JP5920068B2 - 基布の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基布の製造方法関する。
例えば、生地同士を重ねた場合に、モアレ(干渉縞)が発生することがある。このようなモアレの発生を抑制するための技術として、特許文献1,2に記載された技術が知られている。特許文献1の技術では、経糸及び緯糸として特定の糸を組み合わせることにより、モアレの発生を抑制している。
特許文献2に記載の技術では、経糸又は緯糸の間隔を不均一にすることで、モアレの発生を抑制しようとしている。緯糸の間隔を不均一にする場合には、コンピューターに入力されたデータを用いて、緯糸密度(2.54cmあたりの経糸打込み本数)を変更し織布している。経糸(2.54cmあたりの緯糸打込み本数)の間隔を不均一にする場合には、織機に使用する筬の設計で筬密度を一定巾で変更する特殊筬などを使用している。
特開2009−167520号公報 特開2010−159520号公報
従来技術では、例えば高捲縮糸を利用したり、製織の設計の調整をしたりするなど、製織までの工程において、対策が講じられているものに限られており、コストが高くなるということに加え、技術の汎用性に乏しく、設計に手間がかかっていた。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、製造コストの増大を抑えると共に設計の手間を省き、モアレの発生を抑制することが可能な基布の製造方法提供することを目的とする。
本発明は、経糸及び緯糸の少なくとも何れか一方が水中で捲縮する捲縮糸からなる織物を水に浸して捲縮させるリラックス工程と、リラックス工程後の織物に目止め樹脂をドット状に付着させた後、加熱冷却し固着させる目止め処理工程と、目止め処理工程の後、捲縮糸の延在する少なくとも一方向に沿って織物を引き伸ばした後、加熱セットするセット工程とを備える基布の製造方法を提供する。
このような基布の製造方法によれば、リラックス工程を実行して糸に捲縮性を付与し、織物に目止め樹脂をドット状に固着させた後に、捲縮糸の延在する方向に織物を引き伸ばすので、織物に固着した目止め樹脂によって捲宿糸の伸長が拘束され、縦糸及び緯糸の配置の規則性を崩すことができる。これにより、モアレの発生を抑制することが可能な生地を製造することができる。
セット工程において、織物を5%以上引伸ばすことが好ましい。
目止め樹脂を織物に固着させる目止め処理工程の後、セット工程の実行前後において、捲縮糸の延在する方向である経方向または緯方向の少なくとも何れか一方に5%以上引伸ばす工程によりモアレの発生を抑制することが可能な基布を製造することができる。
目止め樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。
目止め樹脂が熱可塑性樹脂であることで、樹脂アタリと呼ばれるドットが生地や接着布に浮き出て見える問題が発生しにくい。
本発明の基布の製造方法において目止め樹脂が熱可塑性樹脂の場合、目止め樹脂若しくはその上層部が織物と接着することができるので、衣料用生地に接着芯地(基布)として提供することができる。
このような接着芯地は熱可塑性樹脂により接着しているので、風合いの柔らかな衣料用生地を提供することができる。
本発明の基布の製造方法によれば、製造コストの増大を抑えると共に設計の手間を省き、モアレの発生を抑制することが可能な基布を製造することができる。
本発明の実施形態に係る接着芯地を備えた衣料用布地の概略断面図である。 本発明の実施形態に係る接着芯地を製造する方法の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る接着芯地を製造する方法を説明するための概略図である。 本発明の実施形態に係る接着芯地の基布の経糸及び緯糸の配置を示す平面図である。 実施例及び比較例に係る接着芯地の仕様、評価結果を示す表である。
以下、本発明基布の製造方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。図面の寸法は、説明のものと必ずしも一致していない。
図1は、本発明の実施形態に係る接着芯地を衣料用生地に接着させた衣料用布地を拡大して示す概略断面図である。図1では、接着芯地1(基布)に、衣料用生地2が貼り合わされた状態を示している。接着芯地1は、織物3と、織物3の表面に固着した樹脂R1からなる下層樹脂部4と、この下層樹脂部4の表面に固着した樹脂R2からなる接着樹脂部5とを備えている。
織物3は、芯地に必要な強度を備えたものであれば、どのような素材、布組織でもよい。織物3は、経糸31及び緯糸32(図4参照)を用いて製織された布帛である。織物3の組織としては、例えば、平織、朱子織、斜文織などが挙げられる。経糸31及び緯糸32の素材としては、合成繊維、再生繊維、天然繊維などが挙げられる。合成繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。再生繊維としては、ポリノジック、レーヨン、キュプラなどが挙げられる。天然繊維としては、綿、麻、絹、毛などが挙げられる。
織物3の経糸31及び緯糸32の少なくとも何れか一方は、水に入れると(吸湿すると)、捲縮する捲縮糸から構成されている。接着芯地1の製造時、樹脂R1が固着される前のリラックス工程(後述する)において、織物3が水中(例えば温水)に入れられ、織物3の経糸31及び緯糸32の少なくとも何れか一方が捲縮する。水に入れて捲縮する捲縮糸としては、例えば、仮撚り加工糸が挙げられる。仮撚り加工糸は、仮撚り機で加工された加工糸である。仮撚り加工糸は、捲縮加工糸の主流であり、仮撚り糸ともいう。
織物3の単位面積当たりの重量は、5g/m〜80g/mであることが好ましい。更に10g/m〜60g/mであることが好ましい。織物3の単位面積当たりの重量が5g/m未満である場合には、織物自体が薄すぎたり、糸と糸との隙間が大きくなることから、織物表面に樹脂R1を付着させることが困難になることがある。
織物3表面に固着している樹脂R1からなる下層樹脂部4は、織物3に対して樹脂R2を良好に固着させ接着樹脂部5を形成するためのものである。また、下層樹脂部4は、経糸31及び緯糸32の伸びを拘束する目止め樹脂として機能する。樹脂R1としては、例えば、ポリウレタン・アクリル、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、EVA系、PVA系樹脂などが挙げられる。尚、樹脂R1としては、熱可塑性樹脂でもよく熱や紫外線でも硬化する硬化性樹脂でもよいが、熱により架橋する熱硬化性樹脂がより好ましい。又、樹脂R1は2g/m〜30g/mが好ましい。
下層樹脂部4の表面に固着した接着樹脂部5を形成している樹脂R2には、通常ホットメルトと呼ばれる熱により可塑化されて冷却後に接着能力を発揮する熱可塑性樹脂が用いられている。樹脂R2としては、融点が80〜140℃の熱可塑性樹脂が好ましい。樹脂R2としては、例えば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、変性エチレン酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。
接着樹脂層5を形成している樹脂R2は2g/m〜20g/mで、下層樹脂部4に固着することが好ましい。尚、樹脂R1と樹脂R2の合計は2g/m〜35g/mが好ましい。
なお、樹脂R1及び樹脂R2には、必要に応じて、重合開始剤、架橋剤、顔料、染料、乾燥抑制剤、その他改質剤が含まれていてもよい。
通常、ドット状の下層樹脂は、回転軸線回りに回転する円筒体(ロータリースクリーン11、図3参照)を用いて、織物3の表面に転写される。ロータリースクリーンの周面には、転写される樹脂のドットの径に対応する大きさの孔が形成されていて、下層樹脂R1は、ロータリースクリーンの孔を通過して、織物の表面に転写される。詳しくは後述する。
なお、本実施形態においては、樹脂R1が織物3の表面にドット状に固着している下層樹脂部4をドットと記す。また、ドットの面積に相当する面積を有する円の直径である粒子径は、マイクロスコープで撮影したドッドの画像から計測した面積から求めることができる。
接着芯地1では、ドットの数平均粒子径(ドットの粒子径)は0.05mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。接着芯地1のドットの個数割合は、4個/cm以上、800個/cm以下であり、好ましくは5個/cm〜500個/cmである。
下層樹脂部4のドットの個数が4個/cmより少ない場合には、接着芯地1の接着力が不足し剥離するおそれがある。下層樹脂部4のドットの個数が800個/cmより多い場合には、接着芯地1が硬くなり、接着芯地1を衣料用生地2と貼り合わせて衣服にした場合、衣服の着用感を損ねることになる。
次に本発明の実施形態に係る接着芯地(基布)の製造方法について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る接着芯地の製造方法の処理手順を示すフローチャートである。また、図2では各工程における接着芯地の織物密度の変化も示している。接着芯地を製造する方法は、製織された織物3に捲縮性を付与するリラックス処理S1と、織物3を引伸ばし、織物の密度を調整する第1の引伸ばし処理S2と、織物3に目止め樹脂(R1)をドット状に付着させる樹脂転写処理S3(第1の付着工程)と、樹脂R1が付着した織物3の表面に、熱可塑性樹脂である樹脂R2の粉末を散布し、樹脂R1に前記樹脂R2を付着させる樹脂散布処理S4(第2の付着工程)と、加熱し、樹脂R1を織物3の表面に固着させると共に、樹脂R2を樹脂R1に固着させる加熱固着処理S5と、その後、織物3を引伸ばし、織物の密度を調整する第2の引伸ばし処理S6と、最後に織物の密度を固着させる加熱セット工程S6とを有する。
リラックス処理S1では、織物3を水中で弛緩させ、加工中に生じた歪を取り除いたり、嵩高性を発現させる処理を行う。嵩高性を発現させるとは、仮撚り加工糸などが有する潜在的な捲縮性を発現させることをいう。水中に入れると捲縮する糸が経糸31に使用されている場合には、リラックス処理S1によって経糸31が捲縮する。製織された生地の密度を100とした場合(以下、同じ)、リラックス処理S1後の織物の密度は、例えば150程度である。なお、リラックス処理S1後の織物の密度は、110〜300でもよい。
染色工程を行う場合には、リラックス処理S1後、第1の引伸ばし処理S2前に実行する。
第1の引伸ばし処理S2では、目止め樹脂を付着させる前の織物3に対して、密度調整を行う。リラックス処理によって経糸31が捲縮している場合には、経糸31が延在する方向(生地の長手方向)に引っ張り力を付与して、織物3の密度を調整する。リラックス処理によって緯糸32が捲縮している場合には、緯糸32が延在する方向(生地の幅方向)に引っ張り力を付与して、織物3の密度を調整する。第1の引伸ばし処理S2後の織物3の密度は、例えば140程度である。なお、第1の引伸ばし処理S2後の織物の密度は、110〜300でもよい。
第1の引伸ばし処理S2後、目止め処理工程として、樹脂転写処理S3、樹脂散布処理S4、加熱固着処理S5を行う。図3は、本発明の実施形態に係る接着芯地を製造する方法を説明するための概略図である。
樹脂転写処理S3では、所定の回転軸回りに回転する円筒状のスクリーン11を用いて、樹脂R1を織物3の表面にドット状に付着させる。スクリーン11の周面には、樹脂R1を通過させるための貫通孔がドットの個数に対応して複数形成されている。この貫通孔の直径は、織物3に付着させるドット径の大きさと相関している。
スクリーン11内には、樹脂R1を供給するスキージ12が設けられている。スキージ12から供給された樹脂R1は、スクリーン11の貫通孔を通過して押し出され、織物3の表面に付着する。スクリーン11とバックロール13との間に挟まれて、搬送されている織物3に対して、樹脂R1が転写される。
樹脂散布処理S4では、樹脂R2の粉末(粉砕物)を散布するためのホッパー14(スキャッター)を用いて、樹脂R2を樹脂R1が付着している織物3の表面に散布し、樹脂R2を樹脂R1に付着させる。本実施形態の樹脂R2の粉末は、その芯地の用途に合わせ粒度をコントロールすることが好ましく、薄手用に用いる場合は平均粒径40〜80μm、厚手用に用いる場合は100〜140μmの粒度の樹脂を適宜選択出来る。
その後、樹脂散布処理S4後で、加熱固着処理S5する前に、織物3の表面上に散布された余分な樹脂R2の粉末を振い落としたり、吹き飛ばしたりすることが好ましい。空気を噴出させるエアーブロー15及び余分な樹脂R2を吸い込むサクションノズル16を用いて、余分な樹脂R2を回収する。エアーブロー15から噴出された空気は、織物3の表面上の余分な樹脂R2を吹き飛ばす。吹き飛ばされた樹脂R2は、サクションノズル16によって吸い込まれて回収される。
加熱固着処理S5で、樹脂R1を織物3の表面に固着させ下層樹脂部4を形成させ、樹脂R2を樹脂R1に固着させ接着樹脂部5を形成させる。加熱固着処理は、温度が100〜200℃の環境の中に樹脂R1及び樹脂R2が付着した織物3を20秒〜3分程度入れる。
加熱固着処理S5は、例えば加熱ゾーン及び冷却ゾーンを有する。加熱ゾーンでは、熱風循環式、遠赤ヒーター式などのヒーター17や、熱風器18により熱風(例えば120〜160℃)を、噴きつけて加熱処理を行う。その後、所定の回転軸回りに回転する円筒状の冷却ロール19を用いて、樹脂R1及び樹脂R2が固着した織物3を冷却する。なお、加熱ゾーンは直列に複数設けてもよい。
加熱固着処理S5では、樹脂R1が熱硬化性樹脂であれば熱硬化又は半硬化し、樹脂R1が熱可塑性樹脂であれば溶融し、場合によっては一部架橋して、下層樹脂部4を形成し織物3に固着する。
また、加熱固着処理S5前の樹脂R1に付着した樹脂R2の粉末は、一部又は全部が複粒化して樹脂R1からなる下層樹脂部4に固着し、接着樹脂部5を形成する。
樹脂転写処理S3、樹脂散布処理S4及び加熱固着処理S5では、例えば、織物3を、バックロール8を有する搬送装置を用いて、織物3を搬送しながら連続して、樹脂R1の転写、樹脂R2粉末の散布、及び加熱処理を行うことが好ましい。織物3の搬送速度は、下層樹脂部4の占有率や加熱による樹脂R1と樹脂R2の溶融状態などを考慮して選定すればよく、10〜50m/分程度が好ましい。
第2の引伸ばし処理S6では、最終の密度調整を行う。上記のリラックス処理S1によって経糸31が捲縮している場合には、経糸31が延在する方向(生地の長手方向)に引っ張り力を付与して、織物3の密度を調整する。リラックス処理S1によって緯糸32が捲縮している場合には、緯糸32が延在する方向(生地の幅方向)に引っ張り力を付与して、織物3の密度を調整する。第2の引伸ばし処理S6後の織物3の密度は、例えば120程度である。なお、第2の引伸ばし処理S6における織物3の伸長率は5〜100%である。ここでいう伸長率とは、第2の引伸ばし処理S6前の織物3からの伸びの割合であり、加熱固着工程S5の後で第2の引伸ばし処理S6前の織物3の大きさを100とした場合、伸長率が5%のとき、第2の引伸ばし処理S6後の織物3の大きさは、105であり、伸長率が100%のとき、第2の引伸ばし処理S6後の織物3の大きさは、200である。
第2の引伸ばし処理S6では、例えば、幅出し加工を行い密度の調整を行う。織物3の幅方向の両端(両耳)を保持して、幅を整える機械(テンターともいう。)を用いて、幅出し加工を行う。両耳を保持する形式によってピン(針)を用いるピンテンター、クリップ(挟み具)を用いるクリップテンターなどを使用することができる。尚、固着工程とセット工程は連続していても良い。
第2の引伸ばし処理の後、織物3の最終密度を固着させる為、加熱セット処理S7を行う。加熱セット処理では140℃〜220℃の加熱を行い織物の密度および収縮を固定する。
図4は、本発明の実施形態に係る接着芯地の基布の経糸及び緯糸の配置を示す平面図である。図4(a)は、リラックス工程後の織物を示す平面図である。図4(b)は、リラックス工程後、第1の引伸ばし処理を経て目止め樹脂がドット状に織物に固着している状態を示している。図4(c)は、セット工程後の織物を示している。なお、図4(a)〜(c)に示す織物3では、経糸31に仮撚り加工糸が使用されている。
図4(a),(b)に示す状態では、織物3の経糸31及び緯糸32は、一定の間隔で配置され、経糸31及び緯糸32は、夫々直線的に配置されている。図4(c)に示す状態では、ドット状の目止め樹脂によって、経糸31の伸びが拘束されているので、経糸31が部分的に変形(湾曲)している。緯糸32と経糸31とを比較すると、緯糸32の方が、直線部が多い。
一方、図4(d),(e)は、従来の製造方法で製造された基布を示している。図4(d)は、リラックス工程後の織物を示す平面図である。図4(e)は、目止め処理工程後、目止め樹脂が生地に付着している状態を示している。従来の製造方法では、目止め樹脂が固着した後には、セット工程(密度の調整)が行われていないので、経糸及び緯糸が規則的に配列されている。緯糸と経糸を比較しても、何れも直線的に配置されており、どちらか一方に、変形が多いわけではない。このように経糸及び緯糸が規則的に配置されていると、モアレが発生する可能性が高い。
本発明の実施形態に係る接着芯地の製造方法によれば、リラックス処理S1を実行して捲縮糸(例えば経糸31)に捲縮性を付与し、織物3にドット状の目止め樹脂R1を固着させた後に、織物3を経糸31(捲縮性が付与された糸)の延在する方向に引き伸ばすので、目止め樹脂R1によって糸の伸長が拘束され、糸の配置の規則性を崩すことができる。これにより、モアレの発生を抑制することができる。
本実施形態の接着芯地の製造方法では、従前のように、高捲縮糸を利用したり、製織の設計の調整をしたりする必要ないため、設計の手間を省くことができ、製造コストの低減を図ることができる。
本実施形態の接着芯地1は、上記の製造方法によって製造されているので、織物3と衣料用生地2とを貼り合わせたときにモアレの発生が抑制される。
また、上記実施形態では、下層樹脂部4に接着樹脂部5が固着されたダブルドットタイプの接着芯地1について説明しているが、織物3に熱可塑性樹脂を固着させて接着樹脂部を形成されたシングルドットタイプの接着芯地でもよい。
また、上記実施形態では、第1の引伸ばし処理S2及び第2の引伸ばし処理S6を実行しているが、第1の引伸ばし処理S2を実行せずに目止め処理(樹脂転写処理S3)を実行後、セット工程(S6,S7)を行い、密度調整を実行してもよい。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、接着芯地1を製造する場合について説明しているが、表地、裏地などその他の生地を製造する際に本発明の生地の製造方法を適用することができる。例えば、裏地に本発明に係る基布を製造し、衣料用生地と重ねた場合、モアレを抑制した衣料を得ることができる。
(実施例)
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。実施例1〜3、比較例1,2に係る接着芯地を作成した。ポリエステル仮撚り加工糸からなる織物を用い、これを生機とした。
(1)実施例1,2及び比較例1では、12dtex12fの織物を用いた。
初期織物密度(経糸本数〔本/2.54cm〕×緯糸本数〔本/2.54cm〕)
=83〔本/2.54cm〕×52〔本/2.54cm〕
(2)実施例3及び比較例2では、22dtex24fの織物を用いた。
初期織物密度(経糸本数〔本/2.54cm〕×緯糸本数〔本/2.54cm〕
=83〔本/2.54cm〕×53〔本/2.54cm〕
(3)実施例1〜3、及び比較例1,2では、以下の処理手順で接着芯地を製造した。
各処理(S1〜S7)を実行した。
S1:リラックス処理 90℃の温水で30分程度リラックス処理した。
染色加工 130℃の高温高圧機で30分程度染色した。
S2:第1の引伸ばし処理
S3:樹脂転写処理
S4:樹脂散布処理
S5:加熱固着処理1 140℃で10秒程度加熱した。
加熱固着処理2 160℃で20秒程度加熱した。
S6:第2の引伸ばし処理
S7:加熱セット処理 190℃で30秒程度加熱し、密度固着させた。
図5は、実施例及び比較例の仕様、評価結果を示す表である。実施例及び比較例について密度変化の測定、モアレ防止効果の評価、接着力の評価を行った。モアレ防止効果の評価として、目視検査を行った。目視検査の結果、モアレが検出されず、モアレ防止効果が十分である場合を「A」とし、殆どモアレが検出されず、実用上問題のないレベルのモアレ防止効果があった場合を「B」とし、モアレが検出され、モアレ防止効果が認められなかった場合を「C」とした。
密度変化の測定として、経糸密度(2.54cmあたりの経糸の本数)×緯糸密度(2.54cmあたりの緯糸の数)を計測した。接着力の評価として、接着芯地と衣料用生地とを貼り合せた後、接着芯地の接着力を測定した。接着芯地として十分な接着力がある場合を「A」とした。
1…接着芯地、2…表地、3…基布、31…経糸、32…緯糸、4…下層樹脂部(目止め樹脂)、5…接着樹脂部、11…スクリーン、12…スキージ、13…バックロール、14…ホッパー、15…エアーブロー、16…サクションノズル、17…ヒーター、18…熱風器、19…冷却ロール。

Claims (4)

  1. 経糸及び緯糸の少なくとも何れか一方が水中で捲縮する捲縮糸からなる織物を水に浸して捲縮させるリラックス工程と、
    前記リラックス工程後、前記織物に目止め樹脂をドット状に付着させた後、加熱冷却し固着させる目止め処理工程と、
    前記目止め処理工程の後、前記捲縮糸の延在する少なくとも一方向に沿って前記織物を引き伸ばした後、加熱セットするセット工程とを備える基布の製造方法。
  2. 前記セット工程において、前記織物を5%以上引伸ばす請求項1に記載の基布の製造方法。
  3. 前記目止め樹脂が熱可塑性樹脂である請求項1又は2に記載の基布の製造方法。
  4. 前記基布は、前記織物と、当該織物と衣料用生地とを接着させる前記目止め樹脂とを備える接着芯地である請求項3に記載の基布の製造方法。
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