標)セメントの液相に硝酸ストロンチウムSr(NO32を添加することによって得ることができ、ここで、該セメントの固相は、α−Ca3(PO42(すなわちα−TCP)と、燐酸テトラカルシウム(すなわちTTCP)と、グリセロホスフェートとの混合物からなる。ここで再び、該ストロンチウム先駆物質の特定の選択は、平均的な多孔性を得ることを可能にしない。
骨置換物の吸収速度を改善させるために想定される別の解決手段は、燐酸カルシウム材料中に連続マクロ細孔が存在すると、移植物に生体液が浸透することによって該移植物の溶解による消極的な吸収が促進され、かつ、破骨細胞が十分に大きな、すなわち100μmの寸法よりも大きなマクロ細孔に浸透することによって該破骨細胞による積極的な吸収が促進されるという原理に基づく。米国特許第6547866号には、該組成物に、セメントの硬化中にガスを放出する化合物(CO2を放出するカーボネート+クエン酸、O2を放出する過酸化水素)を添加することによって得られる多孔性燐酸カルシウム材料が開示されている。しかしながら、得られた細孔は、比較的小さい平均寸法を有しており、しかもその機械的強度は低下する。さらに、該組成物に、その硬化前に、NaHCO3、Na2HPO4、スクロース又はマンニット型の水溶性化合物を添加することによって燐酸カルシウム材料を製造することが提案された(Markovic外,Bioceramics,Trans Tech Publications,スイス,2001,773−775;Takagi及びChow,J.Mater.Sci.Mater.Mad.,2001,13,135−139)。これらの糖質の分解はセメントの硬化を妨げ、それによって破砕強度が大きく減少する。
また、生体内分解性重合体の粒子又は繊維を添加することも想定されてきた。Simon外(J.Orthop.Res.,2002,25,473−482)は、塩基性燐酸塩であるTTCPと、酸性燐酸塩である無水燐酸二カルシウムと、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)PLAGA微小球(該重合体の迅速な分解はマクロ多孔性を与える)とから得られるBoneSource(商標)型のセメントを記載している。しかしながら、その無機物部分は、90日後でも試験管内で分解しない。
Xu H外(Biomaterials,2002,23,193−202及びBiomaterials,2004,25,1029−1037)は、グリコール酸が非常に多く含まれている生体吸収性重合体であるVicryl(商標)の繊維又はVicryl(商標)のネットを含む燐酸カルシウムセメント(BoneSource(商標))を記載している。これらの繊維又はネットが存在するために、このセメントは注入できない。
Ruhe外(J.Bone Joint Surg.,2003,85,75−81)は、rhBMP−2を含んだPLAGA微小球(前者は該重合体から拡散する)を含むCalcibon(商標)(α−TCP+DCPA+CaCO3+HA)セメント(HA供与性ヒドロキシアパタイト)を記載している。しかしながら、この著者は、該重合体を導入すると、破砕強度が非常に大きく減少し、38.6から6.4MPaに変化する(骨梁の値=10MPaよりも低い値)ことを示している。しかしながら、該著者は、pH7の緩衝液中で28日後に、セメントの重合体及び/又は無機質部分が分解するのかどうかは示していない。
英国特許第943678号明細書 米国特許第6547866号明細書 M.Bohner,Injury,2000年,31:S−D37−47 Leroux外,Bioceramics,第13巻,Trans Tech Publications,スイス,2001年,p.235−238 Markovic外,Bioceramics,Trans Tech Publications,スイス,2001年,p.773−775 Takagi及びChow,J.Mater.Sci.Mater.Mad.,2001年,第13巻,p.135−139 Simon外,J.Orthop.Res.,2002年,第25巻,p.473−482 Xu H外,Biomaterials,2002年,第23巻,p.193−202 Xu H外,Biomaterials,2004年,第25巻,p.1029−1037 Ruhe外,J.Bone Joint Surg.,2003年,第85巻,p.75−81
本発明の目的は、骨置換物として使用でき、かつ、注入技術と適合できる注入時間と硬化時間、注入後の良好な圧縮強度及び注入後の高い吸収速度を示す注入可能セメントを提供することである。
この理由のため、本発明の主題は、生体適合性及び生体内分解性である注入可能セメント用の組成物、該組成物からの注入可能セメントの製造方法、得られた注入可能セメント及び骨材料への注入によって、特に骨粗鬆症の治療に、脊椎固定治療に又は骨折若しくは切除後の骨への充填のためにこれを使用することである。
本発明に従う注入可能セメント用組成物は、別個の無機固相と、別個の液相と、随意に生体適合性及び生体内分解性重合体の微粒子とを含み、
・該無機固相は、次のモル組成(CP)6(CaO)y(SrCO3z(式中、CPは燐酸水素カルシウム二水和物CaHPO4・2H2O(DCPD)、無水リン酸水素カルシウムCaHPO4(DCPA)、無水混合燐酸水素カルシウムストロンチウム(Ca1-xSrx)HPO4、ビス(燐酸二水素)カルシウム一水和物Ca(H2PO42・H2O(MCPM)と酸化カルシウムCaOとの等モル混合物又はこれらの化合物の2種若しくは3種の混合物を表し、y+z=4±1である。)を有する粉末の混合物からなり、
・該液相は、発熱物質なしの純粋な水又は4〜9のpHを有する生理食塩水溶液からなり、
L/P[液相の容量/無機固相の重量]比は、少なくとも0.4mL/gに等しい。
該L/P比は、好ましくは、重合体微粒子の非存在下において0.4mL/g〜0.7mL/g(より具体的には、0.5〜0.6mL/g)である。該L/P比は、重合体微粒子の存在下において少なくとも0.6mL/gに等しい。
MCPM及びCaOの混合物は、DCPDの先駆物質である。該混合物のこの2種の成分は、固相と液相とを接触させた後の3分以内にDCPDの沈殿物と反応する。
成分CPの少なくとも一部分がDCPDを表す組成物が好ましい。特に、CPがもっぱらDCPDからなる組成物が好ましい。
該液相が食塩溶液であるときに、このものは、
・0.4〜1mol/LのNaH2PO4及びNa2HPO4・12H2O混合物を含む溶液(NaP緩衝液)、例えば、0.75mol/Lの燐酸塩を含むpH7の溶液、
・4〜8のpHを有し、かつ、0.4〜1mol/LのNaH2PO4及びグリセロ燐酸ナトリウム六水和物Na2PO4372・6H2O混合物を含む水溶液(NaGP緩衝液)、例えば、0.75mol/Lの燐酸塩を含むpH6.6の溶液、
・0.4〜1.5mol/LのNH42PO4及び(NH42HPO4混合物を含む水溶液(NH4P緩衝液)、例えば、0.75mol/Lの燐酸塩を含むpH6.65の溶液
から構成できる。
特定の具体例では、注入可能セメント用の組成物は、生体適合性及び生体内分解性重合体の微粒子をさらに含む。例としては、L−乳酸単位と、D−乳酸単位と、グリコール酸単位とからなる本質的に非晶質のPLAGA重合体が挙げられる。また、もっぱらL−乳酸単位からなるPLA重合体も挙げられる。加水分解によって分解し得る又は生細胞の活動によって生体内分解し得る他の重合体、例えば、特に仏国特許第2765228号に開示されており且つ同一の条件下でPLAGA重合体よりも迅速に分解される、乳酸と、グリコール酸と、グルコン酸との共重合体が使用できる。該重合体成分対無機固相の重量比率は、20〜60%、好ましくはほぼ40%である。
重合体微粒子を含む注入可能セメント用組成物の好ましい具体例では、該組成物は、該微粒子からなる第3の相を含む。別の具体例では、該無機固相は、該微粒子をさらに含む。
注入可能セメント用組成物に重合体微粒子が存在しても、硬化後に該セメントの破砕強度のいかなる減少ももたらさず、該強度は骨梁のそれよりも大きいままである。
これらの微粒子は、好ましくは微小球である。これらのものは、随意に、該注入可能セメントの生体内移植後の該重合体の分解中に放出されるであろう化学又は生体化合物をさらに含むことができる。該微小球の直径は、50〜500μm、好ましくは125〜250μmであることができる。
注入可能セメント用組成物が重合体微粒子を含むときには、全注入時間を満足のいくレベルに保持するために、L/P比の値を増大させることが好ましい。該L/P比は、この場合、少なくとも0.6mL/gに等しい。液相の割合を増加させる目的は、該重合体による所定量の液体の吸収を補うこと及び該無機固相中で注入可能な状態を保持するのに十分な液相を保持することである。
本発明に従う組成物から注入可能セメントを製造するための方法は、注入可能セメント用組成物の固相(随意に重合体微粒子を含む)と液相とを、該注入可能セメントの使用時に、骨置換物の注入に必要な無菌条件下で接触させることからなる。この方法は、任意の慣用型のセメント製造用装置を使用して実施できる。例えば、混合物を製造しなければならなくなった時点で吸引によって液相を固相に導入することを可能にする、米国特許第5549380号に開示された混合装置が挙げられる。また、可撓性2区分バッグであって、それぞれの区分が該組成物の該相のうちの一つを含み、これらの区分が混合物を製造しなければならなくなった時点で破られるシールによって分けられており、該液相を、該固相を含む区分に移行させることを可能にするものも使用できる。
注入可能セメント用組成物が重合体微粒子を第3相の形で含むときには、この第3相は、液相と無機固相とを接触させた直後に得られるペーストに添加される。
重合体微粒子の非存在下では、本発明に従う組成物の該2相を接触させた直後に得られる該ペーストは、(CP)6と、(CaO)yと、(SrCO3zと、水と、液相に存在し得る塩類とからなり、それぞれの量は、
・(CP)/(CaO)/(SrCO3)モル比が6/y/z(ここで、y+z=4±1である)であり、
・L/P(液相の容量/無機固相の重量)比が0.4〜0.7mL/gであり、より具体的には0.5〜0.6mL/gというものである。
CPがCaHPO4・2H2Oを含む具体例、特にCPがもっぱらCaHPO4・2H2Oからなる具体例が好ましい。
このようにして得られた注入可能ペーストは、注入による骨置換物としての用途に適合できる注入時間及び硬化時間を有する。用語「注入時間」とは、ある組成物がその液相と固相とを混合した後に完全に注入可能な状態を保持する時間を意味するものとする。用語「硬化時間」とは、これら2相を混合した後に、該組成物が固体になるのに必要な時間を意味するものとする(標準法ASTM C191)。
該セメントの硬化時間は、NaP又はNH4P緩衝液を使用する場合にはさらに短い。注入時間は、NaGP緩衝液ではさらに長い。
本発明に従う注入可能セメントは、注入後に、主として変性ヒドロキシアパタイトCa10-xSrx(PO46(OH)2からなる無機物を与えるが、これは、さらに、少量の燐酸八カルシウム及び恐らくは微量の未反応SrCO3を含む。このものは、該セメントの硬化中にSrCO3が分解することによって本質的に生じるおよそ20〜50μmの平均寸法を有する細孔によって特徴付けられる多孔性を有する。この平均多孔性は、流体が該セメント内部に良好に浸透し及び交換比表面が増大することを可能にするが、これは、セメント成分の溶解によって生じるイオンの拡散を促進させ、それによって良好な消極的吸収をもたらす。
注入可能セメント用組成物が生体吸収性・生体内分解性重合体の微粒子をさらに含むときには、注入後に得られる材料は、上記と同一の成分を含むと共に重合体微粒子をも含み、重合体/無機固相の重量比は、20〜60%(好ましくはおよそ40%)であり、しかも初期L/P比は、少なくとも0.6mL/gに等しい。さらに、上記平均多孔性は、重合体微粒子の周囲にかなりの程度存在することが分かったが、これは、加水分解中に酸性化合物を生成させ、生体内分解に対する利益を構成する。重合体の吸収に必要な時間の後に、このものは、100μm以上の平均寸法を有する連続マクロ細孔のネットワークをさらに有する。
該重合体が上記のPLAGAである場合には、球状PLAGA微粒子は、PLAGAのジクロルメタン溶液をポリビニルアルコール(PVA)水溶液に添加し、そして該混合物を所定時間にわたって撹拌した状態に保持し、次いでこれらの粒子をろ過によって回収することによって得られ得る。非球状のPLAGA粒子は、低温摩砕によって得られ得る。
溶液の状態では、緩衝化されているかどうかを問わず、本発明に従うセメントは、ストロンチウムイオンを連続的に放出するため、骨芽細胞の刺激によって骨再建を活性化させるリチウムイオンの制御放出又は持続放出のための系として作用することができる。
該セメントが重合体の微小球を含むときに、該重合体は、まずゆっくりと分解し、次いで3週間目からさらに迅速に分解する。該重合体のこの分解は、該重合体に有効成分(例えば、抗生物質)又は蛋白質(例えば、成長因子)であってその作用がストロンチウムの作用に対して相補的であり得るものを結合させることによって、この有効成分の持続放出をも得るために活用できる。特に有利なことは、特に腫瘍後骨切除の充填の場合に、PLAGA又は他の分解性重合体の粒子と抗腫瘍剤とを組み合わせることが可能なことである。
Sr2+イオンの存在は、該セメントをさらに放射線不透過性にするが、これは、セメントを骨材料に注入する間に放射線透視法による監視を容易にする。
重合体粒子を含まない本発明に従う注入可能セメントは、例えば脊椎治療において、Sr2+の存在が骨形成を促進させるため、残りの骨基質への注入によって骨粗鬆症の骨の安定化及び/又は強化のために有利に使用できる。
重合体微粒子を含む注入可能セメントは、切除又は骨折によって生じる骨欠損の充填に使用できる。生体内での該重合体の分解によって生じるSr2+の放出及びマクロ多孔性は、骨の再成長を刺激する。さらに、ストロンチウムが骨指向性を有する癌の所定の形態の治療に使用される放射性同位元素を有するという事実のため、該不活性炭酸ストロンチウムは、骨腫瘍の切除後の充填のために放射性の炭酸ストロンチウム−89によって完全に又は部分的に置き換えることができ、また随意に該生体内分解性重合体に抗有糸分裂物質を結合させることができる。
本発明を次の例で例示するが、これは限定ではない。
例1
重合体マイクロビーズを有しない注入可能セメント
次のモル組成:6DCPD、2.5CaO、1.5SrCO3を有する粉末混合物を調製した。
次のものを準備した:
・組成NaH2PO4+Na2HPO4・12H2O(0.75M)及び7のpHを有するNaP緩衝液タイプの水溶液、
・組成NaH2PO4+Na2PO4372・6H2O(0.75M)及び6.6のpHを有するNaGP緩衝液タイプの水溶液、
・組成NH42PO4+(NH42HPO4(0.75M)及び6.65のpHを有するNH4P緩衝液タイプの水溶液。
2種のセメント用組成物をこれらの緩衝液のそれぞれで該溶液と該粉末とを0.5及び0.6の液相/無機固相L/P比(mL/gで表す)で混合させることによって調製した。
得られた組成物の特徴を以下の表1に与えている。
Figure 0005039542
これらの結果の比較は、該液相の性質が圧縮強度に影響を与えないことを示している。しかしながら、該液相の性質及びL/P比は、最終硬化時間及び全注入時間に影響を及ぼす。NaP又はNH4P緩衝液は、迅速な硬化が望まれるときに選択されるであろう。NaGP緩衝液は、注入の容易さが望まれるときに選択されるであろう。
例2
PLAGAマイクロビーズの製造
理論上37.5%のL−乳酸単位及び25%のグリコール酸単位からなる本来的に非晶質のPLA37.5GA25重合体を使用した。該重合体は、49℃のガラス転移温度、3.5GPaの貯蔵弾性率E’、120MPaの損失弾性率E”及び2.0°の損失角δ(T=37℃及びF=500Hzでの)を有する。1H NMRスペクトルは、PLA36.8GA26.4の全組成を与える。ゲル透過クロマトグラフィーは、111100の分子量Mwに相当する単一のピークを与え、分布Mw/Mn=1.9である。
該重合体の4gを50mLのジクロルメタンに溶解させ、そしてこのようにして得られた溶液を、900rpmの機械的撹拌を行いつつ、5gのポリビニルアルコール(PVA)を含む1Lの水溶液に添加した。撹拌を周囲温度で4時間にわたって維持し、次いで、形成された球体を焼結ガラス漏斗上でのろ過によって回収し(多孔度3)、蒸留水で洗浄し、次いでブフナー上で乾燥させた。乾燥器内に一晩放置した後に、これらの球体をふるい分けし、そしてそれらの寸法に従って分類した。125〜250μmの直径を有する球体(以下、S2微小球という。)をその後の使用のために回収した。
例3
重合体の異なる割合についての重合体マイクロビーズを有するセメント組成物
試料1A及び1Cに相当する例1の手順を繰り返したが、ただし、その間に、無機固相「6DCPD、2.5CaO、1.5SrCO3」の一部分を例2のS2微小球の形の重合体で置き換えた。それぞれの場合において、3種の試験を、重合体の量を変えつつ実施した。これらの微小球を接触させるには、すなわち、重合体の分解後に連続マクロ多孔性を得るためには、40%の重合体/無機相重量比率で十分であることが分かった。
これらの微小球を燐酸塩粉末に取り入れ、次いで該混合物を液相に取り入れた。
圧縮強度を、NaP及びNaGPのそれぞれと40%のS2重合体微小球で得られた組成物について決定し、そして微小球なしの同等の組成物の圧縮強度と比較した。結果を以下の表2に与えている。全ての場合において、圧縮強度は、37℃及び100%相対湿度で24時間後に決定した。
Figure 0005039542
また、重合体マイクロビーズの添加は、圧縮強度を改善させることに関して事実上何ら影響を及ぼさないことも明白である。
図1、2a及び2bは、環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)を使用した観察によって得られた画像を示している。
図1は、液相と固相を混合させた後1日での試料3Aの表面を表している。重合体微小球は、未だ分解しておらず、しかも無機物のマトリックス内に埋め込まれた状態ではあるが完全に視認できる。
図2a及び2bは、33日後であって、微小球の完全な吸収前の試料3Aのコアを示している。図2aは、該試料の分割後の微小球を示している:該微小球上に存在する多数の気孔は、33日後に重合体の加水分解が進行したこと(これは、表面で生じるだけでなく、複合セメントの試料内でも生じる)を示している。
図2bは、高い平均多孔性(5〜100μmの細孔径)を有する気泡質無機領域を取り囲む3つの微小球(上部左手角、下部左手角及び上部右手角)の一部分を示している。また、この平均多孔性は、図2aの微小球の周囲でも見られる。
従って、複合セメント3Aの試料の表面及びコアの両方で、該微小球の分布が均一であり、しかも該微小球が接触している(このことは、重合体の吸収後に連続マクロ細孔を与えるであろう)ことは明白である。
例4
異なるL/P比についての重合体マイクロビーズを有するセメント組成物
例1の手順を試料1A〜1Dのそれぞれについて繰り返したが、ただし、その間に、40%の重合体/無機相重量比を有するように、無機固相の一部分をS2微小球の形の重合体で置き換えた。該微小球を例3と同一の方法で取り入れた。得られた4種の試料の様々な特性を比較した。その結果を以下の表3に与える。圧縮強度を24時間後に37℃及び100%の相対湿度で決定した。
Figure 0005039542
マイクロビーズの添加は、硬化時間及び100%注入時間を大きく短縮させることが分かった。試料4A(NaP緩衝液)について、t100%は実質的に0であるが、マクロビーズなしの同等のセメント(試料1A)については6分である。同様に、マイクロビーズなしの試料1Bについて、t100%(これは12分である)は、40%のマイクロビーズの含有量について5分に変化する。NaP緩衝液をNaGP緩衝液で置き換えると、複合セメントの注入性が改善する。
例5
例3の複合セメントの分解
マイクロビーズなしのセメントの試料1A(以下、「セメント」という。)及びマイクロビーズを有するセメントの試料3A(以下、「複合物」という。)を、それらを製造した1時間後に、10mLの水又は燐酸ナトリウム緩衝液(pH7、0.05M)中に浸漬させた。
第1のシリーズでは、これらの試料は同一の溶液中で1ヶ月にわたって残存したままであり、該溶液のpHを毎日測定した。各週に、それらの表面をESEMで試験し、そしてPLAGAの分解に起因するオリゴマーが存在する可能性をキャピラリーゾーン電気泳動によって探した。
これらのセメント試料及び複合試料について、水のpHは、その接触時間と共に緩やかに増大して4週間後に8.8の値で安定化し(セメントについて)、又は低下する(複合物について)。同一の挙動が燐酸塩緩衝液中でも観察されるが、ただしこれは僅かな変化である。このpHの変化を図3に示している。時間d(日で表す)を横座標上に示しており、そのpHを縦座標上に示している。一方のこれらの試料及び浸漬溶液と、他方の曲線との対応は次の通りである。
曲線a 水中のセメント
曲線b 燐酸塩緩衝液中のセメント
曲線c 水中の複合物
曲線d 燐酸塩緩衝液中の複合物。
曲線c及びdで見られる24日後のpHの降下は、燐酸塩緩衝液と同様に水中でも重合体微小球の分解が加速された(これは、該媒体を酸性化させる)ことを、無機部分の分解が加速されるという結果により示している。
該セメント及び複合物からのカルシウムイオンの放出は、水中及び燐酸緩衝液中の両方で非常に低い(検出可能性の限界)。1ヶ月にわたって交換しなかった溶液の分析から、該緩衝液中で11ppmの濃度及び水中で18ppmの濃度、すなわち、1日当たり平均0.4〜0.6ppmであることが得られる。
第2シリーズでは、溶液を毎日交換し、そしてストロンチウム、カルシウム及び燐酸イオンの濃度を測定した。
セメント及び複合物から水への燐酸イオンの放出は、1日目でのみ有意である。次の日では非常に低い(ほぼ0.5ppm/日)。第1日目に大量に放出された燐酸イオンは、もっぱらDCPD及びCaOからなるセメントについて示されているように(S.Munier外,Bioceramics,16,Key Engineering Materials,第254〜259巻,2004年,pp.615−618,スイス国トランス・テック・パブリケーションズ)、液相として使用した緩衝液に起因している。
該セメント及び複合物からのストロンチウムイオンの放出は、水及び燐酸塩緩衝液中の両方で、カルシウムイオンの放出よりもかなり多かった。これは連続的であり、しかも燐酸塩緩衝液中で5ppm及び水中で10ppmあたりで安定化する。該複合物及びセメントから出発するこの放出は、統計学的に差がない。マイクロソフト社製のExcel(登録商標)ソフトウェアで利用できるANOVA 1方法に従って決定される確率因子pは0.16に等しいが、PLAGA微小球の存在は、放出され得るストロンチウムの量を減少させる。しかしながら、この放出は、水中よりも燐酸塩緩衝液中の方が統計学的に低い(P=0.008)。図4における曲線は、毎日交換した浸漬浴中でのSr2+イオン濃度の変化を示している。時間t(日で表す)を横座標に与えており、そしてSr2+イオン[Sr]の濃度(ppm/日)を縦座標に与えている。該浸漬浴は、発熱物質なしの純粋な水又はNaH2PO4及びNa2HPO4・12H2Oの混合物の0.05mol/L溶液(pH7)からなる燐酸塩緩衝液のいずれかである。
一方のこれらの試料及び浸漬溶液と、他方の曲線との対応は次の通りである:
▲のついた曲線(a) 水中のセメント
●のついた曲線(b) 燐酸塩緩衝液中のセメント
◆のついた曲線(c) 水中の複合物
■のついた曲線(d) 燐酸塩緩衝液中の複合物。
オリゴマー(G、L、G2、L/G、G/L、L2)の存在(これは、PLAGA重合体が安定な単量体又は二量体の段階にまで分解したことを示す)は、24日目(この日は、複合物の存在下での溶液pHの低下開始に相当する)から証明されるに過ぎないが、ESEMによる観察では、11日目から微小球の表面における著しい変化が示される(長鎖が開裂してさらに短い鎖を与える)。図5は、11日(左側の写真)及び18日(右側の写真)についての分解後における球体の状態を示す複合セメントの外観を示している。図1との比較から、微小球の変化が明らかに示される。これは、1日後にかなり分かれており、11日後に不揃いさを示し、そして18日後にはスポンジ状の外観を示す。オリゴマー及び単量体の存在並びに24日後のpHの降下は、重合体分解の加速が24日目から始まることを示している。重合体は膨潤するが、これは、45日後の該ブロックの破壊を生じさせる。
環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)を使用した観察によって得られた画像を示す図である。 環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)を使用した観察によって得られた画像を示す図である。 環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)を使用した観察によって得られた画像を示す図である。 pHの変化を示す図である。 毎日交換した浸漬浴中でのSr2+イオン濃度の変化を示す図である。 11日(左側の写真)及び18日(右側の写真)についての分解後における球体の状態を示す複合セメントの外観を示す図である。

Claims (19)

  1. 注入可能セメント用組成物であって、別個の無機固相と、別個の液相と、随意に生体適合性及び生体内分解性重合体の微粒子とを含み、
    ・該無機固相が、次のモル組成(CP)6(CaO)y(SrCO3z(式中、CPは燐酸水素カルシウム二水和物CaHPO4・2H2O(DCPD)、無水リン酸水素カルシウムCaHPO4(DCPA)、ビス(燐酸二水素)カルシウム一水和物Ca(H2PO42・H2O(MCPM)と酸化カルシウムCaOとの等モル混合物又はこれらの化合物の2種若しくは3種の混合物を表し、y+z=4±1である。)を有する粉末の混合物からなり、
    ・該液相が発熱物質のない純粋な水又は4〜9のpHを有する生理食塩水溶液からなり、
    L/P[液相の容量/無機固相の重量]比が少なくとも0.4mL/gに等しい
    ことを特徴とする、注入可能セメント用組成物。
  2. CPがCaHPO4・2H2Oを表すことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. CPがCaHPO4・2H2Oを含む混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 液相が、NaH2PO4とNa2HPO4・12H2Oとの混合物を0.4〜1mol/L含む溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  5. 液相が、NaH2PO4とグリセロ燐酸ナトリウム六水和物Na2PO4372・6H2Oとの混合物を0.4〜1mol/L含むことを特徴とする、請求項1に記載のセメント用組成物。
  6. 液相が、NH42PO4と(NH42HPO4との混合物を0.4〜1.5mol/L含む水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  7. 無機固相が、生体適合性及び生体内分解性重合体の微粒子を含むことを特徴とする、請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  8. 生体適合性及び生体内分解性重合体の微粒子からなる第3相を含むことを特徴とする、請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  9. 重合体が、L−乳酸単位、D−乳酸単位及びグリコール酸単位からなる本質的に非晶質のPLAGA重合体、又はもっぱらL−乳酸単位からなるPLA重合体、又は乳酸と、グリコール酸と、グルコン酸との共重合体であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の注入可能セメント用組成物。
  10. 重合体対無機固相の重量比率が20〜60%であることを特徴とする、請求項7又は8に記載の注入可能セメント用組成物。
  11. 炭酸ストロンチウムの少なくとも一部分が放射性炭酸ストロンチウム−89であることを特徴とする、請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  12. L/P比が0.4mL/g〜0.7mL/gであることを特徴とする、重合体微粒子を含まない請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  13. L/P比が0.6mL/g以上であることを特徴とする、重合体微粒子を含む請求項1に記載の注入可能セメント用組成物。
  14. 請求項1に記載の組成物から注入可能セメントを製造するにあたり、該注入可能セメント用組成物の固相と液相とを、該注入可能セメントの使用時に、骨置換物の注入に必要な無菌条件下で接触させることからなることを特徴とする、前記組成物からの注入可能セメントの製造方法。
  15. 固相が重合体微粒子を含む請求項7に記載の組成物を使用することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  16. 重合体微粒子からなる第3相を含む請求項8に記載の組成物を使用し、該第3相を、無機固相と液相とを接触させた後に添加することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
  17. 請求項14に記載の方法によって得られた注入可能セメントにおいて、
    (CP)(CaO)(SrCO3)[CPは、燐酸水素カルシウム二水和物CaHPO4・2H2O(DCPD)、無水リン酸水素カルシウムCaHPO4(DCPA)、ビス(燐酸二水素)カルシウム一水和物Ca(H2PO42・H2O(MCPM)と酸化カルシウムCaOとの等モル混合物又はこれらの成分の混合物を表す。]と、水と、液相に存在し得る塩とからなり、ここで、それぞれの量は、
    ・(CP)/(CaO)/(SrCO3)モル比が6/y/z(ここで、y+z=4±1である)であり、
    ・液体(容量)/固体(重量)比が0.4〜0.7mL/g、特に0.5〜0.6mL/gである
    ことを特徴とする、注入可能セメント。
  18. CPがCaHPO4・2H2Oを表すことを特徴とする、請求項17に記載の注入可能セメント。
  19. 請求項15又は16に記載の方法によって得られた注入可能セメントにおいて、
    (CP)(CaO)(SrCO3)[CPは、燐酸水素カルシウム二水和物CaHPO4・2H2O(DCPD)、無水リン酸水素カルシウムCaHPO4(DCPA)、ビス(燐酸二水素)カルシウム一水和物Ca(H2PO42・H2O(MCPM)と酸化カルシウムCaOとの等モル混合物又はこれらの成分の混合物を表す。]と、重合体微粒子と、水と、液相に存在し得る塩とからなり、ここで、それぞれの量は、
    ・(CP)/(CaO)/(SrCO3)モル比が6/y/z(ここで、y+z=4±1である)であり、
    ・初期L/P比が0.6mL/g以上であり、
    ・重合体/無機固相の重量比率が20〜60%である
    ことを特徴とする、注入可能セメント。
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