JP5920620B2 - 密閉型二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は密閉型二次電池に関する。詳しくは車両搭載用電源に適用可能な密閉型二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池、ニッケル水素電池等の二次電池は、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として好ましく用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車、ハイブリッド自動車等の車両の駆動用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
上記のような二次電池では、充電処理を行う際に、例えば充電対象電池が不良電池であった場合や、充電装置が故障して誤作動を起こした場合に、電池に通常以上の電流が供給されて過充電状態に陥り、不具合が生じる虞がある。そこで、かかる不具合を未然に防止するため、過充電状態を電池温度、電池内圧等により検知し、過充電状態を検知した場合に電流を遮断する機構(電流遮断機構:CID:Current Interrupt Device)を設けた電池が採用されている。
上記CIDを備えた二次電池に関する従来例として、例えば特許文献1が挙げられる。かかる文献に記載されているCIDは、密閉型二次電池のケース内部に収容された電極体に、プレート状の集電板が接続されており、該集電板の一部に通電可能に溶接された反転板が設けられている。そして、ケース内圧(ガス圧)が上昇した際には当該ガス圧によって当該反転板が電極体および集電板から離れる方向に反転・変形し、その変形とともに上記溶接された部分を含む集電体の一部が破断されるように構成されている。このように反転板が反転・変形して集電体の本体から離脱することにより、電流遮断が実現される。
特開2008−066254号公報
上記従来のCID搭載型二次電池では、電流量が大きい場合、反転板等の部材が加熱され、その加熱により該部材が変形してCIDの作動に影響を及ぼし得る。かかる場合、CIDの作動精度にバラつきが生じる虞がある。かかる変形は電池の長期使用や高温保存によっても起こり得る。
本発明は、上記従来の問題を解決するために創出されたものであり、その目的は、長期間に亘ってCIDが安定して作動する密閉型二次電池を提供することである。
上記目的を実現するべく、本発明により、正極および負極を備える電極体と、前記電極体を収容する電池ケースと、前記電池ケースの外面に設けられ、前記正極および前記負極とそれぞれ電気的に接続する正極端子および負極端子と、前記電池ケースの内圧が所定レベルを超えて上昇した際に電流を遮断する電流遮断機構と、を備える密閉型二次電池が提供される。前記電流遮断機構は、前記正極と前記正極端子との間または前記負極と前記負極端子との間の導電経路の一部を構成する電流遮断部材と、該導電経路の一部を構成し、かつ該電流遮断部材と接合する接続部材と、を備えており、前記電池ケースの内圧が所定レベルを超えて上昇した際には、該内圧によって前記電流遮断部材の少なくとも一部が前記接続部材に対して移動することにより電流遮断が実現するように構成されており、前記電流遮断部材および前記接続部材の少なくとも一方の部材の表面には放熱部材が設けられており、該放熱部材は、該放熱部材が設けられた該部材より高い熱伝導率を有する。
かかる構成の密閉型二次電池では、電流遮断部材、接続部材の温度が上昇するような状態になった場合でも、放熱部材が電流遮断部材、接続部材の熱を逃がすので、上記温度上昇が抑制される。そのため、電流遮断部材や接続部材の熱による変形が防がれ、CIDの作動精度は高い状態に維持される。したがって、本発明によると、長期間に亘ってCIDが安定して作動する密閉型二次電池が提供される。また、かかる構成によると、容量維持率が向上し、さらに電池抵抗も低減する。
ここで開示される密閉型二次電池の好適な一態様では、前記放熱部材が設けられた前記電流遮断部材および前記接続部材の少なくとも一方の部材は、プレート形状を有しており、前記放熱部材は、前記プレート形状の表面に形成された放熱材層である。上記プレート形状部分は薄厚となり得るが、その薄厚ゆえ、熱が放散し難く、熱変形が起こりやすいと言える。かかる構成に本発明を適用することにより、上述の熱変形が好適に防がれる。
ここで開示される密閉型二次電池の好適な一態様では、前記放熱部材が設けられた前記電流遮断部材および前記接続部材の少なくとも一方の部材は、プレート形状を有しており、前記放熱部材が設けられた前記部材は、前記プレート形状の外縁部近傍にて前記電池ケースに固定されており、前記放熱部材は、前記プレート形状の面方向において、前記電流遮断部材と前記接続部材とが接合している箇所より外方に、かつ前記電池ケースに固定された箇所より内方に配置されている。このように、放熱部材が、上記プレート形状の面方向において、少なくとも、電流遮断部材と接続部材とが接合している箇所より外方に、かつ前記電池ケースに(典型的には、絶縁部材を介して間接的に)固定された箇所より内方に配置されていることで、放熱部材が設けられた部材(電流遮断部材および接続部材の少なくとも一方)の熱変形が好適に防がれる。なお、放熱部材は、上記プレート形状の面方向において、電流遮断部材と接続部材とが接合している箇所より外方に、かつ電池ケースに固定された箇所より内方にのみ配置されていることが効率的で好ましいが、放熱部材の配置箇所は、上記プレート形状の面方向における所定領域に限定されない。
ここで開示される密閉型二次電池の好適な一態様では、前記プレート形状部分の厚さは、典型的には0.1mm〜2mmである。このような薄厚部分を有する構成に本発明を適用することにより、上述の熱変形がより好適に防がれる。
ここで開示される密閉型二次電池の好適な一態様では、前記放熱材層は、放熱材として結晶性グラファイトを主成分として含む。また、前記放熱材は平板形状を有しており、その面方向熱伝導率は500W/(m・K)以上であることが好ましい。かかる構成によると、電流遮断部材、接続部材の熱変形を好適に防ぐことができる。
また、本発明によると、ここで開示されるいずれかの密閉型二次電池を備える車両が提供される。かかる密閉型二次電池は、CIDの作動精度が高く、その高い作動精度が長期間に亘って維持されるので、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池を破断して示す斜視図である。 図1の電流遮断機構を拡大して示す模式断面図であって、リチウムイオン二次電池の導電経路分断前の状態を示す図である。 図2に対応する図であって、導電経路分断後の状態を模式的に示す断面図である。 図2に対応する図であって、第2の実施形態に係る電流遮断機構を示す模式断面図である。 図2に対応する図であって、第3の実施形態に係る電流遮断機構を示す模式断面図である。 図2に対応する図であって、第4の実施形態に係る電流遮断機構を示す模式断面図である。 一実施形態に係るリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、正極および負極を備えた電極体の構成および製法、セパレータや電解液の構成および製法、電池(ケース)の形状等、電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
ここで開示される密閉型二次電池に係る好適な実施形態として、リチウムイオン二次電池を例にして説明するが、本発明の適用対象をかかる電池に限定することを意図したものではない。例えば、リチウムイオン以外の金属イオン(例えばナトリウムイオン)を電荷担体とする密閉型二次電池に本発明を適用することも可能である。また、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池等の蓄電池(すなわち化学電池)のほか、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。さらに、本明細書において「リチウムイオン二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。
図1は、第1の実施形態に係るリチウムイオン二次電池を破断して示す斜視図である。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、電極体11が非水電解液20とともに電池ケース15に収容された構成を有する。電極体11は正極12と負極14とを備える。電極体11はまたセパレータ13を備えており、正極12と負極14とは、それらの間に2枚のセパレータ13が介在するように捲回されている。
正極12は長尺シート形状を有し、長尺シート状の正極集電体122と、正極集電体122上に設けられた正極合材層124とを備える。正極集電体122としては、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金が挙げられる。正極合材層124は主成分として正極活物質を含む。正極活物質は特に限定されないが、例えば、リチウム(Li)および少なくとも1種の遷移金属元素(好ましくはニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)のうちの少なくとも1種)を含むリチウム遷移金属複合酸化物や、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のLiと遷移金属元素とを構成元素として含むリン酸塩が好適例として挙げられる。なかでも、遷移金属元素としてNi、CoおよびMnを構成元素として含む三元系リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。正極合材層124は、正極活物質の他、必要に応じて導電材、結着材(バインダ)等の添加材を含有し得る。
また、正極集電体122の長手方向に沿う一方の縁(図1の上側の縁)には、正極合材層124が設けられずに正極集電体122が露出した部分が形成されている。この露出部分は、後述する端子キャップ154に電気的に接続している。
負極14も正極12と同様に長尺シート形状を有し、長尺シート状の負極集電体142と、負極集電体142上に設けられた負極合材層144とを備える。負極集電体142としては、銅または銅を主成分とする合金が挙げられる。負極合材層144は主成分として負極活物質を含む。負極活物質は特に限定されないが、炭素材料が好ましく、なかでも天然黒鉛を主成分とする炭素材料の使用が好ましい。負極合材層144は、負極活物質の他、結着材や増粘材その他の添加材を含有し得る。
また、負極集電体142の長手方向に沿う一方の縁(図1の下側の縁)には、負極合材層144が設けられずに負極集電体142が露出した部分が形成されている。この露出部分は、後述するケース本体152に電気的に接続している。
正極12と負極14との間に配置されているセパレータ13も、正極12および負極14と同様に長尺シート形状を有する。セパレータ13は特に限定されないが、例えば一軸延伸または二軸延伸された、厚さが5μm〜30μm程度の単層構造または2層以上の樹脂層からなる多層構造を有するものが好適例として挙げられる。樹脂層を構成する樹脂としては、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。なお、電解液に代えて、例えばかかる電解液にポリマーが添加された固体状(ゲル状)電解質を使用する場合には、電解質自体がセパレータとして機能し得るため、セパレータが不要になることがあり得る。セパレータや正極および負極の少なくとも一つには、耐熱層が設けられていてもよい。
電池ケース15は、有底円筒状のケース本体152と、ケース本体152の開口部を塞ぐ端子キャップ154とを備えている。端子キャップ154およびケース本体152はいずれも金属製であって、相互に絶縁されている。端子キャップ154は正極集電体122に電気的に接続され、ケース本体152は負極集電体142に電気的に接続されている。このリチウムイオン二次電池10では、端子キャップ154が正極端子、ケース本体152が負極端子をそれぞれ兼ねている。またケース本体152内は、電極体11を収容した後、開口部を端子キャップ154で塞ぐことによって封止される。これによって、リチウムイオン二次電池10は電池ケース15の内部が密閉された構造を有する、いわゆる密閉型電池として構築される。
非水電解液20は、電極体11に含浸している。非水電解液20は、非水溶媒と支持塩とを含み得る。非水溶媒は特に限定されないが、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)が好適例として挙げられ、なかでも上記3種の混合溶媒が好ましい。また上記支持塩としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等のリチウム化合物(リチウム塩)の1種または2種以上が挙げられる。支持塩の濃度は特に限定されないが、凡そ0.1mol/L〜5mol/Lの濃度とすることができる。
非水電解液はまた、ガス発生剤を含み得る。ここでガス発生剤とは、非水電解液中に溶解または分散し得る化合物であり、電池が過充電状態になったときに反応し、非水電解液に含まれる非水溶媒の分解より先にガスを発生する化合物をいう。ガス発生剤の好適例としては、例えば分岐鎖状アルキルベンゼン類、シクロアルキルベンゼン類、ビフェニル類、ターフェニル類、ジフェニルエーテル類、ジベンゾフラン類が挙げられる。なかでも、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のシクロアルキルベンゼン類、ビフェニル(BP)等のビフェニル類が好ましく、CHBとBPの併用が特に好ましい。ガス発生剤の使用量(添加量)は、非水電解液中に凡そ0.1質量%〜10質量%(例えば0.5質量%〜7質量%、典型的には1質量%〜5質量%)とすることが好ましい。
図2は、図1の電流遮断機構を拡大して示す模式断面図であって、リチウムイオン二次電池の導電経路分断前の状態を示す図である。
図2に示すように、リチウムイオン二次電池10は、電池ケース15の上部に設けられた開口に、接続部材32と電流遮断部材33とインナーガスケット51とリング部材34と端子キャップ154とを備えており、これらが電池ケース15内方から順に配置されている。これらの部材は、アウターガスケット52を介してケース本体152の上面開口端にかしめられることによりケース本体152に固定されている。また、接続部材32、電流遮断部材33およびリング部材34は、いずれも金属製の導電部材(図中、斜線を付した部材)である。すなわち、これらの部材は、正極12と電池ケース15の外部に露出する端子キャップ154とを導通する導電経路の役割を果たしており、それぞれ導電経路の一部を構成している。かかる導電経路を介してリチウムイオン二次電池10の充放電が行われる。なお、インナーガスケット51は絶縁性を有するポリプロピレン(PP)樹脂製であり、接続部材32と端子キャップ154とを絶縁する。また、アウターガスケット52も絶縁性を有するPP樹脂製であり、端子キャップ154や端子キャップ154と導通する各部材と、ケース本体152とを絶縁する。上記部材の材質は、絶縁性を有するものであればよく特に限定されないが、成形性の観点からPP樹脂等の合成樹脂を用いることが好ましい。
上述した導電経路を構成する部材のなかで、電流遮断部材33と、電流遮断部材33と接合する接続部材32とが電流遮断機構(CID)30を構成する。接続部材32は、正極集電端子(図示せず)を介して正極12と電気的に接続している。また、電流遮断部材33は、リング部材34を介して端子キャップ154と電気的に接続している。
接続部材32は、プレート形状を有する部材である。その中央部近傍には電流遮断部材33と接合する接合部40が設けられており、接合部40の周囲には電池ケース15内の圧力を電流遮断部材33に伝えるガス流通口41が形成されている。また、接続部材32の外縁は、アウターガスケット52を介してケース本体152の上部開口端に固定されている。なお、接続部材32の形状は、プレート形状を有するものに限定されるものではない。また、この実施形態では接続部材32の厚さは0.3mmであるが、これに限定されず、上記厚さは例えば0.1mm〜2mm(典型的には0.1mm〜0.8mm)程度であり得る。
また、接続部材32の下面には、接続部材32より高い熱伝導率を有する放熱部材35が設けられている。これによって、接続部材32の温度が上昇するような状態になった場合に、放熱部材35が接続部材32の熱を逃がし、上述の温度上昇を抑制する。この実施形態では、放熱部材35は、放熱材として結晶性グラファイトを主成分として含む放熱材層として接続部材32上に形成されている。この実施形態における放熱材層の厚さは5μmである。
なお、上述の放熱部材35は、接続部材32より高い熱伝導率を有していればよく上記のものに限定されない。例えば、放熱部材(典型的には放熱材層)は、放熱材を主成分として含み、必要に応じて結着材等の添加材を含むことが好ましい。放熱部材を構成する放熱材としては、500W/(m・K)以上(例えば700W/(m・K)以上、典型的には900W/(m・K)以上)の熱伝導率を有する放熱材が好ましい。熱伝導率の上限は特に限定されないが、例えば2000W/(m・K)以下であり得る。かかる熱伝導率は、放熱材が長径と短径を有する場合、放熱材の少なくとも一方向の熱伝導率であればよい。放熱材が平板形状を有する場合、上記熱伝導率の範囲は、面方向熱伝導率の範囲として適用されることがより好ましい。ここで面方向熱伝導率とは、平板形状の放熱材の面方向の熱伝導率のことをいう。上述の面方向熱伝導率を有する放熱材を、放熱材層の面方向(厚さ方向に直交する方向)に沿うように配置することで、放熱材層の面方向熱伝導率が向上し、放熱性が向上する。面方向熱伝導率を含む熱伝導率は、従来公知のレーザーフラッシュ法で測定することができる。レーザーフラッシュ測定装置としては、真空理工製熱定数測定装置TC−7000型を用いることができる。
上記の熱伝導率(典型的には面方向熱伝導率)を有する放熱材としては、結晶性グラファイトが挙げられる。例えば銅やアルミニウムを放熱材として用いた場合では、面方向および厚さ方向にかかわらず熱伝導率は、それぞれ凡そ400W/(m・K)、230W/(m・K)である。したがって、高い熱伝導率(典型的には面方向熱伝導率)を有する結晶性グラファイトは、放熱性という観点において優れた放熱材となり得る。なかでも、面方向に結晶成長した結晶性グラファイト粒子が特に好ましい。かかる結晶性グラファイト粒子の平均粒径は、長径(典型的には面方向の長さ(直径))が0.5μm〜20μm(例えば1μm〜15μm、典型的には3μm〜8μm)、短径(典型的には厚さ方向の長さ(直径))が3nm〜300nm(例えば20nm〜180nm、典型的には40nm〜100nm)であることが好ましい。平均粒径の測定方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で撮影した結晶性グラファイト粒子の100個を任意に選択して長径と短径とを測定し、それぞれ平均値を求める方法を採用することができる。放熱部材に占める放熱材の割合は、凡そ50質量%を超え、75質量%〜100質量%(例えば80質量%〜99質量%、典型的には85質量%〜95質量%)であることが好ましい。
放熱部材に用いられ得る結着材としては、水に溶解または分散する(水溶性または水分散性の)ポリマー材料として、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル重合体;スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等のゴム類;が例示される。溶剤系の組成物(活物質粒子の分散媒が主として有機溶媒である組成物)を用いて放熱部材を形成する場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等のハロゲン化ビニル樹脂;ポリエチレンオキサイド(PEO)等のポリアルキレンオキサイド;等のポリマー材料を用いることができる。このような結着材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤を用いて放熱部材を形成する場合、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好ましい。放熱部材に占めるこれら添加材(典型的には結着材)の割合は、特に限定されないが、放熱材100質量部に対して、凡そ1質量部〜30質量部(例えば2質量部〜20質量部、典型的には5質量部〜15質量部)とすることが好ましい。
放熱部材の厚さは、0.5μm以上(例えば0.8μm以上、典型的には1.5μm以上)であり、15μm以下(例えば9μm以下、典型的には5μm以下)とすることが好ましい。また、所定の面方向熱伝導率を有する放熱材を用いる場合、放熱材の面方向熱伝導率を放熱部材の面方向熱伝導率に反映させるため、放熱部材の厚さは、放熱材の面方向の長さより小さくすることがより好ましい。
再び図2を参照して、電流遮断部材33は、プレート形状を有する部材であり、その中央部近傍には電池ケース15内方に突出した突出部45が設けられている。この実施形態では、電流遮断部材33は直径14mmの円板形状を有する。突出部45は、平坦に形成された平坦部をその下面に有しており、電流遮断部材33の突出部45の平坦部と接続部材32の接合部40とが超音波溶接によって接合されている。超音波溶接は、超音波溶接機を用いて、超音波振動子に接続されたホーンの先端に10kgf/cmの荷重を加え、超音波振動(40kHz)を印加して行うことができる。この接合によって、接続部材32と電流遮断部材33とは電気的に接続する。なお、接合方法は超音波溶接等の溶接に限定されるものではない。
電流遮断部材33の上面には、突出部45をC字状(直径5.0mm)に囲む薄肉部46が形成されており、接合部40の外周に対応するように形成されている。薄肉部46は、過充電状態になったときに破断する易破断部である。薄肉部46は断面V字状の凹部であり、その形成はプレス刻印によって行われ得る。薄肉部の断面形状はV字状に限定されず、コ字状、半円状等であり得る。薄肉部46の厚さは、この実施形態では50μmであるが、これに限定されず、例えば電流遮断部材33の厚さの5%以上50%以下(典型的には10%以上30%以下)とすることができる。この薄肉部46の厚さを調整することにより、CID30の作動圧力(設定圧力)を設定し得る。なお、薄肉部はC字状ではなく、突出部の全周を囲むように形成されていてもよい。
また、電流遮断部材33は電池ケース15内外のガス流通を遮断するように構成されている。そして、電池ケース15の内圧が所定レベルを超えて上昇した際には、その内圧によって電流遮断部材33の突出部45近傍が接続部材32に対して上方に移動することにより電流遮断が実現するように構成されている。
電流遮断部材33の外縁は、インナーガスケット51とリング部材34に挟まれており、これによって電池ケース15に固定されている。この実施形態では電流遮断部材33の厚さは0.3mmであるが、これに限定されず、上記厚さは例えば0.1mm〜2mm(典型的には0.1mm〜0.8mm)程度であり得る。
端子キャップ154は、キャップ形状を有する部材であり、リング部材34を介して電流遮断部材33と電気的に接続している。この端子キャップ154は正極端子として機能する。また、端子キャップ154のキャップ形状の側面にはガス流通口48が設けられている。このガス流通口48は、CID30が作動したとき、電池ケース15内からのガスを排出するためのものである。なお、リング部材等の導電経路を構成する部材は、電池の安全性を確保するため、PTC(positive temperature coefficient)素子であり得るが、例えば車両搭載用電源のような大電流入出力を行う電池では、PTC素子でなくてもよい。
次にCID30の作動について説明する。図3は、図2に対応する図であって、導電経路分断後の状態を模式的に示す断面図である。
リチウムイオン二次電池10は、過充電により電池ケース15の内圧が上昇した場合には、端子キャップ154と正極12との間に設けられたCID30が作動し、端子キャップ154から正極12に至る導電経路が分断される。詳しくは、リチウムイオン二次電池10の電池ケース15内は、上述したように密閉構造を有し、電池ケース15内外のガス流通は基本的に不可能である。また、電流遮断部材33は電池ケース15内外のガス流通を遮断するように配置されている。さらに、電流遮断部材33と接続部材32とが接合されていることによって、正極12と端子キャップ154間の導通がなされている。かかる構成において、電池ケース15の内圧が上昇した場合、該圧力はガス流通口41を介して電流遮断部材33を電池ケース15外方に押し上げる。そして、電池ケース15の内圧が設定圧力を超えて上昇したとき、電流遮断部材33は、上記内圧によって薄肉部46を起点として破断する。その結果、図3に示すように電流遮断部材33は接続部材32と離れ、正極12と端子キャップ154間の導電経路は分断される。すなわち、電流が遮断される。
図4は、図2に対応する図であって、第2の実施形態に係る電流遮断機構を示す模式断面図である。本実施形態に係る密閉型二次電池の構成は、先に説明した第1の実施形態に係る密閉型二次電池と基本的に同じなので、相違点を中心に説明する。
第2の実施形態では、図4に示すように、放熱部材(放熱材層)35が接続部材32の下面ではなく上面(電流遮断部材33側表面)の接合部40の周囲に設けられている点で上述した第1の実施形態とは異なる。言い換えると、放熱部材35は、プレート形状を有する接続部材32の面方向において、接合部40より外方に配置されている。また、放熱部材35は、接続部材32が電池ケース15にアウターガスケット52を介して固定された箇所より内方に配置されている。かかる部分に確実に放熱材層35が形成されていることにより、必要最小限の形成量で、接続部材32の熱変形が好適に防がれるので、効率的である。なお、放熱部材は接合部およびその周囲に設けられていてもよいが、電流遮断部材と接続部材とを溶接で接合する場合、良好な接合性を得る観点から、接合部には放熱部材を設けないことが好ましい。また、同様の観点から、放熱部材は接続部材と電流遮断部材の接合後に接続部材の表面に設けることが好ましい。
図5は、図2に対応する図であって、第3の実施形態に係る電流遮断機構を示す模式断面図である。本実施形態に係る密閉型二次電池の構成は、先に説明した第1の実施形態に係る密閉型二次電池と基本的に同じなので、相違点を中心に説明する。
第3の実施形態では、図5に示すように、放熱部材(放熱材層)35が接続部材32ではなく電流遮断部材33の下面(電極体側表面)の突出部45の平坦部(接続部材32の接合部40と接合する箇所)の周囲に設けられている点で上述した第1の実施形態とは異なる。言い換えると、放熱部材35は、プレート形状を有する電流遮断部材33の面方向において、上記平坦部より外方に配置されている。また、放熱部材35は、電流遮断部材32が電池ケース15にインナーガスケット51,アウターガスケット52を介して固定された箇所より内方に配置されている。かかる部分に確実に放熱材層35が形成されていることにより、必要最小限の形成量で、電流遮断部材33の熱変形が好適に防がれるので、効率的である。なお、放熱部材は、電流遮断部材の突出部の平坦部を含む下面に設けられていてもよいが、電流遮断部材と接続部材とを溶接で接合する場合、良好な接合性を得る観点から、上記平坦部には放熱部材を設けないことが好ましい。同様の観点から、放熱部材は接続部材と電流遮断部材の接合後に電流遮断部材の表面に設けることが好ましい。
図6は、図2に対応する図であって、第4の実施形態に係る電流遮断機構を示す模式断面図である。本実施形態に係る密閉型二次電池の構成は、先に説明した第3の実施形態に係る密閉型二次電池と基本的に同じなので、相違点を中心に説明する。
第4の実施形態では、図6に示すように、放熱部材(放熱材層)35が電流遮断部材33の下面ではなく上面(端子キャップ154側表面)の突出部の周囲に設けられている点で上述した第3の実施形態とは異なる。なお、放熱部材は、電流遮断部材の上面全体を覆うように設けられていてもよい。
このようにして構築されたリチウムイオン二次電池は各種用途に供され得るが、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用され得る。したがって、本発明は、図7に模式的に示すように、リチウムイオン二次電池10(典型的には複数直列接続してなる組電池)を電源として備える車両1(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)を提供する。
なお上記実施形態では、リチウムイオン二次電池は円筒型電池であり、電極体は捲回電極体であったが、これに限定されない。電池は密閉型であればよく、例えば角型電池であり得る。また、電極体も積層型等であってもよい。
また上記実施形態では、CIDは電流遮断部材が破断することによって電流を遮断するものであったが、これに限定されない。電流遮断部材は、電池ケースの内圧が上昇したときに、電流遮断部材の少なくとも一部が接続部材に対して移動することにより電流遮断が実現するように構成されていればよく、例えば、電流遮断部材と接続部材とがいずれも破断することなく分離するものや、電流遮断部材の一部が移動する際に接続部材が破断することによって電流を遮断するものであってもよい。したがって、電流遮断部材や接続部材の形状も特に限定されず、電池の構造等に応じて適当な形状のものを採用することができる。また、上記のようなCIDは、正極端子側に限らず、負極端子側に設けてもよい。
さらに上記実施形態では、放熱部材は放熱材層であったが、これに限定されず、例えば放熱シートを電流遮断部材や接続部材に配置し、これを放熱部材として用いてもよい。そのような放熱シートとしては、熱伝導率が500W/(m・K)以上2000W/(m・K)以下のグラファイトシートが挙げられる。また上記実施形態では、放熱部材は電流遮断部材の一表面または接続部材の一表面に設けられていたが、これに限定されず、放熱部材は電流遮断部材の一表面および接続部材の一表面に設けられていてもよく、電流遮断部材の両表面(両面)、接続部材の両表面(両面)に設けられていてもよい。
次に、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<例1>
[正極シートの作製]
正極活物質としてLi[Ni1/3Co1/3Mn1/3]O粉末と、導電材としてアセチレンブラック(AB)と、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が91:6:3となるようにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)で混合して、ペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状のアルミニウム箔(正極集電体:厚さ15μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、片面当たりの目付量が13.5mg/cm(固形分基準)の正極合材層が形成されたシート状の正極(正極シート)を作製した。正極シートの厚さは125μm、正極合材層の幅は54mmであった。
[負極シートの作製]
負極活物質として天然黒鉛粉末と、結着材としてスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)と、増粘材としてカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これらの材料の質量比が100:1:1となるようにイオン交換水で混合して、ペースト状の負極合材層形成用組成物を調製した。この組成物を、長尺シート状の銅箔(厚さ14μm)の両面に均一に塗付し、乾燥後、圧縮することによって、片面当たりの目付量が7.4mg/cm(固形分基準)の負極合材層が形成されたシート状の負極(負極シート)を作製した。負極シートの厚さは110μm、正極合材層の幅は56mmであった。
[リチウムイオン二次電池の構築]
作製した正極シートと負極シートとをセパレータを介して捲回して捲回電極体を作製した。セパレータとしては、ポリプロピレン(PP)/ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)からなる長尺シート状の三層構造フィルム(厚さ:20μm)を用いた。この捲回電極体の正負の電極集電体の端部にそれぞれ電極端子を接合し、円筒型の電池ケースに収容した。また電池には、上記第1の実施形態に係るCIDを構築した。すなわち、図2に模式的に示す構成を有するCIDである。CIDを構成する電流遮断部材の薄肉部の破断圧は約20kgf/cmとなるように設定した。また、CIDを構成する接続部材の下面(電極体側表面)に放熱材層を形成した。具体的には、放熱材として面方向に結晶成長したグラファイト粒子(結晶性グラファイト)を用意した。この結晶性グラファイトは、面方向熱伝導率が1000W/(m・K)、厚さ方向の熱伝導率が15W/(m・K)であり、面方向の長さが5μm、厚さ方向の長さが60nmであった。この結晶性グラファイトとポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、これらの材料の質量比が100:10となるようにN−メチル−2−ピロリドンで混合して、ペースト状の放熱材層形成用組成物を調製した。得られた放熱材層形成用組成物を、接続部材の下面に塗付し、その後乾燥することによって放熱材層を形成した。放熱材層の厚さは5μmであった。その後、非水電解液を注入して密封することにより、定格容量が2.0Ahの円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との3:4:3(体積比)混合溶媒に、支持塩として約1mol/LのLiPFを溶解し、さらにシクロヘキシルベンゼン(CHB)を1%、ビフェニル(BP)を1%の濃度で含有させた電解液を用いた。用いた電解液量は7.3gであった。
<例2>
放熱材層を接続部材の上面(電流遮断部材側表面)の接合部の周囲に形成したほかは例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池は上記第2の実施形態に対応し、図4に模式的に示す構成を有する。
<例3>
放熱材層を電流遮断部材の下面(接続部材側表面)の突出部の周囲に形成したほかは例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池は上記第3の実施形態に対応し、図5に模式的に示す構成を有する。
<例4>
放熱材層を電流遮断部材の上面(端子キャップ側表面)の突出部の周囲に形成したほかは例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。この二次電池は上記第4の実施形態に対応し、図6に模式的に示す構成を有する。
<例5>
放熱材層を形成しなかったほかは例1と同様にして円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
[サイクル容量維持率]
各例のリチウムイオン二次電池につき、25℃の温度環境において、4.1Vまで1Cの充電を行って5分間休止した後、3.0Vまで1Cの放電を行って5分間休止した。その後、定電流定電圧(CC−CV)充電(4.1V、1C、0.1Cカット)とCC−CV放電(3.0V、1C、0.1Cカット)を行った。このときの放電容量を測定し、これを初期容量とした。初期容量を測定した後、60℃の恒温槽で5CのCCサイクル充放電を1000サイクル繰り返し、1000サイクル後の放電容量を測定した。式:
サイクル容量維持率(%)=1000サイクル後の放電容量/初期容量×100
からサイクル容量維持率(%)を求めた。結果を表1に示す。
[IV抵抗]
各例のリチウムイオン二次電池につき、IV抵抗試験を行った。温度25℃の環境下で充電を行い、SOC60%の充電状態に調整した。その後、25℃にて10Cの電流で10秒間のパルス放電を行い、放電開始から10秒後の電圧降下量からIV抵抗(mΩ)を求めた。結果を表1に示す。
[過充電時CID作動数]
各例のリチウムイオン二次電池で上記サイクル容量維持率試験を行ったものと行わなかったものとを10個づつ用意して、温度25℃の環境下で2A(1C相当)の充電を行い、充電上限電圧20Vまで充電した。充電終了後、各電池につき、電流遮断機構(CID)が作動したか否かを電池電圧を測定することにより確認した。CIDが作動した個数を表1に示す。
[再導通率]
各例のリチウムイオン二次電池につき、上記サイクル容量維持率試験を行ったものと行わなかったものとを50個づつ用意した。1個の電池につき、温度85℃の環境下で電池内圧を上昇させてCIDを作動させた。このとき、電池が導通しないことを確認した。その後、0.3mの高さから端子キャップ側を下方にして5回落下させた。次いで、その電池の底側(端子キャップの反対側)を下方にして5回落下させた。さらに、その電池の側面を下方にして5回落下させた。落下は、電池の破壊を防止するため、落下面に4cm厚の衝撃吸収ゴムを設置して行った。また、端子キャップ側および底側を下方にする落下は、電池の向きが変化しないように内径19mmの樹脂パイプを設置し、その内部を通して行った。落下後、再度導通するか否かを電池電圧を測定することにより確認した。結果を表1に示す。
Figure 0005920620
表1に示されるように、電流遮断部材の表面または接続部材の表面に放熱部材が設けられた例1〜例4に係るリチウムイオン二次電池は、サイクル容量維持率が81%以上と高い値であった。これに対して、放熱部材を設けなかった例5では、サイクル容量維持率が50%と低い値であった。また例1〜例4では、サイクル容量維持率試験の前後(サイクル前後)にかかわらず、過充電試験においてCIDが確実に作動したが、例5では、サイクル容量維持率試験後(サイクル後)におけるCIDの作動数は低下した。これは、サイクル容量維持率試験によってCIDの電流遮断部材や接続部材が熱により変形し、CIDの作動精度が低下したためと考えられ得る。この結果から、電流遮断部材や接続部材に放熱部材を設けることによって、CIDの作動精度を高い状態に維持できることがわかる。また、再導通試験においても同様の傾向が見られた。すなわち、放熱部材を設けなかった例5では、サイクル後に再導通するものが見られた。これは、過充電状態になったときに電流遮断部材が薄肉部で完全に破断しなかった等の不都合が発生し、落下の衝撃によって電流遮断部材が元の位置に戻り、再導通したためと考えられ得る。そのような再導通は、放熱部材を設けた例1〜例4では起こらなかった。また、例1〜例4では電池抵抗も低く抑制された。
以上より、本発明によれば、CIDは高い耐久性を示すので、長期間に亘って電池を使用した場合や高温保存した場合でも安定して作動することができる。また、放熱部材を設けることによってサイクル容量維持率が向上し、さらに電池抵抗が低減する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれ得る。
1 車両
10 リチウムイオン二次電池
11 電極体
12 正極
13 セパレータ
14 負極
15 電池ケース
20 非水電解液
30 CID(電流遮断機構)
32 接続部材
33 電流遮断部材
34 リング部材
35 放熱部材
40 接合部
41 ガス流通口
45 突出部
46 薄肉部
48 ガス流通口
51 インナーガスケット
52 アウターガスケット
122 正極集電体
124 正極合材層
142 負極集電体
144 負極合材層
152 ケース本体
154 端子キャップ

Claims (6)

  1. 正極および負極を備える電極体と、
    前記電極体を収容する電池ケースと、
    前記電池ケースの外面に設けられ、前記正極および前記負極とそれぞれ電気的に接続する正極端子および負極端子と、
    前記電池ケースの内圧が所定レベルを超えて上昇した際に電流を遮断する電流遮断機構と、
    を備える密閉型二次電池であって、
    前記電流遮断機構は、前記正極と前記正極端子との間または前記負極と前記負極端子との間の導電経路の一部を構成する電流遮断部材と、該導電経路の一部を構成し、かつ該電流遮断部材と接合する接続部材と、を備えており、
    前記電池ケースの内圧が所定レベルを超えて上昇した際には、該内圧によって前記電流遮断部材の少なくとも一部が前記接続部材に対して移動することにより電流遮断が実現するように構成されており、
    前記電流遮断部材および前記接続部材の少なくとも一方の部材の表面には放熱部材が設けられており、該放熱部材は、該放熱部材が設けられた該部材より高い熱伝導率を有しており、
    前記放熱部材は、放熱材として結晶性グラファイトを主成分として含む、密閉型二次電池。
  2. 前記放熱部材が設けられた前記電流遮断部材および前記接続部材の少なくとも一方の部材は、プレート形状を有しており、
    前記放熱部材は、前記プレート形状の表面に形成された放熱材層である、請求項1に記載の密閉型二次電池。
  3. 前記放熱部材が設けられた前記電流遮断部材および前記接続部材の少なくとも一方の部材は、プレート形状を有しており、
    前記放熱部材が設けられた前記部材は、前記プレート形状の外縁部近傍にて前記電池ケースに固定されており、
    前記放熱部材は、前記プレート形状の面方向において、前記電流遮断部材と前記接続部材とが接合している箇所より外方に、かつ前記電池ケースに固定された箇所より内方に配置されている、請求項1または2に記載の密閉型二次電池。
  4. 前記プレート形状部分の厚さは0.1mm〜2mmである、請求項2または3に記載の密閉型二次電池。
  5. 前記放熱材は平板形状を有しており、その面方向熱伝導率は500W/(m・K)以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の密閉型二次電池。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の密閉型二次電池を備える車両。
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