JP4003978B2 - 陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法 - Google Patents

陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法 Download PDF

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本発明は、陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法、特に、エミッションデータ(Emission data)とトランスミッションデータ(Transmission data)とを収集し、エミッションデータに対し、トランスミッションデータを用いて、被検体によるガンマ線の減弱の補正を行う陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法に関するものである。
PET(Positron Emission Tomography; 陽電子放出断層撮影)検査は、陽電子放出核種(15O、13N、11C、18Fなど)で標識した薬剤(放射性薬剤)を被検体に投与し、その放射性薬剤の被検体内での集散状態を撮像することにより、患部を観察するものである。例えば、糖を陽電子放出核種で標識した放射性薬剤を用いれば、癌細胞は糖代謝が激しいため、この放射性薬剤も癌細胞に集まる。したがって、この放射性薬剤の被検体内での分布を計測することにより、癌病巣の状態を定量的に観察できる。
この放射性薬剤を標識する役割を果たしている陽電子放出核種は、壊変に伴って陽電子を放出する(ポジトロンエミッション)。放出された陽電子はすぐに付近の電子との相互作用により対消滅し、その結果、それぞれ511keVのエネルギーを有する一対のガンマ線(消滅ガンマ線)が、対消滅が生じた位置から互いに反対方向へ放射される。
したがって、2つの放射線検出器が、被検体内から放射され約511keVのエネルギーを有する2個のガンマ線をほぼ同時に捕捉することにより、1対の消滅ガンマ線の飛跡を特定できる。PET検査では、同様に、多数の消滅ガンマ線対の飛跡のデータ(エミッションデータ)を収集し、これらの飛跡のデータを用いて、フィルタ逆投影法(Filtered Back Projection Method)などの方法により画像再構成を行って、被検体へ投与した放射性薬剤の集散状態(例えば、癌病巣の状態)を定量的に示すポジトロンエミッション断層像を生成している。
しかしながら、被検体内の線減弱係数はその部位によって異なり、放射性薬剤から放射されるガンマ線は、不均等に吸収や散乱の影響を受けて減弱する。このため、PET検査により定量性が良好で高精度の画像を得るには、被検体内でのガンマ線の減弱状態に応じて、エミッションデータを適切に補正する必要がある。そのために、既知の強度のガンマ線源(外部線源)を用いて透過断層撮影(transmission computed tomography; TCT)を行い、被検体を透過するガンマ線を計測してトランスミッションデータを収集し、被検体によるガンマ線の減弱の影響を定量的に評価することが考えられた。
当初、被検体へ放射性薬剤を投与する前にトランスミッションデータを収集し、その後被検体へ放射性薬剤を投与して検査部位へ充分取り込まれてからエミッションデータを収集する方法が考えられた。
この方法では、トランスミッションデータ収集時とエミッションデータ収集時とで被検体の位置や姿勢が変化してしまい、トランスミッションデータとエミッションデータとの対応に正確性が欠けるため、ガンマ線の減弱補正が適切に行われず、生成された診断画像における定量性が確保できない問題点があった。また、被検体を長く寝台に拘束するため、被検体に対する快適性(amenity)に劣り、また、検査スループットの向上が難しいという問題点があった。
そこで、エミッションデータを収集するための検出器とトランスミッションデータを収集するための検出器とを別位置に置いてスライスセプタで仕切り、強い放射線強度の外部線源を用いることにより、高計数率で短時間にトランスミッションデータを収集する陽電子放出断層撮影装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、被検体に投与される放射性同位元素から放射されるガンマ線のエネルギーに非常に近いエネルギーのガンマ線の面線源を用いて、SPECT撮影と同時進行で吸収補正データの収集を行う核医学診断装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、ゲルマニウム68(68Ge)の点線源を用いてトランスミッション走査を行う第1の従来の方法が報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。ゲルマニウム68は、内部電子捕獲過程を経てガリウム68に壊変する核種であり(半減期は288日)、ガリウム68は、壊変の89%が陽電子放出を伴う核種である(半減期は68分)。このため、この点線源は、陽電子放出に起因する511keVのエネルギーを有するガンマ線を放射する。
また、セシウム137(137Cs)の点線源を用いてトランスミッションデータを収集する第2の従来の方法が報告されている(例えば、非特許文献2参照。)。セシウム137は、ベータ壊変に伴い(半減期は30年)、662keVのエネルギーを有するガンマ線を放射する。
特開2001−194459号公報(段落0015、図1) 特開平9−318751号公報(段落0027,0034) アイトリプルイー・トランザクション・オン・ニュークリア・サイエンス、第36巻第1号、1011頁〜1016頁「陽電子放出断層撮影におけるトランスミッションおよびエミッションの同時走査」(IEEE Transactions on Nuclear Science Volume 36, Issue 1 (1989) pp. 1011-1016 "Simultaneous transmission and emission scans in positron emission tomography") アイトリプルイー・ニュークリア・サイエンス・シンポジウム、1997年第2巻1366頁〜1370頁「ECAT ARTのための単光子トランスミッション計測の設計および性能」(IEEE Nuclear Science Symposium, 1997 Volume 2, pp. 1366-1370 "Design and performance of a single photon transmission measurement for the ECAT ART")
しかし、従来の陽電子放出断層撮影装置では、結局のところ、トランスミッションデータの収集とエミッションデータの収集とを別の走査で行っている。このため、トランスミッションデータ収集時とエミッションデータ収集時とで被検体の位置や姿勢が変化してしまい、トランスミッションデータとエミッションデータとの対応に正確性が欠けるため、ガンマ線の減弱補正が適切に行えず、生成された診断画像の定量性が確保できない問題点があった。
また、従来の核医学診断装置では、被検体に投与される放射性同位元素から放射されるガンマ線のエネルギーと、面線源から放射されるガンマ線のエネルギーとが非常に近いため、吸収補正データと放射性同位元素から放射されるガンマ線のデータとが相互混入し、生成された画像の定量性や画質に改良の余地を残していた。
また、前記第1の従来の方法では、点線源および放射性薬剤のいずれもが、陽電子放出に起因する511keVのエネルギーを有するガンマ線を放射する。このため、トランスミッションデータとエミッションデータとが相互に混入し、生成された画像の画質や定量性が劣化する問題点があり、また、同時計数したか否かで、ガンマ線源を区別しているため、点線源の強度を高くできず、撮像に時間がかかる問題点があった。
また、前記第2の従来の方法では、放射線検出器のエネルギー分解能の限界により、セシウム137由来のガンマ線(662keV)のスペクトルの全吸収ピーク(光電ピーク)の裾部と、PET薬剤由来のガンマ線(511keV)のスペクトルの全吸収ピークの裾部とが重なり合ってしまう。このため、エミッションデータにトランスミッションデータが混入して、得られる画像の定量性や画質に改良の余地を残していた。
そこで、本発明は、トランスミッションデータがエミッションデータへ混入することを抑止することにより、定量性が良好で高画質の診断画像を短時間に撮像可能な陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明による陽電子放出断層撮影装置は、被検体内の陽電子放出核種に起因して生成される消滅ガンマ線を計測しエミッションデータを収集するエミッションデータ収集手段と、前記被検体を減弱補正用線源で照射して透過ガンマ線を計測しトランスミッションデータを収集するトランスミッションデータ収集手段と、前記エミッションデータに対し前記トランスミッションデータを用いて前記被検体による前記消滅ガンマ線の減弱を補正する減弱補正手段と、を具備した陽電子放出断層撮影装置であって、前記減弱補正用線源は、前記消滅ガンマ線に係るコンプトン端のエネルギー以下のエネルギーを有する照射ガンマ線を放射するものであり、前記トランスミッションデータ収集手段は、前記照射ガンマ線の全吸収ピークを含んで設定した第1のエネルギー窓内のカウント値を取得する第1のカウント値取得手段と、前記第1のエネルギー窓より低いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第2のエネルギー窓内のカウント値を取得する第2のカウント値取得手段と、前記第1のエネルギー窓より高いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第3のエネルギー窓内のカウント値を取得する第3のカウント値取得手段と、前記第2のエネルギー窓内および前記第3のエネルギー窓内のカウント値を基に、前記第1のエネルギー窓内のバックグラウンド分を推算するバックグラウンド推算手段と、前記第1のエネルギー窓内のカウント値から、前記バックグラウンド分を補正することにより、前記トランスミッションデータを補正するトランスミッションデータ演算手段と、を具備した、ことを特徴とする。
また、前記課題を解決するため、本発明による陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法は、陽電子放出断層撮影装置の制御手段が、計測空間部内の陽電子放出核種に起因する消滅ガンマ線を計測しエミッションデータと、前記計測空間部内を減弱補正用線源で照射して透過ガンマ線を計測しトランスミッションデータとを用いて前記計測空間部における前記消滅ガンマ線の減弱を補正するエミッションデータの減弱補正の制御方法であって、前記減弱補正用線源は、前記消滅ガンマ線に係るコンプトン端のエネルギー以下のエネルギーを有する照射ガンマ線を放射するものであり前記制御手段が、前記照射ガンマ線の全吸収ピークを含んで設定した第1のエネルギー窓内のカウント値を取得する第1のカウント値取得プロセスと、前記制御手段が、前記第1のエネルギー窓より低いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第2のエネルギー窓内のカウント値を取得する第2のカウント値取得プロセスと、前記制御手段が、前記第1のエネルギー窓より高いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第3のエネルギー窓内のカウント値を取得する第3のカウント値取得プロセスと、前記制御手段が、前記第2のエネルギー窓内および前記第3のエネルギー窓内のカウント値を基に、前記第1のエネルギー窓内のバックグラウンド分を推算するバックグラウンド推算プロセスと、前記制御手段が、前記第1のエネルギー窓内のカウント値から、前記バックグラウンド分を補正することにより、前記トランスミッションデータを補正するトランスミッションデータ演算プロセスと、を含む、ことを特徴とする。
本発明の陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法によれば、陽電子放出核種に起因して発生する消滅ガンマ線の全吸収ピークに対して、減弱補正用線源が放射する照射ガンマ線の全吸収ピークを充分に離間することができるため、エミッションデータへトランスミッションデータが混入することを抑制でき、得られる診断画像の定量性および画質を向上させることができる。
次に、本発明による実施形態について、図面を参照し詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、第1実施形態の陽電子放出断層撮影装置1は、陽電子放出核種で標識した放射性薬剤を投与した被検体17からエミッションデータおよびトランスミッションデータを同時的に収集して、被検体17によるガンマ線の減弱を補正した被検体17の断層像を生成するためのものであり、ガントリ2と、信号処理装置7と、同時計数装置9と、断層像作成装置10と、被検体保持装置14とを具備している。
ガントリ2は、被検体17を載置したままベッド16を挿通可能な孔部(計測空間部)6を有し、孔部6を取り囲むように配列された多数の放射線検出器4と、放射線検出器4を支持する放射線検出器支持板5と、減弱補正用線源21と、これらを収納しているケーシング3とを具備している。
信号処理装置7は、各々の放射線検出器4に別々に接続されたチャージアンプ(図示せず)、複数のタイミング信号発生装置(図示せず)および複数の波高弁別装置(ピークホールド装置)8と、線源位置検出装置22と、線源位置情報処理装置23とを具備している。アナログASIC(Application Specific Integrated Circuit)(図示せず)およびディジタルASIC(図示せず)が、信号処理装置7に設けられている。アナログASICは、タイミング信号発生装置および波高弁別装置8を有する。ディジタルASICは、タイミング信号発生装置に接続された検出時刻決定装置(図示せず)、およびガンマ線を検出した放射線検出器4を認識する検出器認識装置(図示せず)を有する。検出器認識装置は、検出時刻決定装置、およびA/D(Analog to Digital)変換器を介して波高弁別装置8に接続される。検出時刻決定装置は、放射線検出器4ごとに設けられる。
断層像作成装置10は、コンピュータ11と、記憶装置12と、表示装置18とを具備している。
記憶装置12は、トランスミッションデータを記憶するための記憶領域であるトランスミッションデータ記憶部31と、エミッションデータを記憶するための記憶領域であるエミッションデータ記憶部32とを具備している。
トランスミッションデータ記憶部31は、減弱補正用線源21の位置と放射線検出器4の位置との組み合わせごとに3つのエネルギー窓を設けて計数したカウント値を記憶する。図5(c)を参照して後記するように、3つのエネルギー窓は、ガドリニウム153から放出されるガンマ線のエネルギーより小さな値に対応する第1のエネルギー窓W1と、ガドリニウム153から放出されるガンマ線の全吸収ピークに対応する第2のエネルギー窓W2と、ガドリニウム153から放出されるガンマ線のエネルギーより大きな値に対応する第3のエネルギー窓W3とからなる。
エミッションデータ記憶部32は511keVのエネルギーを有する消滅ガンマ線の全吸収ピークに対応する1つのエネルギー窓を設けて計数したカウント値を記憶する。
被検体保持装置14は、人や動物などの被検体17を載置するためのベッド16と、ベッド16を長手方向(体軸方向;図の左右方向)に移動可能に支持する支持装置15とを具備している。被検体保持装置14は、支持装置15がベッド16を移動することにより、被検体17をガントリ2の孔部6において挿脱可能な向きに設置する。
図2を参照し、ガントリ2の下半分の構造を詳細に説明する。放射線検出器支持板5は、半円状の板材に孔部6の約半分の大きさの孔(凹み)を円弧の中心に穿設した部材である。ガントリ2の下半分では、ケーシング3の内面に、孔部6の中心軸に沿って、放射線検出器支持板5の孔の中心と孔部6の中心軸とが合致するように、複数枚の放射線検出器支持板5が所定の間隔で平行に配列される。
図示しないが、同様に、ガントリ2の上半分では、ケーシング3の内面に孔部6の中心軸に沿って、放射線検出器支持板5の孔の中心と孔部6の中心軸とが合致するように、複数枚の放射線検出器支持板5が所定の間隔で平行に配列される。したがって、ガントリ2を組み立てた状態では、下側の放射線検出器支持板5と、上側の放射線検出器支持板5とが接することにより、2枚の放射線検出器支持板5が同一平面上で円環状をなす。なお、放射線検出器支持板5は、円環状に形成しておいてもよい。
そして、多数の放射線検出器4が、円環状をなす放射線検出器支持板5の両側面に取り付けられている。具体的には、最内周の放射線検出器4は、孔部6の中心軸周りに、環状に配置される。その外側へ、孔部6の中心軸から放射線検出器支持板5の配列面に沿って放射状に、かつ、最内周の放射線検出器4を囲む円環状に、さらなる放射線検出器4が配置される。そして、この円環状に配列された放射線検出器4の外周に、同様にさらなる放射線検出器4が配置される。
放射線検出器4は、検出素子によってガンマ線を捕捉し、そのエネルギーを検出する機能を有するものであり、具体的には、半導体放射線検出器またはシンチレーション検出器を用いる。放射線検出器4は、高感度であること、エネルギー分解能が高いこと、時間分解能が高いこと、室温環境で安定に動作すること、安価であることの各要件を満たしていることが望ましい。
半導体放射線検出器は、所定形状(例えば、5mmの立方体状)のテルル化カドミウム(CdTe)またはテルル化カドミウム亜鉛(CZT)など、ガンマ線に感受性のある半導体を検出素子として含み、この検出素子に高電圧を印加しておき、捕らえたガンマ線のエネルギーに応じた電気信号を取り出すものである。テルル化カドミウムおよびテルル化カドミウム亜鉛は、半導体放射線検出器の検出素子として使用しうる他の多くの素子と異なり、室温環境下でも安定に動作する。このため、冷却素子が不要であり、装置を簡略化することができる。
シンチレーション検出器は、ビスマスゲルマニウムオキサイド(BGO; Bismuth Germananium Oxide)やケイ酸ガドリニウム(GSO; Gadolinium Oxyorthosilicate)の結晶などからなるシンチレータの後部に、光電子増倍管を配置した構造を有する。シンチレーション検出器は、シンチレータにガンマ線が吸収されると、このガンマ線のエネルギーに応じた波長の可視域近傍の蛍光が放射され、この蛍光を光電子増倍管で検出することにより、ガンマ線のエネルギーを検出するものである。
シンチレーション検出器は、シンチレータおよび光電子増倍管からなるため、積層配置にはスペースを要する。しかし、半導体放射線検出器は、検出部にこのような付加素子が不要であるため、積層配置に適し、高集積化も容易である。さらに、シンチレーション検出器と比較すると、半導体放射線検出器のほうがエネルギー分解能に優れているため、ガンマ線のエネルギーを検出することによりガンマ線源の種類を判別するのにより適している。したがって、放射線検出器4は、半導体放射線検出器を用いることが好ましい。
タイミング信号発生装置は、放射線検出器4によってガンマ線が捕捉され、電気信号が出力されたとき、その電気信号を基に、捕捉されたタイミングを示すためのタイミング信号を出力する。波高弁別装置8は、検出されたガンマ線のエネルギーを示す波高値データを出力する。検出時刻決定装置は、タイミング信号を入力してガンマ線を検出した時刻を決定し、この時刻情報を検出器認識装置に出力する。検出器認識装置は、時刻情報を出力した検出時刻決定装置に基づいてガンマ線を検出した放射線検出器4を認識し、認識した放射線検出器4の識別子(検出器ID)を、その時刻情報に付与する。検出器認識装置は、時刻情報、検出器IDおよび波高値データを統合する情報統合手段でもある。
なお、減弱補正用線源21は、ガントリ2の孔部6の外周領域であって環状に配置された放射線検出器4の内側に、回転可能かつ軸方向(体軸方向)に移動可能に実装される。
図3に示すように、放射線検出器4へ単色(単一エネルギー)のガンマ線が入射すると、そのパルス高スペクトルの典型的なプロファイルは、入射ガンマ線のエネルギーを示す鋭い全吸収ピーク51と、全吸収ピーク51より低いエネルギーにおいて立ち上がるコンプトン端52と、コンプトン端52から低エネルギー方向へほぼ平坦に伸びるコンプトンプラトー(Compton plateau)53とを呈示する。陽電子・電子対の対消滅に起因する消滅ガンマ線の場合、全吸収ピーク51のエネルギーは511keVであり、コンプトン端52のエネルギーは340keVである。
なお、図3に示すグラフは一例であって、同一のガンマ線源を計測しても、放射線検出器4の種類によって、異なるプロファイルが呈示される。例えば、放射線検出器4のエネルギー分解能が高いほど、全吸収ピーク51の形状は鋭くなり、コンプトン端52の形状は急峻になる。
コンプトン端52の値は、ガンマ線が放射線検出器4へ入射し、検出素子を構成する物質とコンプトン散乱を起こしたときの反跳電子の最大エネルギーに対応する。この反跳電子が全エネルギーを検出素子内で解放してゆくことにより、解放されたエネルギーが放射線検出器4により計数され、コンプトンプラトー53を呈示する。
コンプトン端52のエネルギーEcomは、入射ガンマ線のエネルギーをE、電子の静止質量をm、光速をcとすると、次式により与えられる。
Ecom = 2E/(mc+2E) …(1)
したがって、減弱補正用線源21が放射するガンマ線のエネルギーを消滅ガンマ線のコンプトン端52のエネルギー以下とし、コンプトン端52を超えるエネルギーを示すガンマ線の検出信号を取り出せば、トランスミッションデータが混入していないエミッションデータを得ることができる。具体的には、30keV以上340keV以下のエネルギーのガンマ線を放出する減弱補正用線源を用いることが望ましい。30keV未満のガンマ線は、人体でほとんど吸収または散乱されるため、そのようなガンマ線を放出する減弱補正用線源21は使用できない。
図4に示すように、減弱補正用線源21は、ガンマ線を伴って壊変する放射性同位元素を含む放射性物質41と、ガンマ線の照射方向を制御するための遮蔽容器42およびコリメータ43とからなり、前記した回転機構(図示せず)に実装される。放射性物質41に含まれる放射性同位元素は単光子放出核種であるため、コリメータ43の開口部(ガンマ線の照射方向)は被検体17が挿入される孔部6の中心に向け、放射線検出器4側(中心から外側)に遮蔽容器42が来るよう実装する。減弱補正用線源21の軸方向位置および回転方向位置は線源位置検出装置22(図1参照)により検出される。
放射性物質41は、ガドリニウム153(153Gd)を含む。ガドリニウム153は、内部電子捕獲を伴う壊変により(半減期は242日)、エネルギーが103keVと97keVのガンマ線を放出する放射性同位元素である。
そのほか、放射性物質41に含有させる放射性同位元素として、主に放射するガンマ線のエネルギーが消滅ガンマ線のコンプトン端のエネルギー以下である核種、具体的には、340keV以下である核種のいずれかを用いることができる。このような放射性同位元素の一例には、コバルト57(57Co)、テクネチウム99m(99mTc)、テルル123m(123mTe)、セリウム139(139Ce)、ガドリニウム153(153Gd)、アメリシウム241(241Am)などがある。以下に、その核種ごとに、放射する主なガンマ線のエネルギーおよび半減期を示す。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
核種 放射する主な 半減期
ガンマ線のエネルギー
===================================
コバルト57 122keV 271日
57Co)
テクネチウム99m 141keV 6.02時間
99mTc)
テルル123m 159keV 120日
123mTe)
セリウム139 166keV 137.7日
139Ce)
ガドリニウム153 100keV 242日
153Gd)
アメリシウム241 57keV 458年
241Am)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
放射性物質41の交換頻度を抑え、陽電子放出断層撮影装置1の保守費用を低減する観点からは、半減期の長い放射性同位元素を含む放射性物質41を用いればよい。また、消滅ガンマ線のエネルギーに近いエネルギーのガンマ線で計測を行うことにより減弱補正の精度を向上させるには、消滅ガンマ線のコンプトン端のエネルギーを上限として、なるべく高いエネルギーのガンマ線を放射する放射性同位元素を含む放射性物質41を用いればよい。
次に、図1に戻り、トランスミッションデータとエミッションデータとを同時に収集して診断画像を生成する撮像プロセスについて説明する。
あらかじめ、注射などの方法によりPET検査用の放射性薬剤を被検体17に投与し、放射性薬剤が撮像対象領域に集積するように、所定時間、待機させる。所定時間が経過した後、被検体17を被検体保持装置14のベッド16上に寝かせる。
次に、支持装置15を操作してベッド16をガントリ2の孔部6へ向かって移動させ、被検体17をガントリ2内部の撮像領域へ挿入する。被検体17を撮像領域内へセットしたら、減弱補正用線源21を線源格納庫(図示せず)から引き出し、被検体17の周囲を所定の軌道に沿って回転させる。
このとき、各放射線検出器4は、捕捉したガンマ線の検出信号(ガンマ線検出信号)を、チャージアンプを介してタイミング信号発生装置および波高弁別装置8へ出力する。放射線検出器4へ入射するガンマ線には、放射性薬剤に起因して被検体17の内部から放射された消滅ガンマ線と、減弱補正用線源21から放射された照射ガンマ線とが含まれている。
したがって、図5(a)に示す、放射性薬剤由来の511keVに全吸収ピークを有する消滅ガンマ線のスペクトルと、図5(b)に示す、減弱補正用線源21からの照射ガンマ線のスペクトルとを足し合わせたものが、図5(c)に示す、エミッション走査とトランスミッション走査とを同時的に行った場合に観測されるスペクトルとなる。
図1に戻り、波高弁別装置8は、求めた波高値データが所定の閾値を超えるエネルギーを示すものであるとき、被検体17に投与した放射性薬剤に由来するガンマ線に対する波高値データであると判断し、検出器認識装置に出力される。この波高値データはパケット情報に含まれて検出器認識装置より同時計数装置9に出力される。この波高値データのうち、後記する条件を満たすものが、エミッションデータとなる。入力された検出データ等が閾値以下のエネルギーを示すものであるとき、波高弁別装置8は、減弱補正用線源21から放射されたガンマ線を検出した可能性があると判断し、この波高値データ等が3つのエネルギー窓内のものか否かに分別する。後記するように、この3つのエネルギー窓内の検出データ等から、トランスミッションデータが生成される。
具体的には、前記閾値は、消滅ガンマ線のコンプトン端52のエネルギー(340keV)を超え、消滅ガンマ線の全吸収ピーク51のエネルギー(511keV)未満であればよい。しかし、陽電子放出断層撮影装置1の検出系のエネルギー分解能には限界があり、放射線検出器4にエネルギーが511keVの単色(単一エネルギー)のガンマ線が入射したときであっても、捕捉されたガンマ線のエネルギーは揺らぎをもって計測される。そこで、閾値は、検出揺らぎを考慮し、例えば、350keVに設定する。
まず、エミッションデータの収集について説明すると、同時計数装置9は、実質的に同時に2つのガンマ線検出信号に対する各パケット情報を入力し、各パケット情報の時刻情報が時間窓内に入って各検出器IDが異なる場合、消滅ガンマ線対を検出したと判断し、これらのパケット情報に同時計数である旨のデータを付加して、コンピュータ11へ出力する。実質的に同時とは、放射線検出器4など検出系の時間分解能には限界があり、また、消滅ガンマ線対の2つのガンマ線の飛翔時間には差があるため、実際には所定の時間幅を設け、その時間内に検出されたものを同時とみなすことを意味している。
コンピュータ11は、同時計数である旨を付加された検出データ等の組が入力されると、これらのパケット情報に含まれる放射線検出器4の検出器IDに基づいて、一対のガンマ線をそれぞれ検出した各々の放射線検出器4の位置を求める。さらに、これらの位置関係からエミッションデータを生成して、エミッションデータ記憶部32に所定の形式で記憶させる。記憶形式は、例えば、画像再構成に好適なサイノグラム形式である。
次に、トランスミッションデータの収集について説明すると、波高弁別装置8はまた、図5(c)に示すように、減弱補正用線源21が放射するガンマ線の全吸収ピークとその近傍を含む第2のエネルギー窓W2と、この第2のエネルギー窓W2に隣接したエネルギーの第1のエネルギー窓W1および第3のエネルギー窓W3を設定されている。エネルギー窓W2に隣接するエネルギー窓が2つである場合について説明するが、3つ以上設定してもよい。また、エネルギー窓W2に対し、エネルギー窓W1およびW3が連続せず、多少離隔していてもよい。
波高弁別装置8は、エネルギー窓W1,W2,W3に対応するエネルギーを示すガンマ線検出信号が入力されると、これらの検出データ等に、エネルギー窓W1,W2,W3を示すデータを付加し、コンピュータ11へ出力する。
コンピュータ11は、エネルギー窓W1,W2,W3を示すデータを付加されたパケット情報を入力すると、減弱補正用線源21の位置と放射線検出器4の位置との組ごとに、エネルギー窓W1に対応するカウント値S1と、エネルギー窓W2に対応するカウント値T2と,エネルギー窓W3に対応するカウント値S3とを計数する。
ここで、カウント値S1およびS3は、放射性薬剤などに由来する散乱成分を示し、この成分は、コンプトンプラトー53内においてほぼ平坦である。そこで、カウント値S1およびS3から、エネルギー窓W2内の散乱成分のカウント値S2を推算する。推算は、例えば、線形補間または高次関数による補間によって行うことができる。そして、エネルギー窓W2のカウント値T2から、エネルギー窓W2内の散乱成分のカウント値S2を差し引くことにより、減弱補正用線源21由来のカウント値T1を求め、トランスミッションデータを生成する。
図6に示すように(適宜、図5(c)を参照して)、線形補間により減弱補正用線源21由来のカウント値T1を求めるには、次の手順で行う。
まず、第1のエネルギー窓W1に対するカウント値S1を抽出し(ステップP1)、第3のエネルギー窓W3に対するカウント値S3を抽出する(ステップP2)。
次に、第2のエネルギー窓W2に対する散乱成分を、次式により推算する(ステップP3)。
S2={(S1/W1)+(S3/W3)}×(W2/2)
次に、第2のエネルギー窓W2に対するカウント値T2(減弱補正用線源21由来のものと散乱成分とを含むカウント値)を抽出する(ステップP4)。
そして、カウント値T2から散乱成分のカウント値S2を減算し、減弱補正用線源21由来成分の全吸収ピークのカウント値T1を算出する(ステップP5)。
以上の処理を減弱補正用線源21と放射線検出器4との組で指定されるすべての収集済みデータに施すことにより、トランスミッションデータを生成する。
図7に示すように、トランスミッションデータをサイノグラム形式にするには、減弱補正用線源21の位置と放射線検出器4の位置との組によって定まる位置関係をエミッションデータの処理における放射線検出器4同士の組によって定まる位置関係に読み替えればよい。すなわち、減弱補正用線源21の位置と放射線検出器4の位置からサイノグラム形式の対応するメモリ番地を算出するには、減弱補正用線源21の回転軌道61の回転中心62から、減弱補正用線源21と放射線検出器4とを結ぶ線分63へ下ろした垂線64の長さ、および垂線64が基準軸65となす角度θを求めることとなる。
すなわち、距離rは観測中心から観測半径の値をとり、角度θは0°から360°の値をとるが、これを所望の解像度に応じて離散化し、距離についてR分割、角度についてΘ分割した合計R×Θの2次元の表を用意して対応する欄にヒストグラム形式で計数する。これらの値を用いて、第1のエネルギー窓W1、第2のエネルギー窓W2および第3のエネルギー窓W3に応じた3種類のトランスミッションデータからなるサイノグラムを作成する。
コンピュータ11は、このようにして得られたトランスミッションデータを用いて、エミッションデータを補正し、補正済みのエミッションデータを基に画像再構成を行って診断画像データを生成し、表示装置18に診断画像を表示させる。
(第2実施形態)
図8に示すように、本発明による第2実施形態の陽電子放出断層撮影装置1Bは、陽電子放出断層撮影装置1の構成に加えて、記憶装置12にシングルデータ記憶部33をさらに具備している。
なお、トランスミッションデータの収集に係るエネルギー窓は1つであり、減弱補正用線源21が放射するガンマ線のエネルギーの全吸収ピークを含んで設定し、窓幅は、検出系のエネルギー分解能に応じて設定する。
また、シングルデータ記憶部33に記憶されるシングルデータの収集に係るエネルギー窓は、トランスミッションデータ収集に係るエネルギー窓と同じ上下限を有する。
まず、第1実施形態と同様に、被検体17の撮像を行い、トランスミッションデータとエミッションデータとを収集する。
次に、被検体17をガントリ2の撮像領域に載置したまま、減弱補正用線源21を格納庫(図示せず)に格納し、照射ガンマ線を遮断する。この後もエミッションデータの収集を継続する。また、検出したガンマ線のエネルギーがトランスミッションデータ記憶部31に対してあらかじめ設定した前記エネルギー窓の中に入ると波高弁別装置8で判定された場合、放射線検出器4ごとに、このガンマ線のカウント値S11をシングルデータ記憶部33に所定の形式で計数する。
データ収集を終了すると、以下の手順でトランスミッションデータを作成する。まず、シングルデータ記憶部33に格納された放射線検出器4ごとのカウント値S11から単位時間当たりのカウント値S11bを決定する。次に、トランスミッションデータ記憶部31に格納されている減弱補正用線源21の位置と放射線検出器4の識別子の組ごとのカウント値S12から単位時間当たりのカウント値S12bを決定する。後者のカウント値S12bから前者のカウント値S11bを差し引くことにより、減弱補正用線源由来のガンマ線のカウント値S13が得られる。これを画像再構成に適したサイノグラム形式であらためてトランスミッションデータ記憶部31に格納することにより、トランスミッションデータが完成する。
第1実施形態の陽電子放出断層撮影装置1および第2実施形態の陽電子放出断層撮影装置1Bによれば、次の効果が得られる。
(1)減弱補正用線源21から放射される照射ガンマ線のエネルギーを、被検体に投与する放射性薬剤から放射される消滅ガンマ線のエネルギーである340keV以下にしたため、エミッションデータにトランスミッションデータが混入しない。このため、トランスミッションデータとエミッションデータを同時に収集しても、定量性が良好な高画質の診断画像を得ることができる。
(2)前記照射ガンマ線の全吸収ピークと、前記消滅ガンマ線の全吸収ピークとが離隔されたため、減弱補正用線源21の放射能が従来よりも弱くても済む。
(3)30keV以上340keV以下のガンマ線を放出する減弱補正用線源21を用いることによって、減弱補正用線源21から放出された低エネルギーのガンマ線および放射性薬剤に起因して発生した高エネルギー(511keV)のガンマ線は、共に、パルス計測モードで計測できるため、同じ回路で信号処理を実施できる。このような本実施形態では、簡易なシステムで精度の高い吸収補正を施すことができる。
(4)トランスミッションデータを収集するための減弱補正用線源21の放射能を弱くできるので、遮蔽容器等が小さくなり装置を小型化できるとともに、被検体17の放射線被曝を低減できる。
図9に示すように、比較例の陽電子放出断層撮影装置によって検出されるガンマ線のパルス高スペクトルでは、被検体17に投与した放射性薬剤由来のガンマ線の全吸収ピーク51と、減弱補正用線源21由来のガンマ線の全吸収ピーク51csとが近接し、クロストークを生じている。このため、得られる診断画像の定量性や画質が低下してしまう。なお、比較例の陽電子放出断層撮影装置では、減弱補正用線源21内の放射性物質41に含有させる放射性同位元素は、セシウム137(137Cs)(662keV、半減期30年)である。なお、図9に、セシウム137が放射するガンマ線のコンプトン端52csと、コンプトンプラトー53csとを示す。
第1実施形態の陽電子放出断層撮影装置を示す説明図である。 ガントリ内部(下半分)の放射線検出器の配置を示す部分分解図である。 陽電子放出断層撮影装置で放射性薬剤由来の消滅ガンマ線を計測した場合の典型的なパルス高スペクトルを示すグラフである。 減弱補正用線源を示す断面図である。 陽電子放出断層撮影装置で、(a)放射性薬剤由来の消滅ガンマ線を計測した場合と、(b)減弱補正用線源由来の照射ガンマ線を計測した場合と、(c)放射性薬剤を投与した被検体をエミッション走査およびトランスミッション走査して計測した場合の典型的なパルス高スペクトルを示すグラフである。 減弱補正用線源由来成分の全吸収ピークのカウント値の算出を示すフローチャートである。 減弱補正線源の位置と放射線検出器の関係からサイノグラム形式のメモリ番地を対応付ける方法を示す説明図である。 第2実施形態の陽電子放出断層撮影装置を示す説明図である。 比較例の陽電子放出断層撮影装置で消滅ガンマ線と照射ガンマ線とを計測した場合の典型的なパルス高スペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1,1B 陽電子放出断層撮影装置
2 ガントリ
3 ケーシング
4 放射線検出器
5 放射線検出器支持板
6 孔部
7 信号処理装置
8 波高弁別装置
9 同時計数装置
10 断層像作成装置
11 コンピュータ
12 記憶装置
14 被検体保持装置
15 支持装置
16 ベッド
18 表示装置
21 減弱補正用線源
22 線源位置検出装置
23 線源位置情報処理装置
31 トランスミッションデータ記憶部
32 エミッションデータ記憶部
33 シングルデータ記憶部
51 全吸収ピーク
52 コンプトン端
53 コンプトンプラトー
W1 第1のエネルギー窓
W2 第2のエネルギー窓
W3 第3のエネルギー窓

Claims (12)

  1. 被検体内の陽電子放出核種に起因して生成される消滅ガンマ線を計測しエミッションデータを収集するエミッションデータ収集手段と、
    前記被検体を減弱補正用線源で照射して透過ガンマ線を計測しトランスミッションデータを収集するトランスミッションデータ収集手段と、
    前記エミッションデータに対し前記トランスミッションデータを用いて前記被検体による前記消滅ガンマ線の減弱を補正する減弱補正手段と、
    を具備した陽電子放出断層撮影装置であって、
    前記減弱補正用線源は、前記消滅ガンマ線に係るコンプトン端のエネルギー以下のエネルギーを有する照射ガンマ線を放射するものであり、
    前記トランスミッションデータ収集手段は、
    前記照射ガンマ線の全吸収ピークを含んで設定した第1のエネルギー窓内のカウント値を取得する第1のカウント値取得手段と、
    前記第1のエネルギー窓より低いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第2のエネルギー窓内のカウント値を取得する第2のカウント値取得手段と、
    前記第1のエネルギー窓より高いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第3のエネルギー窓内のカウント値を取得する第3のカウント値取得手段と、
    前記第2のエネルギー窓内および前記第3のエネルギー窓内のカウント値を基に、前記第1のエネルギー窓内のバックグラウンド分を推算するバックグラウンド推算手段と、
    前記第1のエネルギー窓内のカウント値から、前記バックグラウンド分を補正することにより、前記トランスミッションデータを補正するトランスミッションデータ演算手段と、
    を具備したことを特徴とする陽電子放出断層撮影装置。
  2. 前記照射ガンマ線の主なエネルギーは、30keV以上340keV以下であることを特徴とする請求項1に記載の陽電子放出断層撮影装置。
  3. 前記減弱補正用線源は、コバルト57(57Co)、テクネチウム99m(99mTc)、テルル123m(123mTe)、セリウム139(139Ce)、ガドリニウム153(153Gd)またはアメリシウム241(241Am)のいずれかを含むことを特徴とした請求項1または請求項2に記載の陽電子放出断層撮影装置。
  4. 前記エミッションデータ収集手段または前記トランスミッションデータ収集手段は、前記消滅ガンマ線および前記透過ガンマ線を検出する半導体放射線検出器を具備したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の陽電子放出断層撮影装置。
  5. 前記半導体放射線検出器は、CdTe(テルル化カドミウム)およびCdZnTe(テルル化カドミウム亜鉛)のいずれかを検出素子として含むことを特徴とする請求項4に記載の陽電子放出断層撮影装置。
  6. 前記バックグラウンド推算手段は、前記第1のエネルギー窓内のバックグラウンド分を線形補間または高次関数による補間によって推算することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の陽電子放出断層撮影装置。
  7. 前記トランスミッションデータ収集手段は、
    前記照射ガンマ線の全吸収ピークの近傍に設定したエネルギー窓内のカウント値を取得する窓内カウント値取得手段と、
    前記照射ガンマ線を遮蔽する照射ガンマ線遮蔽手段と、
    前記照射ガンマ線を遮蔽した状態で前記エネルギー窓内でのバックグラウンド分を計数するバックグラウンド計数手段と、
    前記エネルギー窓内のカウント値から、前記バックグラウンド分を補正することにより、前記トランスミッションデータを演算するトランスミッションデータ演算手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の陽電子放出断層撮影装置。
  8. 陽電子放出断層撮影装置の制御手段が、計測空間部内の陽電子放出核種に起因する消滅ガンマ線を計測しエミッションデータと、前記計測空間部内を減弱補正用線源で照射して透過ガンマ線を計測しトランスミッションデータとを用いて前記計測空間部における前記消滅ガンマ線の減弱を補正するエミッションデータの減弱補正の制御方法であって、
    前記減弱補正用線源は、前記消滅ガンマ線に係るコンプトン端のエネルギー以下のエネルギーを有する照射ガンマ線を放射するものであり
    前記制御手段が、前記照射ガンマ線の全吸収ピークを含んで設定した第1のエネルギー窓内のカウント値を取得する第1のカウント値取得プロセスと、
    前記制御手段が、前記第1のエネルギー窓より低いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第2のエネルギー窓内のカウント値を取得する第2のカウント値取得プロセスと、
    前記制御手段が、前記第1のエネルギー窓より高いエネルギー領域に当該第1のエネルギー窓から離隔して設定した第3のエネルギー窓内のカウント値を取得する第3のカウント値取得プロセスと、
    前記制御手段が、前記第2のエネルギー窓内および前記第3のエネルギー窓内のカウント値を基に、前記第1のエネルギー窓内のバックグラウンド分を推算するバックグラウンド推算プロセスと、
    前記制御手段が、前記第1のエネルギー窓内のカウント値から、前記バックグラウンド分を補正することにより、前記トランスミッションデータを補正するトランスミッションデータ演算プロセスと、
    を含むことを特徴とする陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法。
  9. 前記照射ガンマ線の主なエネルギーは、30keV以上340keV以下であることを特徴とする請求項8に記載の陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法。
  10. 前記減弱補正用線源は、コバルト57(57Co)、テクネチウム99m(99mTc)、テルル123m(123mTe)、セリウム139(139Ce)、ガドリニウム153(153Gd)またはアメリシウム241(241Am)のいずれかを含むことを特徴とした請求項8または請求項9に記載の陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法。
  11. 前記バックグラウンド推算プロセスでは、前記第1のエネルギー窓内のバックグラウンド分を線形補間または高次関数による補間によって推算することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法。
  12. 記制御手段が、前記照射ガンマ線の全吸収ピークの近傍に設定したエネルギー窓内のカウント値を取得する窓内カウント値取得プロセスと、
    前記制御手段が、前記照射ガンマ線を遮蔽する照射ガンマ線遮蔽プロセスと、
    前記制御手段が、前記照射ガンマ線を遮蔽した状態で前記エネルギー窓内でのバックグラウンド分を計数するバックグラウンド計数プロセスと、
    前記制御手段が、前記エネルギー窓内のカウント値から、前記バックグラウンド分を補正することにより、前記トランスミッションデータを演算するトランスミッションデータ演算プロセスと、
    を含むことを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の陽電子放出断層撮影装置におけるエミッションデータの減弱補正の制御方法。
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