JP3062551B1 - 電磁波遮蔽引き戸 - Google Patents

電磁波遮蔽引き戸

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JP3062551B1
JP3062551B1 JP11025774A JP2577499A JP3062551B1 JP 3062551 B1 JP3062551 B1 JP 3062551B1 JP 11025774 A JP11025774 A JP 11025774A JP 2577499 A JP2577499 A JP 2577499A JP 3062551 B1 JP3062551 B1 JP 3062551B1
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敏夫 小林
義明 栗原
富義 沼田
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株式会社小林建設
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Abstract

【要約】 【課題】任意の電磁波の遮蔽効果が十分に大であるよう
な電磁波遮蔽引き戸を提供することを目的とする。また
「引き戸」という利用構造に対して耐久性も大であり、
今までに思考されていた物と比べ、生産が容易で経済的
にも利用者の要求に対して満足させることができるよう
な電磁波遮蔽引き戸を提供することを目的とする。 【解決手段】電磁波シールドルームに適用する電磁波遮
蔽引き戸において、引き戸本体と壁や床の構造部との境
界部分に、電磁波を迂回させることによって減衰させる
中空間構造を備えるようにする。中空間構造は、例え
ば、鴨居部に羽根部(312,313)を設け、引き戸
本体(103)に該羽根部が作る空間に非接触で入り込
むような羽根部314を設けることにより、形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療機器などを設
置する室の出入口などに適用する引き戸に関し、特に、
有効な電磁波遮蔽を実現することのできる電磁波遮蔽引
き戸に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁波の活用範囲が広範囲とな
り、種々の周波数の電磁波があらゆる場所、室で検出さ
れる。その反面、そのような電磁波が引き起こす各種の
弊害や影響も大である。例えば、MRI(Magnetic Res
onance Imaging)と称する電磁波を利用した検査機器に
おいては、外部から電磁波が侵入するとそれがノイズと
なって検査に悪影響を及ぼし、またMRIから発生する
電磁波も外に漏れないようにする必要がある。そのた
め、そのような医療機器は電磁波を遮蔽する室、いわゆ
る電磁波シールドルームに設置される。従来、電磁波シ
ールドルームは、電磁波を有効に減衰する素材(例えば
導電性の素材)で室全体を密封する考え方で建設されて
いた。特に、室の出入口は、通称ドア(片開き型・親子
型・両開き型など)を用い電磁波の遮蔽を行っていた。
当然ながら、通称ドア(以後、単に「ドア」という)の
本体も電磁波を減衰する素材で構成され、ドアを閉じた
ときにはドア本体とドア枠とが接触するように構成され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ドアは、開
閉可動に大きな労力が必要とされ女性や老人などより嫌
厭されるのが現状である。また、例えば図8に示すよう
に、ドアの開閉運動にはドア幅のスペースが必要とさ
れ、希少なスペースを無くしているという問題がある。
さらに、従来のドアは、その本来の構造上、ドア枠とド
ア本体との接触部分である上下左右の方形線上に「隙
間」が生じてしまう。そのため、その隙間から電磁波が
漏洩するという問題がある。この隙間を最小限にするた
めに、多種多様の構造と素材を用いて電磁波遮蔽を行っ
ているのが実状であるが、そのために却ってドアの開閉
に過大な労力が必要となり、耐久力にも乏しくなるとい
う問題がある。
【0004】一方、ドアの欠点を補える構造は「引き
戸」であることは承知であった。そのため、有効に電磁
波を遮蔽できる引き戸が工夫、試作されてきたが、現在
でも利用者が満足しうる引き戸は事実上完成されていな
い。例えば、引き戸は本来の運動方向が横に動くという
特質上、導電性のある素材で遮蔽しようとすればそこに
摩擦力が加わり、素材が劣化、摩耗、曲湾変形し、満足
な結果が得られなかった。また修理の頻度が多いという
問題点もあった。特に、その問題箇所は一般的に、上部
の「鴨居」、下部の「敷居」と呼ばれている箇所であ
る。以上のように、引き戸構造で電磁波遮蔽を満足させ
ることは非常な難問であった。
【0005】本発明は、上記問題点を解決すべくなされ
たもので、その第1の目的は、任意の電磁波の遮蔽効果
が十分に大であるような電磁波遮蔽引き戸を提供するこ
とにある。本発明の第2の目的は、「引き戸」という利
用構造に対して耐久性も大であり、今までに思考されて
いた物と比べ、生産が容易で経済的にも利用者の要求に
対して満足させることができるような電磁波遮蔽引き戸
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、電磁波シールドルームに適
用する電磁波遮蔽引き戸であって、引き戸本体を鴨居部
に沿って可動させるように懸架支持する懸架支持部材
と、鴨居部から前記懸架支持部材により懸架された引き
戸本体の側に向けて張り出した所定枚の第1の羽根部
と、引き戸本体から鴨居部に向けて張り出した所定枚の
第2の羽根部であって、前記第1の羽根部により作られ
る空間内に、前記第1の羽根部とは非接触で入り込むこ
とにより、鴨居部に電磁波が迂回して進行するような中
空部を形成する第2の羽根部とを備えたことを特徴とす
る。この中空間構造は、例えば、放送電波をラジオなど
で受信する際、トンネルなどで受信電波が減衰し放送が
聞こえない状態になる状況を作り出すものである。
【0007】
【0008】請求項に係る発明は、電磁波シールドル
ームに適用する電磁波遮蔽引き戸であって、敷居部の引
き戸本体が可動する線上に開口部を有する中空の部屋を
設け、引き戸本体の下縁部に断面が逆T字形の部材を設
け、該逆T字形部材の鉛直板部が前記開口部を通り該逆
T字形状部材の水平板部が前記部屋中に入るように配置
することにより、敷居部に電磁波が迂回して進行するよ
うな中空部を形成することを特徴とする。
【0009】請求項に係る発明は、電磁波シールドル
ームに適用する電磁波遮蔽引き戸であって、戸袋支柱
に、引き戸本体の可動方向にほぼ平行に伸びる第1の羽
根部を設け、引き戸本体の戸袋側の側辺部分に、前記第
1の羽根部と戸袋支柱または戸袋部とが作る空間内に非
接触で入り込むことにより電磁波が迂回して進行するよ
うな中空部を形成する第2の羽根部を、設けることを特
徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。
【0011】図1は、本発明の実施の形態に係る電磁波
遮蔽引き戸の正面図を示す。図2は、その平面図を示
す。これらの図において、101は壁構造部(コンクリ
ートなど)、102は戸袋部分の壁(戸袋壁)、103
は引き戸本体、105は引き戸を開けたときの出入り口
になる開口部を示す。図2で図示した引き戸本体103
の位置は引き戸が閉められた状態を示し、点線201は
開けた状態における引き戸本体103の位置を示す。図
1の位置121から122に至る部分を鴨居部と呼び、
位置123から124に至る部分を敷居部と呼ぶ。引き
戸本体103は、この鴨居部と敷居部に沿って矢印10
4の方向に可動する。なお、引き戸本体103および壁
構造部101は、導電性の素材で構成されている。
【0012】引き戸本体103の上部位置125から下
部位置127に至る枠端部(図2の223)は、引き戸
が閉められた状態では、開口部105の位置121から
124に至る内周面(図2の221)にぴったりと合わ
さり電磁波の遮蔽がなされている。さらに、本実施の形
態では、鴨居部(特に開口部105の上辺部)、敷居部
(特に開口部105の下辺部)、および図1の位置12
6から128に至る戸袋部分付近(図2の224付近)
についても、独自の構造により電磁波の遮蔽がなされる
ようになっている。これらの部分は、安全性においても
十分な対策がなされている。以下、これらの各部の構造
をそれぞれ詳細に説明する。
【0013】図3は、図1のX−X断面図、すなわち鴨
居部の詳細な構造を示す。壁構造部101に、断面がL
字型の支持枠301が固着されている。支持枠301の
長さは、鴨居部の長さ、すなわち図1の位置121から
122までである。支持枠301の引き戸側の内側に
は、断面がF字形の部材311が、やはり図1の位置1
21から122までの長さで固着されている。壁構造部
101の支持枠301と反対の側には、引き戸本体10
3を懸架するための懸架支持枠302が、やはり図1の
位置121から122までの長さで固着されている。懸
架支持枠302は、断面が凸状の凸部308を形成する
ためのレール部303を備えている。レール部303
は、図1の位置121から122までの長さである。
【0014】一方、引き戸本体103の上縁部にはL字
形部材304が固着され、該L字形部材304に軸30
5を設けるとともに、該軸305に回動可能に滑車30
6を取り付ける。上述のレール部303の凸部308上
に滑車306の凹部307が当接するようにして、引き
戸本体103をレール部303で懸架する。これによ
り、引き戸本体103は、レール部303に沿って(す
なわち、図1の矢印104の方向、図3の紙面に垂直な
方向)可動する。なお、滑車306は、引き戸本体10
3の上縁の少なくとも2個所に配置すれば十分である。
例えば、図1の引き戸本体103の上縁の端の部分であ
る位置125付近および位置126の付近の2個所に滑
車306を配置すれば、引き戸本体103が矢印104
のように可動できるように懸架することができる。もち
ろん、さらに多くの個所に滑車306を設けてもよい。
【0015】再び図3を参照して、引き戸本体103の
上縁部には、断面がL字形の部材315が固着されてい
る。このL字形部材315の長さは、図1の引き戸本体
103の上縁部の位置125から位置126までの長さ
だけある。引き戸本体103をレール部303に懸架し
た状態で、F字形部材311の2つの羽根部312,3
13が引き戸本体103の側に向けて張り出すようにな
っており、その2つの羽根部312,313の間の中空
部分にL字形部材315の羽根部314が非接触で入り
込むように、寸法が調整されている。なお、F字形部材
311およびL字形部材315は、何れも導電性の素材
で構成されている。
【0016】以上より、引き戸を閉めた状態では、開口
部105の上辺部に図3のA,B,C,Dで示す中空部
が形成され、電磁波が室の外側から室内に侵入し、ある
いは室の内側から外へ漏れ出すには、この中空部を通ら
なければならない。この中空部は、電磁波を迂回させて
長い経路を伝搬させることにより減衰させるものであ
り、これにより電磁波遮蔽が達成できる。また、鴨居部
は電磁波遮蔽の目的の他に「引き戸自体の重量」に十分
耐える構造でなければならないが、上記構造では引き戸
本体をレール部303および滑車306で支持するの
で、引き戸本体の重量に十分耐える構造である。さら
に、この構造によれば、「電動式自動引き戸」一般の呼
称で「自動ドア」とすることも可能である。
【0017】なお、支持枠301とF字形部材312の
長さは鴨居部の長さと同じにしたが、開口部105の上
辺部の長さだけあれば十分である。また、ここではF字
形部材312とL字形部材315を用いたが、電磁波を
迂回させるための中空部A,B,C,Dを形成すること
ができれば、各部材の形状はこれに限らない。支持枠3
01や引き戸本体103から直接的に羽根部312,3
14を伸ばして中空部A,B,C,Dを形成してもよ
い。
【0018】図4は、図1のY−Y断面図、すなわち敷
居部の詳細な構造を示す。床構造部101の敷居部の部
分(図1の位置123から位置124付近)には、断面
が方形状になる溝部が形成され、該溝部に、側面40
1,402および底面403からなる樋状部材を配置す
る。その底面403上に、断面がL字形状の部材415
と417を、引き戸本体103が移動する線上に開口部
440が形成されるように配置する。L字形状部材41
5,417の長さは、図1の位置123から位置124
までとする。また、L字形状部材415,417のそれ
ぞれの羽根部分416,418上には、適当な個所に軸
421,423を設け、その軸421,423に振れ止
め用の滑車422,424を設ける。また、羽根部分4
16,418上の適当な個所に支持材425,426を
設け、該支持材425,426で蓋部404,405を
支持する。蓋部404,405は、引き戸本体103が
移動する線上に開口部408が形成されるように配置す
る。406および407は、蓋部404,405の開口
部408を形成する端部を安全性のために折り返したも
のである。
【0019】一方、引き戸本体103の底辺部には、断
面が逆T字形状の部材410が固着されている。その逆
T字形状部材410の長さは、引き戸本体103の底辺
の長さとする。そして、引き戸本体103の底辺から伸
びる逆T字形状部材410の鉛直板部426が開口部4
08と開口部440を通り、逆T字形状部材410の水
平板部412,413が、L字形状部材415,417
が作る部屋中に入るように配置する。なお、逆T字形状
部材410、L字形状部材415,417、樋状部材の
側面401,402および底面403、並びに、蓋部4
04,405は、何れも導電性の素材で構成されてい
る。
【0020】以上により、逆T字形状部材410と蓋部
404,405およびL字形状部材415,417とが
接触することなく、引き戸本体103は敷居部に沿って
(図4の紙面に垂直な方向)可動することができる。ま
た、振れ止め滑車422,424があるため、鉛直板部
426が蓋部404,405の折り返し部406,40
7に接触したり、鉛直板部426がL字形状部材41
5,417の羽根部分416,418に接触することも
なく、滑らかに可動できる。
【0021】さらに、引き戸を閉めた状態では、図4の
A,B,C,D,E,Fで示す中空部が形成され、電磁
波が室の外側から室内に侵入し、あるいは室の内側から
外へ漏れ出すには、この中空部を通らなければならな
い。この中空部は、電磁波を迂回させて長い経路を伝搬
させることにより減衰させるものであり、これにより電
磁波遮蔽が達成できる。
【0022】なお、L字形状部材415,417の長さ
は敷居部の長さと同じにしたが、開口部105の下辺部
の長さだけあれば十分である。また、ここではL字形状
部材415,417と逆T字形状部材410を用いた
が、電磁波を迂回させるための中空部A,B,C,D,
E,Fを形成することができれば、各部材の形状はこれ
に限らない。
【0023】さらに、電磁波をさらに迂回させるように
しても良い。例えば、431と433は、導電性の素材
で作成した半円筒形状の適当な長さの部材である。この
部材431,433をその半円筒形状の軸が敷居部の長
手方向に沿うように配置する。また、同様の部材を43
2に示すように逆T字形状部材410上にも配置する。
これにより、電磁波はこれらの部材431〜433で狭
められた中空部を進むうちにさらに減衰され、電磁波遮
蔽の効果が高まる。半円筒形状の軸が敷居部の長手方向
に沿うように配置しているので、引き戸本体103を移
動したときに接触することもない。
【0024】敷居部としては、特に以下のような点を満
たす必要がある。1つは、通路であるから歩行を防げな
いことである。重量物の通過に耐えられる構造でなけれ
ばならない。また、2つめとして、敷居溝に「塵・砂」
などが入ったり、誤って水などが入ることもあり得るた
め、中空部の清掃などが容易でなければならない。3つ
目として、引き戸自体の可動による「運動性」「騒音の
発生」「耐久性」などを考慮した電磁波遮蔽敷居である
必要がある。図4の構造の敷居部によれば、開口部40
8は必要最小限の幅にできるので、歩行を妨げることも
なく、重量物の通過にも耐えられる。また、蓋部40
4,405を取り外して容易に清掃も可能である。接触
部がないので引き戸本体の運動性を妨げることなく、騒
音も発生せず、耐久性もある。
【0025】図5は、図1のZ−Z断面図、すなわち戸
袋部分の詳細な構造を示す。戸袋支柱501に断面がL
字形状の部材502を固着し、引き戸本体103の戸袋
側の側辺511に断面がL字形状の部材512を固着す
る。L字形状部材502とL字形状部材512の長さ
は、引き戸本体103の高さ、すなわち図1の位置12
6から128だけある。図5は引き戸本体103を閉め
た状態を示し、矢印521が引き戸の移動方向を示す。
引き戸を閉めた状態で、L字形状部材502の板部50
3と戸袋支柱501との間に、L字形状部材512の板
部513が入り込み、これにより中空部A,B,C,D
を形成するようになっている。L字形状部材502とL
字形状部材512は、導電性の素材で構成する。
【0026】以上により、引き戸本体103を閉めた状
態でも、L字形状部材502とL字形状部材512とが
接触することはない。また引き戸本体103を閉めた状
態で、図5のA,B,C,Dで示す中空部が形成され、
電磁波が室の外側から室内に侵入し、あるいは室の内側
から外へ漏れ出すには、この中空部を通らなければなら
ない。この中空部は、電磁波を迂回させて長い経路を伝
搬させることにより減衰させるものであり、これにより
電磁波遮蔽が達成できる。
【0027】この戸袋部分、いわゆる「締め合わせ」部
分に於いては考慮しなければならない点がある。1つ目
は、安全性であり、指や物が引き込まれないことであ
る。2つ目は、美観的にも満足できることである。図5
の構造によれば、何れの点にも十分満足できるようにで
きる。
【0028】以上説明した本実施の形態の構造の引き戸
は、その材料は総て一般市販材で足りる。また、製造寸
法は大小種々に製作が可能である。鍵(戸締まり)は、
寸法上のことを考慮すれば市販品を使うことができる。
したがって、経済的にも十分満足がいくものである。
【0029】なお、本実施の形態の引き戸における電磁
波遮蔽の効果は、対象とする電磁波の「波長と出力」お
よび設置場所の電磁波に及ぼす環境の条件などにより異
なる。また、製造技術、使用材質などによっても異な
る。しかし、一般的にはさらに電磁波の遮蔽効果を高め
るためには、電磁波の迂回個所を増す方法、電磁波の経
路となる中空部の寸法の幅を狭める方法、および、電磁
波の迂回の経路長さを長くする方法がある。電磁波の迂
回個所を増す方法とは、図3〜図5に示したように中空
部で電磁波を折り曲げて進行させる際の折り曲げ個所を
増やすと言うことである。具体的には、電磁波を迂回さ
せるための羽根の数をさらに増やして、図3の部材31
1,315を図6(a)の部材601,602のように
したり、図4の部材411,415,417を図6
(b)の部材603,604,605のようにしたり、
図5の部材502,512を図6(c)の部材606,
607のようにする方法がある。電磁波の経路となる中
空部の寸法の幅を狭める方法としては、図4で説明した
ような部材431〜433などを用いる方法や、各部の
寸法自体を調整して中空部の寸法を狭める方法がある。
電磁波の迂回の経路長さを長くする方法としては、各部
の寸法自体を調整して電磁波が進行する経路長さをより
長くする方法がある。これらの変形方法を適宜組み合わ
せて、より電磁波遮蔽の効果を高めるようにしても良
い。
【0030】図7は、本実施の形態の引き戸のシールド
特性を測定するシステムの例を示す。信号発生器701
で発生した試験電波をパワーアンプ702で増幅し、送
信側アンテナ703から放射する。受信側アンテナ70
4で受信した電波は、プリアンプ705で増幅され、ス
ペクトラム・アナライザ706で受信レベルを測定す
る。測定対象の周波数は、12.3MHz,16.0MHz,30.0MHz
とした。始めに、周囲に反射体の無い場所で、送・受信
アンテナ703,704を60+d[cm]離して配置し、信
号発生器701より出力を一定に保った電波を放射し、
受信アンテナ704での受信レベルを測定する。これを
基準レベルE0とする。なお、dは引き戸本体103の
幅とする。次に、受信アンテナ704をシールドルーム
内に設置し、上述の本実施の形態の引き戸部分を間に挟
む形で、送・受信アンテナ703,704を対抗させ、
上記と同じ条件で電波を放射し、受信レベルを測定す
る。これをEとする。シールド性能は、E0とEとの差
となる。
【0031】シールド性能=E0−E(dB)
【0032】測定した電磁波遮蔽引き戸扉の規格寸法は
「患者出入口用」が高さ2100M/M、幅1300M/Mで、「検査
技師出入口用」が高さ同じ、幅750M/Mである。「患者出
入口用」をA箇所と呼び、「検査技師出入口用」をB箇
所と呼ぶ。材質は「ステンレス・スチール」304号種
を使用した。板厚は2.0M/Mtとした。主な部分の材料で
あるが、補強材としては角型、L型、異形折り加工もあ
る。現場においては、電気性の導通に留意して取付を行
なった。電気絶縁性能が低下すると、遮蔽特性と性能が
低下し、満足する性能を満たすことができない。
【0033】以上の条件で測定を行なった。結果とし
て、シールド特性は、周波数12.3MHzで、A箇所=8
9.9dB、B箇所=98.8dBとなり、周波数16.0
MHzで、A箇所=79.3dB、B箇所=98.2dB
となり、周波数30.0MHzで、A箇所=82.8dB、B
箇所=94.9dBとなった。これは、要求(遮蔽特
性)性能「60dB」をはるかに上回る結果であった。
また、電気絶縁性能は10.0MΩ以上の性能を計測し
た。
【0034】なお、上記実施の形態では、引き戸本体を
懸架する構造としたが、これに限らず、引き戸本体を敷
居部で保持する構造としても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
引き戸本体と壁や床の構造部との境界部分に、電磁波を
迂回させることによって減衰させる中空間構造を備える
ようにしているので、非接触の構造で電磁波を遮蔽する
ことができ、したがって引き戸を容易に構成できる。非
接触構造で電磁波遮蔽するので、耐久性もあり、生産が
容易で経済的にも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電磁波遮蔽引き戸の
正面図
【図2】本発明の実施の形態に係る電磁波遮蔽引き戸の
平面図
【図3】鴨居部の詳細な構造を示す断面図
【図4】敷居部の詳細な構造を示す断面図
【図5】戸袋部分の詳細な構造を示す断面図
【図6】変形例を示す図
【図7】シールド特性を測定するシステムの例を示す図
【図8】従来のドアの断面図
【符号の説明】
101…壁構造部(コンクリートなど)、102…戸袋
壁、103…引き戸本体、104…引き戸本体の可動方
向、105…開口部、301…支持枠、302…懸架支
持枠、303…レール部、304…L字形部材、305
…軸、306…滑車、311…F字形部材、312,3
13…羽根部、314…羽根部、315…L字形部材、
401,402…側面、403…底面、404,405
…蓋部、408…開口部、410…逆T字形状部材、4
15,417…L字形状部材、440…開口部、50
2,512…L字形状部材。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−3575(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G12B 17/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁波シールドルームに適用する電磁波遮
    蔽引き戸であって、 引き戸本体を鴨居部に沿って可動させるように懸架支持
    する懸架支持部材と、 鴨居部から前記懸架支持部材により懸架された引き戸本
    体の側に向けて張り出した所定枚の第1の羽根部と、 引き戸本体から鴨居部に向けて張り出した所定枚の第2
    の羽根部であって、前記第1の羽根部により作られる空
    間内に、前記第1の羽根部とは非接触で入り込むことに
    より、鴨居部に電磁波が迂回して進行するような中空部
    を形成する第2の羽根部とを備えたことを特徴とする電
    磁波遮蔽引き戸。
  2. 【請求項2】電磁波シールドルームに適用する電磁波遮
    蔽引き戸であって、 敷居部の引き戸本体が可動する線上に開口部を有する中
    空の部屋を設け、引き戸本体の下縁部に断面が逆T字形
    の部材を設け、該逆T字形部材の鉛直板部が前記開口部
    を通り該逆T字形状部材の水平板部が前記部屋中に入る
    ように配置することにより、敷居部に電磁波が迂回して
    進行するような中空部を形成することを特徴とする電磁
    波遮蔽引き戸。
  3. 【請求項3】電磁波シールドルームに適用する電磁波遮
    蔽引き戸であって、 戸袋支柱に、引き戸本体の可動方向にほぼ平行に伸びる
    第1の羽根部を設け、引き戸本体の戸袋側の側辺部分
    に、前記第1の羽根部と戸袋支柱または戸袋部とが作る
    空間内に非接触で入り込むことにより電磁波が迂回して
    進行するような中空部を形成する第2の羽根部を、設け
    ることを特徴とする電磁波遮蔽引き戸。
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