JP5916451B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜を燃料極及び酸素極で挟んで構成されるセルを複数積層して備える固体高分子形燃料電池と、熱媒を用いてセルから熱を回収し及び回収した熱を熱利用装置に供給する排熱回収装置とを備える燃料電池システムに関する。
固体高分子形燃料電池のセルの内部で行われる発電反応は発熱反応であるため、セルを冷却するという目的と、熱エネルギを有効利用するという目的との両方から、固体高分子形燃料電池からの熱回収及び熱利用を行うシステムが提案されている。例えば、固体高分子形燃料電池と、熱媒を用いてその固体高分子形燃料電池のセルから熱を回収し及び回収した熱を熱利用装置に供給する排熱回収装置とを備える燃料電池システムが提案されている。
そのような燃料電池システムにおいて、固体高分子形燃料電池は、セルを構成する電解質膜および電極部(燃料極及び酸素極)が湿潤することによって発電が可能となるため、それら燃料極及び酸素極へ供給するガスに水蒸気を混合するなど、加湿して運転させるのが一般的である。また、燃料電池の長期耐久性が求められる定置用途では、劣化抑制の観点から電池温度とセルへの供給ガスの露点とがほぼ同一の飽和加湿条件での作動が一般的である。
一方、セルへの供給ガスの加湿機能(例えば、燃料極及び酸素極に供給されるガスに水蒸気を含ませるバブラー装置など)を簡略化もしくは削除することによって、システムのコスト低減を図ることができる。例えば、非特許文献1に記載のように、飽和加湿条件でなくても電池の劣化が抑制されるような開発が進められてきた。また、このような低加湿条件においては、発電反応による生成水を如何にセルの湿潤に効率よく利用できるかが発電性能を引き出す上で重要である。そのため、非特許文献2に記載のように、触媒層の濡れを高める等、電池の構成部材の最適化が進められている。
Eiji Endoh, ECS Transactions, 16(2), 1229 (2008) 西川, 中村, 松山, 柏, 第15回燃料電池シンポジウム講演予稿集, 123 (2008)
非特許文献2に記載のように生成水を効率よく利用して固体高分子形燃料電池の運転中にそのセルの湿潤状態を適正な状態に保とうとしても、例えばセルの内部の温度などが固体高分子形燃料電池の運転状態や排熱回収装置による熱回収運転の状態によって変化するため、それに伴ってセルの湿潤状態は変化し得る。例えば、セルの内部の温度が相対的に高い場合、セルの内部での水の気化が進み、セルの湿潤状態が低下する可能性がある。そして、セルの内部の固体高分子電解質膜の湿潤状態が低下すると、固体高分子電解質膜によるイオン伝導性能が低下し、或いは、固体高分子電解質膜自体が劣化して、固体高分子形燃料電池の性能が低下する恐れがある。つまり、セルの温度は低いほうが好ましい。
尚、セルの内部の温度を相対的に低くするために、排熱回収装置による熱回収能力(即ち、セルに対する冷却能力)を大きく発揮させることもできる。その場合、セルの内部での水の気化は相対的に抑制されるため、固体高分子電解質膜を湿潤させるという観点から好ましい。但し、セルの温度が相対的に低くなるということは、固体高分子形燃料電池から排熱回収装置へと回収される熱の温度も相対的に低くなるということである。つまり、固体高分子形燃料電池の排熱を高温の状態で回収できない。従って、熱利用装置で高温の熱が要求されるような場合には、固体高分子形燃料電池から回収した熱媒を再加熱するなどして、高温の熱にした後で供給しなければならず、余計なエネルギが必要になるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱利用装置で使い勝手の良い温度の熱を固体高分子形燃料電池から回収しつつ、固体高分子形燃料電池のセルの温度も極力低下させることで、固体高分子形燃料電池の性能低下及び劣化を抑制できる燃料電池システムを提供する点にある。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池システムの特徴構成は、固体高分子電解質膜を燃料極及び酸素極で挟んで構成されるセルを複数積層して備える固体高分子形燃料電池と、熱媒を用いて前記セルから熱を回収し及び回収した熱を熱利用装置に供給する排熱回収装置とを備える燃料電池システムであって、
前記熱利用装置は、相対的に高温の熱を必要とする装置と、相対的に低温の熱を必要とする装置とを有し、
前記排熱回収装置は、前記熱利用装置の過去所定期間内での運転状態を監視して、
前記過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする装置が運転されていた場合、前記熱利用装置で相対的に高温の熱が必要とされると判定して、前記熱媒を相対的に高温且つ小流量の状態で前記セルから回収して、前記セルの温度を第1温度範囲内に維持する第1熱回収状態で運転し、
前記過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする装置が運転されていない場合、前記熱利用装置で相対的に低温の熱が必要とされると判定して、前記熱媒を相対的に低温且つ大流量の状態で前記セルから回収して、前記セルの温度を、前記第1温度範囲よりも低い第2温度範囲内に維持する第2熱回収状態運転する点にある。
上記特徴構成によれば、熱利用装置の過去所定期間内での運転状態を監視して、過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする装置が運転されていた場合、熱利用装置で相対的に高温の熱が必要とされると判定して、排熱回収装置は、第1熱回収状態として、セルから相対的に高温の熱媒を回収する。セルから回収される熱媒の温度はセルの温度に対応するため、セルから相対的に高温の熱媒を回収するということは、セルの温度が相対的に高温(第1温度範囲)になるということである。セルから回収される熱媒の温度は高温になるため、高温の熱を要求している熱利用装置に対して、セルから回収した熱を再加熱せずに供給又は再加熱に要するエネルギを少なくした状態で供給できる。
加えて、熱利用装置の過去所定期間内での運転状態を監視して、過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする装置が運転されていない場合、熱利用装置で相対的に低温の熱が必要とされると判定して、即ち、相対的に高温の熱が不要であると判定して、排熱回収装置は、第2熱回収状態として、セルから相対的に低温の熱媒を回収する。セルから回収される熱媒の温度はセルの温度に対応するため、セルから相対的に低温の熱媒を回収するということは、セルの温度が相対的に低温(第2温度範囲)になるということである。その結果、セルの内部での水の気化が抑制され、セルの湿潤状態の低下が抑制されるため、固体高分子電解質膜の劣化を抑制することができ、セルの寿命を延ばすことができる。
従って、固体高分子形燃料電池のセルの温度を極力低下させつつ、熱利用装置で使い勝手の良い温度の熱を固体高分子形燃料電池から回収できる燃料電池システムを提供できる。また、排熱回収装置を、第1熱回収状態の後に第2熱回収状態で運転すると、セルCに対する乾燥の影響を最低限として、固体高分子電解質膜のイオン伝導性を高く維持することができる。
本発明に係る燃料電池システムの別の特徴構成は、前記排熱回収装置は、前記熱媒として、前記セルと熱交換するセル冷却水及び前記セル冷却水と熱交換する二次側熱媒を用い、
前記セル冷却水の流量は前記第1熱回収状態及び前記第2熱回収状態のそれぞれにおいて同じとし、前記二次側熱媒の流量は前記第1熱回収状態及び前記第2熱回収状態のそれぞれにおいて異ならせて、前記セルから熱を回収するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、セル冷却水の流量は第1熱回収状態及び第2熱回収状態のそれぞれにおいて同じである。つまり、セル冷却水の流路は一定流量に適した設計にしておけばよく、様々な流量に適した設計にする必要は無い。加えて、セルからの熱回収を行う二次側熱媒が、セルとの間でセル冷却水を介して間接的に熱交換する。つまり、二次側熱媒はセルとの間で直接的な熱交換を行わないので、セルの温度が二次側熱媒の温度に対して大きく影響を受けないようにできる。
固体高分子形燃料電池を備える燃料電池システムの構成を説明する図である。 セルの構造を説明する図である。 第1熱回収状態と第2熱回収状態での排熱回収装置の運転形態を説明する図である。
以下に図面を参照して本発明に係る燃料電池システムについて説明する。図1は、固体高分子形燃料電池FC及び排熱回収装置Nを備える燃料電池システムの構成を説明する図である。図2は、固体高分子形燃料電池FCが有するセルCの構造を説明する図である。
固体高分子形燃料電池FC(以下、「燃料電池FC」と記載する)は、固体高分子電解質膜2(以下、「電解質膜2」と記載する)を燃料極1及び酸素極3で挟んで構成されるセルCを複数積層して備える。また、本実施形態で説明するセルCは、発電時に発生する熱を回収することで燃料電池FCを冷却する冷却部4を含む。尚、図1では図面の簡略化のため、単一のセルCのみを記載する。
図2に示すように、セルCは、電解質膜2を燃料極1及び酸素極3で挟んで構成される。燃料極1はガス拡散層1aと触媒層1bとを備え、ガス拡散層1aとセパレータ13との間の空間に供給された燃料ガスがガス拡散層1aを通って触媒層1bに到達する。触媒層1bは、金属触媒を担持した担体によって構成される。同様に、酸素極3はガス拡散層3aと触媒層3bとを備え、ガス拡散層3aとセパレータ14との間の空間に供給された空気がガス拡散層3aを通って触媒層3bに到達する。セパレータ13とセパレータ14との間の空間にはセル冷却水が流れ、この領域が冷却部4として機能する。
本実施形態では、燃料電池FCのセルCにおいて、燃料極1には改質器5で生成された燃料ガスが供給され、酸素極3には空気が供給されて、発電反応が行われる。
改質器5には、炭化水素を含む原燃料(例えば、メタンを含む都市ガスなど)及び水蒸気が供給される。改質器5は、併設される燃焼器6から与えられる燃焼熱を利用して、原燃料の水蒸気改質を行う。そして、改質器5での水蒸気改質により得られた水素を主成分とする燃料ガスが燃料極1に供給される。
燃料極1では、供給された全ての燃料ガスが発電反応で消費される訳ではない。そのため、燃料極1から排出される燃料極排ガスの中には水素等の燃料ガスの成分が残存している。そこで、燃料極1から排出される燃料極排ガスは燃焼器6へ供給され、同じく燃焼器6へ供給される空気と共に燃焼器6で燃焼する。
燃焼器6で燃焼された後の燃焼排ガスは燃焼器6の外部に排出され、熱交換器7に流入する。酸素極3で発電反応に用いられた後の排空気も熱交換器7に併せて流入する。また、熱交換器7には、貯湯タンク11に貯えられる湯水の一部が循環する湯水循環路10を通ってその湯水が流入する。
その結果、熱交換器7では、湯水循環路10を流れる湯水と、燃焼排ガス及び排空気との熱交換が行われる。つまり、熱交換器7において、湯水循環路10を流れる湯水は、燃焼排ガス及び排空気から熱を回収して昇温される。
冷却部4には、冷却水循環路9を循環するセル冷却水が供給されて、セルCの冷却が行われる。即ち、冷却水循環路9を循環するセル冷却水はセルCから熱を回収して昇温される。冷却水循環路9を循環するセル冷却水(即ち、冷却部4において昇温されたセル冷却水)は熱交換器8にも流入する。また、熱交換器8には、貯湯タンク11に貯えられる湯水の一部が循環する湯水循環路10を通ってその湯水が流入する。
その結果、熱交換器8では、湯水循環路10を流れる湯水と、冷却水循環路9を流れるセル冷却水(即ち、セルCから熱を回収した後のセル冷却水)との熱交換が行われる。つまり、熱交換器8において、湯水循環路10を流れる湯水は、セルCから熱を回収して昇温される。
以上のように、燃料電池FC及び燃焼器6で発生した熱は、湯水循環路10を流れる湯水によって熱交換器7及び熱交換器8で回収され、貯湯タンク11において湯水として蓄えられる。
貯湯タンク11に貯えられている湯水は熱利用装置12に供給される。熱利用装置12は、例えば、床暖房装置12a、浴室暖房乾燥装置12b、給湯装置12cなどである。熱利用装置12が、湯水が保有する熱のみを利用する装置(床暖房装置12a、浴室暖房乾燥装置12bなど)の場合、それら熱利用装置12で熱が利用された後の湯水は貯湯タンク11に帰還する。或いは、熱利用装置12が、湯水自体を利用する給湯装置12cなどの場合、貯湯タンク11には湯水は帰還しない。
以上のように、燃料電池システムは、熱媒を用いてセルCから熱を回収し及び回収した熱を熱利用装置12に供給する排熱回収装置Nを備えて構成される。そして、排熱回収装置Nは、セルCから熱を回収するための熱媒として、セルCと熱交換するセル冷却水、及び、セル冷却水と熱交換する二次側熱媒(湯水)を用いる。また、本実施形態の排熱回収装置Nは、冷却部4、冷却水循環路9、ポンプP2、熱交換器8、湯水循環路10、熱交換器7、ポンプP1、貯湯タンク11によって実現されている。冷却水循環路9を流れるセル冷却水の流速(即ち、単位時間当たりのセル冷却水の流量)は冷却水循環路9の途中に設けられるポンプP2によって調節可能であり、湯水循環路10を流れる湯水の流速(即ち、単位時間当たりの湯水の流量)は湯水循環路10の途中に設けられるポンプP1によって調節可能である。それら排熱回収装置Nを構成する機器の運転は制御装置20によって制御される。
そして、後述するように、排熱回収装置Nは、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされるときの第1熱回収状態と、熱利用装置12で相対的に低温の熱が必要とされるときの第2熱回収状態とを切り替えて運転する。
次に、排熱回収装置Nの運転について説明する。
図3は、第1熱回収状態と第2熱回収状態での排熱回収装置Nの運転形態を説明する図である。具体的には、排熱回収装置Nが、当初の所定期間、第1熱回収状態で運転を行い、その後の所定期間、第2熱回収状態で運転を行ったときの、セルCへのセル冷却水の流入温度T1、セルCからのセル冷却水の流出温度T2、貯湯タンク11への二次側熱媒(湯水)の流入温度T3、冷却水循環路9でのセル冷却水の流量Q1、湯水循環路10での二次側熱媒(湯水)の流量Q2の時間的な変化を示す。尚、図3において、冷却水循環路9でのセル冷却水の流量Q1、湯水循環路10での二次側熱媒(湯水)の流量Q2は、第1熱回収状態での流量で規格化した値を示す。
図3に示すように、冷却水循環路9でのセル冷却水の流量Q1は、第1熱回収状態及び第2熱回収状態のそれぞれにおいて同じとする。湯水循環路10での湯水の流量は第1熱回収状態及び第2熱回収状態のそれぞれにおいて異ならせる。
具体的には、セル冷却水は、第1熱回収状態及び第2熱回収状態で同じ流量であり、二次側熱媒(湯水)は、第2熱回収状態での流量の方が、第1熱回収状態での流量よりも相対的に大きい。言い換えると、二次側熱媒(湯水)は、第1熱回収状態での流量の方が、第2熱回収状態での流量よりも相対的に小さい。つまり、熱媒としてのセル冷却水及び二次側熱媒(湯水)を併せて考慮した場合、第2熱回収状態では、第1熱回収状態と比べて大流量の熱媒での熱回収が行われるので、貯湯タンク11へと回収される熱媒としての二次側熱媒(湯水)の温度T3は相対的に低温となる。言い換えると、第1熱回収状態では、第2熱回収状態と比べて小流量の熱媒での熱回収が行われるので、貯湯タンク11へと回収される熱媒としての二次側熱媒(湯水)の温度T3は相対的に高温となる。
このように、セル冷却水の流量を、第1熱回収状態及び第2熱回収状態で同じとし、二次側熱媒(湯水)の流量を、第2熱回収状態での流量の方が、第1熱回収状態での流量よりも相対的に大きくすることで、セル冷却水の流路は、様々な流量に適した設計にする必要は無く、一定流量に適した設計にしておくことができる。加えて、セルCからの熱回収を行う二次側熱媒(湯水)が、セルCとの間でセル冷却水を介して間接的に熱交換するので、セルCの温度が二次側熱媒の温度によって大きく影響を受けないようにできる。
本実施形態で説明した熱利用装置12のうち、床暖房装置12a及び浴室暖房乾燥装置12bは相対的に高温の熱を必要とする装置であり、給湯装置12cは相対的に低温の熱を必要とする装置である。
例えば、制御装置20は、熱利用装置12の過去所定期間内での運転状態を監視して内部メモリ(図示せず)などに記憶しておく。そして、制御装置20は、過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする床暖房装置12a及び浴室暖房乾燥装置12bが運転されていた場合には、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされていると判定する。これに対して、過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする床暖房装置12a及び浴室暖房乾燥装置12bが運転されていない場合には、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされていない(即ち、熱利用装置12で相対的に低温の熱が必要とされている)と判定する。
そして、制御装置20は、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされているか、或いは、熱利用装置12で相対的に低温の熱が必要とされているかの判定結果に基づいて、排熱回収装置Nを上述した第1熱回収状態及び第2熱回収状態の何れかで動作させる。
図3に示す結果でも、第1熱回収状態では、熱媒を相対的に高温且つ小流量の状態でセルCから回収する状態が現れており、第2熱回収状態では、熱媒を相対的に低温且つ大流量の状態でセルCから回収する状態が現れている。従って、高温の熱を必要とする床暖房装置12a及び浴室暖房乾燥装置12bが運転され得る状況(例えば、冬季など)には、貯湯タンク11に相対的に高温の熱が回収され、高温の熱を必要とする床暖房装置12a及び浴室暖房乾燥装置12bが運転されない状況(例えば、夏季など)には、貯湯タンク11に相対的に低温の熱が回収される。
例えば、第1熱回収状態では、熱媒(セル冷却水及び湯水)を相対的に高温且つ小流量の状態でセルCから回収している。尚、セル冷却水は、セルCに流入してセルCと熱交換した後でセルCから流出する。従って、セルCから流出したときのセル冷却水の温度T2は、セルCの温度と近い温度になっていると見なすことができる。そして、第1熱回収状態では、図3に示すように、セルCの温度(セル冷却水の流出温度T2)が相対的に高い温度(約72℃)に維持されている。この場合、制御装置20は、セルCの温度(セル冷却水の流出温度T2)が、70℃〜75℃の範囲(本発明の「第1温度範囲」の一例)内に維持されるように、二次側熱媒(湯水)の流量Q2を調節している。
これに対して、第2熱回収状態では、熱媒(セル冷却水及び湯水)を相対的に低温且つ大流量の状態でセルCから回収している。その結果、第2熱回収状態では、図3に示すように、セルCの温度が相対的に低い温度(約62℃)に維持されている。この場合、制御装置20は、セルCの温度(セル冷却水の流出温度T2)が、60℃〜65℃の範囲(本発明の「第2温度範囲」の一例)内に維持されるように、二次側熱媒(湯水)の流量Q2を調節している。
以上のように、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされるとき、排熱回収装置Nは、第1熱回収状態として、セルCから相対的に高温の熱媒を回収する。セルCから回収される熱媒の温度(即ち、セル冷却水の流出温度T2)はセルCの温度に対応すると見なせるため、セルCから相対的に高温の熱媒を回収するということは、セルCの温度が相対的に高温(第1温度範囲)になるということである。セルCから回収される熱媒の温度T2は高温になるため、高温の熱を要求している熱利用装置12に対して、セルCから回収した熱を再加熱せずに又は再加熱に要するエネルギを少なくした状態で供給できる。
加えて、熱利用装置12で相対的に低温の熱が必要とされるとき、即ち、相対的に高温の熱が不要であるとき、排熱回収装置Nは、第2熱回収状態として、セルCから相対的に低温の熱媒を回収する。セルCから回収される熱媒の温度T2はセルCの温度に対応するとみなせるため、セルCから相対的に低温の熱媒を回収するということは、セルCの温度が相対的に低温(第2温度範囲)になるということである。その結果、セルCの内部での水の気化が抑制され、セルCの湿潤状態の低下が抑制されるため、電解質膜2によるイオン伝導性を高く維持することができる。
尚、第1熱回収状態での、セルCからのセル冷却水の流出温度T2とセルCへのセル冷却水の流入温度T1との温度差Taは、第2熱回収状態での、セルCからのセル冷却水の流出温度T2とセルCへのセル冷却水の流入温度T1との温度差Tbと同等である。また、第1熱回収状態でのセル冷却水の流量と第2熱回収状態でのセル冷却水の流量とは同じである。つまり、第1熱回収状態と第2熱回収状態とで、セル冷却水がセルCから回収する熱量自体は同等であり、何れの熱回収状態でもセルCを効果的に冷却できていることが分かる。
<別実施形態>
<1>
上記実施形態では、燃料電池システムの構成について具体例を挙げて説明したが、その構成は適宜変更可能である。例えば、改質器5から燃料極1へ供給される燃料ガスを加湿するための加湿装置や、酸素極3に供給される空気を加湿するための加湿装置などを別途設けてもよい。また、貯湯タンク11から熱利用装置12に供給される湯水を昇温するための補助熱源装置などを別途設けてもよい。
<2>
上記実施形態では、第1熱回収状態及び第2熱回収状態について具体的な温度の数値を挙げて説明したが、その具体的な数値などは適宜変更可能である。
<3>
上記実施形態では、制御装置20が、過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする床暖房装置12a及び浴室暖房乾燥装置12bが運転されていたか否かという判定基準に基づいて、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされているか否かを判定する例を説明したが、それとは別の判定基準に基づいて、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされているか否かを判定してもよい。具体的には、制御装置20が、気温に基づいて、又は、月日や季節などに基づいて、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされているか否かを判定してもよい。例えば、気温が設定気温よりも低ければ、制御装置20が、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされていると判定してもよく、或いは、10月〜4月の間は、制御装置20が、熱利用装置12で相対的に高温の熱が必要とされていると判定してもよい。
<4>
上記実施形態では、第1熱回収状態での、セルCからのセル冷却水の流出温度T2とセルCへのセル冷却水の流入温度T1との温度差Taが、第2熱回収状態での、セルCからのセル冷却水の流出温度T2とセルCへのセル冷却水の流入温度T1との温度差Tbと同等である場合を例示したが、温度差Taと温度差Tbとが相違していてもよい。
本発明は、熱利用装置で使い勝手の良い温度の熱を固体高分子形燃料電池から回収しつつ、固体高分子形燃料電池のセルの温度も極力低下させることのできる燃料電池システムに利用可能である。
1 燃料極(セル C)
2 固体高分子電解質膜(セル C)
3 酸素極(セル C)
4 冷却部(セル C、排熱回収装置 N)
7 熱交換器(排熱回収装置 N)
8 熱交換器(排熱回収装置 N)
9 冷却水循環路(排熱回収装置 N)
10 湯水循環路(排熱回収装置 N)
11 貯湯タンク(排熱回収装置 N)
12 熱利用装置
C セル
FC 固体高分子形燃料電池
N 排熱回収装置
P1 ポンプ(排熱回収装置 N)
P2 ポンプ(排熱回収装置 N)

Claims (2)

  1. 固体高分子電解質膜を燃料極及び酸素極で挟んで構成されるセルを複数積層して備える固体高分子形燃料電池と、熱媒を用いて前記セルから熱を回収し及び回収した熱を熱利用装置に供給する排熱回収装置とを備える燃料電池システムであって、
    前記熱利用装置は、相対的に高温の熱を必要とする装置と、相対的に低温の熱を必要とする装置とを有し、
    前記排熱回収装置は、前記熱利用装置の過去所定期間内での運転状態を監視して、
    前記過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする装置が運転されていた場合、前記熱利用装置で相対的に高温の熱が必要とされると判定して、前記熱媒を相対的に高温且つ小流量の状態で前記セルから回収して、前記セルの温度を第1温度範囲内に維持する第1熱回収状態で運転し、
    前記過去所定期間内に相対的に高温の熱を必要とする装置が運転されていない場合、前記熱利用装置で相対的に低温の熱が必要とされると判定して、前記熱媒を相対的に低温且つ大流量の状態で前記セルから回収して、前記セルの温度を、前記第1温度範囲よりも低い第2温度範囲内に維持する第2熱回収状態運転する燃料電池システム。
  2. 前記排熱回収装置は、前記熱媒として、前記セルと熱交換するセル冷却水及び前記セル冷却水と熱交換する二次側熱媒を用い、
    前記セル冷却水の流量は前記第1熱回収状態及び前記第2熱回収状態のそれぞれにおいて同じとし、前記二次側熱媒の流量は前記第1熱回収状態及び前記第2熱回収状態のそれぞれにおいて異ならせて、前記セルから熱を回収するように構成されている請求項1に記載の燃料電池システム。
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