JP2010002235A - 核医学撮像装置およびその初期散乱位置判定方法 - Google Patents

核医学撮像装置およびその初期散乱位置判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分短い時間分解能をもっていない半導体検出素子を放射線検出素子に用いたことにより、タイムウインドウをあまり狭めることができない場合でも、エミッション撮像時における偶発同時計数(ランダム)の影響を抑制することにより、画像のS/N比を向上させることができるPET装置を提供する。
【解決手段】検出器領域4B内の放射線検出器により検出された、検出イベント群特定領域73内の複数のイベントの内、開口部の中心軸に最も近いイベントを選択し、このイベントの検出エネルギー及びこの検出エネルギー誤差を基に、このイベントに係る推定散乱角とこの推定散乱角の角度誤差とを推定する。更に、このイベントの検出位置、前述の推定散乱角と角度誤差を基に、このイベントの検出位置が初期散乱位置であるか否かを判定することで、初期散乱位置でないイベントが初期散乱位置として処理されるのを防ぐ。
【選択図】図7

Description

本発明は、陽電子放出型CT(ポジトロン・エミッション・コンピューテッド・トモグラフィ(Positron Emission Computed Tomography)、以下、PETという)装置等、複数の検出器を有する核医学撮像装置に係り、更に詳しくは、核医学撮像装置における検出器での初期散乱位置の検知に関するものである。
PET検査は、15O、13N、11C、18Fなどの陽電子放出核種で標識した放射性薬剤(以下、PET用薬剤と称する)を被検体に投与し(または、投与しながら)、この被検体を外部から撮像し、被検体内でPET用薬剤がどのように集積するかを調べるものである。
例えば、進行がんは糖の代謝が亢進しているので、糖の一種であるグルコースを放射性同位体であるフッ素−18(18F)で標識したフルオロデオキシグルコース(18FDG)をPET用薬剤として被検者に投与し、その集積分布を画像化することによって、がん病巣の状態を定量的に知ることができる。
PET用薬剤からは、固有の確率で発生される陽電子の対消滅に起因して、それぞれ511[keV]のエネルギーを持つ一対のγ線(以下、対γ線という)が放射される。互いに正反対の方向に放射される2個のγ線を、2個のγ線検出器で検知することにより、対γ線の飛跡LOR(Line of Response)を知ることができる。同様に対γ線の飛跡LORを多数検知し、例えば、非特許文献1に記載のフィルタードバックプロジェクション法(Filtered Back Projection Method)等によって、各ボクセル(3次元画像を構成する微小立方体)のデータに変換し、画像化することで、陽電子−電子の対消滅が生じた箇所、即ち、PET用薬剤の集積分布を表す画像が得られる。
PET用薬剤からの対γ線は、例えば投与された体内からは1秒間に1000万個以上も放出される。このため、これらの対γ線の検出には検出器全体として同時検出であることを判断するために、無数の検出イベントに対してその検出時刻差を測定し、所定のタイムウインドウ内(所定の期間内)に入るものを同時に検出したとみなし、1つの対γ線を特定している。このタイムウインドウは、γ線の行路差や検出器結晶の応答特性、読出回路の特性等により通常10nsから20nsという幅で設定されている。
このような測定原理のため、タイムウインドウ内に異なる発生位置からのγ線が入射し、誤った対情報として測定される「偶発同時計数」や体内で散乱して方向が変化したγ線を誤って対情報として測定される「散乱同時計数」が存在する。これらの存在は1点から放出される本来の直線状の1対のγ線の情報「真の同時計数」に対し、ノイズとなり、画像(PET用薬剤の集積分布を表す画像)のS/N比を低下させる。
偶発同時計数はタイムウインドウを狭めることで低減できるが、シンチレータと異なり十分短い時間分解能を持っていない半導体検出器の場合、同時計数そのもののカウントが減少する(感度が低下する)。
また、散乱同時計数を低減するために、γ線が散乱するときエネルギーが失われることを利用し、エネルギー閾値を設けてエネルギー閾値以上、あるいは対γ線(511keV)の近傍のエネルギー範囲(エネルギーウインドウ)内のγ線のデータだけを選択している。エネルギーウインドウを狭めることでS/N比は向上するが、十分なエネルギー分解能を持っていない場合、カウント(感度)の低下を招く。従って、感度を維持したまま画像のS/N比を向上させるためには、時間分解能、エネルギー分解能の優れた装置が望まれる。
[DOI検出器]
PET装置ではγ線の入射方向は一意ではなく、検出素子に対して斜めに入射するものも多く存在する。γ線の検出効率を大きくするために厚い検出器(γ線が検出素子内を通過する距離が長くなるよう、深さ方向の寸法を大きくした検出器)を用いなければならないが、空間分解能を向上させるためには入射面積を小さくせねばならず、一検出単位が細長い検出素子が従来用いられていた。細長い検出素子の場合、斜めにγ線が入射して検出したとき、検出素子のどこで反応したかは判断できないため、位置誤差が大きく、このような斜め入射が多い画像周辺の分解能が劣化する問題があった。この様な問題は検出器の厚み方向(深さ方向)の検出位置を分解して取得できるようにすることで解決する。このような構成の例として、半径方向に三層になるようにした多段構成の検出器(DOI(Depth Of Interaction)検出器)を備えて深さ位置情報を取得し、この深さ位置情報を用いて画像を再構成し、画質の向上を図った放射線検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この他にもグリッド状に区切られたホトダイオード(入射面側)とシンチレータ、1つの光電子増倍管(背面側)を用い、ホトダイオードで入射面での2次元検出位置情報、光電子増倍管で検出タイミング、ホトダイオードと光電子増倍管の信号出力の比でシンチレータ内の検出深さ位置情報を取得するシステムも存在する。(非特許文献2)
[検出器内散乱線処理]
γ線は、被検体内のほか、検出器内でも散乱を生じる。仮に、所定のγ線の散乱箇所及び吸収箇所をもれなく検出できたとすると、検出エネルギーの合計は入射したγ線のエネルギーに等しくなる。しかし、従来のPET装置では、各検出器は散乱もしくは吸収したγ線のエネルギーを各々独立して検出していたため、複数の検出器で検出されたエネルギーの合計がエネルギーウインドウ内に入っていたとしても、それぞれの検出器で検出されたエネルギーがエネルギーウインドウ内に入っていなければ、全ての検出イベントが別個のγ線によるものとみなされ、検出データ(検出エネルギーのデータ)は利用されなかった。
従来の核医学撮像装置(PET装置も含む)で、各検出器の検出データを利用して検出効率の向上を図ることができる核医学撮像装置が知られている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。検出効率が向上すれば短時間で高画質な画像を得ることができるため、被検者の放射線被曝が低減する。
PET検査において、検出器内で複数回散乱したγ線のデータを利用する場合は、初期散乱位置、つまり、γ線を検出した複数の検出器の内、最初にγ線を検出した検出器を特定する必要がある。初期散乱位置を特定するために、各検出位置でのエネルギーと検出位置同士の角度等を用いて推定する構成(特許文献2及び特許文献3参照)や撮像装置の中心により近い検出位置を選択する構成(特許文献4参照)が知られている。このような複数の検出器内散乱イベントの検出情報から初期散乱位置を特定する方法を総称して検出器内散乱線処理と呼ぶ。
特開2003−167058号公報 特開2000−321357号公報 特開2003−255048号公報 特開2006−214916号公報 アイトリプルイー トランザクションズ オン ニュークリア サイエンス(IEEE Transaction on Nuclear Science)NS−21巻、1974年、21頁 Michael E. Phelps, "PET Physics, Instrumentation, and Scanners", Springer Science+Business Media, LLC, p.29, 2006
前述の従来のPET装置では、γ線の入射エネルギーと散乱光子のエネルギーを用いて、散乱経路を推定し初期入射位置を同定する処理を行っており、この処理は、対γ線の一方のみならず他方も散乱して複数の同時検出イベントとなった場合、非常に複雑化し、処理系の負荷が高くなる。
また、撮像装置の中心に最も近い検出位置を初期散乱位置として選択する方法は、処理系の負荷と選択された位置の正しさの確率を考慮すると適当な処理ではあるが、必ずしも物理的に正しいものを選択しているわけではないため、誤った位置を選択する可能性は避けられない。
いずれにしても、PET装置で初期入射位置を同定する際、1つのγ線が、検出器内で散乱し、更に散乱したγ線が別の検出器で捕らえられ、入射したγ線エネルギーが完全に吸収されることを前提にしており、対象とするγ線を完全に吸収できるだけの検出素子で周囲を覆わない限り、本質的に散乱γ線が検出器外に逃げることによる真の同時計数の損失が伴う。また、同時計数するタイムウインドウ内で計数するカウントが多く、処理も複雑である。このことは、高計数率下で急激に増加する偶発同時計数(ランダム)の計数(推定)処理、即ちランダム補正に影響を及ぼす。偶発同時計数の低減にはタイムウインドウを狭めることが有効であるが、検出素子の物理性能のために時間分解能には限度がある。
本発明の課題は、適切に初期入射位置を同定し、S/N比の高い画像を得ることができる核医学撮像装置およびその初期散乱位置判定方法を提供することにある。
前述の課題を達成するために、被検体の体軸に近い位置に体軸に平行に設定した中心軸の法線方向に沿って設置され、かつ、前記中心軸の周方向にも配設され、前記被検体からのγ線を検出する複数のセンサを有するγ線検出器と、前記センサがγ線を検出した際に出力するγ線検出信号に基づいて、各センサが検出したγ線のエネルギー及びγ線を検出したセンサの位置である検出点を決定する信号処理装置と、を備え、近接する複数のセンサのそれぞれから、同時に複数のγ線検出信号が出力されると、決定したそれぞれのエネルギー及び検出点を用いてγ線の初期散乱位置を判定する、核医学撮像装置における初期散乱位置判定方法であって、前記信号処理装置は、前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記センサにおけるエネルギー誤差をパラメータとした前記検出点でのエネルギーとコンプトン散乱角の角度誤差との対応関係を示す第2の対応関係情報を有し、前記信号処理装置は、前記検出点におけるエネルギーと前記第1の対応関係情報とに基づきコンプトン散乱角を求め、前記センサにおけるエネルギー誤差と前記検出点におけるエネルギーと前記第2の対応関係情報に基づきコンプトン散乱角の角度誤差を求め、前記求めたコンプトン散乱角と前記求めたコンプトン散乱角の角度誤差と前記検出点の位置とに基づき前記初期散乱位置を判定するようにした。
本発明によれば、適切に初期入射位置を同定し、S/N比の高い画像が得られる核医学撮像装置およびその初期散乱位置判定方法を提供できる。
以下、添付した各図を参照し、本発明の一実施形態であるPET装置について詳細に説明する。なお、以降の説明において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
《第一の実施形態》
≪装置の構成≫
まず、本発明の第一の実施形態(以下、本実施形態と称する)のPET装置の構成について、図1、図2を用いて、説明する。図1は、本実施形態のPET装置の構成を示す図である。図2は、本実施形態のPET装置における撮像装置内部の構成を示す断面図である。
PET装置1は、撮像装置2と、信号処理装置7と、断層像作成装置10と、ベッド(寝台)16を備えている。撮像装置2は、ケーシング3、検出器基板5に支持された多数の放射線検出素子(以下、検出素子と称する)4、外部線源20を有している。ケーシング3は、被検体17をベッド16に載置したまま挿入可能な開口部6を有している。検出器基板5には、配列して実装されている多数の検出素子4と、集積回路からなり検出素子4からの検出信号を処理する読出回路14とが実装されている。検出器基板5は、体軸方向(被検体17の挿入方向)に複数枚並べられ、検出器15を構成している。検出器15は、開口部6の周りを取り囲むように配置されている。
図2を参照すると、描画の都合上、検出器15(図1参照)が円周方向に10個配置されている場合について図示したが、撮像装置2を実現するには、より多数の検出器15を開口部6の円周方向に配置し、ほぼ円筒形の検出器面を構成すると良い。なお、検出素子4が6段に配置される場合について図示したが、検出素子4の段数は6段より多くても少なくても良い。
図1の通り、開口部6の半径方向に多段で被検体17(撮像範囲)の周囲を取り囲むように検出素子4を配置できるのであれば、検出器15の形状や配置は図示したものに限られない。本実施例のPET装置では、多数の検出素子4は、DOI(Depth Of Interaction)構成を実現するように配列される。DOI構成とは、開口部6の半径方向に対して検出素子4を多段に配置した構成のことである。
検出素子4は半導体検出素子であって、エネルギー分解能に優れたテルル化カドミウム(CdTe)、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)などの検出素子を含んで構成されている。エネルギー分解能に優れ、このような多段構成が可能であれば、テルル化カドミウム(CdTe)やテルル化カドミウム亜鉛(CZT)に限らず、他の半導体検出器またはシンチレータ検出器(いずれも図示せず)を用いても良い。あるいは、多段構成に限らず、半径方向に位置検出が行える検出素子を用いても良い。
外部線源20はセシウム−137(137Cs)点線源であり、外部線源ハウジング21内に外部線源20を収められるようにするため、外部線源ハウジング21にはハウジング開口部21hが穿設されている。
外部線源ハウジング21は、検出器15と開口部6との間に配置された支持部(図示せず)によって保持され、図示していない周回機構によって、ハウジング開口部21hを被検体17が挿入される撮像範囲の中央に向けたまま、開口部6の外縁部を周回可能になっている。外部線源20はトランスミッション撮像時に用いられ、エミッション撮像時は、十分な遮蔽能力を有するシャッタ(図示せず)によってハウジング開口部21hは閉じられている。なお、エミッション撮像時、外部線源20が格納容器(図示せず)に格納され放出γ線を遮蔽される構成としても良い。外部線源20及びトランスミッション撮像については、後述する。
信号処理装置7は、ユニットデータ統合装置112と、γ線弁別装置8と、同時計数装置9とを備えている。ユニットデータ統合装置112は、配線13を介して撮像装置2の各検出器15に接続され、各検出器15の各検出素子4から出力された検出信号を統合する機能を有する。即ち、各検出素子4から出力された検出信号がユニットデータ統合装置112で収集される。そして、収集された検出信号は、一括してγ線弁別装置8に送出される。なお、検出素子4から出力される検出信号には、少なくとも検出素子位置アドレス、検出時刻、検出エネルギーを示す情報が含まれる。検出素子位置アドレス、検出時刻、検出エネルギーについては、例えば、特開2005−17142号公報の段落0034〜0037に記載の方法により、検出素子4から出力された検出信号から生成される。
γ線弁別装置8は、ユニットデータ統合装置112に接続され、ユニットデータ統合装置112から入力された検出信号から、γ線の検出エネルギーによって検出信号を分別する機能を有する。即ち、検出したエネルギーが所定のエネルギー範囲(エネルギーウインドウ)の検出信号を取り出す。同時計数装置9は、γ線弁別装置8に接続され、複数の検出信号(データ)が実質的に同時に発生したものであるか否かを判定する機能を有する。即ち、所定のタイムウインドウ内で複数の検出信号が入力されるか否かを判定する。
断層像作成装置10は、信号処理装置7に接続され、コンピュータ11と、データ記憶装置12と、表示装置18とを備えている。コンピュータ11は、入力装置(図示せず)を有し、手動での命令入力操作などを受け付ける機能と、撮像装置2を制御する機能(外部線源20の回転制御、ベッド16の移動制御機能等がある。制御信号線は図示せず。)と、信号処理装置7から取得したデータを断層像データに変換する機能とを備えている。
データ記憶装置12は、コンピュータ11が生成した断層像データを記憶する。表示装置18は、コンピュータ11が生成した断層像データから、断層像を可視的な画像として表示する。ベッド16は、被検体17を載置した状態で可動であって、被検体17を撮像装置2の開口部6から挿脱できる。
≪装置の処理≫
続いて、本実施形態のPET装置を用いた撮像処理について説明する。まず、被検体17の体内に、あらかじめ注射などの方法によりPET用薬剤を投与し、このPET用薬剤が被検体17内に拡散して患部に集積することにより、撮像可能な状態となるまで所定の時間待つ。なお、PET薬剤は、検診する患部などを勘案して選ぶ。そして、被検体17をベッド16上に寝かせる。なお、検査の種類によっては、PET薬剤をベッド16上に寝かせた被検体17に投与するか、PET薬剤を被検体17に投与しながら、撮像装置2で被検体17を撮像しても良い。
エミッション撮像において、被検体17内から放出されるγ線は、所定の割合で、被検体17内で散乱したり、減衰したりする。この減衰による画像カウントの低下(捕えることができる対γ線の数が減ることによる画像のS/N比の劣化)を補正するための手段が吸収補正であり、この元となるデータを取得するのがトランスミッション撮像である。通常は、薬剤投与後、エミッション撮像までの時間(エミッション撮像の前)、またはエミッション撮像の後に、トランスミッション撮像を行う。
次に、エミッション撮像について説明してから、トランスミッション撮像について説明する。
(エミッション撮像)
エミッション撮像を行うには、PET薬剤を投与した被検体17をベッド16に載せ、撮像装置2に向かって移動させる。被検体17及びベッド16が、図1の左側から開口部6内に挿入されて図1の右側に向かって移動する。図2において、体内の放射性同位元素(RI:Radioisotope)30から放出された片方の511[keV]のエミッションγ線31Aは、被検体17を透過し、検出器15の位置PA1で吸収され、または散乱する。位置PA1で散乱した場合、入射γ線の進行方向に対して、位置PA1から散乱角度θ方向に飛翔したγ線は位置PA2で吸収されるか、または、更に散乱して他の点で吸収されたり、吸収されずに撮像装置2を貫通したりする。なお、位置PA1、PA2は、検出器15における検出素子4の位置を示す。後述するPB1、PB2も同じく検出器15における検出素子4の位置を示す。また、もう一方の511[keV]のエミッションγ線31Bはここでは位置PB1にて全吸収される。なお、図2ではエミッションγ線31Bが全吸収されているが、全吸収されない場合もあり、この場合、散乱して他の点に吸収されたり、吸収されずに撮像装置2を貫通したりする。
検出素子4は、検出信号を読出回路14へ出力する。読出回路14は、検出したγ線のエネルギーを計測し、γ線の検出タイミング信号を含む信号と検出アドレス、検出エネルギー情報を出力する。これらの信号は、配線13を介してユニットデータ統合装置112に送出される。
ユニットデータ統合装置112は、全ての検出器15からの検出信号を統合する。即ち、各検出素子4から出力された検出信号がユニットデータ統合装置112に収集される。そして、収集された検出信号は、一括してγ線弁別装置8に送出される。
γ線弁別装置8及び同時計数装置9は、検出したγ線が、511[keV]のエネルギーを有する対γ線であるか否かを判定する。具体的には、γ線弁別装置8は、検出したγ線が511[keV]のエネルギーを有しているか否かを判定し、即ち、511[keV]のイベントの有無を検出し、同時計数装置9は、所定のイベントの検出時刻から所定の時間幅、例えば、10[nsec]のタイムウインドウの中でもう1つの511[keV]のイベントが検出されたとき、コンピュータ11を介してその対検出位置情報をデータ記憶装置12へ送出して記憶させる。この例では、検出点PA1で全吸収し、他に検出点がなかった場合に相当する。このとき、γ線弁別装置8は、検出素子4でのエネルギー検出精度はエネルギー分解能で表されるある幅(誤差)を持っているため、目的とする511[keV]を含む所定のエネルギー幅、例えば、450[keV]〜550[keV]というエネルギーウインドウによって入射γ線が511[keV]であるかどうかのエネルギー判定を行い、この範囲外の検出イベントを棄却する。なお、このウインドウ幅によって、図3の通り、わずかにエネルギーが低下した幾分の体内散乱線24の混入を許すことになり、誤ったLOR(対γ線の飛跡)33を計測してしまう。そのため、検出素子4はエネルギー分解能の優れたものが望ましく、エネルギーウインドウを狭く設定することによって、ノイズとなる混入散乱線の割合を減らすことができる。
また、図4のようにタイムウインドウ内で1対の対γ線が検出されるとは限らず、別個の対のγ線が同一のタイムウインドウ内で検出される場合がある。これらの対γ線のうち、お互いに片側だけを検出した場合、誤ったLOR33を計測してしまう。これは偶発同時計数と呼ばれ、誤ったLOR33により、画質(表示装置18に表示される断層像画像の画質)を低下させる要因となる。投与したPET薬剤の放射能が多くなるほど、この影響を大きく受ける。
更に、図5のように複数の対γ線が検出された場合はマルチプルイベントと呼ばれ、正しいLORを特定できないことから、棄却されるか、誤っているかもしれないLOR33が記録されてしまう。このような誤ったLOR33の記録を減らすために、タイムウインドウもエネルギーウインドウと同様に狭い方が望ましい。
また、被検体17内でγ線が散乱しうるのと同様に、図2の通り、検出器15内でもγ線は散乱しうる。検出器15内で散乱した場合、検出信号は511[keV]より低いエネルギーを示すため、エネルギーウインドウ外となり、従来は一律に除外されていた。しかし、検出素子4が多段である検出器15の場合、散乱した位置にある検出素子4以外の検出素子4でγ線を捕らえる可能性がある。仮に、所定の検出素子4で散乱したγ線が他の検出素子4で完全に吸収されたとすれば、これらの検出信号のエネルギーの総和は511[keV]となる。これらの検出イベントはほぼ同時に起こるため、ある時間幅(タイムウインドウ)でもってこれらのイベントを検出し、エネルギー加算処理後のエネルギーがエネルギーウインドウ内に入っていると判定できれば、1つの入射γ線の現象と推定でき、棄却されていたイベントを有効に使うことができる。これらのイベントの中で最初に散乱した位置を知ることができれば、γ線入射経路を知ることができる。特許文献4に示されるように、511[keV]のγ線は前方散乱の確率が高いことを利用して、これら複数の同時検出イベントのうち開口部6の中心軸に最も近い(最も内側の)検出素子4の位置を初期散乱位置(最初に散乱した位置)として選択する方法により1つの対検出位置を決定する(以下、検出器内散乱線処理と呼ぶ)。図20に、信号処理装置7のγ線弁別装置8内に備えられ、前述の検出器内散乱線処理を行うエネルギー積算回路301及びch決定回路302を示す。前述の検出器内散乱線処理は、図20に示すハードウェアではなく、ソフトウェアによって処理が行われるようにしても良い。
図1において、断層像作成装置10では、信号処理装置7から送出されるかまたはデータ記憶装置12に記憶される対検出位置情報によって、対検出位置を結ぶ直線(LOR)を得て、LORを半径方向rと周回方向θのマトリックスにマッピングし直したサイノグラムを作成し、吸収補正を含む各種の補正処理を施した後、非特許文献1に記載のフィルタードバックプロジェクション法やOS−EM法などによって断層像を再構成する。作成された断層像は表示装置18に表示される。
(トランスミッション撮像)
次にトランスミッション撮像について図6を用いて説明する。図6は、本実施形態のPET装置における撮像装置内部の構成を示す断面図である。トランスミッション撮像は、外部線源20を用いて被検体17内のγ線透過率(減衰率)の分布を計測するものであって、外部線源20としてX線源の代わりにγ線源を用いる他は、原則として、X線CT装置(図示せず)を用いた撮像と同様である。その計測に要する時間は、数分程度であり、通常エミッション撮像の前または後に行う。外部線源20からの照射γ線22がエミッション撮像時に混入して画質の劣化を招くため、通常はエミッション撮像とトランスミッション撮像とを別の時相で行う。
トランスミッション撮像手順の具体例について、図1、図6を用いて説明する。撮像は本来、三次元で解析すべきものであるが、簡単のため、外部線源20を含む一断面(平面)上で全てのイベントが起こる例について説明する。
被検体17が横たわっているベッド16が開口部6内に挿入され、トランスミッション撮影を開始するとき、外部線源ハウジング21が格納容器(図示せず)から開口部6と検出器15との間に移動し、設置される。ハウジング開口部21hは対向する検出素子4に向いていて、撮像視野外は照射γ線22が影響を及ぼさないように外部線源ハウジング21によって遮蔽されている。外部線源20は点線源であり、外部線源20が図6で示す位置にあるとき、γ線の放射領域は被検体17の体軸方向も含め、被検体17を挟んで対向に位置する下半分の測定対象となる検出器15面である。つまり、本実施形態は、いわゆるコーンビームCTの場合を示す。外部線源20は回転機構(図示せず)により開口部6の外周を周回し、全周からの透過データを取得する。撮像が終了すると外部線源20は再び格納容器へ格納される。測定対象となる検出器15は外部線源20の回転とともに変化する。
外部線源20は、例えばセシウム−137(137Cs)であり、662[keV]のエネルギーのγ線を放出する。γ線を検出した検出素子4は、エミッション撮像のときと同様に、検出器アドレス、検出時刻、エネルギーの3つの情報を含む信号を信号処理装置7へ送出する。トランスミッション撮像は対γ線を検出するものでなく、シングルイベントを検出するものである。そして、検出したシングルイベントのエネルギーが662[keV]のエネルギーウインドウ(例えば、600〜700[keV])内に入っている場合、そのときの外部線源20の位置情報とともに計数する。即ち、外部線源20の位置情報と関連付けてシングルイベントの位置情報が記録される。また、エミッション撮像と同様に、検出器内散乱線処理によって複数の検出素子4で散乱したイベントが実質的に同時に検出され、合計エネルギーが662[keV]に対するエネルギーウインドウに入れば計数する。初期散乱位置の同定もエミッション撮像と同様に行う。外部線源20の位置Oと検出した位置PA1´とからLOR(γ線の飛跡)を求め、エミッション撮像と同様に撮像終了後に画像再構成し、662[keV]の減弱マップを得る。即ち、各検出素子4の検出エネルギー分布が得られる。この662[keV]の減弱マップを511[keV]のものに変換し、エミッション撮像の吸収補正に用いる。
(エミッション撮像における正しいLORの特定方法)
続いて本実施形態のPET装置におけるエミッション撮像での正しいLORの特定方法(初期散乱位置の推定方法)並びに偶発同時計数の除去方法を、図16から図19を用いて説明する。図16は、本実施例のPET装置におけるエミッション撮像での正しいLORの特定方法(初期散乱位置の推定方法)並びに偶発同時計数の除去方法を示すフローチャートの第1面、図17は、同フローチャートの第2面である。図18は、同フローチャートの第3面、図19は、同フローチャートの第3面(図18とは別方式)である。
[処理1]検出イベント群の抽出
エミッション撮像では、図2でのPB1やPA1、PA2等の点(これらの点は、検出器15の検出素子4の位置であり、γ線の散乱位置または吸収位置である)はほぼ同時に複数の検出素子4で検出され、それらは単にP(i=1、2、……)として検出される(ステップ160)ため、対向位置であるか否かが不明である。そのため、以下の処理により、まず1つの検出器内散乱イベント群を特定し、例えばPAi(i=1、2、……)とPBi(i=1、2、……)のようにイベント群を弁別する。即ち、各点をイベント群毎に振り分ける。それぞれのイベント群の中で、確率的に初期散乱位置として妥当なものをまず候補として挙げる。
(A)タイムウインドウ処理(ステップ161):
検出時刻差|t−t|<Tw(例えば、Tw=10[nsec])・・・(a)
,t:検出イベントの発生時刻
(ただし、i=1,2,……、j=1,2,……、i≠j)
Tw:所定の時間差
上記(a)式を満たすような、検出イベント間で所定の時間差Tw内のものを抽出する。
(B)検出イベント群領域の特定処理(ステップ162):
所定の検出イベント位置P(i=1、2、……)について周辺に所定の大きさ(例えば、5cm)の球状の範囲を設定し、それらの範囲が重なるイベントを1つのイベント群P(例:P、P等)とする。
(C)エネルギーウインドウ処理(ステップ163):
分離したイベント群ごとに、検出エネルギーの総和が所定のエネルギーウインドウ内に入るか否かを判定する。例えば、本実施形態の場合、分離したイベント群ごとに、検出エネルギーの総和ΣEXiが511[keV]ウインドウ内に入るか否かを判定する。具体的には、下記(b)式を満たすか否かを判定する。
450[keV](ETH_L)<ΣEXi<550[keV](ETH_H)・・・(b)
TH_L:エネルギーウインドウ内での最小エネルギー
Xi:各イベントの検出エネルギー(i=1、2、……)
TH_H:エネルギーウインドウ内での最大エネルギー
上記(b)式を満たすイベント群については、後述の処理2(初期散乱位置候補とそれ以外のものとの振り分け)を行う。一方、上記(b)式を満たさないイベント群の各イベントについては(ステップ163→No)、初期散乱位置候補フラグを1とし(ステップ170)、後述の処理3(初期散乱位置の推定)を行う。なお、初期散乱位置候補フラグとは、各イベントを初期散乱位置候補とそれ以外のものとを振り分けるためのフラグである。本実施例では、初期散乱位置候補のイベントについて初期散乱位置候補フラグを1に、初期散乱位置候補ではないイベントについては初期散乱候補位置フラグを0とする。なお、上記(b)式を満たさないイベント群の各イベントについて初期散乱位置候補フラグを1とするのは、γ線が全吸収されず撮像装置2を貫通したことにより、各イベントのどれか1つが初期散乱位置であることで、上記(b)式を満たさないイベント群の各イベントそれぞれが、初期散乱位置となる可能性があるためである。
[処理2]初期散乱位置候補とそれ以外のものとの振り分け
後述の処理3(初期散乱位置の推定)での精度を上げるために、選択された各イベント群内について、検出エネルギーによって以下の前処理を行う。即ち、下記(D)、(E)、(F)の処理を行う。
図11に、散乱角と検出エネルギー及び散乱光子エネルギーとの関係を示す。図11より、コンプトンエッジエネルギー341[keV]以上のエネルギーを検出した場合、511[keV]γ線が散乱することによって各イベントで検出されるエネルギーは341[keV]以上となることがないことにより、当然、初期散乱位置とはならないため、下記(D)の処理(ステップ164→No、ステップ171)を行う。
(D)341[keV]以上のイベントに初期散乱位置でないことを示す初期散乱位置候補フラグ0を付与する(ステップ171)。
更に、イベント群には2点しかなく、両イベントのエネルギー和が511[keV]ウインドウに入る場合には、下記(E)の処理(ステップ165→No、ステップ172)を行う。即ち、イベント群には2点しかなく、上記(2)式を満たす場合には、下記(E)の処理を行う。
(E)両イベントの内の一方のイベントのエネルギーが170[keV]以下のとき、このイベントの検出点を初期散乱位置として決定する(ステップ166)。
上記(E)の処理をする理由について、図13を用いて説明する。図13は、初期散乱位置における検出エネルギー及び散乱光子エネルギーと散乱角との関係を示す図である。図13の通り、散乱光子エネルギーは170[keV]以下とはならないため、検出されるエネルギーが170[keV]以下のイベントは、両イベントの内の、散乱されたγ線を吸収した方のイベントとはならないからである。従って、このイベントの検出点は、散乱を起こしたイベント、即ち、初期散乱位置ということとなる(ステップ166)。
そして、ステップ164の処理でYesとなり、ステップ165の処理でNoとなったことにより、初期散乱位置候補フラグが決まっていないイベントについては全て、下記(F)の処理を行う(ステップ172)。
(F)初期散乱位置候補フラグを1とする。即ち、下記(i)または(ii)の条件を満たすイベントについては全て、初期散乱位置候補フラグを1にする。
(i)イベント群には3点以上ある場合
(ii)イベント群に2点しかなく、且つ、両イベントのエネルギー和が511[keV]に入らない場合
なお、処理の簡便化のため、処理2(初期散乱位置候補とそれ以外のものとの振り分け)は行わず、処理1(検出イベント群の抽出)を行った後、処理3(初期散乱位置の推定)を行うようにしても構わない。
[処理3]初期散乱位置の推定
処理1(検出イベント群の抽出)及び処理2(初期散乱位置候補とそれ以外の振り分け)を行った後、以下の処理を行うことにより、初期散乱位置を推定する。なお、処理1(検出イベント群の抽出)を行ったものの、処理2(初期散乱位置候補とそれ以外の振り分け)を行わない場合についても、同様にして、以下の処理を行うことにより、初期散乱位置を推定する。
(G)初期散乱位置候補フラグが1のものの内、開口部6の中心軸に最も近い検出位置(最も内側の検出位置)を初期散乱位置と推定する(ステップ173)。なお、前述の処理2(初期散乱位置の候補とそれ以外のものとの振り分け)を行わなかった場合には、即ち、ステップ164、ステップ165を行わなかった場合には、ステップ163、ステップ170により上記(b)式を満たすイベント群の各イベントに初期散乱位置フラグ1を付与した後、初期散乱位置候補フラグが1のものの内、開口部6の中心軸に最も近い検出位置(最も内側の検出位置)を初期散乱位置と推定する(ステップ173)。以下、初期散乱位置と推定された検出位置を、推定初期散乱位置と称する。
前述の通り、511keVの入射γ線は前方散乱が多いものの、開口部6の中心軸に最も近い検出位置を初期散乱位置ではなく、推定初期散乱位置としたのは、図14、図15に示すように、体内散乱または検出器内散乱により偶発同時計数を生じる場合を考慮すべきであるためである。
例えば、図14に示すように、位置PA1で散乱したγ線はそのまま撮像装置2を貫通してしまい検出されず、同時に体内散乱線24が位置PA4に入射し、位置PA1及び位置PA4でのエネルギーの和(EA1+EA4)が511[keV]のエネルギーウインドウに入った場合、最も内側にある位置PA4は初期散乱位置でないのにもかかわらず、初期散乱位置として選択してしまい、その結果、誤ったLOR33を計数する可能性があるためである。
また、図15に示すように、異なる発生位置からのエミッションγ線31Aにより、従来とは異なった偶発同時計数が起こった場合、最も内側にある位置PA5は、所望のエミッションγ線31Aの初期散乱位置でないにもかかわらず、その初期散乱位置として選択してしまい、その結果、誤ったLOR33を計数する可能性があるためである。
検出器内散乱線処理において、初期散乱位置候補フラグ1のものに対し、開口部6の中心軸に最も近い検出素子(最も内側の検出素子)4の位置を初期散乱位置とする方式は、上述のように、体内散乱または検出器内散乱により、初期散乱位置ではないのにもかかわらず、初期散乱位置として選択する可能性が多少なりとも存在する。その結果、誤ったLOR33を計数することにより、正しい薬剤集積分布が若干ぼやけた状態になり、測定の精度を低下させる。特に1つのイベント群の中に3つ以上のイベントが存在した場合、このような不具合が発生する可能性が高くなる。そのため、開口部6の中心軸に最も近い検出素子(最も内側の検出素子)4の位置を推定初期散乱位置とし、次の処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)を行うことで、推定初期散乱位置が初期散乱位置であるか否かの検証を行う。
[処理4]推定初期散乱位置の検証処理1(ステップ180〜ステップ184)
下記の処理(H)を行うことにより、前述の通り、ステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)で得られた推定初期散乱位置が初期散乱位置であるか否かの検証を行う。
(H)処理3(初期散乱位置の推定)にて得られた推定初期散乱位置について散乱角θと角度誤差Δθを算出する。散乱角θは、図11に示す検出エネルギーE1と散乱角θとの関係のデータテーブル(検出エネルギーE1と散乱角θとの対応関係を示す対応関係情報)を用い、推定初期散乱位置での検出エネルギーE1から算出する。なお、図11に示す検出エネルギーE1と散乱角θとの関係は、後述の式(3)、式(4)より得られる。そして、角度誤差Δθとは、散乱角θの誤差であるが、検出エネルギーとエネルギー分解能とに応じて、即ち、推定初期散乱位置での検出エネルギーE1とこの検出エネルギーの誤差ΔE1とに応じて、図12の通り、角度誤差Δθが変化する。従って、図12に示す検出エネルギーE1及びこの検出エネルギーの誤差ΔE1と角度誤差Δθとの関係のデータテーブル(検出エネルギーの誤差ΔE1をパラメータとした検出エネルギーE1と角度誤差Δθとの対応関係を示す対応関係情報)を用い、初期散乱候補位置での検出エネルギーE1とこの検出エネルギーの誤差ΔE1から角度誤差Δθを算出する。
算出した散乱角θと角度誤差Δθを用いて、推定初期散乱位置の検証を行う。この検証方法について、図7を用いて説明する。図7は、推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。ステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)にて得られた推定初期散乱位置PA2と初期散乱位置PB1とを結ぶ直線に対して、点PA2を頂点として(θA2−ΔθA2/2)の半頂角を持つ円錐と(θA2+ΔθA2/2)の半頂角を持つ円錐とを仮想的に描き、両円錐の表面の間の空間70に他の検出点が存在するか否かを検知する。なお、θA2とは推定初期散乱位置PA2での散乱角、ΔθA2とは推定初期散乱位置PA2での角度誤差である。
そして、両円錐の表面の間の空間70に他の検出点が存在するのであるならば、推定初期散乱位置PA2は初期散乱位置と判定する。一方、両円錐の表面の間の空間70に他の検出点が存在していなければ、推定初期散乱位置PA2は初期散乱位置ではないと判定し、初期散乱位置候補フラグが1の別の検出点を選択する。そして、同様にして選択した検出点を推定初期散乱位置とし、この推定初期散乱位置が初期散乱位置であるか否かの検証を行う。
図示の通り、推定初期散乱位置PA2を頂点とした両円錐の表面の間の空間70に他の検出点が存在しないため、推定初期散乱位置PA2は初期散乱位置ではないと判定し、点PA1を選択する。同様にして、選択した検出点PA1を推定初期散乱位置とし、この推定初期散乱位置が初期散乱位置であるか否か検証する。図示の通り、点PA1を頂点とした両円錐の表面の間の空間71に他の検出点PA2が存在するため、検出点PA1は初期散乱位置と判定する。以上の動作により、正しい初期散乱位置が得られるようにする。
以下、正しい初期処理散乱位置が得られるようにするための具体的処理及びその背景となる原理について、説明する。検出素子4内での散乱現象は、入射γ線の散乱角度θとして、次のコンプトン散乱の式(1)〜式(3)によって記述される。
Figure 2010002235
入射γ線光子のエネルギーE (=511[keV])、散乱光子のエネルギーE´、電子の静止エネルギーE=mから、次式に書き換えることができる。
Figure 2010002235
式(2)を書き換え、下記式(3)の通り、整理できる。
Figure 2010002235
一方、散乱によって反跳電子に与えられるエネルギーEは、下記式(4)で表せる。
Figure 2010002235

このエネルギーEが、散乱時に検出素子4で観測される。従って、検出素子4で計測されたエネルギーEと入射γ線光子のエネルギーE(=511[keV])から、E´=E − Eとして散乱光子のエネルギーE´を推定すれば、散乱角θが推定できる。
図11は、散乱角θと、散乱事象で検出されるエネルギー(反跳電子のエネルギー)E及び散乱光子のエネルギーE´との関係を示す図である。この図は、前述した式(1)〜(4)と等価である。散乱角θは、まず、検出素子4で計測されたエネルギーEと入射γ線光子のエネルギーE(=511[keV])とから、式(4)を用いて、散乱光子のエネルギーE´を算出し、更に、算出した散乱光子のエネルギーE´、入射γ線光子のエネルギーE(=511[keV])、電子の静止エネルギーEから、式(3)を用いて算出できる。
図12は、エネルギー測定誤差ΔE1をパラメータとしたときの検出エネルギーEと推定散乱角の角度誤差Δθとの関係を示すと共に、散乱角0度(検出エネルギー0[keV])から180度(341[keV])まで生じる確率を第2軸として積算分布で示した図である。ここで仮にエネルギー測定誤差ΔE1=6%とすると、例えば積算確率で80%をカバーする検出エネルギー範囲はおよそ290[keV]であり、このときの角度誤差Δθは最大で11度である。エネルギー測定誤差ΔE1(エネルギー分解能)=6%というのは、例えば検出素子4に半導体素子の1つであるCdTeを用いることで十分に達成しうる。エネルギー分解能を更に向上することによって、例えばエネルギー測定誤差ΔE1=2%とすると、最大角度誤差Δθが同じく11度となるのは、図12中の330[keV]のところであり、即ち、同じ角度誤差でも積算確率で95%の初期散乱イベントをカバーすることができる。なお、この角度誤差Δθは小さいほど誤ったLORの計数を除去する精度が高まる。80%のカバー率があれば、Δθはより小さくすることが可能である。
図7は、1つのイベント群73に3つの検出点があった場合での推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。前述のステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)で、開口部6の中心軸に最も近い(最も内側にある)検出点PA2を推定初期散乱位置として選択した場合での、推定初期散乱候補位置の検証方法について説明する。実際の検出位置は3次元座標で表せるものであるが、説明のために、検出位置は同一平面上にあるものと仮定した。例えば、PA1→PA2→PA3の順序でγ線が散乱し、点PA1で311keVを検出し、点PA2で140keV、点PA3で60keVを検出したとすると、推定される散乱角θA1、θA2、θA3は、図11及び式(3)、(4)からそれぞれ120度、51度、30度である。なお、PA1→PA2→PA3の順序でγ線が散乱したことについては、装置側では把握していない。
ここで、仮に開口部6を挟んで反対側にある検出点PB1が初期散乱位置として正しいとする。検出点PB1と検出点PA1、検出点PB1と検出点PA2、検出点PB1と検出点PA3とを結んで得た3本の直線をそれぞれ中心軸として、検出点PA1、検出点PA2、検出点PA3をそれぞれ頂点として、θA1+ΔθA1/2、θA2+ΔθA2/2、θA3+ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐を仮想的に描く。なお、この3本の直線は、推定された被検体からのγ線の進行経路である。更に、検出点PA1、検出点PA2、検出点PA3をそれぞれ頂点として、θA1−ΔθA1/2、θA2−ΔθA2/2、θA3−ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐を仮想的に描く。そして、θA1+ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA1−ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間71、θA2+ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA2−ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間70、θA3+ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA3−ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間72に、それぞれ、他の検出点があるか否かにより、推定初期散乱位置の検証を行う。
θA2+ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA2−ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間70には、他の検出点は存在しないため、検出点PA2は、初期散乱位置でないと判定する。他の初期散乱位置候補フラグが1である検出点について同様の判定を行うと、検出点PA1については、θA1+ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA1−ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間71には、検出点PA2が存在するため、検出点PA1は初期散乱位置であると判定する。そして、検出点PB1と検出点PA1を結ぶ直線を正しいLORとして最終的に計数する。なお、θA3+ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA3−ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間72には、他の検出点は存在しないため、検出点PA3は、初期散乱位置でないと判定する。
イベント群Pについて、複数の検出点PBiが存在する場合でも、同様の処理を行うことで初期散乱位置を同定することができる。
以上の通り、1つのイベント群73に3つの検出点があった場合、初期散乱位置を同定することができるが、図8のように、1つのイベント群80に2つの検出点があった場合、更に、図示は省略するが、1つのイベント群に4つ以上の検出点があった場合でも、同様の処理を行うことで初期散乱位置を同定することができる。
前述の処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)を行うことにより、以下の(1)〜(5)の効果を有する。
(1)初期散乱位置ではないにもかかわらず、誤って初期散乱位置として検出点を選択するといったことがなくなるため、誤ったLORを計数することによる測定の精度の低下を除去できる。
(2)図14のような体内散乱線による偶発同時計数や、図15のような検出器内散乱に起因する偶発同時計数も除去することができ、画像のS/N比が向上する。
(3)図4のような時間分解能の限界で除去できなかった通常の偶発同時計数も、各入射γ線に対して検出器内で散乱して検出された複数のイベントが存在すれば、このようなエネルギー分解能の良さを生かした空間的な判定処理(処理4:初期散乱候補位置の検証処理1)で除去することが可能である。
(4)図5のようなマルチプルイベントの場合でも、各入射γ線に対して検出器内で散乱して検出された複数のイベントが存在すれば、正しい対γ線を識別することが可能となり、誤ったLORの計数が低減し、かつ捨てられていたLORを計数することができるようになる。従って、測定精度とともに感度を向上させることができる。
(5)下記理由により、エネルギーウインドウ処理でイベント群のエネルギーの総和がエネルギーウインドウに入っていない場合、即ち、図8のように位置PA2で散乱したγ線が検出器内で検出されずに逃げていってしまった場合でも、初期散乱位置を求めることができ、正しいLORを計数し、感度を向上させることもできる。
理由:処理4は、コンプトン散乱を利用して入射γ線の飛来方向を推定するコンプトンカメラとは異なり、同時計数による情報からあらかじめγ線の入射方向がわかっていると仮定した上でそれが正しいかの判定を行うものであることにより、基本的に複数の同時検出点があっても3点目以降の同時検出点は用いていないため。つまり、最初の検出点と次の検出点さえ在れば3点目以降の検出点はなくても構わないため。
この処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)について、図18を用いて、再度、説明する。図18は、処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)の動作を示すフローチャートである。ここで、PX_Sは推定初期散乱位置、PY_Sは開口部6を挟んで対向するイベント群の初期散乱位置、PXiはi番目の検出点、θXiはi番目の検出点PXiの散乱角、ΔθXiはi番目の検出点PXiの角度誤差である(i=1、2、……)。ステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)の後、まず、ステップ180で、推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiと角度誤差ΔθXiとを算出する。前述の処理3(初期散乱位置の推定)の説明より、開口部6の中心軸に最も近い検出点が推定初期散乱位置となるため、図7の場合、検出点PA2が推定初期散乱位置PX_Sとなる。従って、検出点PA2の散乱角θA2、角度誤差ΔθA2が、それぞれ推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXi、角度誤差ΔθXiとなる。前述の説明の通り、図11に示す検出エネルギーE1と散乱角θとの関係のデータテーブルを用いることにより、検出点PA2の散乱角θA2を算出することで、推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiを求める。更に、前述の説明の通り、図12に示す検出エネルギーE1及びこの検出エネルギーの誤差ΔE1と角度誤差Δθとの関係のデータテーブルを用いることにより、検出点PA2の角度誤差ΔθA2を算出することで、推定初期散乱位置PX_Sの角度誤差ΔθXiを求める。
推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiと角度誤差ΔθXiを算出した後、ステップ181で、推定初期散乱位置の検証処理を行う。なお、図7の場合、推定初期散乱位置PX_Sは検出点PA2、開口部6を挟んで対向する初期散乱位置PY_Sは検出点PB1、散乱角θXiは散乱角θA2、角度誤差ΔθXiは角度誤差ΔθA2、検出点PXjは検出点PA2以外のイベント群Aの検出点である。例えば、PA1、PA3が検出点PXjに相当する(i≠j)。従って、図7の場合、∠PY_SPX_SPXjは∠PB1A2A1である。また、θXi−ΔθXi/2はθA2−ΔθA2/2、θXi+ΔθXi/2はθA2+ΔθA2/2である。その結果、ステップ181の条件式を満たさないことにより、図7に示す下記領域70には検出点PA2以外の他の検出点PA1、PA3は入らないこととなるため、推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA2は初期散乱位置ではないと判定する。
領域:θA2+ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA2−ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA2は初期散乱位置ではないと判定したことにより、ステップ183で、検出点PA2の初期散乱位置候補フラグを0にする。そして、ステップ184で、初期散乱位置候補フラグが1である検出点を1つ選択し、この選択した検出点を新たな推定初期散乱位置PX_Sとする。例えば、図7の場合、仮に検出点PA1、PA3の初期散乱位置候補フラグが1であるとすると、検出点PA1、PA3の内の一方を選択し、この選択した検出点を新たな推定初期散乱位置PX_Sとする。以下、検出点PA1を新たな推定初期散乱位置PX_Sとしたものとして説明する。ステップ180で、推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiとして散乱角θA1、角度誤差ΔθXiとして角度誤差ΔθA1を求める。散乱角θA1、角度誤差ΔθA1を求めるにあたり、前述の説明の通り、図11に示す検出エネルギーE1と散乱角θとの関係のデータテーブルと図12に示す検出エネルギーE1及びこの検出エネルギーの誤差ΔE1と角度誤差Δθとの関係のデータテーブルを用いる。
推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiとして散乱角θA1、角度誤差ΔθXiとして角度誤差ΔθA1を求めた後、ステップ181で、推定初期散乱位置の検証処理を行う。なお、推定初期散乱位置PX_Sは検出点PA1、開口部6を挟んで対向する初期散乱位置PY_Sは検出点PB1、散乱角θXiは散乱角θA1、角度誤差ΔθXiは角度誤差ΔθA1、検出点PXjは検出点PA1以外のイベント群Aの検出点である。例えば、PA2、PA3が検出点PXjに相当する(i≠j)。従って、∠PY_SPX_SPXjは∠PB1A1A2である。また、θXi−ΔθXi/2はθA1−ΔθA1/2、θXi+ΔθXi/2はθA1+ΔθA1/2である。その結果、ステップ181の条件式を満たすことにより、図7に示す下記領域71には検出点PA1以外の他の検出点PA2が入ることとなるため、推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA1は初期散乱位置であると判定する。
領域:θA1+ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA1−ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA1は初期散乱位置であると判定した後、前述の通り、ステップ182で、検出点PA1を初期散乱位置として決定し、検出点PB1と検出点PA1を結ぶ直線を正しいLOR34として最終的に計数する。
[処理4´] 初期散乱候補位置の検証処理2(ステップ190〜ステップ194)
続いて、処理4(初期散乱候補位置の検証処理1)の別の形態である処理4´(初期散乱候補位置の検証処理2)について、説明する。図5のようなマルチプルイベントの場合には、処理4(初期散乱候補位置の検証処理1)ではなく、処理4´(初期散乱候補位置の検証処理2)を行うようにしても良い。
ステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)にて決定した推定初期散乱位置について散乱角θとこの散乱角の角度誤差Δθとを算出する。散乱角θは、図11に示す検出エネルギーE1と散乱角θとの関係のデータテーブルを用い、推定初期散乱位置となった検出点の検出エネルギーE1から算出する。なお、角度誤差Δθとは、散乱角θの誤差であるが、検出エネルギーとエネルギー分解能に応じて、即ち、推定初期散乱位置での検出エネルギーE1と推定初期散乱位置での検出エネルギーの誤差ΔE1とに応じて、図12の通り、角度誤差Δθが変化する。従って、図12に示す検出エネルギーE1及びこの検出エネルギーの誤差ΔE1と角度誤差Δθとの関係のデータテーブルを用い、推定初期散乱位置での検出エネルギーE1とこの検出エネルギーの誤差ΔE1から算出する。
算出した散乱角θと角度誤差Δθを用いて、推定初期散乱位置の検証を行う。即ち、ステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)にて決定した推定初期散乱位置が本当に初期散乱位置であるか否かの検証を行う。この検証方法について、図9を用いて説明する。図9は、開口部6を挟んだ両サイドのイベント群に、それぞれ2つの検出点があった場合での推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。前述の処理3(初期散乱位置の推定)で、開口部6の中心軸に最も近い検出点PA1、PB1をそれぞれ推定初期散乱位置として選択した場合での、推定初期散乱位置の検証方法について説明する。実際の検出点は3次元座標で表せるものであるが、説明のために、検出点は同一平面上にあるものと仮定した。例えば、PA1→PA2、PB1→PB2の順序でそれぞれ散乱したものとする。ただし、PA1→PA2、PB1→PB2の順序で散乱したことは、装置側では把握しておらず、4点の検出点が得られたということのみ装置側で把握している。まず、検出点PA1と検出点PA2を結ぶ直線を中心軸とし、検出点PA1を頂点として、(θA1−ΔθA1/2)の半頂角を持つ円錐と(θA1+ΔθA1/2)の半頂角を持つ円錐とを仮想的に描くと共に、検出点PB1と検出点PB2を結ぶ直線を中心軸とし、検出点PB1を頂点として、(θB1−ΔθB1/2)の半頂角を持つ円錐と(θB1+ΔθB1/2)の半頂角を持つ円錐とを仮想的に描く。そして、(θA1−ΔθA1/2)の半頂角を持つ円錐の表面と(θA1+ΔθA1/2)の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間に同時検出点PB1が存在しているか否かを検知する。または、(θB1−ΔθB1/2)の半頂角を持つ円錐の表面と(θB1+ΔθB1/2)の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間に同時検出点PA1が存在しているか否かを検知する。同時検出点PB1、PA1が存在するのであるのならば、初期散乱候補位置PA1、PB1は初期散乱位置であると判定する。一方、同時検出点PB1、PA1が存在していなければ、推定初期散乱位置PA1、PB1は初期散乱位置ではないと判定して、初期散乱位置候補フラグが1の別の検出点(図9では、検出点PA2、PB2)を推定初期散乱位置として選択し、同様にして、初期散乱位置であるか否かの検証を行う。図示の通り、同時検出点PB1、PA1が存在しているため、推定初期散乱位置PA1、PB1は初期散乱位置であると判定する。
以上の通り、処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)は、各イベント群に複数の検出点があっても、初期散乱位置が得られるまで、検出点毎に初期散乱位置であるか否かの検証を行うものであるが、例えば、図10のように、2つのイベント群があり、1つのイベント群100に2つの検出点、もう1つのイベント群101に1つの検出点がある等、各イベント群の検出点は2点以下が望ましい。
更に、処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)は、前述の(1)から(4)の効果が得られるだけでなく、処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)には無い対位置(対γ線の両端の検出点の位置)の判定を行っていることにより、下記(6)に示す効果も得られる。
(6)図10のように、片側が1点、もう一方が2点の同時検出点でかつそのエネルギー和が511keVエネルギーウインドウに入るとき、1点の方は必ずしも511keVの全吸収でなくても良い。即ち、散乱して検出器外に逃げて行った場合でも、対γ線の軌跡ならばその位置を正しい初期散乱位置として判定することができ、感度を向上させることができる。
処理4´はγ線の入射方向を推定しているので、コンプトンカメラと同様の処理を行って、その画像情報を本実施例の処理に加えても良い。画像の情報量が増え、統計ノイズを減らすことができる。なお、統計ノイズとは、得られたカウント値のばらつきのことであり、カウント値が小さくなると、統計ノイズが大きくなり、得られたカウント分布(画像)の確かさが低くなる。画像の情報量はカウント値に反映され、画像の情報量が多いと、カウント値が大きくなるため、統計ノイズを減らすことができる。
この処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)について、図19を用いて、再度、説明する。図19は、処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)の動作を示すフローチャートである。ここで、PX_Sは推定初期散乱位置、PY_Sは開口部6を挟んで対向するイベント群の推定初期散乱位置、PXiはイベント群Aのi番目の検出点、θXiはi番目の検出点PXiの散乱角、ΔθXiはi番目の検出点PXiの角度誤差である(i=1、2、……)。ステップ173による処理3(初期散乱位置の推定)の後、まず、ステップ190で、推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiと角度誤差ΔθXiとを算出する。前述の処理3(初期散乱位置の推定)の説明より、開口部6の中心軸に最も近い検出点が推定初期散乱位置となるため、図9の場合、検出点PA1が推定初期散乱位置PX_S、検出点PB1が開口部6を挟んで対向するイベント群の推定初期散乱位置となる。従って、検出点PA1の散乱角θA1、角度誤差ΔθA1が、それぞれ推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXi、角度誤差ΔθXiとなる。前述の説明の通り、図11に示す検出エネルギーE1と散乱角θとの関係のデータテーブルを用いることにより、検出点PA1の散乱角θA1を算出することで、推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiを求める。更に、前述の説明の通り、図12に示す検出エネルギーE1及びこの検出エネルギーの誤差ΔE1と角度誤差Δθとの関係のデータテーブルを用いることにより、検出点PA1の角度誤差ΔθA1を算出することで、推定初期散乱位置PX_Sの角度誤差ΔθXiを求める。
推定初期散乱位置PX_Sの散乱角θXiとして散乱角θA1、角度誤差ΔθXiとして角度誤差ΔθA1を求めた後、ステップ191で、推定初期散乱位置の検証処理を行う。なお、推定初期散乱位置PX_Sは検出点PA1、開口部6を挟んで対向する推定初期散乱位置PY_Sは検出点PB1、散乱角θXiは散乱角θA1、角度誤差ΔθXiは角度誤差ΔθA1、検出点PXjは検出点PA1以外のイベント群Aの検出点である。例えば、PA2が検出点PXjに相当する(i≠j)。従って、図9の場合、∠PY_SPX_SPXjは∠PB1A1A2である。また、θXi−ΔθXi/2はθA1−ΔθA1/2、θXi+ΔθXi/2はθA1+ΔθA1/2である。その結果、ステップ191の条件式を満たすことにより、図9に示す下記領域90には開口部6を挟んで対向するイベント群の検出点PB1が入ることとなるため、推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA1は初期散乱位置であると判定する。
領域:θA1+ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA1−ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA1は初期散乱位置であると判定した後、前述の通り、ステップ192で、検出点PA1を初期散乱位置として決定し、検出点PB1と検出点PA1を結ぶ直線を正しいLORとして最終的に計数する。
なお、前述のステップ191の条件式を満たさない場合には、上記領域90には開口部6を挟んで対向するイベント群の検出点が存在しないことにより、推定初期散乱位置PX_Sである検出点PA1は初期散乱位置でないと判定する。そして、ステップ193で、検出点PA1の初期散乱位置候補フラグを0にする。そして、ステップ194で、初期散乱位置候補フラグが1である検出点を1つ選択し、この選択した検出点を新たな推定初期散乱位置PX_Sとする。そして、前述のステップ191の条件式を満たす検出点が得られるまで、ステップ190、ステップ191、ステップ193、ステップ194の動作を繰り返す。
以上、処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)及び処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)について説明したが、処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)、処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)を行うと、更なる効果が得られる装置について説明する。セプタ(互いに隣接し合う検出器の間に設けられた鉛の遮蔽板)を用いた2D−PET装置(2次元モードPET。スライス毎に画像を得るPET装置)に処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)または処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)を行うと、斜めから入射されるγ線はセプタで遮断されることにより、放射線検出器に対してγ線の入射方向がほぼ垂直方向に限られるため、偶発同時計数が減り、更に効果を高めることができる。即ち、偶発同時計数を低減できることにより、S/N比の高い画像を得ることができる
前述の説明では、エミッション撮像の前または後でトランスミッション撮像を行うと説明したが、トランスミッション撮像とエミッション撮像とを同時に行うこともできる。トランスミッション撮像とエミッション撮像とを同時に行うことができるのは、例えば、エネルギー分解能が5%の検出素子4を用いた場合、外部線源20に用いている137Csの662[keV]の照射γ線22を600〜700[keV]のエネルギーウインドウで、511[keV]のエミッションγ線31A、31Bを450〜550[keV]のエネルギーウインドウを用いてお互いのエネルギーウインドウを被ることなく識別できるからである。
外部線源20に用いている137Csの662[keV]の照射γ線22と511[keV]のエミッションγ線31A、31Bとを識別できるものの、実際は662[keV]の照射γ線22の体内散乱線、検出器内散乱線により、662[keV]の照射γ線22が511[keV]のエミッションγ線用のエネルギーウインドウに入り込むことで、偶発同時計数を生じ、エミッション撮像の精度を低下させるという問題がある。しかし、本実施例のPET装置では、推定初期散乱位置の検証処理(処理4、または処理4´)を行うことにより、対γ線の両端の検出点以外の検出点を初期散乱位置ではないものとして除外できるため、このような問題を解決できる。従って、エミッション撮像の精度を低下させることなく、トランスミッション撮像とエミッション撮像を同時に行うことができるため、検査時間を短縮できる。
本実施形態のPET装置では、検出素子4内でγ線が散乱することを前提としていて、検出素子4の配列の内側に、より散乱しやすい(つまり、原子番号の比較的小さい)珪素(14Si)やガリウム砒素(31Ga 33As)などを用いた検出素子4を配置し、その外側に(原子番号の比較的大きい)テルル化カドミウム(48Cd 52Te)、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)、あるいはよりγ線を吸収しやすい臭化タリウム(TlBr)などを用いた検出素子4を配置すると良い。
以上のように、本実施形態のPET装置によれば、検出器内散乱線処理を用いたエミッション撮像において、偶発同時計数を抑制することができることにより、感度が向上するため、画像のS/N比を向上させることができる。
なお、この効果は、γ線の入射方向に対して位置分解能を有し、所定回数以上、検出素子4内で散乱が生じ、エネルギー分解能の優れた検出素子4を採用する場合に顕著である。また、γ線の検出位置の精度が高いほど、また、エネルギー分解能が優れているほど、効果は大きくなる。そして、本実施形態の課題である偶発同時計数の除去については、特に時間分解能が十分でない検出素子4を用いた場合でも、例えば、検出素子4にテルル化カドミウム(CdTe)やテルル化カドミウム亜鉛(CZT)などを用いた場合でも、画像のS/N比を向上させることが可能である。
時間分解能が十分でない検出素子4を用いても、偶発同時計数を除去できるのは、初期散乱候補位置の検証を、エネルギー分解能の良さを生かした空間的な判定処理(前述の処理4及び処理4´)で行うことで、初期散乱位置でない検出点が初期散乱位置として選択することがなくなるようにしたからである。エネルギー分解能の良さを生かした空間的な判定処理(前述の処理4及び処理4´)により、タイムウインドウを狭めなくても偶発同時計数を抑制でき、良好な吸収補正を行うことができるようになる。なお、初期散乱位置としての条件を満たす検出点が複数存在する場合は、開口部6の中心軸に最も近い検出点(最も内側の検出点)を優先的に初期散乱位置として選択するか、全ての検出点を棄却するか等の処理を行う。この処理も含め、前述の処理1〜4、処理4´は、信号処理装置7内で行うようにしても良いし、コンピュータ11内で行うようにしても良い。
《その他の実施形態》
本発明は前述の実施形態(第一の実施形態)に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、次の実施形態が考えられる。
(1)前述の実施形態では、ユニットデータ統合装置112が、1つの検出器15の範囲内における検出素子4からの複数の信号を処理するように記載したが、複数の検出器15にわたってγ線が散乱する可能性がある場合は、ユニットデータ統合装置112が、複数の検出器15に属する各々の検出素子4からの信号を配線13経由で入力し、処理するように構成することも可能である。
(2)γ線が被検体17の方向から検出素子4に入射し、散乱すると、減衰したγ線が他の検出素子4に入射するため、被検体17に近い方の検出素子4は初期散乱位置としての検出感度が高く、被検体17に遠い方の検出素子4は検出感度が低くなる。そこで、被検体17に近い方の検出素子4を被検体17の体軸に対する法線方向(γ線の入射方向)に短くし、被検体17から遠い方の検出素子4を前記法線方向に長くすることによって、検出素子4の単位時間あたりのγ線の検出回数を平準化し、検出ミスを減らすことが可能となる。
更に、本発明は、前述のPET装置だけでなく、コリメータを備えたSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置やγカメラ等、PET装置以外の核医学撮像装置にも、適用可能である。適用可能である理由は、コリメータによりγ線の入射方向が限定されることにより、1つのイベント群に複数の検出点が存在する場合でも、これらの検出点の内の1つの検出点を推定初期散乱位置とする度に、前述の処理4(推定初期散乱位置の検証処理1)または処理4´(推定初期散乱位置の検証処理2)を行って、初期散乱位置であるか否かを判定することができるからである。
本発明の第一の実施形態であるPET装置を示す構成を示すブロック図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置における撮像装置内部の構成を示す垂直断面図であって、エミッション撮像の状態を示す図である。 体内散乱線による偶発同時計数を示す図である。 検出器内散乱による偶発同時計数を示す図である。 マルチプルイベントを示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置における撮像装置内部の構成を示す垂直断面図であって、トランスミッション撮像の状態を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、1つのイベント群に3つの検出点があった場合での推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、1つのイベント群に2つの検出点があった場合での推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、開口部を挟んだ両サイドのイベント群に、それぞれ2つの検出点があった場合での推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、開口部を挟んだ両サイドのイベント群の内、一方のイベント群には2つの検出点が、もう一方のイベント群には1つの検出点があった場合での推定初期散乱位置の検証方法を示す図である。 散乱角θと検出エネルギーE1及び散乱光子エネルギーE´との関係を示す図である。 エネルギー誤差ΔE1をパラメータとしたときの検出エネルギーE1と散乱角の角度誤差Δθとの関係を示す図である。 初期散乱位置における反跳電子エネルギー(検出エネルギー)及び散乱光子エネルギーと散乱角との関係を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、体内散乱線による偶発同時計数の除去原理を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、検出器内散乱による偶発同時計数の除去原理を示す図である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置におけるエミッション撮像での正しいLORの特定方法(初期散乱位置の推定方法)並びに偶発同時計数の除去方法を示すフローチャートの第1面である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置におけるエミッション撮像での正しいLORの特定方法(初期散乱位置の推定方法)並びに偶発同時計数の除去方法を示すフローチャートの第2面である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置におけるエミッション撮像での正しいLORの特定方法(初期散乱位置の推定方法)並びに偶発同時計数の除去方法を示すフローチャートの第3面である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置におけるエミッション撮像での正しいLORの特定方法(初期散乱位置の推定方法)並びに偶発同時計数の除去方法を示すフローチャートの第3面(図18とは異なる方式)である。 本発明の第一の実施形態であるPET装置において、信号処理装置内のγ線弁別装置に備えられた対検出位置決定回路の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 PET装置
2 撮像装置
3 ケーシング
4 放射線検出素子
4B 検出器領域
5 検出器基板
6 開口部
7 信号処理装置
8 γ線弁別装置
9 同時計数装置
10 断層像作成装置
11 コンピュータ
12 データ記憶装置
13 配線
14 読出回路
15 検出器
16 ベッド
17 被検体
18 表示装置
20 外部線源
21 外部線源ハウジング
21h ハウジング開口部
22 照射γ線
23 体内散乱位置
24 体内散乱線
30 放射性同位元素
31A、31B エミッションγ線
33 誤ったLOR
34 正しいLOR
70 θA2+ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA2−ΔθA2/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
71 θA1+ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA1−ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
72 θA3+ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA3−ΔθA3/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
73 検出イベント群特定領域
80 検出イベント群特定領域
90 θA1+ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面とθA1−ΔθA1/2の半頂角を持つ円錐の表面との間の空間
91 検出イベント群特定領域
100 検出イベント群特定領域
112 ユニットデータ統合装置
160〜166 フローチャートでの各処理
170〜173 フローチャートでの各処理
180〜184 フローチャートでの各処理
190〜194 フローチャートでの各処理
301 エネルギー積算回路
302 ch決定回路

Claims (9)

  1. 被検体の体軸に近い位置に体軸に平行に設定した中心軸の法線方向に沿って設置され、かつ、前記中心軸の周方向にも配設され、前記被検体からのγ線を検出する複数のセンサを有するγ線検出器と、
    前記センサがγ線を検出した際に出力するγ線検出信号に基づいて、各センサが検出したγ線のエネルギー及びγ線を検出したセンサの位置である検出点を決定する信号処理装置と、を備え、
    近接する複数のセンサのそれぞれから、同時に複数のγ線検出信号が出力されると、決定したそれぞれのエネルギー及び検出点を用いてγ線の初期散乱位置を判定する、核医学撮像装置における初期散乱位置判定方法であって、
    前記信号処理装置は、
    前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記センサにおけるエネルギー誤差をパラメータとした前記検出点でのエネルギーとコンプトン散乱角の角度誤差との対応関係を示す第2の対応関係情報を有し、
    前記信号処理装置は、
    前記検出点におけるエネルギーと前記第1の対応関係情報とに基づきコンプトン散乱角を求め、
    前記センサにおけるエネルギー誤差と前記検出点におけるエネルギーと前記第2の対応関係情報に基づきコンプトン散乱角の角度誤差を求め、
    前記求めたコンプトン散乱角と前記求めたコンプトン散乱角の角度誤差と前記検出点の位置とに基づき前記初期散乱位置を判定すること
    を特徴とする初期散乱位置判定方法。
  2. 被検体の体軸に近い位置に体軸に平行に設定した中心軸の法線方向に沿って設置され、かつ、前記中心軸の周方向にも配設され、前記被検体からのγ線を検出する複数のセンサを有するγ線検出器と、
    前記センサがγ線を検出した際に出力するγ線検出信号に基づいて、各センサが検出したγ線のエネルギー及びγ線を検出したセンサの位置である検出点を判定する信号処理装置と、を備え、
    近接する複数のセンサのそれぞれから、同時に複数のγ線検出信号が出力されると、決定したそれぞれのエネルギー及び検出点を用いてγ線の初期散乱位置を判定する、核医学撮像装置における初期散乱位置判定方法であって、
    前記信号処理装置は、
    前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記センサにおけるエネルギー誤差をパラメータとした前記検出点でのエネルギーとコンプトン散乱角の角度誤差との対応関係を示す第2の対応関係情報を有し、
    前記信号処理装置は、
    所定の検出点を前記初期散乱位置と推定し、
    前記初期散乱位置と推定した検出点のエネルギーとエネルギー誤差とから前記第1及び前記第2の対応関係情報を参照してコンプトン散乱角θとコンプトン散乱角の角度誤差Δθを算出し、
    前記被検体からのγ線の進行経路を、各検出点の位置情報を用いて推定し、
    該推定した被検体からのγ線の進行経路を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点としてγ線の進行方向を基準とした半頂角=(θ+Δθ/2)の第1の円錐の表面と、前記推定した被検体からのγ線の進行経路を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点としてγ線の進行方向を基準とした半頂角=(θ−Δθ/2)の第2の円錐の表面との間の空間に他の同時検出点が存在するか否かを判定し、
    前記空間に他の同時検出点が存在するとき、前記初期散乱位置と推定した検出点を真の初期散乱位置と判定することを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  3. 請求項2記載の初期散乱位置判定方法において、
    前記信号処理装置は、
    所定の検出点を含む所定領域内にあり、前記所定の検出点との検出タイミングの差が所定期間以内である全ての検出点では、同一のγ線に起因する直接線あるいは散乱線を検出されたものとみなし、
    前記全ての検出点から前記初期散乱位置と推定する検出点を選択することを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  4. 被検体の体軸に近い位置に体軸に平行に設定した中心軸の法線方向に沿って設置され、かつ、前記中心軸の周方向にも配設され、前記被検体からのγ線を検出する複数のセンサを有するγ線検出器と、
    前記センサがγ線を検出した際に出力するγ線検出信号に基づいて、各センサが検出したγ線のエネルギー及びγ線を検出したセンサの位置である検出点を決定する信号処理装置と、を備え、
    近接する複数のセンサのそれぞれから、同時に複数のγ線検出信号が出力されると、決定したそれぞれのエネルギー及び検出点を用いてγ線の初期散乱位置を判定する、核医学撮像装置における初期散乱位置判定方法であって、
    前記信号処理装置は、
    前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記センサにおけるエネルギー誤差をパラメータとした前記検出点でのエネルギーとコンプトン散乱角の角度誤差との対応関係を示す第2の対応関係情報を有し、
    前記信号処理装置は、
    前記各検出点の位置情報に基づいて所定の検出点を前記初期散乱位置と推定し、
    前記初期散乱位置と推定した検出点のエネルギーとエネルギー誤差とから前記第1及び前記第2の対応関係情報を参照してコンプトン散乱角θとコンプトン散乱角の角度誤差Δθを算出し、
    前記被検体からのγ線の進行経路を、前記各検出点の位置情報を用いて推定し、
    該推定した被検体からのγ線の進行経路を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点としてγ線の進行方向を基準とした半頂角=(θ+Δθ/2)の第1の円錐の表面と、前記推定した被検体からのγ線の進行経路を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点としてγ線の進行方向を基準とした半頂角=(θ−Δθ/2)の第2の円錐の表面との間の空間に他の検出点が存在するか否かを判定し、
    前記空間に他の検出点が存在しないとき、前記初期散乱位置と推定した検出点が真の初期散乱位置ではないと判定することを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  5. 請求項4記載の初期散乱位置判定方法において、
    前記信号処理装置は、初期散乱位置と推定した検出点が真の初期散乱位置ではないと判定したとき、
    初期散乱位置と推定したものの真の初期散乱位置ではなかった検出点を除いた他の検出点の内、所定の検出点を初期散乱位置と推定し、
    初期散乱位置と推定した検出点のエネルギーとエネルギー誤差とから前記第1及び前記第2の対応関係情報を参照してコンプトン散乱角θとコンプトン散乱角の角度誤差Δθを算出し、
    前記被検体からのγ線の進行経路を、前記各検出点の位置情報を用いて推定し、
    該推定した被検体からのγ線の進行経路を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点としてγ線の進行方向を基準とした半頂角=(θ+Δθ/2)の第1の円錐の表面と、前記推定した被検体からのγ線の進行経路を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点としてγ線の進行方向を基準とした半頂角=(θ−Δθ/2)の第2の円錐の表面との間の空間に他の検出点が存在するか否かを判定するのを、
    真の初期散乱位置となる検出点を検知するまで繰り返すことを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  6. 被検体の体軸に近い位置に体軸に平行に設定した中心軸の法線方向に沿って設置され、かつ、前記中心軸の周方向にも配設され、前記被検体からのγ線を検出する複数のセンサを有するγ線検出器と、
    前記センサがγ線を検出した際に出力するγ線検出信号に基づいて、各センサが検出したγ線のエネルギー及びγ線を検出したセンサの位置である検出点を決定する信号処理装置と、を備え、
    近接する複数のセンサのそれぞれから、同時に複数のγ線検出信号が出力されると、決定したそれぞれのエネルギー及び検出点を用いてγ線の初期散乱位置を判定する、核医学撮像装置における初期散乱位置判定方法であって、
    前記信号処理装置は、
    前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記センサにおけるエネルギー誤差をパラメータとした前記検出点でのエネルギーとコンプトン散乱角の角度誤差との対応関係を示す第2の対応関係情報を有し、
    前記信号処理装置は、
    前記各検出点の位置情報に基づいて所定の検出点を前記初期散乱位置と推定し、
    前記初期散乱位置と推定した検出点のエネルギーとエネルギー誤差とから前記第1及び前記第2の対応関係情報を参照してコンプトン散乱角θとコンプトン散乱角の角度誤差Δθを算出し、
    前記初期散乱位置と推定した検出点に対して、該検出点を含む所定領域内の他の検出点から結び外挿した直線を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点として前記外挿方向を基準とした半頂角=(θ+Δθ/2)の第1の円錐及び半頂角=(θ−Δθ/2)の第2の円錐の両表面の間の空間に、前記被検体を挟んで対向する他の検出点が存在するか否かを判定し、
    前記被検体を挟んで対向する他の検出点が前記空間に存在しないとき、前記初期散乱位置と推定した検出点が真の初期散乱位置でないと判定することを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  7. 請求項6記載の初期散乱位置判定方法において、
    前記信号処理装置は、初期散乱位置と推定した検出点が真の初期散乱位置ではないと判定したとき、
    初期散乱位置と推定したものの真の初期散乱位置ではなかった検出点を除いた他の検出点の内、所定の検出点を初期散乱位置と推定し、
    初期散乱位置と推定した検出点のエネルギーとエネルギー誤差とから前記第1及び前記第2の対応関係情報を参照してコンプトン散乱角θとコンプトン散乱角の角度誤差Δθを算出し、
    前記初期散乱位置と推定した検出点に対して、該検出点を含む所定領域内の他の検出点から結び外挿した直線を中心軸とし、前記初期散乱位置と推定した検出点を頂点として前記外挿方向を基準とした半頂角=(θ+Δθ/2)の第1の円錐及び半頂角=(θ−Δθ/2)の第2の円錐の両表面の間の空間に、前記被検体を挟んで対向する他の検出点が存在するか否かを判定するのを、
    真の初期散乱位置となる検出点を検知するまで繰り返すことを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  8. 請求項4乃至7記載の初期散乱位置判定方法において、
    前記被検体に最も近い検出点を前記初期散乱位置と推定することを特徴とする初期散乱位置判定方法。
  9. 被検体の体軸に近い位置に体軸に平行に設定した中心軸の法線方向に沿って設置され、かつ、前記中心軸の周方向にも配設され、前記被検体からのγ線を検出する複数のセンサを有するγ線検出器と、
    前記センサがγ線を検出した際に出力するγ線検出信号に基づいて、各センサが検出したγ線のエネルギー及びγ線を検出したセンサの位置である検出点を決定する信号処理装置と、を備え、
    近接する複数のセンサのそれぞれから、同時に複数のγ線検出信号が出力されると、決定したそれぞれのエネルギー及び検出点を用いてγ線の初期散乱位置を判定する核医学撮像装置であって、
    前記信号処理装置は、
    前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角との対応関係を示す第1の対応関係情報と、前記センサにおけるエネルギー誤差をパラメータとした前記検出点のエネルギーとコンプトン散乱角の角度誤差との対応関係を示す第2の対応関係情報を記憶した記憶部と、
    前記検出点におけるエネルギーと前記第1の対応関係情報とに基づきコンプトン散乱角を求め、前記センサにおけるエネルギー誤差と前記検出点におけるエネルギーと前記第2の対応関係情報に基づきコンプトン散乱角の角度誤差を求め、前記求めたコンプトン散乱角と前記求めたコンプトン散乱角の角度誤差と前記検出点の位置とに基づき前記初期散乱位置を判定する処理部とを有すること
    を特徴とする核医学撮像装置。
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