JP5779819B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、放射線の入射方向に沿って複数の検出素子を配列した構造の放射線検出器に関し、更に詳しく述べると、その一部の検出素子に吸収体を付設することにより、高計数率の放射線の検出と高精度のエネルギ情報の収集とを同時に行うことができるようにした放射線検出器に関するものである。この技術は、例えば放射線透過撮像等に有用である。
周知のように、電磁放射線(以下、単に「放射線」と記す)であるX線やガンマ線は、高い透過能力を有することから、医療分野における診断をはじめ、工業分野における非破壊検査や結晶構造解析等に広く用いられている。近年、放射線の透過能力を利用した放射線透過撮像法としては、写真乾板に対する感光作用を用いたレントゲン撮影に代え、検出媒体に対する放射線の励起作用を電気的に検出し、その検出結果に基づいてデジタル画像を得る方式が主流となってきている。放射線検出器の内部に放射線のエネルギが付与されると、検出媒体の種類によって、例えば、半導体であれば電子・正孔対、ガスであれば電子・イオン対、シンチレータであれば蛍光、超伝導体であれば準粒子等の励起子が生成される。放射線検出器では、これらの励起子が電極に移動することによって付与エネルギに比例した電圧が誘起され、それによって人体等を透過した放射線のエネルギを測定することができる。
しかし、このような放射線検出器は、放射線が入射する毎に誘起電圧を測定するため、励起子が電極に移動している間に次の放射線が入射した場合には、前後する放射線を一つの放射線として認識してしまう虞がある。その結果、単位時間当たりに入射する放射線の線量(以下、単に「線量」ともいう)が制限されることになり、放射線透過撮像法(X線CTスキャン等)のように短時間で非常に高い線量の放射線を測定する際には、放射線のエネルギ情報を利用できなくなる問題があった。逆に、低い線量に制限した場合には短時間で放射線透過像を得ることができなくなるため、例えば、医療用X線CTスキャン等の用途において、心臓のような動きの速い臓器の鮮明な画像を得ることが極めて困難であった。そこで、放射線透過撮像装置では、X線のエネルギー測定は行わずに、電極に流れる電流を検出することにより、被検体内部を単位時間あたりに透過したX線の量を測定する方法が採用されている(特許文献1参照)。
一方、ヨウ素造影剤を用いて癌組織の有無を判定するための画像を得る場合、照射されたX線のごく一部しかヨウ素に吸収されないことから、人体に大量のX線を照射する必要があり、放射線被曝のリスクが高くなる問題があった。そこで、人体とヨウ素との間でX線の吸収率が異なることを利用したエネルギ差分法を採用した低被曝型のX線透過撮影装置が開発されている。この種のX線透過撮影装置では、2枚のX線フィルムの間に銅などの金属板を挟み白色X線を照射するもの、あるいは2種の単色X線を用いるものが一般的であり、これらにおいてはX線を電流として測定している。また一つ一つのX線のエネルギーを測定する方法を用いて、ランタン(La)フィルタにより高エネルギ部分をカットしたフィルタX線を人体に照射し、人体を透過したフィルタX線のうち、ヨウ素のK吸収端を挟んだ上下2つのエネルギ範囲のX線数を測定し、これにより得られた2種のエネルギ情報をサブトラクトすることによって造影剤のみを強調した画像を得る技術も提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、前記のような従来の放射線検出器は、高い線量に対応することができる反面、個々の放射線から付与されたエネルギの情報が失われるため、例えば、従来型X線透過撮影に対しては、ある組織を通過したX線の量が多いか少ないかという情報しか得ることができない。そのため、このような放射線検出器を特許文献2に示されているようなエネルギ差分法に適用することは困難であった。
このような問題を解決できるものとして、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する検出媒体と、前記検出媒体における前記放射線の入射端からの距離が互いに異なる位置で、該検出媒体に設置された複数の電極とを備えた放射線検出器(特許文献3参照)、CsI(Tl)シンチレータとフォトダイオードからなる検出素子を、放射線の入射方向に沿って複数配列した放射線検出器(非特許文献1参照)、あるいはSi(Li)半導体検出器からなる検出素子を放射線の入射方向に沿って複数配列した放射線検出器(非特許文献2参照)が提案されている。
これらの放射線検出器は、同一の検出素子を配列しているため構成が簡素化され、高い線量の放射線の検出とエネルギ情報の収集とが同時に行えるという優れた特徴を有するものの、各々の検出素子の入射放射線のエネルギに対する応答特性が類似しているため、エネルギ情報を精度良く求めるには、多大な計算を要するという問題があった。また、解析結果であるX線通過線上のヨウ素厚さを精度良く求めるためには、多数の初期推定X線エネルギー分布を用意し、アンフォールディングコードに入力する必要があった。更に、X線が被検体を通過した距離に対して求めておいた応答関数を解析に用いる必要があり、このため測定電流値から再構成したCT画像を用いて、各測定点においてX線が被検体を通過した距離を算出する必要があった。
特開2005−77152号公報 特開2004−223158号公報 特開2007−71602号公報
I. Kanno, et al., "A Current-Mode Detector for Unfolding X-ray Energy Distribution", Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY, Vol.45, No.11, p.1165-1170 (2008). R. Imamura, et al., "Unfolding Method with X-ray Path Length-Dependent Response Functions for Computed Tomography Using X-ray Energy Information", Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY, Vol.47, No.11, p.1075-1082 (2010).
本発明が解決しようとする課題は、高い線量の放射線の検出と放射線のエネルギ情報の収集とを同時に行うことができ、しかもエネルギ情報を精度良く取得することを可能とすることである。本発明が解決しようとする他の課題は、構成が複雑化せず、安価に製作できる放射線検出器を提供することである。
本発明は、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する複数の検出素子が、放射線の入射線上に入射端からの距離が互いに異なる位置に配設され、前記検出素子の列の検出素子間の1箇所以上に吸収体が設置されていることを特徴とする放射線検出器である。
前記の複数の検出素子は全て同一の検出媒体を用いた同一構造であり、それらを3〜6個、一列に配列するのが好ましい。前記吸収体としては、原子番号13のAlから原子番号83のBiまで(但し、原子番号43のTc及び原子番号61のPmを除く)の元素を含む材料を用いる。
典型的な例としては、X線を測定し、X線のエネルギー情報から、被検体中のヨウ素造影剤を測定するための放射線検出器があり、その場合、前記の各検出素子は全て同一の検出媒体を用いた同一構造であり、それらが3個、放射線の入射線上に一列に配列されていて、前記吸収体は錫からなり、該吸収体が、前記検出素子の列の中間の検出素子及び/又は最後尾の検出素子の放射線入射端側に配置されている構成がある。
ここで前記検出素子の検出媒体は、半導体、シンチレータ、ガス、超伝導体、もしくは絶縁体などからなる。
本発明の放射線検出器によれば、高い線量の放射線の検出と放射線のエネルギ情報の収集とを同時に行うことができ、しかも吸収体を配置したことによって、多大な計算を要することなく、エネルギ情報を精度良く取得することが可能となる。また、同一の検出媒体を用いた同一構造の検出素子を用いることができるので、構成が単純化され、安価に製作することができる。
本発明に係る放射線検出器を用いたX線透過撮像装置の概略構成図。 本発明に係る放射線検出器の一実施例を示す概略図。 X線エネルギスペクトルの一例を示すグラフ。 本発明の有用性を示す説明図。 放射線検出器による測定形態を示す概略図。 放射線検出器により得られた被検体の断面プロファイル。 ヨウ素造影剤を観測した場合のI2 /I1 −I3 /I1 のグラフ。 バリウム造影剤を観測した場合のI2 /I1 −I3 /I1 のグラフ。 金造影剤を観測した場合のI2 /I1 −I3 /I1 のグラフ。
本発明の放射線検出器は、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する複数の検出素子が、放射線の入射線上に入射端からの距離が互いに異なる位置に、それぞれ放射線源に対向するように一列に配列され、前記検出素子の列の検出素子間の1箇所以上に吸収体が設置された構造である。各検出素子は全て同一の検出媒体を用いた同一構造であり、それらが3〜6個配設されている。
被検体中のヨウ素造影剤を検出しようとする場合には、例えば錫を吸収体とし、この錫吸収体を一つの検出素子の前に配置する。典型的には、全て同一の検出媒体を用いた同一構造の3個の検出素子を、放射線の入射線上に一列に配列し、錫吸収体を前記検出素子の列の最後尾の検出素子の放射線入射端側に配置する。同一の複数個の検出素子を用いている場合には、それぞれの応答関数は互いに類似している。応答関数のわずかな差異は、ある検出素子の前方の検出素子によってX線が吸収されることによるX線のエネルギースペクトルの変化に起因する。同一の検出素子のみであれば、応答関数の変化はわずかであるが、一つの検出素子の前に吸収体を配置すると、X線のエネルギースペクトルは大きく変化し、吸収体の直後の検出素子の応答関数は、吸収体の前方の検出素子の応答関数と大きく異なることになる。そのため、エネルギ情報を精度良く取得することが可能となる。
吸収体を設置する位置は、先頭の検出素子の前方以外であればよい。吸収体を先頭の検出素子の前方に設置すると、3個の検出素子全ての応答関数が同じようになり、吸収体設置の意味がなくなるからである。吸収体は、最後尾の検出素子の前方のみならず、中間の検出素子の前方に設置してもよい。その場合には、先頭の検出素子の応答関数と、中間及び最後尾の検出素子の応答関数が異なってくる。また、最後尾の検出素子の前方と中間の検出素子の前方の両方に吸収体を設置することもできる。吸収体を複数個設置する場合、吸収体の材料を変えることも可能である。
本発明で利用可能な吸収体は、原子番号13のAlから原子番号83のBiまでの元素を含む材料である。アルミニウムよりも原子番号が小さい元素からなる材料を用いることも考えられるが、その場合には吸収体の厚さが大きくなり、実際的ではない。また、原子番号43のTc、原子番号61のPm、及び原子番号84以上の元素を含む材料からなる場合は、放射性の同位元素を有するため、本発明で用いる吸収体としては不向きである。
被検体中のヨウ素造影剤を測定する場合に、吸収体の材料として、典型的には錫を用いるが、錫に限られるものではなく、アルミニウム、鉄、ヨウ素、ビスマス、タンタルなどを用いることもできる。例えば吸収体として錫を用いる場合、典型的には錫箔(金属箔)を用いるのがよいが、金属箔に限らず、酸化物などの粉末をアクリル樹脂製の薄い容器に充填したものなども使用可能である。
その他、例えば被検体中のバリウム造影剤を測定する場合には、吸収体としてアルミニウム、錫、銀、ビスマスなどが好適である。被検体中の金造影剤を測定する場合には、吸収体としてアルミニウム、金、タンタル、ビスマス、タングステンなどが好適である。
検出媒体は、半導体の他、シンチレータ、ガス、超伝導体、あるいは絶縁体などであってよい。なお、検出素子の数は、複数であれば特に制限されるものではないが、検出素子の数が多いほどエネルギ情報を精度よく得ることができるため、3個以上とすることが好ましい。他方、検出素子の数が過度に多いと放射線検出器の製作にかかるコストが高くなるため、6個以下とするのがよい。
以下の実施例では、透過X線画像を用いてヨウ素造影剤の厚さを示すCT画像を得る場合を対象として具体的に説明するが、本発明の放射線検出器は、かかる用途に限らず、ガンマ線等を用いた種々の放射線検査装置にも同様に適用できることはいうまでもない。図1は、本発明に係る放射線検出器を用いたX線検査装置の概略構成図であり、図2はその放射線検出器の一実施例を示す概略図である。
<X線検査装置と放射線検出器の構成>
図1に示すように、X線検査装置1は、X線を被検体Sに向けて照射するX線管2、被検体Sを透過したX線を検出する多数の放射線検出器(X線検出器)3を縦横に配置してなる放射線検出器アレイ4、各放射線検出器からの出力を増幅する増幅器5、それらの各出力電流を読み取る電流読み取り装置6、造影剤厚さ演算装置7、画像化装置8等から構成される。
X線管2から照射されるX線としては、特に限定されないが、例えば120kVpに加速した電子をタングステンターゲットに衝突させ、放出された白色X線からLaフィルタによって高エネルギ部分(38.9keV以上)を除去して得られるフィルタX線等が好適である。X線管2から被検体Sに向けてX線が照射されると、被検体Sを透過したX線が放射線検出器アレイ4内の放射線検出器3に入射する。
ここで放射線検出器3は、図2に示すように、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する3個の検出素子11,12,13が、X線の入射方向に沿って順に並ぶ形で配設され、その最後尾に位置する検出素子13よりも放射線入射端側に、錫箔からなる吸収体14を設置した構造である。各検出素子の検出媒体として、この例ではSi(Li)半導体を用いているが、CdTeなど他種の半導体を用いることもできるし、各種シンチレータなど、一般的な放射線検出器の検出媒体を利用することもできる。各検出素子11,…,13から出力した電流が、各検出素子11,…,13に対応した数の増幅器5に送られる。
放射線検出器3にX線が入射すると、第1検出素子11〜第3検出素子13は、入射したX線から付与されたエネルギによって、それぞれ電流I1 〜I3 を出力する。検出電流I1 〜I3 は、増幅器5により増幅された後、電流読み取り装置6により測定され、造影剤厚さ演算装置7に出力する。造影剤厚さ演算装置7では、被検体S内のヨウ素造影剤の厚みが演算され、その演算結果に基づき画像化装置8が透過X線画像を生成する。
注入されたヨウ素造影剤が癌などの病巣や血管に滞留した被検体Sに、X線を照射すると、図3に示すように、ヨウ素のK吸収端のエネルギ準位(33.2keV)付近が不連続となったX線エネルギスペクトルが得られる。なお、図3は、人体を模した厚さ10cmの水層中にヨウ素造影剤を模したヨウ素を含ませたものにフィルタX線を照射して得たX線エネルギスペクトルのグラフであり、X線の3つのエネルギ範囲E1 〜E3 とこれらエネルギ範囲E1 〜E3 に含まれるX線の個数Y1 〜Y3 とを示している。
<試作した放射線検出器の構造と特性評価>
試作した放射線検出器では、Si(Li)検出素子を3個用いている。図2に示すように、この放射線検出器の第2と第3のSi(Li)検出素子の間に、厚さ58μmの錫吸収体を設置した。この錫吸収体を設置した場合と設置しない場合とについて比較を行い、錫吸収体の効果を求めた。なお錫吸収体の厚さは58μmに限られるものではなく、適宜変更してよい。
この放射線検出器の特性を、以下のようにして評価した。図2の放射線検出器の前に、厚さが既知のアクリル及びヨウ素を、アクリルは7mmから10mm毎に47mmまで、またヨウ素は0μmから15μm毎に60μmまで、それぞれ変えて配置し、各検出素子で電流測定を行った。なお、ここでアクリル樹脂は、軟組織、あるいは軟組織と骨を模擬するものとして使用している。検出素子11〜13で得られた電流値をI1 〜I3 とし、I2 /I1 をx軸に、I3 /I1 をy軸に取ったグラフを図4に示す。錫吸収体がない場合(a)には、I2 /I1 −I3 /I1 のグラフは、アクリル厚さ、ヨウ素厚さが集約された形で、一つの線上に分布した。それに対して錫吸収体がある場合(b)には、I2 /I1 −I3 /I1 のグラフは、アクリル厚さごとに分解され、ヨウ素厚さ−アクリル厚さの二つのパラメータにより、2次元的な地図が得られた。
次に、図5に示すようにX線源、被検体、及び放射線検出器を設置してX線を照射し、該被検体内部を透過したX線が放射線検出器に入射することによって各検出素子(検出素子番号1〜3)から生じた電流を測定した。なお、被検体はアクリル樹脂製の円柱であって、該円柱の中央部に設けた穴にヨウ素溶液を充填したものである。各測定点(x,θ)での電流値比I2 /I1 及びI3 /I1 をI2 /I1 −I3 /I1 のグラフ上に記すことで、即座にその測定点(x,θ)において、X線通過線上のアクリル厚さおよびヨウ素厚さを求めることができる。一方、アクリル樹脂およびヨウ素の平均吸収係数は文献などで既知であることから、上記のようにして得られたアクリル厚さおよびヨウ素厚さの情報により、従来のアンフォールディング法を用いることなく、次の式1を用いて、X線数Y1 〜Y3 を直接的に精度良く求めることができる。
Figure 0005779819
このようにして得られたY1 〜Y3 の中のY2 を用いて、CT画像を再構成したCT値の断面プロファイルを図6に示す。図6の横軸は被検体の中心を0mmとしてX線を透過させた位置を示し、縦軸はCT値を示している。参考のため,従来法である電流値を用いたCT値を、見やすくするために負の値で示してある。本発明に係る放射線検出器を用いて得られた結果は、理論値と同じCT値を示し、しかも従来法である電流CT値よりもヨウ素の大きなCT値が得られている。他方、錫吸収体を用いない場合には、CT値は小さくなり、電流CT値と同程度である。
ところで、血管にカルシウムが沈着している場合、従来の電流測定CTでは、ヨウ素造影剤との区別がつかないことがある。そのため、従来の電流測定CTでは、X線管電圧を変化させ、2回の照射を行う。例えば、70kVpと140kVpとの2回のX線照射を行うことでエネルギー情報を得、これからヨウ素かカルシウムかを区別している。
しかし、この方法では、2回のX線照射を受けるため被曝量が増える問題がある。それに対して本発明に係る放射線検出器で測定を行えば、1回の照射で、いくつかのエネルギー範囲のX線数を用いたCT画像を作ることでヨウ素かカルシウムかの区別がつく。すなわち、カルシウムの場合、K吸収端が低いエネルギーにあるので、20keV以上ではエネルギーが低い方が吸収が大きく、X線のエネルギーが高くなると吸収されにくくなる。一方で、ヨウ素はK吸収端が33.2keVにあるので、33.2keVよりも高いエネルギーのX線の吸収が大きくなる。従って、X線のエネルギーが高くなるにつれて、CT値が単調に小さくなるのがカルシウムで、33.2keVより高いエネルギーでCT値が大きくなるのがヨウ素であり、区別することができる。従って、本発明の放射線検出器を使用し、1回のX線照射による測定で複数のエネルギ範囲のX線数を用いたCT画像を形成し、X線のエネルギに対するCT値の変化のパターンにより、被検体中のカルシウムとヨウ素を区別するX線検査が行える。
以上の実施例では、主として、ヨウ素造影剤を観測するために、錫吸収体を用いた例で説明した。しかし、吸収体は錫に限るものではなく、ヨウ素より小さい原子番号のアルミニウム、鉄なども可能であり、またヨウ素より大きい原子番号を持つタンタルも利用できる。例として、アルミニウム(Al)、ヨウ素(I)、及びビスマス(Bi)吸収体を用いたI2 /I1 −I3 /I1 のグラフを、図7(a)〜(c)に示す。
バリウム造影剤の場合についても同様に、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、及びビスマス(Bi)吸収体を用いたI2 /I1 −I3 /I1 のグラフを、図8(a)〜(c)に示す。
金造影剤を観測する場合には、X線管出口に厚さ3cmのAlフィルタなどを設置し、被検体および放射線検出器に入射するX線のエネルギースペクトルのピークエネルギーが金のK吸収端のエネルギー値よりも高い値となるようにする。3番目の検出素子の前に、アルミニウム(Al)、金(Au)、及びビスマス(Bi)吸収体を設置した場合のI2 /I1 −I3 /I1 のグラフを、図9(a)〜(c)に示す.
本発明に係る放射線検出器は、エネルギ差分法を用いた医療用のX線検査装置、あるいは産業用のX線検査装置やガンマ線検査装置等に好適に使用できる。特に、医療用X線CTスキャンにおいて、ヨウ素造影剤の検出が容易となり、癌の発見に寄与できる。また、CT測定のみならず、胸部レントゲン撮影のようなX線透過撮影法においても、X線が透過した線上のヨウ素厚さ、軟組織厚さ、および骨厚さの同定に使用可能である。更には、カテーテル手術において、人体内部のカテーテルの撮像にも利用可能である。
11,12,13 検出素子
14 吸収体

Claims (2)

  1. 被検体中のヨウ素造影剤を測定するための放射線検出器であって、入射した放射線から付与されたエネルギによって電荷を発生する3個の、全て同一の検出媒体を用いた同一構造の検出素子が、放射線の入射線上に入射端からの距離が互いに異なる位置に、一列に配設されており、前記検出素子の列の中間の検出素子または最後尾の検出素子の放射線入射端側に、錫からなる吸収体が配置されていることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記検出素子の検出媒体が、半導体またはシンチレータからなる請求項1記載の放射線検出器。
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