JP5922594B2 - 踏切構造 - Google Patents

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Description

本発明は、複数枚のコンクリートブロックを、軌道方向に連接させて、PC鋼棒で締結して一体化させて構成する踏切構造に関する。
従来から踏切道には、軌道沈下が少なく、保守管理が容易であるため、軌道方向に形成された挿入孔を有する複数枚のコンクリートブロックを軌道方向に連接し、該連接状態で直線状に連通した挿入孔にPC鋼棒を挿入して、PC鋼棒の両端をナットで締結して複数枚のコンクリートブロックを一体化させて構成した踏切構造が採用されている。
そして、このような踏切構造は、単線の場合には、軌道方向にレールを施設する2本の凹溝を備える鉄道用軌道ブロックのみ、又は鉄道用軌道ブロックと鉄道用軌道ブロックの一側又は両側に施設された専ら道路部分を構成する道路用舗装ブロックを備えて構成されている。又、複線の場合には、鉄道用軌道ブロックと鉄道用軌道ブロック間に施設された道路用舗装ブロックを備えて構成され、或いは更に鉄道用軌道ブロックの外側に施設された道路用舗装ブロックを備えて構成されている。
又、このような踏切構造において、専ら道路部分を構成する道路用舗装ブロックは、道路幅員に合わせて端部を斜角にした構造が採用可能であるが、鉄道用軌道ブロックは、道路と軌道の交差角度が直角でない場合であっても、踏切道前後のレール締結間隔を保持するために、鉄道用軌道ブロックの端部を斜角にすることなく、軌道に直角にした構成が採用されている。即ち、軌道方向の両端部に使用される鉄道用軌道ブロックも他の部分に用いられるブロックと同様に平面視四角形の形状である。このため、道路と鉄道との交角が小さくなるほど道路用舗装ブロック又は該ブロックを使用しない道路部分と鉄道用軌道ブロックの間に発生する幅員の段差が大きくなる。
そして、この幅員段差に起因して、踏切を横断する歩行者、自転車、車椅子等の横断者が道路から脱落する事故が発生したため、踏切内での安全性確保の要請が高まっていた。
そこで、横断者の道路面に対する視認性、鉄道用軌道ブロックの道路幅員の外側部分と道路面の境界の視認性を向上させて注意を喚起するために、鉄道用軌道ブロックの道路幅員の外側部分を、100mm低くして薄型にすると共に、道路幅員の外側部分の表面を道路の色とは異なる黒色に塗装した構成が提案されている(非特許文献1)。
一般社団法人日本鉄道技術協会発行 JREA 2011年 Vol.54 No.12 37〜39頁
しかし、このような従来技術の構成であっても、踏切の横断者の道路面に対する視認性及び鉄道用軌道ブロックの道路幅員の外側部分と道路面の境界の視認性の向上には不十分であり、横断者が道路から脱落する危険性が充分には解消されていなかった。
そこで、本発明は、踏切の横断者の道路面に対する視認性及び鉄道用軌道ブロックの道路幅員の外側部分と道路面の境界の視認性のさらなる向上を図り、道路用舗装ブロック又は該ブロックを使用しない道路部分と鉄道用軌道ブロックの間に発生する幅員の段差に起因する、歩行者、自転車、車椅子等の横断者の道路からの脱落を確実に防止することを主たる目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、道路と軌道の交差角度が鋭角であって、レールを施設する、軌道方向に連接した複数個の鉄道用軌道ブロックを備えて構成される踏切構造であって、軌道方向の両端部に使用される鉄道用端部軌道ブロックは、道路を構成する道路幅員部と前記道路幅員部より薄く形成された、道路を構成しない道路幅員外側部を備え、前記道路幅員外側部の上面に粒状体を敷設したことを特徴とする踏切構造である。
又、上記踏切構造において、前記粒状体は、固定して敷設したことを特徴とする踏切構造である。
又、上記踏切構造において、前記粒状体は、着色したことを特徴とする踏切構造である。
以上のような本発明によれば、踏切の横断者の道路面に対する視認性及び鉄道用軌道ブロックの道路幅員の外側部分と道路面の境界の視認性を高めることが出来、道路用舗装ブロック又は該ブロックを使用しない道路部分と鉄道用軌道ブロックの間に発生する幅員の段差に起因する、歩行者、自転車、車椅子等の横断者の道路からの脱落を確実に防止することが出来た。
本発明踏切構造一実施例平面図 踏切構造端部の鉄道用軌道ブロック平面図 鉄道用軌道ブロック図1A方向からの端面図 図1B−B断面図 図1C−C断面図 図1D−D断面図
以下、本発明の実施の形態を図を参照して説明する。図1に示すように、踏切構造1は、道路9と軌道10の交差角度Sが鋭角であって、レール4を施設する、軌道方向に連接した複数個の鉄道用軌道ブロック2と、鉄道用軌道ブロック2の側方に設置する軌道方向に連接した複数個の道路用舗装ブロック3を備えて構成されている。尚、踏切の状態に応じて、道路用舗装ブロック3は鉄道用軌道ブロック2の両側又は片側に設置すればよく、更には、道路用舗装ブロック3に替えてアスファルト等で道路面を形成した構成としてもよい。尚、道路とは、踏切内においては、車道のほか、自転車等が通行する通路及び歩道を含むものである。
尚、図示はしないが、鉄道用軌道ブロック2及び道路用舗装ブロック3は、路盤上に合成樹脂等の道床安定剤を用いて形成したバラスト道床上に設置することが出来る。又、この構成に限定されず、鉄道用軌道ブロック2及び道路用舗装ブロック3は、路盤コンクリート上に設けたモルタル等の緩衝材の上に設置する等その設置面は公知の構成を採用することが出来る。
鉄道用軌道ブロック2及び道路用舗装ブロック3は、鉄筋コンクリートで形成されたブロックであり、図2及び図4〜図6に示すように、軌道方向に貫通し、PC鋼棒61を挿入するための挿入孔23が穿孔されている。又、鉄道用軌道ブロック2は平面視四角形に形成され、道路用舗装ブロック3は、軌道方向の両端部の道路用端部舗装ブロック31が道路幅員に合わせて斜角にして平面視台形に形成され、中間部の道路用中間部舗装ブロック32が平面視四角形に形成されている。
挿入孔23は、複数個の鉄道用軌道ブロック2を軌道方向に連接させた状態で、軌道方向の両端に亘って直線状に連通し、連通した挿入孔23には、塩化ビニル等の合成樹脂製のパイプ60が挿入設置され、パイプ60内にPC鋼棒61を挿通させて、PC鋼棒61の両端をナットで締結して複数個の鉄道用軌道ブロック2を連結固定して、1個の鉄道用軌道ブロック集合体20を形成している。
同様に、軌道方向に連接させた複数個の道路用舗装ブロック3の軌道方向の両端に亘って連通させた挿入孔23には、塩化ビニル等の合成樹脂製のパイプ60が挿入設置され、パイプ60内にPC鋼棒61を挿通させて、PC鋼棒61の両端をナットで締結して複数個の道路用舗装ブロック3を連結固定して、1個の道路用舗装ブロック集合体30を形成している。
PC鋼棒61は、鉄道用軌道ブロック2又は道路用舗装ブロック3にかかる応力や鉄道用軌道ブロック2又は道路用舗装ブロック3の軌道と直交する方向の幅V、W等に応じて所定数を設置するが、一例として、鉄道用軌道ブロック2の幅Vが2000mmの場合5本程度を設置すればよく、道路用舗装ブロック3幅Wが2000mmの場合2本程度を設置すればよい。
そして、鉄道用軌道ブロック集合体20の両側に道路用舗装ブロック集合体30を設置して踏切構造1を形成している。尚、道路用舗装ブロック集合体30は鉄道用軌道ブロック集合体20の片側にのみ設置した構成としてもよい。又、鉄道用軌道ブロック2と道路用舗装ブロック3同士は固定する必要はないが、図6に示すように、鉄道用軌道ブロック2と道路用舗装ブロック3間にはモルタル等の目地材8を充填することが好ましい。
又、図示はしないが、軌道方向の両端に使用される鉄道用端部軌道ブロック21及び道路用端部舗装ブロック31の軌道方向の外側端から突出するPC鋼棒61の両先端部分にはおねじが形成され、PC鋼棒61の先端部分をドーナツ状の支圧板及びドーナツ状の支圧板に挿入して、めねじが形成されたナットを用いて両端から締結して、軌道方向に連接させた複数個の鉄道用軌道ブロック2及び道路用舗装ブロック3を夫々連結固定している。尚、PC鋼棒61の先端部分及びナットは合成樹脂製のキャップ77で被覆することが好ましい。
又、鉄道用軌道ブロック2及び道路用舗装ブロック3を夫々連結するPC鋼棒61は、踏切構造1の軌道方向の長さ、道路用舗装ブロック3の場合には即ち道路幅員或いは各ブロックの軌道方向の長さ等に応じて、軌道方向に連接する鉄道用軌道ブロックの両端に亘る長さの1本のPC鋼棒で構成してもよいが、複数のPC鋼棒を、挿入孔23内で、めねじを形成したカップラーで連結固定して構成してもよい。
鉄道用中間部軌道ブロック27及び道路用中間部舗装ブロック32の軌道方向の長さ及び設置個数は、特に限定されず、道路の幅員に応じた所定長さ及び個数が採用される。又、軌道方向の両端部に使用される鉄道用端部軌道ブロック21,22は、道路9を構成する道路幅員部200と道路9を構成しない道路幅員外側部210を備え、道路幅員部200と道路幅員外側部210の境界線Xは道路9と軌道10の交差角度Sの角度で傾斜し、道路幅員外側部210は道路幅員部200より薄く形成されている。
ここで、PC鋼棒61による締結で鉄道用軌道ブロック2が反らないように、PC鋼棒61は出来るだけ鉄道用軌道ブロック2の厚みの略中間に位置させる必要がある。そして、通常、鉄道用軌道ブロック2の厚さは340mm程度であるので、PC鋼棒61の中心軸は鉄道用軌道ブロック2の底面から150〜170mmの高さに位置させる必要がある。とすると、鉄道用端部軌道ブロック21,22の厚さは、最低でも240mmは必要であり、道路幅員外側部210を道路幅員部200より薄く出来る限度は100mmである。
尚、軌道方向の両端部に使用される鉄道用端部軌道ブロック21、22は2個ずつに限定されず、道路9と軌道10の交差角度Sや道路9の形状等に応じて、1個又は3個以上を用いる構成としてもよい。尚、軌道方向の両端部以外に使用される他の鉄道用中間部軌道ブロック27は道路幅員部200のみを備えている。
鉄道用軌道ブロック2の上面には軌道方向にレール4を施設する2本の凹溝29が形成され、凹溝29の底面から積層されたタイプレートパット、タイプレート、レールパッドの上にレール4が設置され、鉄道用軌道ブロック2に結合するボルト、クリップ、ばね等で構成される公知のレール締結装置により固定されている。尚、道路幅員部200においては、レール4と凹溝29との隙間には、軌間側の隙間にはゴムシュートを設置すること、軌間外側の隙間には上面にゴム板を設けたブロックを設置し、鉄道用軌道ブロック2の上面及びレール4の上面と面一にすることが歩行者等の安全のために望ましい。
道路幅員外側部210には、誘導部51を備えた、レール4と略同一の高さに立設した踏切ガード5が固定されている。又、凹溝29以外の道路幅員外側部210の上面217には、通常バラストに用いられる、砕石、砂利、溶岩等の粒状体7を敷設している。粒状体7を敷設することにより、道路幅員外側部210が道路でないことが明確となり、鉄道用軌道ブロック2の道路幅員部200と道路幅員外側部210の境界の視認性を向上させることが可能となっている。又、粒状体7による吸音効果により、騒音防止の効果を有することともなる。
粒状体7は、道路幅員外側部210の上面217の全面に敷設しているが、上面217の全面でなく、道路幅員部200との境界から所定幅の部分のみ或いは踏切ガード5内側及び2本のレール4の外側部分のみに敷設する等、道路幅員外側部210の上面217の一部にのみ敷設することとしてもよい。又、粒状体7の厚みは、道路幅員部200と道路幅員外側部210の高さの差Hより薄く敷設するが、高さの差H以上の厚みとしてもよい。
粒状体7は、道路幅員外側部210の上面217にそのまま固定せずに敷設してもよいが、固定して敷設してもよい。固定の方法としては特に限定されず、例えば、粒状体7を上方から目視可能なように上部開口の箱体或いは袋に詰めて、又は袋状の金網に詰めて敷設する方法が採用できる。このような構成とすることで、踏切構造1の設置の際に、予め袋等につめられた粒状体7を設置するればよく、敷設作業を容易とすることが出来る。又、他の固定の方法として、合成樹脂等の接着剤、セメント又はモルタル等で粒状体7と道路幅員外側部210の上面217及び/又は粒状体7同士を接着固定してもよい。このように粒状体7を固定して敷設する構成とすることで、粒状体の崩れや飛散を防止でき、保守管理を容易とすることが出来る。
又、粒状体7は、黄色等の歩行者の注意を喚起しやすい色をペンキ等を用いて着色することとしてもよい。粒状体7の着色には、粒状体7を接着剤で被服して固定する場合には、接着剤を着色することも含まれる。このような構成とすることで、粒状体7の視認性を向上させて道路幅員部200と道路幅員外側部210の境界の視認性を向上させることが出来る。
道路幅員外側部の上面に粒状体を敷設することにより、歩行者の道路面に対する視認性、鉄道用軌道ブロックの道路幅員の外側部分と道路面の境界の視認性を向上させることができ、道路と鉄道との交角が小さく、道路用舗装ブロックと鉄道用軌道ブロックの間に発生する道路の幅員の段差が大きい踏切に適用することが出来る。
1 踏切構造
10 軌道
2 鉄道用軌道ブロック
20 鉄道用軌道ブロック集合体
21 鉄道用端部軌道ブロック
22 鉄道用端部軌道ブロック
23 挿入孔
27 鉄道用中間部軌道ブロック
29 凹溝
200 道路幅員部
210 道路幅員外側部
3 道路用舗装ブロック
30 道路用舗装ブロック集合体
31 道路用端部舗装ブロック
32 道路用中間部舗装ブロック
4 レール
5 踏切ガード
60 パイプ
61 PC鋼棒
7 粒状体
8 目地材
9 道路

Claims (3)

  1. 道路と軌道の交差角度が鋭角であって、レールを施設する、軌道方向に連接した複数個の鉄道用軌道ブロックを備えて構成される踏切構造であって、軌道方向の両端部に使用される鉄道用端部軌道ブロックは、道路を構成する道路幅員部と前記道路幅員部より薄く形成された、道路を構成しない道路幅員外側部を備え、前記道路幅員外側部の上面にバラストに用いられる粒状体敷設されていることを特徴とする踏切構造。
  2. 前記粒状体は、固定されて敷設されていることを特徴とする請求項1に記載の踏切構造。
  3. 前記粒状体は、着色されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の踏切構造。
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