JPH09269376A - シングルフォトンect装置 - Google Patents

シングルフォトンect装置

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JPH09269376A
JPH09269376A JP10472796A JP10472796A JPH09269376A JP H09269376 A JPH09269376 A JP H09269376A JP 10472796 A JP10472796 A JP 10472796A JP 10472796 A JP10472796 A JP 10472796A JP H09269376 A JPH09269376 A JP H09269376A
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JP
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shutter
subject
gamma ray
angle
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JP10472796A
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English (en)
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Haruo Kishi
治夫 貴志
Yoshihiko Kumazawa
良彦 熊澤
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Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単検出器でありながらも、データ収集を短時
間で行うことができるとともに、RI分布像のアーティ
ファクトを確実に抑制することができる。 【解決手段】 検出器3と、検出器3に対向して配設さ
れた外部ガンマ線源2と、外部ガンマ線源2に付設され
て放射を制御するシャッター2cと、検出器3を回転駆
動する回転駆動部22と、シャッター2cを閉止した状
態でエミッションデータを収集し、シャッター2cを開
放した状態でトランスミッションデータを収集する収集
部21と、データ格納部25と、2種類のデータに基づ
き吸収係数分布データを算出する吸収係数算出部30
と、RI分布像を再構成する際に、吸収係数分布データ
によって吸収補正して補正RI分布像を得る画像再構成
部31と、画像を表示するモニタ32とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放射性同位元素
RI(ラジオアイソトープ)を投与された被検体から放
出されるガンマ線を検出して断層面内におけるRI分布
像を得るシングルフォトンECT(Single Photon Emiss
ion CT) 装置に係り、特に、不均一吸収体による吸収を
補正する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置として、例えば、放
射性同位元素RIが投与された被検体の回りを回転しつ
つ、被検体から放射されるガンマ線を検出する検出器
と、この検出器を介して投影データであるエミッション
データを収集する収集部と、収集されたエミッションデ
ータを格納する格納部と、格納されたエミッションデー
タを用いて関心部位のRI分布断層像を再構成する画像
再構成部とを備えている装置が挙げられる。
【0003】このように構成されている装置では、ま
ず、検出器を所定の角度ステップごとに回転駆動し、各
角度ごとにエミッションデータを収集する。そして、こ
のエミッションデータを用いて、RI分布断層像を再構
成するようになっている。しかしながら、特に、被検体
の体幹部(例えば、心臓)が関心部位である場合には、
それらのエミッションデータを用いてRI分布像を再構
成すると、種々の臓器や骨など、吸収係数が不均一な吸
収体による吸収に起因してRI分布像にアーティファク
ト(偽像とも呼ばれる)が生じる。そこで、RI分布像
における上記のアーティファクトを抑制するために体幹
部の不均一吸収を補正する処理方法が研究開発され、こ
のような補正を行う従来の装置としては次の2つが挙げ
られる。
【0004】検出器を複数個備えた装置(複数検出器
装置) 上記の検出器と同様の、被検体からのエミッションデー
タを得るための第1検出器と、外部ガンマ線源と、外部
ガンマ線源からの外部ガンマ線(トランスミッションデ
ータ)を検出するための第2検出器とを備え、第1検出
器を介してエミッションデータを収集しつつ、第2検出
器を介してトランスミッションデータを収集する。この
ように構成された装置では、トランスミッションデータ
を用いて画像を再構成して吸収係数分布データを算出
し、エミッションデータを用いてRI分布像を再構成す
る際にその吸収係数分布データにより吸収補正するよう
になっている。
【0005】検出器を1個だけ備えた装置(単検出器
装置) 被検体からのエミッションデータを得るための1個の検
出器を備え、この装置に着脱自在の外部ガンマ線源を取
り付け、例えば、まず、外部ガンマ線源からガンマ線を
照射しつつ検出器を介して被検体の全周にわたってトラ
ンスミッションデータを収集し、次いで、外部ガンマ線
源からの照射を停止して検出器を介して被検体の全周に
わたってエミッションデータを収集する。そして、上記
の複数検出器装置と同様にして、吸収係数分布データ
によりRI分布像を補正するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、上記の複数検出器装置は、第1検出
器と第2検出器の複数個の検出器を要するので、装置が
コスト高となる問題点がある。その一方、上記の単検
出器装置は、トランスミッションデータとエミッション
データとを得るために2回のデータ収集を行う必要があ
るので、データ収集に時間がかかるという問題点がある
とともに、それらの収集時の間に被検体の位置がずれる
と、この位置ずれに起因して補正精度が低下し、算出し
た吸収係数分布データを用いても補正を正確に行うこと
ができないという問題点がある。なお、被検体は一般的
に疾患を有している関係上、その間中身体を動かさない
ようにすることは非常に苦痛であるので、データ収集が
短時間で完了することは非常に重要なことである。
【0007】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであって、外部ガンマ線源の照射を制御するこ
とにより、単検出器でありながらも、データ収集を短時
間で行うことができるとともに、RI分布像のアーティ
ファクトを確実に抑制することができるシングルフォト
ンECT装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、このような
目的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、この発明に係るシングルフォトンECT装置は、放
射性同位元素RIを投与された被検体から放射されるガ
ンマ線を検出して関心部位のRI分布像を再構成するシ
ングルフォトンECT装置であって、(a)ガンマ線を
検出する検出手段と、(b)前記被検体を挟んで前記検
出手段に対向して配設された外部ガンマ線源と、(c)
前記外部ガンマ線源に付設されてそのガンマ線の放射を
制御する開閉自在のシャッターと、(d)前記検出手段
と前記外部ガンマ線源とを、所定の角度ステップごとに
被検体の周囲に回転駆動する回転駆動手段と、(e)前
記回転駆動手段を介して前記検出手段と前記外部ガンマ
線源とを回転駆動しつつ、所定の角度ごとに、前記シャ
ッターを閉止した状態で前記検出手段を介して検出され
たガンマ線をエミッションデータとして収集し、前記シ
ャッターを開放した状態で前記検出手段を介して検出さ
れたガンマ線をトランスミッションデータとして収集す
る収集手段と、(f)前記収集された各角度ごとのエミ
ッションデータおよびトランスミッションデータを格納
する格納手段と、(g)前記各角度ごとのトランスミッ
ションデータおよび前記各角度ごとのエミッションデー
タを用いて、不均一吸収体による吸収を補正するための
吸収係数分布データを算出する吸収係数算出手段と、
(h)前記各角度ごとのエミッションデータを用いて前
記被検体の関心部位のRI分布像を再構成する際に、こ
のRI分布像を前記吸収係数分布データによって吸収補
正して補正RI分布像を得る画像再構成手段と、(i)
前記補正RI分布像を表示する表示手段と、を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】この発明の作用は次のとおりである。外部ガン
マ線源と検出手段は、被検体を挟んだ状態で回転駆動手
段により所定の角度ステップごとに回転駆動される。こ
のとき収集手段は回転駆動手段を介して検出手段と外部
ガンマ線源とを回転駆動しつつ、所定の角度ごとに、次
のようにしてエミッションデータおよびトランスミッシ
ョンデータの2種類のデータを収集する。例えば、ある
角度において、まず、シャッターを閉止した状態でデー
タを収集、すなわち、被検体から放出されるガンマ線の
みを検出手段を介して検出し、これをエミッションデー
タとして収集する一方、シャッターを開放した状態でデ
ータを収集、すなわち、被検体から放出されるガンマ線
と、外部ガンマ線源から放出されるガンマ線とを検出手
段を介して検出し、これらをトランスミッションデータ
として収集する。そして、順次に各角度において2種類
のデータを収集する。このようにして収集された各角度
ごとの2種類のデータは、共に格納手段に格納される。
このようにして外部ガンマ線源のシャッターを開閉制御
することにより、検出手段が1つであってもそれを1回
転させる間に、2種類のデータを収集することができ
る。
【0010】格納手段に格納されている2種類のデー
タ、つまり、各角度ごとのエミッションデータおよび同
様の角度ごとのトランスミッションデータのうちトラン
スミッションデータは、被検体から放出されているガン
マ線をも含むものであるので、これを2種類のデータに
基づいて除去し、不均一吸収を補正するための吸収係数
分布データを吸収係数算出手段により算出する。
【0011】画像再構成手段は、各角度ごとのエミッシ
ョンデータに基づき被検体の関心部位のRI分布像を再
構成するが、吸収補正を行わないで再構成されたRI分
布像は不均一吸収に起因するアーティファクトを含むも
のである。そこで、このRI分布像を再構成する際に、
上記算出された吸収係数分布データにより吸収補正して
補正RI分布像を得る。この補正RI分布像は、表示手
段に表示される。上記の補正RI分布像は、上述したよ
うに検出手段が1回転する間に収集された2種類のデー
タに基づく吸収係数分布データによって補正されている
ので、被検体の位置ずれに起因する補正精度の低下を防
止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施例を説明する。まず、図1ないし図3を参照し
て、実施例に係るシングルフォトンECT装置の構成に
ついて説明する。なお、図1はシングルフォトンECT
装置の概略構成を示すブロック図であり、図2はその正
面図であり、図3は外部ガンマ線源の概略構成図であ
る。
【0013】ガントリ1はその中央部に開口1aを有
し、この開口1aの正面側周辺部には外部ガンマ線源2
と、ファンビームコリメータを内蔵した検出器3とが対
向配置されている。これらの外部ガンマ線源2と検出器
3とは、ガイド4に沿って摺動自在の連結部材5により
連動連結されている。連結部材5は、外部ガンマ線源2
と検出器3との間隔を常時一定の間隔に保持するための
ものであり、検出器3を被検体Mに近づけた場合には外
部ガンマ線源2が被検体Mから遠ざかるように動作す
る。外部ガンマ線源2は、図3に示すように、ガンマ線
源Sから放射されるガンマ線の照射方向を規制する“コ
の字状”のシールド2aによって囲われており、その開
口部2b側には図中の水平方向に進退駆動されるシャッ
ター2cが配設されている。このシャッター2cは、後
述するシャッター駆動部により開閉駆動されるようにな
っている。また、上記の外部ガンマ線源2と検出器3と
は、後述する回転駆動部により所定の角度ステップθs
で被検体Mの周囲を回転駆動される。なお、上記の検出
器3は、この発明における検出手段に相当するものであ
る。また、上記外部ガンマ線源2は、図3の構成に限定
されるものではなく、ガンマ線源Sの照射をオン/オフ
制御することができれば種々の変形実施が可能である。
【0014】ガントリ1の正面側(図1中の右側)に
は、被検体Mを載置するためのベッド10が所定距離を
隔てて配置されている。このベッド10は、床面に固定
されている基台10aと、基台10aの上部に水平移動
自在に配設されている天板10bとから構成されてい
る。この天板10bは、基台10aに内蔵された進退駆
動部10cによって、ガントリ1に対して進退駆動され
るようになっている。RI分布像の撮像を行う際には、
放射性同位元素RIが投与された被検体Mを天板10b
に載置し、その関心部位が検出器3の撮影視野内に位置
するように進退駆動部10cが駆動されるようになって
いる。
【0015】操作卓20は、撮影者が撮像に係る種々の
指示、例えば、どの角度ごとにデータ収集を行うかを設
定する角度ステップθs の入力指示や、撮像開始の指示
を行うためのものである。この操作卓20からの指示
は、収集部21に与えられるようになっている。収集部
21は、この発明の回転駆動手段に相当する回転駆動部
22を介して回転中心P回りに、指示された角度ステッ
プθs (例えば、5°)ごとに外部ガンマ線源2と検出
器3とを360°にわたって回転駆動して、被検体Mの
回りを回転駆動するようになっている。このとき収集部
21は、シャッター駆動部23を介してシャッター2c
の開閉を制御する。このシャッター2cの開閉制御の詳
細については、後述するが、例えば、所定の角度ごと
に、シャッター2cを閉止した状態、つまり外部ガンマ
線源2からのガンマ線を遮断した状態で被検体Mから放
出されるガンマ線のみを検出器3を介して検出し、シャ
ッター2cを開放した状態、つまり外部ガンマ線源2か
らガンマ線を被検体Mに照射した状態で外部ガンマ線源
2および被検体Mから放出されるガンマ線を検出器3を
介して検出するようにする。このようにして検出された
ガンマ線は、後述する弁別器3aを介して各角度ごとに
そのカウント値および位置情報を含むデータとしてバッ
ファメモリ24に書き込まれ、データ格納部25に格納
収集される。シャッター2cが閉止された状態で収集さ
れたデータは、被検体Mから放出されるガンマ線のみの
データであり、エミッションデータとして格納され、シ
ャッター2cが開放された状態で収集されたデータは、
被検体Mから放出されるガンマ線および外部ガンマ線源
2から放出されるガンマ線を含むデータであり、トラン
スミッションデータとして格納されるようになってい
る。なお、上記の収集部21はこの発明における収集手
段に相当し、上記のデータ格納部25はこの発明におけ
る格納手段に相当するものである。
【0016】この発明の吸収係数算出手段に相当する吸
収係数算出部30は、データ格納部25に格納されてい
る各角度ごとのエミッションデータおよび各角度ごとの
トランスミッションデータに基づいて、被検体Mの不均
一吸収を補正するための吸収係数分布データを算出する
ものである。具体的には、まず、各角度ごとのトランス
ミッションデータについて修正処理を施し、この修正さ
れたトランスミッションデータにより画像を再構成し、
これに基づいて吸収係数分布データを算出する。上記の
修正処理の詳細については後述するが、概略的にはトラ
ンスミッションデータに含まれている被検体Mからのガ
ンマ線のデータを除去するための処理である。
【0017】画像再構成部31は、データ格納部25に
格納されている各角度ごとのエミッションデータに基づ
いてRI分布像を再構成するものである。吸収補正を行
わないで再構成されたRI分布像は被検体Mの不均一吸
収に起因するアーティファクトを含んでいる。そこで、
RI分布像を再構成する際に、上記吸収係数算出部30
により算出された吸収係数分布データに基づいて、吸収
補正して補正RI分布像を得るものである。補正RI分
布像は、モニタ32に出力されて表示されるようになっ
ている。なお、上記の画像再構成部31および上記のモ
ニタ32は、それぞれこの発明における画像再構成手段
および表示手段に相当するものである。
【0018】なお、この例では、被検体MにタリウムTl
-201(放射性同位元素RIa )を投与するものとし、外
部ガンマ線源2のガンマ線源SとしてテクネシウムTc-9
9m(放射性同位元素RIb )を採用しているものとす
る。これらの放射性同位元素RIa ,RIb は、図4に
示すように、それぞれエネルギーのピーク位置が異なる
ものであり、検出器3に接続された弁別器3aでは、各
ピークに一致した2個のエネルギーウインドウEW1お
よびEW2が設定されている。例えば、EW1はピーク
70keV ,ウィンドウ幅20%、EW2はピーク140
keV ,ウィンドウ幅20%に設定し、2核種同時SPE
CTと同様に収集する。
【0019】次に、図5のフローチャートを参照して上
記のように構成された装置によるRI分布像の撮像につ
いて説明する。なお、この装置の初期状態は、外部ガン
マ線源2が上側にある状態(図2の実線で示す状態)と
し、この状態を『0°』の角度とする。この『0°』の
角度から角度ステップθs (この例では5°)ごとに外
部ガンマ線源2および検出器3を被検体Mの回りに回転
駆動しつつ、『355°』の角度まで上述した2種類の
データ収集を行う。また、放射性同位元素RI a を投与
された被検体Mは天板10bに既に載置され、進退駆動
部10cを介してその関心部位が検出器3の撮影視野内
に移動されているものとする。
【0020】ステップS1(シャッター閉止):まず、
収集部21は、シャッター駆動部23を介してシャッタ
ー2cを閉止する。この状態では、外部ガンマ線源2か
らの放射性同位元素RIb によるガンマ線放射が遮断さ
れている。
【0021】ステップS2(エミッションデータの収
集):検出器3から弁別器3aのエネルギーウィンドウ
EW1またはEW2を透過して収集されるデータをバッ
ファメモリ24の第1または第2のアドレス領域に書き
込む。このEW1に関するデータEθは、被検体M中の
放射性同位元素RIaから放出される70keV の特性X
線から得られるものであって、エミッションデータであ
る。また、EW2に関するデータSθは、放射性同位元
素RIa から放出される167keV のガンマ線の散乱線
データである。
【0022】ステップS3(シャッター開放):収集部
21は、シャッター駆動部23を介してシャッター2c
を開放する。この状態では、外部ガンマ線源2からの放
射性同位元素RIb によるガンマ線が放射される。
【0023】ステップS4(トランスミッションデータ
の収集,データの格納):検出器3から弁別器3aのエ
ネルギーウィンドウEW1またはEW2を透過して収集
されるデータをバッファメモリ24の第3または第4の
アドレス領域に書き込む。このデータEW2に関するデ
ータTθは、外部ガンマ線源2の放射性同位元素RIb
から放出される140keV ガンマ線を利用して得られる
トランスミッションデータが主であるが、その他に、被
検体Mの放射性同位元素RIa から放出される167ke
V のガンマ線の散乱線データも含まれている。また、E
W1に関するデータFθは、被検体M中の放射性同位元
素RIa から放出される70keV の特性X線から得られ
るエミッションデータが主であるが、外部ガンマ線源2
の放射性同位元素RIa から放出される140keV のガ
ンマ線の散乱線データも含まれている。
【0024】さらに、バッファメモリ24の第1,第
2,第3および第4のアドレス領域に書き込まれている
エミッションデータとトランスミッションデータなど
を、データ格納部25に格納する。このときの格納状態
を示す模式図が、図6(a)〜(d)である。これらの
エミッションデータEθ,トランスミッションデータT
θ,データFθおよびデータSθのうち、特に上記のス
テップS1〜S4を経て収集されるのは、このときの角
度『0°』に対応する図中のE0 °,T0 °,F0°,
0 °のデータである。
【0025】ステップS5(所定の角度ステップだけ回
転駆動):収集部21は、回転駆動部22を介して外部
ガンマ線源2と検出器3とを角度ステップθs (この例
では5°)だけ回転駆動する。
【0026】ステップS6(終了?):収集部21は、
回転駆動部22を介して外部ガンマ線源2と検出器3と
を初期状態から1回転させたか否かによって処理を分岐
する。この例では、初期状態を『0°』としているの
で、角度が『355°』を越えたか否かを判断して、越
えている場合にはステップS7に処理を分岐する。現在
の角度は『0°』から『5°』に設定された状態である
ので、ステップS1に処理を分岐する。
【0027】上述したようにして、ステップS6におい
て『終了』と判断されるまで、ステップS1〜S6を繰
り返し実行する。ステップS6において『終了』と判断
された時点におけるデータ格納部25のデータ格納状態
は、図6(a)〜(d)に示すように、エミッションデ
ータEθ,トランスミッションデータTθ,データFθ
およびデータSθともに、各角度ごとのデータを有する
ことになる。
【0028】このように外部ガンマ線源2に付設されて
いるシャッター2cを開閉制御することにより、1つの
検出器3であっても、1回転で各角度ごとのエミッショ
ンデータEθおよびトランスミッションデータTθなど
を収集することができる。したがって、従来装置のよ
うに、2回転でそれらを収集する場合に比較して、デー
タ収集時間を短縮することができる。その結果、疾患を
有する被検体Mに苦痛を感じさせることなく2種類のデ
ータを収集することができる。
【0029】ステップS7(トランスミッションデータ
の修正):上記ステップS4においてEW2に関して収
集された各角度ごとのトランスミッションデータTθ
は、上述したように外部ガンマ線源2の放射性同位元素
RIb から放出されるガンマ線により得られたトランス
ミッションデータが主であるが、その他に、被検体M中
の放射性同位元素RIa から放出される167keV のガ
ンマ線の散乱線データも含まれている。しかし、この被
検体M中の放射性同位元素RIa から放出される167
keV のガンマ線による散乱線データは吸収係数分布デー
タを算出する際に悪影響を及ぼすので、それを除去する
ために以下のようにして吸収係数算出部30がトランス
ミッションデータTθに対して修正を施す。
【0030】まず、上記ステップS4において収集され
た各角度ごとのトランスミッションデータTθは、それ
ぞれ次のように表される。
【0031】 T0 ° =(T2B0 °+E2B0 °) T5 ° =(T2B5 °+E2B5 °) ……… ……… T355 ° =(T2B355 °+E2B355 °)
【0032】ここで、右辺の各項の成分および図6
(a)〜(d)内の各式の右辺の各項は、 T:正味のトランスミッション核種によるデータ E:正味のエミッション核種によるデータ 添字1:エネルギーウィンドウEW1に関する収集デー
タ 添字2:エネルギーウインドウEW2に関する収集デー
タ 添字B:シャッター2cが開放された状態での収集デー
タ 添字θ:角度(0°,5°,………,355°) をそれぞれ示している。すなわち、T1Bθ:トランスミ
ッション核種からウィンドウEW1への散乱データ T2Bθ:正味のトランスミッションデータ E1Aθ, 1Bθ:正味のエミッションデータ E2Aθ, 2Bθ:エミッション核種からウィンドウEW
2への散乱線データを意味している。
【0033】上記の各角度ごとのトランスミッションデ
ータTθから、シャッター2cが開放された状態で検出
されたエミッション核種からウィンドウEW2への散乱
線データE2Bθを減算したのが修正した、つまり正確な
トランスミッションデータTCORRθとなる。ところが上
記のデータE2Bθは、直接的には検出できないものであ
るので、これに代えてシャッター2cが閉止されている
ときに、収集されたエミッション核種からウィンドウE
W2への散乱線データE1Aθ(この添字Aはシャッター
2cが閉止された状態での収集データを示す)から相当
量を算出してクロストーク相当量として用いる。すなわ
ち、シャッター2cが開放されているときの収集時間
と、シャッター2cが閉止されているときの収集時間と
の比率kによりクロストーク相当量を算出する。これは
シャッター2cが開放されているときの収集時間が長い
ほど、クロストーク相当量もそれに応じて大きくなって
いるので、その比率に応じてクロストーク相当量を算出
することを意味する。したがって、上記の各角度ごとの
トランスミッションデータTθは、次のようにして修正
トランスミッションデータTCORRθとされる。
【0034】 TCORR0 ° =(T2B0 °+E2B0 °)−k・E2A0 ° TCORR5 ° =(T2B5 °+E2B5 °)−k・E2A5 ° ……… ……… TCORR355 ° =(T2B355 °+E2B355 °)−k・E2A355 °
【0035】このようにして算出された各角度ごとの修
正トランスミッションデータTCORRθは、図6(e)の
ように模式的に表される。この修正トランスミッション
データTCORRθは、データ格納部25内に格納される。
【0036】ステップS8(吸収係数分布データの算
出):吸収係数算出部30は、上記ステップS7におい
て算出された修正トランスミッションデータTCORRθか
ら画像を再構成し、この再構成画像に基づいて被検体M
の吸収係数分布データを算出する。
【0037】ステップS9(エミッションデータに基づ
くRI分布像の再構成と吸収補正):画像再構成部31
は、データ格納部25に格納されている各角度ごとのエ
ミッションデータEθに基づいて、RI分布像の再構成
を行う。吸収補正を行わないで再構成されたRI分布像
は、被検体Mの不均一吸収に起因するアーティファクト
を含むものである。
【0038】そこでRI分布像を再構成する際に、上記
のステップS8において算出された吸収係数分布データ
により吸収補正する。したがって、この補正されたRI
分布像(補正RI分布像)を、被検体Mの不均一吸収に
起因するアーティファクトを抑制したものとすることが
できる。なお、吸収係数分布データは、ステップS1〜
S6においてエミッションデータEθとともに収集され
たトランスミッションデータTθに基づいて算出された
ものであるので、従来装置のように2回のデータ収集
を行って補正する場合に比較して短時間で2種類のデー
タ収集を完了することができることにより、被検体Mの
位置ずれに起因する補正精度の低下を防止することがで
きる。したがって、RI分布像のアーティファクトを確
実の抑制することができる。
【0039】ステップS10(補正RI分布像の表
示):ステップS9において補正されたRI分布像をモ
ニタ32に出力して表示する。このモニタ32に表示さ
れる補正RI分布像は、上述したようにアーティファク
トが除去されたものであるので、診断を正確に行うこと
ができる。
【0040】なお、上記の実施例では、被検体Mに投与
される放射性同位元素RIa をタリウムTl-201とし、外
部ガンマ線源2のガンマ線源Sの放射性同位元素RIb
をテクネシウムTc-99mとしたが、上記の線源Sの放射性
同位元素RIb の核種は投与する放射性同位元素RIa
の核種に応じて適宜に決定されるものである。また、上
記の放射性同位元素を共に同じものとしてもよく、例え
ば、被検体Mに投与する放射性同位元素RIa および外
部ガンマ線源2のガンマ線源Sの放射性同位元素RIb
を共にテクネシウムTc-99mとしてもよい。この場合、弁
別器3はエネルギーウィンドウEW1のみが設定されて
いる。但し、この場合には、上記ステップS7において
各角度ごとのトランスミッションデータTθに施した修
正処理の手法が異なる。
【0041】この場合には、上記のステップS4におい
て収集された各角度ごとのトランスミッションデータT
θを、次のようにして修正トランスミッションデータT
CORRθとすればよい。なお、以下の右辺における添字1
は、エネルギーウインドウEW1の収集データを示し、
その他の添字は上述したものと同じである。
【0042】 TCORR0 ° =(T1B0 °+E1B0 °)−k・E1A0 ° TCORR5 ° =(T1B5 °+E1B5 °)−k・E1A5 ° ……… ……… TCORR355 ° =(T1B355 °+E1B355 °)−k・E1A355 °
【0043】また、上記の実施例では、ある角度におけ
るエミッションデータEθの収集後に、トランスミッシ
ョンデータTθを収集し、これを全ての角度ステップご
とに繰り返すようにしたが、その逆であってもよい。ま
た、各々の角度においてシャッター2cを周期的に開閉
制御してエミッションデータEθとトランスミッション
データTθを交互に収集を繰り返す方法でもよい。この
場合には、バッファメモリ24のアドレスをシャッター
2cの開閉制御に連動して切り換えるようにしておく。
【0044】また、上記実施例では、ファンビームコリ
メータを内蔵した検出器3を例に採って説明したが、パ
ラレルホールコリメータを内蔵した検出器であっても実
施可能である。この場合には、各角度ごとに外部ガンマ
線源と検出器とを対向支持した状態で外部線源側を平行
移動させるようにすればよい。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、外部ガンマ線源と検出手段の回転駆動に連
動して、各角度ごとに外部ガンマ線源のシャッターを開
閉してその照射を制御することにより、1つの検出手段
であっても1回転の間に、エミッションデータおよびト
ランスミッションデータの2種類のデータを収集するこ
とができる。すなわち、短時間でデータ収集を行うこと
ができる。したがって、疾患を有する被検体に苦痛を感
じさせることなくデータ収集を行うことができ、データ
収集時における被検体の位置ずれに起因する補正精度の
低下を防止することができる。その結果、RI分布像の
アーティファクトを確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るシングルフォトンECT装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】シングルフォトンECT装置の正面図である。
【図3】外部ガンマ線源の概略構成図である。
【図4】エネルギーウインドウの説明に供する図であ
る。
【図5】装置の動作例を示すフローチャートである。
【図6】データ格納部に格納されるデータを示す模式図
である。
【符号の説明】
1 … ガントリ 2 … 外部ガンマ線源 2a … シールド 2b … 開口部 2c … シャッター 3 … 検出器(検出手段) 10 … ベッド 10b … 天板 20 … 操作卓 21 … 収集部(収集手段) 22 … 回転駆動部(回転駆動手段) 23 … シャッター駆動部 24 … バッファメモリ 25 … データ格納部(格納手段) 30 … 吸収係数算出部(吸収係数算出手段) 31 … 画像再構成部(画像再構成手段) 32 … モニタ(表示手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性同位元素RIを投与された被検体
    から放射されるガンマ線を検出して関心部位のRI分布
    像を再構成するシングルフォトンECT装置であって、
    (a)ガンマ線を検出する検出手段と、(b)前記被検
    体を挟んで前記検出手段に対向して配設された外部ガン
    マ線源と、(c)前記外部ガンマ線源に付設されてその
    ガンマ線の放射を制御する開閉自在のシャッターと、
    (d)前記検出手段と前記外部ガンマ線源とを、所定の
    角度ステップごとに被検体の周囲に回転駆動する回転駆
    動手段と、(e)前記回転駆動手段を介して前記検出手
    段と前記外部ガンマ線源とを回転駆動しつつ、所定の角
    度ごとに、前記シャッターを閉止した状態で前記検出手
    段を介して検出されたガンマ線をエミッションデータと
    して収集し、前記シャッターを開放した状態で前記検出
    手段を介して検出されたガンマ線をトランスミッション
    データとして収集する収集手段と、(f)前記収集され
    た各角度ごとのエミッションデータおよびトランスミッ
    ションデータを格納する格納手段と、(g)前記各角度
    ごとのトランスミッションデータおよび前記各角度ごと
    のエミッションデータを用いて、不均一吸収体による吸
    収を補正するための吸収係数分布データを算出する吸収
    係数算出手段と、(h)前記各角度ごとのエミッション
    データを用いて前記被検体の関心部位のRI分布像を再
    構成する際に、このRI分布像を前記吸収係数分布デー
    タによって吸収補正して補正RI分布像を得る画像再構
    成手段と、(i)前記補正RI分布像を表示する表示手
    段と、を備えていることを特徴とするシングルフォトン
    ECT装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004530914A (ja) * 2001-06-27 2004-10-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ガンマカメラデータセットの複数同時収集
JP2007101341A (ja) * 2005-10-04 2007-04-19 Hitachi Ltd 陽電子放出断層撮影装置および陽電子放出断層撮影方法

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