JP2008510132A - 放射線検出器用の抗散乱グリッド - Google Patents
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Abstract
本発明は、薄膜(2)を有する抗散乱グリッド(ASG)に関し、この薄膜は、入射放射線(1、8)を吸収して、吸収放射線量に対応する電気信号を形成する。薄膜(2)は、特に、半導体材料で構成されても良く、この半導体材料では、光子により、薄膜(2)の側壁上の電極(3、4、6)において検出される電子−ホール対が形成される。この場合、吸収された散乱放射線(8)または一次放射線(1)の量は、空間分解的な手法で求められ、これにより、センサユニット(9)のアレイ(5)によって形成された像の補正を行うことが可能となる。
Description
本発明は、放射線検出器用の抗散乱グリッド、そのような抗散乱グリッドを有する放射線検出器、そのような検出器を有する検査機器、および放射線検出器に照射される散乱放射線を定める方法に関する。
放射線強度の空間分解測定によって画像を形成する際、しばしば、他の方向から伝播される放射線と、ターゲット方向から伝播される放射線を識別することが必要となったり、あるいはそのような識別が望ましい場合がある。この状況の典型的な例は、CTまたは他の同様の装置による医療用X線像の形成である。この場合、主要な関心は、X線源から直接伝播される一次放射線の空間分解測定である。しかしながら、被検査体の散乱過程のため、常時、X線源の視野方向とは異なる方向から検出器に照射される、二次または散乱放射線が存在するが、そのような散乱放射線は、有益な画像情報を搬送しない。従って、画質および信号対ノイズ比を向上するため、検出器の前段に抗散乱グリッド(ASG)を設置することが知られており、前記グリッドは、放射線吸収薄膜を有し、この吸収薄膜は、ターゲット方向からの放射線が自由に通過し得るチャンネルを定形するが、他の方向から伝播される散乱放射線は、ほとんどがこの吸収層に吸収される。しかしながら、抗散乱グリッドによって、全ての散乱放射線を除去することは不可能であり、そのため、特に信号強度の弱い画像領域では、被測定画像信号に対する散乱放射線の寄与の問題が依然として残る。
前述の問題に対処するため、異なる方策が評価されているものの、今のところ有効な解決策は見出されていない。
米国特許第6,618,466B1号には、例えば、ビーム停止アレイを用いた場合と用いない場合の像を形成し、内挿法を適用することにより、像に及ぼす散乱放射線の寄与を定める方法が提案されている。しかしながら、そのような煩雑な方法は、通常の医療作業の流れに取り入れることは極めて難しい。
米国特許第6,618,466B1号明細書
本発明の目的は、このような状況に鑑み、散乱放射線が画質に及ぼす悪影響を抑制する手段を提供することである。
前述の目的は、請求項1に記載の抗散乱グリッド、請求項8に記載の放射線検出器、請求項10に記載の検査機器、および請求項11に記載の方法によって解決される。好適実施例は、従属項に示されている。
第1の態様では、本発明は、放射線検出器用の抗散乱グリッドに関し、この抗散乱グリッドは、薄膜を有し、この薄膜は、検出器によって観測されるあるスペクトルの放射線、例えばX線を強く吸収する。放射線は、薄膜の間に形成された(ボイド形態のまたは透明な)チャンネルのみを介して自由に透過することができる。従って、チャンネルは、視野方向を定め、放射線は、これに沿って、抗散乱グリッドの「背面側」で検出器に到達する。抗散乱グリッドは、一次元型であっても良く、この場合、チャンネルは、平行薄膜間の平面である。あるいは、抗散乱グリッドは、二次元であっても良く、この場合、二組の平行薄膜が交差され、チャンネルを定形する。抗散乱グリッドの目的とする用途に応じて、チャンネル/薄膜は、例えば相互に平行であっても、ある点(通常の場合、放射線源)で交差しても良い。また、放射線吸収薄膜の重要な特徴として、薄膜が、該薄膜に吸収された放射線量を表す信号を形成するように適合されることがある。例えば信号は、吸収放射線の全エネルギーに比例しても良い。
前述の種類の抗散乱グリッドは、グリッドのチャンネルによって定形されたターゲット方向以外の方向から伝播される散乱放射線を吸収し、これにより、抗散乱グリッドの背面の検出器が、好ましくない放射線から遮蔽される。これに加えて、抗散乱グリッドは、吸収放射線の量を表す信号を提供する。この信号に基づいて、実際に存在する散乱放射線の割合を予測することが可能となり、さらには抗散乱グリッドがあるにも関わらず、検出器に到達する散乱放射線の量を予測することが可能となる。さらにこれにより、検出器の画像信号を補正して、画質を向上させることが可能となる。
好適実施例では、抗散乱グリッドの薄膜は、半導体材料を有し、この半導体材料は、吸収放射線を電気信号に変換する。電気信号は、特に、自由電流担体(例えば電子−ホール対)を基に形成しても良い。
前述の半導体薄膜の感度を最大化するため、これらの薄膜は、吸収放射線の光子を電子−ホールついに変換する際の固有エネルギー変換係数が低い材料を有することが好ましい。ここで前記係数は、特に、単位電子−ホール対あたり10eV未満であっても良い。
本発明の別の実施例では、薄膜は、第1のエネルギーレベル(例えば、X線)の入射放射線を、第2のエネルギーレベルの放射線(例えば、可視光子)に変換するシンチレータ材料を有する。シンチレータ材料で生じる放射線の第2のエネルギーレベルは、通常の場合、例えば前述の半導体材料によって、より容易に検出することができる。シンチレータ材料は、薄膜の表面に外層として設置されることが好ましい。
また、薄膜は、高吸収係数の材料を有し、特に、150keV未満のエネルギーを有する光子の場合、1cm-1よりも大きいことが好ましい。そのような薄膜は、X線検出器との併用に適した抗散乱グリッドを構成する。そのような高吸収係数の材料は、特に、原子量が40を超える重金属であっても良い。
薄膜用材料の好適な一例は、CdZnTeであり、この材料は、X線に対する低い固有エネルギー変換係数と、高い吸収係数の両方を合わせ持つ。
既に説明したように、特に、薄膜は、吸収放射線量に対応する電気信号を形成しても良い。この場合、薄膜は、電極によって完全にまたは部分的に被覆されることが好ましく、前記電極によって、薄膜内に電場が誘起され、吸収放射線によって生じた電荷担体が回収される。通常の場合、電極は、特にPtのような金属で構成される。複数の別個の電極が存在することが好ましく、これにより吸収放射線の空間分解測定が可能となる。二次元的な抗散乱グリッドでは、一つの電極が、例えば、各チャンネルの各壁に設置されても良い。
前述の実施例では、少なくとも一つの電極は、必要であれば、前記電極上に設置された対応する薄膜の端部から離れた位置で終端しても良い。この場合、前記薄膜の処理マージンは、電極による影響を受けなくなる。電極の端部からの距離は、十分に長くして、放射線が実質的に(例えば、90%以上であり、好ましくは98%以上)、前記距離全体にわたって、薄膜材料によって吸収されるようにすることが好ましい。この場合、薄膜と平行で、端部で薄膜と衝突する(一次)放射線は、電極によって被覆されていないマージン内で薄膜に吸収される。従って、前記放射線からの寄与は、電極では測定されず、一次放射線と散乱放射線の間のより良好な分離が可能となる。この点についてのより詳細な記載は、好適実施例において説明する。
端部から離れた距離で終端する前述の電極は、抗散乱グリッド内で、端部まで延伸する電極と合わせて使用されることが好ましい。例えば、長い電極および短い電極が、画素から画素に交互に設置されても良い。そのような配列では、一次放射線からの寄与を有するおよび有さない薄膜によって吸収された放射線を、空間的に交互に測定することが可能となる。従って、一次放射線と散乱放射線の割合は、空間分解的な手法で識別することができる。
さらに、本発明は、以下の構成物を有する放射線検出器を有する:
前述の種類の抗散乱グリッドであって、吸収放射線量に関する信号を形成する放射線吸収薄膜を有する抗散乱グリッド;
必要な場合、第1のエネルギーレベルの入射放射線を、異なるエネルギーレベルの放射線に変換する変換器。X線検出器では、そのような変換器は、入射X線を可視光線の光子に変換するシンチレータとして知られている;
空間分解的な手法で、(直接、または変換器による変換後に)抗散乱グリッドを通過した放射線を測定することが可能な、放射線感度センサユニットのアレイ;
抗散乱グリッドによって形成された信号の評価用の信号処理ユニット。この信号処理ユニットは、抗散乱グリッドからの信号の増幅、補正および/またはアナログデジタル変換を行う電子機器を有することが好ましい。また、これは、前記信号を評価するため、(例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、I/Oインターフェース等を備える)デジタルデータ処理装置を有しても良い。
前述の種類の抗散乱グリッドであって、吸収放射線量に関する信号を形成する放射線吸収薄膜を有する抗散乱グリッド;
必要な場合、第1のエネルギーレベルの入射放射線を、異なるエネルギーレベルの放射線に変換する変換器。X線検出器では、そのような変換器は、入射X線を可視光線の光子に変換するシンチレータとして知られている;
空間分解的な手法で、(直接、または変換器による変換後に)抗散乱グリッドを通過した放射線を測定することが可能な、放射線感度センサユニットのアレイ;
抗散乱グリッドによって形成された信号の評価用の信号処理ユニット。この信号処理ユニットは、抗散乱グリッドからの信号の増幅、補正および/またはアナログデジタル変換を行う電子機器を有することが好ましい。また、これは、前記信号を評価するため、(例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、I/Oインターフェース等を備える)デジタルデータ処理装置を有しても良い。
好適実施例では、信号処理ユニットは、抗散乱グリッドのチャンネル/薄膜に対する入射放射線の平行度をもとに、入射放射線の割合を識別するように適合されても良い。この場合、信号処理ユニットは、チャンネルと平行な入射放射線、すなわち恐らくは一次放射線の割合、およびチャンネルと非平行な放射線、すなわち恐らくは散乱放射線の割合、を(少なくとも近似的に)定めても良い。処理ユニットは、前記割合を空間分解的に定めることが好ましく、これにより、センサユニットによって生じた画像の局部的な補正が可能となる。
さらに、本発明は、検査機器、特に、X線、CT(コンピュータ断層撮影)、PET(ポジトロン放射型断層撮影)、SPECT(単一光子放射型コンピュータ断層撮影)、または核画像化の各装置に関し、この検査機器は、前述の種類のX線感度のある放射線検出器を有する。
さらに本発明は、抗散乱グリッドを有する放射線検出器に照射される散乱放射線を定める方法を有し、この方法では、抗散乱グリッドによって吸収された放射線量が、直接測定される。測定は、空間分解的な手法で実施されることが好ましい。
放射線検出器、検査機器および方法は、前述の種類の抗散乱グリッドの本質的な特徴を共有する。従って、これらの対象物の細部、利点および改良点に関するより多くの情報については、前述の記載を参照することができる。
本発明のこれらのおよび他の態様は、以下に示す実施例を参照することで明らかとなり、理解することができる。
以下、一例として、添付図面を使用して本発明を説明する。
図1には、二次元抗散乱グリッドASGの下側に設置された、単一のセンサユニット9(画素)の検出器アレイ5の断面(全体の一部)のスケッチを示す(スケールは示されていない)。そのような配置は、例えば、X線放射線の空間分解測定用のCT装置に使用される。次に、センサユニット9のX線信号は、透過一次放射線7(関心対象となる信号)と、散乱放射線8(好ましくない放射線であって、抗散乱グリッドASGによって抑制された放射線)から生じた信号の両方の重ね合わせである。CT取得の投射の際、散乱X線8の存在により、吸角偽像および陰影偽像が生じ、これにより、再構成されたCT像に視覚的な劣化が生じる。検出器の中央近傍の領域では、通常、散乱放射線8は、一次放射線7と同様の振幅強度であり、弱い強度の領域では一次信号を上回る場合もある。通常の場合、5%乃至15%の入射散乱放射線8は、検出器5の前段に使用されるASGを透過する。しかしながら、特に減衰の大きな領域では、一次強度の認識は、像の再構成に重要な影響を及ぼす。
散乱放射線8は、たとえ追加の検出器セルが、CTシステムの活性検出領域の外側にあったとしても、この検出器セルによって検出される。検出器領域内の散乱信号は、境界で測定された値を内挿することによって決定される。内挿の精度は、おおよその場合、小さな扇形ビームの幅では十分であるが、扇形ビーム内の小さな対象物による散乱放射線の陰影の影響は、考慮されない。大きな領域の検出器の場合、境界検出器同士間の距離では、検出器の中央領域での散乱分布に関する詳細な情報が得られないため、この方法ではうまく対処できない。
前述の章における主な問題は、測定された断層撮影投射において、散乱光子8の詳細な分布が不明確なことであり、これは、画質の劣化につながる。この影響は、将来のシステムでは、より重要となる。走査領域の大面積化(円錐形ビーム)の傾向が続けば、被照射領域が増大し、散乱放射線量が急激に増加するためである。以下、画素サイズの領域内での空間解像を用いて、全検出器領域における散乱分布を直接測定することが可能となる方法を示す。この方法の基本となるアイデアは、ASG自身によって、散乱X線8を検出/測定することである。測定によって、空間散乱光子分布に関する情報が得られ、これにより測定された投射の散乱補正が改善され、結果的にCTの画質が向上する。
図に示す好適実施例では、抗散乱グリッドASGは、直接変換材料の壁または薄膜2を有し、この薄膜は、散乱光子8を検出する(「アクティブ検出」)と同時に、従来のASGと同様に、これらの量子を吸収する(「パッシブ集光」)。これは、ASGが、「アクティブコリメータ」として機能することを意味する。例えば直接変換材料は、(結晶質、多結晶質またはアモルファス)半導体であっても良く、この半導体は、吸収された放射線1、8のエネルギーを、直接、電子−ホール対に変換する。材料は、高い応答信号が得られるような低固有エネルギー変換係数(例えば、CdZnTeでは、5eV/電子−ホール対)を有するとともに、対応するエネルギー領域(>30keV)において高い吸収係数を有することが好ましい。さらに、直接変換材料には、大きな原子量Zを有し、最も効率的にX線光子を吸収することが必要となる(例えば、CdZnTeの場合、Z≒49)。
このグリッドASGの幾何学的な寸法は、従来の二次元抗散乱グリッドと同様であり、通常、薄膜2の厚さは、約100μmである。高さは、吸収率、技術的な可用性およびコストを考慮して適正に選定され、通常の場合、10mmから50mmの範囲である。薄膜2同士の間には、チャンネルが形成され、放射線7、8は、このチャンネルを通過してセンサユニット9、または検出器アレイ5内のASGの下側に設置された画素に達する。
薄膜2は、各側が電極3、4、6によって被覆され、対向する両電極は、外部回路により、それぞれアノードおよびカソードとして駆動される(図2には、2つの電極が単に概略的に示されている)。側壁の電極3、4、6は、それぞれ極めて薄い金属層(例えばPt)で構成される。金属層は、十分に薄くして、信号を発生させずに、無視できる程度の僅かの量の散乱X線8だけが吸収されるようにする必要がある。
通常の場合、電子の易動度−生成寿命は、ホールに比べてずっと大きい(長い)ため(例えばCdZnTe(最適化材料)の場合、μeτe≒3×10-3cm2/V≫μhτh≒5×10-5cm2/V)、薄膜2の直接変換材料を通った電子光電流は、好適な作動モードとなっている。通常の場合、印加される電場は、1kV/cmのオーダーである。従って、100μmの厚さの薄膜の場合、十分な電荷収集効率を得るためには、10Vのバイアス電圧で十分である。検出器薄膜2の作動の際に印加されるこの低いバイアス電圧によって、取り扱いが容易となり、回路に特別な保護を行うことが不要となる。
電極3、4および6で生じる電磁場(バイアスフィールド)を援用して、電荷担体を分離し、ドリフトによってこれを電極で回収して、電気信号を生じさせても良い。その後、この電気信号は、読み出し用電子機器10(図2)によって処理される。各矩形状画素9では、この信号は、画素を取り囲む4つの薄膜の統合値として取り扱われる。従って、検出器アレイ5内の散乱放射線8の空間強度分布は、一つの画素の解像度で得られる。
電極の幾何形状を考慮した場合、図1に示す2つの概念がある。第1の概念では、電極4(好ましくはアノードコンタクト)は、ASGの全高を覆い、薄膜2の上端にまで至る。この結果、直接変換材料2は、散乱放射線8に対する感度のみならず、薄膜2の上端面に照射された一次放射線1に対しても感度を有し、これにより、以降、実際の散乱分布を把握する際にいくつかの困難性が生じる。一方、薄膜2の上端から距離dだけ短い電極6(アノードコンタクト)は、ASGの上部に照射される放射線に対する感度を有さない。このため、これらの電極6は、一次X線ビーム1の方向からの分布を除く、全散乱放射線8の分布を測定し、すなわちこれらの電極は、散乱放射線8に対して高い感度を有するようになる。120keV未満のエネルギーを有する、少なくとも99%のX線放射線の全吸収を確実に行うため、厚さがdの吸収層(例えば、CdZnTeの場合、d=6mm)が設置されても良い。これは、短いアノード6が、長い電極3、4に比べて、少なくとも6mm短いことを意味する。これにより、吸収過程において薄膜2の上部領域で生じた電荷が、光電流に寄与しない程度に、薄膜2の上部領域での電場を短くすることができる。これは、短いアノード6では、この電荷を回収することができないからである。
図3の抗散乱グリッドASGの上面図に示すように、長い電極3、4および短い電極6の概念を組み合わせることにより、チェス盤のようなパターンが得られ、これにより、異なる一次放射線対散乱放射線比を得ることが可能となる(すなわち、長い電極3、4で被覆された薄膜は、全体的な一次および散乱強度のみを測定し、一つの短い電極6で被覆された薄膜は、主として、散乱放射線を測定する)。従って、以下に示すように、画素検出器で測定された一次信号を正確に定めたり、一次信号と混合一次/散乱信号とを分離することが可能となる。あるいは、各検出器画素9の信号の補正が可能となるように、各概念を単独で使用することも可能であるが(長い電極3、4の場合、図4参照)、この場合、異なる線源からの放射線分布を区別することができなくなるため、システム誤差が大きくなる。
検出器のいかなる検出器画素nも、信号Inを与え、この信号は、入射一次線量Pn(図1の放射線1+7)と、入射散乱量Sn(図1の放射線8)との一次結合である。以下の説明では、検出器5の表面と略垂直な散乱放射線(θ=90゜)のみが、吸収されずにASG薄膜2を通過する、すなわち、Sn=Sn(θ=90゜)であると仮定すると:
要約すると、アクティブ集光に基づいて提案されたASG検出器モジュールでは、以下の利点が得られる:
CTシステムでの散乱分布測定および後続の散乱補正によって、改良されたCT画質が得られる;
ある一定の時間領域のみならず、検出器領域全体において、散乱分布が測定される;
抗散乱グリッドは、X線検出器の他、吸収器(アクティブ集光)としても機能し、これにより、極めて小型で単純な構成が可能となる;
CT検出器のため、直接変換材料を選定しても良く、これにより、検出器画素と同じ材料で構成されたASGが得られ、コストおよび技術的容易化の点で利点が得られる;
複雑な光投射システムが不要となる。このため、幾何学的な歪みおよび検出された散乱の強度分布の歪みが生じず、信号対ノイズ比に関する複雑な問題が生じない;
ASG自体は、散乱検出器として追加的にのみ使用されるため、情報およびCT検出器の特性、さらには画質について、いかなる損失ロスも生じない;
薄膜の上部に照射される一次放射線に対して感度を有さない、いくつかの画素を構成するより短い電極と、より長い電極との空間結合によってなされる散乱放射線の選択検出によって、当該一次放射線に対して極めて精度の高い取り扱いが可能となる。
CTシステムでの散乱分布測定および後続の散乱補正によって、改良されたCT画質が得られる;
ある一定の時間領域のみならず、検出器領域全体において、散乱分布が測定される;
抗散乱グリッドは、X線検出器の他、吸収器(アクティブ集光)としても機能し、これにより、極めて小型で単純な構成が可能となる;
CT検出器のため、直接変換材料を選定しても良く、これにより、検出器画素と同じ材料で構成されたASGが得られ、コストおよび技術的容易化の点で利点が得られる;
複雑な光投射システムが不要となる。このため、幾何学的な歪みおよび検出された散乱の強度分布の歪みが生じず、信号対ノイズ比に関する複雑な問題が生じない;
ASG自体は、散乱検出器として追加的にのみ使用されるため、情報およびCT検出器の特性、さらには画質について、いかなる損失ロスも生じない;
薄膜の上部に照射される一次放射線に対して感度を有さない、いくつかの画素を構成するより短い電極と、より長い電極との空間結合によってなされる散乱放射線の選択検出によって、当該一次放射線に対して極めて精度の高い取り扱いが可能となる。
最後に、本願において、「有する」という言葉は、他の構成物またはステップを排斥するものではなく、「一つの」という言葉は、複数のものを排斥するものではなく、単一のプロセッサまたは他のユニットに、いくつかの手段としての機能を保持させても良いことを指摘しておく。さらに、請求項内の参照符号は、本発明の範囲を限定するものではない。
Claims (11)
- 放射線検出器用の抗散乱グリッド(ASG)であって、
吸収された放射線量を表す信号を形成するように適合された、放射線吸収薄膜を有する抗散乱グリッド(ASG)。 - 前記薄膜は、吸収された放射線を電気信号に変換する半導体材料を有し、特に、光子を電子−ホール対に変換する固有エネルギー変換係数が低い材料を有することを特徴とする請求項1に記載の抗散乱グリッド(ASG)。
- 前記薄膜は、第1のエネルギーレベルの入射放射線を、第2のエネルギーレベルの放射線に変換するシンチレータ材料を有することを特徴とする請求項1に記載の抗散乱グリッド(ASG)。
- 前記薄膜は、吸収係数が高い材料を有し、特に、150keV未満のエネルギーを有する光子に対する吸収係数が1cm-1よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の抗散乱グリッド(ASG)。
- 前記薄膜は、少なくとも一部が電極で被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の抗散乱グリッド(ASG)。
- 前記少なくとも一つの電極は、対応する前記薄膜の端部から距離(d)の位置で終端し、前記距離(d)は、前記薄膜の前記材料を通過して伝播する放射線が、前記距離の伝播の後、実質的に吸収されるような距離であることが好ましいことを特徴とする請求項5に記載の抗散乱グリッド(ASG)。
- 前記端部からの距離(d)で終端する電極と、前記対応する薄膜の前記端部で終端する電極の、両方の電極を有することを特徴とする請求項6に記載の抗散乱グリッド(ASG)。
- 請求項1乃至7のいずれか一つに記載の抗散乱グリッド(ASG)と、
第1のエネルギーレベルの入射放射線を、異なるエネルギーレベルの放射線に変換する任意の変換器と、
放射線感度センサユニットのアレイと、
前記抗散乱グリッド(ASG)で生じた信号を評価する信号処理ユニットと、
を有する、放射線検出器。 - 前記信号処理ユニットは、前記抗散乱グリッド(ASG)のチャンネルおよび/または薄膜に対する平行度をもとに、入射放射線の割合を識別するように適合されていることを特徴とする請求項8に記載の放射線検出器。
- 結像システム、特に、X線、CT、PET、SPECT、または核画像化の各装置を備える検査機器であって、
前記結像システムは、請求項8または9に記載のX線感度のある放射線検出器を有する、検査機器。 - 抗散乱グリッド(ASG)を有する放射線検出器に照射される散乱放射線を定める方法であって、
好ましくは空間分解的な手法で、前記抗散乱グリッド(ASG)によって吸収された前記放射線の量が測定されることを特徴とする方法。
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