JP2014074347A - 電磁ソレノイド - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突音の低減効果が経年変化によって低下することなく、且つ、遮音性効果を持たせることによって衝突音の漏れを抑制できるソレノイドSL1を提供する。
【解決手段】ソレノイドSL1は、可動鉄心18が固定鉄心17に吸引される際に、可動鉄心18が固定鉄心17に当接する以前に、可動鉄心18に取り付けた弾性部材45が固定鉄心17の受け面17bに当接することで、可動鉄心18と固定鉄心17との間に密閉空間が形成される。また、弾性部材45は、固定鉄心17の受け面17bに当接した後、可動鉄心18が固定鉄心17に当接するまでの間、密閉空間のシール性を保持している。これにより、弾性部材45が受け面17bに当接してから可動鉄心18が固定鉄心17に当接するまでの間、密閉空間に閉じ込められた空気のダンピング効果が働くので、可動鉄心18が固定鉄心17に衝突する時の衝撃が緩和されて、衝突音を低減できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、コイルを励磁して電磁石を形成し、その電磁石の吸引力で可動鉄心を吸引する電磁ソレノイドに関する。
近年、地球温暖化問題に対処するために、内燃機関を利用した自動車においてもCO2削減が望まれており、その対策として、所謂アイドリングストップ機能(以下、ISSと呼ぶ)を導入する動きが加速している。ISSとは、例えば、交差点での信号停止や渋滞等により車両が一時停止した際に、エンジンへの燃料噴射を停止してエンジンを自動的に停止させるシステムであり、燃費向上に寄与できる。
しかし、ISSを搭載する車両が増加すると、渋滞中の一般道で多くの車両がエンジン始動を一斉に行うケースが増加するため、エンジン始動に係わる発生音が道路周辺の騒音問題として浮上することが想定される。従って、ISS普及のためには、エンジン始動に係わる発生音の低減が課題となる。
エンジン始動に係わる発生音として、スタータの作動音がある。このスタータの作動音には、ピニオンがリングギヤに噛み合う時に発生するギヤ噛合音と、電磁スイッチの作動音とがある。電磁スイッチの作動音は、電磁スイッチがオンした時、つまり、コイルが励磁されて磁化された固定鉄心に可動鉄心が吸引されて衝突する際に発生する衝突音であり、この衝突音がエンジン始動過程で最も大きい。
電磁スイッチの作動音を低減する従来技術として、特許文献1が公知である。
この特許文献1に開示された電磁スイッチは、可動鉄心と固定鉄心の対向面のどちらか一方側に凸形状部が形成され、他方側に前記凸形状部と略相似形状の凹形状部が形成され、この凹形状部にゴム等の緩衝部材が装着されている。この構成によれば、可動鉄心が固定鉄心に吸引されて衝突する前に緩衝部材が圧縮変形することで、固定鉄心と可動鉄心との衝撃が緩和されて衝突音を低減できる。
特開2011−238362号公報
ところが、特許文献1に係る従来技術では、可動鉄心と固定鉄心との衝突時に緩衝部材が圧縮変形することで衝突音を低減するため、緩衝部材の弾性係数が経年変化するに連れて、衝突音の低減効果が低下することが考えられる。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、衝突音の低減効果が経年変化によって低下することなく、且つ、遮音性効果を持たせることによって衝突音の漏れを抑制できる電磁ソレノイドを提供することにある。
本発明は、励磁状態で電磁石を形成するコイルと、このコイルの内周を軸方向に可動する可動鉄心と、この可動鉄心と軸方向に対向して所定の位置に配置される固定鉄心とを備え、電磁石を形成して固定鉄心を磁化させることで、可動鉄心を固定鉄心に吸着させる電磁ソレノイドであって、可動鉄心が固定鉄心に吸着されて当接する互いの軸方向端面をそれぞれ当接面と呼ぶ時に、可動鉄心と固定鉄心のどちらか一方の鉄心には、自身の当接面より外径側に環状の弾性部材が組み付けられ、可動鉄心と固定鉄心のどちらか他方の鉄心には、自身の当接面より外径側に、弾性部材と軸方向に対向する受け面が環状に形成されている。
また、コイルが励磁されていない初期状態で一方の鉄心の当接面と他方の鉄心の当接面との間の距離をA、受け面に対向する弾性部材の軸方向の先端と受け面との間の距離をBとすると、下記(1)式の関係が成立し、
A>B ……………………(1)
可動鉄心が固定鉄心に吸引される際に、一方の鉄心の当接面と他方の鉄心の当接面とが当接する以前に、弾性部材が受け面に当接して軸方向に圧縮されることで、一方の鉄心の当接面と他方の鉄心の当接面との間に弾性部材によって周囲が密閉された空間が形成されることを特徴とする。
上記の構成によれば、可動鉄心が固定鉄心に吸引される際に、弾性部材が受け面に当接することで、一方の鉄心の当接面と他方の鉄心の当接面との間に密閉された空間が形成される。これにより、弾性部材が受け面に当接してから、一方の鉄心の当接面と他方の鉄心の当接面とが当接するまでの間、密閉空間に閉じ込められた空気のダンピング効果が働くので、可動鉄心が固定鉄心に衝突する時の衝撃が緩和されて、衝突力および衝突音を低減できる。なお、弾性部材として、例えばゴムを使用した場合、そのゴムが経年劣化しても、弾性部材が受け面に当接する時点でシール性が確保可能となる。言い換えると、弾性部材が経年劣化しても、密閉空間は保持されるので、空気のダンピング効果が低減することはなく、長期に渡って衝撃吸収性を維持できる。
さらに、可動鉄心が固定鉄心に衝突した時に、両鉄心の当接面の周囲が弾性部材によってシールされているので、衝突音が弾性部材の外側へ漏れにくいという効果もある。
実施例1に係る電磁スイッチの断面図である。 実施例1に係るソレノイドSL1の要部を示す断面図である。 実施例1に係るソレノイドSL1の作動途中の状態を示す断面図である。 実施例1に係るソレノイドSL1の作動完了時の状態を示す断面図である。 スタータの回路図である。 実施例2に係るソレノイドSL1の要部を示す断面図である。 実施例2に係るソレノイドSL1の作動完了時の状態を示す断面図である。 実施例3に係る弾性部材の断面図である。 実施例4に係るソレノイドSL1の要部を示す断面図である。 実施例4に係るソレノイドSL1の作動途中の状態を示す断面図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1では、本発明の電磁ソレノイドをエンジン始動用のスタータに使用した一例を説明する。
スタータは、図5に示す様に、電機子1aと界磁子1bを備える整流子モータ1と、このモータ1の回転速度を減速してトルクを増幅する減速装置2(例えば遊星歯車減速機)と、この減速装置2で増幅されたモータトルクが伝達されて回転する出力軸3と、この出力軸3の外周上にクラッチ4と一体に配置されるピニオン5と、このピニオン5をエンジンのリングギヤ6に噛み合わせるために反モータ方向(図示左方向)へ押し出すと共に、モータ1への通電電流を断続する電磁スイッチ7などより構成される。
以下、電磁スイッチ7の構成を図1および図5を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明では、図1に示す電磁スイッチ7の軸方向(図示左右方向)において、図示左側をフロント側と呼び、図示右側をリヤ側と呼ぶ。
電磁スイッチ7は、図1に示す様に、フロント側に底面8aを有すると共に、リヤ側に開口部を有する金属製のスイッチフレーム8と、このスイッチフレーム8の内側に挿入されるソレノイドユニット(後述する)と、スイッチフレーム8の開口部を閉塞する樹脂製のスイッチカバー9等より構成される。
スイッチフレーム8は、底面8aの中央部に開口する丸孔を有し、その丸孔より径方向の外側に取り付けられる2本のスタッドボルト(図示せず)を介してスタータハウジング(図示せず)に固定される。
ソレノイドユニットは、図5に示すシフトレバー10を駆動してクラッチ4とピニオン5を一体に反モータ方向(図5の左方向)へ押し出すソレノイドSL1と、車載バッテリ11(図5参照)よりモータ1に電力を供給するための電源回路に接続されるメイン接点(後述する)を開閉するソレノイドSL2とから成る。
ソレノイドSL1とソレノイドSL2は、図1に示す様に、それぞれ樹脂製のボビン12、13にエナメル被覆された銅線を巻回して形成されるコイル14、15を有する。
コイル14とコイル15の間には、磁気回路の一部を形成する円環状の積層プレート16が配置され、その積層プレート16の内周に固定鉄心17が圧入嵌合して積層プレート16と一体に構成されている。
ソレノイドSL1のコイル14の内周には、固定鉄心17のフロント側端面に対向して軸方向に可動する可動鉄心18が配置され、この可動鉄心18と固定鉄心17との間にリターンスプリング19が配設される。
可動鉄心18は、径方向の中央部に円筒孔を有する略円筒状に設けられ、その円筒孔は、可動鉄心18のリヤ側に底面を有し、フロント側が開口している。
可動鉄心18の円筒孔には、可動鉄心18の動きをシフトレバー10に伝達するためのジョイント20と、ピニオン5をリングギヤ6に噛み合わせるための反力を蓄えるドライブスプリング21とが挿入されている。
ジョイント20は、可動鉄心18の円筒孔の内部に挿入されるリヤ側の端部にフランジ部20aが一体に設けられ、円筒孔から突き出るフロント側の端部にシフトレバー10の一方の端部が係合する係合溝20bが形成されている。ジョイント20のフランジ部20aは、円筒孔の内周に摺動可能な外径を有し、ドライブスプリング21の荷重を受けて円筒孔の底面に押し付けられている。
ドライブスプリング21は、円筒孔の内部でジョイント20の外周に配置され、ジョイント20のフランジ部20aと、可動鉄心18のフロント側端部にかしめ固定されるスプリング受け部22との間に配置される。このドライブスプリング21は、可動鉄心18が固定鉄心17に吸引されて図1の右方向へ移動する際に、シフトレバー10を介して反モータ方向に押し出されたピニオン5がリングギヤ6に当接した後、可動鉄心18が固定鉄心17に吸着される間に圧縮されて反力を蓄える。
ソレノイドSL2のコイル15の内周には、固定鉄心17のリヤ側端面に対向して軸方向に可動する可動鉄心23が配置され、この可動鉄心23と固定鉄心17との間にリターンスプリング24が配設される。
コイル15の径方向外側と軸方向リヤ側には、それぞれ磁気回路の一部を形成する円筒形状の補助ヨーク25と円環状の磁性プレート26が配置される。
補助ヨーク25は、肉厚が薄く形成されたスイッチフレーム8のリヤ側開口部の内周に挿入されて、積層プレート20と磁性プレート26との間を磁気的に接続している。
磁性プレート26は、ボビン13を形成する樹脂部材にインサート成形されて、コイル15の軸心方向、即ち、可動鉄心23の移動方向と直交して配置され、径方向の外周面がスイッチフレーム8の内周面と接触して電気的に接続されている。
この磁性プレート26には、コイル14、15の一方の端部が、それぞれ樹脂部材より露出する磁性プレート26のリヤ側表面に溶接または半田付け等によって機械的かつ電気的に接続されている。また、コイル14、15の他方の端部は、それぞれ通電用端子27、28(図5参照)に電気的かつ機械的に接続されている。
通電用端子27、28は、例えば、上記の樹脂部材と一体に成形された端子台(図示せず)にインサート固定され、端子台よりリヤ側へ延出する先端部が、スイッチカバー9に形成された貫通孔を通ってスイッチカバー9の外側に取り出されている。
スイッチカバー9の外側に取り出された通電用端子27、28には、図5に示す様に、バッテリ11からコイル14、15に電力を供給するための給電線29、30がコネクタ接続される。給電線29、30には、それぞれ、SL1用リレー31、SL2用リレー32が接続され、電子制御装置であるECU33によってSL1用リレー31、SL2用リレー32のオンオフ動作が制御される。
スイッチカバー9は、図1に示す様に、スイッチフレーム8のリヤ側開口部の内周にシール部材(例えばOリング)を介して挿入され、スイッチフレーム8の開口端部をスイッチカバー9の外周に形成される段差部にかしめて固定される。
このスイッチカバー9には、図5に示す様に、モータ1の電源回路に接続されるB端子ボルト34とM端子ボルト35が取り付けられている。
B端子ボルト34とM端子ボルト35は、外周に雄ねじが形成されたボルト形状を有している。ボルト形状の先端側は、スイッチカバー9に形成された貫通孔を通ってスイッチカバー9の外側に取り出され、それぞれかしめワッシャ36、37によってスイッチカバー9に固定されている。B端子ボルト34には、図5に示す様に、バッテリ11のプラス端子に繋がるバッテリケーブル38のターミナルが接続され、M端子ボルト35には、モータ1のプラス側ブラシ39に繋がるモータリード線40のターミナルが接続される。
スイッチカバー9の内部には、図1に示す様に、前述のメイン接点を構成する一組の固定接点41と可動接点42が配置される。
一組の固定接点41は、B端子ボルト34とM端子ボルト35にそれぞれ電気的かつ機械的に結合されている。但し、一組の固定接点41をB端子ボルト34およびM端子ボルト35と一体に設けることも可能である。例えば、スイッチカバー9の内部に配置されるB端子ボルト34とM端子ボルト35のボルト頭部をそのまま固定接点41として利用することも出来る。
可動接点42は、可動鉄心23に固定される樹脂製のシャフト43の端面に支持されて、一組の固定接点41よりリヤ側に配置され、且つ、接点圧スプリング44の荷重を受けてシャフト43の端面に押し付けられている。
続いて、本発明に係るソレノイドSL1の特徴を図2を参照して説明する。
ソレノイドSL1は、コイル14が励磁されて固定鉄心17が磁化されると、リターンスプリング19の反力に抗して可動鉄心18が固定鉄心17に吸着される。ここで、可動鉄心18が固定鉄心17に吸着されて当接する互いの端面同士、すなわち、可動鉄心18のリヤ側端面と固定鉄心17のフロント側端面をそれぞれ当接面と呼ぶ。
可動鉄心18には、自身の当接面18aより外径側にリング状の弾性部材45が取り付けられている。この弾性部材45は、例えばゴム製であり、可動鉄心18に形成される取付け面18bに接着等によって固定される。取付け面18bは、当接面18aの周囲に環状に形成され、且つ、可動鉄心18の軸方向において、当接面18aよりフロント側(図示左側)へ後退した位置に形成される。
弾性部材45は、反取付け面側の端部である軸方向の先端が、可動鉄心18の当接面18aより固定鉄心17側へ突き出ている。つまり、弾性部材45は、軸方向の寸法が、取付け面18bと当接面18aとの軸方向距離より数ミリ程度大きく形成されている。
一方、固定鉄心17には、自身の当接面17aより外径側に弾性部材45と軸方向に対向する受け面17bが環状に形成されている。なお、実施例1では、固定鉄心17の当接面17aと受け面17bとの間に段差は無く、当接面17aと受け面17bとが同一面平面上に形成されている。
ソレノイドSL1のコイル14が励磁されていない初期状態において、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとの間の軸方向距離をA、受け面17bに対向する弾性部材45の軸方向の先端と受け面17bとの間の軸方向距離をBとすると、下記(1)式の関係が成立している。
A>B ……………………(1)
次に、スタータの作動を説明する。
ここでは、ISSを搭載する車両において、アイドリングストップが実施された後、エンジンを再始動する場合の一例を説明する。
図5に示すECU33は、アイドリングストップが実施されて、エンジンの回転が完全に停止するまでの減速期間中(例えば、リングギヤ6の回転数がアイドリング回転数より低い領域まで低下した時)にSL1用リレー31をオン制御する。その後、ユーザによる車両の発進操作(例えば、ブレーキの解除操作、ドライブレンジへのシフト操作等)が行われて再始動要求が発生した時にSL2用リレー32をオン制御する。
ソレノイドSL1は、ECU33によりSL1用リレー31がオン制御されると、バッテリ11から通電用端子27に電力が供給され、その通電用端子27に接続されるコイル14が励磁されて電磁石を形成する。これにより、磁化された固定鉄心17に可動鉄心18が吸引されて軸方向のリヤ側へ移動し、その可動鉄心18の移動に伴い、シフトレバー10を介してピニオン5がクラッチ4と一体に反モータ方向へ押し出される。ピニオン5の側面がリングギヤ6の側面に当接してピニオン5の移動が停止した後、減速中のリングギヤ6がピニオン5と噛み合い可能な位置まで回転すると、ドライブスプリング21に蓄えられた反力によりピニオン5が押し出されてリングギヤ6に噛み合う。
ソレノイドSL2は、ECU33によりSL2用リレー32がオン制御されると、バッテリ11から通電用端子28に電力が供給され、その通電用端子28に接続されるコイル15が励磁されて電磁石を形成する。これにより、磁化された固定鉄心17に可動鉄心23が吸引されて軸方向のフロント側へ移動する。この可動鉄心23の移動により、可動接点42が一組の固定接点41に当接して接点圧スプリング44に付勢されることでメイン接点が閉成する。その結果、バッテリ11よりモータ1に電力が供給されて電機子1aに回転力が発生し、その電機子1aの回転力が減速装置2で増幅されて出力軸3に伝達され、さらに、出力軸3からクラッチ4を介してピニオン5に伝達される。この時、ピニオン5は、既にリングギヤ6に噛み合っているので、減速装置2によって増幅されたモータ1の回転力がピニオン5からリングギヤ6に伝達されて、速やかにエンジンをクランキングする。
(実施例1の作用および効果)
実施例1のソレノイドSL1は、コイル14が励磁されて磁化された固定鉄心17に可動鉄心18が吸引される際に、図3に示す様に、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接する以前に、可動鉄心18に取り付けた弾性部材45が固定鉄心17の受け面17bに当接する。これにより、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとの間に、周囲が弾性部材45によってシールされた密閉空間が形成される。また、弾性部材45は、軸方向の先端が固定鉄心17の受け面17bに当接した後、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接するまでの間、軸方向に圧縮変形することで、密閉空間のシール性を保持している。その後、図4に示す様に、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接することで、弾性部材45が軸方向に全圧縮される。
上記の結果、弾性部材45が受け面17bに当接してから可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接するまでの間、密閉空間に閉じ込められた空気のダンピング効果が働くので、可動鉄心18が固定鉄心17に衝突する時の衝撃が緩和されて、衝突音を低減できる。
また、弾性部材45が経年劣化しても、弾性部材45が受け面17bに当接した状態でシール性が低下することはないので、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接するまでの間に形成される密閉空間は維持される。よって、弾性部材45が経年劣化しても、空気のダンピング効果が低下することはなく、衝突音の低減効果が低下することもない。
さらに、可動鉄心18が固定鉄心17に衝突した時に、両鉄心の当接面18a、17aの周囲が弾性部材45によって気密にシールされているので、衝突音が弾性部材45の外側へ漏れ難くなる。すなわち、遮音性効果が得られるので、電磁スイッチ7の外部へ漏れる衝突音を低減できる。
また、スタータの作動で説明した様に、再始動要求が発生する以前に予めピニオン5をリングギヤ6に噛み合わせる(ピニオンプリセットと呼ぶ)場合は、衝突音低減の効果が大きいと言える。すなわち、ピニオンプリセットを行う場合は、モータ1が停止している状態でソレノイドSL1を作動させるため、可動鉄心18と固定鉄心17との衝突音がモータ1の作動音によってかき消されることがない。従って、上記のように、弾性部材45の内径側に密閉空間を形成して、空気のダンピング効果により衝突音を低減させることは、ピニオンプリセットを行う場合に、より大きな効果を発揮する。
さらに、実施例1に記載したスタータは、ISSを搭載する車両に使用されるため、例えば、交差点での信号停止あるいは渋滞中の一般道等で多くの車両がエンジン始動を一斉に行う場合に生じる騒音問題の対策にもなる。つまり、ISSを搭載する多くの車両に本発明を適用した場合、道路周辺の騒音問題を緩和する上で効果が大であり、且つ、ISSの普及にも貢献できる。
以下、本発明に係る他の実施例2〜4を説明する。
なお、実施例1と同一名称の部品または同一機能を有する部品には同一番号を付しており、説明は実施例1を参照する。
(実施例2)
この実施例2は、固定鉄心17の当接面17aと受け面17bとの間に段差を設けた一例である。具体的には、図6に示す様に、固定鉄心17の当接面17aより受け面17bの方が前方(図示左方向)へ突き出た状態で形成されている。
一方、弾性部材45は、固定鉄心17の当接面17aと受け面17bとの軸方向距離に相当する寸法だけ、受け面17bに対向する軸方向の先端が、実施例1よりフロント側(図示左側)へ後退している。但し、実施例1に記載した(1)式の関係(A>B)は成立している。
この実施例2の構成においても、可動鉄心18が固定鉄心17に吸引される際に、両鉄心の当接面18a、17a同士が当接する以前に、可動鉄心18に取り付けた弾性部材45が固定鉄心17の受け面17bに当接して、両鉄心の当接面18a、17a同士の間に密閉空間が形成される。また、弾性部材45は、固定鉄心17の受け面17bに当接した後、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接するまでの間、軸方向に圧縮変形することで密閉空間のシール性を保持している。
この後、図7に示す様に、可動鉄心18の当接面18aと固定鉄心17の当接面17aとが当接することで、弾性部材45が軸方向に全圧縮される。この様に、実施例2の構成においても、密閉空間に閉じ込められた空気のダンピング効果によって、実施例1と同様の効果を得ることができる。
また、この実施例2の構成では、図6に示した様に、固定鉄心17の当接面17aと受け面17bとの間に段差を設けることで、弾性部材45が固定鉄心17の受け面17bに当接した後、固定鉄心17と可動鉄心18との間にラビリンス構造を形成できる。このラビリンス構造を形成することで、空気の流れが抑制されるため、よりダンピング効果の向上が期待できる。
(実施例3)
この実施例3は、弾性部材45を積層構造とした一例である。
例えば、図8に示す弾性部材45は、弾性係数が異なる第1の弾性部材45aと第2の弾性部材45bとを軸方向に積層して構成される。
この場合、弾性部材45の弾性係数を適宜に変更できるので、所望の反発力を得ることができる。これにより、ソレノイドSL1のコイル14への通電電圧を下げていった場合の復帰電圧を所望の値に調整することが可能となる。これは、復帰時に利用するリターンスプリング19の荷重を変えることなく、復帰電圧を変更可能となるため、ソレノイドSL1の作動電圧に影響を与えることはない。
なお、図8に示す弾性部材45は二層構造の一例であるが、三層以上の積層構造でも良い。
(実施例4)
この実施例4は、図9に示す様に、可動鉄心18と対向する固定鉄心17のフロント側端面に凹形状46を形成し、この凹形状46の周囲に当接面17aを環状に形成した一例である。
固定鉄心17のフロント側端面に凹形状46を形成することで、図10に示す様に、弾性部材45が固定鉄心17の受け面17bに当接した状態で形成される密閉空間の容積が大きくなる。つまり、密閉空間内の空気量が増えるため、密閉空間に閉じ込められた内部空気の圧縮率を調整可能となり、復帰電圧の調整が可能となる。
なお、上記の事例では、固定鉄心17のフロント側端面に凹形状46を形成しているが、可動鉄心18のリヤ側端面に凹形状46を形成することもできる。
(変形例)
実施例1では、本発明の構成をソレノイドSL1に適用しているが、ソレノイドSL2に適用することもできる。
また、実施例1の電磁スイッチ7は、ソレノイドSL1とソレノイドSL2とを有し、両ソレノイドSL1、SL2の作動を独立に制御できる構成であるが、ピニオン5の押し出しと、メイン接点の開閉とを一つのソレノイドで行う一般的なスタータ用電磁スイッチに本発明の構成を適用することもできる。
さらに、本発明の電磁ソレノイドは、スタータ用の電磁スイッチ7に用いるだけでなく、例えば、電気回路の開閉に使用される電磁リレーにも適用できる。
実施例1では、可動鉄心18に弾性部材45を取り付けた事例を説明したが、固定鉄心17に弾性部材45を取り付けてもよい。
また、弾性部材45は、実施例1に記載したゴムに限定するものではなく、例えば、樹脂弾性体(弾力性に富む樹脂材)、あるいは弾性変形できる発泡スチロール等を使用することも可能である。
SL1 ソレノイド(電磁ソレノイド)
14 ソレノイドのコイル
17 固定鉄心
17a 固定鉄心の当接面
17b 固定鉄心の受け面
18 可動鉄心
18a 可動鉄心の当接面
45 弾性部材

Claims (4)

  1. 励磁状態で電磁石を形成するコイル(14)と、
    このコイル(14)の内周を軸方向に可動する可動鉄心(18)と、
    この可動鉄心(18)と軸方向に対向して所定の位置に配置される固定鉄心(17)とを備え、
    前記電磁石を形成して前記固定鉄心(17)を磁化させることで、前記可動鉄心(18)を前記固定鉄心(17)に吸着させる電磁ソレノイド(SL1)であって、
    前記可動鉄心(18)が前記固定鉄心(17)に吸着されて当接する互いの軸方向端面をそれぞれ当接面(18a、17a)と呼ぶ時に、
    前記可動鉄心(18)と前記固定鉄心(17)のどちらか一方の鉄心には、自身の当接面(18a)より外径側に環状の弾性部材(45)が組み付けられ、
    前記可動鉄心(18)と前記固定鉄心(17)のどちらか他方の鉄心には、自身の当接面(17a)より外径側に、前記弾性部材(45)と軸方向に対向する受け面(17b)が環状に形成され、
    前記コイル(14)が励磁されていない初期状態で前記一方の鉄心の当接面(18a)と前記他方の鉄心の当接面(17a)との間の距離をA、前記受け面(17b)に対向する前記弾性部材(45)の軸方向の先端と前記受け面(17b)との間の距離をBとすると、下記(1)式の関係が成立し、
    A>B ……………………(1)
    前記可動鉄心(18)が前記固定鉄心(17)に吸引される際に、前記一方の鉄心の当接面(18a)と前記他方の鉄心の当接面(17a)とが当接する以前に、前記弾性部材(45)が前記受け面(17b)に当接して軸方向に圧縮されることで、前記一方の鉄心の当接面(18a)と前記他方の鉄心の当接面(17a)との間に前記弾性部材(45)によって周囲が密閉された空間が形成されることを特徴とする電磁ソレノイド。
  2. 請求項1に記載した電磁ソレノイド(SL1)において、
    前記弾性部材(45)は、弾性係数が異なる少なくとも第1の弾性部材(45a)と第2の弾性部材(45b)とを軸方向に積層して形成されることを特徴とする電磁ソレノイド。
  3. 請求項1または2に記載した電磁ソレノイド(SL1)において、
    前記一方の鉄心の当接面(18a)または前記他方の鉄心の当接面(17a)、あるいは、両鉄心の当接面(17a、18a)に凹形状(46)を有することを特徴とする電磁ソレノイド。
  4. バッテリ(11)より電力の供給を受けて回転力を発生するモータ(1)と、
    このモータ(1)の回転力が伝達されて回転するピニオン(5)と、
    このピニオン(5)をエンジンのリングギヤ(6)に噛み合わせる際に、前記ピニオン(5)を前記リングギヤ(6)側へ押し出すピニオン押出手段と、
    前記モータ(1)への通電電流を断続するためのメイン接点を開閉するメイン接点開閉手段(SL2)とを備えるエンジン始動用のスタータであって、
    前記ピニオン押出手段は、請求項1〜3に記載した何れか一つの電磁ソレノイド(SL1)によって構成されることを特徴とするスタータ。
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