JP5921400B2 - カーボンナノチューブの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンナノチューブの製造装置に関するものである。
従来、カーボンナノチューブを製造する装置としては、炭化水素を分解してカーボンナノチューブを生成する熱化学的気相成長装置、所謂、熱CVD装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この熱CVD装置においては、基板が設置されている反応管の内部に、メタンやアセチレンなどの原料ガスを導入し、そして加熱された基板上で原料ガスを分解させて、垂直に配向したカーボンナノチューブを成長させていた。
特開2006−62924号公報
ところで、上述した熱CVD装置において、触媒を用いて基板の表面にカーボンナノチューブを形成する場合、基板の表面に触媒を塗布する必要が生じ、しかもカーボンナノチューブの形成を必要としない部分が存在するため、パターニングを行う必要がある。
通常、パターニングを行う場合、基板の表面にマスクを配置するか、または触媒の塗布をパターニングしなければならず、したがって面倒な作業が必要となり、延いては、製造効率が低下するという問題がある。
また、触媒のパターニングを行う替わりに、基板の表面全体に触媒を塗布しておき、カーボンナノチューブの形成後に不要な部分を除去することも考えられるが、この場合は、除去工程が必要となり、やはり、製造効率が低下するという問題がある。
そこで、本発明は、基板の表面にカーボンナノチューブを形成する際に、触媒のパターニング工程、またはカーボンナノチューブの形成後に不要な部分の除去工程を必要としないカーボンナノチューブの製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るカーボンナノチューブの製造装置は、炉本体内に設けられた加熱室内に炭素を含む原料ガスを供給するとともに触媒が塗布された基板を当該加熱室内に導き、熱CVD法によりカーボンナノチューブを形成するための加熱炉を具備するカーボンナノチューブの製造装置であって、
上記加熱室内に基板の下面または上面を加熱する加熱装置を配置するとともに基板の上方位置または下方位置に原料ガスを基板表面に供給し得る原料ガス供給領域部を有するガス案内体を配置し、
上記ガス案内体における原料ガス供給領域部の周囲に不活性ガスを供給し得る不活性ガス供給手段を配置し、
且つ熱CVD時に、上記加熱装置により基板を加熱しその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲内となるようにするとともに上記不活性ガス供給手段より不活性ガスを供給して原料ガス供給領域部の周囲の基板の表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲外となるようにしたものである。
また、本発明の請求項2に係るカーボンナノチューブの製造装置は、炉本体内に設けられた加熱室内に炭素を含む原料ガスを供給するとともに触媒が塗布された基板を当該加熱室内に導き、熱CVD法によりカーボンナノチューブを形成するための加熱炉を具備するカーボンナノチューブの製造装置であって、
上記加熱室内に基板の下面または上面を加熱する加熱装置を配置するとともに基板の上方位置または下方位置に原料ガスを基板表面に供給し得る原料ガス供給領域部を有するガス案内体を配置し、
且つ熱CVD時に、上記加熱装置により基板を加熱しその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲よりも高くなるようにしておき、加熱室内に供給される原料ガスにより基板を冷却してその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲内となるようにしたものである。
上記製造装置の構成によると、ガス案内体の原料ガス供給領域部に原料ガスを供給するとともに、原料ガス供給領域部の周囲に不活性ガスを供給するだけで、基板に所定パターンでもってカーボンナノチューブを成長させることができる。
すなわち、従来のように、触媒を用いて基板にカーボンナノチューブを形成する際に、基板の表面にマスクなどを用いて触媒をパターニングする場合に比べて、触媒のパターニング工程が不要となり、またカーボンナノチューブの形成後に不要な部分を除去してパターニングを行う場合に比べて、不要な部分のカーボンナノチューブの除去工程が不要となるため、製造効率が低下するのが防止され、延いては、製造コストの低減化を図ることができる。
本発明の実施例1に係る製造装置の断面図である。 同実施例1に係る製造装置における炉本体の平面図である。 同実施例1に係る製造装置における炉本体の横断面図である。 同実施例1に係る製造装置における炉本体の斜視図である。 同実施例1に係る製造装置におけるCVD温度とカーボンナノチューブの生成量との関係を示すグラフである。 同実施例1の製造装置の変形例に係る炉本体の斜視図である。 本発明の実施例2に係る製造装置の要部模式断面図である。 同実施例2に係る製造装置の要部模式斜視図である。 本発明の実施例3に係る製造装置の要部模式断面図である。 同実施例3の製造装置の変形例に係る要部模式断面図である。
以下、本発明の実施例1に係るカーボンナノチューブの製造装置を図面に基づき説明する。
実施例1に係るカーボンナノチューブの製造装置は、帯状の基板を、順次、加熱室内に移動させて、当該基板の上面に、所定長さ間隔でもってカーボンナノチューブを熱CVD法(熱化学気相成長法)を用いて形成するものである。
本実施例1においては、カーボンナノチューブを形成する帯状の基板として、ステンレス製の薄鋼板、すなわちステンレス鋼板(薄板材の一例であり、例えば箔材の場合は20〜300μm程度の厚さのものが用いられ、ステンレス箔ということもできる。また、板材である場合には、300μm〜数mm程度の厚さのものが用いられる。)を用いるようにしたもので、しかも、このステンレス鋼板としては、所定幅で長いもの、つまり帯状のものが用いられる。したがって、このステンレス鋼板はロールに巻き付けられており、カーボンナノチューブの形成に際しては、このロールから引き出されて連続的にカーボンナノチューブが形成されるとともに、このカーボンナノチューブが形成されたステンレス鋼板は、やはり、ロールに巻き取るようにされている。すなわち、一方の巻出しロールからステンレス鋼板を引き出し、この引き出されたステンレス鋼板の表面にカーボンナノチューブを形成(生成)した後、このカーボンナノチューブが形成されたステンレス鋼板を他方の巻取りロールに巻き取るようにされている。
以下、上述した帯状のステンレス鋼板(以下、主として、基板と称す)の表面に、熱CVD法を用いてカーボンナノチューブを形成するための製造装置について説明する。
この製造装置には、図1および図2に示すように、炉本体2内にカーボンナノチューブを形成するための細長い処理用空間部が設けられて成る加熱炉1が具備されており、この炉本体2内に設けられた処理用空間部は、所定間隔おきに配置された区画壁3により、複数の、例えば5つの部屋に区画されて(仕切られて)いる。
すなわち、この炉本体2内には、ステンレス鋼板つまり基板Kが巻き取られた巻出しロール16が配置される基板供給室11と、この巻出しロール16から引き出された(以下、基板Kの引き出し方向を前後方向という)基板Kを導きその表面に前処理を施すための前処理室12と、この前処理室12で前処理が施された基板Kを導きその表面にカーボンナノチューブを形成するための加熱室(反応室ともいえる)13と、この加熱室13でカーボンナノチューブが形成された基板Kを導き後処理を施すための後処理室14と、この後処理室14で後処理が施された基板Kを巻き取るための巻取りロール17が配置された基板回収室(製品回収室ということもできる)15とが具備されている。なお、上記各ロール16,17の回転軸心は水平方向にされており、したがって加熱室13内に引き込まれる(案内される)基板Kは水平面内を移動するとともに、基板Kの表面にカーボンナノチューブを形成するようにされている。勿論、上記各ロール16,17は電動機18,19により回転される。
上記前処理室12では、基板Kの表面、特にカーボンナノチューブを形成する表面(カーボンナノチューブの生成面であり、ここでは上面である)の洗浄、不動態膜(例えば、二酸化ケイ素)の塗布、カーボンナノチューブ生成用の触媒微粒子、具体的には、鉄の微粒子(金属微粒子)の塗布が行われる。洗浄については、アルカリ洗浄、UVオゾン洗浄が用いられる。また、不動態膜の塗布方法としては、ロールコータ、LPDが用いられる。触媒微粒子の塗布方法としては、スパッタ、真空蒸着、ロールコータなどが用いられる。
また、後処理室14では、基板Kの冷却と、基板Kの表面、すなわち上面に形成されたカーボンナノチューブの検査とが行われる。
そして、基板回収室15では、基板Kの下面(裏面)に保護フィルムが貼り付けられ、この保護フィルムが貼り付けられたステンレス鋼板である基板Kが巻取りロール17に巻き取られる。なお、基板Kの下面に保護フィルムを貼り付けるようにしているのは、基板Kを巻き取った際に、その内側に巻き取られる基板Kに形成されたカーボンナノチューブを保護するためである。
上述したように、容器本体2内には、区画壁3により5つの部屋が形成されており、当然ながら、各区画壁3には、基板Kを水平方向で通過させ得る連通用開口部(スリットともいう)3aがそれぞれ形成されている。なお、加熱室13の内壁面には断熱材4が設けられており、当然に、断熱材4にも、基板Kを通過させ得る連通用開口部4aが形成されている。また、加熱室13以外で断熱を必要とする部屋、例えば前処理室12にも断熱材を設けるようにしてもよい。
ところで、上記加熱室13においては、熱CVD法により、カーボンナノチューブが基板K上に且つ所定のパターンでもって生成すなわち形成されるが、このパターニングについては、基板K表面の温度を制御することにより行われる。
すなわち、カーボンナノチューブの生成させる領域(以下、生成領域という)については、基板Kをカーボンナノチューブの生成可能な温度(以下、生成可能温度または生成可能温度範囲という)にするとともに、カーボンナノチューブを生成させない領域(以下、非生成領域という)については、基板Kをカーボンナノチューブの生成温度の範囲外、つまり生成温度よりも低い温度または生成温度よりも高い温度(以下、非生成温度または非生成温度範囲という)となるようにしたものである。生成可能温度を適温と呼ぶと、非生成温度はそれよりも低い低温または高い高温と呼ぶことができる。すなわち、温度が低いと、原料ガスの分解が生じないとともに触媒も不活性な状態のままとなるからである。また、逆に、温度が高すぎると、原料ガスの分解が促進され、例えば鉄触媒に対して過剰に原料が供給される傾向となり、触媒が凝集しやすくなって粗大化し、やはり、この場合も、カーボンナノチューブの生成が阻害されることになる。
このため、加熱室13内には、基板Kの上面にカーボンナノチューブを生成し得る生成可能温度および非生成温度の範囲を形成するためのガス案内体21が配置されている。
このガス案内体21には、図3および図4に示すように、基板Kの表面に且つカーボンナノチューブの生成領域に原料ガスを供給するための原料ガス供給領域部(原料ガス供給開口部ともいえる)21aと、基板Kの表面で且つカーボンナノチューブの非生成領域に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給領域部(不活性ガス供給開口部ともいえる)21bとが具備されている。
具体的に説明すれば、このガス案内体21は、所定距離を有して配置される前後一対の端壁板22と、これら両端壁板22の間で所定間隔を有して配置される左右一対の側壁板23と、少なくとも、これら前後左右の壁板22,23で囲まれた空間部分の上方を閉鎖する上壁板24とから構成されている。これら周囲の壁板22,23と上壁板24とにより囲まれる空間部分が原料ガス供給領域部21aにされるとともに、この原料ガス供給領域部21aの左右位置で且つ前後の端壁板22間の空間部分が不活性ガス供給領域部21bにされる。
そして、この製造装置には、加熱室13内を所定の真空度(負圧状態)に維持するための真空装置31と、基板Kを下方から加熱するための加熱装置32と、上記ガス案内体21の原料ガス供給領域部21aにカーボンナノチューブ生成用の炭素を含む原料ガス(反応ガスともいう)Gを供給するための原料ガス供給装置33と、上記ガス案内体21の不活性ガス供給領域部21bに冷却用の低温の不活性ガスFを供給するための不活性ガス供給装置34とが具備されている。
原料ガス供給装置33は、炉本体2の上壁部2aに設けられるとともに下端部がガス案内体21の上壁板24に挿通し開口されたガス供給用ノズル41と、このガス供給用ノズル41にガス供給配管42を介して原料ガスGを供給する原料ガス供給部(例えば、ガスボンベ、ガス流量制御弁などからなる)43とから構成されている。
上記不活性ガス供給装置34は、炉本体2の上壁部2aに設けられるとともに下端部がガス案内体21の左右の不活性ガス供給領域部21b内に挿通し下方位置で開口された不活性ガス供給手段としての不活性ガス供給管46と、この不活性ガス供給管46にガス配管47を介して不活性ガスFを供給する不活性ガス供給部(例えば、ガスボンベ、ガス流量制御弁などからなる)48とから構成されている。なお、この不活性ガス供給管46は、管体部46aと、この管体部46aの下端に設けられて不活性ガスを前後方向で長くされた不活性ガス供給領域部21bの全長に亘って導くための横断面が逆U字形状にされたフード部46bとから構成されている。
また、図1に示すように、上記加熱室13およびその前後の処理室12,14内には、前後の連通用開口部3a間に亘って、基板Kを下方から支持(載置)する石英ガラス製の平板状の支持台(支持板ともいえる)51が設けられている。この支持台51により、加熱室13内に移動された基板Kを、大きい張力を作用させることなく水平に支持することができる。
上記支持台51とガス案内体21との間には左右位置で石英ガラス製の帯状のスペーサ52がそれぞれ配置されている。なお、このスペーサ52の厚みは、基板Kの厚さよりも少しだけ高くされている。したがって、ガス案内体21の前後の端壁板22の下端と基板Kとの間には、僅かな隙間δが形成されることになり、ここから原料ガスGが外方に噴出して外部からガス、すなわち不活性ガスが侵入するのを防止している。
上記加熱室13に対応する炉本体2の左右の側壁部2bには、それぞれ吸引用ノズル56および接続管57を介して当該ガス案内体21内の空気を吸引して所定の減圧下にするための真空ポンプ58が接続されている。勿論、この真空ポンプ58を一方の側壁部2aだけに接続するようにしてもよい。
また、図4に示すように、上記加熱室13内のガス案内体21の前後の端壁板22の下端と基板Kとの隙間δから噴出するガスを排出するためのガス排出装置61が具備されている。
このガス排出装置61は、ガス案内体21の前後位置で上下方向に配置されたガス吸引手段としてのガス吸引管62と、このガス吸引管62にガス配管63を介してガスを吸引する真空ポンプ(排気ポンプともいえる)64とから構成されている。なお、このガス吸引管62は、管体部62aと、この管体部62aの下端で且つ前後の端壁板22に沿って設けられてガスを左右方向で長くされた横断面が逆U字形状にされた吸引用のフード部62bとから構成されている。
さらに、上記加熱装置32は、支持台51の下方に複数本配置された円柱形状(または棒状)の発熱体71と、これら各発熱体71に電気配線72を介して接続された電源装置(直流電源、制御器などからなる)73とから構成されている。
また、発熱体71としては非金属の抵抗発熱体が用いられ、具体的には、炭化ケイ素、ケイ化モリブデン、ランタンクロマイト、ジルコニア、黒鉛などが用いられる。特に、炭化ケイ素およびケイ化モリブデンは、窒素ガス、水素ガス雰囲気下で用いられ、ランタンクロマイトは大気下でのみ用いられ、黒鉛は不活性ガス雰囲気(還元雰囲気)下で用いられる。
この発熱体71は、基板Kの幅方向(短手方向)と平行(並行)に且つ長手方向にて所定間隔おきで配置されるとともに炉本体2を横断面で挿通して設けられる石英管(図示せず)内に配置されている。
なお、有機ガスの影響を無くすために、加熱室13における基板K以外の構成材料、例えば断熱材4などは、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)などの無機材料で構成されている。
次に、上記熱CVD装置によりカーボンナノチューブを形成する方法について説明する。
まず、巻出しロール16から基板Kを引き出し、前処理室12、加熱室13および後処理室14における各区画壁3の連通用開口部3a(4a)を挿通させ、その先端を巻取りロール17に巻き取らせる。このとき、基板Kは支持台51により支持されているため、少しの張力でもって真っ直ぐな水平面に維持されている。
そして、前処理室12内では基板Kの洗浄が行われた後、不動態膜がその上面全体に亘って塗布され、この不動態膜の表面に鉄の微粒子が塗布(付着)される。なお、この触媒微粒子の塗布範囲については、少なくとも、カーボンナノチューブの生成面(形成面)であればよい。
この前処理が済むと、基板Kは所定長さ分だけ、つまりカーボンナノチューブが形成される長さ分だけ、巻取りロール17により巻き取られる。したがって、前処理室12で前処理が行われた部分が、順次、加熱室13内の支持台51上に移動される。
この加熱室13では、真空装置31により、所定の減圧下に、例えば20Pa〜100000Pa(大気圧)の範囲に維持される。なお、この圧力はカーボンナノチューブの生成温度にも依存するが、好ましくは、100Pa〜100000Pa(大気圧)に維持される。
そして、加熱装置32の発熱体71により、基板Kの温度を所定温度に、例えば加熱室13内の圧力が3000Paの場合には、680〜740℃の範囲となるように加熱される。なお、CVD温度とカーボンナノチューブの生成量(例えば、高さ、重さなど)との関係をグラフに示すと図5のようになり、例えばCVD温度をT1〜T2の温度範囲にするとカーボンナノチューブ(CNT)が生成するが、T1以下またはT2以上の温度になると、カーボンナノチューブは生成しなくなる。すなわち、T1は生成可能温度の下限値であり、T2は生成可能温度の上限値であり、この温度範囲外になると、上述したように、カーボンナノチューブは生成しなくなる。
上記基板Kが生成可能温度になると、ガス供給用ノズル41より原料ガスGとしてアセチレンガス(C)を原料ガス供給領域部21aに供給するとともに、不活性ガス供給管46より不活性ガスFを不活性ガス供給領域部21bに供給する。勿論、このときの原料ガスGの温度は、当該原料ガスGを基板Kの表面に供給した際に、生成可能温度となるようにされている。
すると、原料ガス供給領域部21aでは、アセチレンガスとの反応により、基板Kの上面にカーボンナノチューブが生成(成長)する。
一方、不活性ガス供給領域部21bでは、温度が低くされた不活性ガスの供給により、基板Kの表面が生成可能温度より低くされ(つまり、冷却され)、したがってカーボンナノチューブが生成することはない。
すなわち、予め、カーボンナノチューブの生成パターン(形成パターン)である生成領域に原料ガスを供給するとともに、非生成領域に不活性ガスを供給するだけで、基板Kに所定パターンでもってカーボンナノチューブを生成(成長)させることができる。
勿論、原料ガスの供給時に、ガス排出装置61により、ガス案内体21の端壁板22部分の隙間δから噴出するガスは外部に排出される。
なお、所定時間が経過して所定高さのカーボンナノチューブが得られると、同じく、所定長さだけ移動されて、このカーボンナノチューブが形成された基板Kが後処理室14内に移動される。
この後処理室14内では、基板Kの冷却と検査とが行われる。
後処理が済むと、基板Kは製品回収室15内に移動されて、巻取りロール17に巻き取られる。すなわち、カーボンナノチューブが形成された基板Kが製品として回収されることになる。なお、カーボンナノチューブが形成された基板Kが全て巻取りロール17に巻き取られると、外部に取り出されることになる。
このように、ガス案内体21の原料ガス供給領域部21aに原料ガスGを供給するとともに、不活性ガス供給領域部21bに不活性ガスFを供給するだけで、基板Kに所定パターンでもってカーボンナノチューブを生成(成長)させることができる。
すなわち、従来のように、触媒を用いて基板の表面にカーボンナノチューブを生成させる際に、基板の表面にマスクなどを用いて触媒をパターニングする場合に比べて、触媒のパターニング工程が不要となり、またカーボンナノチューブの形成後に不要な部分を除去してパターニングを行う場合に比べて、不要な部分のカーボンナノチューブの除去工程が不要となるため、製造効率が低下するのが防止され、延いては、製造コストの低減化を図ることができる。
なお、上記ガス案内体21の形状、特に、原料ガス供給領域部21aの水平断面形状を矩形状として説明したが、カーボンナノチューブの生成領域のパターンに応じて、その都度、変更し得るものである。
ところで、上記実施例1においては、基板をカーボンナノチューブの生成可能温度に加熱しておき、それよりも低い温度(例えば常温)の不活性ガスを供給することにより、非生成領域の温度を低下させるようにして、カーボンナノチューブの生成パターンを得るようにしたが、例えば基板を生成可能温度よりも高い温度に加熱しておき、原料ガスの温度を生成可能温度またはそれ以下の低い温度でもって基板に供給し、そのときの基板Kの表面温度がカーボンナノチューブの生成可能温度範囲内になるようにしてもよい。なお、このとき不活性ガスは非生成領域に供給されているが、この不活性ガスの温度は、非生成領域での基板Kの温度がカーボンナノチューブの生成可能温度よりも高くなる非生成温度となるようにされている。
この場合も、やはり、予め、生成パターンを形成する原料ガス供給領域部21aに原料ガスGを供給するとともに、不活性ガス供給領域部21bに不活性ガスFを供給するだけで、基板Kに所定パターンでもってカーボンナノチューブを生成させることができる。
この場合の製造装置を簡単に説明すると、炉本体内に設けられた加熱室内に炭素を含む原料ガスを供給するとともに触媒が塗布された基板を当該加熱室内に導き、熱CVD法によりカーボンナノチューブを形成するための加熱炉を具備するカーボンナノチューブの製造装置であって、
上記加熱室内に基板の下面または上面を加熱する加熱装置を配置するとともに基板の上方位置または下方位置に原料ガスを基板表面に供給し得る原料ガス供給領域部を有するガス案内体を配置し、
且つ熱CVD時に、上記加熱装置により基板を加熱しその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲よりも高くなるようにしておき、加熱室内に供給される原料ガスにより基板を冷却してその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲内となるようにしたものである。
また、上記実施例1では、各ガスを基板の上方から供給するとともに発熱体71を基板Kの下方に配置したが、図6に示すように、発熱体71を基板Kの上方に配置することもできる。この場合、発熱体71は、ガス案内体21を挿通して設けられることになる。なお、図6に示すものと、図3で示したものとは、基本的には同一の構成であるため、実施例1と同一の部材番号を付して、その説明を省略する。
次に、本発明の実施例2に係るカーボンナノチューブの製造装置を図面に基づき説明する。
上述した実施例1では、ガス案内体を基板の上方に配置したが、本実施例2に係る製造装置では、ガス案内体を基板の下方に配置したものであり、基本的には実施例1と同様の構成であるため、ここでは簡単に説明する。
すなわち、図7に示すように、この製造装置における加熱室内には、基板Kの下面にカーボンナノチューブを生成し得る生成可能温度および非生成温度の範囲を形成するためのガス案内体21′が配置されている。
このガス案内体21′には、基板Kの表面に且つカーボンナノチューブの生成領域に原料ガスGを供給するための原料ガス供給領域部21′aと、基板Kの表面で且つカーボンナノチューブの非生成領域に不活性ガスを供給するための不活性ガス供給領域部21′bとが具備されている。
具体的に説明すれば、図8に示すように、このガス案内体21′は、所定距離を有して配置される前後一対の端壁板22′と、これら両端壁板22′,22′の間で所定間隔を有して配置される左右一対の側壁板23′と、少なくとも、これら前後左右の壁板22′,23′で囲まれた空間部分の下方を閉鎖する下壁板24′とから構成されている。これら周囲の壁板22′,23′と下壁板24′とにより囲まれる空間部分が原料ガス供給領域部21′aにされるとともに、この原料ガス供給領域部21′aの左右位置で且つ前後の端壁板22′間の空間部分が不活性ガス供給領域部21′bにされる。
勿論、実施例1で説明した通り、この製造装置には、加熱室内を所定の真空度(負圧状態)に維持するための真空装置と、基板Kを下方から加熱するための加熱装置と、上記ガス案内体21′の原料ガス供給領域部21′aにカーボンナノチューブ生成用の炭素を含む原料ガスGを供給するための原料ガス供給装置と、上記ガス案内体21′の不活性ガス供給領域部21′bに不活性ガスFを供給するための不活性ガス供給装置とが具備されている。
上記真空装置、加熱装置、原料ガス供給装置および不活性ガス供給装置の構成は、実施例1で説明したものと同じ構成である。
なお、本実施例2においては、基板Kの全面を支持する支持台は設けられないが、その左右の端縁を支持する細長くされた左右の縁部支持板51′が設けられている。
この場合も、実施例1の場合と同様に、従来のマスクを用いることなく、基板の所定領域に、カーボンナノチューブを生成(成長)させることができる。
また、実施例1の場合と同様に、加熱装置の発熱体については、基板の上方または下方に配置することができる。
次に、本発明の実施例3に係るカーボンナノチューブの製造装置を図面に基づき説明する。
上述した実施例2では、ガス案内体を基板の下方に配置するとともに、このガス案内体に、原料ガスを所定領域に導く原料ガス供給領域部と、不活性ガスを導く不活性ガス供給領域部とを設けたものとして説明したが、本実施例3では、原料ガスを下方から供給するとともに、不活性ガスを基板の上方から供給するようにしたものである。
本実施例3と上述の実施例2との異なる部分は、ガスの供給位置、すなわちガス案内体の部分であるため、ここでは、この部分にだけ着目して説明する。勿論、その他の構成については、上述した実施例1および実施例2で説明したものと同一であるため、その説明を省略する。
すなわち、本実施例3では、図9に示すように、加熱室内で且つ左右の縁部支持板51″により支持された基板Kの下方位置に、カーボンナノチューブの生成領域に対応する開口部分を有するガス案内体21″が配置されるとともに、基板Kの上方位置に、当該生成領域に対応する表面部分を覆う形状を有する保護板材81が配置されたものである。
また、このガス案内体21″の原料ガス供給領域部21″aに適温にされた原料ガスGが供給されるように構成されるとともに、基板Kの上方空間部分に不活性ガスFが供給されて、原料ガス供給領域部21″aの外側の非形成領域が非生成温度となるようにされる。
また、実施例1で説明した通り、この製造装置には、加熱室内を所定の真空度(負圧状態)に維持するための真空装置と、基板Kを下方から加熱するための加熱装置と、上記ガス案内体21″の原料ガス供給領域部21″aにカーボンナノチューブ生成用の炭素を含む原料ガスGを供給するための原料ガス供給装置と、基板Kの上面に低温の不活性ガスFを供給するための不活性ガス供給装置とが具備されている。
このような構成とすることにより、加熱装置により生成可能温度にされた基板Kに対して、下方から原料ガスGが供給されるとともに、上方から低温の不活性ガスFが供給されるため、保護板材81の外側部分すなわち非生成領域が冷却されることになり、したがってガス案内体21″の原料ガス供給領域部21″aにカーボンナノチューブが生成することになる。
また、実施例3の変形例として、図10に示すように、保護板材81の替わりに、箱状の保護部材91を設けるようにしてもよい。
本実施例3についても、上述した実施例1および実施例2の製造装置と同様の効果が得られる。
1 加熱炉
2 炉本体
13 加熱室
21 ガス案内体
21′ ガス案内体
21″ ガス案内体
21a 原料ガス供給領域部
21′a 原料ガス供給領域部
21″a 原料ガス供給領域部
21b 不活性ガス供給領域部
21′b 不活性ガス供給領域部
31 真空装置
32 加熱装置
33 原料ガス供給装置
34 不活性ガス供給装置
41 原料ガス供給用ノズル
42 ガス供給管
43 原料ガス供給部
46 不活性ガス供給管
47 ガス配管
48 不活性ガス供給部
51 支持台
52 スペーサ
56 吸引用ノズル
57 接続管
58 真空ポンプ
61 ガス排出装置
62 真空ポンプ
64 ガス吸引部
71 発熱体
72 電気配線
73 電源装置
81 保護板材
91 保護部材

Claims (2)

  1. 炉本体内に設けられた加熱室内に炭素を含む原料ガスを供給するとともに触媒が塗布された基板を当該加熱室内に導き、熱CVD法によりカーボンナノチューブを形成するための加熱炉を具備するカーボンナノチューブの製造装置であって、
    上記加熱室内に基板の下面または上面を加熱する加熱装置を配置するとともに基板の上方位置または下方位置に原料ガスを基板表面に供給し得る原料ガス供給領域部を有するガス案内体を配置し、
    上記ガス案内体における原料ガス供給領域部の周囲に不活性ガスを供給し得る不活性ガス供給手段を配置し、
    且つ熱CVD時に、上記加熱装置により基板を加熱しその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲内となるようにするとともに上記不活性ガス供給手段より不活性ガスを供給して原料ガス供給領域部の周囲の基板の表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲外となるようにしたことを特徴とするカーボンナノチューブの製造装置。
  2. 炉本体内に設けられた加熱室内に炭素を含む原料ガスを供給するとともに触媒が塗布された基板を当該加熱室内に導き、熱CVD法によりカーボンナノチューブを形成するための加熱炉を具備するカーボンナノチューブの製造装置であって、
    上記加熱室内に基板の下面または上面を加熱する加熱装置を配置するとともに基板の上方位置または下方位置に原料ガスを基板表面に供給し得る原料ガス供給領域部を有するガス案内体を配置し、
    且つ熱CVD時に、上記加熱装置により基板を加熱しその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲よりも高くなるようにしておき、加熱室内に供給される原料ガスにより基板を冷却してその表面温度がカーボンナノチューブの生成温度範囲内となるようにしたことを特徴とするカーボンナノチューブの製造装置。
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