JP6940065B2 - エネルギー分解ctの解析装置、x線ct装置、エネルギー分解ctの解析方法、及びエネルギー分解ctの解析プログラム - Google Patents

エネルギー分解ctの解析装置、x線ct装置、エネルギー分解ctの解析方法、及びエネルギー分解ctの解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、被検体を透過したX線のエネルギー分布を取得するエネルギー分解CTの解析装置、X線CT装置、エネルギー分解CTの解析方法、及びエネルギー分解CTの解析プログラムに関する。
被検体の実効原子番号を測定する試みがなされている。実効原子番号とは、化合物や混合物の平均的な原子番号を意味するものである。実効原子番号を測定することで、被検体を構成する元素の原子番号の平均値を把握することができる。被検体から試料を取得することなく実効原子番号を測定することによって、例えば、非均一な物質中の組成や組成分布等を、非破壊で迅速に測定することが可能となる。
非破壊実効原子番号測定は、X線を用いて行うことができる。X線を用いた実効原子番号測定には、X線の位相変化を用いる方法と、X線コンピュータ断層撮影法(CT;Computed Tomography)(以降、「X線CT」ともいう。)を用いる方法とが挙げられる。
X線の位相変化を用いる方法では、位相変化とX線の強度の減弱の比が実効原子番号の関数として変化することを利用して行われる(非特許文献1参照)。この方法では、厚さ数μm〜10μmのアルミニウム(Al)、鉄、ニッケル、銅を測定し、誤差約5%で実効原子番号を求めることができる。しかしこの方法には、大型のシンクロトロン装置から出力される単色X線を用いる必要がある。単色X線を用いるためには、シンクロトロン装置が必要となるため、市中の病院や工場等で測定を行うことが困難であった。
X線CTを用いる方法では、X線CTの結果得られる物質の線減弱係数を利用して行われる。すなわち、異なる二つのエネルギーE1及びE2に対するそれぞれの線減弱係数μ(E1)とμ(E2)との比は、μ(E1)/μ(E2)で表される。この線減弱係数の比が、実効原子番号の関数であることを利用する。従来、このような特定のエネルギーのX線に対する線減弱係数を得るためには、位相変化を用いる方法と同様にシンクロトロン施設の単色X線を用いた測定が必要であった(非特許文献2参照)。これに対して、発明者は、被検体を透過したX線のエネルギー分布を導出する、エネルギー分解X線CT測定法(以降、「エネルギー分解CT」ともいう。)を用いることを検討した。そして、エネルギー分解CTの利用によって、一般的なX線管から放出される白色X線を用いて、特定のエネルギーのX線に対する線減弱係数を得るとともに、この線減弱係数から実効原子番号を測定することが可能となった(非特許文献3参照)。
非特許文献3ではX線検出器として、transXend検出器が用いられている(特許文献1参照)。transXend検出器とは図3に示すように、X線の進行方向に複数の検出素子を並べた検出器である。各検出素子では、X線を電流として測定することができる。X線のエネルギーと検出素子の位置の関数として、応答関数を用意することで、測定電流値を用いてX線のエネルギー分布を導出できる。エネルギー分解CTに用いられる検出器としては、特許文献1のように検出素子をX線入射方向に並べた「積層型」のみならず、フラットパネル検出器等の2次元X線検出器を用いた「平面型」の検出器を用いることも可能である(特許文献2参照)。
非特許文献3においては、直径30mmのアクリル(PMMA;Polymethyl methacrylate)中に直径5mmのAlが入っている被検体をエネルギー分解CTで測定して、PMMA及びAlについて実効原子番号を2%の誤差で評価している。なお、非特許文献3のように、白色X線を用いたCT測定データから、エネルギー分解CTによって特定のエネルギーE1及びE2のX線に対する線減弱係数を求めるためには、検出器の応答関数が必要である。非特許文献3においては、被検体中に含有されるPMMAとAlとの様々な厚さの板を用意して、これらの板を透過したX線を測定することで、応答関数を求めている。
特許第5367574号公報 特開2017−12593号公報
米山明男、竹谷敏、兵藤一行、武田徹、Isotope News 724, 9 (2014). M. Torikoshi, T. Tsunoo, M. Sasaki, M. Endo, Y. Noda, Y. Ohno, T. Kohno, K. Hyodo, K. Uesugi, N. Yagi, Electron density measurement with dual-energy X-ray CT using synchrotron radiation, Phys. Med. Biol., 48 (2003) 673. Y. Yamashita, M. Kimura, M. Kitahara, T. Hamaguchi, I. Kanno, M. Ohtaka, M. Hashimoto, K. Ara, H. Onab, Measurement of effective atomic numbers using energy resolved computed tomography, J. Nucl. Sci. Technol., 51 (2014)1256.
非特許文献3によれば、白色X線を用いて得られたCT測定データから、エネルギー分解CTによって透過X線のエネルギー分布を導出して、異なる二つのエネルギーに対する線減弱係数を求めるとともに、実効原子番号を測定することができる。しかしながら、この場合には、検出器の応答関数が必要となり、予め被検体中に含有されている物質を用いて応答関数を求めておく必要があった。このため、被検体に含有される物質が未知の場合には、この方法は適用できないという課題があった。
一方、特許文献2では、決定論的方法を用いて計算により応答関数を求めることが開示されている。この方法によれば、検出器の応答関数を得ることで、被検体に含有される物質が未知の場合であっても実効原子番号を測定することができる。しかしながら、決定論的方法を用いて計算により応答関数を求める方法は、X線が通過する物質の質量減弱係数、密度、厚さを用いて、X線源から放出されたエネルギーEを持つX線光子数と、物質を通過して検出器に入射するX線光子数との関係を計算するものである。すなわち、特許文献2に記載の方法は、単に入射X線と、物質を通過したX線との強度の計算を行っているに過ぎず、応答関数を適切に得ることができなかった。このため、このような応答関数を用いて求められるエネルギー分布も正確とはいえなかった。
本発明は、上記のような課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的の一つは、検出器の応答関数を計算によって適切に求めるとともに、この応答関数を用いて未知の対象物に対する透過X線のエネルギー分布を高い精度で求めることができるエネルギー分解CTの解析装置、X線CT装置、エネルギー分解CTの解析方法、及びエネルギー分解CTの解析プログラムを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、応答関数をX線の散乱要素を加味して演算することで、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下に示す種々の具体的態様を提供する。
〔1〕X線源から放出されて被検体を透過した透過X線を、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線としてX線を検出する検出器で測定することで得られた測定値を取得する取得部と、前記検出器に入射するX線のエネルギーと前記検出器に付与されるエネルギーとの関係を示す応答関数を用いて、前記測定値から前記透過X線のエネルギー分布を導出する導出部と、前記応答関数をX線の散乱要素を加味して演算する演算部とを備えるエネルギー分解CTの解析装置。
〔2〕前記演算部は、確率論的シミュレーションによって前記応答関数を演算する、〔1〕に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
〔3〕前記応答関数の設定エネルギーの幅が、0.1keV以上、20keV未満である、〔1〕又は〔2〕に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
〔4〕前記導出部は、前記応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、前記測定値をアンフォールディング解析することで前記透過X線のエネルギー分布を導出し、前記初期推定X線エネルギースペクトルとして、X線が前記被検体を通過することにより生じるX線の減弱と同様の減弱を示す等価厚さを有する基準物質を通過したX線のエネルギースペクトルを用いる、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
〔5〕前記エネルギー分布から、前記エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける前記被検体の線減弱係数を算出する算出部をさらに備える、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
〔6〕前記線減弱係数を算出する際の前記設定エネルギーの分割幅が、20keV未満である、〔5〕に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
〔7〕2種の前記設定エネルギーにおける前記線減弱係数から前記線減弱係数の比を求めて、前記比から前記被検体の実効原子番号を評価する評価部をさらに備える、〔5〕又は〔6〕に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のエネルギー分解CTの解析装置と、前記X線源と前記検出器とを有する測定部とを有するX線CT装置。
〔9〕被検体を透過した透過X線を互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線としてX線を検出する検出器で測定することで得られた測定値から、前記検出器に入射するX線のエネルギーと前記検出器に付与されるエネルギーとの関係を示す応答関数を用いて、前記透過X線のエネルギー分布を導出する導出ステップと、前記エネルギー分布から、前記エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける前記被検体の線減弱係数を算出する算出ステップと、2種の前記設定エネルギーにおける前記線減弱係数から前記線減弱係数の比を算出して、前記被検体の実効原子番号を評価する評価ステップと、前記応答関数をX線の散乱要素を加味して演算する演算ステップとを備えるエネルギー分解CTの解析方法。
〔10〕コンピュータを、X線源から放出されて被検体を透過した透過X線を、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線としてX線を検出する検出器で測定することで得られた測定値を取得する取得部と、前記検出器に入射するX線のエネルギーと前記検出器に付与されるエネルギーとの関係を示す応答関数を用いて、前記測定値から前記透過X線のエネルギー分布を導出する導出部と、前記応答関数をX線の散乱要素を加味して演算する演算部として機能させ、前記演算部は、確率論的シミュレーションによって前記応答関数を演算することを特徴とするエネルギー分解CTの解析プログラム。
〔11〕前記コンピュータを、前記エネルギー分布から、前記エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける前記被検体の線減弱係数を算出する算出部と、2種の前記設定エネルギーにおける前記線減弱係数から前記線減弱係数の比を求めて、前記比から前記被検体の実効原子番号を評価する評価部としてさらに機能させる、〔10〕に記載のエネルギー分解CTの解析プログラム
本発明によれば、決定論的方法を用いて計算により求める場合よりも、検出器の応答関数をより適切に求めるとともに、未知の対象物に対する透過X線のエネルギー分布をより高い精度で求めることができる、エネルギー分解CTの解析装置、X線CT装置、エネルギー分解CTの解析方法、及びエネルギー分解CTの解析プログラムを提供することができる。
実施形態に係るX線CT装置及び解析装置のハードウェア構成の例を示すブロック図である。 実施形態に係るX線CT装置及び解析装置の機能構成の例を示すブロック図である。 実施形態に係る検出器の概略図である。 実施形態に係るエネルギー分解CTの解析方法の手順を示すフローチャートである。 実施例におけるX線源、被検体、及び検出器の配置関係を示す概略図である。 実施例における各検出素子の応答関数を示すグラフである。 PMMAの厚さとPMMAを通過したX線の減弱との関係を示すグラフである。 実施例におけるファントムのエネルギー分解CT画像であって、40keVのX線を用いて再構成したものである。 実施例における線減弱係数の測定値と理論値と相対誤差を示すグラフであって、(a)はポリプロピレン(PP)の例、(b)はABS樹脂(ABS)の例、(c)はポリカーボネート(PC)の例、(d)はPMMAの例、(e)はポリフッ化ビニリデン(PVDF)の例を示している。 米国標準局のデータを用いた40keVと65keVの線減弱係数比μ(40)/μ(65)と実効原子番号の関係を示すグラフである。 測定により得られた実効原子番号と、Mayneordの式で求めた実効原子番号との関係を示すグラフである。 演算で求めた5種のプラスチックの線減弱係数を示すグラフである。 実効原子番号の関数としての感度を示すグラフである。
本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
本明細書において、「〜」を用いてその前後に数値又は物性値を挟んで表現する場合、その前後の数値又は物性値を含むものとして用いることとする。例えば「1〜100」との数値範囲の表記は、その下限値「1」及び上限値「100」の双方を包含するものであり、「1以上100以下」を表す。他の数値範囲の表記も同様である。
本実施形態に係るX線CT装置は、エネルギー分解CTの解析を行う、エネルギー分解CTの解析装置(以降、「解析装置」ともいう。)を備えている。ここで、エネルギー分解CTとは、被検体を透過した透過X線のエネルギー分布を求め、各測定点においてある特定のエネルギーを持つX線光子数をCTデータとし、これを用いて画像再構成を行うことで、特定のエネルギーのX線を用いたCT画像を作成する手法をいう。得られたCT画像は、用いた特定のエネルギーのX線に対する被検体内の物質の線減弱係数分布を示す。
X線CT装置は、X線を放出するX線源と、X線を検出する検出器とを有しており、X線源から放出されて被検体を透過した透過X線を、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として検出器で測定する。そして、解析装置は、応答関数を用いて、検出器で測定された測定値から透過X線のエネルギー分布を導出する。応答関数とは、検出器に入射するX線のエネルギーと検出器に付与されるエネルギーとの関係を示すものである。さらに、解析装置は、少なくともX線の散乱要素を加味した演算によって応答関数を求める。
透過X線を互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として測定するとは、被検体の任意の測定点を透過した透過X線を、検出器で複数種類を検出することで測定を行い、且つ検出器によって検出されるこれら複数種類の透過X線が、互いに異なるX線エネルギースペクトルを有することをいう。例えば、X線管から放出されたあるエネルギースペクトルを有するX線が被検体の任意の測定点を透過したのち、図3に示すようなtransXend検出器で測定される場合には、各検出素子に入射するX線エネルギースペクトルがそれぞれ異なるものとなる。そして、各検出素子で測定される電流値がそれぞれ異なるものとなる。このため、応答関数を利用して、各検出素子で測定された電流値から、被検体の任意の測定点を透過した後の透過X線のエネルギー分布を導出することができる。
X線の減弱は、スカラー量の掛け算で表現される。すなわち、A×BとB×Aとは同じ作用をもたらす。このため、上述のように、被検体透過後のX線をtransXend検出器の各検出素子で減弱させてX線エネルギースペクトルを変化させた場合と、例えば検出素子1個をX線が透過し、その後、被検体を透過した場合とでは、同じ作用をもたらす。このため、X線源側において、複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を放出するようにし、これらが被検体を透過したのちに一つの検出器で測定した場合と、複数の検出素子からなるtransXend検出器で測定した場合と同様の結果を得ることができる。したがって、透過X線を互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として測定するためには、X線源側において、複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を放出するようにしてもよく、または、検出器側において、複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を検出するようにしてもよい。または、X線源側において、複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を放出するとともに、検出器側において、複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を検出するようにしてもよい。
X線源側において複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を放出する場合には、例えば、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を放出する複数のX線源を用いて、これら複数のX線源からX線を放出することによって行うことができる。または、X線源と被検体との間に、X線の吸収特性の異なる複数種類のフィルタを配置して、このフィルタを通過したX線を被検体に照射することによって行うことができる。このとき、例えばX線の吸収特性の異なる複数の領域を有する円板等を設けて、このフィルタ付き円板を回転させることで、被検体に照射するX線エネルギースペクトルを変化させてもよい。
検出器側において複数のX線エネルギースペクトルを有するX線を検出する場合には、入射放射線に対する応答特性が異なる複数の検出素子を並べた検出器を用いることができる。このような検出器としては、特許第5367574号公報に記載のように、個々の検出器をX線入射方向に並べた積層型のものを用いることができる(図3参照)。この積層型の検出器は、transXend検出器とも称される。または、特開2017−12593号公報に記載のように、被検体と検出器との間に設けられX線の吸収特性の異なる複数種類のフィルタと、フラットパネル検出器とを組み合わせた2次元X線検出器を用いた平面型のものを用いることができる。または、被検体と検出器との間にX線の吸収特性の異なる複数の領域を有する円板等を設けて、このフィルタ付き円板を回転させることで、被検体を通過して検出器に検出されるX線エネルギースペクトルを変化させてもよい。この場合、一つの検出器でフィルタ付き円板を通過したX線を検出することもできる。
以降、本実施形態においては、一つのX線源と、複数の検出素子をX線入射方向に並べた積層型の検出器を有し、透過X線を互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として測定するX線CT装置及び解析装置を例に挙げて説明する。なお、本実施形態において、透過X線を互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として測定するとは、積層型の検出器を構成する複数の検出素子によってX線を検出する場合において、それぞれの検出素子によって検出されるX線のエネルギースペクトルが異なるようにして、測定を行うことをいう。より具体的には、個々の検出素子が、例えば厚さ1mmであって、Siの結晶にLiをドープ及びドリフトしたSi(Li)半導体によって構成される場合において、透過X線がこれらの検出素子を厚み方向に通過する際に、検出素子によって透過X線が吸収されることによって生じるエネルギースペクトルの変化を利用して、個々の検出素子が異なるX線エネルギースペクトルを有する透過X線を用いた測定を行うことをいう。
[1.構成]
本実施形態に係るX線CT装置及び解析装置の構成について、図1〜図3を参照して説明する。
[1−1.ハードウェア構成]
図1に示すように、X線CT装置100は、解析装置20と、これに接続されるX線源11、検出器12、表示装置50を備えている。また、X線CT装置100は、キーボード、マウス等の入力装置(図示略)と、X線源11及び検出器12を被検体に対して回転移動させる駆動装置(図示略)とをさらに備えている。この駆動装置によって、所定の角度間隔で全方向から被検体の透過X線を測定することができる。解析装置20は、例えば、検出器12で得られた測定データを処理するためのコンピュータによって構成されている。解析装置20は、CPU(Central Processing Unit;中央処理装置)30、メモリ40、及び入出力インターフェース(図示略)を備え、これらがデータを転送するための経路であるバス(図示略)によって接続されている。解析装置20は、入出力インターフェースを介して、X線源11、検出器12、表示装置50、入力装置、及び駆動装置と接続されている。
なお、本実施形態において、コンピュータとは、ハードウェアとオペレーティングシステムとを含む概念であり、オペレーティングシステムの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、オペレーティングシステムが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とを備えている。
以下、各部の構成を説明する。
<X線源>
X線源11は、X線を放出するX線管である。X線源11は、カソードとアノードを有しており、カソードとアノードとの間に電圧を印加することで、カソードのフィラメントから電子を放出させることができる。そして、フィラメントから放出された電子がアノードに衝突することによって、X線が放出される。X線源11から放出するX線は、被検体に向けて照射することができる。X線源11から被検体に向けてX線が照射されると、被検体を透過したX線が検出器12に入射する。
X線源11から照射されるX線としては、特に限定されないが、例えば120kVpに加速した電子をアノードのタングステンターゲットに衝突させることで放出される白色X線を用いることができる。アノードから放出されたX線は、X線透過材料からなるX線透過窓を通じて出射される。X線透過窓に用いられるX線透過材料としては、例えば、ベリリウムが挙げられる。X線源11から照射されるX線は、金属フィルタを透過させることで、金属フィルタに応じた特定のエネルギー成分を吸収させることができる。このように、金属フィルタを用いて所望のエネルギーを持つフィルタX線を放出するようにしてもよい。金属フィルタに用いられる材料としては、例えば、アルミニウム、クロム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、タングステン等が挙げられる。
<検出器>
検出器12は、X線を検出する検出装置である。図3に示すように、本実施形態の検出器12は、X線の進行方向にCh1〜Ch4までの4個の要素検出器(検出素子)13〜16を配置した積層型の検出器である。各検出素子13〜16の検出媒体として、本実施形態ではSi(Li)半導体を用いている。検出素子13〜16の検出媒体はこれに限定されず、CdTe等の他種の半導体を用いてもよく、各種シンチレーター等の一般的な放射線検出器の検出媒体を利用することもできる。検出素子13〜16は、入射したX線から付与されたエネルギーによって電荷を発生することで、電流を出力する。検出器12は、X線を電流として測定するため、大量のX線が検出器に入射した場合でも測定が可能である。一方、個々のX線のエネルギーを測定する方式のX線検出器においては計数率の制限から、5×105-1以上のX線光子数では十分な測定ができないとされている。検出素子13〜16から出力した電流は、各検出素子13〜16に対応して設けられた増幅器17に送られて、増幅器17によって増幅される。そして、検出素子13〜16に対応して、増幅器17によって増幅されたI1〜I4の電流値が検出器12の測定値として出力される。
このとき、検出素子13〜16のそれぞれが透過X線の吸収体ともなるため、X線の入射方向から一番手前側のCh1の検出素子13は、透過X線によって付与されるエネルギーが比較的に多い傾向にある。一方、X線の入射方向からCh2、Ch3、Ch4の検出素子14,15,16の順に離れるにつれて、透過X線によって付与されるエネルギーが減少する傾向にある。また、透過したX線がCh1、Ch2、Ch3、Ch4の検出素子13,14,15,16に到達するにつれて、線質硬化でX線エネルギースペクトルは、低エネルギーのX線光子数が高エネルギーのX線光子数と比較して少なくなる。これにより、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として、透過X線を測定することができる。そして、X線のエネルギーと検出素子13〜16との位置の関数として、応答関数を用意することで、各検出素子13〜16によって測定される電流値を用いて透過X線のエネルギー分布を導出することができる。
<表示装置>
表示装置50としては、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Light-Emitting Diode Display)等のディスプレイが用いられる。
<CPU>
CPU30は、種々の制御や演算を行なう処理装置であり、メモリ40に格納された後述する本件のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。そして、CPU30が、これらのプログラムを実行することにより、図2で示すように、処理部130の各機能手段としてそれぞれ機能する。なお、処理部130における処理機能の実現手段はプログラムに限定されず、解析装置20に搭載されるハードウェアにより実現されてもよい。例えば、処理部130を、ROM,RAM,CPU等を内蔵したワンチップマイコンとして構成してもよいし、あるいは、デジタル回路やアナログ回路といった電子回路として形成してもよい。
<メモリ>
メモリ40は、種々のデータやプログラムを格納するデータ記憶装置である。メモリ40は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリや、ROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、またはHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Device)等によって実現される。
[1−2.機能構成]
図2に示すように、X線CT装置100を機能的に表すと、測定部110、表示部150、及び処理装置20を備えて構成される。処理装置20は、処理部130、及び記憶部140を備える。
以下、各部の構成を説明する。
<測定部>
測定部110は、X線源11と検出部112とを有している。X線源11から放出されて被検体を透過した透過X線が検出部112に入射することで、検出部112は透過X線を検出する。解析装置20は、X線源11からX線を放出するタイミングを制御することで、所定の周期で被検体にX線を照射することができる。
<検出部>
検出部112は、検出器12である。図3に示すように、検出部112の各検出素子13〜16に透過X線が入射することで、検出素子13〜16から電流が出力される。さらに、検出素子13〜16から出力されるとともに増幅器17で増幅されたI1〜I4の電流値が測定値として、取得部131に出力される。
<表示部>
表示部150は、表示装置50である。表示部150は、解析装置20で信号処理された情報、及び記憶部140に格納される情報等を表示することができる。例えば、表示部150は、演算部132で求められる応答関数を表示することができる。また、表示部150は、導出部133で導出されるエネルギー分布を表示することができる。また、表示部150は、算出部134で求められる線減弱係数を表示することができる。また、表示部150は、評価部135で求められる実効原子番号を表示することができる。
<記憶部>
記憶部140は、メモリ40を用いてデータを格納している。記憶部140は、解析装置20で信号処理された情報、及び記憶部140に格納される情報等を表示することができる。例えば、記憶部140は、応答関数、エネルギー分布、線減弱係数、実効原子番号を格納することができる。また、記憶部140は、CPU30に実行させることで、後述する取得部131、演算部132、導出部133、算出部134、及び評価部135としてそれぞれ機能させるプログラムを予め保存する。これらのプログラムをあわせて、本件のプログラム(解析プログラム)と称する。
<処理部>
処理部130は、CPU30で演算処理される機能部位であり、各機能は個別のプログラムとして構成されている。処理部130は、図2で示すように、取得部131、演算部132、導出部133、算出部134、及び評価部135としてそれぞれ機能する。
本件のプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD(CD−ROM,CD−R,CD−RW等)、DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD+R,DVD−RW,DVD+RW,HD DVD等)、ブルーレイディスク、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。そして、解析装置20はその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置(例えば、メモリ40)または外部記憶装置に転送し格納して用いる。または、本件のプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の図示しない記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信経路を介して解析装置20に提供するようにしてもよい。
<取得部>
取得部131は、検出部112で測定した測定値を取得するものである。取得部131は、取得した測定値を導出部133に出力する。なお、予め検出部112によって測定した測定値を記憶部140に格納しておき、取得部131はこの測定値を記憶部140から読み出すことで取得するようにしてもよい。
<演算部>
演算部132は、応答関数を少なくともX線の散乱要素を加味して演算するものである。ここで、i番目の検出素子の応答関数とは、あるエネルギーEのX線が検出器12に入射した場合に、i番目の検出素子に付与されるエネルギーということができる。そこで、演算部132は、所定の設定エネルギー範囲において、所定の設定エネルギー幅ごとに、所定のX線光子数のX線を検出器12に入射させることで、検出素子13〜16に付与されたエネルギーを計算によって評価することで、応答関数を求める。
演算部132による演算は、確率論的シミュレーションによって応答関数を演算することが好ましく、中でもモンテカルロシミュレーション計算によって応答関数を演算することがより好ましい。モンテカルロシミュレーション計算は、例えば、モンテカルロシミュレーションコードGEANT4(S. Agostinelli, J. Allison, K. Amako, J. Apostolakis, H. Araujo, P. Arce, M. Asai, D. Axen, S. Banerjee, G. Barrand, et al., GEANT4 - a simulation toolkit, Nucl. Instrum. Methods in Phys. Res., A506 (2003) 250.;参照)を用いて行うことができる。この際、検出素子13〜16を収納するシャーシボックスによる散乱X線や、各検出素子13〜16で発生する散乱X線も考慮することが好ましい。また、コンプトン効果や、二次電子の発生を考慮することが好ましい。すなわち、従来の決定論的方法では直進するX線のみを考慮していたのに対して、本実施形態における応答関数では、X線の散乱要素、コンプトン効果、二次電子の発生等を加味して応答関数の演算を行うものである。
演算部132によりシミュレーション計算によって応答関数を求める場合には、応答関数の設定エネルギー範囲は、下限値が通常20keV、好ましくは10keVであり、上限値は加速電圧によって得られるX線の最大エネルギーとすることができる。すなわち、例えば、加速電圧が120kVpの場合には120keVであり、140kVpの場合には140keVである。また、応答関数の設定エネルギー幅は、通常0.5keV以上、好ましくは1keV以上であり、通常20keV未満、好ましくは10keV以下、より好ましくは5keV以下である。また、入射されるX線光子数は、1×109個程度でもよいが、計算に用いるX線光子数が多数の場合、数量に従って計算時間が長くなるため、108個程度で十分である。応答関数の設定エネルギー幅が上記範囲内であると、精度の高いエネルギー分布が得られる傾向にある。
<導出部>
導出部133は、演算部132によって求められた応答関数を用いて測定値から透過X線のエネルギー分布を導出するものである。導出部133は、応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、測定値をアンフォールディング解析することで透過X線のエネルギー分布を導出することが好ましい。アンフォールディング解析は、公知の手法を用いて行うことができ、例えばアンフォールディングコードSANDIIを用いることができる(W. McElroy, S. Berg, T. Crockett, R. G. Hawkins, A computer-automated iterative method for neutron flux spectra determination by foil activation, Air Force Weapons Laboratory (1967).;参照)。
アンフォールディング解析を行う際の設定エネルギー範囲は、下限値が通常20keV、好ましくは10keVであり、上限値は演算部132で設定される応答関数の設定エネルギー範囲と同様に、加速電圧によって得られるX線の最大エネルギーとすることができる。すなわち、例えば、加速電圧が120kVpの場合には120keVであり、140kVpの場合には140keVである。また、アンフォールディング解析を行う際の設定エネルギー幅は、通常0.1keV以上、好ましくは0.5keV以上、より好ましくは1keV以上であり、通常20keV未満、好ましくは10keV以下、より好ましくは5keV以下である。アンフォールディング解析を行う際の設定エネルギー幅が上記上限値を下回ると、精度の高いエネルギー分布が得られる傾向にある。また、アンフォールディング解析を行う際の設定エネルギー幅が上記下限値を上回ると、設定エネルギー幅に含まれるX線光子数が増加して統計誤差を抑えられる傾向にある。
アンフォールディング解析によって、設定エネルギー範囲と設定エネルギー幅に応じた個数のエネルギー分布を得ることができる。例えば設定エネルギー範囲が20keVから120keVまであって、設定エネルギー幅が1keVである場合には、20keVから例えば120keVまでの各設定エネルギーにおける101個のエネルギー分布を得ることができる。
アンフォールディング解析のためには、初期推定X線エネルギースペクトルを入力する必要がある。一般的に、アンフォールディング解析の結果は、初期推定X線エネルギースペクトルに大きく依存する。このため、好適な初期推定X線エネルギースペクトルを用いることが望ましい。このような、初期推定X線エネルギースペクトルとしては、例えば、X線が被検体を通過することにより生じるX線の減弱と同様の減弱を示す等価厚さを有する基準物質を通過したX線のエネルギースペクトルを用いることが好ましい。
以下、初期推定X線エネルギースペクトルについて説明する。なお、ここでは、基準物質をPMMAとする場合を例に挙げて説明する。
好適な初期推定X線エネルギースペクトルを得るため、まず、各測定点(x,θ)におけるX線の減弱をPMMAによる減弱と仮定して、PMMAの厚さを求める。すなわち、被検体中の物質の種類にかかわらず、被検体通過後にX線の入射方向から一番手前側のCh1の検出素子13(以降、「第一検出素子」ともいう。)で測定された電流値の減弱率を示す基準物質の厚さを求めることができる。
Figure 0006940065
式(1)は、測定点(x,θ)において被検体中のn種類の物質によって減弱を受けたX線が、第一検出素子によって測定された電流値を示す。I1(x,θ)は測定点(x,θ)で第一検出素子が測定した電流値、I0は、空気のみを通過したX線が第一検出素子で測定された場合の電流値である。また、μi(E)/ρiは物質iのエネルギーEのX線に対する質量減弱係数、ρi *は物質iの密度(水溶性物質等は、密度が変化するため)、ti(x,θ)は、測定点(x,θ)においてX線が物質iを通過する距離を示す。
被検体がPMMAのみで構成されているとして、式(2)によりこの電流値を再現するPMMA厚さを設定することが可能である。
Figure 0006940065
ここで、式(2)中、(μP(E)/ρP)ρPP(x,θ)において、μP(E)/ρPはエネルギーEのX線に対するPMMAの質量減弱係数、ρPはPMMAの密度、そしてtP(x,θ)は測定点(x,θ)においてX線が通過するPMMAの厚さを示す。このPMMA厚さをPMMA等価厚さと呼ぶ。このように、被検体の測定各点におけるX線減衰率を基準物質の等価厚さで表現し、その測定点における基準物質の等価厚さを通過したX線スペクトルを、解析の初期推定X線エネルギースペクトルとして用いることができる。
<算出部>
算出部134は、導出部133によって求められたエネルギー分布から、エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける被検体の線減弱係数を算出するものである。算出部134は、エネルギー分布から、所望の設定エネルギーにおいて、設定エネルギー幅に含まれるX線光子数を被検体の各測定点について抽出する。さらに、算出部134は、抽出された各測定点のX線光子数をCTデータとして画像再構成を行うことで、所望の設定エネルギーのX線を用いたエネルギー分解CT画像を得ることができる。エネルギー分解CT画像の画素値は、各設定エネルギーにおけるエネルギーのX線に対する測定対象物質の線減弱係数分布を示している。このため、算出部134は、エネルギー分解CT画像の測定対象物質に対応する箇所の画素値から、測定対象物質の線減弱係数を求めることができる。この作業を設定エネルギー範囲に含まれる複数の設定エネルギーにおいて、エネルギー分解CT画像を得るとともに線減弱係数を求めることで、X線エネルギーの関数として、線減弱係数を得ることができる。このとき、設定エネルギー範囲に含まれる全ての設定エネルギーにおいて線減弱係数を得ることが好ましい。
線減弱係数を算出する際の設定エネルギーの分割幅は、通常0.1keV以上、好ましくは0.5keV以上、より好ましくは1keV以上であり、通常20keV未満であり、好ましくは15keV以下、より好ましくは10keV以下、さらに好ましくは5keV以下である。線減弱係数を算出する際の設定エネルギー幅が上記上限値を下回ると、精度の高い線減弱係数が得られる傾向にある。また、線減弱係数を算出する際の設定エネルギー幅が上記下限値を上回ると、統計誤差を抑えられる傾向にある。
<評価部>
評価部135は、2種の設定エネルギーにおける線減弱係数から線減弱係数の比を求めて、この比から被検体の実効原子番号を評価するものである。米国標準局が刊行している原子番号−線減弱係数のテーブルを利用して、原子番号と2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比との関数のグラフを求めておくことができる。そして、この原子番号と2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比との関係のグラフにおいて、透過X線の測定を経て算出部134によって得られた2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比の値が乗る点に相当する原子番号を、その物質の実効原子番号として求めることができる。
このとき、2種のエネルギーは任意に選定できるが、被検体を透過した透過X線は、低エネルギーのX線光子数の減弱が大きい傾向にある。すなわち、例えば、30keVや35keV付近の低エネルギーのX線光子数は少なく、実験で得られたこれらのX線エネルギーの線減弱係数には誤差がより大きく含まれる傾向にある。このような誤差が生じることを避けるため、40keV以上の2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比を求めることが好ましい。例えば、40keVと65keVのX線に対する線減弱係数μ(40)とμ(65)とを用いて、その比μ(40)/μ(65)を計算することが好ましい。
本実施形態に係る解析方法によれば、実効原子番号の測定範囲は、その下限は通常3以上、好ましくは5以上であり、その上限は通常83以下、好ましくは40以下、より好ましくは25以下である。
[2.動作]
上述したX線CT装置100及び解析装置20の動作によって行う、本実施形態のエネルギー分解CTの解析方法について、図4のフローチャートを参照して説明する。
被検体に対する透過X線の測定を行うに際して、まず測定に用いられるX線CT装置100に備えられる検出器12に固有の応答関数を導出する(ステップS101:導出ステップ)。応答関数の導出は、導出部133が、X線の散乱要素を加味して演算することで行うことができる。本実施形態では、演算部132は、モンテカルロシミュレーションコードを用いた確率論的シミュレーションによって応答関数を演算する。導出部133は、求めた応答関数を記憶部140に出力する。記憶部140は、導出部133によって求められた応答関数を格納する。
次に、解析装置20は、X線源11からX線を放出させるとともに、検出部112によって被検体を透過した透過X線を測定する(ステップS102:測定ステップ)。検出部112は、測定値を解析装置20に出力する。解析装置20は、取得部131から出力された測定値を取得部131によって取得する。そして、解析装置20は、取得部131によって取得した測定値を、導出部133に出力する。
導出部133は、ステップS101で導出した応答関数を記憶部140から読み出して、この応答関数を用いて、ステップS102で測定された測定値から透過X線のエネルギー分布を導出する(ステップS103:導出ステップ)。本実施形態では、導出部133は、応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、測定値をアンフォールディング解析することで透過X線のエネルギー分布を導出する。またこのとき、導出部133は、20keVから120keVまでの設定エネルギー範囲において、1keV幅で101個のエネルギー分布を得ている。導出部133は、求めたエネルギー分布を算出部134に出力する。
続いて、算出部134は、ステップS103で導出したエネルギー分布から、エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける被検体の線減弱係数を算出する(ステップS104:算出ステップ)。本実施形態では、算出部134は、導出部133によって求められた20keVから120keVまでの設定エネルギー範囲において、1keV幅で101個のエネルギー幅数のデータをもとに画像再構成を行い、得られたエネルギー分解CT画像から測定対象物質の線減弱係数を求める。これにより、算出部134は、X線エネルギーの関数として線減弱係数を得る。算出部134は、求めた線減弱係数を評価部135に出力する。
評価部135は、2種の設定エネルギーにおける線減弱係数から線減弱係数の比を算出して、被検体の実効原子番号を評価する(ステップS105:評価ステップ)。このとき、評価部135は、米国標準局が刊行している原子番号−線減弱係数のテーブルを利用して予め作製しておいた、原子番号と2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比との関数のグラフを記憶部140から読み出す。そして、読み出された原子番号と2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比との関数のグラフにおいて、ステップS104で得られた線減弱係数から算出される2種の設定エネルギーにおける線減弱係数の比の値を参照することで、実効原子番号を求める。評価部135は、求めた実効原子番号のデータを表示部150に送信する。表示部150は、実効原子番号データを受信して、実効原子番号を表示する。
上記説明では、ステップS101〜S105により、検出器12の応答関数を導出した上で、被検体の実効原子番号を評価する場合を例に挙げて説明した。応答関数は検出器12に固有のものであるため、ステップS101において検出器12の応答関数を導出した後に、さらに他の被検体の実効原子番号を評価する場合には、ステップS101を省略して、ステップS102〜S105により評価を行うことができる。このとき、ステップS101で導出した応答関数を繰り返し用いることができる。
[3.効果]
(1)解析装置20によれば、演算部132による演算によって、検出器12に固有の応答関数を求めることができる。演算によって求めた応答関数を用いることで、検出器12によって測定された未知の測定対象物に対する測定値から、導出部133は透過X線のエネルギー分布を導出することができる。このとき、演算部132は、X線の散乱要素を加味し、応答関数を演算する。このように、解析装置20では応答関数の演算に散乱要素が含まれることで、決定論的方法を用いて計算により求める場合よりも本来のX線の挙動が反映されて、検出器12の応答関数をより適切に求めることができる。さらに、このような応答関数を用いることで、未知の測定対象物に対する透過X線のエネルギー分布をより高い精度で求めることができる。
(2)導出部133は、応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、測定値をアンフォールディング解析することで透過X線のエネルギー分布を導出する。このとき、導出部133は、初期推定X線エネルギースペクトルとして、X線が被検体を通過することにより生じるX線の減弱と同様の減弱を示す等価厚さを有する基準物質を通過したX線のエネルギースペクトルを用いている。これにより、初期推定X線エネルギースペクトルを適切に設定することで、エネルギー分布をより正確に求めることが可能となった。また、このエネルギー分布から、線減弱係数をより正確に求めることが可能となった。
(3)評価部135は、2種の設定エネルギーにおける線減弱係数から線減弱係数の比を求めて、この比から被検体の実効原子番号を評価する。これにより、被検体の線減弱係数を直接比較することで区別が困難な場合であっても、線減弱係数の比から実効原子番号を求めることで、被検体の明確な識別が可能となった。
[4.用途]
X線CT100及び解析装置20は、被検体を透過した透過X線を測定することによって、被検体(検査対象物)の実効原子番号の測定に用いられる。被検体は特に限定されないが、例えば、動物、植物、果実、木材、樹脂、プラスチック、ゴム、ガラス、セラミック、金属、又はこれらの複合材等が挙げられる。動物としては、人体にも用いることができる。人体等の生体に用いる場合には、実効原子番号によって、生体中の血管、臓器、組織、骨等の識別に用いることができる。また、リンゴ等の果実に用いる場合には、実効原子番号によって、糖度の測定に用いることができる。また、ウシ、ブタ等の家畜や、マグロ等の水産物に用いる場合には、筋肉部位と脂肪部位との識別に用いることができる。その他、手荷物検査等において、爆発物や薬物の検査に用いることができる。
[5.その他]
上記の実施形態では、検出器12が4個の検出素子13〜16を有する場合を例に挙げて説明した。検出素子の数は複数であればよく特に制限されるものではないが、検出素子の数が多いほど、透過X線を複数のX線エネルギースペクトルを有するX線として測定することによって、精度の高いエネルギー分布が得られる傾向にある。このため、検出素子の数は、通常3個以上、好ましくは4個以上である。一方、検出素子の数が多いと検出器12の製作にかかるコストが高くなるため、通常10個以下、好ましくは6個以下である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。
図5の実験配置図に示すように、X線源11、検出器12、及び被検体を配置して、実効原子番号の測定を行った。ここでは、X線源11として白色X線を放出するX線管を用いている。X線管のアノードから放出されたX線は、ベリリウム及びアルミニウム製のフィルタを通過する。さらに、1mm径の孔を有するコリメーターを通じてX線を放出させている。X線源11と検出器12との間の距離を300mmとなるように配置した。また、被検体は、X線源11と検出器12とそれぞれからの距離が150mmとなるように中間に配置した。被検体としては、直径30mmのPMMA円柱に直径5mmの4種のプラスチック棒を入れたファントムを用いた。ここで用いた4種のプラスチックは、ポリプロピレン(PP)、ABS樹脂(ABS)、ポリカーボネート(PC)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。
まず、計算により、検出器12の個々の検出素子13〜16の応答関数を導出した。ここでは、検出素子13〜16が収納されるアルミニウム製シャーシボックス等によるX線の散乱も考慮に入れるため、モンテカルロシミュレーションコードGEANT4を用いたモンテカルロシミュレーションによって応答関数を求めた。このとき、20keVから120keVの間のエネルギーで1keVごとに108個のX線を検出器12に入射させて、Ch1〜Ch4の4個の検出素子13〜16に付与されたエネルギーを計算によって評価することで応答関数を求めた。求めた応答関数を図6に示す。
次に、図5を参照して説明した系において、被検体を透過した透過X線を4個の検出素子13〜16で測定した。測定はX線管電圧120kV、管電流2.4mA、測定時間1秒の条件で行った。このとき、ファントムを、並進移動(x)0.4mm、回転移動(θ)5度の並進−回転測定を行いながら測定を行った。
続いて、各検出素子13〜16で測定された電流の測定値を入力として、既に求めた応答関数を用いて、アンフォールディング解析を行った。ここでは、SANDIIを用いてアンフォールディング解析を行った。この際に、設定エネルギー幅は1keV、設定エネルギー範囲を20keVから120keVまでとした。このとき、X線源11に最も近いCh1の検出素子13の電流値について、X線が空気のみを透過した場合の電流値I0と、測定点(x,θ)における値I(x,θ)との比をとることで、減弱の度合いを求めた。そして、PMMAの厚さと、PMMAを透過したX線の減弱率との関係を示す図7のグラフを用いて、ファントム透過によるX線の減弱をPMMAによる減弱として換算することで、X線源11に最も近い検出素子13の減弱の度合いを実現するPMMA厚さを求めた。このPMMA換算厚さのPMMAを透過したX線エネルギースペクトルを計算で求め、アンフォールディングの際の初期X線エネルギースペクトルとして用いた。
アンフォールディングの結果、設定エネルギー範囲が20keVから120keVまであって、設定エネルギー幅が1keVでの101個のX線エネルギー分布を得て、これをCTデータとして画像再構成により20〜120keVまで1keVごとのX線を用いたエネルギー分解CT画像を得た。このうち、図8では40keVのX線で再構成したエネルギー分解CT画像を例示している。このエネルギー分解CT画像において、各測定対象物質に対応する箇所の画素値から、PP、ABS、PC、PMMA、及びPVDFの40keVの線減弱係数を求めた。この作業を20keVから120keVまでの全てのエネルギー分解CT画像に対して行うことで、図9に示すように、X線エネルギーの関数として、線減弱係数を得た。図9では、線減弱係数の測定値を実線で、理論値を破線で、相対誤差を細線で示している。ここでの理論値は、米国標準局のデータ(J. H. Hubbell, S. M. Seltzer, Tables of X-ray mass attenuation coefficients and mass energy-absorption coefficients from 1 keV to 20 MeV for elements Z = 1 to 92 and 48 additional substances of dosimetric interest. The Physical Measurement Laboratory, The National Institute of Standard and Technology; 2010. Available from: http://www.nist.gov /pml/data /xraycoef / index.cfm.;参照)を示してある。また、「(測定値−理論値)/理論値」を相対誤差として示している。
米国標準局が刊行している原子番号−線減弱係数のテーブルを利用して作成した、原子番号の関数として、40keVと65keVの線減弱係数の比であるμ(40)/μ(65)のグラフを図10に示す。
図9から各プラスチックのμ(40)/μ(65)の線減弱係数の比を求め、図10において、μ(40)/μ(65)の値が曲線に乗る点の原子番号から実効原子番号を求めた。測定により得られた各プラスチックの実効原子番号を、「実験40/65keV」として図11に示した。
ここで、実施例で用いた5種のプラスチックの化学式、密度及び実効原子番号を、表1に示す。表1で示した実効原子番号は、Mayneordの式(W. V. Mayneord, The significance of the roentgen, Acta. Int. Union Against Canc. 2 (1937) 271.;参照)で求めた実効原子番号Zeffを示している。
Figure 0006940065
さらに、混合則(J. H. Hubbell, Photon mass attenuation and energy-absorption coefficients from 1 keV to 20 MeV, Int. J. Appl. Radiat. Isot., 33 (1982) 1269.;参照)によって求めた上記5種のプラスチックの線減弱係数をX線エネルギーの関数として、図12に示す。この混合側で求めた線減弱係数から求めたμ(40)/μ(65)の線減弱係数の比から、図10を用いて実効原子番号を測定した。この混合則で求めた線減弱係数から求めたμ(40)/μ(65)を用いて評価した実効原子番号についても、「計算」として図11に示した。
表1に示すように本実施例では、実効原子番号が5.44から7.88のプラスチックについて、実効原子番号測定を実証した。PCとPMMAについて、線減弱係数からでは区別が困難であるが、実効原子番号を求めることにより、図11に示すように明確な識別が可能となった。計算で求めた線減弱係数の比が示す実効原子番号から値がずれるが、あらかじめ標準試料を用いた実験を行うことで、測定値と実効原子番号の対応を取ることができる。
実効原子番号−線減弱係数の比(Zeff−μ(40)/μ(65))を実効原子番号について差分を取ると、図13のようにμ(40)/μ(65)に関するZeffの感度が得られる。実効原子番号5.44においては、感度は約0.04である。この値以上の範囲について実効原子番号の測定が可能であるとすると、本実施例の系では、実効原子番号25程度までの測定が可能と推測できる。ただし、X線管電圧を増加させた場合には、X線管電圧の増加に伴い測定可能な実効原子番号の上限が広がると予測される。
100 X線CT装置
11 X線源
12 検出器
20 解析装置
110 測定部
112 検出部
130 処理部
131 取得部
132 演算部
133 導出部
134 算出部
135 評価部

Claims (10)

  1. X線源から放出されて被検体を透過した透過X線を、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線としてX線を検出する検出器で測定することで得られた測定値を取得する取得部と、
    前記検出器に入射するX線のエネルギーと前記検出器に付与されるエネルギーとの関係を示す応答関数を用いて、前記測定値から前記透過X線のエネルギー分布を導出する導出部と、
    前記応答関数をX線の散乱要素を加味して演算する演算部とを備え
    前記導出部は、前記応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、前記測定値をアンフォールディング解析することで前記透過X線のエネルギー分布を導出し、
    前記初期推定X線エネルギースペクトルとして、X線が前記被検体を通過することにより生じるX線の減弱と同様の減弱を示す等価厚さを有する基準物質を通過したX線のエネルギースペクトルを用いる、
    エネルギー分解CTの解析装置。
  2. 前記演算部は、確率論的シミュレーションによって前記応答関数を演算する、
    請求項1に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
  3. 前記応答関数の設定エネルギーの幅が、0.1keV以上、20keV未満である、
    請求項1又は2に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
  4. 前記エネルギー分布から、前記エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける前記被検体の線減弱係数を算出する算出部をさらに備える、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
  5. 前記線減弱係数を算出する際の前記設定エネルギーの分割幅が、20keV未満である、
    請求項に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
  6. 2種の前記設定エネルギーにおける前記線減弱係数から前記線減弱係数の比を求めて、前記比から前記被検体の実効原子番号を評価する評価部をさらに備える、
    請求項4又は5に記載のエネルギー分解CTの解析装置。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のエネルギー分解CTの解析装置と、
    前記X線源と前記検出器とを有する測定部とを有する
    X線CT装置。
  8. 被検体を透過した透過X線を互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線としてX線を検出する検出器で測定することで得られた測定値から、前記検出器に入射するX線のエネルギーと前記検出器に付与されるエネルギーとの関係を示す応答関数を用いて、前記透過X線のエネルギー分布を導出する導出ステップと、
    前記エネルギー分布から、前記エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける前記被検体の線減弱係数を算出する算出ステップと、
    2種の前記設定エネルギーにおける前記線減弱係数から前記線減弱係数の比を算出して、前記被検体の実効原子番号を評価する評価ステップと、
    前記応答関数をX線の散乱要素を加味した計算によって演算する演算ステップとを備え
    前記導出ステップにおいて、前記応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、前記測定値をアンフォールディング解析することで前記透過X線のエネルギー分布を導出し、
    前記初期推定X線エネルギースペクトルとして、X線が前記被検体を通過することにより生じるX線の減弱と同様の減弱を示す等価厚さを有する基準物質を通過したX線のエネルギースペクトルを用いる、
    エネルギー分解CTの解析方法。
  9. コンピュータを、
    X線源から放出されて被検体を透過した透過X線を、互いに異なる複数のX線エネルギースペクトルを有するX線としてX線を検出する検出器で測定することで得られた測定値を取得する取得部と、
    前記検出器に入射するX線のエネルギーと前記検出器に付与されるエネルギーとの関係を示す応答関数を用いて、前記測定値から前記透過X線のエネルギー分布を導出する導出部と、
    前記応答関数をX線の散乱要素を加味して演算する演算部として機能させ、
    前記演算部は、確率論的シミュレーションによって前記応答関数を演算し、
    前記導出部は、前記応答関数と初期推定X線エネルギースペクトルとを用いて、前記測定値をアンフォールディング解析することで前記透過X線のエネルギー分布を導出し、
    前記初期推定X線エネルギースペクトルとして、X線が前記被検体を通過することにより生じるX線の減弱と同様の減弱を示す等価厚さを有する基準物質を通過したX線のエネルギースペクトルを用いる、
    エネルギー分解CTの解析プログラム。
  10. 前記コンピュータを、
    前記エネルギー分布から、前記エネルギー分布に含まれる設定エネルギーにおける前記被検体の線減弱係数を算出する算出部と、
    2種の前記設定エネルギーにおける前記線減弱係数から前記線減弱係数の比を求めて、前記比から前記被検体の実効原子番号を評価する評価部としてさらに機能させる、
    請求項に記載のエネルギー分解CTの解析プログラム
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