JP5919252B2 - 加温加湿装置およびそれを組み込んだ装置。 - Google Patents
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Description
一般に、熱処理炉では、鋼板の種類によっては、所望の品質を得るために露点を調整された雰囲気ガス中で脱炭処理を行う場合がある。脱炭は、雰囲気ガス中の水蒸気と鋼板中の炭素分との間で、下記反応を行わせ、鋼板中の炭素分を減少させる処理である。
H2O+C→H2+CO
露点は、雰囲気ガス中の水蒸気が結露し始める温度であり、一般に、熱処理炉内の水蒸気量の管理は、露点を調整することにより行っている。したがって、雰囲気ガスの露点制御を精度よく行うためには、熱処理炉内の水蒸気量を高精度にコントロールすることが重要である。
しかし、特開2003−50026号公報の熱処理炉の水蒸気発生機構は、噴霧ノズルから供給される水分量を正確には調整できないものである。
また、本発明は、機能を兼用できる箇所は兼用せしめて部品点数を低減し、筐体を小型化せしめた加温加湿装置を提供することを目的とする。
前記予熱部、前記加温加湿部、前記加温調整部の順に隣接して設けられ、前記予熱部と前記加温加湿部との間が第1の隔壁、前記加温加湿部と前記加温調整部との間が第2の隔壁で区分けられ、前記予熱部の一端部付近から導入されて内部を通過した前記気体が他端部付近で折り返されて前記加温加湿部の一端部付近に導入され、前記加温加湿部の一端部付近から導入されて内部を通過した加湿済みの前記気体が他端部付近で折り返されて前記加温調整部の一端部付近に導入されることを特徴とする加温加湿装置である。
また、3つの空間が折り返されながらつながっており、筐体全体を小型化できる。また、予熱部と加温加湿部との間の第1の隔壁を第1の加熱器および第2の加熱器として兼用した構造とすれば、さらに筐体全体を小型化できる。
上記構成によれば、予熱部、加温加湿部、加温調整部の折り返しにより小型化した構造において、水分の供給機構である水飛沫噴射部から、折り返しの壁面を貫いて水飛沫を水蒸気発生機構である第2の加熱器まで到達させることができ、装置をきわめて小型化することができる。
加熱調整部が内部の折り返し部で折り返され、第1の加熱調整空間と第2の加熱調整空間を備えた構造とする工夫である。第1の加熱調整空間と第2の加熱調整空間との間が第3の隔壁により区分けられているが、この第3の隔壁が第3の加熱器を兼用した構成とすることができる。加熱調整部の一端部付近から第1の加熱調整空間内に導入された気体が折り返し部で折り返されて第2の加熱調整空間内に導入され、気体が第1の加熱調整空間および第2の加熱調整空間の通過中において第3の加熱器により加温加湿調整され、加温加湿調整済みの気体が装置外に放出される構造としたものである。
上記構成とすることにより、各部を折り返しながら積み重ねた構造とするとともに、兼用できる部材を兼用することにより、筐体を小さく抑えることができる。また、折り返しているので気体が通過する長さ自体は長く確保することができ、加温、加湿の調整に時間を確保することができる。
また、本発明の加温加湿装置によれば、予熱部、加温加湿部、加温調整部を折り返して小型化した構造において、水分の供給機構である水飛沫噴射部から、折り返しの壁面を貫いて水飛沫を水蒸気発生機構である加熱器まで到達させることができ、装置をきわめて小型化することができる。
本発明の加温加湿装置を組み込む装置として、食品調理加熱装置や、各種工業製造装置、家庭用の保湿機などの家電製品などがあり得る。
図1では内部の構造が分かりやすいように、本発明を理解する上で必要な部材のみを図示しており、他の一部の部材については図示していない場合もある。
特に、この構成例では、図1に示すように、予熱部120、加温加湿部130、加温調整部140の順に設けられていることを示しており、各部の折り返しによる筐体の小型化などの工夫については、実施例2以降で述べる。
気体導入部110は、加熱加湿対象となる気体を導入する部分である。
この構成例では、加熱加湿対象となる主たる気体は空気である。この構成例では、空気供給部111から空気が供給される仕組みとなっている。なお、この気体導入部110の構成例は、空気供給部111しか装備していないが、後述する実施例のように、気体供給部を複数装備し、それら気体の種類を切り換えながら装置を稼動させることも可能である。
予熱部120における加熱要素は第1の加熱器122である。ここで、予熱部120により昇温する温度は加温加湿装置100の使用目的により設定すれば良いが、この構成例では加熱加湿空気導入装置200に用いるため、加温加湿装置100が排出する空気は40℃から60℃程度に設定されるものとし、予熱部120において40℃付近まで昇温するものとする。
水蒸気発生機構としては様々な構造の物が適用できるが、この構成例では、水蒸気を効率的に発生させる水飛沫噴射部150と第2の加熱器132を用いて水飛沫の微細水滴を瞬時に蒸発させる方式を採用している。
上記したように、水飛沫噴射部150の高速噴射器から噴射された水分は打ち出し速度が十分に早く、水飛沫が直線状に飛行するため、水飛沫噴射部150のノズル151からその前方にある第2の加熱器132の壁面に水飛沫を当てることができる。
特に、図1の構成では、噴霧水が飛行する方向と交差する方向に空気が流れており、霧状のスプレーは流されてしまい直進は難しいと言える。つまり、水飛沫噴射の方向は図中垂直方向であるが、予熱部120から導入された空気の流れは図中水平方向であり両者が交差するところ、霧状のスプレーはどうしても空気の流れの影響を受けて、加温加湿空間131を上から下へ渡って第2の加熱器132に到達するまでに空気が流れる方向にずれてしまう。
このように、本発明では、いわゆるインクジェット方式の水飛沫噴射部150から噴射で射出した水分量はロスすることなく全量が加温加湿部130に供給できる。
つまり、水飛沫噴射部150での水飛沫噴射の回数を制御すれば、加温加湿部130に対する水分供給量を正確に算出することができるのである。
また、所望の温度および湿度にする加温調整も、加温加湿部130の第2の加熱器および後段の加温調整部140の第3の加熱器142により容易に制御することができる。
本実施例1では、加温調整部140は内部の空気の通路が特に折り返されることなく、図中右から図中左へ抜ける構成例となっているが、加温調整部140が内部の折り返し部で折り返され、第1の加熱調整空間と第2の加熱調整空間を隔壁で区分けした構造となった構成例は実施例2以降で説明する。
加温調整部140による加温調整は、加温加湿装置100により加温加湿ガスを供給する先の装置側での要求によるが、例えば、湿度50%、温度50℃の空気が供給できるように加湿と加温を調整する。
なお、この例では、最終的に調整された空気の湿度50%、温度50℃となるよう調整したが、空気の湿度や温度は、予熱部120や加温加湿部130や加温調整部140各々の加熱量の調整や、水飛沫噴射部150からの供給水分量の調整により、生成される空気を、湿度40%から80%、温度40℃から60℃などの数値範囲となるよう調整は可能であることは言うまでもない。さらに、工業用加工装置向けなどに対して供給する空気の場合、さらに高湿度・高温の空気を生成して供給することも可能である。
なお、実施例1の構成と同様で良い部分の説明は適宜省略している。
図3は、実施例2にかかる本発明の加温加湿装置100aの構成を簡単に示す図である。
また、図3には、実施例1の図1と同様、加温加湿装置100aにより加温加湿された空気を導入する装置である加熱加湿空気導入装置200が併せて示されている。
以下、順に述べる。
第1の工夫は、3つの構成要素である予熱部120、加温加湿部130、加温調整部140を折り返しながら構成することにより筐体全体の大きさを小型化した点である。なお、それぞれの間に隔壁(第1/第2兼用の加熱器122/132、隔壁170、第3の加熱器142)を設けることで区分けしている。
このように折り返して形成すれば、空気の加熱・加湿を行う経路の距離は確保しつつ、装置全体の大きさをコンパクトにできる。また、筐体の外壁面の表面積が比較的小さくなるため外壁面を介した放熱などの熱ロスを小さく抑えることができる。
図3に示すように、予熱部120と加温加湿部130との間の隔壁が、第1/第2兼用の加熱器122/132となっている。実施例1の例では、予熱部120には第1の加熱器122、加温加湿部130には第2の加熱器132がそれぞれ存在したが、この構成例では、両者の間の隔壁として1つの加熱器として第1/第2兼用の加熱器122/132を設けておき、予熱部120に面した側は第1の加熱器122、加温加湿部130に面した側は第2の加熱器132として機能することができる。このように、加熱器を兼用したことにより筐体が小型化できるとともに、コストも抑えることができる。
図3の構成は、加温調整部140の外部から第2の加温調整空間141−2内部に向けて水飛沫噴射部150が設置されており、水飛沫を打ち出すことができるが、第2の加熱器(第1/第2兼用の加熱器122/132)に到達するまで、2つの隔壁を越えて行かねばならない。1つは、第1の加熱調整空間141−1と第2の加熱調整空間141−2を隔壁(第3の過熱器142)であり、もう1つは、加温加湿部130と加温調整部140との間の隔壁170である。
両者とも、水飛沫噴射部150のノズルに正対する位置に開口が設けられており、噴射された水飛沫が開口を通過することにより、隔壁を通過できるよう工夫がされている。つまり、第3の過熱器142には開口143が設けられており、隔壁170には開口173が設けられている。
ここで、水飛沫噴射部150から噴射された水飛沫は、比較的高速で第2の加熱器(第1/第2兼用の加熱器122/132)に到達するが、その経路において、予備加熱が行われるというメリットもある。つまり、水飛沫は、飛行の過程において、第2の加温調整空間141−2、第3の加熱器142、第1の加温調整空間141−1を経る際に、それら空間や第3の加熱器142から熱を与えられる。また、隔壁173を超えて加温加湿空間131においても熱を与えられる。このように飛行途中で予備加熱が行われるので、より一層効率的な水蒸気発生が可能となる。
なお、第2の加熱器(第1/第2兼用の加熱器122/132)の壁面に当たった水飛沫が跳ね返りさらに細かい微小水滴として周囲に拡散する様子は図2と同様である。
まず、ウォーミングアップとして、空気が予熱部120の予熱空間に導入される。空気が予熱部120の予熱空間121を通過する間、第1/第2兼用の加熱器122/132により加熱される。
この調整により、所望の温度、所望の湿度の空気にまでの加温加湿ができておれば、ウォーミングアップが完了する。
予熱空間121に導入された後の空気の流れ、空気に対する加湿・加温は上記のウォーミングアップ時と同じである。
なお、所望の湿度、所望の温度となるよう、水飛沫噴射部150の噴射回数を調整し、第1/第2兼用の加熱器122/132、第3の加熱器142の温度調整を行う。
所望の温度、所望の湿度の空気が、排出部160から排出され、加熱加湿空気導入装置200内に導入される。
以上、実施例2の加温加湿装置によれば、予熱部、加温加湿部、加熱調整部を折り返しながらコンパクトに構成することができ、さらに、隔壁と加熱器を兼用させることと、水飛沫噴射部から飛行する水飛沫の経路の工夫などにより、筐体の小型化を実現するものとなっている。
本発明の加温加湿装置は、例えば、加熱加湿空気導入装置200に対して所望の温度、所望の湿度の空気を供給することを目的とするが、装置稼動条件の変化、筐体の外壁面からの放熱、設置場所の室温変化、室内の湿度変化、天候の変化などに応じて、第1の加熱器122から第3の加熱器142の加熱量、水飛沫噴射部150からの水分供給量を微調整する必要が生じる場合がある。そこで、それらの変化に対して細かく対応できるよう、フィードバック制御要素180を取り付ける構成も可能である。
図5に示した構成は、図1に示した構成と同様の構成であるが、排出部160の一部にフィードバック制御要素180が設けられ、フィードバック制御要素180から、第1の加熱器122、第2の加熱器132、第3の加熱器142に対する温度調整のフィードバック制御ループが構築されており、また、フィードバック制御要素180から水飛沫噴射部150に対して水分供給量調整のフィードバック制御ループが構築されている点が異なっている。
図6は、気体導入部が気体供給部を複数装備している構成例を示す図である。
図6に示すように、気体導入部110cは、実施例1に示した空気供給部111以外に他の種類のガスを供給するボンベなどのガス供給部112を装備している。他の種類のガスとしては、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴンなどの不活性ガスなど、様々な気体があり得る。また気体は単体でもよく、複数の気体の混合ガスでも良い。また、導入する気体として複数の気体を切り換えて用いることもできる。気体導入部110cには切り換え手段が装備されており、図6の構成例では、それぞれの空気供給部111、ガス供給部112にレギュレーターが設けられており、供給オンオフの切り替え、供給量の調整ができるものとなっている。
また、本発明の加温加湿装置によれば、予熱部、加温加湿部、加熱調整部を折り返しながらコンパクトに構成することができ、さらに、隔壁と加熱器を兼用させること、水飛沫噴射部から飛行する水飛沫の経路の工夫などにより、筐体の小型化を実現するができる。
また、本発明の加温加湿装置によれば、フィードバック制御要素を加えることにより、一層安定した加温加湿調整を行うことできる。
110 気体導入部
111 空気供給部
112 ガス供給部
120 予熱部
121 予熱空間
122 第1の加熱器
130 加温加湿部
131 加温加湿空間
132 第2の加熱器
140 加温調整部
142 第3の加熱器
143 開口
150 水飛沫噴射部
160 気体排出部
170 隔壁
173 開口
180 フィードバック制御要素
200 加熱加湿空気導入装置
Claims (6)
- 加熱加湿対象となる気体を導入する気体導入部と、
前記気体導入部から導入された前記気体を予熱する第1の加熱器と予熱空間とを提供する予熱部と、
前記予熱空間を経て導入された前記気体を加熱する第2の加熱器と、水飛沫噴射部から噴射された水飛沫を前記第2の加熱器に衝突させつつ水蒸気まで加熱し、前記気体を加熱加湿する加熱加湿空間を提供する加温加湿部と、
前記加温加湿部を経て導入された加湿済みの前記気体を第3の加熱器で加熱し、前記気体が所定の温度、所定の湿度になるよう加温を調整する加温調整空間を提供する加温調整部を備え、
前記予熱部、前記加温加湿部、前記加温調整部の順に隣接して設けられ、前記予熱部と前記加温加湿部との間が第1の隔壁、前記加温加湿部と前記加温調整部との間が第2の隔壁で区分けられ、
前記予熱部の一端部付近から導入されて内部を通過した前記気体が他端部付近で折り返されて前記加温加湿部の一端部付近に導入され、
前記加温加湿部の一端部付近から導入されて内部を通過した加湿済みの前記気体が他端部付近で折り返されて前記加温調整部の一端部付近に導入されることを特徴とする加温加湿装置。 - 前記第1の隔壁が加熱手段を備え、前記第1の隔壁の加熱手段が前記第1の加熱器と前記第2の加熱器とを兼用した構成となっている請求項1に記載の加温加湿装置。
- 前記加温加湿部と前記加温調整部との間の前記第2の隔壁に開口を設けておき、
前記水飛沫噴射部により前記加温調整部内に噴射した前記水飛沫が、前記第2の隔壁の前記開口を通過して前記加温加湿部の前記第2の加熱器の壁面に衝突する構造としたことを特徴とする請求項2に記載の加温加湿装置。 - 前記加温調整部が内部の折り返し部で折り返され、第1の加熱調整空間と第2の加熱調整空間を備えた構造であり、前記第1の加熱調整空間と前記第2の加熱調整空間との間が第3の隔壁により区分けられ、
前記第3の隔壁が、前記第3の加熱器を兼用した構成であり、
前記加温調整部の一端部付近から前記第1の加熱調整空間内に導入された気体が前記折り返し部で折り返されて前記第2の加熱調整空間内に導入され、前記気体が前記第1の加熱調整空間および前記第2の加熱調整空間の通過中において前記第3の加熱器により加温加湿調整され、加温加湿調整済みの前記気体が装置外に放出される構造としたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の加温加湿装置。 - 前記加温加湿部と前記加温調整部との間の前記第2の隔壁に第1の開口を設けておき、
前記加温調整部の前記第1の加熱調整空間と前記第2の加熱調整空間との間の前記第3の隔壁である前記第3の加熱器に第2の開口を設けておき、
前記水飛沫噴射部の噴射口からみた前記第1の開口と前記第2の開口が重なるように配置されており、
前記水飛沫噴射部が前記加温加湿部の前記第2の加熱調整空間内に高速噴射した前記水飛沫が、前記第2の開口を通過して前記第1の加熱調整空間に入り、さらに、前記第2の隔壁の前記第1の開口を通過して前記第2の加熱器の壁面に衝突する構造としたことを特徴とする請求項4に記載の加温加湿装置。 - 前記加温調整部から排出される加温加湿調整済みの前記気体の温度と湿度と、目標値である温度と湿度とを比較して、前記第1の加熱器および前記第2の加熱器の加熱および前記水飛沫噴射部から噴射する水分量をフィードバック制御するフィードバック機構を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに加温加湿装置。
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