JP2004307974A - 薄膜の製造装置および薄膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造装置および薄膜の製造方法を提供する。
【解決手段】板状の基板を予備加熱する手段18と、予備加熱された板状の基板をホットプレート19上に吸着する手段と、ホットプレート19上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する手段20とを含む薄膜の製造装置である。また、板状の基板を予備加熱する工程と、予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程と、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程とを含む薄膜の製造方法である。
【選択図】 図2
【解決手段】板状の基板を予備加熱する手段18と、予備加熱された板状の基板をホットプレート19上に吸着する手段と、ホットプレート19上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する手段20とを含む薄膜の製造装置である。また、板状の基板を予備加熱する工程と、予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程と、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程とを含む薄膜の製造方法である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板等に形成される薄膜の製造装置および製造方法に関し、特に均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造方法および薄膜の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガラス基板等の表面に薄膜を形成する技術として、スプレー熱分解法が知られている。スプレー熱分解法は、薄膜の原料を含む溶液(以下、「薄膜用原料溶液」という。)を加熱された基板上に噴霧し、基板上で液相から固相を析出させて薄膜を製造する手法である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
スプレー熱分解法による薄膜の製造装置としては、薄膜の形成に適した温度(以下、「薄膜形成温度」という。)に加熱された板状の基板の表面に、薄膜用原料溶液を圧縮空気と共にスプレーガンから複数回噴霧して薄膜を製造する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、図14の模式的斜視図に示すように、常温である板状の基板31をヒータ33によって、薄膜形成温度に加熱されているホットプレート32上に載せた場合には、基板31のホットプレート32に接した裏面側が、基板31の表面側よりも高温に急激に加熱されるため、基板31の表面側と裏面側との間に温度差が生じ、基板31に反りが生じることがあった。
【0005】
また、スプレーガンから薄膜用原料溶液を基板31の表面側に噴霧した場合にも、薄膜用原料溶液の気化熱等により基板31の表面側だけが冷却され、高温のホットプレート32に接している基板31の裏面側と表面側との間に温度差が生じるため、基板31に反りが生じることがあった。
【0006】
このように、基板31に反りが生じることによって、基板31とホットプレート32との間の接触面積が減少すると、基板31が均一に加熱されなくなり、基板31の表面の温度分布に傾斜が生じ得ることから、基板31の表面上に形成される薄膜の厚さが不均一になることがあった。
【0007】
また、スプレーガンから薄膜用原料溶液を基板31に噴霧した場合には、基板31の表面側だけが冷却されることから、基板31全体の温度が薄膜形成温度に回復するまで薄膜用原料溶液の噴霧を中断しなければならなかった。
【0008】
したがって、所定の厚みを有する薄膜を製造するためには、薄膜用原料溶液の噴霧を複数回繰り返して行う必要があり、噴霧工程に多くの時間を割く必要があることから薄膜の量産を行う際の処理時間の短縮が課題となっていた。
【0009】
従来から知られているスプレー熱分解法は、装置構造が簡単で原料の選択幅が広く、安定して薄膜を形成することができるという優れた特徴を持った薄膜製造方法であるにもかかわらず、CVD法やスピン塗布法に比べて、スプレー熱分解法の量産化設備への技術導入例は少ないものとなっていた。その大きな理由は、薄膜の生産性の低さに課題があるためであった。
【0010】
また、従来のスプレー熱分解装置においては、板状の基板を高温に加熱して薄膜用原料溶液を気化する工程上、装置内を効率良く換気して、作業者の作業環境の安全性を確保することも課題であった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−26885号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平10−130097号公報
【0013】
【非特許文献1】
「月刊機能材料 2000年3月号」,シーエムシー出版,Vol.20,No.3,p.5−7
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、板状の基板を予備加熱する手段と、予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する手段と、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する手段とを含む薄膜の製造装置である。
【0016】
ここで、本発明の薄膜の製造装置は、薄膜の原料を含む溶液を噴霧した後に、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面側を加熱する手段を含み得る。
【0017】
また、本発明の薄膜の製造装置は、薄膜の製造装置内にガスを取り入れる手段と、取り入れたガスまたは取り入れたガスを含む混合ガスが流れる方向を調節する手段と、その混合ガスを薄膜の製造装置外へ排気する手段とを含み得る。
【0018】
また、本発明の薄膜の製造装置は、板状の基板を冷却する手段を含み得る。
また、本発明の薄膜の製造装置において、上記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する手段は、ホットプレート内部のガスを吸引することによって、ホットプレートに形成されている穴を通して板状の基板を吸着する手段であり得る。
【0019】
さらに、本発明は、板状の基板を予備加熱する工程と、予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程と、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程とを含む薄膜の製造方法である。
【0020】
ここで、本発明の薄膜の製造方法は、上記ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程の後に、板状の基板の表面側を加熱する工程を含み、これらの工程が交互に複数回繰り返され得る。
【0021】
また、本発明の薄膜の製造方法は、板状の基板の表面上に薄膜が形成された後に、板状の基板を冷却する工程を含み得る。
【0022】
また、本発明の薄膜の製造方法において、上記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程は、ホットプレート内部のガスを吸引することによって、ホットプレートに形成されている穴を通して板状の基板を吸着する工程であり得る。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わしている。
【0024】
(装置の概要)
図1は本発明に係る薄膜の製造装置の好ましい一例の模式的な正面図である。この薄膜の製造装置は、通気口1207と排気ダクト1208とを備えた本体部1と、制御部2と、排気ガス処理部3とを含む。
【0025】
ここで、本体部1と制御部2とは配線4により電気的に接続されており、本体部1と制御部2との間では制御信号の送受信等を行うことができる。制御部2は、薄膜形成条件の設定および変更をすることができる入力手段とその内容を表示する表示手段とを含んでいる。なお、薄膜形成条件のパラメータとして、予備加熱温度、薄膜形成温度、薄膜用原料溶液を供給する圧力、空気等のキャリアガスを供給する圧力、噴霧時間または繰返し噴霧回数等を設定することができる。また、薄膜の原料や製造される薄膜の厚さによって薄膜形成条件を容易に変更することができる。
【0026】
また、本体部1と排気ガス処理部3とは配管5で接続されており、排気ガス処理部3は本体部1から排気される有機溶剤の蒸気等を含む排気ガスを強制的に引き込み、引き込んだ排ガスを無害化処理した後に排気する。排気処理部3は負圧発生機(図示せず)を備えており、本体部1に接続された配管5を通して薄膜の形成過程において発生した薄膜原料の粒子等を含んだ有機溶剤等の蒸気を強制的に吸引する際に、フィルタや活性炭等の吸着剤を用いて集塵や脱臭が行われる。こうして、排気される蒸気中に含まれる有機溶剤の蒸気や薄膜形成原料の粒子等が取り除かれる。
【0027】
図2は、図1に示す本体部1の模式的な上面透視図である。この本体部1は、予備加熱室11と、薄膜形成室12と、基板冷却室13とを含む。
【0028】
ここで、予備加熱室11は、板状の基板23を搬入する際に開閉する開閉扉14と、基板23を予備加熱するための予備加熱ステージ18とを含む。また、薄膜形成室12は、基板23を吸着するホットプレート19と、基板23に薄膜用原料溶液を噴霧するスプレーガン20と、基板23の表面側を加熱するための補助加熱ヒータ21とを含む。また、基板冷却室13は、基板23を取り出す際に開閉する開閉扉15と基板23を冷却するための基板冷却ステージ22とを含む。
【0029】
また、予備加熱室11と薄膜形成室12との間にはスライド式の扉16が設けられており、薄膜形成室12と基板冷却室13との間にもスライド式の扉17が設けられている。
【0030】
(予備加熱する手段)
図3に本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージの模式的な斜視図を示す。予備加熱室内に設置されるこの予備加熱ステージ18には、複数の丸棒状のヒータ1101が取り付けられている。これらの丸棒状のヒータ1101によって、基板23を例えば約300〜500℃に予備加熱することができる。
【0031】
このように、ホットプレートへの吸着前に基板23を予備加熱しておくことによって、高温のホットプレート上に基板23を設置した場合でも、基板23の表面側と裏面側との間の温度差を軽減することができる。それゆえ、ホットプレート上における基板23の反りを有効に防止し、ホットプレートへの吸着による基板23の割れ等を有効に抑止することができる。
【0032】
ここで、予備加熱ステージ18には熱電対1102が取り付けられ、この熱電対1102によって予備加熱ステージ18の温度を測定することができる。測定された温度に基づき、温度調節器(図示せず)によって、丸棒状のヒータ1101の各ヒータの出力が調整される。これにより、予備加熱ステージ18の温度を所定の温度に保持することができ、また温度分布も均一にすることができる。また、予備加熱ステージ18の表面上には、上方に突起した位置決めピン1103が取り付けることができ、予備加熱ステージ18上に設置される基板23の位置ズレを有効に防止することができる。
【0033】
また、図4の模式的側面図に示すように、予備加熱ステージ18の下部にはセラミック等の断熱材1107が取り付けられる。また、断熱材1107の下部には昇降部1104aを備えた昇降ユニット1104が取り付けられる。昇降ユニット1104は昇降部1104aを上下させることによって、断熱材1107上の予備加熱ステージ18を上下に昇降させることができる。また、予備加熱ステージ18の上方には、移動可能な板状のホットプレート19が位置し得る。
【0034】
(吸着する手段)
図5に本発明に用いられる吸着する手段の一例であるホットプレートの模式的な斜視図を示す。このホットプレート19の表面には、真空吸着用の穴1203が複数形成されており、これらの穴1203の下側にあるホットプレート19の内部は空洞となっている。そして、ホットプレート19の内部の空洞は、配管1204を介して真空発生機(図示せず)に接続されている。
【0035】
そして、ホットプレート19内部の空気等のガスが真空発生機によって吸引されることにより、ホットプレート19に形成された穴1203を通して基板23が吸着される。それゆえ、作業員等の人手を使わずに基板23をホットプレート19上に固定させることができるため、薄膜の生産性を向上させることができる。また、基板23は予備加熱されていることから、高温のホットプレート19上に設置されても反りが生じない。それゆえ、ホットプレート19上に基板23を吸着する際に、基板23に割れ等が生じにくくなる。さらに、基板23に反りが生じないことから、基板23を均一に加熱することができるため、均一な膜厚を有する薄膜を形成することができる。
【0036】
また、ホットプレート19にも、ヒータ1101と熱電対1102とが設置され、温度調節器(図示せず)によってホットプレート19の温度が例えば約300〜500℃に保持される。また、ホットプレート19の表面上の温度分布も均一にすることができる。
【0037】
また、図6の模式的側面図に示すように、ホットプレート19の表面の向きは変更可能である。ホットプレート19の表面は、例えば予備加熱ステージ18上に設置された基板23の表面と平行方向になり、またスプレーガン20の噴霧方向に対して垂直方向にもなる。
【0038】
ホットプレート19の表面が基板23の表面と平行方向になった場合には、予備加熱ステージ18上の基板23を、ホットプレート19内部のガスの吸引によってホットプレート19に吸着することができる。また、ホットプレート19の表面が基板23の表面と垂直方向になった場合には、ホットプレート19に吸着された基板23にスプレーガン20から薄膜用原料溶液を噴霧することができる。
【0039】
また、ホットプレート19は単軸動作ユニット1206に取り付けられており、単軸動作ユニット1206が本体部内を直線的に移動することによって、ホットプレート19は基板23を吸着したまま、図2に示す予備加熱室11、薄膜形成室12および冷却室13の間を自由に行き来することができる。
【0040】
(噴霧する手段)
図7に本発明に用いられる薄膜形成室の好ましい一例の模式的な側面透視図を示す。この薄膜形成室12内には、噴霧する手段の一例であるスプレーガン20がホットプレート19上に吸着された基板23の表面に薄膜用原料溶液を噴霧できるように取り付けられている。
【0041】
スプレーガン20は、薄膜用原料溶液とキャリアガスとを共に噴霧することができる構造を有する。例えば、スプレーガン20による薄膜用原料溶液の噴霧は、所定の通路を経て供給されたキャリアガスがスプレーガン20から噴出させられると共に、キャリアガスとは異なる通路を経て供給された薄膜用原料溶液がスプレーガン20から霧状となって噴出させられることによって行われる。また、スプレーガン20と基板23の表面との間の距離は図示しない調整手段により変更することができる。
【0042】
ここで、薄膜用原料溶液としては、例えばチタン化合物とエタノール等の有機溶剤とを含むMOF−Ti−30000S(東京応化工業(株)製)等が用いられ得る。また、薄膜用原料溶液の1回の噴霧量は、例えば約1ccであり得る。また、薄膜用原料溶液を供給する圧力は例えば約0.02〜0.2MPaであり、キャリアガスを供給する圧力は例えば約0.01〜0.5MPaであり得る。
【0043】
(基板の表面側を加熱する手段)
図7に示すように、薄膜形成室12内には、基板23の表面側を加熱する手段の一例である補助加熱ヒータ21が設置されている。ここで、補助加熱ヒータ21は、薄膜形成室12内を円弧状または直線状に上下に移動する2本の腕部材1212の間に挟まれて取り付けられており、かかる腕部材1212は薄膜形成室12の壁面に連結されている。この腕部材1212が円弧状または直線状に上下に移動することに伴い、例えば約300〜500℃に加熱された補助加熱ヒータ21が円弧状または直線状に薄膜形成室12内を上下することによって、補助加熱ヒータ21と対面する基板23の表面側が加熱される。
【0044】
薄膜用原料溶液の噴霧後は、噴霧された溶液の気化熱等により基板23の表面温度が低下してしまい、その状態で再度薄膜用原料溶液を噴霧すると薄膜用原料溶液の気化が不十分となって基板23の表面上に均一な膜厚を有する薄膜を形成することが困難となる傾向にある。したがって、薄膜用原料溶液の噴霧は、基板23の表面温度が薄膜形成温度に復帰するまで待って行われる必要があるため、薄膜の生産性が低くなってしまう傾向にある。
【0045】
そこで、薄膜用原料溶液の噴霧後に、基板23の裏面側をホットプレート19によって加熱するだけでなく、薄膜が形成される基板23の表面側も補助加熱ヒータ21で加熱することによって、基板23の表面を薄膜形成温度にまで復帰させる時間を大幅に短縮することができるのである。
【0046】
なかでも、補助加熱ヒータ21が直線状に上下することによって、基板23の表面側が加熱されることが好ましい。この場合には、基板23の表面側をより均一に加熱することができる。
【0047】
(薄膜形成室)
図7に示すように、薄膜形成室12の上部には、薄膜の製造装置内に空気または不活性ガス等のガスを取り入れる手段の一例である通気口1207と、取り入れたガスの流れる方向を調節する手段の一例である方向調整板1210とが備えられている。ここで、通気口1207はフィルタ等を通してガスを取り入れるために開口している。また、方向調整板1210は、通気口1207から取り入れたガスの流れる方向が下向きとなるように通気口1207の上部から薄膜形成室12内へ突出するように設置されている。
【0048】
また、薄膜形成室12の下部には、ガスを排気する手段の一例である排気ダクト1208と、取り入れたガスを含む混合ガスが流れる方向を調節する手段の一例である仕切り板1211とが備えられている。ここで、排気ダクト1208は、取り入れたガスと薄膜用原料溶液の噴霧によって生じた有機溶剤の蒸気との混合ガス等を排出する。また、仕切り板1211は、薄膜形成室12の底面から上方に向けて設置されており、ガスが排気ダクト1208から排出されやすいようにガスの流れる方向を調節することができる。
【0049】
スプレーガン20から基板23に噴霧されて基板23の表面上で気化した有機溶剤の蒸気等は、方向調整板1210によって下向きに流れ方向が変えられたガスと共に、仕切り板1211によって排気ダクト1208がある方向に流れ方向が変更されて、排気ダクト1208から薄膜の製造装置外へ排気される。
【0050】
略密閉構造の薄膜形成室12内で薄膜用原料溶液を噴霧した場合には、薄膜用原料溶液に含まれる有機溶剤が気化して薄膜形成室12内で充満して爆発するおそれがあるため、薄膜形成室12内を換気する必要がある。一般的に、有機溶剤の蒸気は空気よりも比重が大きく、薄膜形成室12の下部に溜まることが多いことから、薄膜形成室12の上部から空気を供給し、薄膜形成室12の下部側から有機溶剤の蒸気等を排気することが最も有効である(例えば、「新版 有機溶剤作業主任者テキスト」,厚生労働省化学物質調査編,p.115−118参照。)。
【0051】
しかし、例えば図8の模式的側面透視図に示すように、薄膜形成室12内にホットプレート19が水平に設置されている場合には、薄膜形成室12の上部に設置された通気口1207から空気等のガスを取り入れ、薄膜形成室12の下部に設置された排気ダクト1208からガスを排出する際に、ホットプレート19によってガス流46が妨害されて効率良く換気を行うことができない傾向にある。
【0052】
そこで、図7に示すように、薄膜形成室12内に、方向調整板1210および仕切り板1211のようなガスの流れる方向を調節する部材を設置すると共に、ホットプレート19の表面がガスの流れる方向と平行になるように設置することが好ましい。このようにすることによって、薄膜形成室12の上部から取り入れられたガスが底面部の排気ダクト1208から排気されるまでの間にガスの流れを妨げる部材がスプレーガン20以外になくなるため、薄膜形成室12内の換気をより効率良く行うことができる。
【0053】
(冷却する手段)
図9に本発明に用いられる冷却する手段の好ましい一例である基板冷却ステージ22の好ましい一例の模式的な斜視図を示す。基板冷却室13内に設置された基板冷却ステージ22の表面上には、基板23の位置ズレを有効に防止するため、上方に突起した位置決めピン1103が取り付けられている。
【0054】
また、図10の模式的側面図に示すように、基板冷却ステージ22の下部には昇降部1104aを備えた昇降ユニット1104が取り付けられている。昇降ユニット1104は昇降部1104aを上下させて基板冷却ステージ22を上下に昇降させること等によって、基板冷却ステージ22はホットプレート19から基板23を受け取ることができる。
【0055】
さらに、図11の模式的側面図に示すように、基板冷却ステージ22の上方近傍には送風機1213が取り付けられている。送風機1213が基板冷却ステージ22上に設置された基板23に対して窒素等の不活性ガスまたは空気等を送風することによって、基板23を冷却することができる。
【0056】
(薄膜の製造方法)
以下、上述の薄膜の製造装置を用いた本発明の薄膜の製造方法の好ましい一例について説明する。
【0057】
まず、作業者は、図2に示す予備加熱室11の開閉扉14を開いて、板状の基板23を予備加熱室11内に搬入する。次いで、作業者は、基板23を予備加熱室11内の板状の予備加熱ステージ18上に設置する。そして、予備加熱ステージ18が加熱されることによって、その熱が基板23に伝導し、基板23が例えば約300〜500℃に予備加熱される。
【0058】
予備加熱ステージ18が加熱された直後は、基板23の表面と裏面との間の温度差により基板23の表面側が凹形に反った状態となる。しかし、約5〜10秒程度で予備加熱ステージ18に接触している基板23の裏面側から表面側へ熱伝導が行われることにより基板23の温度がほぼ均一になるため、基板23の反りがなくなる。
【0059】
基板23の予備加熱が完了すると、スライド扉16が開き、薄膜形成室12内にあった板状の約300〜500℃に加熱されたホットプレート19が予備加熱室11内へ移動してくる。
【0060】
予備加熱室11内に移動してきたホットプレート19は、予備加熱ステージ18の上方に位置する。そして、図12に示すようにホットプレート19が矢印1105の方向へ90度回転すると、基板23を設置した予備加熱ステージ18が上昇してくる。次いで、図示しない真空発生機が、複数の穴が形成されたホットプレート19内部のガスを吸引することによって、基板23が矢印1108の方向に吸引される。こうしてホットプレート19が基板23を吸着すると、予備加熱ステージ18は下降していく。その後、ホットプレート19は、基板23を吸着したまま矢印1106方向へ90度回転して、予備加熱ステージ18からホットプレート19へ基板23の受け渡しが完了する。
【0061】
ホットプレート19が基板23を受け取った後は、基板23を吸着したまま図2に示す薄膜形成室12内へ戻る。そして、スライド扉16が閉じられ薄膜形成準備が完了すると同時に次の基板を予備加熱室11内に受け入れる準備が完了する。
【0062】
薄膜形成準備が完了すると、図7に示すように、スプレーガン20から薄膜用原料溶液がキャリアガスと共に基板23の表面上に噴霧される。噴霧後は溶液の気化熱等によって基板23の表面温度が低下するため、ホットプレート19によって基板23の裏面側が加熱されると共に、約300〜500℃の補助加熱ヒータ21が基板23の表面上方を行き来することによって基板23の表面側が加熱される。薄膜用原料溶液を噴霧する工程と薄膜用原料溶液の噴霧後に基板23の表面側を加熱する工程とは交互に複数回繰り返され得る。これらの工程を交互に例えば約8〜12回繰り返すことによって、基板23の表面上に目的とする厚さの薄膜が形成され得る。
【0063】
薄膜の形成が完了すると、図2に示すスライド扉17が開き、ホットプレート19は基板23を吸着したまま基板冷却室13へ移動する。基板冷却室13内に移動してきたホットプレート19は、基板冷却室13内の基板冷却ステージ22の上方に位置する。そして、図13に示すようにホットプレート19が矢印1303の方向へ90度回転すると、基板冷却ステージ22が上昇してくる。そして、図示しない真空発生機がホットプレート19内部のガスの吸引を中止することによって、矢印1305の方向に基板23が基板冷却ステージ22上に落下する。この落下によって、基板23が基板冷却ステージ22上に受け渡されると、基板冷却ステージ22は下降する。ホットプレート19は矢印1304方向へ90度戻り、ホットプレート19から基板冷却ステージ22へ基板23の受け渡しが完了する。
【0064】
基板冷却室13の基板冷却ステージ22に受け渡された基板23は、送風機による窒素等の不活性ガスや空気の送風等によって所定の温度まで冷却される。そして、作業者は開閉扉15を開き、基板23を装置外部へ取り出す。
【0065】
なお、ホットプレート19は、基板23を基板冷却ステージ22に渡した後に薄膜形成室12内に移動する。そして、スライド扉17が閉じられると同時に予備加熱室11内で加熱された次の基板を薄膜形成室12内に受け入れる準備が完了する。
【0066】
上述したような本発明の薄膜の製造装置および薄膜の製造方法は、特に太陽電池用の多結晶シリコン基板上に形成される反射防止膜として、より均一な膜厚を有する酸化チタンからなる薄膜を形成するのに好適に用いられる。また、本発明の薄膜の製造装置および薄膜の製造方法は、酸化スズ、亜酸化銅、硫化スズまたは硫化銅インジウム等からなる薄膜を形成するのにも用いられ得る。
【0067】
なお、上記においては、予備加熱温度、薄膜形成温度、薄膜用原料溶液を供給する圧力、キャリアガスを供給する圧力、噴霧時間または繰返し噴霧回数等を、薄膜の原料や形成する薄膜の厚さによって適宜、薄膜形成条件を変更することができる。
【0068】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0069】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の製造装置の好ましい一例の模式的な正面図である。
【図2】図1に示す本体部の模式的な上面透視図である。
【図3】本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージの模式的な斜視図である。
【図4】本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージの模式的な側面図である。
【図5】本発明に用いられる吸着する手段の一例であるホットプレートの模式的な斜視図である。
【図6】本発明に用いられる吸着する手段の一例であるホットプレートの模式的な側面図である。
【図7】本発明に用いられる薄膜形成室の好ましい一例の模式的な側面透視図である。
【図8】ホットプレートが水平になるように設置されている薄膜形成室の模式的な側面透視図である。
【図9】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージの模式的な斜視図である。
【図10】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージの模式的な側面図である。
【図11】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージの上方に取り付けられた送風機の送風によって基板を冷却する動作の一例の模式的な側面図である。
【図12】本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージから基板を受け取る際のホットプレートの動作の模式的な側面図である。
【図13】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージに基板を受け渡す際のホットプレートの動作の模式的な側面図である。
【図14】従来の基板の加熱工程において反りを生じた基板の模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1 本体部、2 制御部、3 排気ガス処理部、4 配線、5,1204 配管、11 予備加熱室、12 薄膜形成室、13 基板冷却室、14,15 開閉扉、16,17 スライド式の扉、18 予備加熱ステージ、19,32 ホットプレート、20 スプレーガン、21 補助加熱ヒータ、22 基板冷却ステージ、23,31 基板、33,1101 ヒータ、46 ガス流、1102熱電対、1103 位置決めピン、1104 昇降ユニット、1104a 昇降部、1105,1106,1108,1303,1304,1305 矢印、1107 断熱材、1203 穴、1206 単軸動作ユニット、1207 通気口、1208 排気ダクト、1210,1211 方向調整板、1212 腕部材、1213 送風機。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス基板等に形成される薄膜の製造装置および製造方法に関し、特に均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造方法および薄膜の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ガラス基板等の表面に薄膜を形成する技術として、スプレー熱分解法が知られている。スプレー熱分解法は、薄膜の原料を含む溶液(以下、「薄膜用原料溶液」という。)を加熱された基板上に噴霧し、基板上で液相から固相を析出させて薄膜を製造する手法である(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
スプレー熱分解法による薄膜の製造装置としては、薄膜の形成に適した温度(以下、「薄膜形成温度」という。)に加熱された板状の基板の表面に、薄膜用原料溶液を圧縮空気と共にスプレーガンから複数回噴霧して薄膜を製造する装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、図14の模式的斜視図に示すように、常温である板状の基板31をヒータ33によって、薄膜形成温度に加熱されているホットプレート32上に載せた場合には、基板31のホットプレート32に接した裏面側が、基板31の表面側よりも高温に急激に加熱されるため、基板31の表面側と裏面側との間に温度差が生じ、基板31に反りが生じることがあった。
【0005】
また、スプレーガンから薄膜用原料溶液を基板31の表面側に噴霧した場合にも、薄膜用原料溶液の気化熱等により基板31の表面側だけが冷却され、高温のホットプレート32に接している基板31の裏面側と表面側との間に温度差が生じるため、基板31に反りが生じることがあった。
【0006】
このように、基板31に反りが生じることによって、基板31とホットプレート32との間の接触面積が減少すると、基板31が均一に加熱されなくなり、基板31の表面の温度分布に傾斜が生じ得ることから、基板31の表面上に形成される薄膜の厚さが不均一になることがあった。
【0007】
また、スプレーガンから薄膜用原料溶液を基板31に噴霧した場合には、基板31の表面側だけが冷却されることから、基板31全体の温度が薄膜形成温度に回復するまで薄膜用原料溶液の噴霧を中断しなければならなかった。
【0008】
したがって、所定の厚みを有する薄膜を製造するためには、薄膜用原料溶液の噴霧を複数回繰り返して行う必要があり、噴霧工程に多くの時間を割く必要があることから薄膜の量産を行う際の処理時間の短縮が課題となっていた。
【0009】
従来から知られているスプレー熱分解法は、装置構造が簡単で原料の選択幅が広く、安定して薄膜を形成することができるという優れた特徴を持った薄膜製造方法であるにもかかわらず、CVD法やスピン塗布法に比べて、スプレー熱分解法の量産化設備への技術導入例は少ないものとなっていた。その大きな理由は、薄膜の生産性の低さに課題があるためであった。
【0010】
また、従来のスプレー熱分解装置においては、板状の基板を高温に加熱して薄膜用原料溶液を気化する工程上、装置内を効率良く換気して、作業者の作業環境の安全性を確保することも課題であった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−26885号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平10−130097号公報
【0013】
【非特許文献1】
「月刊機能材料 2000年3月号」,シーエムシー出版,Vol.20,No.3,p.5−7
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、板状の基板を予備加熱する手段と、予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する手段と、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する手段とを含む薄膜の製造装置である。
【0016】
ここで、本発明の薄膜の製造装置は、薄膜の原料を含む溶液を噴霧した後に、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面側を加熱する手段を含み得る。
【0017】
また、本発明の薄膜の製造装置は、薄膜の製造装置内にガスを取り入れる手段と、取り入れたガスまたは取り入れたガスを含む混合ガスが流れる方向を調節する手段と、その混合ガスを薄膜の製造装置外へ排気する手段とを含み得る。
【0018】
また、本発明の薄膜の製造装置は、板状の基板を冷却する手段を含み得る。
また、本発明の薄膜の製造装置において、上記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する手段は、ホットプレート内部のガスを吸引することによって、ホットプレートに形成されている穴を通して板状の基板を吸着する手段であり得る。
【0019】
さらに、本発明は、板状の基板を予備加熱する工程と、予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程と、ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程とを含む薄膜の製造方法である。
【0020】
ここで、本発明の薄膜の製造方法は、上記ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程の後に、板状の基板の表面側を加熱する工程を含み、これらの工程が交互に複数回繰り返され得る。
【0021】
また、本発明の薄膜の製造方法は、板状の基板の表面上に薄膜が形成された後に、板状の基板を冷却する工程を含み得る。
【0022】
また、本発明の薄膜の製造方法において、上記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程は、ホットプレート内部のガスを吸引することによって、ホットプレートに形成されている穴を通して板状の基板を吸着する工程であり得る。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本願の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わしている。
【0024】
(装置の概要)
図1は本発明に係る薄膜の製造装置の好ましい一例の模式的な正面図である。この薄膜の製造装置は、通気口1207と排気ダクト1208とを備えた本体部1と、制御部2と、排気ガス処理部3とを含む。
【0025】
ここで、本体部1と制御部2とは配線4により電気的に接続されており、本体部1と制御部2との間では制御信号の送受信等を行うことができる。制御部2は、薄膜形成条件の設定および変更をすることができる入力手段とその内容を表示する表示手段とを含んでいる。なお、薄膜形成条件のパラメータとして、予備加熱温度、薄膜形成温度、薄膜用原料溶液を供給する圧力、空気等のキャリアガスを供給する圧力、噴霧時間または繰返し噴霧回数等を設定することができる。また、薄膜の原料や製造される薄膜の厚さによって薄膜形成条件を容易に変更することができる。
【0026】
また、本体部1と排気ガス処理部3とは配管5で接続されており、排気ガス処理部3は本体部1から排気される有機溶剤の蒸気等を含む排気ガスを強制的に引き込み、引き込んだ排ガスを無害化処理した後に排気する。排気処理部3は負圧発生機(図示せず)を備えており、本体部1に接続された配管5を通して薄膜の形成過程において発生した薄膜原料の粒子等を含んだ有機溶剤等の蒸気を強制的に吸引する際に、フィルタや活性炭等の吸着剤を用いて集塵や脱臭が行われる。こうして、排気される蒸気中に含まれる有機溶剤の蒸気や薄膜形成原料の粒子等が取り除かれる。
【0027】
図2は、図1に示す本体部1の模式的な上面透視図である。この本体部1は、予備加熱室11と、薄膜形成室12と、基板冷却室13とを含む。
【0028】
ここで、予備加熱室11は、板状の基板23を搬入する際に開閉する開閉扉14と、基板23を予備加熱するための予備加熱ステージ18とを含む。また、薄膜形成室12は、基板23を吸着するホットプレート19と、基板23に薄膜用原料溶液を噴霧するスプレーガン20と、基板23の表面側を加熱するための補助加熱ヒータ21とを含む。また、基板冷却室13は、基板23を取り出す際に開閉する開閉扉15と基板23を冷却するための基板冷却ステージ22とを含む。
【0029】
また、予備加熱室11と薄膜形成室12との間にはスライド式の扉16が設けられており、薄膜形成室12と基板冷却室13との間にもスライド式の扉17が設けられている。
【0030】
(予備加熱する手段)
図3に本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージの模式的な斜視図を示す。予備加熱室内に設置されるこの予備加熱ステージ18には、複数の丸棒状のヒータ1101が取り付けられている。これらの丸棒状のヒータ1101によって、基板23を例えば約300〜500℃に予備加熱することができる。
【0031】
このように、ホットプレートへの吸着前に基板23を予備加熱しておくことによって、高温のホットプレート上に基板23を設置した場合でも、基板23の表面側と裏面側との間の温度差を軽減することができる。それゆえ、ホットプレート上における基板23の反りを有効に防止し、ホットプレートへの吸着による基板23の割れ等を有効に抑止することができる。
【0032】
ここで、予備加熱ステージ18には熱電対1102が取り付けられ、この熱電対1102によって予備加熱ステージ18の温度を測定することができる。測定された温度に基づき、温度調節器(図示せず)によって、丸棒状のヒータ1101の各ヒータの出力が調整される。これにより、予備加熱ステージ18の温度を所定の温度に保持することができ、また温度分布も均一にすることができる。また、予備加熱ステージ18の表面上には、上方に突起した位置決めピン1103が取り付けることができ、予備加熱ステージ18上に設置される基板23の位置ズレを有効に防止することができる。
【0033】
また、図4の模式的側面図に示すように、予備加熱ステージ18の下部にはセラミック等の断熱材1107が取り付けられる。また、断熱材1107の下部には昇降部1104aを備えた昇降ユニット1104が取り付けられる。昇降ユニット1104は昇降部1104aを上下させることによって、断熱材1107上の予備加熱ステージ18を上下に昇降させることができる。また、予備加熱ステージ18の上方には、移動可能な板状のホットプレート19が位置し得る。
【0034】
(吸着する手段)
図5に本発明に用いられる吸着する手段の一例であるホットプレートの模式的な斜視図を示す。このホットプレート19の表面には、真空吸着用の穴1203が複数形成されており、これらの穴1203の下側にあるホットプレート19の内部は空洞となっている。そして、ホットプレート19の内部の空洞は、配管1204を介して真空発生機(図示せず)に接続されている。
【0035】
そして、ホットプレート19内部の空気等のガスが真空発生機によって吸引されることにより、ホットプレート19に形成された穴1203を通して基板23が吸着される。それゆえ、作業員等の人手を使わずに基板23をホットプレート19上に固定させることができるため、薄膜の生産性を向上させることができる。また、基板23は予備加熱されていることから、高温のホットプレート19上に設置されても反りが生じない。それゆえ、ホットプレート19上に基板23を吸着する際に、基板23に割れ等が生じにくくなる。さらに、基板23に反りが生じないことから、基板23を均一に加熱することができるため、均一な膜厚を有する薄膜を形成することができる。
【0036】
また、ホットプレート19にも、ヒータ1101と熱電対1102とが設置され、温度調節器(図示せず)によってホットプレート19の温度が例えば約300〜500℃に保持される。また、ホットプレート19の表面上の温度分布も均一にすることができる。
【0037】
また、図6の模式的側面図に示すように、ホットプレート19の表面の向きは変更可能である。ホットプレート19の表面は、例えば予備加熱ステージ18上に設置された基板23の表面と平行方向になり、またスプレーガン20の噴霧方向に対して垂直方向にもなる。
【0038】
ホットプレート19の表面が基板23の表面と平行方向になった場合には、予備加熱ステージ18上の基板23を、ホットプレート19内部のガスの吸引によってホットプレート19に吸着することができる。また、ホットプレート19の表面が基板23の表面と垂直方向になった場合には、ホットプレート19に吸着された基板23にスプレーガン20から薄膜用原料溶液を噴霧することができる。
【0039】
また、ホットプレート19は単軸動作ユニット1206に取り付けられており、単軸動作ユニット1206が本体部内を直線的に移動することによって、ホットプレート19は基板23を吸着したまま、図2に示す予備加熱室11、薄膜形成室12および冷却室13の間を自由に行き来することができる。
【0040】
(噴霧する手段)
図7に本発明に用いられる薄膜形成室の好ましい一例の模式的な側面透視図を示す。この薄膜形成室12内には、噴霧する手段の一例であるスプレーガン20がホットプレート19上に吸着された基板23の表面に薄膜用原料溶液を噴霧できるように取り付けられている。
【0041】
スプレーガン20は、薄膜用原料溶液とキャリアガスとを共に噴霧することができる構造を有する。例えば、スプレーガン20による薄膜用原料溶液の噴霧は、所定の通路を経て供給されたキャリアガスがスプレーガン20から噴出させられると共に、キャリアガスとは異なる通路を経て供給された薄膜用原料溶液がスプレーガン20から霧状となって噴出させられることによって行われる。また、スプレーガン20と基板23の表面との間の距離は図示しない調整手段により変更することができる。
【0042】
ここで、薄膜用原料溶液としては、例えばチタン化合物とエタノール等の有機溶剤とを含むMOF−Ti−30000S(東京応化工業(株)製)等が用いられ得る。また、薄膜用原料溶液の1回の噴霧量は、例えば約1ccであり得る。また、薄膜用原料溶液を供給する圧力は例えば約0.02〜0.2MPaであり、キャリアガスを供給する圧力は例えば約0.01〜0.5MPaであり得る。
【0043】
(基板の表面側を加熱する手段)
図7に示すように、薄膜形成室12内には、基板23の表面側を加熱する手段の一例である補助加熱ヒータ21が設置されている。ここで、補助加熱ヒータ21は、薄膜形成室12内を円弧状または直線状に上下に移動する2本の腕部材1212の間に挟まれて取り付けられており、かかる腕部材1212は薄膜形成室12の壁面に連結されている。この腕部材1212が円弧状または直線状に上下に移動することに伴い、例えば約300〜500℃に加熱された補助加熱ヒータ21が円弧状または直線状に薄膜形成室12内を上下することによって、補助加熱ヒータ21と対面する基板23の表面側が加熱される。
【0044】
薄膜用原料溶液の噴霧後は、噴霧された溶液の気化熱等により基板23の表面温度が低下してしまい、その状態で再度薄膜用原料溶液を噴霧すると薄膜用原料溶液の気化が不十分となって基板23の表面上に均一な膜厚を有する薄膜を形成することが困難となる傾向にある。したがって、薄膜用原料溶液の噴霧は、基板23の表面温度が薄膜形成温度に復帰するまで待って行われる必要があるため、薄膜の生産性が低くなってしまう傾向にある。
【0045】
そこで、薄膜用原料溶液の噴霧後に、基板23の裏面側をホットプレート19によって加熱するだけでなく、薄膜が形成される基板23の表面側も補助加熱ヒータ21で加熱することによって、基板23の表面を薄膜形成温度にまで復帰させる時間を大幅に短縮することができるのである。
【0046】
なかでも、補助加熱ヒータ21が直線状に上下することによって、基板23の表面側が加熱されることが好ましい。この場合には、基板23の表面側をより均一に加熱することができる。
【0047】
(薄膜形成室)
図7に示すように、薄膜形成室12の上部には、薄膜の製造装置内に空気または不活性ガス等のガスを取り入れる手段の一例である通気口1207と、取り入れたガスの流れる方向を調節する手段の一例である方向調整板1210とが備えられている。ここで、通気口1207はフィルタ等を通してガスを取り入れるために開口している。また、方向調整板1210は、通気口1207から取り入れたガスの流れる方向が下向きとなるように通気口1207の上部から薄膜形成室12内へ突出するように設置されている。
【0048】
また、薄膜形成室12の下部には、ガスを排気する手段の一例である排気ダクト1208と、取り入れたガスを含む混合ガスが流れる方向を調節する手段の一例である仕切り板1211とが備えられている。ここで、排気ダクト1208は、取り入れたガスと薄膜用原料溶液の噴霧によって生じた有機溶剤の蒸気との混合ガス等を排出する。また、仕切り板1211は、薄膜形成室12の底面から上方に向けて設置されており、ガスが排気ダクト1208から排出されやすいようにガスの流れる方向を調節することができる。
【0049】
スプレーガン20から基板23に噴霧されて基板23の表面上で気化した有機溶剤の蒸気等は、方向調整板1210によって下向きに流れ方向が変えられたガスと共に、仕切り板1211によって排気ダクト1208がある方向に流れ方向が変更されて、排気ダクト1208から薄膜の製造装置外へ排気される。
【0050】
略密閉構造の薄膜形成室12内で薄膜用原料溶液を噴霧した場合には、薄膜用原料溶液に含まれる有機溶剤が気化して薄膜形成室12内で充満して爆発するおそれがあるため、薄膜形成室12内を換気する必要がある。一般的に、有機溶剤の蒸気は空気よりも比重が大きく、薄膜形成室12の下部に溜まることが多いことから、薄膜形成室12の上部から空気を供給し、薄膜形成室12の下部側から有機溶剤の蒸気等を排気することが最も有効である(例えば、「新版 有機溶剤作業主任者テキスト」,厚生労働省化学物質調査編,p.115−118参照。)。
【0051】
しかし、例えば図8の模式的側面透視図に示すように、薄膜形成室12内にホットプレート19が水平に設置されている場合には、薄膜形成室12の上部に設置された通気口1207から空気等のガスを取り入れ、薄膜形成室12の下部に設置された排気ダクト1208からガスを排出する際に、ホットプレート19によってガス流46が妨害されて効率良く換気を行うことができない傾向にある。
【0052】
そこで、図7に示すように、薄膜形成室12内に、方向調整板1210および仕切り板1211のようなガスの流れる方向を調節する部材を設置すると共に、ホットプレート19の表面がガスの流れる方向と平行になるように設置することが好ましい。このようにすることによって、薄膜形成室12の上部から取り入れられたガスが底面部の排気ダクト1208から排気されるまでの間にガスの流れを妨げる部材がスプレーガン20以外になくなるため、薄膜形成室12内の換気をより効率良く行うことができる。
【0053】
(冷却する手段)
図9に本発明に用いられる冷却する手段の好ましい一例である基板冷却ステージ22の好ましい一例の模式的な斜視図を示す。基板冷却室13内に設置された基板冷却ステージ22の表面上には、基板23の位置ズレを有効に防止するため、上方に突起した位置決めピン1103が取り付けられている。
【0054】
また、図10の模式的側面図に示すように、基板冷却ステージ22の下部には昇降部1104aを備えた昇降ユニット1104が取り付けられている。昇降ユニット1104は昇降部1104aを上下させて基板冷却ステージ22を上下に昇降させること等によって、基板冷却ステージ22はホットプレート19から基板23を受け取ることができる。
【0055】
さらに、図11の模式的側面図に示すように、基板冷却ステージ22の上方近傍には送風機1213が取り付けられている。送風機1213が基板冷却ステージ22上に設置された基板23に対して窒素等の不活性ガスまたは空気等を送風することによって、基板23を冷却することができる。
【0056】
(薄膜の製造方法)
以下、上述の薄膜の製造装置を用いた本発明の薄膜の製造方法の好ましい一例について説明する。
【0057】
まず、作業者は、図2に示す予備加熱室11の開閉扉14を開いて、板状の基板23を予備加熱室11内に搬入する。次いで、作業者は、基板23を予備加熱室11内の板状の予備加熱ステージ18上に設置する。そして、予備加熱ステージ18が加熱されることによって、その熱が基板23に伝導し、基板23が例えば約300〜500℃に予備加熱される。
【0058】
予備加熱ステージ18が加熱された直後は、基板23の表面と裏面との間の温度差により基板23の表面側が凹形に反った状態となる。しかし、約5〜10秒程度で予備加熱ステージ18に接触している基板23の裏面側から表面側へ熱伝導が行われることにより基板23の温度がほぼ均一になるため、基板23の反りがなくなる。
【0059】
基板23の予備加熱が完了すると、スライド扉16が開き、薄膜形成室12内にあった板状の約300〜500℃に加熱されたホットプレート19が予備加熱室11内へ移動してくる。
【0060】
予備加熱室11内に移動してきたホットプレート19は、予備加熱ステージ18の上方に位置する。そして、図12に示すようにホットプレート19が矢印1105の方向へ90度回転すると、基板23を設置した予備加熱ステージ18が上昇してくる。次いで、図示しない真空発生機が、複数の穴が形成されたホットプレート19内部のガスを吸引することによって、基板23が矢印1108の方向に吸引される。こうしてホットプレート19が基板23を吸着すると、予備加熱ステージ18は下降していく。その後、ホットプレート19は、基板23を吸着したまま矢印1106方向へ90度回転して、予備加熱ステージ18からホットプレート19へ基板23の受け渡しが完了する。
【0061】
ホットプレート19が基板23を受け取った後は、基板23を吸着したまま図2に示す薄膜形成室12内へ戻る。そして、スライド扉16が閉じられ薄膜形成準備が完了すると同時に次の基板を予備加熱室11内に受け入れる準備が完了する。
【0062】
薄膜形成準備が完了すると、図7に示すように、スプレーガン20から薄膜用原料溶液がキャリアガスと共に基板23の表面上に噴霧される。噴霧後は溶液の気化熱等によって基板23の表面温度が低下するため、ホットプレート19によって基板23の裏面側が加熱されると共に、約300〜500℃の補助加熱ヒータ21が基板23の表面上方を行き来することによって基板23の表面側が加熱される。薄膜用原料溶液を噴霧する工程と薄膜用原料溶液の噴霧後に基板23の表面側を加熱する工程とは交互に複数回繰り返され得る。これらの工程を交互に例えば約8〜12回繰り返すことによって、基板23の表面上に目的とする厚さの薄膜が形成され得る。
【0063】
薄膜の形成が完了すると、図2に示すスライド扉17が開き、ホットプレート19は基板23を吸着したまま基板冷却室13へ移動する。基板冷却室13内に移動してきたホットプレート19は、基板冷却室13内の基板冷却ステージ22の上方に位置する。そして、図13に示すようにホットプレート19が矢印1303の方向へ90度回転すると、基板冷却ステージ22が上昇してくる。そして、図示しない真空発生機がホットプレート19内部のガスの吸引を中止することによって、矢印1305の方向に基板23が基板冷却ステージ22上に落下する。この落下によって、基板23が基板冷却ステージ22上に受け渡されると、基板冷却ステージ22は下降する。ホットプレート19は矢印1304方向へ90度戻り、ホットプレート19から基板冷却ステージ22へ基板23の受け渡しが完了する。
【0064】
基板冷却室13の基板冷却ステージ22に受け渡された基板23は、送風機による窒素等の不活性ガスや空気の送風等によって所定の温度まで冷却される。そして、作業者は開閉扉15を開き、基板23を装置外部へ取り出す。
【0065】
なお、ホットプレート19は、基板23を基板冷却ステージ22に渡した後に薄膜形成室12内に移動する。そして、スライド扉17が閉じられると同時に予備加熱室11内で加熱された次の基板を薄膜形成室12内に受け入れる準備が完了する。
【0066】
上述したような本発明の薄膜の製造装置および薄膜の製造方法は、特に太陽電池用の多結晶シリコン基板上に形成される反射防止膜として、より均一な膜厚を有する酸化チタンからなる薄膜を形成するのに好適に用いられる。また、本発明の薄膜の製造装置および薄膜の製造方法は、酸化スズ、亜酸化銅、硫化スズまたは硫化銅インジウム等からなる薄膜を形成するのにも用いられ得る。
【0067】
なお、上記においては、予備加熱温度、薄膜形成温度、薄膜用原料溶液を供給する圧力、キャリアガスを供給する圧力、噴霧時間または繰返し噴霧回数等を、薄膜の原料や形成する薄膜の厚さによって適宜、薄膜形成条件を変更することができる。
【0068】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0069】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、均一な膜厚を有する薄膜を製造することができ、かつ薄膜の生産性を向上させ、また装置内を効率良く換気し得る薄膜の製造方法および薄膜の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜の製造装置の好ましい一例の模式的な正面図である。
【図2】図1に示す本体部の模式的な上面透視図である。
【図3】本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージの模式的な斜視図である。
【図4】本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージの模式的な側面図である。
【図5】本発明に用いられる吸着する手段の一例であるホットプレートの模式的な斜視図である。
【図6】本発明に用いられる吸着する手段の一例であるホットプレートの模式的な側面図である。
【図7】本発明に用いられる薄膜形成室の好ましい一例の模式的な側面透視図である。
【図8】ホットプレートが水平になるように設置されている薄膜形成室の模式的な側面透視図である。
【図9】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージの模式的な斜視図である。
【図10】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージの模式的な側面図である。
【図11】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージの上方に取り付けられた送風機の送風によって基板を冷却する動作の一例の模式的な側面図である。
【図12】本発明に用いられる予備加熱する手段の一例である予備加熱ステージから基板を受け取る際のホットプレートの動作の模式的な側面図である。
【図13】本発明に用いられる冷却する手段の一例である基板冷却ステージに基板を受け渡す際のホットプレートの動作の模式的な側面図である。
【図14】従来の基板の加熱工程において反りを生じた基板の模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1 本体部、2 制御部、3 排気ガス処理部、4 配線、5,1204 配管、11 予備加熱室、12 薄膜形成室、13 基板冷却室、14,15 開閉扉、16,17 スライド式の扉、18 予備加熱ステージ、19,32 ホットプレート、20 スプレーガン、21 補助加熱ヒータ、22 基板冷却ステージ、23,31 基板、33,1101 ヒータ、46 ガス流、1102熱電対、1103 位置決めピン、1104 昇降ユニット、1104a 昇降部、1105,1106,1108,1303,1304,1305 矢印、1107 断熱材、1203 穴、1206 単軸動作ユニット、1207 通気口、1208 排気ダクト、1210,1211 方向調整板、1212 腕部材、1213 送風機。
Claims (9)
- 板状の基板を予備加熱する手段と、前記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する手段と、前記ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する手段とを含む、薄膜の製造装置。
- 前記薄膜の原料を含む溶液を噴霧した後に、前記ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面側を加熱する手段を含む、請求項1に記載の薄膜の製造装置。
- 前記薄膜の製造装置内にガスを取り入れる手段と、前記取り入れたガスまたは前記取り入れたガスを含む混合ガスが流れる方向を調節する手段と、前記混合ガスを前記薄膜の製造装置外へ排気する手段とを含む、請求項1または2に記載の薄膜の製造装置。
- 前記板状の基板を冷却する手段を含む、請求項1から3のいずれかに記載の薄膜の製造装置。
- 前記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する手段は、前記ホットプレート内部のガスを吸引することによって、前記ホットプレートに形成されている穴を通して前記板状の基板を吸着する手段であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の薄膜の製造装置。
- 板状の基板を予備加熱する工程と、前記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程と、前記ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程とを含む、薄膜の製造方法。
- 前記ホットプレート上に吸着された板状の基板の表面に薄膜の原料を含む溶液を噴霧する工程の後に、前記板状の基板の表面側を加熱する工程を含み、これらの工程を交互に複数回繰り返すことを特徴とする、請求項6に記載の薄膜の製造方法。
- 前記板状の基板の表面上に薄膜が形成された後に、前記板状の基板を冷却する工程を含む、請求項6または7に記載の薄膜の製造方法。
- 前記予備加熱された板状の基板をホットプレート上に吸着する工程は、前記ホットプレート内部のガスを吸引することによって、前記ホットプレートに形成されている穴を通して前記板状の基板を吸着する工程であることを特徴とする、請求項6から8のいずれかに記載の薄膜の製造方法。
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2003
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