JP5921326B2 - 電磁シールド扉 - Google Patents
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Description
導電性ガスケット3は、導電性かつ弾性を有し、扉2が閉じられた際に対向する壁面1と扉2の各対向面のうち、少なくともどちらか一方に設けられている。なお、図21に示す例では、導電性ガスケット3は壁面1に設けられている。また、壁面1と扉2の良好な電気的接触を得るために、扉2のガスケット接触部には凸部2aが形成されている。
なお、高性能な電磁シールド特性を実現するための構成として、特許文献1には、導電性クッション材を用いた扉と壁面間の接続構造について開示されている。
しかしながら、扉2の開閉回数が多くなると、導電性ガスケット3の磨耗や金属疲労により電磁シールド特性が劣化するため、定期的なメンテナンスが必要となるという課題があった。また、扉2を閉じる際に、扉2と壁面1を電気的に密に接続するように伝導性ガスケット3を変形させるには、扉2に対して高い圧力を加えて押さえつけるための複雑な加圧機構が必要となるという課題があった。また、扉2を壁面1に押さえつけるために開き戸構造である必要があるため、扉2の稼動範囲に広いスペースを必要とするという課題があった。また、扉2と壁面1を電気的に密に接触させることにより電磁シールド特性を実現するため、電磁波の減衰量を調整することは困難であるという課題があった。
実施の形態1.
図1から図3は、この発明の実施の形態1による電磁シールド扉の構成を示す図であり、扉2が閉じられている状態について、図1は正面を示すXY面図を示し、図2は図1の破線X1−X1’を通るXZ断面図を示し、図3は図1の破線Y1−Y1’を通るZY断面図を示している。
電磁シールド扉は、図1から図3に示すように、壁面1、扉2、電磁波減衰構造6から構成されている。
電磁波減衰構造6は、扉2を閉めた状態における壁面1と扉2の間隙において壁面1の開口部8の周囲および扉2の周囲に沿って互いが非接触になるように配置されている。この電磁波減衰構造6は、共振構造を有し、対向面に配置された同様の電磁波減衰構造6と向かい合わせることで、電磁波減衰構造6と他方の電磁波減衰構造6の間に導波路7を形成する。
また、壁面1と扉2とが非接触であるため、扉2を閉じる際に、扉2に対して高い圧力を加える必要がなく、複雑な加圧機構が不要となる。
また、扉2を壁面1に対して平行に移動することにより開口部8を開閉可能にしているため、扉2の開閉に広いスペースを必要としない。
図4〜図6は、この発明の実施の形態2による電磁シールド扉の構成を示す図であり、扉2が閉じられた状態について、図4は正面を示すXY面図、図5は図4の破線X2−X2’を通るXZ断面図、図6は図4の点線Y2−Y2’を通るZY断面図をそれぞれ示している。図4〜図6は、実施の形態1の図1〜図3に示す電磁シールド扉の構成に対して、電磁波減衰構造6の代わりに導体パターン12および誘電体13を備える点で異なり、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
誘電体13は扉2を閉じた状態における壁面1と扉2の間隙において壁面1の開口部8の周囲および扉2の周囲に沿って互いが非接触になるように配置されており、この誘電体13は表面および内部に導体パターン12を有している。この導体パターン12は、電磁波に対して共振するように配置されて共振構造を構成し、導体パターン12が共振して電磁波と電磁界結合することで電磁波を減衰させる。この誘電体13を対向面に配置された同様の誘電体13と向かい合わせることで、同様の誘電体13との間に導波路7を形成する。
また、壁面1と扉2とが非接触であるため、扉2に対して高い圧力を加える必要が無く、複雑な加圧機構が不要な電磁シールド扉を実現できる。
また、扉2は壁面1に対して平行に移動することにより開口部8を開閉可能にしているため、扉2の開閉に広いスペースを必要としない。
図4から図8を用いてこの発明の実施の形態3による電磁シールド扉について説明する。図4から図6は、実施の形態2による電磁シールド扉と同じなので説明は省略する。
導体パターン12bと12c間のY方向間隔はSa、導体パターン12dと12e間のY方向間隔はSb,導体パターン12fと12g間のY方向間隔はScとなっている。
また、壁面1と扉2とが非接触であるため、扉2を閉じる際に、扉2に対して高い圧力を加える必要がなく、複雑な加圧機構が不要となる。
また、扉2を壁面1に対して平行に移動することにより開口部8を開閉可能にしているため、扉2の開閉に広いスペースを必要としない。
図4から図6と図9と図10を用いてこの発明の実施の形態4による電磁シールド扉について説明する。図4から図6は、実施の形態2による電磁シールド扉と同じなので説明は省略する。
その結果、周波数fとその奇数倍の周波数において、導波路7、すなわち、壁面1と扉2の隙間において電磁波を減衰させることができ、それらの周波数における電磁シールド特性を得ることができる。
また、壁面1と扉2とが非接触であるため、扉2を閉じる際に、扉2に対して高い圧力を加える必要がなく、複雑な加圧機構が不要となる。
また、扉2を壁面1に対して平行に移動することにより開口部8を開閉可能にしているため、扉2の開閉に広いスペースを必要としない電磁シールド扉を実現できる。
図11から図13は、この発明の実施の形態5による電磁シールド扉の構成を示す図であり、扉が閉じられた状態について、図11は正面を示すXY面図、図12は図11の破線X5−X5’を通るXZ断面図、図13は図11の破線Y5−Y5’を通るZY断面図をそれぞれ示している。図11から図13は、実施の形態2の図4から図6に示す電磁シールド扉の構成に対して、戸袋15を追加で備える点で異なり、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
また、壁面1と扉2とが非接触であるため、扉2を閉じる際に、扉2に対して高い圧力を加える必要がなく、複雑な加圧機構が不要となる。
また、扉2を壁面1に対して平行に移動することにより開口部8を開閉可能にしているため、扉2の開閉に広いスペースを必要としない。
図14から図16は、この発明の実施の形態6による電磁シールド扉の構成を示す図であり、扉が閉じられた状態について、図14は正面を示すXY面図、図15は図14の破線X6−X6’を通るXZ断面図、図16は図14の破線Y6−Y6’を通るZY断面図をそれぞれ示している。図14から図16は、実施の形態2の図4から図6に示す電磁シールド扉の構成に対して、導電性ガスケット16を追加で備える点で異なり、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
すなわち、実施の形態6によれば、電磁シールド特性が要求される帯域内の周波数において、実施の形態2が有する電磁シールド特性を上回る電磁シールド特性を得ることができる。
図17から図19は、この発明の実施の形態7による電磁シールド扉の構成を示す図であり、扉が閉じられた状態について、図17は正面を示すXY面図、図18は図17の破線X7−X7’を通るXZ断面図、図19は図17の破線Y7−Y7’を通るZY断面図をそれぞれ示している。図17から図19は、実施の形態2の図4から図7に示す電磁シールド扉の構成に対して、扉2の面に配置された誘電体13の代わりに電磁波吸収体17を備える点で異なり、実施の形態2と同様の構成には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
また、壁面1と扉2とが非接触であるため、扉2を閉じる際に、扉2に対して高い圧力を加える必要がなく、複雑な加圧機構が不要となる。
また、扉2を壁面1に対して平行に移動することにより開口部8を開閉可能にしているため、扉2の開閉に広いスペースを必要としない電磁シールド扉を実現できる。
また、電磁波吸収体17の配置箇所および数についても実施の形態7と同一である必要はない。
Claims (6)
- 導電性の壁面と、
前記壁面と平行に移動して前記壁面に設けられた開口部を開閉する導電性の扉とを備え、
前記扉を閉めた状態における前記壁面と扉の間隙において、前記壁面の開口部の周囲と前記扉の周囲の少なくとも一方に沿って前記壁面または前記扉における対向面と非接触になるように電磁波減衰構造を配置し、
前記電磁波減衰構造は、前記対向面と向かい合う面および内部に導体パターンを有する誘電体により構成され、
前記導体パターンは、前記扉または前記壁面と電気的に接続され、前記導体パターンにおける前記扉と前記壁面の開口部の周に垂直な方向の幅が電磁シールド特性が要求される帯域内の周波数の4分の1波長である
ことを特徴とする電磁シールド扉。 - 前記導体パターンは、前記扉と前記壁面の開口部の周に垂直な方向に複数配置され、
当該複数の導体パターンにおける前記扉と前記壁面の開口部の周に垂直な方向の幅は、少なくとも2つ以上の異なる周波数の4分の1波長であることを特徴とする請求項1記載の電磁シールド扉。 - 前記導体パターンは、前記扉と前記壁面の開口部の周に垂直な方向に複数配置され、
当該複数の導体パターンにおける前記扉と前記壁面の開口部の周に垂直な方向の幅は、同じ周波数の4分の1波長であることを特徴とする請求項1記載の電磁シールド扉。 - 前記扉を閉じた状態において少なくとも前記扉の一部と対向する面を有する戸袋を前記壁面上にさらに備え、
前記扉を閉めた状態における前記扉と戸袋の間隙において、前記扉の周囲または戸袋の開口部の周囲の少なくとも一方に沿って前記電磁波減衰構造を前記対向面と非接触になるように配置する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電磁シールド扉。 - 導電性ガスケットをさらに備え、
前記導電性ガスケットが、前記扉を閉めた状態における前記壁面と扉が対向する箇所において、前記壁面の開口部の周囲または扉の周囲の少なくとも一方に沿って前記対向面と接触するように配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の電磁シールド扉。 - 電磁波吸収体をさらに備え、
前記電磁波吸収体が、前記壁面と扉の間隙において前記壁面の開口部の周囲と前記扉の周囲の少なくとも一方に沿って前記対向面と非接触になるように配置される
ことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電磁シールド扉。
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