JP5920930B2 - ガンマカメラ、spect装置、pet装置およびガンマ線計測画像生成方法 - Google Patents

ガンマカメラ、spect装置、pet装置およびガンマ線計測画像生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガンマカメラ、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography:単一光子放出断層撮影)装置、PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出核断層撮影)装置およびガンマ線計測画像生成方法に関する。
従来、ガンマカメラにおける散乱ガンマ線ノイズを除去する場合には、計測されたエネルギースペクトル上に主計測エネルギー窓および2つ副計測エネルギー窓を設け、主計測エネルギー窓の両側の副計測エネルギー窓で計測された散乱ガンマ線ノイズに基づき、主計測エネルギー窓における散乱ガンマ線ノイズを推定した上で、主計測窓で計測されたガンマ線の量からその推定された散乱ガンマ線ノイズを除去することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
このような散乱ガンマ線ノイズの推定・除去方法は、しばしばTEW(Triple Energy Window)法と呼ばれている。なお、TEW法の詳細については、本明細書では、実施形態の中で本発明と比較しながら説明する。
特開平5−87933号公報
ところで、小さなガンマ線検出素子を多数配列して構成するピクセル型のガンマ線検出器では、各ピクセルの検出素子からK特性X線が射出するKエスケープや検出器でのガンマ線散乱などにより、本来主計測エネルギー窓で計測されるべき直達ガンマ線であっても、そのエネルギーが低く計測される現象が多く発生する。そのため、本来、散乱成分が主である副計測エネルギー窓に、直達ガンマ線の計測信号が混入することになる。従って、TEW法では、散乱ガンマ線ノイズが過大に推定され、計測ガンマ線画像から除去されるので、計測ガンマ線画像に別のノイズが生じる。
そこで、本発明は、散乱ガンマ線によるノイズ量を適切に推定して除去し、ガンマ線計測画像の鮮明化を図ることが可能なガンマカメラ、SPECT装置、PET装置およびガンマ線計測画像生成方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガンマカメラは、ピクセル型のガンマ線検出器と、計測対象物から放出されるガンマ線が前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されずに入射したときに得られるエネルギースペクトルを検出器応答データとして予め記憶した記憶装置とおよび画像表示装置を有する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置は、計測対象物から放出されるガンマ線に対し設定された主計測エネルギー窓および前記主計測エネルギー窓とは異なる副計測エネルギー窓のそれぞれにより計測される前記ガンマ線の計数量に基づき、主計測計数画像および副計測計数画像を生成する第1の処理部と、前記検出器応答データと前記主計測計数画像とから、前記副計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定し、前記副計測計数画像から前記推定した直達ガンマ線の計数量を差し引いて、前記副計測計数画像に含まれる、前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されたガンマ線である散乱ガンマ線の計数量を推定する第2の処理部と、前記第2の処理部で推定した前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量に基づいて前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定する第3の処理部と、前記第3の処理部で推定された直達ガンマ線の計数量に基づき、ガンマ線計測画像を生成し、前記画像表示装置に表示する第4の処理部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、散乱ガンマ線によるノイズ量を適切に推定して除去し、ガンマ線計測画像の鮮明化を図ることが可能なガンマカメラ、SPECT装置、PET装置およびガンマ線計測画像生成方法が提供される。
TEW法による散乱ガンマ線ノイズの推定方法を模式的に示した図。 2核種同時撮像時のエネルギースペクトルの例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係るガンマカメラの構成の例を示した図。 シンチレータを用いてピクセル型検出器を構成した場合の検出器ヘッドの構成の例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック構成の例を示した図。 本発明の第1の実施形態に係るTEW−DRC法による散乱ガンマ線ノイズの推定方法を模式的に示した図。 本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック構成の一変形例を示した図。 2核種同時撮像の場合のエネルギースペクトルの例、および、そのとき設定される計測エネルギー窓の例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係り、2核種同時撮像時の直達ガンマ線画像取得のための情報処理装置の機能ブロック構成の例を示した図。 本発明の第2の実施形態に係り、クロストーク補正の様子を概念的に示した図。 2核種−Iの検出器応答を99mTcの単核種計測データとみなして、TEW−DRC法を適用する様子を示した図。 SPECT装置の概略構成の例を示した図。 PET装置の概略構成の例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
一般に、ガンマカメラでは、計測対象物となる線源と検出器との間の物体または検出システム自身によるガンマ線の散乱を避けることができないため、その計測データには、散乱ガンマ線がノイズとして混入する。また、計測対象物に異なるエネルギーを持つ複数のガンマ線が含まれる場合、相対的にエネルギーの高いガンマ線が散乱によりエネルギーを落とし、相対的にエネルギーの低いガンマ線のエネルギースペクトルに混入する。
本実施形態では、このような散乱ガンマ線によるノイズを推定する推定方法について、以下、核医学検査装置であるガンマカメラ、SPECT装置およびPET装置を例に説明する。なお、以下の実施形態の説明は、核医学検査装置に限らず一般のガンマカメラにも適用可能である。
核医学分野におけるガンマカメラやSPECT装置などで用いられる検査薬剤の核種としては、例えば、99mTc(141keV)、123I(159,529keV)、201Tl(70.8,135,167keV)、111In(171,245keV)、67Ga(93.3,185,300keV)などがある。また、脳機能SPECT検査では、99mTcや123Iによって標識化された薬剤が多く使用され、脳血流量の推定やてんかん焦点の探索などの神経伝達物質の受容体のイメージングなどに用いられている。
しかしながら、99mTcと123Iとでは、ガンマ線のエネルギーが接近しているため、それぞれの核種のエネルギーピークの分離が困難なことから、多核種同時撮像は、一般にはあまり広くは行われてはいない。
以上のような検査薬剤から放出されるガンマ線は、その線源から検出器までの間に存在する物質(被写体やコリメータなど)と相互作用し、吸収(減弱)され、あるいは、散乱される。散乱されたガンマ線は、進行方向が屈折しノイズとなるが、散乱時にエネルギーの一部を失うため直達ガンマ線よりもエネルギーが低くなる。
<比較例>
ここでは、まず、散乱ガンマ線によるノイズを推定する方法の比較例として、従来から一般的によく用いられているTEW法について説明する。図1は、TEW法による散乱ガンマ線ノイズの推定方法を模式的に示した図である。
図1に示すように、TEW法では、ガンマカメラを構成するガンマ線検出素子のそれぞれにより検出されたエネルギーに基づき作成されるエネルギースペクトルにおいて、そのピークエネルギーの範囲を含むように、主計測エネルギー窓(Main Window:以下、MWと略称)を設定する。そして、このMWの低エネルギー側に隣接する範囲に第1の副計測エネルギー窓(Lower Window:以下、LWと略称)を設定し、さらに、MWの高エネルギー側に隣接する範囲に第2の副計測エネルギー窓(Upper Window:以下、UWと略称)を設定する。
このとき、MWでは、ガンマ線源からの直達ガンマ線が多く検出され、LWでは、散乱ガンマ線が多く検出されるが、UWでは、直達ガンマ線も散乱ガンマ線もそれほど多くは検出されない。そこで、LWおよびUWのそれぞれにより検出されるガンマ線の平均値を、LWおよびUWのそれぞれにおける平均的な散乱ガンマ線のノイズレベルとみなし、その両者のノイズレベルにより、MWにおける散乱ガンマ線のノイズ量を推定する。
TEW法によるノイズ量の推定では、図1のエネルギースペクトルにおいて、LWの中央で、LWの平均的なノイズレベルの位置に点Pを設け、さらに、UWの中央で、UWの平均的なノイズレベルの位置に点Qを設け、得られた直線PQを、MWにおける散乱ガンマ線のノイズ量を定める散乱ガンマ線ノイズ推定線とみなす。すなわち、図1では、直線PQ(散乱ガンマ線ノイズ推定線)の下方の斜線で示された台形部分が推定された散乱ガンマ線のノイズ量に相当する。
そこで、MWでは、先に得られたエネルギースペクトルのピーク部分から、直線PQの下方の斜線で示された台形部分を引き去ることすれば、散乱ガンマ線によるノイズが除去されることになるので、MWにおける直達ガンマ線の計数量を得ることができる。なお、本明細書では、エネルギースペクトルの横軸をエネルギー、縦軸を計数値で表し、その計数値をエネルギー区間で積分した量を計数量と呼ぶことにする。
図2は、2核種同時撮像時のエネルギースペクトルの例を示した図である。図2において、破線は、99mTcおよび123Iを混合した2核種同時撮像時のエネルギースペクトルの例である。また、実線および一点鎖線は、それぞれ、99mTcおよび123Iを単核種線源とし、散乱ガンマ線がほぼ発生しない状態で計測したときのエネルギースペクトルの例である。
2核種同時撮像時のエネルギースペクトルの重なりには、主に次の2つの原因がある。第1は、相対的にエネルギーの高い123I由来のガンマ線が散乱によりエネルギーを落とし、相対的にエネルギーの低い99mTcのエネルギースペクトルに混入することによる。第2は、直達ガンマ線であっても、計測側のエネルギー分解能が十分でなく、検出エネルギーピークの拡がりが重なるためである。この現象は、クロストークと呼ばれる。
このように2核種同時撮像では、散乱体がなくとも、クロストークによって99mTcの計測エネルギー窓に対して123Iの信号が混入する。クロストークは、直達ガンマ線信号が検出過程でエネルギーを落としたものであるので、元の薬剤分布を反映しているが、散乱ガンマ線は、被写体内で屈折しエネルギーを落としたものであるので、広範囲に広がり、被写体の構造情報はあまり得られない。従って、2核種同時撮像では、99mTcのLW、MW、UWの中には、123I由来の散乱ガンマ線と直達ガンマ線のクロストークといった空間分布の大きく異なるノイズ成分が混入することとなる。
ところで、本実施形態で用いられるピクセル型検出器では、さらに、ガンマ線検出素子からK特性X線が射出するKエスケープや、ガンマ線検出素子に全吸収されずに散乱してしまう現象などにより、本来のガンマ線エネルギーよりも低いエネルギー信号が無視できない割合で検出される。以下、本明細書ではこの現象を検出エネルギーロスと呼ぶ。
実際に、図2を参照すると、散乱体のない場合のエネルギースペクトルは、散乱ガンマ線がないにも関わらず、本来のガンマ線エネルギーであるスペクトルピークよりも低エネルギー側で広く検出されている。検出エネルギーロスは、前記の多核種同時撮像時のクロストークのように、実際には計測すべき真の信号である直達ガンマ線であるが、誤ったエネルギー情報を持つため、他の計測エネルギー窓に混入してしまう場合がある。そのため、この検出エネルギーロスは、多核種同時撮像時のみならず、単核種撮像時においても、複数のエネルギー窓を用いる散乱ガンマ線によるノイズ補正を行う場合には、計測精度を悪化させる要因となっている。
以下、検出エネルギーロスを考慮した散乱ガンマ線のノイズの推定方法について、単核種撮像時の例を第1実施形態として、多核種撮像時の例を第2実施形態として、適宜図面を用いて説明する。
<第1の実施形態>
図3は、本発明の第1の実施形態に係るガンマカメラの構成の例を示した図である。図3に示すように、ガンマカメラ1は、多数の半導体ガンマ線検出器12がアレイ状に配置されて構成されたピクセル型ガンマ線検出器を収納した検出器ヘッド10と、半導体ガンマ線検出器12で検出された検出信号から計測対象物5のガンマ線計測画像を生成する情報処理装置20と、を含んで構成される。
ここで、検出器ヘッド10は、半導体ガンマ線検出器12の他に、コリメータ11、信号増幅器15、パケット情報生成装置16などを備える。また、情報処理装置20は、画像表示装置25などを備え、通信ケーブル17を介して、検出器ヘッド10のパケット情報生成装置16に接続される。
計測対象物5から放出されたガンマ線6は、コリメータ11により入射方向を制限され、半導体ガンマ線検出器12に入射する。半導体ガンマ線検出器12に入射したガンマ線6は、半導体ガンマ線検出器12との相互作用により半導体ガンマ線検出器12内に図示しない電子と正孔を発生させる。半導体ガンマ線検出器12は、この電子と正孔を図示しない正負の電極間の電気信号として計測する。そして、その計測された電気信号は、信号増幅器15により増幅され、さらに、図示しないA/D(Analog to Digital)変換器によりディジタル情報に変換され、パケット情報生成装置16に送られる。パケット情報生成装置16は、このディジタル変換されたガンマ線6の検出信号について、検出時刻、検出エネルギー、検出した検出器番号または検出位置を、ガンマ線検出データとしてパケット化し、情報処理装置20へ転送する。
本実施形態では、コリメータ11として、パラレルホールコリメータ、半導体ガンマ線検出器12として、カドミウムテルル(CdTe)を用いるものとする。ただし、本実施形態に係るガンマカメラ1において、コリメータ11の種類や半導体ガンマ線検出器12の材料について、とくに制限はない。例えば、コリメータ11には、ピンホールやファンビームコリメータを用いることができ、また、半導体ガンマ線検出器12の材料として、臭化タリウム(TlBr)、カドミウムテルル亜鉛(CZT)などを用いることができる。
図4は、シンチレータを用いてピクセル型検出器を構成した場合の検出器ヘッドの構成の例を示した図である。図4に示すように、検出器ヘッド10aは、コリメータ11、シンチレータ13、光検出器14、信号増幅器15、パケット情報生成装置16などにより構成される。すなわち、検出器ヘッド10aは、図3に示した検出器ヘッド10における半導体ガンマ線検出器12をシンチレータ13と光検出器14で置き換えたものであり、図3に示した検出器ヘッド10の一変形例である。
ここで、シンチレータ13の材料としては、臭化ランタン(LaBr)やヨウ化ナトリウム(NaI)などを用いることができ、また、光検出器14としては、光電子増倍管やMPPC(Multi-Pixel Photon-Counter)などを用いることができる。
なお、本明細書の以下の説明では、検出器ヘッド10の構成は、図3に基づくものとし、ガンマ線6の検出器としてカドミウムテルル(CdTe)の半導体ガンマ線検出器12を用いるものとする。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置20の機能ブロック構成の例を示した図である。なお、ここでは、情報処理装置20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)および記憶装置(半導体メモリ、ハードディスク装置など)を備えたコンピュータによって構成されるものとする。
情報処理装置20は、CPUが記憶装置に記憶されたプログラムを実行することによって、その機能が実現されるブロックとして、エネルギースペクトル生成部30、エネルギー窓別計数画像生成部33、散乱ガンマ線除去演算部40などを有する。また、情報処理装置20は、記憶装置上に構成されるブロックとして、スペクトル記憶部31、検出器応答記憶部32、主計測計数画像記憶部36、第1副計測計数画像記憶部37、第2副計測計数画像記憶部38、直達ガンマ線画像記憶部39などを有する。
エネルギースペクトル生成部30は、検出器ヘッド10のパケット情報生成装置16から転送されるてくるパケット情報に含まれるガンマ線検出データ用いて、検出ガンマ線のエネルギースペクトルを生成し、スペクトル記憶部31に格納する。
検出器応答記憶部32には、計測対象物5の核種から放出されるガンマ線6が散乱されることなく当該ガンマ線検出器に入射した場合のエネルギースペクトルが検出器応答データとして格納される。検出器応答データは、事前に実計測、または、シミュレーション計算などによって得られるものとする。
エネルギー窓別計数画像生成部33は、パケット情報生成装置16から送られてくるパケット情報に含まれている検出エネルギーに基づき、それぞれ1つ以上の主計測エネルギー窓および副計測エネルギー窓を設定し、それぞれの計測エネルギー窓ごとに検出位置ごとのガンマ線検出信号を計数し、それぞれの計数画像を作成する。
本実施形態では、計測対象物5として99mTc単核種(141keV)を用い、そのエネルギースペクトル(図1参照)に対し、1つの主計測エネルギー窓と2つの副計測エネルギー窓を設定する。図1では、MW(130−150keV)は、主計測エネルギー窓に該当し、LW(120−130keV)およびUW(150−160keV)は、それぞれ、2つの副計測エネルギー窓である第1副計測エネルギー窓および第2副計測エネルギー窓に該当する。
エネルギー窓別計数画像生成部33によって、計測エネルギー窓ごとに生成された計数画像は、それぞれ、主計測計数画像記憶部36、第1副計測計数画像記憶部37および第2副計測計数画像記憶部38に格納される。
散乱ガンマ線除去演算部40は、副計測窓散乱線計数量推定部41、主計測窓直達線計数量推定部42、逐次近似処理制御部43を含んで構成される。
副計測窓散乱線計数量推定部41は、検出器応答記憶部32に記憶されている検出器応答データと主計測計数画像記憶部36に記憶されている主計測計数画像とから、副計測エネルギー窓の計数画像に含まれる直達ガンマ線の成分を推定し、その成分を副計測計数画像から引き去ることにより、副計測エネルギー窓における散乱ガンマ線成分の計数画像を推定する。
主計測窓直達線計数量推定部42は、前記推定された散乱ガンマ線成分の副計測計数画像を用いて主計測エネルギー窓における散乱ガンマ線成分を推定し、その成分を主計数画像から引き去ることにより、直達ガンマ線を成分とする主計測計数画像を推定する。
逐次近似処理制御部43は、副計測窓散乱線計数量推定部41で得られる結果を入力として主計測窓直達線計数量推定部42の処理を実行させるとともに、主計測窓直達線計数量推定部42で得られる結果を入力として副計測窓散乱線計数量推定部41の処理を実行させる処理を、繰り返し反復して実行させる。さらに、逐次近似処理制御部43は、前記の反復処理を繰り返すたびに、予め設定された収束条件に到達したか否かを判定し、その収束条件に到達したときには、前記の反復処理を停止させ、そのとき得られた主計測窓直達線計数量推定部42の出力を、散乱ガンマ線によるノイズ成分を適切に見積もって除去した直達ガンマ線画像として、直達ガンマ線画像記憶部39に格納するとともに、適宜画像表示装置25に表示する。
続いて、散乱ガンマ線除去演算部40における演算処理過程の詳細を、99mTc単核種を計測対象物5とした場合を例に数式を用いて説明する。
なお、以下に説明する演算処理は、計数画像上の画素値ごとに行っても、画素値の総和や平均に基づいて行っても、または、計数画像を任意の範囲に領域分割した上で各領域内の画素値の総和や平均に基づいて行ってもよい。ただし、計数画像上の各画素の統計精度が十分であれば画素ごとに行うのが妥当である。
まず、図1に示したTEW法では、核種Nからの直達ガンマ線が計測エネルギー窓Xで計測される計数量をN(X)、核種Nの散乱ガンマ線のうち計測エネルギー窓Xで計測される計数量をN(X)とすれば、計測エネルギー窓Xで計測される計数画像Eは、次の式(1)によって表される。ここで、X=Mは、MW(Main Window)を、X=Lは、LW(Lower Window)を、X=Uは、UW(Upper Window)を意味する。
なお、本実施形態では、N(X)やN(X)は、計数画像E内の各画素の計数量とするが、説明が煩雑になるのを避けるために、N(X)、N(X)およびEの各画素を示す添え字は省略した。ただし、このことが本発明を限定するものではなく、前記したように以降の演算処理の範囲は任意である。
Figure 0005920930
すなわち、LWで計測される計数画像Eは、計測対象物5の核種Nの散乱ガンマ線のうちLWで計測される散乱ガンマ線の計数量N(L)で表され、主計測窓となるMSで計測される計数画像Eは、直達ガンマ線の計数量N(M)とMWで計測される散乱ガンマ線の計数量N(M)との合計で表され、UWで計測される計数画像Eは、UWで計測される散乱ガンマ線の計数量N(U)で表される。ただし、N(U)=0となる場合が多い。
TEW法では、これらの計数画像E、E、Eから、MWに混入する散乱ガンマ線の計数量N(M)を、図1に示した台形(斜線部)近似によって推定する。そして、直達ガンマ線の計数量N(M)を、次の式(2)により算出する。
Figure 0005920930
なお、式(2)において、Wxは、計測エネルギー窓Xの幅であり、Cは、計測エネルギー窓Xの中央値である。また、式中の(α・E+β・E)は、推定される散乱ガンマ線の計数量であり、図1の台形部分(斜線部)の面積に相当する。
ところで、ガンマ線検出器が本実施形態のようにピクセル型検出器である場合には、前記した検出エネルギーロスにより、直達ガンマ線であっても、本来のエネルギーよりも低いエネルギーのガンマ線として検出される割合が大きくなる。これは、本来はMWで検出されるべき直達ガンマ線がLWで検出されることを意味し、このことは、次の式(3)で表される。
Figure 0005920930
すなわち、LWの計数画像Eには、直達ガンマ線の一部が含まれるので、実際の散乱ガンマ線の計数量N(L)よりも大きくなる。つまり、従来のTEW法で、図1の斜線部の台形の面積として推定されるMWにおける散乱ガンマ線の計数量N(M)は、過大に見積もられ、直達ガンマ線の計数量N(M)は、過補正されていることになる。
そこで、本実施形態では、LWに混入する直達ガンマ線の計数量N(L)を推定したうえで除去する。そのため、本実施形態では、事前に計測対象の核種に由来する直達ガンマ線が当該ガンマ線検出器に入射した場合に、どのようなエネルギーとして計測されるかの確率分布を計測または計算により求めておき、検出器応答データとして検出器応答記憶部32に格納しておく。なお、このような検出器応答データは、例えば、点線源や厚さの薄い面線源などを計測することで得ることができる。
すなわち、検出器応答データとMWの計数画像Eとを用いれば、LWに含まれる直達ガンマ線の計数量N(L)を推定することができる。そして、この推定されたLWに含まれる直達ガンマ線の計数量N(L)をLWの計数画像Eから減算することでLWに含まれる散乱ガンマ線の計数量N(L)を求める。以下、このようにしてLWに含まれる散乱ガンマ線の計数量N(L)を推定する方法を、TEW法と区別して、TEW−DRC法と呼ぶ。
図6は、本発明の第1の実施形態に係るTEW−DRC法による散乱ガンマ線ノイズの推定方法を模式的に示した図である。図6において、Tc計測データとは、散乱体を含む被写体における99mTcのエネルギースペクトルであり、Tcの検出器応答とは99mTc面線源のエネルギースペクトルである。また、計測・検出器応答とは、Tc計測データからTcの検出器応答を差し引いたものであり、Tc計測データのうち散乱ガンマ線成分とみなすことができる。
従来のTEW法では、直線PQによって散乱ガンマ線成分を推定していたが、本実施形態(TEW−DRC法)では、直線PQと直線RQに挟まれる部分をLWに混入する直達ガンマ線成分とみなし、直線PQの下側の台形部分(斜線部)の面積を散乱ガンマ線成分と推定する。
以下、TEW−DRC法による散乱ガンマ線ノイズ推定の処理を、式(4)〜(8)を用いて説明する。これらの処理で最終的に求めたいものは、MWにおける直達ガンマ線の計数量N(M)であるが、ここでは、図6に示した推定方法を適用するために、まず、LWの散乱ガンマ線の計数量N(L)を求める。
ここで、式(4)により、LWでの検出器応答の総計数量NDR(L)のMWでの検出器応答の総計数量NDR(M)に対する比を、検出器応答比fとして定義する。
Figure 0005920930
そうすると、LWの直達ガンマ線の計数量N(L)は、MWの直達ガンマ線の計数量N(M)に検出器応答比fを乗じたものとみなすことができる。従って、式(3)により、式(5)が得られる。
Figure 0005920930
しかしながら、式(5)の右辺に含まれるMWの直達ガンマ線の計数量N(M)は、これから求めようとしているものであり未知である。そこで、まずは、式(2)のEをN(L)で置き換え、式(6)を得る。この処理は、主計測窓直達線計数量推定部42の処理(図5、図6参照)に相当する。
Figure 0005920930
こうして得られたN(M)を式(5)に代入し、式(5)で得られたN(M)を式(6)に代入することを繰り返し行えば、式(7)および式(8)で表される漸化式が得られる。
Figure 0005920930
以上の式(7)および式(8)において、nは、繰り返しの回数を表す。また、これらの漸化式における初期値は、NS,0(L)=Eである。
そして、式(5)または式(7)を演算することは、副計測窓散乱線計数量推定部41(図5参照)の処理に相当し、式(6)または式(8)を演算することは、主計測窓直達線計数量推定部42の処理に相当する。
逐次近似処理制御部43は、前記の漸化式の繰り返し演算を制御するとともに、収束判定を行う。収束判定は、例えば、式(8)の演算値の前回値との差分が所定のしきい値よりも小さくなったことを判定することなどによって行うことができる。また、その収束判定により、収束したと判定された場合には、そのとき得られた式(8)の演算値を、MWにおいて散乱ガンマ線の計数量が適切に除去された直達ガンマ線の計数量とする。
ところで、以上の説明では、主計測窓直達線計数量推定部42における演算方法としてTEW法を用いている。TEW法は、式(2)に示したように、平易な演算式に基づいているため、式(7)および式(8)の漸化式については、式(9)に示すような解析解を得ることができる。
Figure 0005920930
図7は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の機能ブロック構成の一変形例を示した図である。図7に示す情報処理装置20aの機能ブロック構成は、図5に示した情報処理装置20の構成のうち逐次近似処理制御部43を解析解演算部44で置き換えたものとなっている。すなわち、この変形例では、散乱ガンマ線除去演算部40aは、副計測窓散乱線計数量推定部41および主計測窓直達線計数量推定部42および解析解演算部44を含んで構成される。
つまり、この変形例における情報処理装置20aの機能ブロック構成は、式(7)および式(8)の漸化式が解析解を有する場合に適合させたものである。従って、解析解演算部44は、副計測窓散乱線計数量推定部41および主計測窓直達線計数量推定部42の処理を繰り返して反復実行させる制御をするのではなく、式(9)に従って直接にN(M)を演算する。
以上説明した第1の実施形態について、以下補足しておく。第1の実施形態では、主計測窓直達線計数量推定部42の基礎となる推定法としてTEW法を用いたため、式(7)、式(8)、式(9)などの数式表現が可能となっている。しかしながら、このような数式表現に限定されず、主計測窓直達線計数量推定部42における推定処理に、ニューラルネットやモンテカルロシミュレーションなどを利用するものであってもよい。
また、以上に説明した第1の実施形態に係るガンマカメラ1は、医療用ガンマカメラに限らず、例えば、屋内外における環境放射線を計測するために用いるガンマカメラに適用可能である。
以上、本発明の第1の実施形態では、副計測窓(LW,UW)で計測されるガンマ線の計数量の中に混入する直達ガンマ線の計数量を評価した結果に基づき、副計測窓(LW,UW)における散乱ガンマ線の計数量を推定している。そのため、主計測窓(MW)で計測されるガンマ線の計数量の中に含まれる散乱ガンマ線の計数量を高精度に推定することが可能となるので、主計測窓(MW)で計測されるガンマ線の計数量の中に含まれる直達ガンマ線の計数量の推定精度が向上する。
すなわち、ガンマカメラ1によって撮像される計測画像から、散乱ガンマ線ノイズ成分が精度よく推定され、除去されるので、その計測画像はより鮮明なものとなる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態では、複数の異なるエネルギーピークを有するガンマ線を計測する場合について、99mTc(141keV)および123I(159keV、529keV)の2核種同時撮像を例にとって説明する。図8は、2核種同時撮像の場合のエネルギースペクトルの例、および、そのとき設定される計測エネルギー窓の例を示した図である。
計測対象物5から放出されるガンマ線6が複数のエネルギーピークを有する場合には、計測エネルギー窓の設定数は、そのエネルギーピークの数に応じて変わる。本実施形態での2核種同時撮像では、図8に示すように、99mTc(141keV)について、主計測エネルギー窓(MW:130−148keV)と、第1副計測エネルギー窓(LW:120−130keV)と、第2副計測エネルギー窓(UW:148−150keV)とを設定し、また、123I(159keV)について、主計測エネルギー窓B(MWB:155−170keV)と、第1副計測エネルギー窓B(LWB:150−155keV)と、第2副計測エネルギー窓B(UWB:170−180keV)とを設定した。
なお、123Iは、529keVにもエネルギーピークを有するが、本実施形態で使用するエネルギーの範囲から離れていること、そのピークが大きくないこと、本実施形態の説明を簡略化できることなどを理由として、529keVのエネルギーピークを無視する。ただし、このことが本発明を限定するものではない。
図9は、本発明の第2の実施形態に係り、2核種同時撮像時の直達ガンマ線画像取得のための情報処理装置の機能ブロック構成の例を示した図である。図9に示すように、第2の実施形態に係る情報処理装置20bの機能ブロック構成は、図5に示した第1の実施形態に係る情報処理装置20の機能ブロック構成に、第2の主計測エネルギー窓(MWB)および第2の副計測エネルギー窓(LWB,UWB)のそれぞれで計測される計数量を記憶するための主計測B計数画像記憶部66、第1副計測B計数画像記憶部67、第2副計測B計数画像記憶部68が追加されたものとなっている。
また、前記したように、異なるエネルギーを持つ複数のガンマ線間では計測される計数量のクロストークが生じ、そのクロストークがノイズ成分となる。そのため、本実施形態では、散乱ガンマ線除去演算部40bにクロストークによるノイズ成分を補正するためのクロストーク補正部45が追加されている。
図8および図2から分かるように、123Iの計測エネルギー窓は、99mTcの検出器応答がゼロの範囲(150keV以上)に設定されているため、99mTc由来のガンマ線の影響はない。すなわち、123Iについては123I単核種撮像の場合と同様に扱えるため、情報処理装置20bは、第1の実施形態で示した散乱ガンマ線除去演算部40,40aの処理と同様の処理を実行すればよい。
ところで、123I由来のガンマ線のエネルギーは、99mTcの計測エネルギー窓に比較し高いため、99mTcの計測エネルギー窓では99mTc由来のガンマ線に加え、123I由来の直達ガンマ線と散乱ガンマ線が計測される。
そのため、図9に示すように、情報処理装置20bは、クロストーク補正部45により、99mTcに関する各計数画像について、123I由来のガンマ線を可能な限り除去する。具体的には、99mTcに関する各計数画像から、散乱ガンマ線除去前の123Iの主計測B計数画像に123Iの各エネルギー窓間の応答関数比を乗じたものをそれぞれ減算することによって、123Iのクロストークおよび検出エネルギーロスの影響を排除する。
なお、以上のクロストーク補正の手順では、123Iの主計測B計数画像を用いたが、主計測B計数画像と123Iに関する任意の1つ以上の計数画像とを組み合わせて用いるようにしてもよい。その場合のクロストーク補正の基本的な考え方について、以下、図10を用いて説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係り、クロストーク補正の様子を概念的に示した図である。図10において、太い破線は、2核種同時計測のエネルギースペクトルを表し、細い破線は、同一ファントムにて単核種計測を行ったときの123Iのエネルギースペクトルを表し、一点鎖線は、123Iの検出器応答を表している。
また、太い実線で表された2核種−Iの検出器応答は、2核種同時計測データ(太い破線)から123Iの検出器応答(一点鎖線)を差し引いたものである。従って、2核種−Iの検出器応答は、99mTcの単核種計測データに相当するものということができ、2核種−Iの検出器応答を求める処理は、クロストーク補正部45の処理を概念的に表したものに他ならない。
以上のようなクロストーク補正部45の処理により、99mTcに関する副計測エネルギー窓(LW,UW)に含まれる123Iの検出器応答分が除去される。従って、99mTcの主計測エネルギー窓(MW)における散乱ガンマ線ノイズ推定線は、直線71の位置から直線72の位置に更新される。すなわち、クロストーク補正部45の処理により、123Iによるクロストーク補正がされた99mTcに関する主計測計数画像、第1副計測計数画像、第2副計測計数画像が得られる。
従って、情報処理装置20bは、これらの計測画像を99mTc単独のMW,LW,UWの計測データとみなし、第1の実施形態で説明したTEW−DRC法を適用することによって、図11に示すように99mTcの主計測計数画像に含まれる散乱ガンマ線を除去することができる。
図11は、2核種−Iの検出器応答を99mTcの単核種計測データとみなして、TEW−DRC法を適用する様子を示した図である。なお、図11において、太い破線は、2核種同時計測のエネルギースペクトルを表し、太い実線は、2核種−Iの検出器応答を表している。これらは、図10と同じものである。また、細い実線は、Tcの検出器応答を表し、一点鎖線は、2核種−I応答−Tc応答、すなわち、2核種−Iの検出器応答から、さらに、Tcの検出器応答を差し引いたものを表している。
図10を用いて説明したクロストーク補正部45の処理により、2核種−Iの検出器応答、すなわち、クロストーク補正されたTcの計測データに相当するものが得られるので、情報処理装置20bは、これ対して、主計測エネルギー窓(MW)および副計測エネルギー窓(LW,UW)を設定し、TEW−DRC法を適用することができる。その結果、図11に示すように、99mTcの主計測エネルギー窓(MW)における散乱ガンマ線ノイズ推定線は、直線72の位置から直線73の位置に更新される。すなわち、MWに含まれる99mTcのガンマ線の計数量のうち、直線73の下方の網掛けした台形部分の面積に相当する部分が散乱ガンマ線ノイズ量として除去される。
以上、第2の実施形態によれば、複数の異なるエネルギーピークを有するガンマ線を計測において、クロストークノイズ(エネルギーロスも含む)および散乱ガンマ線ノイズを除去した複数のエネルギーについての直達ガンマ線画像を得ることができるようになる。従って、ガンマカメラ1によって撮像される計測画像から、散乱ガンマ線ノイズだけでなくクロストークノイズやエネルギーロスなどのノイズ成分が適切に除去されるので、その計測画像はより鮮明なものとなる。
<第3の実施形態>
図12は、SPECT装置の概略構成の例を示した図である。図12に示すように、SPECT装置80は、1つ以上の検出器ヘッド81と、検出器ヘッド81を搭載して被写体84の周囲を回転するガントリ82と、被写体84の周囲を回転する検出器ヘッド81により複数の方向から撮像された被写体84の計数画像用いて、被写体84の断層撮像画像を再構成する制御コンピュータ83と、を含んで構成される。
検出器ヘッド81は、第1の実施形態に係るガンマカメラ1の検出器ヘッド10を用いることができる。従って、検出器ヘッド81は、図3に示した検出器ヘッドと同様の構成を有するピクセル型ガンマ線検出器であり、コリメータ11、半導体ガンマ線検出器12、信号増幅器15、パケット情報生成装置16などを含んで構成される。そして、半導体ガンマ線検出器12は、例えば、カドミウムテルル(CdTe)などで形成されている。
ガントリ82に搭載された検出器ヘッド81は、円形状のガントリ82に沿って、自在に回転移動し、その回転角度は、任意に設定可能であるが、一般的には、被写体84の周囲を180度または360度回転可能なように構成にされている。また、検出器ヘッド81は、ガントリ82の直径方向にも移動可能に構成されており、被写体84との距離も、適宜設定可能である。
なお、図示を省略したが、ガントリ82には、検出器ヘッド81の回転角度や回転半径(被写体84との距離)を取得する検出器ヘッド位置計測装置が併せて設けられている。この検出器ヘッド位置計測装置によって取得された検出器ヘッド81の回転角度や回転半径の情報は、パケット情報生成装置16を介して制御コンピュータ83へ送信される。
制御コンピュータ83は、第1の実施形態および第2の実施形態で示した情報処理装置20,20a,20b(図5、図7、図9参照)のいずれかと同様の機能ブロック構成を有し、さらに、被写体84の断層撮像画像を再構成する処理を行う断層撮像画像再構成部(図示省略)を備えている。
制御コンピュータ83は、エネルギー窓別計数画像生成部33(図5参照)により、被写体84から放出されるガンマ線のエネルギースペクトルに応じて、適宜、計測エネルギー窓ごとの計数画像を生成する。SPECT装置80では、この計測エネルギー窓ごとの計数画像は、それぞれの検出器ヘッド81の位置(回転角度や回転半径)ごとに別々に作成される。
なお、このとき生成される計数画像の記録フォーマットは、例えば、サイノグラムと呼ばれるSPECT装置80で一般的に用いられる計測データ記録フォーマットであってもよい。サイノグラムは、検出器ヘッド81の回転角度と回転半径との組合せにより定まるLOR(Line of Response)ごとに編集される計測データ記録フォーマットである。
以上のようにして得られた計測エネルギー窓ごと、検出器ヘッド81の位置ごとの計数画像は、散乱ガンマ線除去演算部40,40a,40bの処理により、散乱ガンマ線のノイズ成分が除去された直達ガンマ線画像として直達ガンマ線画像記憶部39にいったん記憶される。次に、制御コンピュータ83は、図示しない断層画像再構成部の処理を実行して、複数の位置から撮像された直達ガンマ線画像を断層画像に変換し、その断層画像を、適宜、画像表示装置85に表示する。
なお、本実施形態では、検出器ヘッド81を回転させて被写体84を撮像するとしたが、検出器ヘッド81を揺らすように動かしたり、平行移動させたりして被写体84を撮像してもよい。また、前記したように、本実施形態では、制御コンピュータ83の構成を、情報処理装置20,20a,20b(図5、図7、図9参照)のいずれの構成でもよいことにしたため、被写体84の多核種同時撮像にも対応可能である。
以上、第3の実施形態によれば、SPECT装置80によって得られる断層画像から散乱ガンマ線成分が除去されるので、より鮮明な断層画像が得られる。
<第4の実施形態>
図13は、PET装置の概略構成の例を示した図である。図13に示すように、PET装置90は、複数の検出器ヘッド91と、その複数の検出器ヘッド91が被写体94を全周360度にわたって取り囲むように設けられたガントリ92と、複数の検出器ヘッド91のそれぞれから得られる検出信号に基づき、予め定められた時間窓内に検出される2つのガンマ線を同時計数する同時計測装置96と、その同時計測装置96で計測される2つのガンマ線の同時計数量を用いて、被写体94の断層撮像画像を再構成する制御コンピュータ93と、を含んで構成される。
ここで、検出器ヘッド91としては、第1の実施形態で示したガンマカメラ1の検出器ヘッド10を変形したもの用いることができる。検出器ヘッド91は、いわゆるピクセル型ガンマ線検出器であり、図3に示した検出器ヘッド10と同じ構成であってもよいが、PET装置90では、一般的にはコリメータ11は不要であるので、ここでは、その検出器ヘッド91の構成は、図3の検出器ヘッド10の構成からコリメータ11を削除した構成であるとする。
従って、本実施形態では、検出器ヘッド91は、半導体ガンマ線検出器12、信号増幅器15、パケット情報生成装置16などにより構成されるものとする。また、半導体ガンマ線検出器12は、例えば、カドミウムテルル(CdTe)などで形成されているものとする。
同時計測装置96は、パケット情報生成装置16から入力される複数のパケット情報に含まれるガンマ線の検出時刻が予め設定された時間窓内であり、かつ、検出位置の組み合わせから定まるLOR(Line of Response)が撮像視野内である場合に、同時計数情報として同時計数パケットを制御コンピュータ93に送信する。
ここで、制御コンピュータ93は、第1の実施形態で示した情報処理装置20,20a(図5、図7参照)のいずれかと同様の機能ブロック構成を有する。PET装置90ではポジトロン核種のみが撮像対象となるため、複数核種のエネルギーピークを考慮する必要がない。そのため、複数核種のエネルギーピークやクロストーク等を考慮した第2の実施形態に係る情報処理装置20bの構成については、考慮する必要がない。ただし、PET装置90でSPECT装置80を共用する場合には、制御コンピュータ93は、情報処理装置20b(図9参照)の構成を有する必要がある。
そこで、制御コンピュータ93(情報処理装置20)は、エネルギー窓別計数画像生成部33(図5参照)で、同時計測装置96から送信される同時計数パケット情報を用いて計測エネルギー窓ごとの計数画像を生成する。PET装置90では、この計測エネルギー窓ごとの計数画像は、同時計数した2つの検出器の組合せによって定まるLOR(Line of Response)ごとに編集される計測データ記録フォーマットであるサイノグラムとして、計測エネルギー窓ごとに複数作成される。
以上のようにして得られた計測エネルギー窓ごと、検出器ヘッド91ごとの計数画像は、散乱ガンマ線除去演算部40,40aの処理により、散乱ガンマ線のノイズ成分が除去された直達ガンマ線画像として直達ガンマ線画像記憶部39にいったん記憶される。次に、制御コンピュータ93は、図示しない断層画像再構成部の処理を実行して、複数の検出器ヘッド91で撮像された直達ガンマ線画像を断層画像に変換し、その断層画像を、適宜、画像表示装置95に表示する。
以上、第4の実施形態によれば、PET装置90によって得られる断層画像から散乱ガンマ線成分が除去されるので、より鮮明な断層画像が得られる。
1 ガンマカメラ
5 計測対象物
6 ガンマ線
10,10a 検出器ヘッド
11 コリメータ
12 半導体ガンマ線検出器
13 シンチレータ
14 光検出器
15 信号増幅器
16 パケット情報生成装置
17 通信ケーブル
20,20a,20b 情報処理装置
25 画像表示装置
30 エネルギースペクトル生成部
31 スペクトル記憶部
32 検出器応答記憶部
33 エネルギー窓別計数画像生成部
36 主計測計数画像記憶部
37 第1副計測計数画像記憶部
38 第2副計測計数画像記憶部
39 直達ガンマ線画像記憶部
40,40a,40b 散乱ガンマ線除去演算部
41 副計測窓散乱線計数量推定部
42 主計測窓直達線計数量推定部
43 逐次近似処理制御部
44 解析解演算部
45 クロストーク補正部
66 主計測B計数画像記憶部
67 第1副計測B計数画像記憶部
68 第2副計測B計数画像記憶部
80 SPECT装置
81 検出器ヘッド
82 ガントリ
83 制御コンピュータ
84 被写体
85 画像表示装置
90 PET装置
91 検出器ヘッド
92 ガントリ
93 制御コンピュータ
94 被写体
95 画像表示装置
96 同時計測装置

Claims (10)

  1. ピクセル型のガンマ線検出器と、計測対象物から放出されるガンマ線が前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されずに入射したときに得られるエネルギースペクトルを検出器応答データとして予め記憶した記憶装置および画像表示装置を有する情報処理装置と、を備え、
    前記情報処理装置は、
    計測対象物から放出されるガンマ線に対し設定された主計測エネルギー窓および前記主計測エネルギー窓とは異なる副計測エネルギー窓のそれぞれにより計測される前記ガンマ線の計数量に基づき、主計測計数画像および副計測計数画像を生成する第1の処理部と、
    前記検出器応答データと前記主計測計数画像とから、前記副計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定し、前記副計測計数画像から前記推定した直達ガンマ線の計数量を差し引いて、前記副計測計数画像に含まれる、前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されたガンマ線である散乱ガンマ線の計数量を推定する第2の処理部と、
    前記第2の処理部で推定した前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量に基づいて前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定する第3の処理部と、
    前記第3の処理部で推定された直達ガンマ線の計数量に基づき、ガンマ線計測画像を生成し、前記画像表示装置に表示する第4の処理部と、
    を有すること
    を特徴とするガンマカメラ。
  2. 前記情報処理装置は、
    前記計測対象物から放出されるガンマ線が第1のピークエネルギーを有する第1のガンマ線と前記第1のピークエネルギーよりも低い第2のピークエネルギーを有する第2のガンマ線とを含み、前記第2のガンマ線についてのガンマ線計測画像を生成する場合には、
    前記第1の処理部の処理を実行後、前記第1の処理部で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像から、前記記憶装置に記憶されている前記第1のガンマ線についての検出器応答データにより求められる前記主計測エネルギー窓および前記副計測エネルギー窓に対応する計数量を差し引いた値を、それぞれ、前記第1の処理部で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像とみなして、前記第2の処理部ないし前記第4の処理部の処理を実行すること
    を特徴とする請求項1に記載のガンマカメラ。
  3. ピクセル型のガンマ線検出器と、計測対象物から放出されるガンマ線が前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されずに入射したときに得られるエネルギースペクトルを検出器応答データとして予め記憶した記憶装置および画像表示装置を有する情報処理装置と、を備え、
    前記情報処理装置は、
    計測対象物から放出されるガンマ線に対し設定された主計測エネルギー窓および前記主計測エネルギー窓とは異なる副計測エネルギー窓のそれぞれにより計測される前記ガンマ線の計数量に基づき、主計測計数画像および副計測計数画像を生成する第1の処理部と、
    前記記憶装置に記憶されている前記検出器応答データについて、前記主計測エネルギー窓に含まれる計数量に対する前記副計測エネルギー窓に含まれる計数量の比を検出器応答比として算出する第2の処理部と、
    前記副計測計数画像に含まれる、前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されたガンマ線である散乱ガンマ線の計数量を推定する第3の処理部と、
    前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定する第4の処理部と、
    前記第4の処理部で推定された直達ガンマ線の計数量が収束したか否かを判定し、収束したと判定されるまで、前記第3の処理部の処理および前記第4の処理部の処理を繰り返し実行させる第5の処理部と、
    前記第5の処理部における収束判定で収束したと判定された場合には、前記第4の処理部で推定された直達ガンマ線の計数量に基づくガンマ線計測画像を生成し、前記画像表示装置に表示すると第6の処理部と、
    を有し、
    前記第3の処理部は、前記繰り返しの初回の処理では、前記第1の処理部で得られた前記副計測計数画像から前記主計測計数画像に前記検出器応答比を乗じた値を差し引いた値を、前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量として推定し、前記繰り返しの2回目以降の処理では、前記第1の処理部で得られた前記副計測計数画像から、前記第4の処理部で推定された前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量に前記検出器応答比を乗じた値を差し引いた値を、前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量として推定し、
    前記第4の処理部は、前記第3の処理部で推定された前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量に基づいて前記主計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量を推定し、前記第1の処理部で得られた前記主計測計数画像から、前記推定した前記主計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量を差し引いて、前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定すること
    を特徴とするガンマカメラ。
  4. 前記情報処理装置は、
    前記計測対象物から放出されるガンマ線が第1のピークエネルギーを有する第1のガンマ線と前記第1のピークエネルギーよりも低い第2のピークエネルギーを有する第2のガンマ線とを含み、前記第2のガンマ線についてのガンマ線計測画像を生成する場合には、
    前記第1の処理部の処理を実行後、前記第1の処理部で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像から、前記記憶装置に記憶されている前記第1のガンマ線についての検出器応答データにより求められる前記主計測エネルギー窓および前記副計測エネルギー窓に対応する計数量を差し引いた値を、それぞれ、前記第1の処理部で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像とみなして、前記第2の処理部ないし前記第6の処理部の処理を実行すること
    を特徴とする請求項3に記載のガンマカメラ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかの1項に記載のガンマカメラを搭載したことを特徴とするSPECT装置。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかの1項に記載のガンマカメラを搭載したことを特徴とするPET装置。
  7. ピクセル型のガンマ線検出器と、計測対象物から放出されるガンマ線が前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されずに入射したときに得られるエネルギースペクトルを検出器応答データとして予め記憶した記憶装置および画像表示装置を有する情報処理装置と、を備えたガンマカメラにおいて、
    前記情報処理装置は、
    計測対象物から放出されるガンマ線に対し設定された主計測エネルギー窓および前記主計測エネルギー窓とは異なる副計測エネルギー窓のそれぞれにより計測される前記ガンマ線の計数量に基づき、主計測計数画像および副計測計数画像を生成する第1の処理と、
    前記検出器応答データと前記主計測計数画像とから、前記副計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定し、前記副計測計数画像から前記推定した直達ガンマ線の計数量を差し引いて、前記副計測計数画像に含まれる、前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されたガンマ線である散乱ガンマ線の計数量を推定する第2の処理と、
    前記第2の処理で推定した前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量に基づいて前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定する第3の処理と、
    前記第3の処理で推定された直達ガンマ線の計数量に基づき、ガンマ線計測画像を生成し、前記画像表示装置に表示する第4の処理と、
    を実行すること
    を特徴とするガンマ線計測画像生成方法。
  8. 前記計測対象物から放出されるガンマ線が第1のピークエネルギーを有する第1のガンマ線と前記第1のピークエネルギーよりも低い第2のピークエネルギーを有する第2のガンマ線とを含み、前記第2のガンマ線についてのガンマ線計測画像を生成する場合には、
    前記情報処理装置は、
    前記第1の処理を実行後、前記第1の処理で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像から、前記記憶装置に記憶されている前記第1のガンマ線についての検出器応答データにより求められる前記主計測エネルギー窓および前記副計測エネルギー窓に対応する計数量を差し引いた値を、それぞれ、前記第1の処理で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像とみなして、前記第2ないし前記第4の処理を実行すること
    を特徴とする請求項7に記載のガンマ線計測画像生成方法。
  9. ピクセル型のガンマ線検出器と、計測対象物から放出されるガンマ線が前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されずに入射したときに得られるエネルギースペクトルを検出器応答データとして予め記憶した記憶装置および画像表示装置を有する情報処理装置と、を備えたガンマカメラにおいて、
    前記情報処理装置は、
    計測対象物から放出されるガンマ線に対し設定された主計測エネルギー窓および前記主計測エネルギー窓とは異なる副計測エネルギー窓のそれぞれにより計測される前記ガンマ線の計数量に基づき、主計測計数画像および副計測計数画像を生成する第1の処理と、
    前記記憶装置に記憶されている前記検出器応答データについて、前記主計測エネルギー窓に含まれる計数量に対する前記副計測エネルギー窓に含まれる計数量の比を検出器応答比として算出する第2の処理と、
    前記副計測計数画像に含まれる、前記計測対象物から前記ガンマ線検出器までの間に存在する物質によって散乱されたガンマ線である散乱ガンマ線の計数量を推定する第3の処理と、
    前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定する第4の処理と、
    前記第4の処理で推定された直達ガンマ線の計数量が収束したか否かを判定し、収束したと判定されるまで、前記第3の処理および前記第4の処理を繰り返し実行させる第5の処理と、
    前記第5の処理における収束判定で収束したと判定された場合には、前記第4の処理で推定された直達ガンマ線の計数量に基づくガンマ線計測画像を生成し、前記画像表示装置に表示すると第6の処理と、
    を実行し、
    前記第3の処理における前記繰り返しの初回の処理では、前記第1の処理で得られた前記副計測計数画像から前記主計測計数画像に前記検出器応答比を乗じた値を差し引いた値を、前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量として推定し、前記繰り返しの2回目以降の処理では、前記第1の処理で得られた前記副計測計数画像から、前記第4の処理で推定された前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量に前記検出器応答比を乗じた値を差し引いた値を、前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量として推定し、
    前記第4の処理では、前記第3の処理で推定された前記副計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量に基づいて前記主計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量を推定し、前記第1の処理で得られた前記主計測計数画像から、前記推定した前記主計測計数画像に含まれる前記散乱ガンマ線の計数量を差し引いて、前記主計測計数画像に含まれる直達ガンマ線の計数量を推定すること
    を特徴とするガンマ線計測画像生成方法。
  10. 前記計測対象物から放出されるガンマ線が第1のピークエネルギーを有する第1のガンマ線と前記第1のピークエネルギーよりも低い第2のピークエネルギーを有する第2のガンマ線とを含み、前記第2のガンマ線についてのガンマ線計測画像を生成する場合には、
    前記情報処理装置は、
    前記第1の処理を実行後、前記第1の処理で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像から、前記記憶装置に記憶されている前記第1のガンマ線についての検出器応答データにより求められる前記主計測エネルギー窓および前記副計測エネルギー窓に対応する計数量を差し引いた値を、それぞれ、前記第1の処理で生成された前記主計測計数画像および前記副計測計数画像とみなして、前記第2ないし前記第6の処理を実行すること
    を特徴とする請求項9に記載のガンマ線計測画像生成方法。
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