JP5922978B2 - 柱体の固定構造及び柱体の改修方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に示される電柱の耐震補強構造は、電柱の外径より大きな内径を有する筒状体にて電柱の外周を包囲し、上記筒状体と電柱との隙間に、補強用の充填材を注入し硬化させるものであり、筒状体をその周方向について少なくとも2つの筒構成部材に分割して形成し、ボルト等の締付部材にて筒構成部材同士を固定して1つの筒状体を形成する構成が示されている。
すなわち、本発明に係る柱体の固定構造は、上下方向にわたって第一補強線材が内部に配置され、下部が基礎部に埋設された柱体と、前記基礎部とを固定する柱体の固定構造であって、前記柱体の外周部の下部に設けられた下側補強部と、前記下側補強部の上方において前記外周部に設けられた上側補強部と、前記柱体の前記下側補強部と前記上側補強部との間における前記外周部に設けられた中間補強部とを備え、前記第一補強線材が、前記中間補強部の上下方向位置で上下に分断されていることを特徴とする。
さらに、中間補強部の上方の柱体に作用する地震エネルギーに対しては上側補強部で抗することができ、中間補強部の下方の柱体に作用する地震エネルギーに対しては下側補強部及び基礎部で一体となって抗することができる。よって、柱体が基礎部から倒壊することを確実に防止することができる。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る柱体の固定構造の対象の一例である高架橋について説明する。
柱体5は、その下部が基礎部4に穿設された固定用穴部4Aに埋設されるとともに、上下方向に向かって延在している。この柱体5は、断面視中心部に第一充填材が充填された充填部5Dと、該充填部5Dの外周に配設された構造部5Eとを有している。
構造部5Eは、周方向に離間して配置されるとともに上下方向に向かって延在する例えばPC鋼材で構成される第一補強線材7と、該第一補強線材7を埋設する環状の環状部8とを有している。
以下、柱体の固定構造1について詳細に説明する。
さらに、柱体の固定構造1では、第一補強線材7が中間補強部30の上下方向位置で上下に分断されて構成されている。
図5に示すように、柱体の改修方法は、改修用補強線材配設工程S01と、上側補強板材配設工程S02と、上側固定工程S03、切断工程S04と、包囲板材配設工程S05と、充填工程S06とを備えている。
すなわち、上記の工程で穿設された固定用穴部4Aに改修用補強線材Wを配設する。そして、固定用穴部4Aに第二充填材を充填して下側固定部22を形成し、柱体5、基礎部4及び改修用補強線材Wの下部(第三補強線材L3)を固定する。このようにして、下側固定部22により下側補強部20が形成される。
すなわち、改修用補強線材Wの上部(第二補強線材L2)の外周を覆う上側補強板材46を配設する。
すなわち、柱体5、第二補強線材L2及び上側補強板材46を固定する。本実施形態では、第二補強線材L2と上側補強板材46とを溶接固定して溶接部48を形成するとともに、柱体5の外周部5Xと上側補強板材46の内周部との間に第二充填材を充填して上側充填部49を形成する。このようにして、上側固定部42により上側補強部40が形成される。
すなわち、基礎部4の上方且つ上側補強板材46の下方に位置する第一補強線材7を位置Pで切断する。
本実施形態では、図6に示すように、ワイヤーソーWを用いて、第一位置P1に一対のプーリーW1を設置する。該第一位置P1から柱体5の外周部5Xを囲むように円弧状の切断部W2を配設して、該柱体5の外周部5Xから内方に向かって切断する。そして、第一補強線材7を切断すると、第二位置P2にプーリーW1を移動させる。このとき、第一位置P1近傍の第一補強線材7(図6に示すR部分)は切断されていない。
すなわち、基礎部4の上方且つ上側補強部40の下方であって、上記の示す切断された第一補強線材7を囲う部分における改修用補強線材Wの外周を覆う包囲板材36を配設する。
すなわち、柱体5の外周部5Xと包囲板材36の内周部との間に、第二充填材を充填して中間充填部39を形成することで、中間補強部30を形成する。
図7は、横軸に耐力を、縦軸に柱体5に対応した高さを示している。
図7に示すように、上側補強部40の内方における柱体5の耐力は、その上方の部分よりも大きくなっている。また、中間補強部30の内方における柱体5の耐力は、上部から位置Pに向かうにしたがって減少し、該位置Pから下部に向かうにしたがって増加している。また、下側補強部20の内方における柱体5の耐力は、上側補強部40の内方における柱体5の耐力よりも大きくなっている。
また、柱体5の近傍に側壁6が配設されている場合でも、該側壁6とは異なる箇所にプーリーW1を配置することで、第一補強線材7を切断することが可能となる。
以下、本発明の第二実施形態に係る柱体の固定構造201について、図8及び図9を用いて説明する。
この実施形態において、前述した実施形態で用いた部材と共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図10に示すように、上側補強部40の内方における柱体5の耐力は、その上方の部分よりも大きくなっている。また、中間補強部30の内方における柱体5の耐力は、上部から位置Pに向かうにしたがって減少し、該位置Pから下部に向かうにしたがって増加している。また、下側補強部220の内方における柱体5の耐力は、上側補強部40の上方の部分よりも大きくなっている。
この場合においても、大規模地震時に柱体5が変形し易くなっているため、中間補強部30及び該中間補強部30内方の柱体5を塑性変形させることで地震エネルギーを吸収することができる。さらに、分断された第一補強線材7の数量及び分断されていない第一補強線材7の数量を調整することで、柱体5の変形量を調整することができる。
この場合においては、大規模地震時に包囲板材36の分割部分において柱体5がより一層変形し易くなるため、中間補強部30及び該中間補強部30内方の柱体5を塑性変形させることで地震エネルギーを確実に吸収することができる。
この場合は、滑車がプーリーW1として構成されるためコンパクトな装置で、第一補強線材7の切断が可能となる。
この場合には、第一補強線材7の全周にわたって切断部W2を配設することができるため、プーリーW1を一箇所に配設したまま第一補強線材7を切断することができ、作業性を向上させることができる。
4…基礎部
5…柱体
7…第一補強線材
20…下側補強部
22…下側固定部
30…中間補強部
36…包囲板材
42…上側固定部
40…上側補強部
46…上側補強板材
L2…第二補強線材(改修用補強線材W)
L3…第三補強線材(改修用補強線材W)
L4…第四補強線材(改修用補強線材W)
L5…第五補強線材(改修用補強線材W)
S01…改修用補強線材配設工程
S02…上側補強板材配設工程
S03…上側固定工程
S04…切断工程
S05…包囲板材配設工程
S06…充填工程
Claims (8)
- 上下方向にわたって第一補強線材が内部に配置され、下部が基礎部に埋設された柱体と、前記基礎部とを固定する柱体の固定構造であって、
前記柱体の外周部の下部に設けられた下側補強部と、
前記下側補強部の上方において前記外周部に設けられた上側補強部と、
前記柱体の前記下側補強部と前記上側補強部との間における前記外周部に設けられた中間補強部とを備え、
前記第一補強線材が、前記中間補強部と上下方向において重なる位置で上下に分断されていることを特徴とする柱体の固定構造。 - 請求項1に記載の柱体の固定構造において、
前記上側補強部は、
前記外周部に、周方向に離間して配設されるとともに前記上下方向に向かって延在する複数の第二補強線材と、
該複数の第二補強線材の外周を覆うように配設された上側補強板材と、
前記柱体、前記第二補強線材及び前記上側補強板材を固定する上側固定部とを有することを特徴とする柱体の固定構造。 - 請求項2に記載の柱体の固定構造において、
前記下側補強部は、前記基礎部の内部に配設され、
前記外周部に、周方向に離間して配設されるとともに前記上下方向に向かって延在する複数の第三補強線材と、
前記柱体、前記基礎部及び前記第三補強線材を固定する下側固定部とを有することを特徴とする柱体の固定構造。 - 請求項3に記載の柱体の固定構造において、
前記中間補強部は、
前記外周部に、周方向に離間して配設されるとともに前記上下方向に向かって延在する複数の第四補強線材と、
該複数の第四補強線材の外周に配設された包囲板材とを有し、
前記第二補強線材、前記第四補強線材及び前記第三補強線材は、上下方向に一体として形成されていることを特徴とする柱体の固定構造。 - 請求項2に記載の柱体の固定構造において、
前記下側補強部は、前記基礎部の上方に配設され、
前記外周部に、周方向に離間して配設されるとともに前記上下方向に向かって延在する複数の第五補強線材と、
該複数の第五補強線材の外周を覆うように配設された下側補強板材と、
前記柱体、前記第五補強線材及び前記下側補強板材を固定する下側固定部とを有することを特徴とする柱体の固定構造。 - 請求項5に記載の柱体の固定構造において、
前記中間補強部は、
前記外周部に、周方向に離間して配設されるとともに前記上下方向に向かって延在する複数の第四補強線材と、
該複数の第四補強線材の外周に配設された包囲板材とを有し、
前記第二補強線材、前記第四補強線材及び前記第五補強線材は、上下方向に一体として形成されていることを特徴とする柱体の固定構造。 - 上下方向にわたって第一補強線材が内部に配置され、下部が基礎部に埋設された柱体と、前記基礎部とを固定する柱体の固定構造を改修する柱体の改修方法であって、
前記柱体の外周部に、周方向に離間して配設されるとともに前記上下方向に向かって延在する複数の改修用補強線材を配設して、その下端を前記基礎部に埋設する改修用補強線材配設工程と、
前記改修用補強線材上部の外周を覆う上側補強板材を配設する上側補強板材配設工程と、
前記柱体、前記改修用補強線材及び前記上側補強板材を固定する上側固定工程と、
前記基礎部の上方且つ前記上側補強板材の下方に位置する前記第一補強線材を切断する切断工程と、
前記基礎部の上方且つ前記上側補強板材の下方に位置する部分に、前記改修用補強線材の外周を覆う包囲板材を配設する包囲板材配設工程と、
前記外周部と前記上側補強板材及び包囲板材との間に充填材を充填する充填工程とを備えることを特徴とする柱体の改修方法。 - 請求項7に記載の柱体の固定構造において、
前記切断工程は、ワイヤーソーを用い、前記外周部にプーリーを配置して切断することを特徴とする柱体の改修方法。
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