JP5921749B1 - 装飾品 - Google Patents

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Abstract

【課題】自在な方向に揺れ動き易く長時間持続しうることで、宝飾部材の反射や屈折方向を繰返し変化させて観察者の視認性を高めた、極めて装飾的演出性の高い装飾品の提供。【解決手段】受け部を備える装飾品本体と、該受け部上にその下端部を当接するように立設した揺動軸と、該揺動軸の上端部から突出させた剛体の吊下げアーム部と、該吊下げアーム部の下部に下垂支持せしめた宝飾部材とを有する装飾品であって、該揺動軸はその下端部を支点として該受け部上で自在に揺動しうることを特徴とする装飾品である。【選択図】図1

Description

本発明は、宝飾部材が自在に揺動する装飾品に関するものである。
イヤリング、ブローチ、ネックレスなどの装飾品は、その多くが貴金属など光沢を生じさせやすい素材を用いて造形されている。そして、これらの装飾品は、その表面を研磨し、かつ複雑な形状を持たせるなどすることで宝飾部材を構成して、視る人に光沢や輝きを感じさせるようにすることで、装飾品における装飾性及び美観を高める工夫がなされている。さて、装飾品の宝飾部材における装飾性や美観をより高める工夫として、装飾品の宝飾部材を、貴金属など光沢を生じさせやすい素材を宝石と組み合わせたものとすることが行われている。ここで用いられる宝石類とは、天然素材や人工素材を問わず、一般的にその表面がよく研磨されているため、視る人に光沢や輝きを強く感じさせることができるものであって、さらに、素材によっては表面を多面的に構成するべく複雑なカットが施されるため、光が表面反射するのみならず、その内部にまで入射した光が複雑に屈折して乱反射することで複雑にきらめくことが知られ得いる。こうした工夫により、視る人に、表面的な光沢や輝きのみならず、奥行きあるきらめきをも感じさせることができるなど、装飾品としての好ましい装飾性及び美観を生み出すためのものとして用いられている。
しかしながら、上記の装飾品は、従来、宝飾部材が装飾品上に固定された構造となっていた。そこで、同じ場所から眺めていると変化に乏しく、装飾品の宝飾部材に対して入射する光の角度が変化するか、装飾品を付けた人が動くか、または、装飾品を視る人が立ち位置を変化させない限り、装飾品の宝飾部材から反射されてくる光の方向が変化しにくいものであった。そのため、そのような動きや変化に乏しい場合には、装飾品を視る人は、装飾品における光沢や輝きは感じられるものの、きらめきを十分には感じとるには十分ではなく、所望のとおりには美しさが引き出されて発揮されるとは限らなかった。そして、装飾品における装飾性及び美観が活かし切れずに逆に損なわれたようになってしまい、見かけ上の価値が減弱したかのような状況が発生することを避け難かった。
そこで、装飾品の装飾性及び美観を十分に発揮せしめてその価値を存分に引き出すことを志向して、装飾品における宝飾部材を一部可動式の構造とする試みが種々に提案されている。
たとえば、装身具において、複数本の脚体やチェーンなどの支持手段を介して人体に支持される吊り環又は宝飾部材を有する振動体に取り付けた垂下リングの少なくとも片方の鎖交部を断面板状とし、この板状の部分の相手側と鎖交接触する部位を断面凸円弧状に尖らした形状を有する振動式装飾品が提案されている(特許文献1を参照。)。この振動式装身具は、宝飾部材の荷重を断面板状及び断面凸円弧状とからなる鎖交部にて支持するようにすることで、人体のわずかな動きや微風などにより宝飾部材が揺動することにより、宝飾部材からの輝きが従来より発揮されるようになることを指向している。
しかしながら、上記で提案された装身具では、鎖交部の接触部形状が線接触になるような精度の高いものは得難く、実質的には面接触となってしまう。そのため実用的には接触抵抗が大きくなってしまい、宝飾部材の揺れを十分に繰り返し得るためには十分とはいえなかった。そのため、視認されるきらめきの頻度は少なく弱いものであって、揺れがすぐに治まってしまうことから、本来備わる宝飾部材の装飾性や美観を所望どおりに発揮するにはいまだ十分とはいえないものであった。
また、装身具において、弧状又は環状の、相互に接触する連結金具と被連結金具の各内周部分の横断面形状が線状の稜線を備えた山形形状を有するようにした振動式装身具が提案されている(特許文献2を参照。)。これは、線状の稜線を備えた山形形状を有する構造を鎖交接触する部位に取り入れることで線接触状態が得られるようにすることで、接触抵抗を低減し、宝飾部材の揺れ感度が高くなる効果を生むことを指向している。
しかしながら、この振動式装身具では、連結及び被連結金具が共に弧状又は環状の形状を有しているために、吊り下げられた宝飾部材に対して傾斜面の角度幅を超えた揺れが生じる力が加わった場合には、宝飾部材を吊り下げるための部位自体が、揺れずにそのまま前方向、後方向、左方向又は右方向にスライドして横滑りしてしまうこととなるので、揺れの加わる向きに制限がおおく、加わった振動エネルギーが損なわれてしまい揺れにつながらないこととなるなど、揺れにくい場面が多く認められるものであって、継続的安定的に揺らす装身具としては十分ではなかった。このように、揺れの頻度も減少するので、宝飾部材から発せられるきらめきが全体として弱まり、揺れの持続時間も短くなるなどしてしまうことから、所期の装飾性や美観が十分に発揮されず損なわれる状況にあった。
また、これらの手段の振動式装身具では、いずれも前後方向または左右方向といった特定の方向については揺れが生じうるが、揺れ方に癖があるのであった。つまり、宝飾部材に対して加わる力の向きが多様な方向からのものであるとき、いくつかの不都合が明確に表面化することとなる。すなわち、宝飾部材を吊り下げるための部位と装飾体側の保持部とが面接触や線接触により鎖交している構造であることから、回転する角度が大きくなるときには、摩擦が生じやすく宝飾部材の動きが規制されてしまう制約が顕在化する。すると、装飾品の正面以外の方向から装飾品の宝飾部材を視認する人にとっては、宝飾部材から発せられるきらめきが看取しにくくなり、正面以外からは、看取し得たきらめきであっても消失するまでの時間が短くなってしまうこととなった。そこで、宝飾部材がダイヤモンドのカッティングのように入光した光を全方位的に屈折することできらめくように意図して設計されているとしても、動きに対する制約が大きいので、その装飾性や美観を広汎な方向から認識し難く、本来持ち合わせている装飾性や美観を引出して発揮しうるものとまでは未だ言い難かった。
その他の機構として、装身具において、装飾具の中心部に左右斜め上方に2点吊り輪状の保持具で宝飾部材を吊り下げ、装飾具本体を若干斜め上方に傾けて配置し、宝飾部材が振動しやすくなることを期待した振動式装身具も提案されている(たとえば特許文献3参照。)。
しかしながら、この振動式装身具は、宝飾部材を左右斜め上方2点で吊り下げて支持する構造であるため、左右の係止を軸として回転する方向に規制された振動となる。してみると、付与される振動の方向は限定的となり、左右方向への回転は困難で左右方向への回転はできず、その向きの揺れは僅かで続かないこととなる。
さらに、宝飾部材を視認する人が宝飾部材に対して正対する場合には、細かい揺れによって生じた宝飾部材から発せられるきらめきを視認することができるが、宝飾部材を視認する人が、宝飾部材に対して正対しておらず、側面もしくは斜めの方向から見る場合には、宝飾部材から発せられる光沢、輝き、きらめきを視認することには困難が生じており、振動式装身具としての装飾性や美観が十分に満足されるものとはなっていなかった。たとえば、イヤリングやピアスのように耳元に用いる装身具である場合、揺れる部材が顔の側面に位置することになるので、着用者の正面に位置する人からは、宝飾部材が正対しにくいものとなりやすく、十分なきらめきを目にすることが期待しがたいものとなっていた。
以上のように、これまでに提案されてきた可動式の宝飾部材を有する装飾品では、振動が途切れやすく、また揺れる向きに指向性があり、振動のしやすさに限定があるので、可動式の宝飾部材から発せられる光沢、輝き、並びに、きらめきを、様々な方向から十分かつ長く視認できる安定的な構造とはなっておらず、装飾品が所望しているとおりの美観が何れの方向から見ても発揮されうる構造という観点では、いまだに十分満足のいくものとはなっていなかった。そこで、さらなる改善が望まれている。
特開2005−58371号公報 特開2009−11535号公報 特許第5424435号公報
本発明が解決しようとする課題は、装飾品の宝飾部材が自在な方向に揺れ動き易く、かつ、その揺れが安定的で長時間持続しうる構造とすることで、揺れる宝飾部材から生じる光沢・輝き・きらめきといった反射や屈折方向を繰り返し変化させることで種々の方向からの観察者の視認性を高めた、極めて装飾的演出性の高い装飾品を提供することである。
本発明者らは、上記の本発明の課題を解決するべく、宝飾部材を揺動しやすくする構造として、装飾品本体に設けた凹面状あるいはレール状の受け部に、棒状もしくは針状の揺動軸を突き立てて該揺動軸の下端を支点に受け部と当接せしめることで揺動自在とし、さらに該揺動軸の上端部から湾曲した剛体の吊下げアーム部材を下方へと伸ばし、そして吊下げアーム部材の下部に宝飾部材を吊り下げ保持することで、本発明の構造を完成させるに至った。揺動軸の下端側には、装飾品本体の受け部と接する揺動軸下端部に支点があり、この揺動軸の下端側の支点を接点としながら、揺動軸全体が前後左右に揺れて傾く動作をするので、揺動軸上端側から下方に吊り下げられた宝飾部材も揺れ動くこととなる。
そこで、上記の課題を解決するための本発明の手段は、受け部を備える装飾品本体と、該受け部上にその下端部を当接するように立設した揺動軸と、該揺動軸の上端部から突出させた剛体の吊下げアーム部と、該吊下げアーム部の下部に下垂支持せしめた宝飾部材とを有する装飾品であって、該揺動軸はその下端部を支点として該受け部上で自在に揺動しうることを特徴とする装飾品であり、具体的には、その第1の手段が、受け部を備える装飾品本体と、該受け部上にその下端部のみを当接するように立設した揺動軸と、該揺動軸の上端部から突出させた剛体の吊下げアーム部と、該吊下げアーム部の下部に下垂支持せしめた宝飾部材とを有する装飾品であって、該揺動軸と該吊下げアーム部と該吊下げアーム部の下部に下垂支持せしめた宝飾部材とが一体となっており、該揺動軸はその下端部を支点として該受け部上で自在に揺動しうることを特徴とする装飾品である。
さて、この揺動軸が直立した状態で静止しうる位置を静立状態と仮定すると、揺れが加わって揺動軸がその下端を支点として揺れ動くたびに、この揺動軸の上端の吊下アーム部に吊り下がった宝飾部材は揺動軸上端の傾動方向とは逆の方向へと揺れ動くこととなる。すなわち、揺動軸が右に傾くと、宝飾部材は左に移動するとともに、静立状態に比してやや高い位置となる。すなわち、受け部上に載っている部材の重心、つまり、「揺動軸と吊下げアーム部及び宝飾部材の重心」は、揺動軸が傾動すると、静立状態と比してやや斜め上方へと移動することとなる。静立状態が一番重心が低く安定しており、前後左右に揺動軸が傾動したときは重心が斜め上方に移動した分だけ位置エネルギーが高くなる。下垂された宝飾部材は重心に近く、揺動軸の傾きとは逆のカウンター方向に傾くこととなるので、揺動軸下端を支点とした回転モーメントによって、揺り戻し運動をすることとなる。そこで、傾いた揺動軸はそのまま倒れることなく静立状態側へ向かって動くも、勢いがあるので反対方向まで傾動し、また元に戻ろうと揺動を繰り返すこととなる。そして、重心の位置だけをみると、いわば揺動軸の支点から吊り下げられた振り子のように重心移動をすることとなる。
そして、受け部上に当接する揺動軸下端の支点よりも、揺動するパーツ全体(揺動軸、吊下げアーム部および宝飾部材)の重心が低いのでで、揺動軸が静立状態から微小角傾いた程度であれば、より安定な静立時に向かって復帰動作を繰り返すので、勢いが減衰するまで、長く安定的に繰り返し揺動しつづけることとなる。
本発明は、装飾品の宝飾部材が長く揺れ動くので静止しにくく、多様な方向に揺動し続けることができるので、多方向からの観察者は、宝飾部材から生じる光沢、輝き、並びに、きらめきを、十分かつ長く視認することができ、大変優れた装飾性及び美観を発揮する。そして、この新たな構造を有した装飾品では、装飾品本体の受け部上に、棒状もしくは針状の揺動軸の下端部を支点となるように当接させながら立たせつつ、この揺動軸の上端側から伸びた吊下げアーム部を介して宝飾部材を吊り下げることで、揺動軸をその下端を支点として繰り返し揺動しうる構造としている。
宝飾部材はカットされた宝石や装飾が施された貴金属であってある程度の重量があるので、これらの宝飾部材を吊下アーム部を介して下垂する揺動軸は、その下端は受け部にやや押しつけられている。受け部に程よく押しつけられることで安定して揺れ動くこととなっており、また、受け部より下方に吊り下がっていることから重心が低く、それだけ揺動動作が安定しやすくなっている。また、装飾部材を下垂させるようにして保持する吊下げアーム部は、揺動軸の上端部から下方に宝飾部材を吊り下げるための部材であり、この揺動軸の上端部から突き出しているもので、たとえば貴金属の剛体であって揺動軸と一体的に形成されている部材である。揺動軸はその下端を受け部と接するようにして、下端を支点に揺れ動きながら立った状態を保っている。すなわち、揺動軸が下端を支点側として上端部を大きく揺すられるように揺れ動きながらも、すぐに一方向へ倒れたりすることなく、倒れた方向とは反対側に傾動するので、受け部に当接しつつ揺れ動きながら立ち続けるものとなっている。
上記の課題を解決するための本発明の第2の手段は、前記吊下アーム部は、弧状もしくは環状の剛体であって、該吊下アーム部の下部に下垂支持される前記宝飾部材は、さらに前記受け部よりも下方に下垂されていること、を特徴とする第1の手段に記載の装飾品である。
すなわち、吊下アーム部は、たとえば片持状あるいは両持状の、弧状に湾曲したアームもしくは環状になったアームを備え、揺動軸の上端から側方に突き出したアームの下端側は湾曲して揺動軸の下方まで伸びて、そのアームの下端にダイヤモンド等の宝石あるいは貴金属の装飾が施された宝飾部材が嵌め合わされて固定され、宝飾部材はアーム部を介して揺動軸の上端から下垂される。すると身体に装着する部位に備えられた揺動軸と当接する受け部の下方までアーム部の下端が回り込んでいるので、アームの下端に固定されている宝飾部材は、受け部よりも下方に位置することとなる。
また、揺動軸の上端が右に傾けば、剛体のアームに吊り下げられた宝飾部材とともに支点の下方にある重心は左方向斜め上へと移動する。揺動軸の上端が手前に傾けば、重心は支点の下方で奥側斜め上へと移動する。重心がかならずカウンター方向に移動しながらやや高くなるので、自然と復帰する方向へと回転モーメントが働くこととなる。そこで、行きつ戻りつしながら揺動しつづけることとなる。また、アームが弧状や環状の剛体になっており、横に張り出すように拡がっていることから、揺動する際の重心移動がスムーズになされ、宝飾部材が重心が上方に移動すると同時にアームの湾曲によって横方向にも移動することとなるので、位置エネルギーが揺動する動きに自然とつながるのである。また、アーム自体にも重量があるので湾曲して横に張り出している分だけ、揺動すればその分勢いが増すことともなる。
上記の課題を解決するための本発明の第3の手段は、前記受け部は、中心が凹面状に窪んでいること、を特徴とする第1の手段又は第2の手段に記載の装飾品である。
この第3の手段では、上方に揺動軸との当接部として受け部の上平面を凹面状に窪ませ、カップ形状としている。そして、これに当接する揺動軸の下端の形状を、この窪みの湾曲よりも小さな曲率の半球状へと湾曲させておくと、揺動軸の傾きに応じて受け部の凹面状の窪みと接する揺動軸の下端と受け部との接地点は、凹面状の受け部のなかで移動することとなる。このように凹面状の湾曲と揺動軸の下端とを湾曲させて当接させることで、揺動軸の傾動がスムーズに行えることとなる。
たとえば、平面状の受け皿の上に円柱のような棒状の揺動軸が接しているとすると、静立位置に戻ったときに、揺動軸の下底の平面の円と受け部の平面とがピタッと面接触で接することとなる。面接触するたびに一瞬動きがギクシャクして止まろうとするので、揺動動作が繰り返されにくくなり、すぐに揺れが収束しやすくなる。他方、本発明の手段のように、凹面状に湾曲して窪ませた湾曲に沿わせて揺動軸の下端が半球状に湾曲して凹面状の湾曲面に接している場合は、静立位置でも半球状の下端の1点が受け皿の凹面状の1点と接するのみであるから、揺れがすぐには収束せず、しばらく繰り返し揺れ動くこととなる。揺動軸には僅かに太さがあるので、この下端の湾曲が点接触する位置は傾きに応じて移動する。すると、より揺れが止まりにくくなり、かつ、支点が移動することによってより大きな傾動状態でも外れることなく凹面状に嵌まりこんで安定的に支承しうることとなる。さらに、凹面状の窪みの深さを深くすることで上方への跳ね上がりなどでも外れにくくなり、また傾動時に支点が移動しうるので、大きな角度の傾きに対しても揺動軸が外れずに当接しやすくなる。そこで、多少大きな揺れが加わったとしても、揺動軸が身体装着部から外れにくく、安定して揺れる装飾品となる。
上記の課題を解決するための本発明の第4の手段は、前記前記揺動軸の下端が半球状に湾曲していること、を特徴とする第1の手段から第3の手段のいずれかに記載の装飾品である。揺動軸の下端が支点となって当接するが、何度も往復運動をする揺動においては、円柱のような底面のある柱では、静立状態時に底面が面接触し、その後点接触に移行するので、揺動動作が止まりやすくなる。そこで、下端を半球状に湾曲させて、点接触としているので、揺動動作がとまりにくくスムーズとなり、持続しやすくなっている。
上記の課題を解決するための本発明の第5の手段は、前記揺動軸の下端が円錐状に尖った針状であること、を特徴とする第1の手段から第4の手段のいずれかに記載の装飾品である。揺動軸の下端を円錐状に尖らせて、受け部の窪みに入り込んで支持することとなる。当接箇所は針状の先端による点接触であり、当接部の凹面状の受け部の皿のなかをスムーズに移動しながら傾動するので、支点が傾きに応じて受け部の上を移動する。窪みがあることで上下方向の振動でも跳ね上がって外れにくくなり、また大きな角度の傾きにた対しても揺動軸が外れずに受け部と当接しつづけることができる。また、点接触した針の先端が全方位的にスムーズに移動しながら傾動しうるので、振動の加わる向きを問わず微小な振動を繰り返しながら長く揺れることができる。
上記の課題を解決するための本発明のその他の手段は、前記受け部は、上面に開口した溝を長手方向にわたって備えており、長手方向が上弦円弧となるように湾曲していること、を特徴とする、本発明の手段または第1の手段から第5の手段の、いずれかに記載の装飾品である。
溝の断面は、浅いV字状でも、U字状でもよいが、溝のなかで揺動軸下端と当接するようになるので、振動によって揺動軸が大きく傾いても、外れにくくなる。加えて、溝が全体に湾曲しているので、一番低いところに揺動軸下端が自然と流れることから、安定して位置することができる。
上記の課題を解決するための本発明のその他の手段は、前記受け部は、開口側を上面とした断面U字状のレールであって、該レールはその長手方向においてさらに上弦円弧となるように湾曲したレールであること、を特徴とする、本発明の手段または第1の手段から第5の手段の、いずれかに記載の装飾品である。
本発明は、揺動軸下端を支点として、受け部と該下端を当接させることで、揺動軸上端から吊下げアーム部を介して下垂する宝飾部材を揺動自在に支持している構造であるから、揺動軸下端が受け部とスムーズに接しうることが重要である。そこで、受け部を上向きに反ったレールとし、その断面を上方向が開口したU字状としている。U字状の溝になっているので、揺動軸の下端が溝から飛び出しにくく、レールを跨いで左右方向に揺れる場合に、安定した揺動状態が得られる。さらに、レール全体が上向きに反るようにカーブしているので、揺動軸がレールの長手方向に揺動する場合であっても、揺動軸はレール内面の一番低い位置へと自然に誘導されて受け部の溝と当接しようとする。レールが湾曲しているので、揺れるたびに溝のなかを揺動軸が滑って移動してしまうようなことが少なくなり、無駄な減衰が生じにくくなるので長く揺れ動くことができる。
本発明の装飾品の宝飾部材は、揺動軸の上端から吊下げアーム部を介して宝飾部材を下垂されており、揺動軸は受け部上にその下端部のみを接して立っているのみであるから、非常に揺れやすく、周囲の微かな振動にも敏感に反応することができる。特に点接触で支点となる揺動軸下端が受け部と接するので、多様な向きに揺動しうる。
また、揺動軸と吊下アーム部と下垂された宝飾部材の重心は、静立時の揺動軸下端の支点よりも低い位置となり、安定的な回転モーメントを生じさせるので、揺動軸が傾動しても倒れることなく揺り戻す動作をすることができる。すなわち、立体的な重量のある宝飾部材が下垂されているところ、揺動軸の傾動する向きとは反対方向となる斜め上方に重心が移動し、支点の鉛直下から重心がずれることとなる。そこで、自然と支点の鉛直下の静立時の低い重心位置まで復帰するように促されるので、自然と安定した揺動が繰り替えされると同時に、揺動軸の傾きと重心移動の向きが逆であることから、傾いた軸の方向にそのまま倒れ込むことなく、単振動のように繰り返し揺動することとなる。また、安定的に繰り返し揺動することから長時間揺れることができる。
そして、揺動軸は、その下端を受け部と当接しているだけなので、揺動軸は前後左右、自在な方向に傾動することができ、付与される振動の方向に大きな制約がない。すなわち、本発明の手段によると、宝飾部材が一方向への往復運動的に振動するのではなく、前後左右の傾きに追従して方向に制限なく繰り返し揺動しうるものであって、付与される振動の向きに特段の限定がなく、揺れ動くことができる。
さらに、本発明の装飾品は、立体的な宝飾部材であることから、様々な方向に揺れてもそれぞれの揺れた方向へ重心変化がなされるので、振動の加わる向きに応じて揺れる向きが変化しうる。そして、加わった振動で元の安定した位置に最終的には復帰するところ、高くなった位置エネルギーが解放されると振り子のように繰り返し揺動するので、長く振動しづけることとなり、きらめく向きが微小に変化しつづけるので、宝飾部材のカットの魅力が最大限引き出される。さらに、新たな異なる振動が加わることで、向きや振れ幅に変動が生じ、複雑に揺れ続けることとなる。
そこで、揺れやすいうえに、加わる振動が種々の方向でよいので、着用すれば、歩行などの動作や、顔や手足などの身体のちょっとした動きのみならず、呼吸程度で加わる微小な振動でも揺れるので、着用すれば振動が加わり続けるので、継続的に揺れ続けることとなる。そして、下垂された宝飾部材が繰り返し揺れ動くこととなるので、差し込む光に対する反射、屈折の方向が揺れることで複雑多様に絶えず変化する。そこで、周囲の観察者からは、宝飾部材の反射による装飾的演出としての、光沢、輝き、きらめきが、ちらちら変化することで目に入りやすくなり、微小な揺れでも揺れやすいので、チラチラとした瞬きが十分かつ長く視認することができることとなり、その装飾性と美観を如何なく発揮しうることとなるなど、高い装飾的演出性が得られる。
また、装飾品全体に比して、揺動するパーツは小さく軽いものとなるので、揺動する周期が短くなり、微細に揺れるものとなることから、装飾品全体が揺れる場合の大きなゆっくりした動きと比べて、よりチラチラとした瞬きが増え、視認しやすくなる。
さらに、第2の手段のように、揺動軸の上端から揺動軸と一体的な吊下げアーム部を下方に突き出す際に、アームを弧状もしくは環状として、下垂する宝飾部材を支点よりも下方に位置させることとすると、揺動軸の長さに対する揺動軸の上端から揺動軸と吊下アームと宝飾部材の静立時の重心位置までの長さが長くなるので、それだけ安定しやすくなる。また、揺動軸の上端の移動に比べて下垂された宝飾部材の移動距離が大きくなることから、微小角の傾きであっても宝飾部材の屈折や反射の仕方に十分な変化が表れ、きらきら、ちらちらと、長くはっきり視認されることとなる。さらに、剛体であるので、傾動してもブレがないことから、揺動軸の傾動とは反対方向に動く宝飾部材とは、たわんだりすることなくスムーズに動くこととなる。また、アームが弧状や環状の剛体になっており、横に張り出すように拡がっていることから、揺動する際の重心移動がスムーズになされ、宝飾部材が重心が上方に移動すると同時にアームの湾曲によって横方向にも移動することとなるので、位置エネルギーが揺動する動きが得られやすく、揺動すればその分勢いが増すことともなる。
また、その他の手段によると、受け部を長手方向に長く形成しており、溝から揺動軸が飛び出しにくく、安定して繰り返し揺れることができる。また、長手方向の溝がレールが上向きに湾曲していることによって、揺動軸の揺動が減衰されにくくなる。すなわち、長手方向に大きく傾動する振動が加わるなどしてレールの溝上を揺動軸下端が滑ってしまったときでも、溝のなかで揺動軸下端は湾曲した溝を滑り戻ってすぐに最も低い位置に誘導されるので、何度も溝のレール上を揺動軸下端が繰り返して滑ることはなく、そのため、長手方向の揺れに対しても、すぐに揺れが大きく減衰してしまようなことが避けられる。そこで、傾動方向が特段限定されることなく、長く安定的な揺動が得られる。その他の手段では、特に断面がU字状なので、溝をまたぐように揺れる場合にも、スムーズに揺動軸下端と接することができるので、より長く安定的に揺動しうることとなる。
また、第3の手段では、受け部が凹面状に湾曲した断面が円弧となった窪み形状であるから、揺動軸の下端は、傾動の際に受け部から外れて飛び出しにくく、また、受け部の上をよどみなく動きながら傾きを変えていくので、スムーズな動きとなる。そこで、揺れが収束しにくく、繰り返し長く揺れることができる。
さらに、第4の手段では、揺動軸の下端の湾曲が点接触する部位が、傾きに応じて移動するので、点接触を維持することができる。その他の手段と組み合わせたときには、揺動軸下端が湾曲しているので断面円弧の受け部上をスムーズに傾動していくことから、減衰しにくく、揺動を長く保持しうるものとなる。
また、第5の手段では、揺動軸の下端を円錐状に尖らせているので、点接触となることから、支点が傾きに応じて受け部の上をスムーズに傾動することができ、よどみなく揺れ続けることができる。また、その他の手段と組み合わせると、受け部の断面円弧状の窪みによって外れにくく、また大きな角度の傾きに対しても揺動軸が外れずに受け部と当接しつづけることができる。また、点接触した針の先端が全方位的にスムーズに移動しながら傾動しうるので、振動の加わる向きを問わず微小な振動を繰り返しながら長く揺動することができる。
本発明の実施例1の装飾品本体の全体構造を説明する図である。 実施例1の装飾品本体の上部と揺動パーツを説明する図である。 実施例1の装飾品本体のレール部分と揺動パーツを説明する図である。 本発明の他の実施の形態として、横棒の上面に凹面状の受け部を設けて、揺動軸下端と当接することで揺動パーツを支持する例を説明する図である。 揺動軸が前後方向に傾動する場合の揺動パーツの動きを模式的に説明する図である。 揺動軸が左右方向に傾動する場合の揺動パーツの動きを模式的に説明する図である。 揺動軸が大きな振動の付与によって左右方向に大きく揺れ動く場合の揺動軸下端の動きと揺動パーツの動きを模式的に説明した図である。 実施例2の装飾品全体の全体構造を説明する図である。 実施例2の揺動パーツが受け部を揺動する様子を模式的に示した説明図である。
本発明を実施するための形態について、適宜図面を参照しつつ以下に説明する。なお、本発明の具体的な説明に際して、以下では、装飾品本体(11)としてネックレスを備えたペンダントトップを例に説明する。もちろん、ネックレスに限らず、本発明は、その装飾品本体に揺動軸下端と当接する受け部を備え、揺動軸を介して吊り下げアーム部に宝飾部材を下垂支持していれば、ピアス、イヤリング、イヤーカフ、ネックレス、ブローチ、リング、カフス、ネクタイピンにも適用しうる。さらには、装飾的な腕時計にも適用しうる。
まず、揺動軸(12)、揺動軸上端部(13)から突出する吊下げアーム部(16)、吊下げアーム部の下方に下垂される宝飾部材(17)、および宝飾部材を下垂支持するための宝飾部材の基台(18)は、全体が揺動軸下端(14)を支点として一体的に揺動するので、これらの動きをあわせて一体的に説明するときには、以下、これらを総称して「揺動パーツ」と呼ぶこととする。
さて、本発明の揺動軸(12)と吊下げアーム部(16)としては、たとえば貴金属製の一体の部材を用いることで剛性を有しているものが好適であり、さらに宝飾部材(17)を下垂する支持パーツの基台(18)等も吊下げアーム部下端と一体に成型されていることが好ましい。貴金属としては、金、銀、白金族金属、あるいはそれらを主成分とする合金が好適であるが、他の金属を用いたり、さらにそれらに貴金属でめっきや蒸着するなどして表面被服処理をしてもよい。その他に、硬質プラスチック樹脂による一体に形成されているものや、さらにそれらに貴金属で表面被服処理を施したものにも適用しうる。これらの揺動軸(12)と吊下げアーム部(16)および宝飾部材(17)を固定する基台(18)は、いずれも同じ材質を金型に流し込んで一体成型して得たものを調製して得ることができるほか、それぞれのパーツを溶接や接着で接合して一体化して揺動パーツに仕上げてもよい。
また、吊下げアーム部(16)の下端部に備える宝飾部材(17)を支持するための基台(18)は、たとえばダイヤモンドを支持する場合であれば、基台(18)から立て爪(19)を突出させて宝石等の宝飾部材(17)を保持可能としており、これによりダイヤモンドを基台(18)に適切に固定支持できる。もちろん、吊下げアーム部(16)の下端部に宝飾部材(17)を支持固定できるものであれば基台(18)の具体的な形状や宝飾部材(17)の固定の仕方は問わないので、たとえば宝飾部材(17)が基台(18)から脱着・交換可能であってもよい。
吊り下げられる宝飾部材(17)は、微細に揺れることで光源からの入光を反射、屈折しうるものが望ましく、よく磨かれた装飾的な貴金属や宝石およびそれらの模造品が挙げられる。宝石としては、反射や屈折に富んだダイヤモンドが好適であるが、その他の宝石でもよく、たとえば水晶、石英、輝石、長石、エメラルド、ルビー、サファイヤ、ガーネット、アクアマリン、アメシスト、キャッツアイ、トルマリン、アパタイト、オパール、翡翠、珊瑚、琥珀などに広く適用可能であり、透明、不透明を問わない。とりわけ、複雑なカットが表面に施された表面加工のなされたものが、反射、屈折によりきれいに瞬くので好適である。また、貴金属は金、銀、白金族金属、およびその合金であり、これらの貴金属で表面被服処理したものも用いることができる。
受け部(15)は、上平面に揺動軸下端(14)を接する部位であり、揺動軸(12)の荷重を支承しうるように、たとえば、図4に示すように装飾品本体(11)に横向きの棒(23)を設けてその棒体の上面の一部をすり鉢状もしくは半球状に凹ませた凹面状の部分を受け部(15)としたり、あるいは、図2と図3に示すように装飾品本体(11)に上面が開口面となる断面U字状の溝(24)、あるいはV字状の溝を長手方向に備えたレール状のパーツを受け部(15)としたりできる。この受け部(15)の溝(24)の開口したレール(25)自体を上弦円弧となるように反らせることとすると、揺動軸下端(14)の当接箇所が、自然と湾曲した溝(24)の最低部に誘導されるので、レール状のパーツを受け部(15)としても、レール(25)の溝方向に揺動軸(12)が傾動する場合に、溝(24)のなかを揺動軸下端(14)が大きく移動するような横滑り現象が低減されることとなる。そこで、揺れの減衰が抑えられる。そして、こうしたレール状の溝を用いると、棒体の一部に受け部を設けるよりも製造工程を簡単にできるので、製造が容易となる。たとえば、直径が1mm以下の細い棒に受け部(15)となる凹面状のすり鉢をドリル等で削りだすとなると、中心の割り出しや精度のために、作業にバラツキや手間が生じやすいが、断面U字状の溝(24)を長手方向に有するレール状のパーツを作成するのであれば、それほど困難ではなく、レール(25)をやや曲げて反らせるといったことも、格段困難なく作業できる。さらに、金型を用いて真空鋳造機などで精度よく作製してもよい。
また、揺動軸(12)は、細い円柱形状のほか、図8、図9にあるように下端側が尖った円錐状の針のようなものなどが挙げられる。受け部(15)との当接は点接触のほうが望ましいので、揺動軸(12)の下端(14)は、先端形状が針状になるように揺動軸(12)を下向きの円錐形状としたり、あるいは下端(14)側を図3、図4に示すように半球状に湾曲させたものが好適である。
さて、吊下げアーム部(16)の下端に下垂される宝飾部材(17)は、そのデザインや、把持する宝石の大きさによって、宝飾部材(17)の重量が大きく変化するので、揺動パーツ全体の重心位置は、下垂される部材の大きさや重量によって異なってくる。揺動パーツの重心が、揺動軸下端(14)の支点高さよりも低い位置にあればあるほど、一般的に揺動が安定しやすくなる。そこで、揺動軸(12)の長さや、吊下げアーム(16)の長さ、および下垂する宝飾部材(17)の位置などは、揺動軸下端(14)の支点高さと、揺動パーツの重心の位置に鑑みて調整すると安定的な揺動が得られることとなる。少なくとも、揺動パーツの重心が静立状態において揺動軸下端(14)の支点高さより高くならないようにする。
(揺れについて)
さて、傾いた揺動軸(12)は、最終的には図5の(b)あるいは図6の実線に示す静立状態の位置に戻ろうとするものの、受け部(15)との接点を支点にして接するのみであって非常に敏感に揺れ易くなっている。そこで、連続的に揺動を繰り返しながら揺れが収束するまでゆらゆらと運動を続けることとなる。すなわち、一度揺れが加えられると、安定な静立状態に行き着くまでに揺り戻しを繰り返すので、長く連続的に揺動することとなる。傾きが微小角であればいわば単振動の振り子運動のように繰り返し揺動するからである。従来の振動可能な宝飾部材を用いる装飾品に比して、遙かに宝飾部材(17)を長く連続的に揺動させることとなる。
そして、着用者が通常の呼吸程度の動作を繰り返す程度の揺れであっても、ちょっとした姿勢変化であっても、新たな揺動が加わることになる。そこで、事実上完全に収束して静止することはなく、本発明の装飾品を着用している限りは微かな揺動が繰り返されることとなる。すると、宝石のカットにより生じる反射光や屈折光がフリッカーのように細かくちらつくこととなり、多彩なきらめきを生み、その美しさが周囲の目にとまりやすくなる。宝石のきらめきは、揺れ動くことでちらちらすることでその真価が発揮されやすくなるからである。このように本発明の装飾品は、装飾的演出性が高いものとなる。
また、アーム状の吊り下げ部材(16)に下垂された宝飾部材(17)は、加わった揺れの方向に応じて揺れるので重心の変化する方向が前後左右と多様に揺れ動く。揺れに伴って重心が高く変化する際の方向も多様となるので、揺動する向きは単純な左右の動きに留まらず、極めて複雑な揺れ方をしうるものとなる。しかも静立時の揺動軸(12)からの傾きがたとえば10度程度の微小角にとどまっても、入射光に対する宝飾部材(17)の反射には十分な変化が得られるので、ちらちらとまたたくようにきらめくこととなるので、安定動作しうる傾きのなかでも十分に輝くことができる。
さて、装飾品本体(11)と、宝飾部材等の揺動パーツとの重さには大きな質量差があるので、揺動パーツの揺れは、装飾品本体(11)自体の揺れとは異なる揺れ周期になる。装飾品本体(11)が重い場合、装飾品本体(11)は揺れることなく、揺動パーツ側のみが微細に揺れ続けることができる。とりわけ、装飾品本体(11)は、身体に接するように着用されることが多い。たとえば、ネックレスであれば、ペンダントトップの装飾品本体(11)は、胸部に接するように着用される。すると、装飾品本体(11)は、細かく微振動したりすることはなく、胸部に沿うように静置されることとなるので、揺動軸下端(14)を支点として揺れる揺動パーツは、他のパーツの揺れによって反作用等で減衰されることがなく、長く微振動し続けることができる。また、質量の大きい装飾品本体(11)が全体で大きくゆっくり揺れるのと異なり、質量の小さい揺動パーツが短い揺動軸の下端を支点として揺れることとなるので、支点と重心の距離は、装飾品本体(11)が揺れる場合の支点と重心の距離に比べて小さいので、その揺れの振動周期は揺動パーツのほうがずっと小さくなる。そこで、装飾品本体(11)が全体として揺れるのに比して、揺動パーツはチラチラと瞬くきらめきが数多く繰り返し得られるので、非常に視覚的な効果が得られやすくなる。揺動パーツの質量によって周期は異なってくるが、1秒間に3回程度の周期の微細な揺れを得ることができる。ダイヤモンドなどの場合、一般的には大きな立派なダイヤモンドであればあるほど、輝くが視認されやすいものとなるが、この発明によれば、小粒なダイヤモンドであっても、非常に細かく揺れ動くので、その繰り返されるチラチラとした瞬きに目が行きやすく、ダイヤモンドの価値が高まり、そのきらめく特性が非常に大きく引き出されるものとなる。
さらに、上弦になるように湾曲したレール(25)のU字状の溝(24)を受け部(15)とし、溝の(24)の最低部に揺動軸下端(14)が当接する場合に、レールに対して上からみて直交する方向に揺らすのではなく、レールを斜行するように揺らした場合に、図7に示すように揺動軸下端がU字の溝内の斜面と当接するような動き方をすると、揺動軸上端(13)は単振動的に動くのではなく、8の字を描くような立体的な挙動をすることとなる。すると、下垂された宝飾部材は、前後に揺れるだけではなく、左右に向きをひねりながら揺れ動くこととなるので、チラチラした反射の変化が大きく生じ、変化の視認性が高まる。
以下に、本発明の装飾品本体(11)のペンダントトップ及び揺動パーツの貴金属に18金合金を用い、下垂させる宝飾部材(17)にダイヤモンドを用いた実施例を示す。もちろん、貴金属を他の合金、たとえばプラチナ950、へと置き換えることができるし、ダイヤモンド以外の宝石でも同様である。
[実施例1]
図1に示す装飾品はペンダントトップを有するネックレスである。装飾品本体(11)は、高さが外径11mm、重さ約1.1gのペンダントトップであり、18金合金製のフレームの上端にネックレスを通す吊下孔(21)が開口しており、18金合金製の同色のネックレス(20)を該吊下孔(21)に通すことで身体に着用する。実施例1では、装飾品本体(11)自体も、ペンダントトップとして装飾性が高く、図1に示すように、その外観は、中央に空洞(22)を備えた籠のような形状をしており、金細工の模様が施され、周囲に3カ所、1mm弱の小粒のダイヤモンドが装飾として配されている。そして、装飾品本体(11)の中央の空洞(22)の上端付近には、図2、図3に拡大して示すように、上弦に湾曲した長さ5mmほどのレール(25)が配され、レール上面は長手方向に溝(24)が形成されており、この溝(24)が全体で受け部(15)となっている。受け部(15)の溝(24)には、長さ2mmの揺動軸(12)がその下端(14)を接しながら揺動自在に立っており、揺動軸上端部(13)から左右に両持ちに湾曲した吊下げアーム部(16)が下方に伸びており、レール(25)を跨いで中央の空洞(22)の上部空間に達している。吊下げアーム部(16)の下部には、基台(18)が設けられており、本実施例では、サイズの大きな基台となっている。基台(18)の上に、トップ面を横に向けた状態で、0.1カラットのラウンド・ブリリアント・カットされたダイヤモンドが宝飾部材(17)として嵌め込まれ、貴台(18)の立て爪(19)により固定されることで、吊下げアーム部(16)の下方に下垂されている。
図3に矢印で示すように、揺動軸(12)は前後左右に規制なく揺動しうる。そして、図5に示すように、静立状態の図5(b)に対して、宝飾部材(17)のダイヤモンドのトップ面を前としたときに、前後方向に揺れる様子を図5(a),(c)で示している。この図では、揺動軸(12)と吊下げアーム部(16)の上部が重なって描かれているので、図面では、揺動軸は吊下げアーム部(16)に隠れてしまっている。図面では、揺動パーツの支点となる揺動軸下端(14)は、カップ状の湾曲する受け部(15)の底に接している。図6には、左右方向に揺動軸(12)が傾動し、揺動パーツが揺動軸下端(14)を支点として左右方向に揺れ動く様子を示す。
もっとも、図7に示す揺動軸のように、揺動軸下端(14)がカップ状に湾曲する受け部(15)のなかを移動することができる。揺れが激しい場合には、図7のように支点が受け部(15)の斜面を移動することができ、これにより、傾動角が大きくなってもスムーズに揺動することができ、揺動軸が受け部から外れてしまうことも抑制できる。図7のような動きは激しい動きに対応するための機構なので、勢いが小さくなった場合には、図5や図6に示すような揺動軸の傾動となり、微細な揺れを繰り返すこととなる。
なお、実施例1に示した本発明の装飾品は、揺動パーツおよび下垂された宝飾部材が、一方向へ規制された往復運動的振動に限らず、前後左右に多方向へ揺動できるものである。そして、レール(25)に対して上からみてレールと斜交する方向の揺れが加わると、揺れ方は3次元的となり、8の字を描くように複雑に揺れ動くこともできる。なお、加わる力の強弱が変化しても、また、加わる力の方向が変化しても、振り幅がそれほど大きくはないので、揺動軸下端を支点として、ほぼ一定の揺れ周期で繰り返し微細に揺動しつづけることができる。なお、実施例の揺動パーツの重心は、揺動軸下端(14)の支点位置よりも下方に位置するものとなっている。
実施例1では、宝飾部材(17)としてダイヤモンドを用いているが、ダイヤモンドは2.42という高い屈折率であり、表面を鏡面加工で磨くことで全反射を利用することもできる。そこで、58面体のブリリアンカット等の複雑なカットを用いることによって、カットが施されたダイヤモンドは種々の方向からの入光に対して表面反射することで微細にチラチラと瞬くことができる。そこで、屈折や反射によってさらに複雑に輝くこととなっている。実施例1では、先述のとおり60秒前後揺れ続けることができるので、その間に着用者が新たに動くことで振動が加わるので、事実上、着用時は常時揺れ続けることとなる。
さて、図1に記載の実施例1の装飾品の揺れ続ける様子について、ペンダントトップを縦置きスタンドにセットしてテーブルに配置し、1回振動を加えてから揺れが収まるまでの時間を計測した。ダイヤモンドはきらめくので、チラチラと反射する揺れが収まる時点をもって振動の停止と判断した。縦置きのスタンドには約80度の立壁があり、人体の胸部とペンダントトップが接するように、ペンダントトップはスタンドの立壁面に接して載せ置かれた状態で保持されている。すると、ペンダントトップ、すなわち装飾品本体はほとんど揺れずに、揺動パーツのダイヤモンドが細かい周期で揺動しつづけることとなる。
そして、上記のペンダントトップをスタンドに載せ置いた状態で、テーブルに振動を1回加えると、本発明品では、揺動パーツが揺れて宝飾部材のダイヤモンドがチラチラと繰り返し瞬き、ダイヤモンドの瞬きが収まるまでに、約60秒かかった。種々の方向から振動を加えてみたが、いずれの場合も45秒以上、平均して60秒前後揺れ続けた。
比較として、特許文献3に記載の構造の製品について、同様にテーブル上に載置して振動を加えてみた。すると、細かく振動するものの、10〜20秒程度でその揺れは収まった。また、揺れやすい方向が規制されているので、振動の加わる向きによって揺れ方にばらつきが大きく生じた。
また、他の従来の装飾品では、装飾品の宝飾部材が、左右方向へは自由に振動するが、前後方向へは、小さな力が加わる場合には、比較的自由には振動するものの、大きな力が加わった場合には、宝飾部材が前もしくは後方向に振動せずにスライドするように移動したり、振動し続けないものであることが判明している。そのため、宝飾部材からは、光沢、輝き、並びに、きらめきが一時的に生じるものの、比較的速く揺れが収束してしまった。
[実施例2]
図8に他の実施例の形態として、装飾品本体の空洞(22)の上部に設けた横棒(23)の中央上面に設けた凹面状の窪みを受け部(15)とし、ここに円錐状の揺動軸(12)の先端を下端(14)として、受け部(15)と当接せしめた構成を示す。また、図9に、揺動軸下端(14)が受け部(15)と当接しながら、揺動パーツの支点となって揺動する様子を示す。図9(a)は静立状態、図9(b)は揺動軸が左に傾く様子を示している。図9(b)では、宝飾部材(17)は揺動軸上端(13)とは逆側に動いている。つまり、図9(a)に比して図9(b)では、宝飾部材(17)の高さが少し高い位置に移動しており、揺動軸上端(13)が左に傾くとき、重心は逆にやや右斜め上に移動している。そこで、揺動軸(12)はそのまま倒れるのではなく、揺動軸下端(14)を支点として揺り戻る動きをすることとなるので、繰り返し揺動することとなる。
11 装飾品本体
12 揺動軸
13 揺動軸上端部
14 揺動軸下端
15 受け部
16 吊下げアーム部
17 宝飾部材
18 基台
19 立て爪
20 ネックレス
21 吊下孔
22 空洞
23 横棒
24 溝
25 レール

Claims (5)

  1. 受け部を備える装飾品本体と、
    該受け部上にその下端部のみを当接するように立設した揺動軸と、
    該揺動軸の上端部から突出させた剛体の吊下げアーム部と、
    該吊下げアーム部の下部に下垂支持せしめた宝飾部材とを有する装飾品であって、
    該揺動軸と該吊下げアーム部と該吊下げアーム部の下部に下垂支持せしめた宝飾部材とが一体となっており、
    該揺動軸はその下端部を支点として該受け部上で自在に揺動しうることを特徴とする装飾品。
  2. 前記吊下アーム部は、弧状もしくは環状の剛体であって、
    該吊下アーム部の下部に下垂支持される前記宝飾部材は、さらに前記受け部よりも下方に下垂されていること、を特徴とする請求項1に記載の装飾品。
  3. 前記受け部は、中心が凹面状に窪んでいること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の装飾品。
  4. 前記揺動軸の下端が半球状に湾曲していること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装飾品。
  5. 前記揺動軸の下端が円錐状に尖った針状であること、を特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装飾品。
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