JP6518651B2 - X線撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置などの画像撮影装置に関し、特にフォトンカウンティング方式のX線検出器を搭載したX線撮影装置に関する。
X線CT装置は、複数の方向から撮影した被写体のX線透過像(以下、投影像と記す)からX線吸収係数を算出し、被写体の断層像(以下、再構成像と記す)を得る装置である。医療や非破壊検査の分野で広く用いられている。
現行の多くの医療用のX線CT装置では、積分型と言われるX線検出器が搭載されている。積分型のX線検出器は、X線をシンチレータで光に変換し、その光をフォトダイオードで電荷に変換し、その電荷を読み出し回路でデジタル信号に変換して出力する。読み出し回路では1ビュー毎に電荷を積分してデジタル信号を得る。この1ビュー間には多数のX線フォトン分が入射するが、得られる信号量は入射X線のエネルギーの総和に応じた信号量である。そのため、入射した1つ1つのX線フォトンのエネルギー情報を知ることはできない。
一方、非特許文献1のように、近年、フォトンカウンティング方式のX線検出器を搭載したX線CT装置の開発が進んでいる。このX線検出器は、CdTeなどの半導体の検出層を有するX線検出素子と、入射X線フォトンのエネルギーに応じてエネルギー範囲毎に分別してデジタル信号を得る読み出し回路を有する。
このX線検出器は、X線検出素子にX線が入射すると、まず検出層でX線フォトンのエネルギーに応じた電荷が生じる。次に読み出し回路が、この電荷をX線フォトン1つ1つで読出せる程高速に読み出し、入射したX線のエネルギーに応じて、幾つかのエネルギー範囲毎に分別してX線フォトン数をカウントする。このとき入射したエネルギーは、発生した電荷量を用いて判別する。
更にこの検出を複数のX線フォトンの1つ1つで同様に行い、各エネルギー範囲でX線フォトン数をカウントし、そのカウント数をデジタル信号に変換する。このような計測により、エネルギー範囲毎に投影像が得られ、これらを用いることで、エネルギー範囲毎に再構成像を得ることができる。
David P. Cormode、 Ewald Roessl、 Axel Thran、 et al. Analysis with Multicolor CT and Target Gold Nanoparticles. Radiology 2010; 256(3):774-782
フォトンカウンティング方式のX線検出器において、X線が検出層で検出される際、多数の電荷を生じるが、その過程ではX線は検出層と多数回のインタラクションを行うため、完全に検出されるまでにある程度の移動距離が生じる。そのため、1つのX線フォトンで生じた電荷が、複数の画素(検出素子)に跨って検出されることがある。このとき、検出されたX線の電荷は、それぞれの画素で分配されるため、入射したX線フォトンよりエネルギーが低い2つのX線フォトンが検出されたと間違われることとなる。そのため、異なったエネルギー範囲のX線フォトンとして計測される場合や、入射していないX線フォトンを誤ってカウントしてしまう場合があり得る。
またX線が検出層で検出されたときに生じる蛍光X線を他の画素が検出することがある。このときも、入射したX線の数え落としや、異なったエネルギー範囲での検出、直接入射していないX線フォトンのカウント等が生じる。
このような数え間違いは、同時計測を行うことで修正できる。この方法は、例えばPET(陽電子放出断層撮影)装置などで行われており、対象素子にX線フォトンが入射し、同時に隣接素子でも信号を検出した場合、隣接素子の信号を対象素子に入射したX線フォトンの一部と見なす。ただしこの方法は、入射レート(単位時間あたりに入射するX線量)が高いときは、同時に隣接素子に別のX線フォトンが入射する可能性が高まり、間違いが生じやすい。更に同時であるかを判断するための処理に時間がかかり、X線CT装置のような高いX線入射レートでX線検出器にX線が入射される装置には適用が難しい。
また検出層に入射したX線の一部は、検出層とのインタラクションの途中で検出層を透過する。この場合、本来のX線よりも低いエネルギーのX線フォトンが1つ入射したと間違われることとなる。そのため、異なったエネルギー範囲のX線フォトンとしてカウントされる場合があり得る。
このように各エネルギー範囲でのX線フォトン数数え間違いをすると、それぞれのエネルギー範囲で、正しい投影像が得られなくなる。また隣接素子から信号が流入することで画像がぼけ、分解能が低下する可能性がある。更にこれらの投影像から作成した再構成像では、CT値の定量性の低下や、アーチファクトの発生が生じ得る。
前記の課題を解決するために、本発明のX線撮影装置は、X線検出器の各X線検出素子のデジタル出力値を、X線検出素子間で流入・流出するX線フォトンの移動割合、及び、X線素子内でエネルギーシフトすることによって低エネルギー領域で計測するX線フォトンとしてカウントされるX線フォトンの割合を考慮して補正する手段を備える。
すなわち、本発明のX線撮影装置は、X線フォトンを検出し、エネルギーレベルを複数のエネルギー範囲に弁別して計測するフォトンカウンティング方式の複数のX線検出素子から成るX線検出器と、前記X線検出素子の出力を収集してデジタル出力値を得る信号収集部と、前記X線検出素子のデジタル出力値を補正し、補正後のデジタル出力値を用いて投影データを作成するデータ処理装置と、を具備し、前記データ処理装置は、各X線検出素子について前記複数のエネルギー範囲のそれぞれのデジタル出力値を補正する補正部を有する。補正部は、予め求めたX線検出素子間のX線フォトンの移動割合を示すパラメータとX線検出素子内のエネルギーシフトの割合を示すパラメータとを用いて、前記デジタル出力値を補正する計数補正部を備える。
本発明の一つの態様では、補正部は、一つの補正対象のX線検出素子において、当該X線検出素子の検出対象エネルギー範囲以上のエネルギーで他のX線検出素子に入射したX線フォトンによって生じ、前記補正対象のX線検出素子に流入する信号量に相当するデジタル量を算出する流入量算出部を備え、前記デジタル出力値から前記流入量算出部が算出したデジタル量を除去する(第一の態様)。
本発明の別の態様では、補正部は、一つのX線検出素子において検出対象エネルギー範囲よりも高いエネルギー範囲から前記検出対象エネルギー範囲にエネルギーシフトしたX線フォトンに相当するデジタル量を算出するエネルギーシフト流入量算出部を備え、前記デジタル出力値から前記エネルギーシフト流入量算出部が算出したデジタル量を除去する(第二の態様)。
本発明のさらに別の態様では、補正部は、一つのX線検出素子に入射し、検出対象エネルギー範囲よりも低いエネルギー範囲にエネルギーシフトしたX線フォトンに相当するデジタル量を算出するエネルギーシフト流出量算出部を備え、前記デジタル出力値に前記エネルギーシフト流出量算出部が算出したデジタル量を加算する(第三の態様)。
本発明は、上述した第一〜第三の態様を任意に組み合わせたものも包含する。
本発明によれば、エネルギー範囲毎に入射したX線フォトン数を誤って計測することを防ぎ、正しい投影像が得られる。これらの投影像から作成した再構成像では、CT値の定量性の低下や、アーチファクトの発生を防ぐことができる。
本発明のX線CT装置の実施形態を示す概略図 X線検出素子110の配置の一例を説明するための説明図 (a)〜(c)は、X線検出素子の断面とその動作を説明する図 データ処理装置の機能ブロック図 データ処理のフローの一例を示す図 素子間及び素子内の信号の流出入を説明する図 第一実施形態の計数補正のフローの一例を示す図 (a)〜(d)は、図7の処理S5011の詳細を示す図 図7の処理S5012〜S5013内部の計算順序を示す図 第一実施形態の変更例の機能ブロック図 第二実施形態の概念を説明する図 第三実施形態における素子間及び素子内の信号の流出入を説明する図 第三実施形態の計数補正のフローの一例を示す図
以下、本発明の実施形態について、図を参照して詳述する。なお以下の説明では、X線CT装置を例に本発明を説明するが、本発明はX線CT装置以外のX線撮影装置についても適用することできる。
図1は、本発明が適用されるX線CT装置の全体概要を示す図である。図1に示すX線CT装置は、X線源100、X線コリメータ102、X線検出器104、信号収集部108、中央処理装置105、表示装置106、入力装置109、制御部107、ガントリー回転部101、寝台天板103から構成される。
X線検出器104は、X線源100を略中心とした円弧状に複数配置されており、X線源100と共にガントリー回転部101に搭載されている。図1では、説明を簡単にするために、X線検出器104は8個の場合が示されているが、X線検出器104の数は任意であり、実際の装置では、例えば40個程度である。またX線検出器104の前面にはX線グリッド(図1には図示せず)が設置されており、X線源100から照射されたX線のうち、被写体200などで散乱されたX線が、X線検出器104に入射するのを防ぐ。
X線検出器104は、フォトンカウンティング方式のX線検出素子が、例えば図2に示すように、チャネル方向とスライス方向に2次元的に配置された構造を成す。なお図2は、X線検出器104に配置されたX線検出素子110の一部を示し、チャネル方向に4個、スライス方向に3個分を切り出して記したものである。またX線検出素子110は、チャネル方向とX線検出器104の回転方向を、スライス方向と回転軸方向とを一致させて配置されている。
このX線検出素子110は、図3の(a)に示すように、検出層111を挟むように正負の電極112、113が設けられ、その電極には読み出し回路115(信号収集部108)が接続された構造を有する。検出層111は、例えばCdTe(カドミテルル)、CdZnTe(カドミジンクテルル)、Si(シリコン)などの半導体材料から成り、入射したX線フォトンを検出し、そのエネルギーに応じた量の電荷を生じる。読み出し回路115は、検出層111で発生した電荷を読み出し、その電荷により生じた電気信号を、予め設定したエネルギーレベルと比較し、入射したX線フォトンのエネルギーのエネルギー範囲を判別する。
読み出し回路115は、このような判別を入射X線フォトン毎に行い、1ビュー間、複数のエネルギー範囲のそれぞれに分別して、それぞれのX線フォトン数をカウントする。各X線検出素子110の読み出し回路115から出力される、それぞれのカウント数に応じた電気信号は、信号収集部108でデジタル信号として出力される。図3の(b)、(c)は、一例としてエネルギー範囲を3つに分別して、X線フォトン数をカウントした様子とそれに応じた信号を示している。このようなX線検出器104の構造により、X線は検出層111で検出された後、エネルギー範囲毎に、X線フォトン数に応じたデジタル信号(デジタル出力値)を得ることができる。なおエネルギー範囲の数は2以上であれば特に限定されないが、以下では、説明を簡単にするためにエネルギー範囲が低エネルギー範囲と、高エネルギー範囲の2つである場合を説明する。
中央処理装置105は、主として、信号収集部108から出力されるデジタル信号を処理し、補正、画像再構成等のデータ処理を行う。データ処理装置として機能する中央処理装置105の機能ブロック図を図4に示す。図示するように、中央処理装置(データ処理装置)105は、補正部120、画像再構成部130、パラメータ設定部140及び各部のデータの流れを制御する主制御部150を有し、画像作成に必要な各種演算を行う。中央処理装置の各演算は、それぞれ対応する演算プログラムを実行することにより実現される。演算プログラムは予め中央処理装置105に格納されている。或いは、可搬媒体や通信を通じて中央処理装置にアップロードされ、実行される。なお図4には示していないが、中央処理装置105には、各種演算に必要なデータやパラメータ141を格納する記憶装置160が内部及び/又は外付け装置として備えられている。
補正部120は、前処理部121及びX線検出器104の素子毎にカウントされたX線フォトン数を補正する計数補正部125を含む。前処理部121は、装置に依存する誤差を取り除いたり、被写体以外の信号を除去するための処理を行うもので、信号収集部108からのデータに対し、LOG変換、エア補正等の公知の前処理を行う。計数補正部125は、X線検出器104を構成する各検出素子についてエネルギー範囲毎に出力値から除去すべきデジタル量あるいは補填すべきデジタル量を算出するものであり、図示する例では、流入量算出部122、エネルギーシフト流入量算出部123、エネルギーシフト流出量算出部124を含む。計数補正部125は、これら各算出部122〜124で算出されたデジタル量を用いて、信号収集部108から入力したX線検出器104のデジタル出力値を補正する。これら各算出部の機能は、後に詳述する。
画像再構成部130は、補正部120で補正されたエネルギー範囲毎の投影データをもとに、公知のフィルタ補正逆投影法、逐次近似法等の演算を行い、CT像を再構成する。パラメータ設定部140は、入力装置109から直接入力されるパラメータや入力された条件等から決まるパラメータを設定し、補正部120や画像再構成部130に渡す。
表示装置106は、画像再構成部130が作成した画像等を表示したり、操作者が操作するためのGUIを表示する。入力装置109は、キーボード、マウス、撮影の開始・終了などを指示する各種操作ボタンなどを含むことができる。
次に上記構成を踏まえ、被写体200を撮影して再構成像を取得する撮影方法(以降、実撮影と記す)と、処理の方法について説明する。まず入力装置109から実撮影の開始を入力すると、X線源100からX線が照射される。X線は、X線コリメータ102によって照射野が限定されて、寝台天板103に載った被写体200に向けて照射され、被写体200を透過したX線はX線検出器104で検出される。
この撮影を、ガントリー回転部101を回転方向に回転することで、被写体200に対するX線の照射角度を変化させながら繰り返し行い、360度分のデジタル信号を取得する。撮影は、例えば0.4度ごとに複数ビューの間、行う。更にこの間も、制御部107はX線焦点の位置制御を行う。このようにして得られたデジタル信号を、信号収集部108で収集する。信号収集部108で収集したデータを、以下、ローデータ143という。
ローデータ143は中央処理装置105に送られ、補正処理が行われる。中央処理装置105における補正処理の手順を図5に示す。補正処理では、まず信号収集部108から受け取ったローデータ143に対して、まず計数補正を行う(S501)。計数補正は、詳細は後述するが、低エネルギー範囲と高エネルギー範囲のデジタル信号毎に、カウントされたX線フォトン数を補正する。この際、記憶装置160に記憶されたパラメータ141を読み出して、補正処理の演算を行う。
次にLOG変換を行う(S502)。LOG変換は、変換前の値X、変換後の値Yとすると、例えば式(1)で示す変換である。ここでa、bは定数の係数である。
Figure 0006518651
次にエア補正を行う(S503)。この補正は、例えば、本撮影の事前に作成して記憶装置160に保存しておいた、エネルギー毎の感度・X線分布データ142を、LOG変換後のローデータから差分することで実現する。感度・X線分布データ142は、例えば被写体200を設けずに、X線管100からX線を照射してエネルギー毎にローデータを取得し、それらに対して計数補正、ビューに対する加算平均処理、LOG変換を行うことで作成する。
以上のような処理を行って投影データ144を得た後、再構成処理を行って(S504)、被写体200のX線吸収係数分布の再構成像145を、例えば低エネルギー範囲と高エネルギー範囲毎に作成する。最後に再構成像145を、表示装置106にて表示する(S505)。
なお図5に示す補正処理は一例であり、本発明を限定するものではない。例えば、これらの補正順序が異なる場合や、他の補正が加わる場合、またエア補正S503が無い場合なども有り得る。
次に計数補正S501の処理の詳細を説明する。この処理では、流入量除去処理、エネルギーシフト流入量除去処理、エネルギーシフト流出量補填処理の少なくとも一つの補正処理を行う。補正処理は、X線検出器を構成するすべてのX線検出器素子に対し行うものであるが、以下の説明では、図2に示す一つのX線検出素子11(以降、対象素子11と記す)に対する補正処理を説明する。
まず対象素子11について計測したカウント数が不正確となる原因を、図6を参照して説明する。図6中、対象素子11の高エネルギー範囲での信号をボックス610で、低エネルギー範囲での信号をボックス620で表している。同様に、隣接素子12の高エネルギー範囲での信号をボックス710で、低エネルギー範囲での信号をボックス720で表している。
一つの対象素子11が、所定のエネルギー領域のX線フォトンをカウントしたとすると、そのカウント数(デジタル量)には、当該対象素子11に入射した検出対象エネルギー領域のX線フォトン(検出対象フォトン)のほかに、(1)隣接素子12から流入したX線フォトン(流入フォトン)(図6中、細実線で示す矢印)、(2)当該検出素子に入射した検出対象エネルギー領域より高いエネルギー領域のX線フォトンであってエネルギーシフトを起こしたX線フォトン(エネルギーシフトフォトン)(図6中、太実線線で示す矢印)のカウント数が含まれる。これら流入フォトンおよびエネルギーシフトフォトンのカウント数は、計測値から除去すべきものである。
また本来は、対象素子11に入射した所定エネルギー領域のX線フォトンであって、より低いエネルギー領域にエネルギーシフトすることによって、検出対象エネルギー領域のX線フォトンとしては計測されないX線フォトンが存在する。この計測されないX線フォトンのカウント数を計測値に補填する必要がある。
ここで、フォトカウント方式の検出器では、積分型の検出素子のクロストークとは異なり、エネルギーシフトによる流出入は、高いほうのエネルギー範囲から低いほうのエネルギー範囲への一方向の移動であり、低いエネルギー範囲のX線フォトンが同じ素子或いは隣接する素子の高いエネルギー範囲に流入することはない。ただし、隣接する素子の間では、同じエネルギー範囲のX線フォトンが流出入することがある。また高い方のエネルギー範囲のX線フォトンが、隣接する素子に流入し、そこでX線フォトンとしてカウントされる場合、流入した側では、除去すべき流入量となるが、流出した側(対象素子)では、すでにカウントされているので、エネルギーシフトだけを考慮すればよく、カウント数を補填する必要はない。
本実施形態の補正処理では、このようなフォトカウント方式の検出器におけるX線フォトンの挙動(信号の流出入)を考慮し、計数補正を行う。以下、補正処理の実施形態を説明する。
<<第一実施形態>>
本実施形態は、他の素子からの流入量の除去、同一素子内におけるエネルギーシフト流入量の除去、同一素子内における計測していない値の補間の3つの処理を全て行うことが特徴である。以下、本実施形態による計数補正を、図7のフローを参照して説明する。
<パラメータの決定>(S5011)
補正処理に際し、まず、素子間のX線フォトンの移動割合を表すパラメータ、及び、同一素子内のエネルギーシフトの割合を表すパラメータを求める。前者のパラメータは、エネルギー範囲によって、隣接素子12に高エネルギー範囲で入射した信号のうち、対象素子11の高エネルギー範囲で計測されるX線フォトンの割合を示すパラメータαH_H、隣接素子12に高エネルギー範囲で入射した信号のうち、低エネルギー範囲で計測されるX線フォトンの割合を示すパラメータαH_L、隣接素子12に低エネルギー範囲で入射した信号のうち、対象素子11の低エネルギー範囲で計測されるX線フォトンの割合を示すパラメータαL_Lの3種類があり、素子毎に求める。
エネルギーシフトの割合を表すパラメータとは、一つの素子について、高エネルギー範囲のエネルギーを有する入射X線フォトンを、低エネルギー範囲のX線フォトンとして計測する割合を示し、高エネルギー範囲の減少の割合を示すパラメータβH_L(x)であり、低エネルギー範囲の増加の割合を示すパラメータγH_L(x)である。βH_L(x)とγH_L(x)とは概ね一致するが、異なる場合もある。例えば、高エネルギー範囲でエネルギーを失っても高エネルギー範囲に残り、失ったエネルギーが低エネルギー範囲で計測される場合等である。
これらパラメータの求め方は、大きく分けて、3つの手法がある。第1の方法はシミュレーションを用いる方法、第2の方法は実測する方法、第3の方法は、1ないし少数の素子について実測し他の素子については推定する方法である。これらは適宜組み合わせてもよい。
シミュレーション法では、例えば、図2の配置のように対象素子11と隣接素子12を模擬したモンテカルロシミュレーションを行う。まず、エネルギーを考慮して隣接素子にX線を入射した際に対象素子へ流入するX線フォトン数をカウントし、パラメータαH_H、αH_L、αL_Lを求めることができる。さらに対象素子11にエネルギーを考慮してX線を入射し、X線フォトン数のカウント結果と入力X線のスペクトルを比較することでパラメータβH_LとγH_Lとを求めることができる。
また実測法の場合には、まず照射X線のスペクトルを計測する。これにより、被写体が無い場合における高エネルギー範囲と低エネルギー範囲の計数の割合rH(x)、rL(x)(ここでrH(x)+rL(x)=1)を推定する。xは対象となる素子の位置を表す。
次に対象素子11にX線を入射し、実際に計測される高エネルギー範囲と低エネルギー範囲でのデジタル出力値PH(x)、PL(x)を計測する。このとき、他のX線検出素子からの信号が流入するのを避けるため、X線は図8の(a)又は(b)に示すように、ピンホールやスリットにて点状か細いスリット状に絞って照射する。この結果から、低エネルギー範囲のX線フォトンとして計測する割合βH_L(x)とγH_L(x)を算出する。このとき、信号の流入や流出が無いならば、高エネルギー範囲で計測される計数はrH(x)(PH(x)+PL(x))と成れば良いが、流入出がある際にはPH(x)と計測される。従って高エネルギー範囲からの信号はrH(x)(PH(x)+PL(x))-PH(x)だけ減少したことになる。一方、この量を割合βH_L(x)で表すと、βH_L(x)rH(x)(PH(x)+PL(x))となるため、βH_L(x)は、以下の式(2-1)のように書けることが分かる。
一方、低エネルギー範囲への信号はrL(x)(PH(x)+PL(x))-PL(x))だけ増加することになり、この量をγH_L(x)で表すと、γH_L(x)rL(x)(PH(x)+PL(x))となるため、γH_L(x)は、以下の式(2-2)のように書けることが分かる。
Figure 0006518651
なお被写体があるときは、X線検出器104に入射するX線のスペクトルは変化するが、ここでは近似的に被写体が無い場合の値を使用している。
次に、図8(c)又は8(d)に示すように、少なくともチャネル方向に絞ったスリット状やピンホール状のX線を照射し、隣接素子12のデジタル出力値PH(m)、PL(m)を計測し、αH_H、αH_L、αL_Lを計測する。ここでX線は、X線検出素子110の幅よりも十分に狭いことが望ましい。このとき対象素子11には、信号の流入や流出が無いならば、高エネルギー範囲ではrH(x)(PH(x)+ PL(x))、低エネルギー範囲ではrL(x)(PH(x)+ PL(x))だけ計数があると考えられるため、割合αH_H、αH_L、αL_Lは、式(3-1)〜式(3-3)のように書ける。
Figure 0006518651
ここで対象素子11のパラメータαH_H、αH_L、αL_Lは、隣接素子12のパラメータと同一として算出する。このように求めることで、隣接素子12が対象素子11の周りに複数ある場合でも、一度にパラメータを求めることができる。一方、隣接素子12にX線を入射して対象素子11への流出量を直接計測しても良いことは言うまでもない。
また隣接素子12としては、図8では、一方向(たとえばチャネル方向)に隣接する素子を想定しているが、検出器によって検出素子の縦横比やチャネル方向とスライス方向の素子間隔が異なる場合があるので、両方向について、上述した実測を行い、それぞれのパラメータを求めてもよい。また実測法においても、高エネルギー範囲と低エネルギー範囲の計数の割合rH(x)、rL(x)を、X線のスペクトル分布をシミュレーションにより求めることにより計算してもよい。
また式(3-1)〜式(3-3)では隣接素子12の補正前のデジタル出力値PH(m)、 PL(m)を用いたが、隣接素子12内でのエネルギーシフトを考慮することで、より高い精度でパラメータを決定することができる。このとき、隣接素子12において、先に計測したβH_L、γH_Lと、後述する式(4-1)と式(4-2)とを用いて、エネルギーシフトの影響を除いたデジタル出力値RH(m)、 RL(m)を算出し、これらをデジタル出力値PH(m)、PL(m)の代わりに用いて、式(3-1)〜式(3-3)からパラメータを求めれば良い。
第3の方法は、全ての素子について実測する負担を軽減する方法であり、例えば、X線検出器の中央に位置する検出素子と、端部に位置する検出素子など少ない数の検出素子について、上述した実測法によるパラメータ決定を行い、それらの間にある検出素子については、補間により或いはシミュレーションによりパラメータの値を推定する。これにより実測法の負担を軽減できる。
以上のようにして決定したパラメータαH_H、αH_L、αL_L、βH_L(x)、γH_L(x)は、記憶装置160に格納され、その後の計数補正計算に用いられる。
<流入量除去処理>(図7:S5012)
流入量除去処理は、1つのX線フォトンが対象素子11の隣接素子12に入射し、その際に生じた信号の一部が対象素子11で検出される場合、その隣接素子12から入射した信号によって誤ってX線フォトンとしてカウントされたカウント数を、そのエネルギーも考慮して対象素子11のX線フォトンのカウント数から除く処理である。
このため流入量算出部122が、隣接素子12に入射したX線フォトンによって、対象素子11で計測するカウント数、すなわち、上記式の「フォトン流入量」を算出する。
ここで、対象素子11における流入量除去処理前の高エネルギー範囲と低エネルギー範囲でのデジタル出力値をそれぞれPH(x)、PL(x) とし、入射したX線フォトンのエネルギーを正確に計測した際の高エネルギー範囲と低エネルギー範囲でのデジタル出力値をそれぞれRH(x)、RL(x)、隣接素子12の流入量除去処理前のデジタル出力値をPH(m)、PL(m)、入射したX線フォトンのエネルギーを正確に計測した際のデジタル出力値をRH(m)、RL(m) とする。なおx、mは、補正対象となるX線検出素子の位置x、及び隣接する素子の位置mを表し、対象となるX線検出素子の位置が変われば位置x、mが変わることは言うまでもない。
対象素子11の高エネルギー範囲では、隣接素子12の高エネルギー範囲に入射したフォトンで生じた電荷の一部が流出し得るため、そのフォトン数に比例したカウント数が上乗せされる。これは図6に示すように、対象素子11の高エネルギー範囲の信号610に、隣接素子12の高エネルギー範囲の信号710の一部(割合:αH_H)が流入すると見なせる。従って流入量はαH_HRH(m)と表すことができる。同様に、対象素子11の低エネルギー範囲では、隣接素子12の高エネルギー範囲に入射したフォトン数に比例したカウント数と、隣接素子12の低エネルギー範囲に入射したフォトン数に比例したカウント数が上乗せされる。
これは図6に示すように、対象素子11の低エネルギー範囲の信号620に、隣接素子12の高エネルギー範囲の信号710の一部(割合:αH_L)と隣接素子12の低エネルギー範囲の信号720の一部(割合:αL_L)が流入すると見なせるため、その流入量はαH_LRH(m)+αL_LRL(m)と表すことができる。このとき、隣接素子12に低エネルギー範囲で入射した信号のうち、対象素子11の高エネルギーと計測されることは、低エネルギーのX線フォトンのエネルギーが全て対象素子11に入ったとしてもありえないため、その割合はゼロとなる(αL_H=0)。
従って流入量除去処理において補正すべきデジタル量「流入量」は、
高エネルギーのX線フォトンついては、[RH(m)×αH_H
低エネルギーのX線フォトンついては、[RH(m)×αH_L +RL(m)×αL_L
となる。
計数補正部125は、流入量算出部122が算出した上記「流入フォトンの量」を用いて、次式(4-1)、(4-2)により流入量除去処理を行う。
Figure 0006518651
このように流入量除去処理前の信号値から、隣接素子12から対象素子11へ流入する信号を差分することで、入射したX線フォトンのエネルギーを正確に計測した際の信号値を算出することができる。
<エネルギーシフト流入量除去処理>(図7:S5013)
エネルギーシフト流入量除去処理では、1つのX線フォトンが対象素子11に入射した際、生じた電荷の一部が、X線フォトンのエネルギーより低いエネルギー範囲のX線フォトンとして対象素子11で検出されて誤カウントされたカウント数を補正する。これは、検出されたX線フォトンの信号の一部が隣接素子12で検出される場合や、X線フォトンの一部のエネルギーが吸収されながらも対象素子11を透過した場合などに生じ得る。この現象は、高エネルギー範囲で計測されるX線フォトン数の一部が、低エネルギー範囲に移行しているように見なせるため、図6に示すように、高エネルギー範囲から低エネルギー範囲へカウント数が流入すると見なすことができる。
エネルギーシフト流入量算出部123は、エネルギーシフト流入量除去処理では、低エネルギー範囲の計数のうち、高エネルギー範囲から低エネルギー範囲へ流入したX線フォトン数を除くために、高エネルギー範囲から低エネルギー範囲へ流入したX線フォトン数を算出する。ここで、図6に示すように、高エネルギー範囲の信号610の一部が低エネルギー範囲の信号620に流入すると見なすことができる。その割合はγH_L(x)となるのでエネルギーシフト流入量算出部123が算出する流入量は、γH_L(x)RH(x)となる。これを式(5)により、流入量除去処理前の信号値からを差分することで、入射したX線フォトンのエネルギーを正確に計測した際の信号値を算出することができる。
Figure 0006518651
<エネルギーシフト流出量補填処理>(S5014)
次にエネルギーシフト流出量補填処理は、エネルギーシフト流入量除去処理とは反対に、高エネルギー範囲のカウント数のうち、低エネルギー範囲と計測されたカウント数を補填する処理である。この量(エネルギーシフト流出量)は、エネルギーシフト流入量除去処理の場合と同様に考えるとβH_L(x)RH(x)となる。従って、式(6)のように、この値を流入量除去処理前の信号値に補填することで、入射したX線フォトンのエネルギーを正確に計測した際の信号値を算出する。
Figure 0006518651
図5の計数補正S501において、上述した流入量除去処理S5012とエネルギーシフト流入量除去処理S5013とエネルギーシフト流出量補填処理S5014を全て行う。このとき、入射したX線フォトンのエネルギーを正確に計測した際の高エネルギー範囲と低エネルギー範囲でのデジタル出力値RH(x)、RL(x)は、式(7-1)、(7-2)のように書ける。
Figure 0006518651
更に、低エネルギー範囲を表すLを1、高エネルギー範囲を表すHを2と記すことにすると、式(7-1)、(7-2)は次式のように書ける。
Figure 0006518651
式(8-1)、(8-2)は、それぞれ、隣接素子12を対象素子11と見なした場合の式、すなわち本実施例ではこれら2つの素子を扱うので、対象素子11と隣接素子12を入れ替えた式が成り立ち、これらの一組の式の連立方程式を用いて解くことができる。
その際、nの大きい方から(n=2のときから)式を解くことで、出力値RH(x)、RL(x)を算出できる。すなわち、まずn=2のときの式(8-2)を先に解くことで、式(8-1)の右辺の第3項のRH(x)が求められるので、式(8-2)と同様に解くことができる。
このような計算の順序を考慮した計数補正S501の処理を図9に示す。まず処理S510にて、補正後の高エネルギー範囲でのデジタル信号量R2(x)(=RH(x))を、ローデータ143の中の高エネルギー範囲でのデジタル信号量P2(x)(=PH(x))を用いて算出する。処理S510では、記憶装置160に保存されたパラメータ(α、β、γ)141を使用し、式(8-1)、(8-2)(n=2のとき)の計算を行うことで、流入量除去処理、エネルギーシフト流出量補填処理が行われる。次に処理S520にて、補正後の低エネルギー範囲でのデジタル信号量R1(x)(=RL(x))を、先に求めた補正後の高エネルギー範囲でのデジタル信号量R 2 (x)と、ローデータ143の中の低エネルギー範囲でのデジタル信号量P1(x)(=PL(x))を用いて算出する。処理S520では、記憶装置160に保存されたパラメータ(α、β、γ)141を使用し、式(8-1)、(8-2)(n=1のとき)の計算を行うことで、流入量除去処理、エネルギーシフト流入量補填処理が行われ、補正対象素子について補正後のデジタル出力値1440が得られる。
以上の計数補正S501(S5012〜S5014)により、高エネルギー範囲のデジタル信号量R2(x)と低エネルギー範囲のデジタル信号量R1(x)を求めることができる(S5015)。この処理を、X線検出器を構成する全ての素子を対象として行った後(S5016)、LOG変換S502の処理に進む。その後の処理は、図5を参照して既に説明したとおりである。
以上説明したように、本実施形態によれば、隣接素子12から流入するX線フォトンに起因する計数違い及び同じ素子内のエネルギーシフトに起因する計数違いに対し計数補正S501を行うことで、各エネルギー範囲で正確に入射したX線フォトン数を得ることができ、正しい投影像が得られるようになる。また隣接素子から信号が流入することで画像がぼけを防ぎ、分解能が低下を防止する。更にこれらの投影像から作成した再構成像では、CT値の定量性の低下や、アーチファクトの発生を防ぐことができる。
<<第一実施形態の変更例1>>
第一実施形態では、計数補正において、流入量除去、エネルギーシフト流入量除去、エネルギーシフト流出量補填の3つの処理を全て行ったが、検出器の特性等に応じて、これらの1または2の処理を省くことができる。
例えば、素子間のクロストークが極めて少なく無視できる範囲の場合、流入量除去(図7:S5012)は省くことができる。この場合には、前掲の式(5)、(6)及びパラメータβH_L(x)とγH_L(x)を用いて計数補正S501を行う。
また素子内のエネルギーシフトが無視できる範囲の場合には、エネルギーシフト流入量除去、エネルギーシフト流出量補填の2つの処理を省略し、前掲の式(4-1)、(4-2)及びパラメータαを用いて、計数補正S501を行う。
さらに流入量除去及びエネルギーシフト流入量除去、流入量除去及びエネルギーシフト流出量補填、エネルギーシフト流入量除去のみ、エネルギーシフト流出量補填のみの計数補正S501も本発明に含まれる。
一つの処理を行う場合にも次のような効果が得られる。
まず流入量除去を行うことにより、あるX線検出素子で、他のX線検出素子にX線フォトンが入射して生じた一部の信号が検出される場合、その他のX線検出素子で検出したX線フォトン数を、そのX線のエネルギーも考慮して補正により除くことができるため、正しい投影データを得ることができる。
エネルギーシフト流入量除去処理を行うことにより、より高いエネルギーのX線フォトンが入射したのに、一部のエネルギーのみが検出されたために低いエネルギー範囲として計測されたX線フォトン数を算出できる。従って、あるエネルギー範囲で計測したX線フォトン数から、より高いエネルギー範囲のX線フォトンが誤って低いエネルギー範囲として検出されるX線フォトン数を補正により除くことができ、正しい投影データを得ることができる。
エネルギーシフト流出量補填処理を行うことにより、あるエネルギー範囲のX線フォトンが、一部のエネルギーのみが検出されたためにより低いエネルギー範囲で計測されたX線フォトン数を算出して補正により補填することができ、正しい投影データを得ることができる。
なお第一実施形態では、図9のフローに示したように、補正後のデジタル信号量を高いエネルギー範囲から算出した。これは式(7-1)から分かるように、補正後の低エネルギーのデジタル信号量RL(x)の算出には、補正後の高エネルギーのデジタル信号量RH(x)、RH(m)を用いるためである。このRH(x)を有する式(7-1)右辺の第2項と第4項は、ぞれぞれ、流入量除去処理とエネルギーシフト流入量除去処理を意味する。一方、エネルギーシフト流出量補填処理では、信号量RLL(x)を求めるのに信号量RH(x)は不要である。従って、流入量除去処理とエネルギーシフト流入量除去処理の少なくとも一方を含む場合は、高エネルギー範囲のデジタル信号量RH(x)から求めるのが望ましく、エネルギーシフト流出量補填処理のみを行う場合は、高エネルギー範囲と低エネルギー範囲のデジタル信号量のどちらから求めても良い。
<<第一実施形態の変更例2>>
第一実施形態では、αH_H、αH_L、αL_L、βH_H(x)、γH_L(x)などのパラメータを予め求め、固定された値として用いた場合を記したが、撮影条件等に応じてパラメータは自動或いは手動で変更する構成とすることも可能である。本実施形態のX線CT装置は、パラメータを自動或いは手動で変更する機能を備えたことが特徴である。
本実施形態の制御部107及び中央処理装置105の機能ブロック図の一例を図10に示す。
図示するように、制御部107は、撮影条件設定部170を備える。中央処理装置105のパラメータ設定部140は、図4に示す機能に加えて、パラメータ算出部としての機能を備えている。なお図10において、図4と同じ要素については同じ符号で示し、説明を省略する。
また図10では図示を省略しているが、計数補正部125は図4に示す流入量算出部122、エネルギーシフト流入量算出部123、エネルギーシフト流出量算出部124の少なくとも一つを備えているものとする。
撮影条件設定部170には、入力装置109を介して、被写体の種類、照射する管電圧、X線フィルタの種類などの撮影条件が設定される。撮影条件設定部170は設定された撮影条件の情報を、中央処理装置105のパラメータ設定部140に渡す。パラメータ設定部140は、撮影条件をもとにエネルギーの硬化や軟化の程度を判断し、パラメータαH_H、αH_L、αL_L、βH_H(x)、γH_L(x)を変更する。
一般に、X線の被写体の透過などにより、あるエネルギー範囲内でのエネルギー分布が変化した場合など、これらのエネルギーは変化(硬化或いは軟化)する。このようなエネルギーの硬化や軟化は、被写体の種類、照射する管電圧、X線フィルタの種類などによって変わる。パラメータ設定部140は撮影条件から推定したエネルギーの変化に応じて、パラメータαH_H、αH_L、αL_L、βH_L(x)、γH_L(x)を変化させる。
例えば、高エネルギー範囲でのエネルギーが硬化した場合には、検出されるまでの制動距離が長くなるため、αH_H、αH_L、βH_L(x)、γH_L(x)を増加させてもよい。また低エネルギー範囲でのエネルギーが硬化した場合、同様に検出されるまでの制動距離が長くなるため、αL_Lを増加させてもよい。一方、散乱線の増加などによりエネルギーが軟化した場合は、制動距離が短くなるため、これらのパラメータは小さくしてもよい。
なお、パラメータ設定部140は、撮影条件設定部170からの撮影条件の情報のみならず、信号収集部108で得られた高エネルギー範囲と低エネルギー範囲のカウント数から、エネルギーの硬化や軟化の程度を判断しても良い。それによってパラメータαH_H、αH_L、αL_L、βH_L(x)、γH_L(x)を変化させることは撮影条件から判断する場合と同じである。
また図10では、撮影条件設定部170からの撮影条件を用いてパラメータ設定部140が自動的にパラメータを変更する場合を示しているが、操作者が入力装置109を介して、パラメータ変更の要因となる条件やパラメータのエネルギー依存性を直接入力する構成としてもよい。更にパラメータαH_H、αH_L、αL_L、βH_L(x)、γH_L(x)は、エネルギーの硬化や軟化以外の要因で変化させる構成とすることもできる。例えば、画像の見易さに応じて変更してもよい。
<<第二実施形態>>
第一実施形態では、1つの隣接素子12からのみ信号が流入する場合を説明したが、本実施形態では、複数の隣接素子12から信号の流入を考慮した実施形態である。
本実施形態において、隣接素子12は、対象素子11に接していても、直接接していてもいなくてもよく、対象素子11に対して、どの位置にあっても良い。更に、対象素子11以外であって、X線検出器104の全てのX線検出素子を対象にしても良い。図11に隣接素子12の範囲を広げた例を示す。図中、矢印で結ばれる素子が全て、対象素子11の隣接素子12である。
対象素子11以外の複数の素子をすべて隣接素子12に含めて考えた場合、これら複数の隣接素子12からの影響は、それぞれのX線検出素子の総和となる。ここで、1番目からM番目のM個のX線検出素子のうちの、一つのX線検出素子、すなわちx番目(xは1以上M以下の整数)が対象素子11であるとすると、自分以外の全てのX線検出素子を隣接素子12と考えて、前掲の式(8-1)、(8-2)は、式(9-1)、(9-2)のように記すことができる。
Figure 0006518651
ここで、各隣接素子12からの流入の割合の違いを考慮するため、m(x以外の1以上M以下の整数)番目の隣接素子12の高エネルギー範囲の信号が、対象素子11の高エネルギー範囲の信号に流入する割合をαH_H(m、x)と記す。すなわち隣接素子12が1つの場合はαH_Hと記していた割合を、複数の隣接素子12毎に定義するためαH_H(m、x)と記す。同等にαH_LをαH_L(m、x)、αL_LをαL_L(m、x)と、それぞれ記す。
これらの式(9-1)、(9-2)は、xが1からMのM通りの場合があるため、例えばM行の行列を用いて解くことができる。この際、nの大きい方の式から解くと、順に全てのnのRn(x)(n=1、・・・、N)を求めることができる。
本実施形態は、第一実施形態における隣接素子の幅を広げて一般化したものであり、第一実施形態と同様に、各エネルギー範囲で正確に入射したX線フォトン数を得ることができ、正しい投影像が得られるようになる。また第一実施形態の変更例1、2は、本実施形態にも同様に適用することができる。
<<第三実施形態>>
本実施形態は、検出するエネルギー範囲がN個(Nは3以上の整数)のX線検出器を対象とする点が特徴である。
本実施形態における信号のやり取り(流出入)を、図12を用いて説明する。図12において、対象素子11の第Nのエネルギー範囲の信号をボックス610で、第nのエネルギー範囲の信号をボックス615で、第1のエネルギー範囲の信号をボックス620で、それぞれ示す。ここでnは2から(N-1)の整数である。また図12では省略しているが、第Nから第1のエネルギー範囲の間には、第2から第(N-1)のエネルギー範囲があり、その一つが第nのエネルギー範囲である。これらのエネルギー範囲は、第N、第(N-1)、・・・、第1の順で高いエネルギーを表す。
同様に、隣接素子12の第Nのエネルギー範囲の信号をボックス710で、第nのエネルギー範囲の信号をボックス715で、第1のエネルギー範囲の信号をボックス720が、それぞれ示す。ここで対象素子11と同様に、第Nから第1のエネルギー範囲の間には、第2から第(N-1)のエネルギー範囲があり、その一つが第nのエネルギー範囲である。
またパラメータαi_j(i、j:i≧jを満たす1からNの整数)は、第一実施形態と同様に、第iのエネルギー範囲の隣接素子12の信号から第jのエネルギー範囲の対象素子11の信号へ流入する割合を、パラメータβi_j(i、j:i>jを満たす1からNの整数)は、第iのエネルギー範囲の対象素子11の信号から第jのエネルギー範囲の同素子11の信号への流入出のうち第iのエネルギー範囲から流出する割合を、パラメータγi_jは、同流入出において第jのエネルギー範囲へ流入する割合を、それぞれ表す。これらの割合も図12においては、第N、第n、第1のエネルギー範囲の間でのやり取りのみを記しているが、実際には第N、第(N-1)、・・・、第1の全てのエネルギー範囲で流入出がある。
図12を用いて、まず第Nのエネルギー範囲の信号610を考える。最も高いエネルギー範囲の信号610では、隣接素子12からの流入は、第Nのエネルギー範囲の信号710からのみとなる。一方、対象素子11の中では、他のエネルギー範囲からの流入はないが、第1から第(N-1)のエネルギー範囲への流出がある。従って、第一実施形態のn=2の場合と同様に考えると、信号610においてPn(x)とRn(x)は、式(10)のように書ける。
Figure 0006518651
次に第n(nは2以上(N-1)以下の整数)のエネルギー範囲の信号615を考える。隣接素子12からは、第n(信号715)から第N(信号710)のエネルギー範囲から流入する。
一方、対象素子11のほかのエネルギー範囲からの流入は第(n+1)から第N(信号610)のエネルギー範囲からあり、流出は第1(信号620)から第(n-1)のエネルギー範囲へ、ぞれぞれである。従って、第nのエネルギー範囲の信号615においてPn(x)とRn(x)は、式(11)のように書ける。
Figure 0006518651
次に最も低いエネルギー範囲である第1のエネルギー範囲の信号620を考える。隣接素子12からは、第1(信号720)から第N(信号710)のエネルギー範囲から流入する。一方、対象素子11のほかのエネルギー範囲からの流入は第2から第Nのエネルギー範囲からあるが、流出はない。従って、信号620においてPn(x)とRn(x)は、式(12)のように書ける。
Figure 0006518651
以上の信号のやりとりを踏まえた計数補正部125の処理を図13に示す。まず処理S531にて、補正後の第Nのエネルギー範囲でのデジタル信号量RN(x)を、ローデータ143の中の第Nのエネルギー範囲でのデジタル信号量PN(x)を用いて算出する。処理S531では、記憶装置160に保存されたパラメータ(α、β、γ)141を使用し、式(10)の計算を行うことで、流入量除去処理、エネルギーシフト流出量補填処理を行う。ここで、式(10)は対象素子11に関して記したものであるが、他の全ての素子でも成り立つ。仮にX線検出器104がM個のX線検出素子110から成る場合、M個の式ができ、これらの連立方程式を解くことで補正後のデジタル信号量Rn(x)(x=1、・・・、M)を求めることができる。ここでM個のX線検出素子110に隣接素子12も含まれることは言うまでもない。
次に、処理S532にて、補正後の第(N-1)のエネルギー範囲でのデジタル信号量RN-1(x)を、先に求めた補正後の第Nのエネルギー範囲でのデジタル信号量RN(x)と、ローデータ143の中の第(N-1)のエネルギー範囲でのデジタル信号量PN-1(x)とを用いて算出する。処理S532でも、記憶装置160に保存されたパラメータ(α、β、γ)141を使用し、式(11)の計算を行うことで、流入量除去処理、エネルギーシフト流入量補填処理、エネルギーシフト流出量補填処理が行われる。
更に、処理S533にて、補正後の第(N-1)から第1のエネルギー範囲のデジタル信号量Ri(x)(ここでiは2以上(N-2)以下の整数)を算出するために、処理S532と同様に処理を行う。すなわち処理S533では、ローデータ143のうち、デジタル信号量Pi(x)と、先に求めた補正後の第(i+1)から第Nのエネルギー範囲のデジタル信号量Ri+1(x)、Ri+2(x)、・・・、RN(x)と、記憶装置160に保存されたパラメータ(α、β、γ)141とを使用し、式(11)の計算を行うことで流入量除去処理、エネルギーシフト流入量補填処理、エネルギーシフト流出量補填処理を行う。これらの処理S532とS533でも処理S531の場合と同様に、M個の式(11)の連立方程式を解くことで補正後のデジタル信号量を得る。
最後に、処理S534にて、補正後の第1のエネルギー範囲でのデジタル信号量R1(x)(=RL(x))を算出する。処理S534では、先に求めた補正後の第2から第Nのエネルギー範囲のデジタル信号量R2(x)、R3(x)、・・・、RN(x)と、記憶装置160に保存されたパラメータ(α、β、γ)141とを使用し、式(12)の計算を行うことで流入量除去処理、エネルギーシフト流入量補填処理を行う。本処理でも式(12)を全てのX線検出素子110に対して用いて求めたM個の連立方程式から補正後のデジタル信号量を求める。
以上のように、全ての補正対象素子について、補正後の第1から第Nのエネルギー範囲でのデジタル信号量R1(x)、R3(x)、・・・、RN(x)を求めた後、LOG変換S502の処理に進む。その後の処理は、第一実施形態(図5のフロー)で説明したのと同様である。
本実施形態によれば、エネルギー範囲が2以上の多数の場合でも、流入量除去処理、エネルギーシフト流入量除去処理、エネルギーシフト流出量補填処理を行うことができ、これにより各エネルギー範囲で正確に入射したX線フォトン数を得ることができる。このようにエネルギー範囲でのX線フォトン数を数え間違いを防ぐことで、正しい投影像を得ることが可能となる。更にこの投影像を再構成して得た再構成像において、CT値の定量性の低下や、アーチファクトの発生を防ぐことができる。
本実施形態においても、第一実施形態の変更例1、2は、本実施形態にも同様に適用することができる。すなわち、計数補正に含まれる3つの処理、流入量除去処理、エネルギーシフト流入量除去処理、エネルギーシフト流出量補填処理、のいずれか1または2の処理のみを行ってもよいし、パラメータを定数ではなく自動又は手動で変更可能にしてもよい。
<<第三実施形態の変更例1>>
第三実施形態についても、第二実施形態と同様に、隣接素子12の範囲をチャネル方向或いはスライス方向のすぐ隣の素子だけでなく、図11に示したように、複数の素子に広げることも可能である。
すなわち本実施形態において、隣接素子12は、対象素子11に直接接していてもいなくてもよく、対象素子11に対して、どの位置にあっても良い。更に、対象素子11以外であって、X線検出器104の全てのX線検出素子を対象にしても良い。
1番目からM番目のM個のX線検出素子のうちの、一つのX線検出素子、すなわちx番目(xは1以上M以下の整数)が対象素子11であるとすると、自分以外の全てのX線検出素子を隣接素子12と考えると、複数の隣接素子12からの影響は、それぞれのX線検出素子の総和となるため、前掲の式(10)〜(12)は、式(1-1)〜(1-3)のように記すことができる。このとき、m(x以外の1以上M以下の整数)番目のパラメータαi_j(iとjは1≦i≦j≦Nを満たす整数)をαi_j(m、x)と記す。
Figure 0006518651
これらの式は、第一実施形態において計数補正部125が行う計算(式(7-1)、(7-2))を、複数のエネルギー範囲及び複数の隣接素子に拡張(一般化)したものである。
<<第三実施形態の変更例2>>
第三実施形態では、複数のエネルギー範囲について、それぞれ計数補正するために、式(10)〜(12)のようなM次の連立方程式を用いることを説明したが、連立方程式ではなく、さまざまな近似により補正することも可能である。
一例として、検出した隣接素子12のデジタル出力値Pi(m)(i=1、・・・、n)から近似的に算出しても良い。この近似では、対象素子11の第nのエネルギー範囲への流入量を
Figure 0006518651
と見なす。これにより、式(10)〜式(12)は、次式(13-1)〜(13-3)のように書ける。このとき、nの大きい方から解くことで連立方程式にせずに、それぞれのエネルギー範囲の式毎に決定することができるようになる。このような近似は、特にエネルギー範囲の数が多いときや高速に処理を行いたいときに有効である。
Figure 0006518651
このように対象素子11の補正後のデジタル出力値Rn(x)を求める際に、他のX線検出素子110の補正後のデジタル出力値を用いずにすませ、連立方程式とならないですむ。ただし、このとき、αi_j(iとjは1≦i≦j≦Nを満たす整数)は、隣接素子12のデジタル値Pi(m)(i=1、・・・、n)を基に対象素子11に流入する信号量として定義し、実計測前に決定する必要がある。
以上、本発明のX線撮影装置の実施形態を、X線CT装置を例に説明したが、本発明はこれに限るものではなく、検出素子に入射した放射線を、エネルギー毎に分別してフォトン数のカウントを行うフォトカウンティング方式の放射線検出器を搭載したあらゆる装置に適用できる。本発明が適用できる装置の例として、非破壊検査用のX線CT装置、X線コーンビームCT装置、デュアルエネルギーCT装置、X線画像診断装置、X線画像撮影装置、X線透視装置、マンモグラフィー、デジタルサブトラクション装置、核医学検診装置、放射線治療装置などが挙げられる。またX線検出器に限らず、さまざまな波長のフォトンを検出する光検出器であっても適用し得る。このとき光は、可視光、赤外線、紫外線、ガンマ線など、どのような波長であっても構わない。
更に本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、実施の段階では、その要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に、上記実施形態にはさまざまな段階が含まれており、開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせにより、さまざまな実施形態があり得る。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素が、削除されても良い。
本発明によれば、X線検出素子に入射した放射線を、エネルギー範囲毎に分別して計数を行うフォトカウンティング方式の放射線検出器を搭載したX線撮影装置において、各エネルギー範囲でのX線フォトン数を数え間違いを補正し、正しい投影像を得ることが可能となる。更にこの放射線検出器を搭載したCT装置では、CT値の定量性の低下や、アーチファクトの発生を抑えることができる。
100 X線源、101 ガントリー回転部、102 X線コリメータ、103 寝台天板、104 X線検出器、105 中央処理装置、106 表示装置、107 制御部、108 信号収集部、109 入力装置、110 X線検出素子、111 検出層、112、113 電極、115 読み出し回路、120 補正部、121 前処理部、122 流入量算出部、123 エネルギーシフト流入量算出部、124 エネルギーシフト流出量算出部、125 計数補正部、130 画像再構成部、140 パラメータ設定部、160 記憶装置、170 撮影条件設定部

Claims (1)

  1. X線フォトンを検出し、エネルギーレベルを複数のエネルギー範囲に弁別して計測するフォトンカウンティング方式の複数のX線検出素子から成るX線検出器と、
    前記X線検出素子の出力を収集してデジタル出力値を得る信号収集部と、
    前記X線検出素子のデジタル出力値を補正し、補正後のデジタル出力値を用いて投影データを作成するデータ処理装置と、を具備し、
    前記データ処理装置は、各X線検出素子について前記複数のエネルギー範囲のそれぞれのデジタル出力値を補正する補正部を有し、当該補正部は、予め求めたX線検出素子間のX線フォトンの移動割合を示すパラメータとX線検出素子内のエネルギーシフトの割合を示すパラメータとを用いて、前記デジタル出力値を補正する計数補正部を備え、
    前記補正部は、前記X線検出素子の第n(nは1以上N以下の整数)番目のエネルギー範囲での投影データを算出する際、前記X線検出素子を第1番目から第M番目のM個とし、第x(xは1以上M以下の整数)番目の前記X線検出素子の補正前のデジタル出力値をPn(x)、前記投影データの出力値をRn(x)とし、第h(hは1以上N以下の整数)番目のエネルギー範囲の第a(aは1以上M以下の整数)番目の前記X線検出素子から第i(iは1以上N以下の整数)番目のエネルギー範囲の第b(bは1以上M以下の整数)番目の前記X線検出素子への信号移動割合量をαh_i(a、b)、前記X線検出素子において前記第j(jは1以上N以下の整数)番目のエネルギー範囲から前記第k(kは1以上N以下の整数)番目のエネルギー範囲への信号の流出入のうち、前記第j番目のエネルギー範囲からの流出の割合をβj_k(x)、前記第k番目のエネルギー範囲への流入の割合をγj_k(x)とするとき、式(1-1)〜(1-3)に記される式を基に前記投影データの出力値Rn(x)を求めることを特徴とするX線撮影装置。
    Figure 0006518651
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