JP6014648B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は放射線測定装置及び方法に関し、特に、γ線スペクトルに基づく線量の演算に関する。
視野内における二次元のγ線線量分布を取得する放射線測定機器として、ピンホールを利用したカメラ(ガンマカメラ)、コンプトン現象を利用したカメラ、符号化開口マスクを利用したカメラ、等が知られている。
特許文献1、2には、ガンマカメラを備えた放射線測定装置が開示されている。それらの特許文献には、ガンマカメラを複数の方位に向けて取得された複数の二次元線量分布(二次元画像)を合成することにより、パノラマ画像(360度にわたる二次元線量分布)を形成することも開示されている。放射線測定装置として、サーベイメータ、モニタリングポスト、個人線量計等も知られている。
特開2014− 62797号公報 特開2014−206425号公報
放射線測定装置で測定されるγ線には、理論上、γ線源から放射線検出器へ直線的に到達したとみなせるγ線と、散乱過程を経て放射線検出器へ到達したとみなせるγ線と、がある筈である。前者を「直達線」と称し、後者を「散乱線」と称することにする。現状、直達線線量と散乱線線量の総和に相当する線量が測定されている。直達線線量と散乱線線量を厳密に区別することが困難であるとしても、大雑把に弁別することさえもできていない。
具体的に検討する。上記パノラマ画像に描写された視野空間中の特定領域に対して、放射線汚染物の除去や隠蔽等の処理(つまり除染)を行った場合、当該特定領域からガンマカメラへ到来する直達線は当然ながら減少する。一方、除染効果はガンマカメラ以外の方向へ出るγ線にも及ぶ筈であるから、除染を行えば、当該特定領域から出るγ線に起因して生じている散乱線(つまり他の領域からガンマカメラへ到来するγ線)も減少する、と考えられる。実際、本発明者による実験研究によれば、放射性汚染地域において特定領域に対して除染を行った場合(例えば土壌表層の除去とそこへの非汚染土壌の埋め込みとを行った場合)、放射性物質がほとんど存在しない筈の空から飛来するγ線の線量がかなり減少する現象が認められている。
上記パノラマ画像上における個々の領域ごとに直達線線量と散乱線線量を個別的に推定できれば、除染計画を立て易くなる。例えば、直達線線量と散乱線線量との比率から、より効果的な除染領域を特定することも容易となる。除染後の効果をより正確に予測することも可能となる。しかし、従来においては、線量中の直達線線量と散乱線線量の内訳を推定する技術を確立できていないために、より効果的な除染計画を立てられないという問題がある。他の放射線測定装置においても、直達線線量と散乱線線量とを区別できれば、汚染原因の特定、除染効果の予想、放射線防護計画の立案等において有意義な情報を提供できる。
本発明の目的は、γ線測定に際して直達線情報と散乱線情報の少なくとも一方を推定できるようにすることにある。あるいは、本発明は、直達線線量分布と散乱線線量分布とを推定できるようにすることにある。あるいは、本発明は、除染効果をより正確に予測できる技術を提供することにある。
本発明に係る放射線測定装置は、γ線を検出する放射線検出部と、前記放射線検出部により得られた検出信号に基づいてスペクトルを生成するスペクトル生成部と、前記スペクトルに含まれる関心部分に基づいて、γ線源から直線的に前記放射線検出部に到達したとみなせるγ線である直達線の量を示す直達線情報、及び、散乱過程を経て前記放射線検出部に到達したとみなせるγ線である散乱線の量を示す散乱線情報の内で、少なくとも一方を演算する演算部と、を含むことを特徴とするものである。
上記構成によれば、γ線検出信号に基づいてスペクトル(エネルギースペクトル)が生成され、その解析により、直達線情報及び散乱線情報の少なくとも一方が推定される。直達線は、γ線源から直線的に放射線検出部へ到達したとみなせるγ線であり、それは減弱過程を経ないで又はほとんど減弱過程を経ないで検出されたγ線である。ここでは、エネルギー低下を意味するものとして減弱という用語を用いている。一方、散乱線は、散乱過程(1回又は複数回の散乱)を経て元のγ線源とは別の位置から放射線検出部へ到達したとみなせるγ線であり、それは減弱過程を経て検出されたγ線である。γ線を検出する検出器のエネルギー特性から、通常、γ線のスペクトルは全吸収ピークから低域側に広がるが、散乱線においては、それとは別の減弱メカニズムが働いて、そのエネルギーが低域側にシフトすると考えられる。その前提の下では、例えば、全吸収ピーク付近のスペクトル成分を直達線に対応するスペクトル成分であるとみなすことができ、また、全吸収ピークよりも低エネルギー側のスペクトル成分を散乱線に対応するスペクトル成分を含むものとみなすことができる。そのような考え方に基づき、γ線スペクトルにおいて直達線及び散乱線の振る舞いの違いが現れ易い部分(少なくとも1つの関心部分)に注目することにより、直達線の量を示す直達線情報及び散乱線の量を示す散乱線情報の少なくとも一方を推定することが可能となる。
関心部分は、望ましくは、スペクトルにおいて測定対象核種の全吸収ピークを含み、それを頂点とする山状部分である。その部分においては直達線による成分が支配的であるとみなせるからである。例えば、直達線線量演算器は、その山状部分に基づいて直達線線量を演算する。関心領域として全吸収ピークよりも低エネルギー側の部分を参照することも可能であり、その部分から直接的に散乱線成分を求めるようにしてもよい。望ましくは、スペクトル全体に相当する線量情報(全線量)が演算され、全線量から、山状部分に基づいて演算された直達線線量を減算することにより、散乱線線量が演算される。なお、そのような演算を行える限りにおいて、複数の波高弁別器によってスペクトル生成部を構成することも可能である。
放射線測定装置として、二次元放射線画像を生成するガンマカメラを搭載した装置があげられる。かかる装置に上記構成を適用すれば二次元の直達線線量分布又は二次元の散乱線線量分布を形成することが可能である。ガンマカメラ以外の線量分布測定装置を利用してもよい。例えば、コンプトン現象を利用したカメラ、符号化開口マスクを利用したカメラ、等を利用してもよい。他の放射線測定装置としてサーベイメータがあげられる。サーベイメータに上記構成を適用すれば、ある測定箇所で測定された空間線量中における直達線線量及び散乱線線量の内訳を演算することが可能となる。それ以外の放射線測定装置に上記構成が適用されてもよい。なお、線量の概念には、既に説明したように、積算線量、線量率の他、計数値、計数率が含まれ得る。線量率は例えば空間線量率であってもよい。スペクトル演算の前又は後にバックグランドを除外する演算を実行するのが望ましい。
望ましくは、前記放射線検出部は二次元配列された複数の検出素子を含み、前記演算部は、前記検出素子ごとに、前記直達線情報としての直達線線量、及び、前記散乱線情報としての散乱線線量を演算し、前記複数の放射線検出素子に対応する複数の直達線線量が二次元直達線線量分布を構成し、前記複数の放射線検出素子に対応する複数の散乱線線量が二次元散乱線線量分布を構成する。
望ましくは、前記演算部は、前記二次元直達線線量分布と前記二次元散乱線線量分布との関係を表す関数を演算する関数演算器と、前記関数に従って前記二次元散乱線線量分布の中の少なくとも1つの散乱線線量についてその内訳を演算する内訳演算器と、を含む。関数は、例えば、ピクセルペアの全ての組み合わせについて、一方から他方への寄与及び他方から一方への寄与を規定するものである。その関数の特定に際して、2つのピクセルに対応する2つの測定点間の距離が参照されてもよい。
望ましくは、前記演算部は、前記放射線検出部の視野内に複数の領域を指定するための指定手段と、前記領域単位で前記散乱線線量の内訳を演算する手段と、を含む。望ましくは、前記演算部は、前記二次元直達線線量分布、前記関数、及び、前記領域単位で指定される除染率に基づいて、前記領域単位で除染後の散乱線線量及びその内訳を演算する予測演算器を含む。この構成によれば、特定の領域に対して除染を行った場合に、他の領域からの散乱線の線量がどの程度低下するのかを推定することが可能であり、ひいては視野全体にわたって除染の効果を推定することが可能である。
本発明に係る放射線測定方法は、放射線検出部によりγ線を検出する工程と、前記γ線の検出により得られたスペクトルに基づいて全線量を演算する工程と、前記スペクトル中の関心部分に基づいて直達線線量を演算する工程と、前記全線量から前記直達線線量を減算することにより散乱線線量を演算する工程と、を含むことを特徴とするものである。望ましくは、前記関心部分は前記スペクトルにおける測定対象核種固有の全吸収ピークを含む。
本発明によれば、γ線測定に際して直達線情報と散乱線情報の少なくとも一方を推定できる。あるいは、本発明によれば、直達線線量分布と散乱線線量分布とを推定できる。あるいは、本発明によれば、除染効果をより正確に予測できる。
本発明に係る放射線測定装置の好適な実施形態を示す図である。 ガンマカメラの視野を示す図である。 ガンマカメラを示す図である。 視野に対応する合成画像の一例を示す図である。 パノラマ画像の生成過程を示すフローチャートである。 パノラマ画像の例を示す図である。 除染後に予測される領域線量を含む表示画像の例を示す図である。 制御部が有する複数の機能を示すブロック図である。 線量演算部が有する複数の機能を示すブロック図である。 γ線スペクトルを示す図である。 予測演算部の第1構成例を示す図である。 第1構成例を採用した場合の表示例を示す図である。 予測演算部の第2構成例を示す図である。 除染後の散乱線線量の演算原理を説明するための図である。 第2構成例を採用した場合の表示例を示す図である。 付加的に表示される情報の例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)基本的な構成及び動作の説明
図1には、本発明に係る放射線測定装置の全体構成が示されている。この放射線測定装置は、測定視野内の二次元線量分布を測定及び表示する機能を備えている。図1において、放射線測定装置10は、ガンマカメラ12、光学カメラ14、距離計16及びコンピュータ18を有している。以下、それぞれの構成について説明する。
ガンマカメラ12は放射線検出部として機能し、それはγ線を検出する放射線検出器20を有する。放射線検出器20の前側には、小孔としてのピンホール22を有するコリメータ24が設けられている。放射線検出器20は、コリメータ24及び中空の遮蔽体26によって取り囲まれている。コリメータ24及び遮蔽体26は、例えば鉛やタングステンからなるγ線遮蔽部材により構成される。遮蔽体26は図示の例では箱形を有しているが、他の形状を有していてもよい。放射線検出器20では、ピンホール22を通過して放射線検出器20に到達するγ線が検出される。図1に示す例では、線源27からのγ線がピンホール22を通過して特定の放射線検出素子20aに到達している。その経路は直線的である。なお、ピンホール22の口径に応じて、検出感度及び位置分解能が変化する。口径を小さくすると、位置分解能は向上するが、検出感度が低下する。よって、口径を可変可能なように構成してもよい。バックグランド測定時にはピンホール22が放射線遮蔽材で覆われる。
放射線検出器20は図示の例において平板状を有し、それはマトリックス状に配列されたm×n個の放射線検出素子20aによって構成されている。ピンホール22を曲率中心として球面状に湾曲した放射線検出器を用いることも可能である。放射線検出器20として半導体検出器を用いるのが望ましい。半導体検出器を構成する半導体として、シリコン、ゲルマニウム等があげられる。化合物半導体を用いた半導体検出器を利用することも可能である。化合物半導体として、CdTe、CdZnTe、TlBr、HgI、GaAs等があげられる。他のタイプの放射線検出器を用いることも可能である。例えば、シンチレータ及び光検出器を利用した検出器があげられる。放射線検出器20におけるいずれかの放射線検出素子20aにγ線が入射した時点で、その放射線検出素子20aからパルス状の電気信号が出力される。
フロントエンド回路28には複数の放射線検出素子20aが並列的に接続されており、複数の放射線検出素子20aから出力された複数の電気信号がフロントエンド回路28に与えられる。フロントエンド回路28は、個々の電気信号に対して検出素子IDを対応付けた上で、個々の電気信号を後段の収集回路30へ出力する。個々の電気信号には、検出素子IDの他、イベント情報(例えば検出時刻情報)が付加される。個々の電気信号の波高値は、検出されたγ線エネルギーに対応する。
収集回路30は、入力された個々の電気信号に対して所定の信号処理を実行する。所定の信号処理には、前置増幅処理、波形整形処理、ピークホールド処理、AD変換処理、等が含まれる。それらの処理により、個々の電気信号は、パルス波高値(γ線エネルギーに相当)を示すデジタル信号に変換される。その信号はコンピュータ18へ出力される。
ガンマカメラ12は、回転台座31上に搭載されている。回転台座31は、図示の例では、回転角度を検出する検出器を備えており、その検出器から角度信号がコンピュータ18へ出力されている。もっとも、コンピュータ18に対して角度情報をマニュアルで入力するようにしてもよい。回転台座31に回転駆動機構を設けてもよいし、回転台座31をマニュアルで回転させるようにしてもよい。ガンマカメラ12のチルト角(仰角)を可変設定する構成あるいは機構を回転台座31に設けるのが望ましい。
光学カメラ14は、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラであり、それは被写体を撮像してビットマップデータとしての光学画像を取得するものである。光学カメラ14は遮蔽体26に搭載されている。ガンマカメラ12の視野(撮像範囲)と光学カメラ14の視野(撮像範囲)はほぼ重複した関係にある。これにより、放射線画像と光学画像との合成表示が可能となっている。距離計16は、必要に応じて設けられ、視野内の各地点までの距離を個別的に測定するものである。距離計16として、例えば、レーザ光を走査するレーザ距離計を用いることが可能である。その視野もガンマカメラの視野とほぼ重複した関係にある。視野内の各地点は、各検出素子に対応し、つまり各ピクセル(画素)に対応する。もっとも、リサンプリングあるいは補間処理によりピクセルアレイを再構成することも可能である。
なお、後に詳述するように、個々のピクセルごとにγ線のスペクトル(エネルギースペクトル)が求められる。スペクトルは、エネルギーごとの計数値又は計数率からなるものである。個々のピクセルごとにスペクトルに基づいて線量(ピクセル線量)が求まる。それらによって二次元線量分布が構成される。線量の演算過程では、従来同様に、各計数値からバックグランド計数値が減算される。バックグランド計数値はピンホールをγ線遮蔽部材で覆った状態で測定される。バックグランド計数値の減算においては、個々のピクセルごとに得られるバックグランド計数値を個別的に利用してもよいし、それらの平均値を利用してもよい。
ちなみに、ピクセル線量は、ガンマカメラ設置位置での空間線量率に対する、当該ピクセルに対応する視線方向からの寄与(あるいは寄与率)に相当するものである。よって、サーベイメータ等の他の測定装置において空間線量率を求めた上で、その空間線量率(あるいはそこから視野外の空間線量率を減算したもの)を、複数の寄与を考慮して、複数のピクセルに配分することにより、二次元線量分布を求めることも可能である。その場合、原始的に求められた二次元分布は二次元寄与分布として理解される。本実施形態では、個々のピクセルごとに対象物までの距離を求めることが可能である。その距離を利用して、ピクセル単位又は領域単位で、放射能や表面汚染密度等を演算してもよい。
コンピュータ18は、例えばパーソナルコンピュータにより構成される。それには、ガンマカメラ12、光学カメラ14、及び、距離計16が接続されている。コンピュータ18は、図示の例では、制御部32、キーボード34、マウス36、表示器38を有している。制御部32は、CPU及び処理プログラムを含み、それは演算手段及び制御手段として機能する。制御部32が有する各種の機能については後に詳述する。
図2には、ガンマカメラの視野が模式的に示されている。コリメータが有するピンホール22と放射線検出器20の有感面とによって視野40が規定される。図示の例では視野40は角錐状である。視野40における水平方向の広がり角度は本実施形態では60度である。
図3には、回転台座31上に搭載されたガンマカメラ12が示されている。既に説明したように、ガンマカメラ12は、ピンホール22を備えたコリメータ24を有する。ガンマカメラ12には光学カメラ14及び距離計16が固定設置されている。図においては垂直線として回転軸Gが模式的に示されている。実際には、回転軸Gがピンホール又はその付近を貫くように、当該回転軸Gを設定するのが望ましい。必要に応じて、ガンマカメラ12のチルト角度を可変するための構成又は機構が設けられる。
図4には、上記コンピュータによって生成される合成画像の一例が示されている。合成画像は、光学カメラで取得された光学画像を背景とし、その上にガンマカメラによって取得された二次元線量分布(放射線画像)を重畳することにより、生成された画像である。この例では、例えば、光学画像は白黒画像又はカラー画像であり、放射線画像は光学画像とは区別可能なカラー画像である。例えば、符号44で示されている部位は放射性汚染箇所を示している。当該部位における各位置でのピクセル当たりの線量率が色相によって表現されている。カラーバー46は線量率と色相の関係を示すものである。本実施形態において、ガンマカメラ及び光学カメラは、水平方向に60度の視野を有しているので、図4に示す合成画像の横幅は水平方向に60度の範囲に相当する。
次にパノラマ画像の生成方法について説明する。パノラマ画像は水平方向の360度の範囲に相当する横幅をもった画像である。パノラマ画像それ自体も合成画像である。図5にはパノラマ画像を取得するためのデータ取得過程及びパノラマ画像を生成するためのデータ処理過程が示されている。
図5において、S10では、視野中心方位φcとして0度が設定される。S12ではφcを中心として、放射線画像(二次元線量分布)、光学画像、及び、距離画像が取得される。S14において、放射線画像に対するカラー処理が施され、また、光学画像に対してカラー処理後の放射線画像が合成される。これにより現在のφcに対応した合成画像が生成される。S16において、φcが360度に到達したと判断されるまで、S18においてφcが60度ステップでインクリメントされる。なお、各方位においては、線量の実測定の他、バックグランド測定も実施され、バックグランド測定結果が線量演算で考慮される。φcが360度まで到達した場合、S20において、生成された6つの合成画像が連結され、これによりパノラマ画像が生成される。
なお、合成画像の生成の都度、連結処理を実行し、パノラマ画像の成長過程を表示画面上で観察できるようにしてもよい。また、すべての画像を取得した上で、パノラマ放射線画像及びパノラマ光学画像を生成し、それらを合成することにより、最終的なパノラマ画像を生成するようにしてもよい。
図6には、パノラマ画像48が例示されている。パノラマ画像48は、6つの合成画像50−1〜50−6からなるものである。それは水平方向に360度の範囲つまり全周を表す画像である。上下方向には視野外が生じている。視野外のエリアを狭くするために、例えば、個々の方位において2段階のチルト角度を設定し、2×6個の合成画像を得て、それらを連結することにより、上下方向に拡大されたパノラマ画像を構成してもよい。
図7には、上記コンピュータに表示される表示画像が例示されている。表示画面52の上段にはパノラマ画像54が表示されている。表示画面52の下段にはテーブル56が表示されている。パノラマ画像54は上記のように合成画像であり、つまり、そこにはパノラマ光学画像を背景としてパノラマ放射線画像が合成表示されている。パノラマ画像54に対しては、ユーザー指定に基づいて、複数の領域(図においてはR1〜R4を明示)が設定されている。複数の領域がそれぞれ自由曲線によって定義されてもよいし、一定の方位角度間隔をもって自動的に定義されてもよい。
テーブル56の横軸方向には、領域番号(領域ID)、領域名、範囲(領域特定情報)、除去率、棒グラフが示されている。個々の領域ごとに、除去率をユーザー指定し得る。除去率は除染作業の実施後における予想除染率である。棒グラフは領域ごとに設けられており、個々のグラフは、除染前の線量(線量率)58、及び、除染後の線量(線量率)60を示している。除染前の線量58は、領域を構成する複数のピクセルで取得された複数の線量(ピクセル線量)の総和に相当する。除染後の線量60は、この例では、その総和に対して除去率を乗算することにより求められる。なお、選択領域外の線量は、ユーザー指定された複数の領域以外の領域を構成する複数のピクセルについてピクセル線量を加算することにより求められる。あるいは、視野全体の総線量から、ユーザー指定された複数の領域について求められた複数の線量を減算することにより求められる。
(2)直達線情報及び散乱線情報の解析
以下に本発明に係る放射線測定装置における幾つかの特徴的な構成について詳述する。図8には、図1に示した制御部の機能がブロック図として示されている。各ブロックは、プログラムによって実現され、あるいは、専用ハードウエアによって実現される。制御部それ自体はプロセッサにより構成される。
MCA(マルチチャンネルアナライザ)62は、方位ごとに且つ検出素子(ピクセル)ごとに得られた時間軸上の検出信号列からスペクトルを生成するモジュールである。個々の検出パルスの波高値がエネルギー(チャンネル)に対応する。一定時間にわたってエネルギーごとにパルス数を計数することにより、頻度分布としてのスペクトルが求められる。
線量演算部64は、方位ごとに且つ検出素子ごとに、MCA62で演算されたスペクトルに基づいて、全線量、直達線線量及び散乱線線量を演算するものである。全線量は、直達線及び散乱線を区別しないところでのγ線の線量である。直達線線量は、γ線源から実質的な散乱過程を経ないで放射線測定装置へ到達したとみなせるγ線の線量である。散乱線線量は、γ線から実質的な散乱過程を経て放射線測定装置へ到達したとみなせるγ線である。線量の概念には、積算線量、線量率、計数、計数率等が含まれる。本実施形態では、個々のブロックで演算される線量は具体的には線量率を意味している。全線量、直達線線量及び散乱線線量の演算原理については後に詳述する。本実施形態では、それらの線量の演算に先立ってバックグランド除去演算が実行される。これについても後に詳述する。メモリ66上には方位ごとに二次元全線量分布が格納される。メモリ68上には方位ごとの二次元直達線線量分布が格納される。メモリ70上には方位ごとの二次元散乱線分布が格納される。
領域演算部72は、領域単位で除染前の線量及び除染後の線量を演算するモジュールである。除染後の線量を予測する際には個々の領域ごとに指定された除染率が参照される。その演算原理については後に詳述する。表示処理部74は、メモリ76から読み出された光学画像に対して放射線画像を合成して合成画像を生成する機能を有する。その場合、合成される放射線画像は二次元全線量画像であるが、二次元直達線線量画像又は二次元散乱線線量画像が合成されてもよい。表示処理部74は、複数の方位に対応する複数の合成画像を連結してパノラマ画像を生成する機能も有している。
図9には、図8に示した線量演算部64が有する機能がブロック図として示されている。メモリ78には、バックグランド測定で得られた平均スペクトルが格納されている。すなわち、バックグランド測定では、ピンホールを遮蔽した状態で測定が実行され、その結果、個々のピクセルごとにバックグランドスペクトルが得られる。それらを個別的に利用してもよいが、本実施形態ではバックグランド測定時間を短縮化するために、複数のピクセルに対応する複数のバックグランドスペクトルを平均処理して平均スペクトルを生成している。スペクトル減算器80は、個々のピクセルごとの実スペクトルから、平均スペクトルを減算し、これにより正味スペクトルを求める。それはメモリ82に格納される。バックグランド除外方法として上記であげたもの以外を採用してもよい。
全線量演算器88は、正味スペクトル(以下、単にスペクトル)に基づいて全線量を演算する。その際、スペクトルに対してエネルギー補償関数G(E)が乗算される。個々の方位ごとに且つ個々のピクセルごとに、全線量が演算される。検出器においてはγ線の全エネルギーが吸収されるとは限られず、検出器内でエネルギーの一部だけが吸収された上で検出器を通過してしまうγ線もある。それを考慮してスペクトルから全線量を演算するために用いられるのがエネルギー補償関数G(E)である。放射線検出器ごとに且つそれが乗算されるエネルギー範囲ごとに、固有のエネルギー補償関数G(E)が定められる。
関心部分抽出器84は、スペクトルにおける特定部分、本実施形態では測定対象の核種固有のピーク(全吸収ピーク)を頂点とした山状の部分、が抽出特定される。全吸収ピークが生じるエネルギーをE0とする。直達線線量演算器86は、関心部分に基づいて直達線線量を演算する。その場合、本実施形態では検出効率ε(E0)が考慮される。それは関心部分から直達線線量を演算するための係数である。検出効率ε(E0)は核種に応じて定まるものであり、それは一定の係数値であってもよいし、全吸収ピークエネルギー近傍における検出エネルギーごとの検出効率を表す関数であってもよい。散乱線線量演算器90は、全線量から直達線線量を減算することにより散乱線線量を演算する。
スペクトル上、散乱線成分は、全吸収ピークよりも低エネルギー側へシフトしている成分であると理解され得る。換言すれば、スペクトルにおける全吸収ピーク付近の山状部分においては、直達線成分が支配的であるとみなせる。よって、山状部分の面積(あるいはピークレベル)をもって直達線線量を推定することが可能であり、同時に、全線量から直達線線量を減算することにより散乱線成分を推定することが可能である。なお、スペクトルにおける山状部分以外の面積から直接的に散乱線線量を演算してもよい。あるいは、山状部分とそれ以外の部分との比率から、直達線線量と散乱線線量の比率を求めてもよい。検出効率ε(E0)については、各種状況下で実験等によりその値を定めるのが望ましい。あるいは、シミュレーションにより、その値を定めることが可能である。本実施形態の手法によっては、直達線線量及び散乱線線量を厳密に演算することができないとしても、それらについて大凡の数値を特定できれば、それを各種の用途で役立てることが可能である。
制御部92は、ユーザー指定された測定対象となる代表核種(例えばCs-137、なお、その全吸収ピークエネルギーは662keV)に応じてエネルギー補償関数G(E)及び検出効率ε(E0)を特定するものである。それらの関数又は係数が直接的に指定又は入力されてもよい。図9に示す構成は一例に過ぎないものである。
以上のように、本実施形態によれば、ピクセルごとに、スペクトルから、全線量の他、直達線線量及び散乱線線量を推定することが可能である。以下、それらの演算手法をより具体的に説明する。
図10には、あるピクセルに対応するスペクトル(正味スペクトル)94が示されている。横軸は検出エネルギーを示しており、縦軸は頻度(エネルギーごとの計数値)を示している。E0は全吸収ピークのエネルギーを示している。それは核種固有である。本実施形態では、スペクトル94において、EmaxとEminとが指定され、それらの間が評価対象とされる。ノイズ等の不要信号の影響を排除又は軽減するためである。E0max及びE0minの間の区間98内が関心部分であり、それは注目ピーク(全吸収ピーク)を頂点とした山状部分96である。
以上の前提の下、全線量Dtotal(i)は、以下の(1)式のように計算される。なお、iはピクセル番号である。
上記(1)式においてf(i,E)はピクセル番号iについてのエネルギーごとのカウント値である。それがEminからEmaxにわたって積算される。その積算結果はスペクトル面積に相当する。積算に先立って、上記のとおり、スペクトルに対してエネルギー補償関数G(E)が乗算される。
直達線線量Ddirect(i)は、以下の(2)式のように計算される。
上記(2)式において、分子においては、f(i,E)がE0minからE0maxにわたって積算される。それに対して、検出効率ε(E0)の逆数が乗算されている。ここでは、検出効率ε(E0)は、エネルギーE0のγ線が入射した場合における、単位線量あたりの計数率に相当するものである。
その上で、散乱線線量Dscat(i)が以下の(3)式に従って演算される。散乱線線量は全線量から直達線線量を減算したものに相当する。
図11には、図8に示した領域演算部72の第1構成例が示されている。現在注目している領域(注目領域)に属する複数のピクセルに対応した複数の直達線線量が加算器100で加算される。その加算結果は、注目領域についての除染前の直達線線量である。注目領域に属する複数のピクセルに対応した複数の直達線線量に対して注目領域についての除染率を乗算器102で乗算した上で、それらの乗算結果を加算器100で加算することにより、注目領域についての除染後の直達線線量が求められる。注目領域についての除染前の直達線線量に対して除染率を乗算しても同じ結果が得られる。一方、注目領域に属する複数のピクセルに対応した複数の散乱線線量を加算器104で加算することにより、注目領域についての散乱線線量を求めることができる。
以上のような処理が、設定された個々の領域を順次、注目領域としつつ、繰り返し実行される。なお、この第1構成例では、除染による直達線線量の減少に起因して生じる散乱線線量の減少が考慮されてはいない。よって、加算器104で求められる当該領域の散乱線線量は、除染前の散乱線線量であり、同時に、除染後の散乱線線量でもある。
図12には、上記第1構成例を採用した場合の表示画像の一例が示されている。表示画像106の上段にはパノラマ画像108が表示されている。そこには複数の領域R11、R22、R33が指定されている。表示画像106の下段にはテーブル110が表示されている。そのテーブル110において、領域ごとに、領域名、除染率、除染前の散乱線線量112及び直達線線量114、並びに、除染後の散乱線線量116及び直達線線量118、が示されている。符号120(破線部分)は、領域R11についての除染前の直達線線量の大きさを示しており、符号122は、領域R11についての除染後の直達線線量の大きさを示している(除染率50%)。符号124(破線部分)は、領域R22についての除染前の直達線線量の大きさを示しており、符号126は、領域R22についての除染後の直達線線量の大きさを示している(除染率90%)。図12に示すような表示により、除染前においてどの領域を除染すれば効果的であるのかを特定することが可能である。その上で、除染後の効果、特に直達線線量低減効果、を事前に予測することが可能である。例えば、空間である領域R33については、それ全体として高い線量が認められるが、その内で直達線線量の割合が小さいことを容易に認識することができる。同時に、当該領域よりも他の領域(直達線線量がより大きい領域)について除染を行うべきことを認識することができる。
図13には、図8に示した領域演算部72の第2構成例が示されている。加算器130では、注目領域に属する複数のピクセルに対応した複数の直達線線量が加算される。その加算結果は、注目領域についての除染前の直達線線量を示す。注目領域に属する複数のピクセルに対応した複数の直達線線量に対して乗算器126で注目領域について定められた除染率を乗算した上で、それらの乗算結果を加算すれば、注目領域についての除染後の直達線線量が求まる。ここまでは第1構成例と同じである。
この第2構成例では、内訳演算器128が設けられている。内訳演算器128は、注目領域に属するピクセル(注目ピクセル)ごとに、それについて演算された散乱線線量(注目散乱線量)の内訳を解析するものである。本実施形態では、注目ピクセルiについての散乱線線量Dscat(i)と、注目ピクセルi以外の個々のピクセル(寄与ピクセル)xについての直達線線量Ddirect(x)と、注目ピクセルiと個々の寄与ピクセルxとの間の距離(実空間上の地点間距離)r(i,x)と、から、注目散乱線線量Dscat(i)に対する個々の寄与ピクセルxの寄与分Dscat(i,x)が求められている。その際には、注目散乱線線量Dscat(i)に対する個々の寄与ピクセルxの寄与率P(i,x)が利用されている。なお、ピクセル番号が1からnまでとり得る場合、寄与ピクセルxは、1からnの中で、注目ピクセルiを除く、n−1個の異なる番号をとる。具体的な演算内容については後述する。
加算器132は、注目領域ごとに、領域を単位として、寄与分Dscat(i,x)を加算する。これにより、除染前における注目領域ごとに、散乱線線量を構成する領域成分を求めることが可能である。
一方、除染後については、図示の構成例において、内訳演算器128は、寄与ピクセルxごとに、乗算器126で除染率が乗算された後の直達線線量Ddirect(x)’に対して寄与率P(i,x)を乗算し、これにより、除染後の寄与分Dscat(i,x)’を求める。加算器132においては、注目領域ごとに、領域単位で除染後の寄与分Dscat(i,x)’を加算する。これにより、除染後における注目領域ごとに、散乱線線量を構成する領域成分を求めることが可能である。
ここで、寄与分Dscat(i,x)及び寄与率P(i,x)等の求め方について具体的に考察する。まず、寄与ピクセルxについての寄与分Dscat(i,x)は例えば以下のように計算される。
上記の寄与率P(i,x)は、例えば、以下のように求められる。
但し、変数jは、ピクセル番号1からnまでの内で、注目ピクセルi以外の番号をとる。(5)式の分母における加算はすべてのjについての加算である。(5)式では、寄与ピクセルの直達線線量に対する重みとして、距離r(i,x)の二乗の逆数が利用されている。各距離r(i,x)は、例えば、コリメータを中心とする所定半径をもった球面を仮定し、その球面上にすべてのピクセル(つまり測定点)が存在しているとの仮定の下で、幾何学的に演算することが可能である。もちろん、実測された距離情報を用いて各距離r(i,x)を定義してもよい。
各ピクセルを注目ピクセルとしつつ、注目ピクセルごとにすべての寄与ピクセルについて上記(4)式の演算を実行する工程を繰り返せば、すべての組み合わせについて寄与分Dscat(i,x)を演算し得る。
上記(4)式は、注目ピクセルiについて推定された注目散乱線線量Dscat(i)を個々の寄与ピクセルに配分する(割り戻す)ものである。その際、重みとして距離r(i,x)の二乗の逆数が利用されている。但し、他の重みを利用してもよい。
以上において説明したモデルを更に図14を用いて詳述する。図14において、iは注目ピクセルである。それ以外に3つのピクセルが存在しており、それらはいずれも寄与ピクセルである。ここではkが今着目する寄与ピクセルであるとする。注目ピクセルiと寄与ピクセルkとの間の距離はr(i,k)である。
図14において、(a1)は寄与ピクセルkについての直達線線量Ddirect(k)を示している。(a2)は寄与ピクセルkについての除染後の直達線線量Ddirect(k)’を示している。除染率をαとして、Ddirect(k)’はDdirect(k)×αから求められる。
一方、(b1)は注目ピクセルiについての直達線線量Ddirect(i)及び散乱線線量Dscat(i)を示している。(b2)は散乱線線量Dscat(i)の内訳を示している。ここでは、3つの寄与ピクセルについての3つの寄与分が内訳の実体をなしている。寄与ピクセルkについての寄与分はDscat(i,k)である。寄与分Dscat(i,k)の演算に際しては寄与率P(i,k)が利用される。寄与分Dscat(i,k)と寄与率P(i,k)との間には、Dscat(i,k)=Ddirect(i)×P(i,k)の関係がある。本実施形態では、このように寄与ピクセルごとに除染前の寄与分Dscat(i,k)が特定されている。
一方、除染後の寄与分Dscat(i,k)’は、除染後の直達線線量Ddirect(k)’に対して寄与率P(i,k)を乗算することにより求められる。除染前の場合と同様に、除染後についても、領域単位で寄与分を加算すれば、領域単位で散乱線線量内訳を求めることが可能である。つまり、除染後の結果をきめ細かく予測することが可能である。既に説明したように、寄与率の演算方法は例示であり、より高度な手法を用いてもよい。例えば、実測された距離の情報を利用してもよい。その場合にシミュレーション等の手法を利用してもよい。
図15には、第2構成例を採用した場合の表示例が示されている。表示画面134の上段にはパノラマ画像136が表示されている。そこには複数の領域R11,R22,R33が定義されている。
表示画面134にはテーブル138が表示されている。横軸は各領域番号を示しており、横軸には領域名、除染率(除去率)、除染前の散乱線線量140及び直達線線量142、除染後の散乱線線量144及び直達線線量146、が表されている。既に説明した散乱線線量の内訳解析により、個々の散乱線線量(棒グラフ)においては領域単位でその内訳が示されている。つまり、注目領域で生じた散乱線は他の領域(寄与領域)からのγ線(直達線)が注目領域において引き起こしたものであるとみなし、寄与領域ごとに寄与割合(線量成分)を示したものである。除染後においても同様である。
図15に示した例では、領域R22に対して除染率90%が与えられている。これにより領域R22の直達線線量は除染後において9割ダウンとなっている。その影響が他の領域R11,R33についての散乱線線量の低下として現れている。同じく、同じ領域R22における散乱線線量の低下として現れている。
本実施形態では、寄与ピクセルの直達線と注目ピクセルの散乱線との間の関係を寄与率として特定したので、前者の変化を後者に反映させることが可能である。つまり、除染後の状態を精度良く推定することが可能である。すべてのピクセルの組み合わせに対応する寄与率群は内訳演算用の関数あるいは行列を構成する。図15に示す表示例によれば特定領域に対する除染作業を実際に行う前にその除染作業の効果を特定領域及びそれ以外の領域について確認することが可能であるから、除染計画を立てやすくなる。
なお、図15に示した表示に当たって、例えば図16に示すような情報を併せて表示してもよい。すなわち、現在(除染前)の空間線量率及びその内訳を表示してもよい。内訳としては視野内線量率及び視野外線量率があげられる。また、予想される除染後の空間線量率及びその内訳を表示してもよい。内訳としては視野内線量率及び視野外線量率があげられる。視野内における、除染前/除染後の直達線線量率及び散乱線線量率を表示してもよい。
上記実施形態ではガンマカメラが用いられていたが、上記構成は他の放射線測定装置において実現することが可能である。例えば、コンプトン現象を利用したカメラ、符号化開口マスクを利用したカメラ、等に対して上記構成を適用してもよい。上記構成をサーベイメータに適用してもよく、その場合、直達線空間線量及び散乱線空間線量を弁別測定することが可能である。
10 放射線測定装置、12 ガンマカメラ、14 光学カメラ、20 放射線検出器、24 コリメータ、32 制御部。

Claims (6)

  1. γ線を検出する放射線検出部と、
    前記放射線検出部により得られた検出信号に基づいてスペクトルを生成するスペクトル生成部と、
    前記スペクトルに基づいて、γ線源から直線的に前記放射線検出部に到達したとみなせるγ線である直達線の量を示す直達線線量、及び、散乱過程を経て前記放射線検出部に到達したとみなせるγ線である散乱線の量を示す散乱線線量、を演算する演算部と、
    を含み、
    前記演算部は、
    前記スペクトルに対してエネルギー補償関数を乗算することにより全線量を演算する全線量演算器と、
    前記スペクトルにおける測定対象核種固有の全吸収ピークを頂点とする山状部分と、前記測定対象核種固有の全吸収ピークを生じさせるエネルギーをもったγ線を検出する場合における検出効率と、に基づいて、前記直達線線量を演算する直達線線量演算器と、
    前記全線量から前記直達線線量を減算することにより前記散乱線線量を演算する散乱線線量演算器と、
    を含むことを特徴とする放射線測定装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記直達線線量演算器は、前記山状部分に対して前記検出効率の逆数を乗算することにより前記直達線線量を演算する、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  3. 請求項記載の装置において、
    前記測定対象核種に応じて前記エネルギー補償関数及び前記検出効率を特定する制御部を含む、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  4. 請求項記載の装置において、
    前記スペクトル生成部は前記スペクトルとして実スペクトルを生成し、
    前記演算部は前記実スペクトルからバックグランドスペクトルを減算することにより正味スペクトルを演算するスペクトル減算器を含み、
    前記全線量演算器及び前記直達線線量演算器には前記正味スペクトルが入力される、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記放射線検出部は二次元配列された複数の検出素子を含み、
    前記演算部は、前記検出素子ごとに、前記直達線線量、及び、前記散乱線線量を演算し、
    前記複数の検出素子に対応する複数の直達線線量が二次元直達線線量分布を構成し、
    前記複数の検出素子に対応する複数の散乱線線量が二次元散乱線線量分布を構成
    前記放射線検出部の視野内に複数の領域が指定され、
    前記複数の領域に対して複数の除染率が指定され、
    前記演算部は、
    前記二次元直達線線量分布に基づいて、領域単位で、除染前の領域内直達線線量を演算する手段と、
    前記二次元散乱線線量部分布に基づいて、領域単位で、除染前の領域内散乱線線量を演算する手段と、
    前記二次元直達線線量分布及び前記複数の除染率に基づいて、領域単位で、除染後の領域内直達線線量を演算する手段と、
    を含む、ことを特徴とする放射線測定装置。
  6. 請求項5記載の装置において、
    前記演算部は、前記二次元直達線線量分布、前記二次元散乱線線量分布及び前記複数の除染率に基づいて、領域単位で、除染後の領域内散乱線線量を演算する手段、を含む、
    ことを特徴とする放射線測定装置。
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