JP5920045B2 - スタータ用電磁ソレノイド装置 - Google Patents
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Description
ISSは、例えば、交差点での信号停止あるいは渋滞等により車両が一時停止した際に、エンジンへの燃料供給をカットしてエンジンを自動的に停止させ、その後、ユーザによる発進操作(例えば、ブレーキペダルの解除操作、ドライブレンジへのシフト操作等)が行われて再始動条件が成立すると、スタータを自動的に作動してエンジンを再始動させるシステムである。
例えば、特許文献1に開示されたスタータ用の電磁ソレノイド装置は、シフトレバーを駆動してスタータのピニオンをエンジンのリングギヤ側へ押し出すソレノイドSL1と、モータの電源回路に設けられるメイン接点を開閉するソレノイドSL2とを有し、両ソレノイドSL1、SL2が軸方向に直列に配置されて、共通のスイッチフレームに収容されている。この電磁ソレノイド装置は、ソレノイドSL1の作動と、ソレノイドSL2の作動とをECU(電子制御装置)によって独立に制御できるので、ISSの始動システムに好適に用いることができる。
これに対し、軸上にピニオンを支持するピニオン軸とモータの電機子軸とが平行に配置され、且つ、電機子軸の回転が歯車減速装置を介してピニオン軸に伝達される減速型スタータが公知である(特許文献2)。この減速型スタータは、ピニオン軸と同軸線上に電磁スイッチが配置され、その電磁スイッチに内蔵されるプランジャの動きに連動してピニオン軸をリングギヤ側へ押し出す方式である。
これに対し、特許文献2の減速型スタータにタンデムソレノイド型の電磁ソレノイド装置を採用した場合は、電磁石に吸引されて移動するSL1プランジャの移動方向にピニオン軸が押し出されるため、SL1プランジャの移動方向とピニオンが押し出される方向とが同一方向となる。すなわち、ソレノイドSL1とソレノイドSL2は、SL1プランジャの移動方向とSL2プランジャの移動方向とが同一方向となる。
実施例1では、減速型スタータ1にタンデムソレノイド型の電磁ソレノイド装置2を採用した一例を説明する。
減速型スタータ1は、図3に示す様に、回転力を発生するモータ3と、このモータ3の電機子軸4と平行に配置されるピニオン軸5と、このピニオン軸5の外周上に支持されてピニオン軸5と一体に回転するピニオン6と、モータ3の回転速度を減速して駆動トルクを増幅する減速装置(後述する)と、この減速装置で増幅された駆動トルクをピニオン軸5に伝達するクラッチ7と、ピニオン軸5と同軸線上に配置される本発明の電磁ソレノイド装置2等より構成される。
電磁石界磁は、磁気回路を形成すると共に、モータ3のハウジングを兼ねるヨーク11の内周にスクリュ12で固定される界磁磁極13と、その界磁磁極13の周囲に平角線を巻回した界磁コイル14とで構成される。なお、電磁石界磁に代えて、複数の永久磁石をヨーク11の内周に配置した永久磁石界磁を採用することもできる。
以下、図1、図3において、ピニオン軸5と電磁ソレノイド装置2を含む軸方向の図示左側をピニオン側、図示右側を反ピニオン側と呼び、ピニオン軸5がスプラインチューブ15に対して軸方向に移動する際に、図示左方向を反スイッチ方向、図示右方向をスイッチ方向と定義する。
ピニオン軸5には、反ピニオン側の端面からピニオン側へ向かって、軸中心部に穿孔が凹設され、この穿孔の内部にスチールボール16が配設されている。
スプラインチューブ15は、ピニオン側の端部がボールベアリング18を介してスタータハウジング19に回転自在に支持され、反ピニオン側の端部がボールベアリング20を介してセンタケース21に回転自在に支持されている。また、スプラインチューブ15の内周には、スプラインチューブ15に対してピニオン軸5をスイッチ方向へ付勢するリターンスプリング22が配設されている。
電磁ソレノイド装置2は、電磁石の吸引力を利用してピニオン軸5を反スイッチ方向へ押し出す第1のソレノイド(以下、ソレノイドSL1と言う)と、モータ3の電源回路に接続されるメイン接点(後述する)を開閉する第2のソレノイド(以下、ソレノイドSL2と言う)とを備える(図1参照)。
ソレノイドSL1とソレノイドSL2は、両者を軸方向に直列に並べて、以下に説明する共通のスイッチフレームに一体的に収納される。なお、ソレノイドSL1は、スイッチフレームのピニオン側内部に収納され、ソレノイドSL2は、スイッチフレームの反ピニオン側内部に収納されて、ソレノイドSL1の動作方向とソレノイドSL2の動作方向とが同一方向に設定される。
金属フレーム28は、センタケース21と一体に設けられて、センタケース21より反ピニオン側へ筒状に延設される。樹脂フレーム29は、ピニオン側と反ピニオン側の両端が開口する筒形状を有し、ピニオン側の開口端が金属フレーム28の開口端との間にゴム製のガスケット31を挟み込んで組み付けられる。エンドフレーム30は、樹脂フレーム29の反ピニオン側の開口端との間にゴム製のガスケット32を挟み込んで組み付けられ、あらかじめ金属フレーム28に螺子結合される複数本のスタッドボルト(図示せず)の端部に内ナット33と外ナット34を締結して固定される。
ソレノイドSL1は、図1に示す様に、通電によって電磁石を形成するSL1コイル35と、このSL1コイル35の内周を軸心方向(図示左右方向)に可動するSL1プランジャ36と、電磁石により磁化されてSL1プランジャ36を吸着するSL1固定鉄心37と、SL1コイル35のピニオン側に配置される円環状のコアプレート38と、SL1プランジャ36の動きをピニオン軸5に伝達するシャフト39と、電磁石の吸引力が消滅した時にSL1プランジャ36を押し戻すリターンスプリング40と、ピニオン6をエンジンのリングギヤG(図5参照)に押し込むための反力を蓄えるドライブスプリング41等を備える。
SL1プランジャ36は、径方向の外周面に段差を有する段付き形状に設けられると共に、径方向の中央部を長手方向(図1の左右方向)に貫通する中空孔44が形成され、中空孔44のピニオン側には、内径を小さく設定した小径孔部44aが設けられている。
SL1固定鉄心37は、径方向の中央部が開口する円環状に設けられて、円筒スリーブ43のピニオン側内周に挿入され、SL1プランジャ36と軸方向に対向して配置される。
シャフト39は、SL1プランジャ36の小径孔部44aを挿通してSL1プランジャ36に組み付けられる。小径孔部44aより中空孔44の反ピニオン側へ入り込むシャフト39の端部には、小径孔部44aの内径より大きい外径を有するフランジ部39aが設けられている。一方、中空孔44より突き出るシャフト39のピニオン側は、SL1固定鉄心37の内周を通り抜けて、ピニオン軸5の端面に凹設された穿孔の内部に挿入され、スチールボール16に当接している。
ドライブスプリング41は、図1に示す様に、小径孔部44aより反ピニオン側に形成される中空孔44の内部に配置されて、反ピニオン側の端部が端板45に当接して支持され、ピニオン側の端部がシャフト39のフランジ部39aに当接して支持されている。
端板45は、SL1プランジャ36の反ピニオン側端面に溶接あるいは接着等により固定されている。
ソレノイドSL2は、図1に示す様に、通電によって電磁石を形成するSL2コイル46と、このSL2コイル46の内周を軸心方向(図示左右方向)に可動するSL2プランジャ47と、電磁石により磁化されてSL2プランジャ47を吸着するSL2固定鉄心48と、SL2コイル46のピニオン側に配置される円環状の磁性プレート49と、電磁石の吸引力が消滅した時にSL2プランジャ47を押し戻すリターンスプリング50等を備える。
SL2プランジャ47は、図1に示す様に、外周面に段差を有する段付き形状に設けられると共に、ピニオン側の端面に開口して反ピニオン側へ筒状に延びる第2プランジャ円筒部47aを有する。
SL2固定鉄心48は、径方向の内周面に段差を有する円環状に設けられて、円筒スリーブ52のピニオン側内周に挿入され、SL2プランジャ47と軸方向に対向して配置される。
この磁性プレート49と、ソレノイドSL1のコアプレート38は、図1に示す様に、ソレノイドSL1とソレノイドSL2とに共通の磁気通路を形成するコアステーショナリ53を介して磁気的に接続されている。
リターンスプリング50は、SL2プランジャ47に形成される第2プランジャ円筒部47aの内周に挿入されて、ピニオン側の端部がSL2固定鉄心48の反ピニオン側端面に支持され、反ピニオン側の端部が第2プランジャ円筒部47aの底面(軸方向端面)に支持されている。
コネクタハウジング64に取り出された2本の通電用端子62、63には、図5に示す様に、バッテリBからSL1コイル35およびSL2コイル46に電力を供給するための給電線65、66がコネクタ接続される。給電線65、66には、それぞれ、SL1用リレー67とSL2用リレー68が接続され、そのSL1用リレー67およびSL2用リレー68の開閉動作がECU69によって電子制御される。
また、2本の通電用端子62、63には、SL1用リレー67およびSL2用リレー68をオフした時にSL1コイル35とSL2コイル46に発生する逆起電力をショートするためのダイオード70、71がそれぞれSL1コイル35およびSL2コイル46と並列に接続されている。
なお、図1は、B端子ボルト54が樹脂フレーム29の図示下側へ取り出された状態を示しているが、実際は、図4に示す様に、B端子ボルト54とM端子ボルト55が樹脂フレーム29の図示左右両側より取り出されている。つまり、図1および図3に示す電磁ソレノイド装置2は、図4に示すI−O−I線に沿った断面形状を示している。
なお、SL2プランジャ47の戻り位置、つまり、SL2コイル46への通電が停止されて電磁石の吸引力が消滅した時に、SL2プランジャ47がリターンスプリング50の反力によって押し戻された時に停止する位置は、図1に示す様に、絶縁ブッシュ73に形成されたテーパ面が、エンドカバー57に設けられたテーパ面に当接することによって規制される。
まず、SL1プランジャ36とSL2プランジャ47について説明する。
SL1プランジャ36は、図2に示す様に、外周面の段差によって形成される軸方向の端面を第1プランジャ段差面36aと呼び、且つ、その第1プランジャ段差面36aの軸方向位置を基準として軸方向のピニオン側(図示左側)を第1プランジャ摺動部36bと呼び、軸方向の反ピニオン側(図示右側)を第1プランジャ後端部36cと呼ぶ時に、第1プランジャ後端部36cの外径は、第1プランジャ摺動部36bの外径より小さく形成される。
SL2プランジャ47は、第2プランジャ円筒部47aの内径が第1プランジャ後端部36cの外径より大きく形成される。
なお、SL2プランジャ47の戻り位置は、前述した様に、SL2プランジャ47に組み付けられる絶縁ブッシュ73のテーパ面がエンドカバー57のテーパ面に当接することで規制される。一方、SL1プランジャ36の戻り位置は、以下に説明するSL2固定鉄心48によって規制される。
隔壁部材75は、上記の軸方向にラップした状態を形成するSL1プランジャ36とSL2プランジャ47との間に配設される。この隔壁部材75は、非磁性を有する金属板(例えばステンレス板)よりプレス加工によって形成される。
隔壁部材75は、SL2プランジャ47との間でラップした状態を形成するSL1プランジャ36に対し、第1プランジャ後端部36cの周囲を覆うカップ形状に形成される。具体的には、図2に示す様に、第1プランジャ後端部36cの反ピニオン側端面に取り付けられた端板45に対向して配置されるプレート状の隔壁底部75aと、この隔壁底部75aの径方向の外周縁より第1プランジャ後端部36cの外周に沿ってピニオン側へ円筒状に延設される隔壁筒部75bと、この隔壁筒部75bのピニオン側の端部から径方向の外側へ延設される上記のフランジ部75cとを有する。
この隔壁部材75は、フランジ部75cを第2鉄心段差面48aに当接させた状態で、隔壁筒部75bの外周を第2鉄心リヤ部48cの内周に圧入してSL2固定鉄心48に固定される。また、本実施例の隔壁部材75は、隔壁筒部75bにソレノイドSL1のリターンスプリング50をガイドする機能を持たせている。つまり、リターンスプリング50は、内径側が隔壁筒部75bの外周面に保持されることで、径方向の移動が規制されている。
ここでは、アイドリングストップが実施された場合の一例として、エンジン停止過程(エンジンの回転が完全に停止するまでの減速期間中)に再始動要求が発生した場合の作動について説明する。
図5に示すECU69は、始動スイッチ76のオン操作によって作動するアイドリングストップ用の電子制御装置であり、エンジン停止過程で再始動要求が発生すると、SL1用リレー67およびSL2用リレー68を介してソレノイドSL1の作動とソレノイドSL2の作動とを独立に制御できる。
実施例1に記載した電磁ソレノイド装置2は、SL1コイル35およびSL2コイル46が共に非励磁の時、つまり、SL1プランジャ36およびSL2プランジャ47がそれぞれ戻り位置に静止している時に、SL1プランジャ36の第1プランジャ後端部36cが、第2プランジャ円筒部47aの内周に入り込んでラップした状態を形成している。このため、ソレノイドSL1とソレノイドSL2とを軸方向に直列に並べて配置した構成であっても、電磁ソレノイド装置2の軸長を短縮化できる。
また、SL1プランジャ36とSL2プランジャ47とがラップする構成であっても、SL1プランジャ36とSL2プランジャ47との間に非磁性の隔壁部材75を配設しているので、ソレノイドSL1が発生する磁束およびソレノイドSL2が発生する磁束が相手側プランジャ47、36に漏洩することを抑制できる。
また、隔壁部材75は、SL1プランジャ36が戻った時に、第1プランジャ段差面36aと第2鉄心段差面48aとの間に隔壁部材75のフランジ部75cが押圧されるが、フランジ部75cの板厚方向に荷重が加わるだけであり、特に変形、損傷等の不具合が隔壁部材75に生じることはない。
なお、リターンスプリング50の径方向の移動は隔壁筒部75bによって規制されるが、SL2プランジャ47の移動に伴ってリターンスプリング50が軸方向に圧縮されると、外径側へ太鼓状に膨れる可能性がある。このため、リターンスプリング50に外径側への膨れが発生した場合でも、第2プランジャ円筒部47aの内周面にリターンスプリング50の外径部が接触しない程度に隙間を確保しておくことが望まれる。
実施例1に記載した電磁ソレノイド装置2は、図1に示した様に、SL1プランジャ36の移動をガイドする円筒スリーブ43が第2鉄心フロント部48bの内周まで延設されている。これに対し、実施例2の電磁ソレノイド装置2は、図6に示す様に、隔壁部材75を第2鉄心フロント部48bの内周まで延設した一例である。
つまり、隔壁部材75は、第2鉄心段差面48a(図2参照)に当接するフランジ部75cの外周縁から軸方向ピニオン側へ筒状に延設される筒状ガイド部75dを有し、この筒状ガイド部75dが第2鉄心フロント部48bの内周に挿入されて、SL1プランジャ36の移動をガイドする機能を持たせている。
この実施例2の構成では、円筒スリーブ43の軸方向長さを短くできる。言い換えると、円筒スリーブ43を第2鉄心フロント部48bの内周まで軸方向に延長する必要がないので、既存の円筒スリーブ43をそのまま使用できる。
特に、ソレノイドSL2をソレノイドSL1より先に作動させた場合に、ソレノイドSL2が発生する磁束がSL1プランジャ36に漏洩することを隔壁部材75によって防ぐことができるので、SL1プランジャ36の作動が阻害されることはなく、ソレノイドSL1の作動電圧が上昇することもない。
実施例1に記載した隔壁部材75は、図2に示した様に、隔壁底面75aを有するカップ形状であるが、この実施例3に記載する隔壁部材75は、図7に示す様に、隔壁底面75aの無い筒形状とした一例である。
隔壁部材75に隔壁底面75aが無くても、第1プランジャ後端部36cの外周が非磁性である隔壁筒部75bによって覆われているので、SL2コイル46をSL1コイル35より先に励磁した場合でも、ソレノイドSL2から第1プランジャ後端部36cに漏洩する磁束の量は多くない。言い換えると、SL1プランジャ36の作動を阻害するほどの磁束がソレノイドSL2から第1プランジャ後端部36cに漏洩することはない。
さらに、端板45を非磁性材(例えばステンレス板)とすることもできる。この場合、隔壁部材75に隔壁底面75aを設けた場合と同等の効果を期待できる。
2 電磁ソレノイド装置
3 モータ
6 ピニオン
35 SL1コイル(第1のコイル)
36 SL1プランジャ(第1のプランジャ)
37 SL1固定鉄心(第1の固定鉄心)
40 リターンスプリング(第1のリターンスプリング)
46 SL2コイル(第2のコイル)
47 SL2プランジャ(第2のプランジャ)
48 SL2固定鉄心(第2の固定鉄心)
50 リターンスプリング(第2のリターンスプリング)
75 隔壁部材
SL1 第1のソレノイド
SL2 第2のソレノイド
Claims (5)
- エンジンのリングギヤに噛み合うピニオン(6)にモータ(3)の回転力を伝達して前記エンジンを始動させるスタータ(1)に用いられ、
励磁されて第1の電磁石を形成する第1のコイル(35)と、前記第1の電磁石によって磁化される第1の固定鉄心(37)と、磁化された前記第1の固定鉄心(37)に吸引されて前記第1のコイル(35)の内周を軸方向の一端側へ移動する第1のプランジャ(36)と、前記第1の電磁石の吸引力が消滅した時に前記第1のプランジャ(36)を軸方向の他端側へ押し戻す第1のリターンスプリング(40)とを有し、前記第1のプランジャ(36)の移動に応じて前記ピニオン(6)を前記リングギヤ側へ押し出す第1のソレノイド(SL1)と、
励磁されて第2の電磁石を形成する第2のコイル(46)と、前記第2の電磁石によって磁化される第2の固定鉄心(48)と、磁化された前記第2の固定鉄心(48)に吸引されて前記第2のコイル(46)の内周を軸方向の一端側へ移動する第2のプランジャ(47)と、前記第2の電磁石の吸引力が消滅した時に前記第2のプランジャ(47)を軸方向の他端側へ押し戻す第2のリターンスプリング(50)とを有し、前記第2のプランジャ(47)の移動に応じて、前記モータ(3)の電源回路に設けられるメイン接点を閉成する第2のソレノイド(SL2)と、
前記第1のソレノイド(SL1)と前記第2のソレノイド(SL2)とを一体に収容する共通のスイッチフレーム(28、29、30)とを有し、
前記第1のソレノイド(SL1)と前記第2のソレノイド(SL2)は、軸方向の一端側に前記第1のソレノイド(SL1)が配置され、軸方向の他端側に前記第2のソレノイド(SL2)が配置されて、前記第1のプランジャ(36)と前記第2のプランジャ(47)との間に非磁性の隔壁部材(75)が配設されるスタータ用電磁ソレノイド装置(2)であって、
軸方向の一端側をピニオン側、軸方向の他端側を反ピニオン側と定義し、
前記第1のプランジャ(36)は、径方向の外周面に段差が設けられ、この段差によって形成される軸方向の端面を第1プランジャ段差面(36a)と呼び、且つ、前記第1プランジャ段差面(36a)の軸方向位置を基準としてピニオン側を第1プランジャ摺動部(36b)と呼び、反ピニオン側を第1プランジャ後端部(36c)と呼ぶときに、前記第1プランジャ後端部(36c)の外径が前記第1プランジャ摺動部(36b)の外径より小さく形成され、
前記第2のプランジャ(47)は、ピニオン側の端面に開口して反ピニオン側へ筒状に延びる第2プランジャ円筒部(47a)を有し、この第2プランジャ円筒部(47a)の内径が前記第1プランジャ後端部(36c)の外径より大きく形成され、
前記第1プランジャ後端部(36c)の反ピニオン側の端面を第1プランジャ後端面と呼び、前記第2プランジャ円筒部(47a)のピニオン側の端面を第2プランジャ先端面と呼ぶとき、
前記第1のプランジャ(36)と前記第2のプランジャ(47)は、前記第1のコイル(35)および前記第2のコイル(46)が共に非励磁の時に、前記第1プランジャ後端部(36c)が前記第2プランジャ円筒部(47a)の内周に入り込んで前記第1プランジャ後端面が前記第2プランジャ先端面より反ピニオン側に位置し、前記第1プランジャ後端面の軸方向位置と前記第2プランジャ先端面の軸方向位置との間で前記第1プランジャ後端部(36c)と前記第2プランジャ円筒部(47a)とが重なって配置され、
前記隔壁部材(75)は、少なくとも前記第1プランジャ後端部(36c)の外周と前記第2プランジャ円筒部(47a)の内周との間に配設されていることを特徴とするスタータ用電磁ソレノイド装置。 - 請求項1に記載したスタータ用電磁ソレノイド装置(2)において、
前記第2の固定鉄心(48)は、径方向の内周面に段差を有する円環状に設けられ、前記段差によって形成される軸方向の端面を第2鉄心段差面(48a)と呼び、且つ、前記第2鉄心段差面(48a)の軸方向位置を基準としてピニオン側を第2鉄心フロント部(48b)と呼び、反ピニオン側を第2鉄心リヤ部(48c)と呼ぶときに、前記第2鉄心フロント部(48b)の内径は、前記第1プランジャ摺動部(36b)の外径より大きく形成され、前記第2鉄心リヤ部(48c)の内径は、前記第1プランジャ摺動部(36b)の外径より小さく、且つ、前記第1プランジャ後端部(36c)の外径より大きく形成されており、
前記第1のプランジャ(36)は、前記第1の電磁石の吸引力が消滅して前記第1のリターンスプリング(40)により反ピニオン側へ押し戻された時に、前記第1プランジャ段差面(36a)が前記第2鉄心段差面(48a)に直接または間接的に当接することにより、反プランジャ側への移動が停止することを特徴とするスタータ用電磁ソレノイド装置。 - 請求項2に記載したスタータ用電磁ソレノイド装置(2)において、
前記隔壁部材(75)は、前記第1のコイル(35)が非励磁の時に前記第1のリターンスプリング(40)に付勢されて静止している前記第1のプランジャ(36)に対し、前記第1プランジャ後端部(36c)の外周を筒状に覆う隔壁筒部(75b)と、この隔壁筒部(75b)のピニオン側の端部から径方向の外側へ延設されるフランジ部(75c)とを有し、このフランジ部(75c)を前記第2鉄心段差面(48a)に当接させた状態で、前記隔壁筒部(75b)の外周を前記第2鉄心リヤ部(48c)の内周に圧入して前記第2の固定鉄心(48)に固定されることを特徴とするスタータ用電磁ソレノイド装置。 - 請求項2に記載したスタータ用電磁ソレノイド装置(2)において、
前記隔壁部材(75)は、前記第1のコイル(35)が非励磁の時に前記第1のリターンスプリング(40)に付勢されて静止している前記第1のプランジャ(36)に対し、前記第1プランジャ後端部(36c)の反ピニオン側の端面に対向して配置される隔壁底部(75a)と、この隔壁底部(75a)の外周縁より前記第1プランジャ後端部(36c)の外周に沿ってピニオン側へ筒状に延設される隔壁筒部(75b)と、この隔壁筒部(75b)のピニオン側の端部から径方向の外側へ延設されるフランジ部(75c)とを有し、このフランジ部(75c)を前記第2鉄心段差面(48a)に当接させた状態で、前記隔壁筒部(75b)の外周を前記第2鉄心リヤ部(48c)の内周に圧入して前記第2の固定鉄心(48)に固定されることを特徴とするスタータ用電磁ソレノイド装置。 - 請求項3または4に記載したスタータ用電磁ソレノイド装置(2)において、
前記第2のリターンスプリング(50)は、前記第2プランジャ円筒部(47a)の内周に挿入され、且つ、内径側が前記隔壁筒部(75b)の外周面に支持されて径方向の移動が規制されていることを特徴とするスタータ用電磁ソレノイド装置。
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