JP5919844B2 - 印刷データ作成装置、布帛用印刷データ作成装置、及び印刷データ作成プログラム - Google Patents

印刷データ作成装置、布帛用印刷データ作成装置、及び印刷データ作成プログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置、布帛用印刷データ作成装置、及び印刷データ作成プログラムに関する。
印刷データに基づいて、インクを吐出する印刷ヘッドが搭載されたキャリッジをプラテン上に保持された布帛に対して相対的に走査しながら印刷を行う印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる印刷装置では、インクとして白インクとカラーインクが用いられるが、印刷前に布帛などの印刷媒体に対して前処理液が塗布された後、白インク、カラーインクの順で印刷が行われるのが一般的である。
特開2009−279888号公報
しかしながら、従来の印刷装置では、印刷媒体に印刷する画素における白インクとカラーインクとの合計量が多くなりすぎる場合があるという問題点があった。この結果、例えば、にじみが発生するおそれがあった。
本発明の目的は、白インクとカラーインクとの合計量を適切に制限することが可能な印刷データ作成装置、布帛用印刷データ作成装置、及び印刷データ作成プログラムを提供することである。
本発明の第1の態様に係る印刷データ作成装置は、白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置であって、前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表わす濃度である濃度データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記濃度データに基づいて、前記複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、前記印刷データ作成手段は、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成する。
この場合、白インクとカラーインクとの合計濃度が、インク閾値以下となるように、白インクの画素毎の濃度が調整される。そして、カラーインクの濃度と調整された白インクの濃度とが用いられて印刷データが作成される。このようにして作成された印刷データを用いて印刷装置が印刷を行う場合、白インクとカラーインクとの合計量の大きさが適切に制限される。このため、例えば、にじみの発生を防止することができる。
前記印刷データ作成装置において、前記印刷データ作成手段は、前記合計濃度が、前記インク閾値より大きいか否かを前記画素毎に判断する第一判断手段と、前記第一判断手段によって、前記合計濃度が、前記インク閾値より大きくなると判断された場合に、前記合計濃度が前記インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を減らして前記印刷データを作成する第一白インク削減手段とを備えてもよい。この場合、合計濃度がインク閾値より大きくなった画素のみ、白インクの濃度が減らされるので、全ての画素について白色の濃度を減らす場合に比べて、発色性、色合い等の品質への影響を低減でき、品質を良好に確保できる。
前記印刷データ作成装置において、前記印刷データ作成手段は、前記インク閾値から少なくとも前記カラーインクの量に相当する値が差し引かれた閾値であって前記白インクについての閾値である白インク閾値より、前記白インクの濃度が大きいか否かを前記画素毎に判断する第二判断手段と、前記第二判断手段によって、前記白インクの濃度が前記白インク閾値より大きいと判断された場合に、前記白インクの濃度が前記白インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を減らして前記印刷データを作成する第二白インク削減手段とを備えてもよい。この場合、白インクの濃度が白インク閾値より大きくなった画素のみ、白インクの濃度が減らされるので、全ての画素について白色の濃度を減らす場合に比べて、発色性、色合い等の品質への影響を低減でき、品質を良好に確保できる。
前記印刷データ作成装置において、前記印刷データ作成手段は、前記白インクの濃度に乗算して前記合計濃度が前記インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を調整する値である白インク調整値を用いて、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度を調整し、調整した前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度とを用いて前記印刷データを作成してもよい。この場合、白インク調整値を乗算することで、合計濃度がインク閾値以下となるように白インクの濃度を調整することができる。このため、合計濃度とインク閾値との比較の処理を行う必要がない。よって、処理の負荷が軽減される。
前記印刷データ作成装置において、前記インク閾値は、印刷媒体の種類と前記印刷媒体へ印刷を行う場合の解像度と前記インクヘッドが備える複数のノズルのうち異なるノズルを同一の画素列に複数回走査させて印刷を実行するマルチパスの有無のうち少なくとも1つを含む印刷条件に応じて設定されていてもよい。この場合、印刷条件に応じて適切にインク閾値を設定することができ、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができる。このため、例えば、条件に応じてにじみの発生を防止できるように、印刷データを作成することができる。
前記印刷データ作成装置において、前記インク閾値は、色相、明度、及び彩度のうち少なくともいずれか1つに応じて設定されていてもよい。この場合、色相、明度、彩度のうちの少なくとも1つの条件に応じて、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができる。このため、例えば、色相、明度、彩度のうちの少なくとも1つの条件に応じて、にじみの発生を防止できるように、印刷データを作成することができる。
前記印刷データ作成装置において、前記インク閾値は、RGB値又は色材値に応じて設定されていてもよい。この場合、RGB値又は色材値に応じて、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができる。このため、例えば、RGB値又は色材値に応じて、にじみの発生を防止できるように、印刷データを作成することができる。
本発明の第2の態様に係る布帛用印刷データ作成装置は、白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体である布帛に対して相対的に走査させることで前記布帛に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する布帛用印刷データ作成装置であって、前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表す濃度である濃度データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段によって取得された前記濃度データに基づいて、前記複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、前記印刷データ作成手段は、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成する。この場合において、印刷データを用いて印刷装置が布帛に対して印刷を行う場合、白インクとカラーインクとの合計量の大きさが適切に制限される。このため、例えば、にじみの発生を防止することができる。
本発明の第3の態様に係る印刷データ作成プログラムは、白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において実行される印刷データ作成プログラムであって、前記印刷データ作成装置のコントローラに、前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表す濃度である濃度データを取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップによって取得された前記濃度データに基づいて、前記複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成ステップとを実行させ、前記印刷データ作成ステップは、前記データ取得ステップにより取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成する。この場合において、印刷データを用いて印刷装置が印刷を行う場合、白インクとカラーインクとの合計量の大きさが適切に制限される。このため、例えば、にじみの発生を防止することができる。
印刷システム100の概要を示す斜視図である。 キャリッジ34の底面図である。 マルチパス方式を説明するための説明図である。 印刷装置30の電気的構成を示すブロック図である。 PC1の電気的構成を示すブロック図である。 カラーモード変換テーブル21のデータ構成図である。 メイン処理のフローチャートである。 印刷条件の入力画面61を示す図である。 第一調整テーブル91のデータ構成図である。 第一白インク調整処理のフローチャートである。 第二実施形態における第二調整テーブル92のデータ構成図である。 第二実施形態における第二白インク調整処理のフローチャートである。 第三実施形態における第三調整テーブル93のデータ構成図である。 第三実施形態における第三白インク調整処理のフローチャートである。 第四実施形態における第四調整テーブル94のデータ構成図である。 第四実施形態における第四白インク調整処理のフローチャートである。
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本発明に係る印刷データ作成装置及び布帛用印刷データ作成装置の一実施形態であるパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という。)1、およびPC1を備えた印刷システム100について説明する。印刷システム100は、PC1と印刷装置30とを備える。印刷装置30は公知の布帛用インクジェットプリンタであり、インクヘッド35(図2参照)を走査させることで、印刷媒体である布帛に印刷を行うことができる。PC1は、印刷装置30に印刷を実行させるための印刷データを作成することができる。
図1および図2を参照して、印刷装置30の概要について説明する。図1の左下側および右上側は、夫々、印刷装置30の正面側および背面側である。図1の左右方向および上下方向は、夫々、印刷装置30の左右方向および上下方向である。図1に示すように、印刷装置30は、矩形箱状の筐体31を有する。筐体31の前後方向略中央には、一対のガイドレール33が左右方向に延びている。キャリッジ34は、ガイドレール33により、ガイドレール33に沿って左右方向(主走査方向)に移動可能に支持されている。詳細は図示しないが、キャリッジ34は、主走査モータ46(図4参照)およびベルトを含む主走査機構によって主走査方向に走査される。キャリッジ34は、複数のインクヘッド35(図2参照)を下部に備えている。複数のインクヘッド35の配置については、図2を参照して後述する。
筐体31の内部の左右方向略中央下部には、一対のガイドレール37が前後方向に延びている。プラテン支持台38は、ガイドレール37により、ガイドレール37に沿って前後方向(副走査方向)に移動可能に支持されている。詳細は図示しないが、プラテン支持台38は、副走査モータ47(図4参照)およびベルトを含む副走査機構によって副走査方向に走査される。プラテン支持台38の上面の左右方向略中央には、取り替え可能なプラテン39が固定されている。プラテン39は、平面視略五角形の板体であり、その上面に、例えばTシャツ等の布帛を載置するためのものである。
印刷装置30は、インクヘッド35を主走査方向に走査させながらインクを吐出させることで、主走査方向に画素列(ドット列)を形成することができる。印刷装置30は、主走査方向の走査が完了すると、インクヘッド35を副走査方向に走査させた後に、再び主走査方向に画素列を形成する。印刷装置30は、以上の動作を印刷データに従って繰り返し実行することで、印刷媒体上に複数の画素列を形成して印刷を行う。
なお、本実施形態の印刷装置30は、キャリッジ34を主走査方向に移動させ、且つプラテン39を副走査方向に移動させることで、キャリッジ34と、プラテン39に保持された印刷媒体とを相対的に移動させる。しかし、本発明は、キャリッジ34と印刷媒体とを相対的に移動させる印刷装置を用いる場合であれば適用でき、具体的な移動方法は本実施形態の方法に限定されない。つまり、本発明において「キャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させる」とは、プラテン39を主走査方向に移動させ且つキャリッジ34を副走査方向に移動させる場合、プラテン39のみを主走査方向および副走査方向に移動させる場合、キャリッジ34のみを主走査方向および副走査方向に移動させる場合等も含む。プラテン39のみを移動させる場合、キャリッジ34はインクヘッド35を保持するのみとなる。また、プラテン39を移動させることで印刷媒体を移動させる場合に限られず、ローラ等を用いて印刷媒体のみを移動させてもよい。
キャリッジ34の構造について説明する。図2に示すように、本実施形態におけるキャリッジ34は複数のインクヘッド35を搭載している。各インクヘッド35の底面には、複数個の微細なノズル36が設けられている。本実施形態では、インクヘッド35の各々に128個のノズル36が設けられているが、図面ではノズル36の個数を簡略化している。インクカートリッジ(図示せず)からインクヘッド35に供給されたインクは、圧電素子の駆動によって、ノズル36から下向きに吐出される。各インクヘッド35における複数のノズル36は、主走査方向に交差する方向(本実施形態では副走査方向)に並べて配置される。
本実施形態における印刷装置30は、一例として、キャリッジ34を主走査方向に走査させる間に、白インクとカラーインクを共に印刷媒体に吐出させて印刷を行うことができるとする。つまり、本実施形態における印刷装置30は、図2に示すキャリッジ34を用いることで、白とカラーの同時印刷を実行できる。よって、印刷装置30は短時間で印刷を完了させることができる。なお、白は、白色を表現する場合や、カラーの下地として印刷される場合がある。白がカラーの下地として印刷された場合、カラーの発色性等が向上する。
キャリッジ34には、白インクを吐出する白インクヘッド35Wと、カラーインクを吐出するカラーインクヘッド35C、35M、35Y、35Kとが共に搭載されている。図2に示す例では、4つの白インクヘッド35Wが主走査方向に並べて配置されている。さらに、4つの白インクヘッド35Wに対して副走査方向にずれた位置に、4つのカラーインクヘッド35C、35M、35Y、35Kが主走査方向に並べて配置されている。カラーインクヘッド35Cはシアンインクを吐出する。カラーインクヘッド35Mはマゼンタインクを吐出する。カラーインクヘッド35Yはイエローインクを吐出する。カラーインクヘッド35Kは黒インクを吐出する。カラーインクは白インクの上に吐出されるため、印刷中には、プラテン39(図1参照)はキャリッジ34に対して図2の下方へ移動する。なお、白インクヘッド35Wとカラーインクヘッド35C、35M、35Y、35Kとは、接触していてもよいし離間していてもよい。
なお、キャリッジ34の具体的な構成は変更できる。例えば、黒インクを吐出するカラーインクヘッド35Kを用いずに、3つのカラーインクヘッド35C、35M、35Yのみを用いてもよい。この場合、シアン、マゼンタ、イエローの3色を混合することで黒色が表現される。また、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック以外のインクを吐出するインクヘッド(例えば、ゴールド、シルバー等のインクを吐出するインクヘッド)がカラーインクヘッドに含まれていてもよい。白インクヘッド35Wの数も4つに限られない。各インクヘッド35に設けられるノズル36の数も変更できる。
印刷装置30では、白インクヘッド35Wはキャリッジ34に着脱可能に装着される。従って、ユーザは、キャリッジ34に装着する白インクヘッド35Wの数を変更することができる。より具体的には、ユーザは、2つの白インクヘッド35Wがキャリッジ34に装着されたモデルを購入した後でも、さらに2つの白インクヘッド35Wをキャリッジ34に追加して装着することで、印刷装置30のモデルを変更することができる。さらに、ユーザは、キャリッジ34に装着された複数の白インクヘッド35Wの一部のみを使用して印刷を実行させることもできる。
PC1が印刷装置30に実行させることが可能な印刷の方式について説明する。PC1は、主走査方向に並ぶ画素列の各々に対して、キャリッジ34を1回走査させることで吐出できるインク量よりも多いインクを印刷装置30に吐出させることができる。白インク等の特定のインクは、キャリッジ34を1回走査させただけでは良好な発色を得られない場合がある。印刷装置30は、キャリッジ34を複数回走査させる過程で各々の画素列を形成する動作(所謂「重ね打ち」)を行うことで、多くのインクを記録媒体に吐出して良好な発色を再現することができる。以下では、同色インクの重ね打ちを行う印刷方式を、重複印刷という。
重複印刷を印刷装置30に実行させるための具体的な方法として、マルチパス方式を用いる方法、版全体の印刷を複数回繰り返す方法、主走査方向の移動を繰り返した後に副走査方向の移動を行う方法等がある。マルチパス方式とは、画素列の各々に対して異なるノズル36を複数回走査させることで印刷を行う方式である。印刷装置30は、マルチパス方式の印刷を行うことで、印刷装置30自身が有する種々のばらつきの影響を低減させて、印刷品質を向上することができる。PC1は、各走査においてインクの吐出を間引く確率を調整することで、印刷品質を向上させつつ、吐出させるインクの量を増加させることもできる。版全体の印刷を複数回繰り返す方法では、複数のインクヘッド35の各々が有するノズル36の1つが各画素に1回走査されて印刷領域全体の印刷が行われ、この動作が複数回繰り返される。よって、インクが適度に乾いた後で次のインクが吐出されるため、インクが滲み難い。主走査方向の移動を繰り返した後に副走査方向の移動を行う方法によると、インクが適度に滲み広がる。よって、所謂ベタ塗りを行う場合に、インクが付着しない隙間が減る。本発明は、上記の3つの重複印刷方法のいずれを用いる場合でも適用できる。
本実施形態では、一例として、PC1は、マルチパス方式の印刷を印刷装置30に実行させるとする。マルチパス方式について、より詳細に説明する。一般的に、マルチパス方式の印刷データを作成する場合、間引き処理が行われる。間引き処理とは、インクを吐出すると定められた画素に対して、複数の走査の各々におけるインクの吐出を所定のアルゴリズムに従って間引くことで、インクの吐出量を制御する処理である。各走査においてインクの吐出が間引かれる確率を、間引き率という。各走査における間引き率の総和が100%未満となれば、1回の走査で吐出できるインクの量よりも多くのインク量が吐出される。つまり、マルチパス方式によると、印刷品質を向上させつつ、吐出させるインクの量を増加させることもできる。
図3は、複数の画素23によって形成される4つの画素列24A、24B、24C、24Dをマルチパス方式によって形成する場合を例示する。印刷装置30は、まず、キャリッジ34(図2参照)を主走査方向に1回走査させて、複数のノズル36のうちの特定のノズルXから画素列24Aにインクを吐出する。次いで、キャリッジ34に対して印刷媒体を副走査方向(具体的には、図3の上方)に移動させて、ノズルXから画素列24Bにインクを吐出する。以上の動作を繰り返し、4つの画素列24A〜24Dの各々にノズルXを1回ずつ走査させて印刷を行う。次いで、印刷装置30は、印刷媒体をさらに図3の上方に移動させて、ノズルXとは異なるノズルYから画素列24Aにインクを吐出させる。同様に、4つの画素列24B〜24Dの各々にもノズルYを走査させて印刷を完成させる。以上のように、マルチパス方式では、4つの画素列24A〜24Dの各々に対して異なるノズル36が走査される。その結果、種々のばらつきの影響が低下する。
図4を参照して、印刷装置30の電気的構成について説明する。印刷装置30は、印刷装置30の制御を司るCPU40を備える。CPU40には、ROM41、RAM42、ヘッド駆動部43、モータ駆動部45、表示制御部48、操作処理部50、およびUSBインタフェース52が、バス55を介して接続されている。
ROM41には、印刷装置30の動作を制御するための制御プログラム、初期値等が記憶されている。RAM42には、PC1から受信した印刷データ等の各種データが一時的に記憶される。ヘッド駆動部43は、インクを吐出するインクヘッド35に接続しており、インクヘッド35の各吐出チャンネルに設けられた圧電素子を駆動する。モータ駆動部45は、インクヘッド35を主走査方向に移動させる主走査モータ46と、インクヘッド35を副走査方向に移動させる副走査モータ47とを駆動する。表示制御部48は、CPU40による指示に応じてディスプレイ49の表示を制御する。操作処理部50は、操作パネル51に対する操作入力を検知する。USBインタフェース52は、印刷装置30をPC1等の外部機器に接続する。
図5を参照して、PC1の電気的構成について説明する。PC1は、PC1の制御を司るCPU10を備える。CPU10には、ROM11、RAM12、CD−ROMドライブ13、HDD14、表示制御部16、操作処理部17、およびUSBインタフェース18が、バス19を介して接続されている。
ROM11には、CPU10が実行するBIOS等のプログラムが記憶されている。RAM12は各種情報を一時的に記憶する。CD−ROMドライブ13には、印刷媒体であるCD−ROM6が挿入される。CD−ROM6に記録されているデータは、CD−ROMドライブ13によって読み出される。PC1は、CD−ROM6およびインターネット等を介して、本発明に係る印刷データ作成プログラム等を取得し、HDD(ハードディスクドライブ)14に記憶させる。HDD14は不揮発性の記憶装置であり、印刷データ作成プログラム及び各種テーブル(例えば、図6参照)を記憶している。表示制御部16は、モニタ2の表示を制御する。操作処理部17は、ユーザが操作入力を行うためのキーボード3およびマウス4に接続し、操作入力を検知する。USBインタフェース18は、PC1を印刷装置30等の外部機器に接続する。
図6を参照して、カラーモード変換テーブル21について説明する。カラーモード変換テーブル21は、sRGB形式の256階調で表現された画像データを、CMYKWの256階調で表現される画像データである階調データに変換するためのテーブルである。カラーモード変換テーブル21では、各sRGB値に対応するCMYKW値が各々対応付けられている。カラーモード変換テーブル21は、公知の手法によって作成されてあらかじめPC1のHDD14に記憶されている。なお、テーブルの具体的な構成は変更してもよい。例えば、sRGBからCMYKへの変換を行うテーブルと、sRGBからWへの変換を行うテーブルとを別々に設けてもよい。テーブルを用いずに、計算等によってカラーモードを変換してもよい。
図7〜図10を参照して、PC1が実行するメイン処理について説明する。前述したように、PC1のHDD14には印刷データ作成プログラム(プリンタドライバプログラム)が記憶されている。PC1のCPU10は、印刷データの作成指示を入力すると、印刷データ作成プログラムに従ってプリンタドライバを起動し、図7に示すメイン処理を実行する。
図7に示すように、メイン処理では、まず、印刷条件の入力画面61(図8参照)が表示される(S11)。次いで、印刷条件が入力されたか否かが判断される(S12)。図8に示すように、入力画面61で入力可能な印刷条件は、白インクの使用ヘッド数、解像度、メディアタイプ、及び白インクの最大濃度である。なお、濃度とは、白インクやカラーインクの単位面積当たりの吐出量を表すパラメータである。濃度が大きいほど、吐出量が大きくなるという関係を有する。
白インクの使用ヘッド数とは、印刷装置30のキャリッジ34に搭載されている白インクヘッド35W(図2参照)のうち、1回の走査中にインクを吐出させる白インクヘッド35Wの数である。本実施形態では、キャリッジ34は最大で4つの白インクヘッド35Wを搭載できる。よって、入力画面61では、「4」「2」「1」のいずれかの値を使用ヘッド数として入力可能である。なお、設定可能な使用ヘッド数は、キャリッジ34が搭載できる白インクヘッド35Wの数以下であればよい。よって、本実施形態では「3」も使用ヘッド数として設定できるが、この説明は省略する。
解像度は公知の印刷条件であり、画素の密度を示す。本実施形態の入力画面61では、「600dpi×600dpi」および「1200dpi×1200dpi」のいずれかが設定できるが、その他の解像度を設定できてもよい。解像度が高い方が、印刷時間は長くなるが、印刷品質は向上する。
メディアタイプとは、印刷媒体である布帛の種類(素材)である。本実施形態の入力画面61では、「綿100%」、「ポリエステル100%」、及び「綿50%、ポリエステル50%」のいずれかが設定できるが、その他の素材を設定できてもよい。
白インクの最大濃度とは、白インクを最大量吐出させる領域に対して吐出される白インクの濃度を示すパラメータである。ユーザは、印刷媒体の色、所望する印刷品質、白インクのコスト、印刷時間等を考慮して最大濃度を設定することができる。PC1は、単位面積(画素)当たりの各インクの吐出量を決定するために、CMYKWの256階調(0〜255)で表される階調データを取得する。階調値が255である領域に最大量のインクが吐出される。従って、最大濃度は、階調データにおけるWの値が「255」である領域に吐出される白インクの濃度となる。本実施形態では、最大濃度は「200%」「400%」「600%」「800%」「1000%」に設定できるが、その他の値に設定できてもよい。本実施形態では、主走査方向に並ぶ画素列の各々に対して、インクヘッド35を1回走査させることで吐出できる最大量のインクの濃度を、100%と定める。従って、キャリッジ34に搭載された4つの白インクヘッド35Wの全てを用いて白インクを吐出させる場合、1回の走査で印刷できる白インクの濃度は400%となる。
以下では、画素列の各々に対してキャリッジ34を1回走査させることで吐出できる最大の白インクの量を単位濃度という。単位濃度は使用ヘッド数に応じて変化し、本実施形態では「単位濃度=使用ヘッド数×100%」となる。例えば、単位濃度が400%である場合、最大濃度が1000%に設定されていれば、印刷装置30は、各画素列に対してキャリッジ34を3回以上走査させる必要がある。なお、単位濃度および最大濃度の単位は適宜設定でき、「%」に限られない。
S12において、印刷条件が入力されていない場合(S12:NO)、S12の処理が繰り返される。ユーザが入力画面61を操作して、白インクの使用ヘッド数、解像度、メディアタイプ、及び最大濃度を入力し、OKボタン67を押下すると、印刷条件が入力されたと判断される(S12:YES)。なお、入力された印刷条件は、RAM12に記憶される。次いで、sRGB形式の256階調で表現された画像データが取得される(S13)。次いで、第一調整テーブル91(図9参照)が読み出され、S12で入力された印刷条件のうちの解像度とメディアタイプとから、合計最大濃度(CMYKWの合計の最大の濃度)が特定される(S14)。
図9に示す第一調整テーブル91について説明する。第一調整テーブル91は、HDD14に記憶されている。図9に示すように、第一調整テーブル91には、解像度、メディアタイプ、及び合計最大濃度が対応付けられて記憶されている。合計最大濃度は、所定の印刷条件に応じて設定された濃度であり、CMYKWの各色の合計の濃度(以下、「合計濃度」という。)を制限するために用いられる閾値である。本実施形態では、一例として、所定の印刷条件とは、解像度、メディアタイプ、及びマルチパス印刷を行う設定であるとする。なお、本実施形態では、マルチパス印刷を行うことを前提としているため、第一調整テーブル91には、解像度とメディアタイプとの組み合わせに対して、合計最大濃度が対応付けられている。
CMYKWの各色の合計濃度が大きすぎる場合、CMYKWの各色のインクの合計吐出量が多くなり、にじみが発生したり、洗濯堅牢度が低下したりする原因となる。そこで、合計最大濃度は、解像度、メディアタイプの組み合わせにおいて、にじみが発生しない値、且つ洗濯堅牢度が低下しない値(洗濯堅牢度の低下が許容範囲内である値)に設定されている。合計最大濃度は、予め実験を行って設定された閾値である。合計最大濃度を超えないように合計濃度を設定することで、にじみの発生と、洗濯堅牢度の低下が防止される。なお、合計最大濃度は、にじみが発生しない値、且つ洗濯堅牢度が低下しない値に設定されているが、これに限定されず、にじみが発生しない値のみに設定されていてもよい。また、洗濯堅牢度が低下しない値のみに設定されていてもよい。また、本実施形態では、各色の256値は、「255」の値で100%を表すとする。この場合、第一調整テーブル91における合計最大濃度「1000%」を階調値に相当する値に換算すると「2550」となる。なお、「255」の値を超えた場合は、1ヘッド1走査より多い量のインクを吐出することになる。
図7に示すフローチャートの説明に戻る。S14の処理では、例えば、図8に示すように、解像度「1200dpi×1200dpi」、メディアタイプ「ポリエステル100%」が入力された場合、第一調整テーブル91(図9参照)から、解像度「1200dpi×1200dpi」、メディアタイプ「ポリエステル100%」に対応付けられた合計最大濃度「700%」が取得される。
次いで、S12において設定された白インクの使用ヘッド数が取得される(S15)。次いで、取得された使用ヘッド数に対応する単位濃度Uが取得される(S16)。前述したように、単位濃度は使用ヘッド数に応じて変化し、本実施形態では「単位濃度=使用ヘッド数×100%」となる。以下の説明では、S15で取得された使用ヘッド数は、「4」であるとする。この場合、単位濃度は400%である。
次いで、S12において設定された最大濃度Mが取得される(S17)。S16で取得された単位濃度Uと、S17で取得された最大濃度Mとから、必要走査回数nが決定される(S18)。例えば、単位濃度が400%であり、最大濃度が1000%であれば、必要走査回数nは「3」となる。具体的には、S18では、「P=最大濃度M/単位濃度U」が算出される。算出された値Pが整数であれば、Pが必要走査回数nに決定される。値Pが整数でなければ、値Pの小数点以下を切り捨てた値に1を加えた値が、必要走査回数nに決定される。その結果、最大濃度Mがどのような値に設定されても、適切な必要走査回数nを容易に決定することができる。例えば、ユーザが最大濃度Mの数値を自由に直接入力できる場合、ユーザがマウス4を走査して最大濃度Mの値を細かく変更できる場合等でも、CPU10は、必要走査回数nを正確且つ容易に決定できる。
次いで、S13で取得された画像データにおいて、印刷領域を構成する複数の画素の1つが、順に注目画素とされる(S19)。次いで、S19で注目された画素のsRGB値が、カラーモード変換テーブル21(図6参照)によって、CMYKW形式の256階調値の階調データに変換され、RAM12に記憶される(S20)。S20で変換された階調データは、白インク及びカラーインクの単位面積当たりの吐出量を決定するための階調値を示すデータである。
次いで、単位濃度Uと必要走査回数nとを乗算した値に対する最大濃度Mの割合を、注目画素における白インクの階調値Wに乗算することで、階調値Wが変換された新たなWが算出される(S21)。すなわち、W=W×M/(n×U)が算出される。これによって、1つの白インクヘッド35Wが、1回の走査で吐出する白インクの量を決めるための階調値がWとされる。次いで、第一白インク調整処理が実行される(S22)。
図10を参照して、第一白インク調整処理について説明する。第一白インク調整処理は、合計濃度が合計最大濃度以下となるように、白インクの濃度を調整する処理である。第一白インク調整処理では、まず、S21で算出されたWに白インクの使用ヘッド数と必要走査回数nとが乗算され、新たなWが算出される(S31)。すなわち、「W=W×(使用ヘッド数)×n」が算出される。これによって、使用ヘッド数の白インクヘッド35Wがn回の走査で吐出する白インクの量を決めるための階調値がWとされる。以下の説明では、S31で取得されたWを、白インクの濃度という。また、カラーインク(CMYK)の濃度には、カラーインクの階調値をそのまま用いる。白インクの濃度及びカラーインクの濃度は、白インク及びカラーインクの単位面積当たりの吐出量を表している。白インクの濃度とカラーインク濃度とが、本発明の「濃度データ」に相当する。なお、濃度は、階調値を基準にする必要はなく、「%」等の他の値を使用してもよい。
次いで、S31で取得された白インクの濃度Wと、カラーインクの濃度C,M,Y,Kとの合計濃度(すなわち、C+M+Y+K+W)が算出される(S32)。次いで、S14で取得された合計最大濃度「%」が階調値に相当する値に換算される(S33)。S32で算出された合計濃度は、C,M,Y,K,Wの濃度が合計された値である。このため、S33で、合計最大濃度「%」を階調値に相当する値に換算し、後述するS34で合計濃度と合計最大濃度とを比較できるようにする。前述したように、各色の256値は、「255」の値で100%を示す。このため、S33における換算は、「(合計最大濃度の換算値x)=合計最大濃度(%)×(255/100)」を演算することによって行われる。例えば、合計最大濃度が「1000%」であれば、その換算値は、「2550」となる。
次いで、S32で算出された合計濃度(すなわち、C+M+Y+K+W)が、合計最大濃度より大きいか否かが判断される(S34)。なお、合計最大濃度を階調値に相当する換算値にして比較する場合について説明したが、合計最大濃度の「%」と換算値とは同じ意味なので、合計最大濃度を「%」にしたまま、合計濃度を「%」に変換して比較してもよい。また、第一調整テーブル91に、合計最大濃度の換算値を予め記憶しておき、合計最大濃度を換算値にする処理を行うことなく、合計濃度と比較してもよい。
合計濃度が合計最大濃度以下である場合(S34:NO)、第一白インク調整処理が終了される。合計濃度が合計最大濃度より大きい場合(S34:YES)、合計濃度が合計最大濃度以下となるように、白インクの濃度が減らされる(S35)。本実施形態では、「W=(合計最大濃度)−(C+M+Y+K)」が演算され、その結果が、新たなWとして設定される。なお、S35では、合計濃度が合計最大濃度以下となればよいので、Wの値を「(合計最大濃度)−(C+M+Y+K)」以下としてもよい。
次いで、「W=W/{(白インクの使用ヘッド数)×n}」が演算され、その結果が新たなWとして設定される(S36)。S36では、共通データを作成するために、Wの値の変換を行っている。共通データとは、各画素に対する白インクの吐出量を定めるデータであり、印刷において実行される複数の走査の各々に共通して使用される。次いで、第一白インク調整処理が終了され、図7に示すように、S19で、画像データの全ての画素に注目したか否かが判断される(S23)。注目していない画素が存在する場合(S23:NO)、処理はS19に戻り、新たな画素に注目され、S19〜S22の処理が行われる。
全ての画素についてS19〜S22の処理が行われた場合、全ての画素に注目したと判断され(S23:YES)、CMYKW形式の256階調で表現されたデータに対して誤差拡散処理が行われ、低階調化される(S24)。低階調化されたWのデータは共通データとなる。誤差拡散処理は、256階調のデータを印刷階調に落とすための公知の処理である。本実施形態では、印刷データは「1:吐出する」「2:吐出しない」の2値で表されるため、階調データは2値のデータに低階調化される。しかし、印刷装置30が多値の印刷データを処理できる場合(例えば、大・中・小の液滴を打ち分けられる場合)には、CPU10は、3値以上のデータに低階調化する場合もある。なお、誤差拡散法以外の手法を用いて低階調化を行ってもよい。
次いで、印刷データが作成される(S25)。S25では、低階調化されたCMYKWのデータ(共通データ)と、設定された印刷条件に従って、印刷装置30を駆動するための印刷データが作成される。本実施形態では、マルチパス方式で印刷を行うため、S25では、印刷装置30をマルチパス方式で駆動する印刷データが作成される。S25の処理でメイン処理が終了すると、メイン処理は終了する。なお、メイン処理で作成された印刷データは、印刷装置30に転送され、印刷装置30が印刷データに従って印刷を行う。
以上のように、本実施形態における処理が行われる。本実施形態では、白インクとカラーインクとの合計濃度が、合計最大濃度以下となるように、白インクの画素毎の濃度が調整される(S34及びS35)。そして、カラーインクの濃度と調整された白インクの濃度とが用いられて、印刷データが作成される(S25)。このようにして作成された印刷データを用いて印刷装置30が印刷を行うと、吐出される白インクとカラーインクとの合計量の大きさを適切に制限することができる。本実施形態では、合計最大濃度は、にじみが発生しない値に設定されているので、にじみの発生を防止することができる。また、合計最大濃度は、洗濯堅牢度が低下しない値に設定されているので、洗濯堅牢度が低下を防止することもできる。
また、白色がカラーインクの下地として印刷される場合、カラーインクの下地となる白インクのみの濃度が調整されるので、カラーインクの濃度が調整される場合に比べて、発色性、色合い等の品質を良好に確保できる。また、白色を表現するためには、カラーインクの場合に比べて白インクを多量に吐出する必要がある。このため、白インクが吐出される量は、カラーインクが吐出される量よりかなり多い。吐出量の多い白インクを減らすので、吐出量の少ないカラーインクを減らすより、削減される色の吐出量に対する削減量の割合が小さい。よって、発色性、色合い等の品質への影響を低減でき、品質を良好に確保できる。
また、合計濃度が、合計最大濃度より大きくなった画素のみ、白インクの濃度が減らされる(S34:YES、S35)。このため、全ての画素について白色の濃度を減らす場合に比べて、発色性、色合い等の品質への影響を低減でき、品質を良好に確保できる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、印刷データをマルチパス方式で印刷を行うように作成していたが、これに限定されない。例えば、前述の版全体の印刷を複数回繰り返す方法や、主走査方向の移動を繰り返した後に副走査方向の移動を行う方法の印刷を行うように作成してもよいし、他の種々の方式の印刷を行うように作成してもよい。
また、印刷装置30は、印刷媒体である布帛に印刷を行う印刷装置であったが、印刷媒体は、布帛に限定されない。例えば、印刷装置30は、紙に印刷を行う印刷装置であってもよい。この場合でも、合計濃度が合計最大濃度以下となるように印刷データが作成されるので、紙に印刷を行った場合に、にじみが発生することを防止できる。
また、合計最大濃度が、所定の印刷条件(解像度、メディアタイプ、及びマルチパス印刷を行う設定)に応じて設定された閾値であったが、合計最大濃度を設定するための印刷条件はこれに限定されない。例えば、合計最大濃度は、メディアタイプ(印刷媒体の種類)、解像度、マルチパスの有無のうち、少なくとも1つを含む印刷条件に応じて設定された閾値であってもよい。この場合、印刷条件に応じて適切に合計最大濃度を設定することができる。よって、印刷条件に応じて、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができる。このため、印刷条件に応じて、にじみの発生を防止し、洗濯堅牢度の低下を防止するように、印刷データを作成することができる。
また、合計濃度が、合計最大濃度以下となるように、白インクの濃度を調整する方法は、本実施形態の場合に限定されない。以下の説明では、白インクの濃度の調整方法が第一実施形態と異なる実施形態である第二〜第四実施形態について説明する。
第二実施形態について説明する。第一実施形態では、第一調整テーブル91(図9参照)が用いられて、合計濃度が合計最大濃度以下となるように、白インクの濃度が調整されていた。第二実施形態では、第二調整テーブル92(図11参照)が用いられて、合計濃度が合計最大濃度以下となるように、白インクの濃度が調整される。
図11を参照して、第二調整テーブル92について説明する。本実施形態では、所定の印刷条件に応じて複数種類の第二調整テーブル92が設定され、HDD14(図3参照)に記憶されている。図11では、所定の印刷条件(本実施形態では、一例として、解像度、メディアタイプ、及びマルチパス印刷を行う設定)に応じて設定された第二調整テーブル92のうちの1つの例を示している。図11に示すように、第二調整テーブル92には、明度(L)、彩度(C)、色相(H)、及び合計最大濃度が対応付けられている。明度(L)は、0〜100の階調で表されるとし、彩度(C)は、0〜128の階調で表されるとする。また、色相(H)は、0〜355の階調で表されるとする。合計最大濃度は、対応付けられた明度(L)、彩度(C)、色相(H)で印刷を行う場合に、にじみが発生しない値、且つ洗濯堅牢度が低下しない値に設定されている。なお、従来から知られているように、明度(L)、彩度(C)、色相(H)は、sRGB値に対応する値であり、sRGB値と、明度(L)、彩度(C)、色相(H)との間で相互に変換することができる。以下の説明では、明度(L)、彩度(C)、色相(H)を総称する場合、「LCH」と記載する。
図7及び図12を参照して、本実施形態における処理について説明する。以下の説明では、第一実施形態と同様な点の説明は省略し、第一実施形態と異なる点について詳述する。図7に示すように、第一実施形態と同様に、S11〜S13の処理が行われる。次いで、第二実施形態におけるS14では、第一実施形態とは異なり、HDD14に記憶された複数の第二調整テーブル92のうち、S12で取得された印刷条件(本実施形態では、S12で取得された解像度、メディアタイプ)に対応する第二調整テーブル92が取得される。次いで、第一実施形態と同様に、S15〜S21の処理が行われる。
そして、図7のS22において、第一実施形態では、第一白インク調整処理(図10参照)が実行されていたが、第二実施形態では、図12に示す第二白インク調整処理が実行される(S22)。図12を参照して、第二白インク調整処理について説明する。図12において、第一実施形態における第一白インク調整処理(図10参照)と同様の処理は、同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。
第二白インク調整処理では、まず、S19(図7参照)で注目された画素のsRGB値が、LCH値に変換される(S41)。この変換は、例えば、sRGB値とLCH値とが対応付けられたデータテーブル等を用いて行われるが、sRGB値をLCH値に変換する方法は公知であるので、説明は省略する。次いで、S14で取得された第二調整テーブル92(図11参照)が用いられ、S41で変換されたLCH値に対応する合計最大濃度が取得される(S42)。例えば、S41でLCHに変換された結果、明度(L)が「20」、彩度(C)が「40」、色相(L)が「135」である場合、合計最大濃度「900%」が取得される(S42)。
次いで、第一実施形態と同様に、S19で注目された画素について、S31〜S36の処理が行われる。なお、S33では、S42で取得された合計最大濃度が用いられる。次いで、第二白インク調整処理が終了され、第一実施形態と同様に、S23〜S25の処理(図7参照)が行われて印刷データが作成される。そして、メイン処理が終了される。
以上のように、第二実施形態における処理が行われる。本実施形態では、第一実施形態と同様に、白インクとカラーインクとの合計濃度が、合計最大濃度以下となるように、白インクの画素毎の濃度が調整される(図12のS34及びS35)。そして、カラーインクの濃度と調整された白インクの濃度とが用いられて、印刷データが作成される(図7のS25)。これによって、白インクとカラーインクとの合計量を制限でき、にじみの発生を防止でき、洗濯堅牢度の低下も防止できる。
なお、合計最大濃度は、色相、明度、及び彩度に応じて設定されていたが、これに限定されない。例えば、合計最大濃度は、色相、明度、及び彩度のうち少なくとも1つに応じて設定されていてもよい。この場合、色相、明度、及び彩度のうち少なくとも1つの条件に応じて、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができる。このため、色相、明度、及び彩度のうち少なくとも1つの条件に応じて、にじみの発生を防止し、洗濯堅牢度の低下を防止できるように、印刷データを作成することができる。
また、色相、明度、及び彩度は、sRGB値や、色材値(CMYKW値)に対応するパラメータである。このため、合計最大濃度が、sRGB値又は色材値に応じて設定されていてもよい。この場合でも、sRGB値又は色材値に応じて、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができる。このため、sRGB値又は色材値に応じて、にじみの発生を防止し、洗濯堅牢度の低下を防止できるように、印刷データを作成することができる。
第三実施形態について説明する。LCH値は、カラーインクの量に関係するため、LCH値が決定すると、カラーインク(すなわち、白インク以外)の合計の濃度(C+M+Y+K)が確定する。このため、第二調整テーブル92(図11参照)における合計最大濃度中のカラーインクの濃度は、予め分かっている。このため、合計最大濃度から、カラーインクの濃度に相当する値を差し引けば、合計濃度が合計最大濃度を超えないように設定された白色の閾値(以下、「白色最大濃度」という。)を算出できる。第三実施形態では、第二調整テーブル92(図11参照)の合計最大濃度からカラーインクの濃度に相当する値が差し引かれた白色最大濃度を用いたテーブルである第三調整テーブル93(図13参照)を用いて、処理が行われる。図13に示すように第三調整テーブル93には、LCH値と、白色最大濃度が対応つけられて記憶されている。なお、本実施形態では、所定の印刷条件に応じて複数の第三調整テーブル93が、HDD14に記憶されている。図13では、所定の印刷条件(本実施形態では、一例として、解像度、メディアタイプ、及びマルチパス印刷を行う設定)に応じて設定された第三調整テーブル93のうち、1つの例を示している。
図7及び図14を参照して、本実施形態における処理について説明する。以下の説明では、第一、第二実施形態と同様な点の説明は省略し、第一、第二実施形態と異なる点について詳述する。図7に示すように、第一実施形態と同様に、S11〜S13の処理が行われる。次いで、第三実施形態におけるS14では、第一実施形態とは異なり、HDD14に記憶された複数の第三調整テーブル93のうち、S12で取得された所定の印刷条件(本実施形態では、一例として、解像度及びメディアタイプ)に対応する第三調整テーブル93が取得される。次いで、第一実施形態と同様に、S15〜S21の処理が行われる。
そして、第三実施形態では、図7のS22において、図14に示す第三白インク調整処理が実行される(S22)。図14を参照して、第三白インク調整処理について説明する。第三白インク調整処理では、第二実施形態の第二白インク調整処理(図12参照)と同様に、S41の処理が実行され、sRGB値がLCH値に変換される。次いで、S14で取得された第三調整テーブル93(図13参照)が用いられ、S41で変換されたLCH値に対応する白色最大濃度が取得される(S51)。例えば、S41でLCHに変換された結果、明度(L)が「20」、彩度(C)が「40」、色相(L)が「135」である場合、白色最大濃度「655%」が取得される(S51)。
次いで、第一実施形態と同様に、S31の処理が行われる。次いで、S51で取得された白色最大濃度「%」が階調値に相当する値に変換される(S52)。次いで、S31で算出された白インクの濃度が、S51で取得され、S52で換算された白色最大濃度より大きいか否かが判断される(S53)。白インクの濃度が白色最大濃度以下である場合には(S53:NO)、第三白インク調整処理が終了される。白インクの濃度が白色最大濃度より大きい場合には(S53)、Wの値が白色最大濃度に設定される(S54)。なお、Wの値は、白色最大濃度以下であってもよい。白色最大濃度以下であれば、CMYKWの合計濃度が、合計最大濃度以下となるからである。
次いで、第一実施形態と同様に、S36の処理が実行され、第三白インク調整処理が終了され、図7に示すS23〜S25の処理が実行される。次いで、メイン処理が終了される。
以上のように、本実施形態における処理が実行される。本実施形態では、第一実施形態と同様に、白インクとカラーインクとの合計量を制限でき、にじみの発生を防止でき、洗濯堅牢度の低下も防止できる。また、白インクの濃度が白色最大濃度より大きくなった画素のみ、白インクの濃度が減らされる(S53:YES、S54)。このため、全ての画素について白色の濃度を減らす場合に比べて、発色性、色合い等の品質への影響を低減でき、品質を良好に確保できる。
第四実施形態について説明する。第四実施形態では、第四調整テーブル94(図15参照)に登録されている白インク調整値が用いられて、合計濃度が合計最大濃度以下となるように、白インクの濃度が調整される。
図15を参照して、第四調整テーブル94について説明する。本実施形態では、所定の印刷条件に応じて複数種類の第四調整テーブル94が設定され、HDD14(図3参照)に記憶されている。図11では、所定の印刷条件(本実施形態では、一例として、解像度、メディアタイプ、及びマルチパス印刷を行う設定)に応じて設定された第四調整テーブル94のうち、1つの例を示している。図15に示すように、第四調整テーブル94には、明度(L)、彩度(C)、色相(H)、及び白インク調整値が対応付けられている。白インク調整値は、白インクの濃度に乗算して合計濃度が合計最大濃度以下となるように白インクの濃度を調整する値である。白インク調整値を乗算した後の白インクの濃度は、必ず合計最大濃度以下となる。
図7及び図16を参照して、本実施形態における処理について説明する。以下の説明では、第一実施形態と同様な点の説明は省略し、第一実施形態と異なる点について詳述する。図7に示すように、第一実施形態と同様に、S11〜S13の処理が行われる。次いで、第四実施形態におけるS14では、第一実施形態とは異なり、HDD14に記憶された複数の第四調整テーブル94のうち、S12で取得された所定の印刷条件(本実施形態では、一例として、解像度及びメディアタイプ)に対応する第四調整テーブル94が取得される。次いで、第一実施形態と同様に、S15〜S21の処理が行われる。
そして、第四実施形態では、図7のS22において、図16に示す第四白インク調整処理が行われる。図16を参照して、第四白インク調整処理について説明する。第四白インク調整処理では、まず、S41(図12参照)の場合と同様に、S19(図7参照)で注目された画素のsRGB値が、LCH値に変換される(S61)。次いで、S14で取得された第四調整テーブル94(図15参照)が用いられ、S61で変換されたLCH値に対応する白インク調整値が取得される(S62)。例えば、S41でLCHに変換された結果、明度(L)が「20」、彩度(C)が「40」、色相(L)が「135」である場合、白インク調整値「90%」が取得される(S62)。
次いで、S19で注目された画素の白インクの濃度に、S62で取得された白インク調整値が乗算される(S63)。例えば、S62で取得された白インク調整値が「90%」である場合、90%を示す「0.9」が乗算される。これによって、合計濃度が合計最大濃度以下となるように白インクの濃度が調整される。なお、本実施形態では、S21で算出された結果のWが白インクの濃度である。
次いで、第四白インク調整処理が終了され、第一実施形態と同様にS23〜S25の処理(図7参照)が行われて印刷データが作成される。そして、メイン処理が終了される。
本実施形態では、第一実施形態と同様に、白インクとカラーインクとの合計量を制限することができ、にじみの発生を防止し、洗濯堅牢度の低下を防止できる。また、白インク調整値を白インクの濃度に乗算することで、合計濃度が合計最大濃度以下となるように白インクの濃度を調整することができる。このため、合計濃度と合計最大濃度との比較の処理や、合計最大濃度からカラーの濃度を減算する処理を行う必要がない。よって、CPU10の処理の負荷を軽減することができ、ひいては、処理速度の向上、消費電力の抑制をすることができる。
上記第一〜第四実施形態において、PC1が本発明の印刷データ作成装置に相当する。第一〜第三実施形態におけるS31(図10、図12、図14参照)の処理、及び第三実施形態におけるS21(図7参照)を行うCPU10が本発明の「データ取得手段」に相当する。第一実施形態におけるS34、S35(図10参照)、S25の処理、第二実施形態におけるS34、S35(図12参照)、S25の処理、第三実施形態におけるS53、S54(図14参照)、S25の処理、第四実施形態におけるS62(図16参照)、S25の処理のそれぞれを実行するCPU10が本発明の「印刷データ作成手段」に相当する。合計最大濃度が本発明の「インク閾値」に相当する。第一、第二実施形態におけるS34(図10及び図12)の処理を行うCPU10が本発明の「第一判断手段」に相当する。第一、第二実施形態におけるS35(図10及び図12参照)、S25(図7参照)の処理を行うCPU10が本発明の「第一白インク削減手段」に相当する。第三実施形態におけるS53(図14参照)の処理を行うCPU10が本発明の「第二判断手段」に相当する。白色最大濃度が本発明の「白インク閾値」に相当する。第三実施形態におけるS54(図14参照)、S25の処理を行うCPU10が本発明の「第二白インク削減手段」に相当する。
第一〜第三実施形態におけるS31(図10、図12、図14参照)の処理、及び第三実施形態におけるS21(図7参照)の処理が本発明の「データ取得ステップ」に相当する。第一実施形態におけるS34、S35(図10参照)、S25の処理、第二実施形態におけるS34、S35(図12参照)、S25の処理、第三実施形態におけるS53、S54(図14参照)、S25の処理、第四実施形態におけるS62(図16参照)、S25の処理が、本発明の「印刷データ作成ステップ」に相当する。
1 PC
10 CPU
30 印刷装置
91 第一調整テーブル
92 第二調整テーブル
93 第三調整テーブル
94 第四調整テーブル

Claims (11)

  1. 白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置であって、
    前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表わす濃度である濃度データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段によって取得された前記濃度データに基づいて、複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、
    前記印刷データ作成手段は、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成し、
    前記印刷データ作成手段は、
    前記合計濃度が、前記インク閾値より大きいか否かを前記画素毎に判断する第一判断手段と、
    前記第一判断手段によって、前記合計濃度が、前記インク閾値より大きくなると判断された場合に、前記合計濃度が前記インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を減らして前記印刷データを作成する第一白インク削減手段と
    を備えたことを特徴とする印刷データ作成装置。
  2. 白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置であって、
    前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表わす濃度である濃度データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段によって取得された前記濃度データに基づいて、複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、
    前記印刷データ作成手段は、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成し、
    前記印刷データ作成手段は、
    前記インク閾値から少なくとも前記カラーインクの量に相当する値が差し引かれた閾値であって前記白インクについての閾値である白インク閾値より、前記白インクの濃度が大きいか否かを前記画素毎に判断する第二判断手段と、
    前記第二判断手段によって、前記白インクの濃度が前記白インク閾値より大きいと判断された場合に、前記白インクの濃度が前記白インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を減らして前記印刷データを作成する第二白インク削減手段と
    を備えたことを特徴とする印刷データ作成装置。
  3. 白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置であって、
    前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表わす濃度である濃度データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段によって取得された前記濃度データに基づいて、複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、
    前記印刷データ作成手段は、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成し、
    前記印刷データ作成手段は、
    前記白インクの濃度に乗算して前記合計濃度が前記インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を調整する値である白インク調整値を用いて、前記データ取得手段により取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度を調整し、調整した前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度とを用いて前記印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成装置。
  4. 前記インク閾値は、印刷媒体の種類と前記印刷媒体へ印刷を行う場合の解像度と前記インクヘッドが備える複数のノズルのうち異なるノズルを同一の画素列に複数回走査させて印刷を実行するマルチパスの有無のうち少なくとも1つを含む印刷条件に応じて設定されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の印刷データ作成装置。
  5. 前記インク閾値は、色相、明度、及び彩度のうち少なくともいずれか1つに応じて設定されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の印刷データ作成装置。
  6. 前記インク閾値は、RGB値又は色材値に応じて設定されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の印刷データ作成装置。
  7. 前記印刷媒体は、布帛であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印刷データ作成装置。
  8. 白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において実行される印刷データ作成プログラムであって、
    前記印刷データ作成装置のコントローラに、
    前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表す濃度である濃度データを取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップによって取得された前記濃度データに基づいて、複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成ステップとを実行させ、
    前記印刷データ作成ステップは、前記データ取得ステップにより取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成し、
    前記印刷データ作成ステップは、
    前記合計濃度が、前記インク閾値より大きいか否かを前記画素毎に判断する第一判断ステップと、
    前記第一判断ステップで、前記合計濃度が、前記インク閾値より大きくなると判断された場合に、前記合計濃度が前記インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を減らして前記印刷データを作成する第一白インク削減ステップと
    を備えたことを特徴とする印刷データ作成プログラム。
  9. 白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において実行される印刷データ作成プログラムであって、
    前記印刷データ作成装置のコントローラに、
    前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表す濃度である濃度データを取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップによって取得された前記濃度データに基づいて、複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成ステップとを実行させ、
    前記印刷データ作成ステップは、前記データ取得ステップにより取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成し、
    前記印刷データ作成ステップは、
    前記インク閾値から少なくとも前記カラーインクの量に相当する値が差し引かれた閾値であって前記白インクについての閾値である白インク閾値より、前記白インクの濃度が大きいか否かを前記画素毎に判断する第二判断ステップと、
    前記第二判断ステップで、前記白インクの濃度が前記白インク閾値より大きいと判断された場合に、前記白インクの濃度が前記白インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を減らして前記印刷データを作成する第二白インク削減ステップと
    を備えたことを特徴とする印刷データ作成プログラム。
  10. 白インク及びカラーインクを吐出する複数のインクヘッドが搭載されたキャリッジを印刷媒体に対して相対的に走査させることで前記印刷媒体に印刷を行う印刷装置で用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において実行される印刷データ作成プログラムであって、
    前記印刷データ作成装置のコントローラに、
    前記白インク及び前記カラーインクの単位面積当たりの吐出量を表す濃度である濃度データを取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップによって取得された前記濃度データに基づいて、複数の画素の各々に対する前記インクヘッドからの前記白インクの吐出量及び前記カラーインクの吐出量を示す印刷データを作成する印刷データ作成ステップとを実行させ、
    前記印刷データ作成ステップは、前記データ取得ステップにより取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度との合計濃度が、予め設定された閾値であるインク閾値以下となるように、前記白インクの前記画素毎の濃度を調整し、前記カラーインクの濃度と調整した前記白インクの濃度とを用いて前記印刷データを作成し、
    前記印刷データ作成ステップは、
    前記白インクの濃度に乗算して前記合計濃度が前記インク閾値以下となるように前記白インクの濃度を調整する値である白インク調整値を用いて、前記データ取得ステップで取得された前記濃度データが示す前記白インクの濃度を調整し、調整した前記白インクの濃度と前記カラーインクの濃度とを用いて前記印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成プログラム。
  11. 前記印刷媒体は、布帛であることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の印刷データ作成プログラム。
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