JP6414017B2 - 電磁波減衰構造体及び電磁シールド構造体 - Google Patents

電磁波減衰構造体及び電磁シールド構造体 Download PDF

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Description

この発明は、伝播する電磁波を減衰させる電磁波減衰構造体および電磁シールド構造体に関するものである。
電磁シールド構造体である電磁シールド扉を取り上げて、従来の技術に係る電磁波減衰構造体および電磁シールド構造体について説明する。図14に示すように、電磁シールド構造体である電磁シールド扉100は金属製の扉1、扉枠2、ヒンジ7と、開閉レバー8とで構成され、扉1と扉枠2の間隙に誘電体基板3が配置されている。図14において、電磁シールド扉100での遮蔽を目的とする電磁波の伝搬方向13は紙面手前から奥側方向となる。
図15は図14の点線Aで示す間隙部分に配置される電磁波減衰構造体20内の誘電体基板3の表層導体パターン4を含むXY平面図である。電磁波減衰構造体20は誘電体基板3と貫通スルーホール列5を備えている。誘電体基板3は複数の結合孔6を有する表層導体パターン4を有しており、表層導体パターン4は貫通スルーホール列5とならんで配置されている。ここで、結合孔6の長手方向と貫通スルーホール列5の列方向は平行な関係にあり、それぞれ電磁波伝搬方向13と直交している。また、それぞれ2つの貫通スルーホール列5で区切られる導体パターン4の各区間には1つの結合孔6が配置されている。
図16は図14の点線Aで示す間隙部分に配置される電磁波減衰構造体20内のYZ断面図を示している。図16において点線12で示す部分は、2つの貫通スルーホール列5と表層の導体パターン4と裏面のベタ導体パターン11により、誘電体基板3の内部で電気的な閉領域を形成するSIW(Substrate Integrated Waveguide)共振器を示す。このSIW共振器12において、結合孔6は両側の貫通スルーホール列5の中間に配置されている。図16に示すように、誘電体基板3には、電磁波伝搬方向13に6つのSIW共振器を多段化して構成している。
次に、従来の技術に係る電磁シールド扉100の動作について説明する。SIW共振器12は、両側の貫通スルーホール列5の間隔L1が周波数fにおいて約半波長となるよう設計されている。その結果、周波数fにおいてSIW共振器12でキャビティ共振が発生し、電磁波伝搬方向13の電磁波の伝搬が抑制される。つまり、SIW共振器12単体では周波数fに極値を有する電磁シールド特性を実現することができる。
よって、周波数fからfの周波数間隔をδfで一定とし、図16に示す誘電体基板3が有するその他の5つのSIW共振器における貫通スルーホール列5の間隔L2から間隔L6を、それぞれ周波数fからfにおいて約半波長となるよう設計すれば、多段化した6つのSIW共振器全体としては、図17に示すように、周波数fからfに極値を有する広帯域な電磁シールド特性を実現することができる。ここで、SIW共振器の共振周波数の選択方法によって、得られる電磁シールド特性を調整することが可能となる。例えば、図16の6つのSIW共振器について、周波数f、f、fを共振周波数とするSIW共振器をそれぞれ2個ずつとなるよう設計すれば、図18に示すように、周波数f、f、fに極値を有し、図17に示した電磁シールド特性よりも狭帯域だがシールド帯域において、より高い電磁シールド量を有する電磁シールド特性を実現できる。同様に、図16の6つのSIW共振器全ての共振周波数がfとなるよう設計すれば、図19に示すように、周波数fに極値を有し、周波数fにおいて更に高い電磁シールド量を有する電磁シールド特性を実現できる。このように、電磁波伝搬方向13に多段化したSIW共振器により、電磁シールド扉100の間隙を通過する電磁波に対し、非接触な構造で電磁シールド特性を実現することができる。
すなわち、従来の電磁波減衰構造体では、電磁波伝搬方向に多段化したSIW共振器を備える誘電体基板を、対向する金属面の片面或いは両面に電気的に取り付けて構成している。SIW共振器とは、貫通スルーホール列と導体パターンにより誘電体基板内に構成されるキャビティ共振器の一種である。従来例では、多段化したSIW共振器の共振周波数を分散化することで、SIW共振器の共振により得られる電磁波の減衰効果を広帯域化している。その結果、特許文献1に記載されているように、広い周波数帯域において、非接触な構造にて、対向する導体壁の間隙を伝搬する電磁波を抑制できる。
特開2012−216757公報
このような電磁波減衰構造体では、減衰効果が得られる周波数帯域は、SIW共振器の共振周波数、つまり、従来例におけるSIW共振器の貫通スルーホール列の間隔が1/2波長となる周波数により決定される。また、多段化されるSIW共振器が多いほど、より広帯域で、より高い減衰効果を得ることができる。しかしながら、従来技術では減衰の対象とする周波数が比較的低い場合、SIW共振器の貫通スルーホール列の間隔を比較的大きくする必要があり、必要な減衰効果を得るためのSIW共振器の多段化が困難となる問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、従来技術では貫通スルーホール列の間隔が大きくなりSIW共振器の適用が困難となる比較的低い周波数帯域において、必要な減衰効果を得られる電磁波減衰構造体を得ることを目的としている。
この発明に係る電磁波減衰構造体は、N+1層(N>=2)の導体層と前記N+1層の導体層の異なる2つの層の間にそれぞれ挟まれたN層の誘電体層とを有するとともに、前記N層の誘電体層に含まれる隣接する2つの誘電体層がそれぞれ一部で結合された多層誘電体基板と、前記多層誘電体基板の主面に位置し前記N+1層の導体層に属する表面導体層及び、前記多層誘電体基板の主面の反対側の面に位置し前記N+1層の導体層に属する裏面導体層を電気的に接続することにより、前記表面導体層及び前記裏面導体層とともに電気的に閉じられた領域を形成する2つの貫通導体とを備え、前記2つの貫通導体で挟まれた前記多層誘電体基板の主面は前記表層導体層が形成された領域と、前記誘電体層が表出している誘電体表出領域とを有し、前記隣接する2つの誘電体層が一部で結合される領
域は前記電気的に閉じられた領域の内部であり、前記多層誘電体基板はSIW(Substrate Integrated Waveguide)共振器を形成し、前記多層誘電体基板の主面から数えてK番目(Kは奇数)の誘電体層とK+1番目の誘電体層が前記2つの貫通導体の一方の近傍で結合され、前記多層誘電体基板の主面から数えてK+1番目の誘電体層とK+2番目の誘電体層が前記2つの貫通導体の他方の近傍で結合されることを特徴とする。

この発明によれば、従来技術よりも貫通導体の配置間隔を短くでき、従来技術ではSIW共振器の適用が困難となる比較的低い周波数帯域において、電磁波の必要な減衰効果を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る電磁シールド扉101。 この発明の実施の形態1に係る多層誘電体基板14の表層導体パターン4を含むXY平面図。 この発明の実施の形態1に係る多層誘電体基板14の第2層の内層導体パターン9を含むXY平面図。 この発明の実施の形態1に係る多層誘電体基板14の第3層の内層導体パターン9を含むXY平面図。 この発明の実施の形態1に係る多層誘電体基板14の第4層の内層導体パターン9を含むXY平面図。 この発明の実施の形態1に係る多層誘電体基板14の内部で電気的に閉じられた領域をもつ小型SIW共振器。 この発明の実施の形態1に係るSIW共振器全体の電磁シールド特性。 この発明の実施の形態1に係る小型SIW共振器の一例。 この発明の実施の形態1に係る小型SIW共振器の一例。 この発明の実施の形態1に係る小型SIW共振器の一例。 この発明の実施の形態1に係る小型SIW共振器の一例。 この発明の実施の形態2に係る小型SIW共振器の一例。 この発明の実施の形態2に係るSIW共振器全体の電磁シールド特性。 従来技術における電磁シールド扉100。 従来技術における電磁波減衰構造体20内のXY平面図。 従来技術における電磁波減衰構造体20内のYZ断面図。 従来技術におけるSIW共振器全体の電磁シールド特性の一例。 従来技術におけるSIW共振器全体の電磁シールド特性の一例。 従来技術におけるSIW共振器全体の電磁シールド特性の一例。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る電磁波減衰構造体21及び電磁シールド扉101について説明する。
まず、図1から図6を用いて、実施の形態1に係る電磁シールド扉101について説明する。図1に示すように、金属製の扉1、扉枠2、ヒンジ7と、開閉レバー8とで電磁シールド扉101を構成しており、扉1と扉枠2の間隙に多層構造を持つ誘電体基板である多層誘電体基板14と後述の貫通スルーホール列5などの貫通導体を備えた電磁波減衰構造体21が配置される。図1において、電磁シールド扉101での遮蔽を目的とする電磁波の伝搬方向13は紙面手前から奥側方向となる。なお、各図において、同一符号は同一または相当部分を示す。
多層誘電体基板14は、5層の導体層の異なる2つの層の間にそれぞれ挟まれた4層の誘電体層を有するとともに、この4層の誘電体層に含まれる隣接する2つの誘電体層がそれぞれ一部で結合された構成を持つ。ここで、5層の導体層のうち、多層誘電体基板14の主面に表層導体層が配置され、裏面に裏面導体層であるベタ導体パターン11が配置される。図2に表層導体層の表層導体パターン4を含むXY平面図を図2に示す。また、第2層から第4層の内層導体パターン9を含むXY平面図をそれぞれ図3から図5に示す。
図2に示すように、多層誘電体基板14の主面には、複数の結合孔6を有する表層導体パターン4が貫通スルーホール列6とならんで配置されている。また、結合孔6の長手方向と貫通スルーホール列5の列方向は平行であり、それぞれ電磁波伝搬方向13と直交している。また、それぞれ2つの貫通スルーホール列5で挟まれた表層導体パターン4には1つの結合孔6が配置されている。すなわち、2つの貫通スルーホール列5で挟まれた多層誘電体基板14の主面は表層導体層である表層導体パターン4が形成された領域と、結合孔6により誘電体層が表出している誘電体表出領域とを有する。また、貫通スルーホール列6は、多層誘電体基板14の主面に位置する表層導体層と多層誘電体基板14の主面の反対側の面に位置する裏面導体層を電気的に接続する貫通導体層である。
図3、4、5にそれぞれ多層誘電体基板14の第2、3、4層の導体層の内層導体パターン9を含むXY平面図を示す。図3から図5に示すように、内層導体パターン9を含むXY平面図には、表層のXY平面図と同様に、複数の内層結合孔10を有する内層導体パターン9と貫通導体である貫通スルーホール列6とが配置されている。内層結合孔10の長手方向と貫通スルーホール列5の列方向は平行で、それぞれ電磁波伝搬方向13と直交している。また、それぞれ2つの貫通スルーホール列5で区切られる内層導体パターン9の各区間には1つの内層結合孔10が配置されている。
本実施の形態では、図2から図5に示すように、各導体層における結合孔6または内層結合孔10は、表層から数えて奇数層における結合孔が、2つの貫通スルーホール列5で区切られる各区間において図2における左側のスルーホール列の近傍に配置され、表層から数えて偶数層における結合孔が、奇数層とは逆側のスルーホール列の近傍に配置されている。
図6に多層誘電体基板14の内部で電気的に閉じられた領域をもつ小型SIW共振器の構成を示す。図6において、点線15で示す部分は、2つの貫通スルーホール列5と表層の導体パターン4と第2層から第4層の内層導体パターン9と裏面のベタ導体パターン11により、多層誘電体基板14の内部で電気的に閉じられた領域をもつ小型SIW共振器である。ここで、2つの貫通スルーホール列5は表層導体層と裏面導体層と電気的に接続することにより、表層導体層と裏面導体層とともに電気的に閉じられた領域を形成している。また、4層の誘電体層16の中の隣接する2つの誘電体層は電気的に閉じられた領域の内部にある内層結合孔10においてそれぞれ結合されている。その結果、従来例のSIW共振器を多層構造化して織り込んだ多層誘電体基板14が形成されている。このように、小型SIW共振器15は、結合孔6を片側の貫通スルーホール列5の近傍に配置するとともに、従来例のSIW共振器を多層構造化して折り畳んだ構造とすることで、従来例のSIW共振器よりも短い貫通スルーホール列5の間隔を実現している。すなわち、図6において、多層誘電体基板14は、多層誘電体基板14の主面から数えてK番目(Kは奇数)の誘電体層とK+1番目の誘電体層が一方の貫通スルーホール列5の近傍で結合され、多層誘電体基板の主面から数えてK+1番目の誘電体層とK+2番目の誘電体層が他方の貫通スルーホール列5の近傍で結合される構成により、貫通スルーホール列5の間隔を従来よりも短くしている。ここで、誘電体層16の中の隣接する2つの誘電体層がコの字型形状をなすように結合される場合を示したが、後に述べるように他の形状をなすように結合することも可能である。また、電体表出領域を示す結合孔6を一方の貫通スルーホール列5の近傍に配置する構成を示したが、後に述べるように結合孔6を他の位置に配置することも可能である。
図6では、多層誘電体基板14は電磁波伝搬方向13に6つの小型SIW共振器を多段化している。電磁波減衰構造体21は貫通スルーホール列5と多層誘電体基板14とを備えており、扉1と扉枠2の間隙に配置される。
次に、実施の形態1に係る電磁シールド扉101の動作について説明する。小型SIW共振器15は、両側の貫通スルーホール列5の間隔L1が周波数fにおいて従来例のSIW共振器の1/8に相当する約1/16波長となるよう設計されている。その結果、周波数fにおいて小型SIW共振器15でキャビティ共振が発生し、電磁波伝搬方向13の電磁波の伝搬が抑制される。つまり、小型SIW共振器15単体では、周波数fに極値を有する電磁シールド特性を実現することができる。よって、周波数fからfの周波数間隔をδfで一定とし、図6に示す多層誘電体基板14が有するその他の5つの小型SIW共振器における貫通スルーホール列5の間隔L2からL6を、それぞれ周波数fからfにおいて約1/16波長となるよう設計すれば、多段化した6つのSIW共振器全体としては、従来例と同様に、図7に示すように、周波数fからfに極値を有する、広帯域な電磁シールド特性を実現することができる。また、従来例と同様に、本実施の形態においても、小型SIW共振器の共振周波数の選択方法によって、得られる電磁シールド特性を調整することも可能となる。
このように、本実施の形態では、電磁波伝搬方向13に多段化した小型SIW共振器15により、貫通スルーホール列5の間隔が従来例の約1/8に小型化された構造で、従来例と同様に、電磁シールド扉の間隙を通過する電磁波に対し、非接触な構造で電磁シールド特性を実現することができる。
なお、本実施の形態では、図8に示すように、5層の導体層と4層の誘電体層で小型SIW共振器15を構成しているが、導体層と誘電体層の層数を限定する必要はない。一般的には、多層誘電体基板14はN+1層(N>=2)の導体層と、前記N+1層の導体層の各々の間に配置されるN層の誘電体層を有し、このN層の誘電体層の中の隣接する2つの誘電体層がそれぞれ一部で結合された構成となる。このとき、貫通スルーホール列5の間隔は、従来例の1/2Nに小型化される。
また、N層の誘電体層を有する構成では、貫通導体である貫通スルーホール列5は多層誘電体基板14の主面に位置する表層導体層及び、多層誘電体基板14の主面の反対側の面に位置する裏面導体層を電気的に接続する。この貫通導体は多層誘電体基板14の主面上で互いに間隔を空けて複数形成される。
例えば、図9に示すように、3層の導体層と2層の誘電体層で小型SIW共振器を構成する場合、貫通スルーホール列5の間隔は共振周波数において約1/8波長となり、従来例のSIW共振器の約1/4に小型化できる。同様に、図10に示すように、4層の導体層と3層の誘電体層で小型SIW共振器を構成する場合、貫通スルーホール列5の間隔は共振周波数において約1/12波長となり、従来例のSIW共振器の約1/6に小型化できる。
また、本実施の形態では、貫通スルーホール列5によって、表層の導体パターン4と、1つ或いは複数の内層導体パターン9と、裏面ベタ導体パターン11とを基板厚方向に電気的に接続しているが、貫通スルーホール列5と同等の電気的接続が可能な貫通導体であれば、その手段を貫通スルーホール列5に限定する必要はない。
また、本実施の形態では、電磁波伝搬方向13に6つの小型SIW共振器15を多段化して構成しているが、段数を6に限定する必要はない。なお、段数を増やせば、得られる電磁シールド特性の広帯域化やシールド量の増加が実現できる。
また、本実施の形態では、扉1と扉枠2の間隙において、扉1の壁面にのみ多層誘電体基板14を備えた電磁波減衰構造体21を配置しているが、電磁波減衰構造体21の配置先を扉枠1の壁面に限定する必要はなく、扉枠2の壁面にのみ配置しても同様の効果が得られる。なお、扉1と扉枠2の両方の壁面に多層基板14を配置した場合、どちらか片側の壁面に配置する場合と比較して、シールド帯域の周波数は変わらないが、帯域内において高いシールド量を得ることができる。
また、本実施の形態では、対向する1対の金属壁を扉1と扉枠2として電磁シールド扉101を構成しているが、シールド対象とする電磁波の伝搬経路であれば、対向する1対の金属壁を、扉1と扉枠2で構成する電磁シールド扉101に限定する必要はない。
また、本実施の形態では、小型SIW共振器15の表層導体パターン4において、誘電体表出領域を表す結合孔6を片側の貫通スルーホール列5の近傍に配置しているが、従来例と同様に、結合孔6を両側の貫通スルーホール列5の中間に配置しても構わない。この場合、貫通スルーホール列5の間隔は、誘電体層の層数をNとして、従来例の1/Nに小型化される。
例えば、図11に示すように、3層の導体層と2層の誘電体層で小型SIW共振器を構成し、表層導体パターン4における結合孔6を貫通スルーホール列5の中間に配置する場合、貫通スルーホール列5の間隔は共振周波数において約1/4波長となり、従来例のSIW共振器の約1/2に小型化できる。ここでは、隣接する2つの誘電体層はロの字型形状を有する誘電体として結合されているが、このように隣接する2つの誘電体層はさまざまな形状で結合することが可能である。また、本実施の形態は、多層誘電体基板構造14を持つことにより、貫通スルーホール列5の間隔を従来よりも短くするものであり、キャビティ共振を発生させる電磁波の通過経路を従来技術よりも長くできるように隣接する2つの誘電体層16がそれぞれ一部で結合されていれば、結合孔6の配置、及び隣接する2つの誘電体層の結合形状に関してはさまざまな形態とすることができる。従って、これまでに示した構成以外にも結合孔6の配置、及び隣接する2つの誘電体層の結合形状をさまざまな形態で組み合わせることができる。
また、本実施の形態では、電磁シールド扉101を例に挙げて説明したが、本実施の形態は扉以外の環境も含めた電磁シールド構造体に対して適用可能である。例えば、間隙を挟んで対向する一対の導体壁を備え、この間隙に面する位置において、一対の前記導体壁のうち少なくとも一方の前記導体壁上に電磁波減衰構造体21が設けられた電磁シールド構造体であれば、扉以外の環境であっても本実施の形態を適用することができる。
以上で述べたように、本実施の形態1の電磁波減衰構造体21は、N+1層(N>=2)の導体層と前記N+1層の導体層の異なる2つの層の間にそれぞれ挟まれたN層の誘電体層16とを有するとともに、N層の誘電体層16に含まれる隣接する2つの誘電体層がそれぞれ一部で結合された多層誘電体基板14と、多層誘電体基板14の主面に位置し前記N+1層の導体層に属する表面導体層及び、多層誘電体基板14の主面の反対側の面に位置し前記N+1層の導体層に属する裏面導体層を電気的に接続することにより、前記表面導体層及び前記裏面導体層とともに電気的に閉じられた領域を形成する2つの貫通導体とを備え、前記2つの貫通導体で挟まれた前記多層誘電体基板の主面は前記表層導体層が形成された領域と、前記誘電体層が表出している誘電体表出領域とを有し、前記隣接する2つの誘電体層が一部で結合される領域は前記電気的に閉じられた領域の内部であることを特徴とする。この構成によって、従来技術よりも貫通導体の配置間隔を短くすることができ、従来技術ではSIW共振器の適用が困難となる比較的低い周波数帯域において、電磁波の必要な減衰効果を得ることができる。
また、本実施の形態1の電磁波減衰構造体21では、前記誘電体表出領域は、前記2つの貫通導体の一方の近傍に配置されることを特徴とする。この構成により、前記2つの貫通導体の一方の近傍に配置しない場合と比較して、多層誘電体基板14内で電波の通過する経路を長くでき、貫通導体の配置間隔を短くできる効果を得ることができる。
また、本実施の形態1の電磁波減衰構造体21では、前記誘電体表出領域は、前記2つの貫通導体の中間に配置されることを特徴とする。このように、前記誘電体表出領域は従来技術と同様の構成とした場合、表面導体層の製造コストを低減できる効果がある。
また、本実施の形態1の電磁波減衰構造体21では、N層の誘電体層16の中の隣接する2つの誘電体層16がロの字型またはコの字型の形状をなすように結合されることを特徴とする。この構成により、2つの貫通導体の中間付近で2つの誘電体層16が結合される場合と比較して、多層誘電体基板14内で電波の通過する経路を長くでき、貫通導体の配置間隔を短くできる効果を大きくすることができる。
また、本実施の形態1の電磁波減衰構造体21では、前記多層誘電体基板の主面から数えてK番目(Kは奇数)の誘電体層とK+1番目の誘電体層が前記2つの貫通導体の一方の近傍で結合され、前記多層誘電体基板の主面から数えてK+1番目の誘電体層とK+2番目の誘電体層が前記2つの貫通導体の他方の近傍で結合されることを特徴とする。この構成により、隣接する誘電体層16を2つの貫通導体の近傍で接続しない場合と比較して、多層誘電体基板14内で共振の発生する電磁波の経路を長くでき、貫通導体の配置間隔を短くできる効果を大きくすることができる。
また、本実施の形態1の電磁シールド構造体は、間隙を挟んで対向する一対の導体壁を備え、前記間隙に面する位置において、一対の前記導体壁のうち少なくとも一方の前記導体壁上に、本実施の形態に記載の電磁波減衰構造体21が設けられており、前記一方の前記導体壁と多層誘電体基板14の主面の反対側の面に位置する裏面導体層とが電気的に接続されていることを特徴とする。この構成によって、間隙の間を伝播する電磁波を効率的に減衰させることができる。
また、本実施の形態1の電磁シールド構造体において、一対の前記導体壁は、導電性を有する材料で構成されている扉と、前記扉の周囲を囲う導電性の扉枠とで構成されていることを特徴とする。この構成により、電波暗室等で用いられる電磁シールド扉101において、扉と扉枠の間を伝搬する電磁波を効率的に減衰させることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、誘電体層の厚みが同等の多層誘電体基板で小型SIW共振器を構成したのに対し、実施の形態2では誘電体層の厚みが異なる多層誘電体基板を含む小型SIW共振器を開示する。
まず、図12を用いて、実施の形態2に係る電磁シールド扉101について説明する。図12は、実施の形態2の電磁シールド扉101に用いる小型SIW共振器の構成例で、図9に示した、多層誘電体基板14を3層の導体層と2層の誘電体層とで構成する実施の形態1に係る電磁シールド扉101に用いる小型SIW共振器15の構成例において、裏面ベタ導体パターン11に接する下層の誘電体層の層厚を、表面導体パターン4に接する上層の誘電体層の2倍に厚くしていることを特徴とする。この小型SIW共振器15を有する多層誘電体基板14の電磁シールド扉101への取り付け方は実施の形態1と同じなので図による説明は省略する。
次に、実施の形態2に係る電磁シールド扉101の動作について説明する。まず、図9に示した小型SIW共振器15の1段構成時の電磁シールド特性は、貫通スルーホール列5の間隔が約1/8波長となる共振周波数をfとすると、周波数fの他に周波数fの奇数倍の高調波周波数においてもキャビティ共振が発生する。図9において、複数の誘電体層が概ね同じ厚さである場合、図13の破線で示すように、mを整数として、周期的な周波数であるf、3f、5f、7f、…、(2m+1)fにおいてそれぞれ狭帯域な減衰特性を有する電磁シールド特性が得られる。
一方、図12に示した小型SIW共振器の場合、誘電体層が厚い箇所における電磁界の分布が図9に示した小型SIW共振器15と異なるため、共振が発生する高調波周波数は周期的にならない。その結果、図13の実線で示すように、本実施の形態の場合は、非周期的な周波数であるf、3.5f、6f、…においてそれぞれ狭帯域な減衰特性を有する電磁シールド特性が得られる。つまり、図12に示した小型SIW共振器により、多層誘電体基板14で構成する小型SIW共振器でキャビティ共振が発生する高調波周波数を調整することが可能となり、この小型SIW共振器を有する多層誘電体基板14を、実施の形態1と同様に、金属の扉1と扉枠2の間隙に配置することで、非周期的な任意の周波数における離散的な減衰特性を有する電磁シールド扉を実現することができる。
このように、本実施の形態では、誘電体層が異なる厚みをもつ多層誘電体基板14で小型SIW共振器を構成することにより、非周期的な任意の周波数における離散的な減衰特性を有する電磁シールド扉101を得ることができる。
1:金属製の扉、2:扉枠、3:誘電体基板、4:表層導体パターン、5:貫通スルーホール列、6:結合孔、7:ヒンジ、8:開閉レバー、9:内層導体パターン、10:内層結合孔、11:ベタ導体パターン、12:SIW共振器、13:電磁波の伝搬方向、14:多層誘電体基板、15:小型SIW共振器、16:誘電体層、20、21:電磁波減衰構造体、100、101:電磁シールド扉

Claims (7)

  1. N+1層(N>=2)の導体層と前記N+1層の導体層の異なる2つの層の間にそれぞれ挟まれたN層の誘電体層とを有するとともに、前記N層の誘電体層に含まれる隣接する2つの誘電体層がそれぞれ一部で結合された多層誘電体基板と、
    前記多層誘電体基板の主面に位置し前記N+1層の導体層に属する表面導体層及び、前記多層誘電体基板の主面の反対側の面に位置し前記N+1層の導体層に属する裏面導体層を電気的に接続することにより、前記表面導体層及び前記裏面導体層とともに電気的に閉じられた領域を形成する2つの貫通導体とを備え、
    前記2つの貫通導体で挟まれた前記多層誘電体基板の主面は前記表層導体層が形成された領域と、前記誘電体層が表出している誘電体表出領域とを有し、前記隣接する2つの誘電体層が一部で結合される領域は前記電気的に閉じられた領域の内部であり、
    前記多層誘電体基板はSIW(Substrate Integrated Waveguide)共振器を形成し、
    前記多層誘電体基板の主面から数えてK番目(Kは奇数)の誘電体層とK+1番目の誘電体層が前記2つの貫通導体の一方の近傍で結合され、前記多層誘電体基板の主面から数えてK+1番目の誘電体層とK+2番目の誘電体層が前記2つの貫通導体の他方の近傍で結合される
    ことを特徴とする電磁波減衰構造体。
  2. 前記誘電体表出領域は、前記2つの貫通導体の一方の近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電磁波減衰構造体。
  3. 前記誘電体表出領域は、前記2つの貫通導体の中間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の電磁波減衰構造体。
  4. 前記N層の誘電体層に含まれる隣接する2つの誘電体層がロの字型またはコの字型の形状をなすように結合される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電磁波減衰構造体。
  5. 前記N層の誘電体層は異なる厚みをもつことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電磁波減衰構造体。
  6. 間隙を挟んで対向する1対の導体壁を備え、
    前記間隙に面する位置において、一対の前記導体壁のうち少なくとも一方の前記導体壁上に、請求項1乃至のいずれか1項に記載の電磁波減衰構造体が設けられており、
    前記一方の前記導体壁と前記裏面導体層とが電気的に接続されていることを特徴とする電磁シールド構造体。
  7. 一対の前記導体壁は、導電性を有する材料で構成されている扉と、前記扉の周囲を囲う導電性の扉枠とで構成されている
    ことを特徴とする請求項に記載の電磁シールド構造体。
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