JP6563801B2 - 柱体補強方法及び柱体補強構造 - Google Patents

柱体補強方法及び柱体補強構造 Download PDF

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Description

本発明は、柱体を耐震補強する柱体補強方法及び柱体補強構造に関する。
鉄道の電化区間においては、列車に電力を供給する架線を吊設するため、複数の電化柱が線路の延在する方向に沿って配列されている。各電化柱は高架橋や路盤等の基礎に固定されている。
そして、近年発生した大規模地震の際に、電化柱が折損し完全倒壊する被害が多発したことを受け、既存の電化柱の耐震補強を図る改修が行われている。
例えば、電化柱の周囲を鋼管状のユニットで囲い、そのユニットで囲った電化柱の一部を切削して電化柱に埋め込まれているPC鋼を切断した後、ユニットと電化柱の間に充填材を充填する、電化柱の改修方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2015−83745号公報
しかしながら、上記特許文献1の改修方法の場合、電化柱に埋め込まれているPC鋼を切断するように電化柱の表層の一部を切削する作業は煩雑であり、特に、電化柱が高欄(側壁)寄りの位置にあって電化柱と高欄との隙間が狭隘であると、電化柱の高欄側のPC鋼が切断されたか否かを目視で確認し難いために、切削作業が困難になることがあった。
本発明の目的は、より容易な作業で電化柱など柱体の耐震補強を図ることを可能にする柱体補強方法及び柱体補強構造を提供することである。
上記目的を達成するため、本出願に係る柱体補強方法は、
基礎部に下部が埋設されて立設されている柱体を補強する柱体補強方法であって、
前記柱体をその柱体の中心軸と直交する仮想切断面に対応させて、前記柱体に仮設チューブを巻き付ける工程と、
前記仮設チューブを巻き付けた部分を含んで、前記柱体の周囲を囲う筒状補強材を前記基礎部上に設置する工程と、
前記柱体と前記筒状補強材と前記仮設チューブの間に第1の充填材を充填する工程と、
前記仮設チューブによって形成される環状孔にワイヤーソーを通し、該ワイヤーソーを移送させることで前記柱体を切断する工程と、
前記柱体が上下に分断された隙間に第2の充填材を充填する工程と、
を備えるようにした。
かかる構成の柱体補強方法によれば、柱体が地震の揺れに対して十分な耐力を発揮することができるように改修することができる。
具体的に、この柱体補強方法によって構築された補強構造であれば、第2の充填材が設けられた部分で柱体が上下に分断されているため、大規模地震発生時にはこの部分が変形し易くなっている。つまり、大規模地震発生時には、筒状補強材の内側の柱体分断部分を塑性変形させることで、柱体に作用する地震エネルギーを吸収することができる。一方、第2の充填材よりも上側と下側の柱体は、筒状補強材及び第1の充填材で囲われて補強されているため、大規模地震に抗することができる。
また、大規模地震による柱体の倒壊が生じても、筒状補強材や第1の充填材が基礎部に埋設されていないため、基礎部に損傷を与えることを防止することができる。
そして、この柱体補強方法では、従来技術のように電化柱(柱体)の表層の一部を最小限切削して、その電化柱に埋め込まれているPC鋼を切断するという慎重を要する作業を行うのではなく、電化柱に埋め込まれているPC鋼を電化柱ごと切断し、その切断によって電化柱が分断された隙間に第2の充填材を充填するという比較的簡便な作業によって柱体補強構造を構築することができる。
つまり、この柱体補強方法によれば、従来技術よりも容易な作業で電化柱の耐震補強を図ることができる。
また、望ましくは、
前記仮設チューブを撤去して前記環状孔を形成する工程を含むようにした。
第1の充填材に埋もれている仮設チューブを撤去すれば、柱体の周面に沿うような環状孔を形成することができ、その形成した環状孔にワイヤーソーを好適に通すことができる。
例えば、仮設チューブの中空部分にワイヤーソーを通してもよいが、仮設チューブを撤去した跡の空間の方が仮設チューブの中空部分よりも幅が広いので、ワイヤーソーを通しやすくなる。
また、望ましくは、
前記仮設チューブとして、螺旋状にほどくことができるチューブ部材と、前記チューブ部材の外周面を被覆して平滑にするテープ部材との組体を用いるようにした。
螺旋状にほどくことができるチューブ部材であれば、その一方の端部を引っ張ってチューブ部材を解すようにして引き抜けば、テープ部材も解れて引き抜くことができ、第1の充填材に埋もれている仮設チューブを容易に撤去できる。
そして、チューブ部材とテープ部材との組体である仮設チューブを撤去して形成した環状孔の内面は、チューブ部材の外周面を覆っていたテープ部材によって、平滑な面に形成されているので、ワイヤーソーが環状孔の内面に密接し易く、効率よい切断が可能になる。
また、チューブ部材は第1の充填材に押し潰されない強度を有しており、ワイヤーソーを通す環状孔を適正に形成することを可能にする。
また、望ましくは、
前記チューブ部材、または前記チューブ部材及び前記テープ部材を撤去して、前記環状孔を形成する工程を含むようにした。
ワイヤーソーを通す環状孔は、チューブ部材及びテープ部材を撤去して形成したものでも、チューブ部材を撤去してテープ部材を周面に残して形成したものでもよい。
また、本出願に係る柱体補強構造は、
基礎部に下部が埋設されて立設されている柱体を補強する柱体補強構造であって、
前記基礎部上に設置され、前記柱体の周囲を囲っている筒状補強材と、
前記柱体と前記筒状補強材の間に充填された第1の充填材と、を備え、
前記柱体は、前記筒状補強材で囲われている部分で切断されて上下に分断されており、前記柱体が分断された隙間に第2の充填材が充填されているようにした。
かかる構成の柱体補強構造であれば、地震の揺れに対して十分な耐力を発揮することができる。
具体的に、第2の充填材が設けられた部分で柱体が上下に分断されているため、大規模地震発生時にはこの部分が変形し易くなっている。つまり、大規模地震発生時には、筒状補強材の内側の柱体分断部分を塑性変形させることで、柱体に作用する地震エネルギーを吸収することができる。一方、第2の充填材よりも上側と下側の柱体は、筒状補強材及び第1の充填材で囲われて補強されているため、大規模地震に抗することができる。
また、大規模地震による柱体の倒壊が生じても、筒状補強材や第1の充填材が基礎部に埋設されていないため、基礎部に損傷を与えることを防止することができる。
そして、この柱体補強構造を構築する場合、従来技術のように電化柱(柱体)の表層の一部を最小限切削して、その電化柱に埋め込まれているPC鋼を切断するという慎重を要する作業を行うのではなく、電化柱に埋め込まれているPC鋼を電化柱ごと切断し、その切断によって電化柱が分断された隙間に第2の充填材を充填するという比較的簡便な作業によって柱体補強構造を構築することができる。
つまり、従来技術よりも容易な作業で電化柱の耐震補強を図った柱体補強構造を構築することができる。
また、望ましくは、
前記筒状補強材の中心軸は、前記柱体の中心軸よりも水平方向一の方向に偏心した位置にあるようにする。
筒状補強材の中心軸が、柱体の中心軸よりも水平方向に偏心した位置にあれば、筒状補強材の中心軸が偏心した側ほど、柱体と筒状補強材の間に充填された第1の充填材の厚みが厚くなるので、その第1の充填材の厚みが厚い側に柱体が傾いたり倒れたりし難くなる。
つまり、柱体が傾いたり倒れたりさせたくない方向(水平方向一の方向)に筒状補強材の中心軸を偏心させれば、偏心させた側の第1の充填材の厚みを厚くすることができ、そちら側に柱体が傾いたり倒れたりし難くすることができる。
また、望ましくは、
前記筒状補強材の外周面と内周面の少なくとも一方には、上下方向に延在する棒状補強材が設けられているようにする。
棒状補強材によって筒状補強材を補強することによって、柱体補強構造の耐震性能を向上させることができる。
例えば、筒状補強材の外周面に棒状補強材を配設した場合に何らかの妨げになる箇所では筒状補強材の内周面に棒状補強材を配設すればよく、筒状補強材の内周面に棒状補強材を配設した場合に何らかの妨げになる箇所では筒状補強材の外周面に棒状補強材を配設すればよい。
本発明によれば、より容易な作業で電化柱など柱体の耐震補強を図ることができる。
高架橋の基礎部に下部が埋設されて立設されている電化柱の柱体補強構造を示す断面図である。 本実施形態の柱体補強構造を示す断面図である。 図2のA−A断面図(a)と、B−B断面図(b)と、C−C断面図(c)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 柱体補強構造を構築する手順を示す断面図(a)と、側面図(b)である。 本実施形態の柱体補強構造の耐力に関する説明図である。 仮設チューブの一例を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る柱体補強構造及び柱体補強方法の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態では、柱体補強構造100の一例として、高架橋1の基礎部3に下部が埋設されて立設されている電化柱10の補強構造について説明する。
高架橋1は、例えば図1に示すように、地面から上方に延びるように立設された橋脚2と、橋脚2の上部に設けられた基礎部3(主桁)と、基礎部3に鉛直向きに立設された柱体である電化柱10と、電化柱10の近傍であって基礎部3(線路R)が延在する方向に沿って設けられた側壁4とを有している。また、基礎部3上には床板Fが設けられ、その床板Fの上に列車走行用の線路Rが設けられている。
電化柱10は、図2、図3(a)に示すように、複数のPC鋼11が埋め込まれた略円筒形状を呈するコンクリート柱であって、長手方向に貫通した中空部12を有している。
本実施形態では、電化柱10の耐震補強を図るにあたり、電化柱10の下側の中空部12に、例えば無収縮モルタルなどの内部充填材13を充填している。なお、内部充填材13は、少なくとも後述する筒状補強材20で電化柱10が囲われる範囲の中空部12に充填されている。
本実施形態の柱体補強構造100は、図1〜図3に示すように、基礎部3上に設置され、電化柱10の周囲を囲っている筒状補強材20と、電化柱10と筒状補強材20の間に充填された第1の充填材30と、を備えている。
特に、この柱体補強構造100での電化柱10は、筒状補強材20で囲われている部分で切断されて上下に分断されており、電化柱10が分断された隙間に第2の充填材40が充填されている。
筒状補強材20は、例えば図3(b)(c)に示すように、断面視して円弧形状を呈する第一補強材21と第二補強材22とを有している。
この筒状補強材20は、第一補強材21と第二補強材22が所定の向きに組み付けられて円筒状を成している。
第一補強材21と第二補強材22は、例えば、鋼板に曲げ加工を施して成形した部材である。
特に、筒状補強材20の中心軸は、電化柱10の中心軸よりも線路R側に近づく方向(水平方向一の方向)に偏心した位置にある。電化柱10の近傍に側壁4があって、電化柱10と側壁4の間のスペースが狭いため、このように筒状補強材20を偏心した位置の設けることで好適に設置できる。
また、このように筒状補強材20の中心軸が、電化柱10の中心軸よりも線路R側に近づく方向に偏心していると、電化柱10と筒状補強材20の間に充填された第1の充填材30の厚みが線路R側ほど厚くなるので、電化柱10が線路R側に傾いたり倒れたりし難くなる。
つまり、電化柱10の中心軸よりも、その電化柱10が傾いたり倒れたりさせたくない方向(水平方向一の方向)に筒状補強材20の中心軸を偏心させている。
また、筒状補強材20には、上下方向に延在する複数の棒状補強材23が設けられている。
棒状補強材23は、例えば鋼棒であって、筒状補強材20の周面に溶接によって固定されている。
具体的に、第一補強材21には、筒状補強材20の外周面に相当する面に複数(本実施形態では4本)の棒状補強材23が固設されている。また、第二補強材22には、筒状補強材20の内周面に相当する面に複数(本実施形態では4本)の棒状補強材23が固設されている。
なお、筒状補強材20の内周面に棒状補強材23が固設されていれば、棒状補強材23が第1の充填材30に埋もれてカバーされるので好ましいが、第一補強材21の内周面に相当する面に棒状補強材23が固設されていると、後述する仮設チューブ50の設置が困難になることがあるので(図6参照)、第一補強材21には外周面に相当する面に棒状補強材23を固設した。
第1の充填材30は、例えば無収縮モルタルであって、流動性を有する状態で電化柱10と筒状補強材20の間に充填された後、硬化されて形成されている。
第2の充填材40は、例えば有機系樹脂材料であって、流動性を有する状態で電化柱10が上下に分断された隙間に充填された後、硬化されて形成されている。
本実施形態では、有機系樹脂材料としてウレタンメタクリル樹脂を用いた。
なお、第2の充填材40とする有機系樹脂材料は、ウレタンメタクリル樹脂に限らず、他の樹脂材料であってもよい。また、第2の充填材40の材料に、無収縮モルタルなどを用いてもよい。
次に、基礎部3に下部が埋設されて立設されている電化柱10の補強方法であって、柱体補強構造100の構築方法について説明する。
図4(a)(b)に示すように、電化柱10は基礎部3に立設されており、電化柱10の近傍には側壁4が設けられている。
この電化柱10の中空部12には、内部充填材13が充填されている。
まず、図5(a)(b)に示すように、電化柱10と側壁4の間に、第一補強材21を設置する。
このとき、第一補強材21の内面側を電化柱10に向けて配置した後、第一補強材21を電化柱10の周面に沿って回転させて、電化柱10と側壁4の間に送り込むようにして設置する。
次いで、図6(a)(b)に示すように、電化柱10を切断する箇所に中空の仮設チューブ50を巻き付ける。
具体的に、電化柱10をその中心軸と直交する仮想切断面に対応させて、電化柱10の周面に仮設チューブ50を巻き付ける。
仮設チューブ50は、電化柱10の周面に沿って巻き付けることができる可撓性を有するとともに、第1の充填材30を充填する際にその重みや圧力で変形しない強度を有する部材であり、例えば樹脂製の中空チューブである。
次いで、図7(a)(b)に示すように、電化柱10の線路R側の面に、第二補強材22を設置する。このとき、第二補強材22に設けられている開口部22aから仮設チューブ50の両端部が露出するように設置する。
そして、ボルトなどの接合部材を用いて第一補強材21と第二補強材22を接合して、筒状補強材20を組み立てる。組み立てられた筒状補強材20は、筒状補強材20の中心軸が電化柱10の中心軸よりも線路R側に偏心した位置に設置されている。
こうして、仮設チューブ50を巻き付けた部分を含むように、電化柱10の周囲を囲う筒状補強材20が基礎部3上に設置される。
次いで、図8(a)(b)に示すように、電化柱10と筒状補強材20と仮設チューブ50の間に、第1の充填材30を充填する。第1の充填材30は筒状補強材20の上端側から充填すればよい。
なお、第1の充填材30の充填に備え、第一補強材21と第二補強材22の接合箇所や、筒状補強材20と基礎部3との接触部分や、第二補強材22の開口部22aなどに、必要に応じてコーキング処理を施し、第1の充填材30の漏れを防いでいる。
次いで、図9(a)(b)に示すように、第1の充填材30が硬化した後、仮設チューブ50を撤去して、電化柱10の周囲に環状孔60を形成する。
本実施形態では、図14に示すように、仮設チューブ50として、螺旋状にほどくことができるチューブ部材51と、チューブ部材51の外周面を被覆して平滑にするテープ部材52との組体を用いている。
そして、第二補強材22の開口部22aに露出している仮設チューブ50の一方の端部を引っ張り、チューブ部材51を解すようにして引き抜けば、テープ部材52も解れて引き抜くことができる。チューブ部材51とテープ部材52とを引き抜いて、仮設チューブ50を撤去した跡の空間が、仮設チューブ50によって形成した環状孔60となる。
この環状孔60の内面は、チューブ部材51の外周面を覆っていたテープ部材52によって、平滑な面に形成されている。
なお、チューブ部材51としては、周知のフルコンビニール螺旋管を用いることができ、テープ部材52としては、周知のスパイラルチューブを用いることができる。フルコンビニール螺旋管とスパイラルチューブはともに、複数の配線やケーブルなどを束ねて保護する際に使用する部材として知られている。
次いで、図10(a)(b)に示すように、仮設チューブ50によって形成した環状孔60にワイヤーソー70を通し、そのワイヤーソー70で電化柱10を切断して、電化柱10を上下に分断する。
環状孔60に通されたワイヤーソー70は、従動プーリーを備えた架台71を介して図示しない駆動部に繋がれており、そのワイヤーソー70を移送させる周知の切断手法によって電化柱10を切断する。なお、ワイヤーソー70で電化柱10を切断する際、仮設チューブ50に挟まれていた部分の第1の充填材30も切断される。
ここで、環状孔60の内面が平滑に形成されており、ワイヤーソー70が環状孔60の内面に密接するので、効率よい切断が可能になっている。
そして、図11(a)(b)に示すように、電化柱10が上下に分断された隙間に切断部空間80が形成される。
次いで、図12(a)(b)に示すように、電化柱10が上下に分断された隙間である切断部空間80に第2の充填材40を充填する。
例えば、切断部空間80に第2の充填材40を充填する際、切断部空間80の奥に届く延長ノズルを用いて、奥から手前にノズルの引きながら徐々に第2の充填材40を充填するようにすれば、第2の充填材40を密に充填することができる。
また、切断部空間80の上下の幅に相当する厚みを有し、第二補強材22の開口部22aから挿入可能なサイズの鋼板を切断部空間80に設置した後に、第2の充填材40を充填してもよい。切断部空間80の上下の幅に相当する厚みを有する鋼板は、スペーサーとして機能する。
そして、切断部空間80に充填した第2の充填材40を硬化させることで柱体補強構造100が完成し、電化柱10の補強が完了する。
このような補強方法で電化柱10を改修してなる柱体補強構造100の耐力について説明する。
図13に示すように、電化柱10が筒状補強材20及び第1の充填材30で囲われている部分の耐力は、その上方の電化柱10部分よりも大きくなっている。
また、第2の充填材40が設けられた部分の耐力は、電化柱10部分と同等の耐力であり、その第2の充填材40に隣接する箇所における柱体補強構造100の耐力は、第2の充填材40部分に向かうにしたがって減少している。
そして、第2の充填材40が設けられた部分で電化柱10が上下に分断されているため、電化柱10はこの部分で塑性変形が可能になっている。
このような柱体補強構造100であれば、地震の揺れに対して十分な耐力を発揮することができる。
具体的に、第2の充填材40が設けられた部分で電化柱10が上下に分断されているため、大規模地震発生時にはこの部分が変形し易くなっている。つまり、大規模地震発生時には、筒状補強材20の内側の電化柱10分断部分を塑性変形させることで、電化柱10に作用する地震エネルギーを吸収することができる。一方、第2の充填材40よりも上側と下側の電化柱10は、筒状補強材20及び第1の充填材30で囲われて補強されているため、大規模地震に抗することができる。
また、大規模地震による電化柱10の倒壊が生じても、筒状補強材20や第1の充填材30が基礎部3に埋設されていないため、基礎部3に損傷を与えることを防止することができる。
以上のように、本実施形態の柱体補強構造100であれば、電化柱10の耐震性能を向上することができるとともに、電化柱10が基礎部3から倒壊するのを防止することができる。
そして、本実施形態の柱体補強方法では、従来技術のように、電化柱10の表層の一部を最小限切削して、その電化柱10に埋め込まれているPC鋼11を切断するという慎重を要する作業を行うのではなく、電化柱10に埋め込まれているPC鋼11を電化柱10ごと切断し、その切断によって電化柱10が分断された隙間に第2の充填材40を充填するという比較的簡便な作業によって柱体補強構造100を構築することができる。
つまり、本実施形態の柱体補強方法によれば、より容易な作業で電化柱10の耐震補強を図ることを可能にする柱体補強構造100を構築することができる。
なお、以上の実施の形態においては、仮設チューブ50を撤去して形成した環状孔60にワイヤーソー70を通し、そのワイヤーソー70で電化柱10を切断したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、電化柱10に巻き付けた中空の仮設チューブ50自体を、仮設チューブ50によって形成された環状孔とし、その中空の仮設チューブ50にワイヤーソー70を通し、仮設チューブ50ごと電化柱10を切断するようにしてもよい。
また、以上の実施の形態においては、仮設チューブ50として、チューブ部材51とテープ部材52との組体を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、螺旋状にほどくことができるチューブ部材51を単体で用いてもよい。なお、単体で用いるチューブ部材51の外周面は、ワイヤーソー70による切断を好適に行うためには凹凸が少ない方が好ましく、平滑な面である方がよい。
また、以上の実施の形態においては、ワイヤーソー70を用いて電化柱10を切断してなる柱体補強構造100を構築したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ワイヤーソー70による切断とは異なる切断手法で電化柱10を切断してなる柱体補強構造100であってもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 高架橋
2 橋脚
3 基礎部
4 側壁
10 電化柱(柱体)
20 筒状補強材
21 第一補強材
22 第二補強材
22a 開口部
23 棒状補強材
30 第1の充填材
40 第2の充填材
50 仮設チューブ
51 チューブ部材
52 テープ部材
60 環状孔
70 ワイヤーソー
71 架台
80 切断部空間(隙間)
100 柱体補強構造
F 床板
R 線路

Claims (7)

  1. 基礎部に下部が埋設されて立設されている柱体を補強する柱体補強方法であって、
    前記柱体をその柱体の中心軸と直交する仮想切断面に対応させて、前記柱体に仮設チューブを巻き付ける工程と、
    前記仮設チューブを巻き付けた部分を含んで、前記柱体の周囲を囲う筒状補強材を前記基礎部上に設置する工程と、
    前記柱体と前記筒状補強材と前記仮設チューブの間に第1の充填材を充填する工程と、
    前記仮設チューブによって形成される環状孔にワイヤーソーを通し、該ワイヤーソーで前記柱体を切断する工程と、
    前記柱体が上下に分断された隙間に第2の充填材を充填する工程と、
    を備えたことを特徴とする柱体補強方法。
  2. 前記仮設チューブを撤去して前記環状孔を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の柱体補強方法。
  3. 前記仮設チューブとして、螺旋状にほどくことができるチューブ部材と、前記チューブ部材の外周面を被覆して平滑にするテープ部材との組体を用いることを特徴とする請求項1に記載の柱体補強方法。
  4. 前記チューブ部材、または前記チューブ部材及び前記テープ部材を撤去して、前記環状孔を形成する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の柱体補強方法。
  5. 基礎部に下部が埋設されて立設されている柱体を補強する柱体補強構造であって、
    前記基礎部上に設置され、前記柱体の周囲を囲っている筒状補強材と、
    前記柱体と前記筒状補強材の間に充填された第1の充填材と、を備え、
    前記柱体は、前記筒状補強材で囲われている部分で切断されて上下に分断されており、前記柱体が分断された隙間に第2の充填材が充填されていることを特徴とする柱体補強構造。
  6. 前記筒状補強材の中心軸は、前記柱体の中心軸よりも水平方向一の方向に偏心した位置にあることを特徴とする請求項5に記載の柱体補強構造。
  7. 前記筒状補強材の外周面と内周面の少なくとも一方には、上下方向に延在する棒状補強材が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の柱体補強構造。
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