JP5917688B2 - ステアリングダンパ - Google Patents

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    • B62K21/00Steering devices
    • B62K21/08Steering dampers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16FSPRINGS; SHOCK-ABSORBERS; MEANS FOR DAMPING VIBRATION
    • F16F15/00Suppression of vibrations in systems; Means or arrangements for avoiding or reducing out-of-balance forces, e.g. due to motion
    • F16F15/02Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems
    • F16F15/03Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems using magnetic or electromagnetic means

Description

本発明は、車両のステアリング(操舵)機構に設けられ、ステアリングの減衰力を調整するためのステアリングダンパに関する。
従来、この種の装置として、下ケーシング部と、第1のシール部材と、電磁石と、第2のシール部材と、上ケーシング部とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このステアリングダンパは、下方に開放されたリング状の収容凹部を有する上ケーシング部と、その収容凹部に下方から挿入されて相対回動可能に蓋をする下ケーシング部とを基本構成とする。収容凹部には電磁石と磁性流体とが収容され、収容凹部は2個のシール部材でシールされる。詳述すれば、電磁石は、外周部に外方へ向けた横向きU字状の溝を有するケーシング部本体(32b)と、このケーシング部本体(32b)の溝に巻回されたコイルとから構成されている。電磁石は、下ケーシング部(32a)に取り付けられる。電磁石と下ケーシング部は、軸受メタル(35)を介して上ケーシング部と相対回動可能に組み付けられる。この際、両ケーシング部の相対回動面の間には、シール部材が配置されて収容凹部をシールする。上ケーシング部の内周面と電磁石の外周面、上ケーシング部の天井面とケーシング部本体の上面との隙間に流体収容室が形成される。この流体収容室には、磁性流体が注入される。
このように構成されたステアリングダンパは、下ケーシング部がヘッドパイプに固定され、上ケーシング部がステアリングハンドルを保持するアッパブラケットに固定される。ステアリングハンドルが旋回される際に、電磁石により磁界を発生させると、磁性流体の粘性が増大する。したがって、運転中におけるステアリングハンドルの回転方向の振動やブレを抑制させることができる等の効果を得られる。
特開2010−254117号公報(図8,図9)
上記のような、従来の装置は、ケーシング部本体(32b)が磁性体で構成されており、電磁石のヨークを兼用している。そして、ケーシング部本体は、コイルで発生した磁界を、外方へ向けたU字状の端部から外周側の流体収容室に向けて案内するようになっている。ところで、上記従来の構成と異なり電磁石を最外周に設け、その内周側に流体収容室を設けるような配置を行おうとすると、ケーシング部本体のU字状の端部を中心側に向ける必要がある。すると、コイルをケーシング部本体の内周部に巻回することになるが、現実的にはそのような作業を行うことができず、電磁石を最外周に配置する構造を採用することができないという問題がある。このような問題は、ステアリングダンパの設計の自由度を低下させることにつながる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、電磁石の構造を工夫することにより、磁性流体室の外周側にヨークのU字状の端部を配置した構造を採用することができるステアリングダンパを提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、下ケーシング部と、前記下ケーシング部により回転可能に支持され、平面視円形状であって、外周部に磁性体を備えたロータ部と、前記ロータ部の周囲であって、前記ロータ部から離間して固定配置された電磁石と、前記ロータ部を回転可能に支持するとともに、前記下ケーシング部に取り付けられる上ケーシング部と、少なくとも前記ロータ部の外周面と前記電磁石の内周面との間に形成され、磁性流体を充填されている磁性流体室と、を備えているとともに、前記電磁石は、コイルユニットと、縦断面形状がU字状であって、前記コイルユニットを収容する溝部を内周側に備えたヨークとで構成され、前記ヨークは前記溝部を形成する上辺部と下辺部と縦辺部のうち、前記上辺部と前記下辺部の少なくとも一方を前記縦辺部に対して着脱自在のヨークキャップとし、他をヨークケースとし、前記電磁石は、前記コイルユニットが溝部に配置された前記ヨークケースと、前記ヨークケース内の前記コイルユニットに当接するまで前記ヨークケースに圧入された前記ヨークキャップとで構成されているものである。
[作用・効果]本発明によれば、ヨークケースからヨークキャップを取り外した状態でヨークの溝部にコイルユニットを配置し、ヨークキャップをヨークケースに圧入することによって電磁石を完成させることができる。したがって、ヨークの内周側に形成されている溝部にコイルユニットを配置することができる。その結果、磁性流体室の外周側にヨークのU字状の端部を配置した構造を採用することができる。
また、本発明において、前記ヨークキャップは、前記上辺部と前記下辺部の少なくともいずれか一方であることが好ましい。
ヨークの上辺部と下辺部の少なくともいずれか一方をヨークキャップとすることにより、ヨークキャップを取り外したヨークケースにコイルユニットを載置するだけで、コイルユニットをヨークに配置することができる。したがって、作業性を向上させることができる。
また、本発明において、前記電磁石は、前記コイルユニットの上下面にシール剤を塗布されていることが好ましい(請求項3)。
コイルユニットの内周側には磁性流体室が位置しているが、コイルユニットの上下面とヨークとの当接面間にシール剤が介在することにより、磁性流体がコイルユニット内に浸入するのを防止できる。
また、本発明において、前記コイルユニットは、前記溝部に収容可能な外径と内径を備え、外周面に外側に向けて開放された縦断面形状がU字状の溝を有するボビンとボビンに巻回されているコイル本体を有することが好ましい。
外周側に溝を有するボビンにコイル本体を巻回してヨークの溝部に収容するので、作業性を向上させることができる。
また、本発明において、前記上辺部または前記下辺部のいずれか一方は、前記コイルユニットに通電するための配線を取り出す配線孔が形成されていることが好ましい。
ヨークの内周側に配置されたコイルユニットの配線をヨークから容易に取り出すことができるので、電磁石の組み立て性を向上させることができる。
本発明に係るステアリングダンパによれば、ヨークケースからヨークキャップを取り外した状態でヨークの溝部にコイルユニットを配置し、ヨークキャップをヨークケースに圧入することによって電磁石を構成する。したがって、ヨークの内周側に形成されている溝部にコイルユニットを配置することができる。その結果、磁性流体室の外周側にヨークのU字状の端部を配置した構造を採用することができる。
実施例に係る自動二輪車の全体を示す左側面図である。 実施例に係るステアリングダンパの取り付け状態を示した一部拡大図であり、(a)は平面図を示し、(b)は左側面図を示す。 ステアリングダンパの外観を示す平面図である。 ステアリングダンパの外観を下面から見た図である。 図3及び図4の301−301矢視断面図である。 図3の303−303矢視断面図である。 図5の要部を拡大した縦断面図である。 下ケーシング部の平面図である。 図8の305−305矢視断面図である。 電磁石の平面図である。 電磁石の縦断面図である。 (a)〜(c)は、電磁石の組み立てを示す説明図である。 (a)〜(c)は、変形例に係る電磁石の組み立てを示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。なお、以下の説明においては、「鞍乗型車両」として自動二輪車を例にとって説明する。
<自動二輪車の構成>
図1は、実施例に係る自動二輪車の全体を示す左側面図であり、図2は、実施例に係るステアリングダンパの取り付け状態を示した一部拡大図であり、(a)は平面図を示し、(b)は左側面図を示す。
自動二輪車1は、メインフレーム3を備えている。メインフレーム3は、自動二輪車1の骨格を形成している。メインフレーム3の前端には、ヘッドパイプ5が設けられている。このヘッドパイプ5は、キャスター角に応じた傾斜姿勢で形成されている。ヘッドパイプ5は、中空に形成されており、その部分にステアリングシャフト7が回動自在に挿入されている。ステアリングシャフト7は、その上端部をアッパブラケット9に固定され、その下端部をアンダブラケット11に固定されている。アッパブラケット9とアンダブラケット11の左右方向における両端側には、一対のフロントフォーク13が取り付けられている。一対のフロントフォーク13の下端部には、前輪15が回転可能に支持されている。アッパブラケット9は、上面に一対のハンドルホルダ17が設けられている。これらのハンドルホルダ17は、それぞれ2本のボルトBLを介してステアリングハンドル19を保持している。ステアリングハンドル19は、操縦者によって操作される。操縦者がステアリングハンドル19を操作すると、その操舵力がステアリングシャフト7とアッパブラケット9とアンダブラケット11を介して、一対のフロントフォーク13に伝達されて前輪15が操舵される。
ハンドルホルダ17の上部には、取り付け基台21が上記2本のボルトBLで共締め固定される。なお、この際、この取り付け基台21には、詳細を後述するステアリングダンパ23が予め4本のボルトBSで取り付けられている。このステアリングダンパ23は、操縦者がステアリングハンドル19を操作した際における減衰力を調整する機能を備えている。
メインフレーム3の上部には、燃料タンク25が設けられている。メインフレーム3のうち、燃料タンク25の後方にあたる部分には、シート27が設けられている。メインフレーム3のうちの燃料タンク25の下方にあたる部分には、エンジン29が配置されている。エンジン29の後部には、リアアーム31が揺動可能に取り付けられている。リアアーム31は、その後端部に後輪32を回転可能に保持している。後輪32は、エンジン29の駆動力が伝達されて、自動二輪車1を走行させる。
<ステアリングダンパの構成>
次に、図3〜図9を参照して、上述したステアリングダンパ23について詳述する。なお、図3は、ステアリングダンパの外観を示す平面図であり、図4は、ステアリングダンパの外観を下面から見た図であり、図5は、図3及び図4の301−301矢視断面図であり、図6は、図3の303−303矢視断面図であり、図7は、図4の要部を拡大した縦断面図であり、図8は、下ケーシング部の平面図であり、図9は、図8の305−305矢視断面図である。
図5に示すように、ステアリングダンパ23は、主として、下ケーシング部33と、ロータ部35と、電磁石37と、上ケーシング部39と、磁性流体室41と、体積補償部43とを備えている。
下ケーシング部33は、平面視における中央部に開口部45を形成されている。下ケーシング部33は、外周部の4箇所に取付部47を形成されている。開口部45の外周側には、平面視で環状を呈する空間部49が形成されている。空間部49の外周側には、平面視で環状を呈する収容部51が形成されている。下ケーシング部33の底面における空間部49と収容部51との間には、ロータ部35側へ突出した下隔壁53が形成されている。
下ケーシング部33の一部位には、収容部51に連通した注入部55が形成されている。注入部55は、注入孔59と、注入促進室61とを備えている。注入孔59は、収容部51を大気に連通する貫通孔である。注入促進室61は、収容部51の他の底面より低く形成された空間である。注入孔59は、Oリングとネジ62によって閉塞される。
ロータ部35は、円板部63と、回転軸65と、外筒67と、環状部材69とを備えている。円板部63は、中心部に回転軸65が上下方向に突出して形成されている。外筒67は、回転軸65が延出されている方向に向かって円板部63の外周面を延ばされて形成されている。環状部材69は、外筒67の外周に圧入され、または鋳込まれている。環状部材69は、例えば、鉄、ニッケル、マンガンなどの金属、または、亜鉛フェライトなどの鉄やニッケル、マンガンなどを含む合金などの磁性体で形成されている。円板部63は、例えば、アルミニウムなどの非磁性体で構成されている。なお、ロータ部35の全体を磁性体で一体的に構成してもよい。外筒67は、その内周面の上下にオイルシール71が圧入されている。オイルシール71は、そのリップ部が上隔壁95、下隔壁53の外周面に接触する姿勢で外筒67の内周面に取り付けられている。回転軸65は、その外周面の上下にベアリング73が圧入されている。
電磁石37は、図6に示すように、ボビン75とコイル本体77を有するコイルユニット78と、ヨークケース79と、ヨークキャップ81とを備えている。ボビン75は、ヨークケース79に収容可能な外径と内径を有し、外周面に外側に向けて開放された断面U字状の溝を有するリングである。ボビン75は、外周面の溝にコイル本体77を巻かれている。ボビン75は、非磁性体の材料で構成されている。ヨークケース79は、縦断面がL字状を呈するように構成されている。コイルユニット78は、ヨークケース79に収められている。ヨークキャップ81は、コイルユニット78をヨークケース79に収めた後にヨークケース79に圧入され、ヨークケース79の上部を閉塞する。また、ヨークキャップ81は、コイルユニット78の配線83を取り出す開口85が一部位に形成されている。
図5に示すように、上ケーシング部39は、平面視における中央部に開口部87を形成されている。上ケーシング部39は、下ケーシング部33の取付部47に対応する位置に取付部89を形成されている。開口部87の外周側であって、下ケーシング部33の空間部49に対応する位置に空間部91が形成されている。空間部91の外周側には、下ケーシング部33の収容部51に対応する位置に収容部93が形成されている。上ケーシング部39の天井面には、下隔壁53に対応する位置に、上隔壁95が形成されている。上隔壁95は、ロータ部35側へ突出して形成されている。
上ケーシング部39は、図7に示すように、上部に体積補償部43を備えている。体積補償部43は、連通口97と、ダイアフラム99と、キャップ101とを備えている。連通口97は、収容部93とダイアフラム収容空間SPとを連通するように形成されている。また、その開口面積は、上述した注入孔59より小さくされている。ダイアフラム99は、弾性変形可能な材料で形成されている。キャップ101は、ダイアフラム99を覆い、かつダイアフラム収容空間SPを覆ってねじ込まれる。この際、ダイアフラム99の外周フランジ部は、キャップ101と上ケーシング部39とで挟持される。キャップ101は、ダイアフラム99がキャップ101側へ突出するように変形した際に、キャップ101内の空気を排出し、ダイアフラム99が連通口97側に戻る際に、キャップ101内に空気を取り込むための通気口103が形成されている。通気口103は、キャップ101のダイアフラム収容空間SP側に連通し、キャップ101のネジ部の周囲に沿って形成された隙間を通ってキャップ101の外部である大気に連通している。
上述した電磁石37は、上ケーシング部39の収容部93の外周内壁に圧入される。ロータ部35は、回転軸65をベアリング73を介して、上ケーシング部39及び下ケーシング部33の開口部87,45に挿入支持されて電磁石37の内側に配置される。このように組み付けた後、図4及び図5に示すように、下ケーシング部33の下面に取り付け基台21を当て、ボルトBSとナットNSで三者を共締めにする。これによりロータ部35は、下ケーシング部33と上ケーシング部39とで密閉される。
ロータ部35が密閉されると、図7に示すように、オイルシール71と、外筒67と、環状部材69と、電磁石37の内周面と、下ケーシング部33の底面と、上ケーシング部39の天井面とで仕切られた磁性流体室41が形成される。
磁性流体室41への磁性流体の充填は、注入孔59へ磁性流体が加圧注入されることによって行われる。その際、磁性流体が連通口97から排出されてくるまで磁性流体の注入を維持させる。連通口97から磁性流体が排出されると、磁性流体室41に磁性流体が充填されたことを示すので、連通口97をダイアフラム99で閉塞するとともに、キャップ101でダイアフラム99を押さえつつダイアフラム収容空間SPを塞ぐ。さらに、注入孔59を閉塞する。このように、連通口99から磁性流体が溢れるまで注入を継続することで、磁性流体室41の空気を押し出させつつ、磁性流体室41に磁性流体を充填させることができる。したがって、磁性流体を充填する際にエア噛みを防止できる。
この磁性流体室41は、磁性流体を充填されている。磁性流体としては、MR流体(磁性粘性流体:Magneto-rheological fluid)や、MCF流体(磁気混合流体:Magnetic compound fluid)、ER流体(電気粘性流体:Electro-rheological fluid)などが挙げられる。いずれも磁界や電界を印加することにより、粘性を調整することができるものである。
MR流体は、強磁性体微粒子が液体中に分散されたスラリーからなる。強磁性体微粒子の粒径は、通常、数十nm程度以下である。強磁性体微粒子は、例えば、鉄やニッケル、マンガンなどの金属、またはマンガン亜鉛フェライトなどの鉄やニッケル、マンガンなどを含む合金などにより形成することができる。強磁性体を分散させる液体は、水や水溶液であってもよいし、イソパラフィン、アルキルナフタレン、パーフルオロポリエーテルなどの有機溶媒などであってもよい。
磁場が印加されていない状態では、磁性流体内の強磁性体微粒子は、ほぼ均一に分散された状態にある。このため、一般的には、磁場が印加されていない状態の磁性流体は、ニュートン流体としての挙動を示す。一方、磁場が印加されると、磁性流体内の各磁区が磁気的に分極する。このため、例えば、MR流体においては、強磁性体微粒子間に結合力が生じる。したがって、複数の強磁性体微粒子がクラスターを形成するので、見かけ上の粘性が増大する。つまり、図7に示すように、電磁石37により磁場が印加されると、二点鎖線で示すように磁界が発生し、磁性流体に磁界が印加されるので、磁性流体の粘性が増大する。したがって、電磁石37に供給する電流を調整することで、所望のせん断による減衰力をステアリングダンパ23に生じさせることができる。
下ケーシング部33の開口部45から突出した回転軸65には、ステイアーム105の一端側が取り付けられている。図2(b)に示すように、ステイアーム105の他端側は、ストッパ107を介して、メインフレーム3に固定されている。また、上ケーシング部39の開口部87から突出した回転軸65には、舵角センサ109が連結されている。舵角センサ109は、回転軸65の回転角度を検出して、ステアリングシャフト7の操舵角を検出する。舵角センサ109は、例えば、専用のコントローラに接続され、ステアリングダンパ23の減衰力を調整するための信号として利用される。なお、専用のコントローラに代えて、ECU(エンジンコントロールユニット)を利用してもよい。
ここで、図10及び図11を参照する。なお、図10は、電磁石の平面図であり、図11は、電磁石の縦断面図である。
上述したように、電磁石37は、ボビン75とコイル本体77を有するコイルユニット78と、ヨークケース79と、ヨークキャップ81とから構成されている。ここでは、ヨークケース79とヨークキャップ81とをヨーク110と称する。
ヨーク110は、縦断面が内向きU字状を呈し、上辺部111と下辺部113と縦辺部114とを備えている。ヨーク110は、上辺部111と下辺部113とで挟まれた部分が溝部115を構成している。この例では、上辺部111が、ヨークケース79に対して圧入されて固定されるヨークキャップ81を構成し、縦辺部114と下辺部113が一体となって、ヨークケース79を構成してている。また、上辺部111であるヨークキャップ81は、平面視における外周部の一部位に、開口85が形成されている。この開口85は、ヨークキャップ81の上面から下面に貫通しており、さらに側面が開放されている。この開口85には、コイル本体77に接続された配線83が電磁石37の外部へと延出される。また、縦辺部114の上部のうち、開口85に対応する位置には、開口86が形成されている。
なお、上述した開口85,86が本発明における「配線孔」に相当する。
このように構成された電磁石37の組み立てについて、図12を参照して説明する。なお、図12(a)〜(c)は、電磁石の組み立てを示す説明図である。これらの図12(a)〜(c)は、図11を簡略化したものであり、開口85については省略してある。
図12(a)に示すように、ボビン75は、既にコイル本体77が巻回され、コイルユニット78とされている。そして、ヨークキャップ81を取り外した状態で、図12(b)に示すように、コイルユニット78をヨークケース79の下辺部113の上に載置する。換言すると、コイルユニット78を溝部115に載置する。最後に、コイルユニット78の上にヨークキャップ81を、ヨークキャップ81の下面がボビン75の上面に当接するまで圧入する。なお、ヨークキャップ81をヨークケース79に圧入する前に、コイルユニット78のボビン75の上下面にシール剤GLを塗布しておき、圧入が完了した時点では、三者の当接面間がシール剤GLで密封されるようにする。これにより、磁性流体がコイル本体77内に侵入したり、あるいは、コイル本体77内やコイル本体77の外周とヨークケース79との間に空気が存在しても、それが隙間から磁性流体室41に侵入したりして、磁性流体室41にエア噛みが生じるのを防止できる。
なお、図11に示すように、開口85,86には、シール剤を充填する。また、電磁石37を上ケーシング部39に圧入した後、図6に示すように、開口部85,86に対応する上ケーシング部39の開口にもシール剤を充填する。これにより、ステアリングダンパ23の内部への液滴の浸入を防止する。
本実施例によると、ヨークケース79からヨークキャップ81を取り外した状態でヨーク110の溝部115にコイルユニット78を配置し、ヨークキャップ81をヨークケース79に圧入することによって電磁石37を完成させることができる。したがって、ヨーク110の内周側に形成されている溝部115にコイルユニット78を配置することができる。その結果、磁性流体室41の外周側にヨーク110のU字状の端部を配置した構造を採用することができる。これにより、ステアリングダンパ23の設計の自由度を高めることができる。
また、ヨークキャップ81をヨーク110の上辺部111としているので、上辺部111を取り外したヨークケース79にコイルユニット78を載置するだけで、コイルユニット78をヨーク110に配置することができる。したがって、ステアリングダンパ23の組み立て時における作業性を向上させることができる。
さらに、本実施例は、外周側に溝を有するボビン75にコイル本体77を巻回するので、コイル本体77の巻回は容易であり、そのボビン75をヨーク110の内周側に形成されている溝部115に配置するので、作業性を高めることができる。
また、上辺部111が開口85を備えており、ヨーク110の内周側に配置されたコイルユニット78の配線83をヨーク110から容易に取り出すことができるので、電磁石37の組み立て性を向上させることができる。
なお、本発明は、図13に示すように実施することができる。図13(a)〜(c)は、変形例に係る電磁石の組み立てを示す説明図である。
この変形例に係る電磁石37Aは、ボビン75を備えていない点において上記と相違する。つまり、コイル本体77がボビン75と同じ外径とボビン75より若干大径の内径の筒状を呈するジグに巻回され、平面視で円形状に成型された後、コイル本体77だけが取り出され、コイルユニット78とされている。そして、図13(a)に示すように、ヨークキャップ81を取り外した状態で、コイルユニット78だけを溝部115の上方に配置する。そして、図13(b)に示すように、コイルユニット78だけを下辺部113の上に載置する。このとき、コイルユニット78の上下面と内周側には、シール剤GLを塗布しておく。最後に、コイル本体77の上からヨークキャップ81を圧入する。これにより電磁石37Aが完成する。
この変形例によると、コイルユニット78の内周側には磁性流体室41が位置しているが、シール剤GLを塗布することにより、磁性流体がコイル本体77内に浸入したり、あるいは、コイル本体77内やコイル本体77の外周とヨークケース79との間に空気が存在しても、それが隙間から磁性流体室41に侵入したりして、磁性流体室41にエア噛みが生じるのを抑制できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、ヨーク110の上辺部111と下辺部113のうち、上辺部111をヨークケース79に対して着脱自在としている。しかしながら、本発明は、下辺部113をヨークケース79に対して着脱自在の構成としてもよい。さらに、上辺部111と下辺部113の両方とも縦辺部114に対して着脱自在としてもよい。
(2)上述した実施例では、上辺部111に開口85を形成しているが、この下辺部113に開口85を形成してもよい。
(3)上述した実施例における変形例では、コイルユニット78の上下面や内周側にシール剤を塗布しているが、これは必須ではなく、省略してもよい。なお、シール剤に代えて、磁性流体に耐性を有する、非磁性体からなるリング状部材をコイル本体77の内周側に取り付けるようにしてもよい。なお、シール剤に代えて接着剤を用いてもよい。
以上のように、本発明は、ステアリングの減衰力を調整するためのステアリングダンパに適している。
1 … 自動二輪車
3 … メインフレーム
5 … ヘッドパイプ
7 … ステアリングシャフト
9 … アッパブラケット
11 … アンダブラケット
13 … 一対のフロントフォーク
19 … ステアリングハンドル
33 … 下ケーシング部
35 … ロータ部
37 … 電磁石
39 … 上ケーシング部
41 … 磁性流体室
43 … 体積補償部
53 … 下隔壁
59 … 注入孔
61 … 注入促進室
63 … 円板部
65 … 回転軸
67 … 外筒
69 … 環状部材
71 … オイルシール
77 … コイル本体
95 … 上隔壁
97 … 連通口
78 … コイルユニット
99 … ダイアフラム
101 … キャップ
105 … ステイアーム
107 … ストッパ
110 … ヨーク
111 … 上辺部
113 … 下辺部
114 … 縦辺部
115 … 溝部
GL … シール剤

Claims (5)

  1. 下ケーシング部と、
    前記下ケーシング部により回転可能に支持され、平面視円形状であって、外周部に磁性体を備えたロータ部と、
    前記ロータ部の周囲であって、前記ロータ部から離間して固定配置された電磁石と、
    前記ロータ部を回転可能に支持するとともに、前記下ケーシング部に取り付けられる上ケーシング部と、
    少なくとも前記ロータ部の外周面と前記電磁石の内周面との間に形成され、磁性流体を充填されている磁性流体室と、
    を備えているとともに、
    前記電磁石は、コイルユニットと、縦断面形状がU字状であって、前記コイルユニットを収容する溝部を内周側に備えたヨークとで構成され、前記ヨークは前記溝部を形成する上辺部と下辺部と縦辺部のうち、前記上辺部と前記下辺部の少なくとも一方を前記縦辺部に対して着脱自在のヨークキャップとし、他をヨークケースとし、
    前記電磁石は、前記コイルユニットが溝部に配置された前記ヨークケースと、前記ヨークケース内の前記コイルユニットに当接するまで前記ヨークケースに圧入された前記ヨークキャップとで構成されているステアリングダンパ。
  2. 請求項1に記載のステアリングダンパにおいて、
    前記ヨークキャップは、前記上辺部と前記下辺部の少なくともいずれか一方であるステアリングダンパ。
  3. 請求項1または2に記載のステアリングダンパにおいて、
    前記電磁石は、前記コイルユニットの上下面にシール剤を塗布されているステアリングダンパ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のステアリングダンパにおいて、
    前記コイルユニットは、前記ヨークの溝部に収容可能な外径と内径を備え、外周面に外側に向けて開放された縦断面形状がU字状の溝を有するボビンとボビンに巻回されているコイル本体を有するステアリングダンパ。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のステアリングダンパにおいて、
    前記上辺部または前記下辺部のいずれか一方は、前記コイルユニットに通電するための配線を取り出す配線孔が形成されているステアリングダンパ。
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