以下、発明を実施するための形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、本発明を「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1を参照して説明する。この遊技機1は外枠2と、外枠2に装着された遊技機本体Hとを備える。この遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けられている。
また、遊技機本体Hは、遊技機1のうち外枠2を除く部分であって、本体枠3と、前面枠4と、前面枠4に一体化された皿部材5Aと、遊技盤10(図2を参照)と、裏機構盤102等を主要部としている。
本体枠3は遊技盤10を保持可能な枠状体によって構成され、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。そして、この本体枠3が遊技盤10(図2を参照)を保持したとき、「遊技盤10の盤面(表面)に構成される遊技領域11」が、本体枠3の前方から視認可能とされる。
前面枠4は、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4は、前後に貫通する視認窓41aを具備する枠本体41と、視認窓41aに填め込まれたガラス板43とを備える。そして、遊技盤10に形成された遊技領域11が前面枠4を閉じたときにその背後に位置するため、遊技領域11は視認窓41aを介して前面枠4の前方から視認可能とされる。また、「上皿部材5および下皿部材6を一体化した皿部材5A」は前面枠4に一体化され、本体枠3に対して前面枠4と一体で開閉可能とされている。
本遊技機1では、前面部の上方側および下方側の左右にスピーカSP1〜SP4を内蔵し、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて遊技状態に応じた効果音や、その他の音(音声)を発生させる。また、前面枠4の前面部において、上皿部材5の配置位置を構成する箇所には、遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備える。更に、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図4を参照)および演出ボタン基板228(図4を参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」が配置されている。
上皿部材5の下方の部位には下皿部材6が設けられ、この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の右端側には発射ハンドル9が設けられている。そして、本体枠3の前面部裏側であって、遊技盤10よりも下方の左端側に位置する部位には、発射ハンドル9が接続された発射装置ユニット90(図2を参照)が配設されている。なお、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検知するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図2を用いて説明する。この遊技盤10は、正面視で略矩形状の樹脂製(アクリル製)の透明板若しくは合板を用いて構成される遊技盤本体10Aを備え、遊技盤本体10Aの前面部には樹脂製若しくは金属性の帯状体で構成される外側レール12及び内側レール13が配設されている。また、遊技盤本体10Aの前面部のうち、外側レール12および内側レール13が形成する略円形若しくは略楕円形の周壁で略包囲された部位によって遊技領域11が構成されている。
遊技盤本体10Aの前面部であって遊技領域11内の部位には、中央装置20と、第1始動口17aと、第2始動口17bと、大入賞口31aと、一般入賞口45、46、47と、普通図柄作動ゲート16と、風車19と等が設けられ、遊技領域11外の部位には情報表示装置60が設けられている。ここで、大入賞口31aは大入賞装置31の入口部分によって構成されている。また、多数の障害釘(図示を省略)は各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく配設されている。
図2に示すように、内側レール13は略U字形状に配置されつつ、左端部が遊技盤10の左上部に配設され、その左側方に位置する「外側レール12の左上部」との間に「遊技球が通過可能な隙間」を設け、球進入口11Sを形成している。また、外側レール12の左端部は、発射装置ユニット90の球出口96jの斜め左上に近接配置されている。そして、発射装置ユニット90から発射され、外側レール12の内側を転動しつつ上昇する遊技球(符号Yを参照)は球進入口11Sを通じて遊技領域11に放出される。
中央装置20は、枠部材21と演出表示装置27とを備えている。このうち、枠部材21は、演出表示装置27の外縁を囲む盤面装飾用の部材を構成している。また、演出表示装置27は液晶表示装置を用いて構成され、情報表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて図柄変動演出を実行する。また、演出表示装置27の表示画面27aは、図3(a)に示すように、その略全体が表示領域となり、この表示領域に背景を示す図柄(背景図柄)や背景色(白、青、赤等の画面の地色)等を表示可能である。そして、この背景図柄や背景色の前面に重ね合わせた状態で3つ(3桁)の演出図柄を表示する演出図柄表示領域27bが、表示画面27a上に設けられる。
図3(a)に示すように、表示画面27aの縁部側には第1保留表示領域27Dと、第2保留表示領域27Eが設けられる。このうち、第1保留表示領域27Dでは、第1始動口17aへの入球に基づいて生ずる「第1特別図柄」に関する取得情報(第1保留情報)の数(以下、「第1保留数」という。)が、「4個」を上限個数として表示され、第2保留表示領域27Eでは、第2始動口17bへの入球に基づいて生ずる「第2特別図柄」に関する取得情報(第2保留情報)の数(以下、「第1保留数」という。)が「4個」を上限個数として表示される。ここで、以下の説明において、第1始動口17aに遊技球が入球することを「第1始動入賞(第1始動入球)」と称し、第2始動口17bに遊技球が入球することを「第2始動入賞(第2始動入球)」と称することがある。また、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に関する未消化の取得情報(乱数、変動に関する情報)とは、始動口(17a、17b)に入球したが、当該入球に伴う当否判定(後述する第1当否判定若しくは第2当否判定)と、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示とがなされていない情報であり、始動入賞時(第1始動入賞時若しくは第2始動入賞時)に取得した取得情報であって、未だ消化(当否判定、変動表示)が保留されている(変動表示が未実行の)ものを指す。そして、何れの保留表示領域27D、27Eも、始動口17a、17bへの入球に基づき取得されたが、未消化の取得情報(乱数、変動に関する情報)の数が「保留図柄の表示数」によって示され、未消化の取得情報が消化される毎に「保留図柄の表示数」が順次、デクリメントして表示される。
遊技機1の遊技状態が高確率状態(後述する)に移行すると、表示画面27aの一部(本実施例では左端側の上部)に可能性表示部27Fが出現する。また、遊技機1の遊技状態が高率状態に移行すると、表示画面27aの一部(本実施例では左端側の下部)に残り回数表示部27Gが出現する。なお、可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gの詳細に関しては後述する。ここで、可能性表示部27Fは可能性表示手段の具体例を構成する。なお、遊技機1の遊技状態が高確率状態に移行しても、残り回数表示部27Gは出現しないこととしてもよい。また、後述する変形例2のように、遊技状態が高確率状態を生ずることなく、高頻度状態のみを生ずる遊技機においては、遊技機1の遊技状態が高頻度状態に移行すると、表示画面27aの一部(本実施例では左端側の上部)に可能性表示部27Fが出現することとしてもよい。
第1始動口17aは非可変式の始動口であり、大きさが不変の開口部(遊技球受入口)を上方に開口させている。また、第1始動口17aの開口部の大きさは、1球の遊技球の通過を許容する大きさとされ、その大きさが拡大されたり縮小されたりすることはない。そして、第1始動口17aに入球した遊技球は、遊技盤本体10Aの後面に装着された通路部材(図示を省略)の第1始動口通路に流入し、この第1始動口通路に配置された第1始動口入球検知スイッチ17s(図4参照)によって検知される。
第2始動口17bは第1始動口17aの下方に配置されている。この第2始動口17bは普通電動役物17dとして設けられるものであり、いわゆるチューリップ式で左右に一対の可動翼片17e、17eが開閉するべく形成され、一対の可動翼片17e、17eを作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図4参照)を備える。また、第2始動口17bの内部には、当該第2始動口17bに入球した遊技球を検知するための第2始動口入球検知スイッチ17tが配置されている(図4参照)。そして、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行わないと、一対の可動翼片17e、17eが立設状態(図2の実線を参照)とされ、一対の可動翼片17e、17e間に1球の遊技球の通過を許容する大きさの遊技球受入口が設けられ、第2始動口17bへの遊技球の入球可能性が低い閉鎖状態(第1の態様)となる。一方、普通電動役物ソレノイド17cに通電を行うと、一対の可動翼片17e、17eが、下端部側を支点として互いの上端部間の間隔を拡大するように傾動し(図2の破線を参照)、遊技球の入球可能性が高くなる開放状態(第2の態様)となる。
ここで、本遊技機1で開放延長機能を備え、遊技状態が、開放延長機能が作動する開放延長状態(高頻度状態)である場合、第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる時間が長くなる(例えば、「5秒」)。一方、開放延長機能が作動しない非開放延長状態(始動口への遊技球の入球頻度が所定の遊技状態)である場合には、第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる時間が短くなる(例えば、「0.2秒」)。なお、本実施例では、第2始動口17bの上方に第1始動口17aが配置されているため、第2始動口17bが閉鎖状態(第1の態様)であるとき、第1始動口17aが邪魔になり、第2始動口17bに遊技球が入球することはできない(第2始動口17bが開放状態になる場合に限って、第2始動口17bに遊技球が入球することができる)。但し、第1始動口17aと第2始動口17bとを離間して配置することで(第1始動口17aが邪魔にならないようにすることで)、第2始動口17bが閉鎖状態(第1の態様)であるときにも、第2始動口17bへの遊技球の入球を可能としてもよい。
また、第2始動口17bは「第1の態様と前記第1の態様よりも遊技球の入球の可能性が高い第2の態様とに変化可能な始動口」の具体例を構成する。また、高頻度状態発生手段が作動し(開放延長機能が作動し)、高頻度状態(開放延長状態)となると、第2始動口17bへの遊技球の入球頻度が所定の遊技状態(非開放延長状態)よりも高くなる。更に、本遊技機1では、第1始動口17aへの遊技球の入球に基づいて「第1特別図柄」に関する当否判定(第1当否判定)が行われ、第2始動口17bへの遊技球の入球に基づいて「第2特別図柄」に関する当否判定(第2当否判定)が行われる。これらの点に関しては後述する。
第2始動口17bの右斜め上方には大入賞装置31が配置されている。この大入賞装置31は、遊技盤10の前面部で開口する大入賞口31aと、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図4参照)と、大入賞装置31に入球した遊技球を検知するための大入賞口入球検知スイッチ31s(図4参照)とを備えている。この大入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、開閉板31bによって大入賞口31aが閉鎖され、大入賞口31aへの遊技球の入球が不可能となり、開閉板31bが前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放され、大入賞口31aへの遊技球の入球が可能となる。なお、大入賞口31aは「可変入球口」の具体例を構成する。
遊技領域11において第1始動口17aの左側方には、一般入賞口45、46、47が設けられている。そして、何れの一般入賞口45、46、47に入球した遊技球は、遊技盤本体10Aの背面に装着された裏樋部(図示を省略)に流入し、当該裏樋部に設けられた一般入球検知スイッチ45s(図4参照)で検知される。また、中央装置20の右側方には普通図柄作動ゲート16が設けられている。この普通図柄作動ゲート16は、遊技盤本体10Aの前面部から突出する状態に配置され、通過検知スイッチ16s(図4を参照)を備え、普通図柄作動ゲート16を上方から下方に通過する遊技球を検知可能である。
情報表示装置60は、遊技盤10の表面部であって、遊技領域11の外側(遊技盤10の表面外縁)に該当する外縁部10Bのうち左下部位(左下外縁部)に配置されている。この外縁部10Bの左下部位は視認窓41aの左下方側を介して前方から視認可能な部位であるため、情報表示装置60は前面枠4の前方からガラス板43を通じて視認可能とされている(図1を参照)。この情報表示装置60は、図3(c)に示すように基板60Aを備え、この基板60Aに対して、第1特別図柄表示部62aと、第2特別図柄表示部62bと、普通図柄表示部63と、第1特別図柄保留表示部64aと、第2特別図柄保留表示部64bと、普通図柄保留表示部65等が設けられている。
第1特別図柄表示部62a、第2特別図柄表示部62bおよび普通図柄表示部63は、何れも「7セグメント表示体」を用いて構成されている。このうち、第1特別図柄表示部62aでは、「第1始動入賞」に基づいて第1特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第1特別図柄に関する当否判定の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。また、第2特別図柄表示部62bでは「第2始動入賞」に基づいて第2特別図柄の変動表示を行い、変動表示の実行時間が経過すると、第2特別図柄に関する当否判定の結果が一定時間(例えば0.6秒)表示される。そして、特別図柄に関する当否判定の結果が「外れ」である場合には、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に外れ図柄が表示され、特別図柄に関する当否判定の結果が「大当り」である場合には、大当り図柄が表示される。
普通図柄表示部63も、図3(c)に示すように「7セグメント表示体」によって構成され、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過することに基づいて図柄変動開始条件が成立すると普通図柄の変動表示を開始する。この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63において「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「0」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。そして、普通図柄の変動表示の実行時間が経過すると、普通図柄の変動表示の結果(普通図柄に関する当否判定の結果)が一定時間(例えば、0.5秒)表示される。このとき、停止表示された普通図柄が「奇数数字」である場合、その図柄が普通図柄の当り図柄に該当し、停止図柄が「偶数数字」である場合、その図柄が普通図柄の外れ図柄に該当する。
第1特別図柄保留表示部64a、第2特別図柄保留表示部64bおよび普通図柄保留表示部65は何れも2個のLEDを備え、対応する図柄(第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄)に関する保留数をLEDの点灯数、駆動態様によって表示する。例えば、消灯状態のLEDは「ゼロ」を表示し、点灯状態のLEDは「1」を表示し、点滅状態のLEDは「2」を表示することとすれば、2個のLEDを用いて「ゼロ」〜「4」の整数を表示できる。
(2)制御回路の構成
次に、図4を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御基板200を用いて構成されるとともに遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、222A、240A、260A)を備える。また、副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成され、遊技上の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成され、演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成され、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成され、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。
これらの制御部(200A、220A、222A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、222、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図4中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。
主制御部200Aは、通過検知スイッチ16s、第1始動口入球検知スイッチ17s、第2始動口入球検知スイッチ17t、一般入賞口入球検知スイッチ45s、大入賞口入球検知スイッチ31s等から遊技球の検知信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部220Aや、払出制御部240A、発射制御部260A等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。なお、主制御部200Aは「当否判定手段」、「特別遊技実行手段」、「確率設定手段」、「高頻度状態発生手段」の具体例を構成する。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続され、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)には演出表示装置27が電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、RAM220bと、ROM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27の具体的な表示内容、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板4b〜4h等に搭載された各種LEDや、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄の変動表示及び停止表示や背景図柄、キャラクタ図柄の表示等を行う。このとき、表示される演出用の各種図柄(演出図柄、背景図柄、キャラクタ図柄、実写映像等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
演出図柄の変動表示及び停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプの駆動信号を出力することによって、各LEDランプの点灯・点滅動作等を制御する。また、演出ボタンSWを遊技者が操作すると(指示入力を行うと)、この操作信号(指示入力信号)がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。なお、供給された操作信号に基づいて、発光装置(上部発光装置70A、上部発光装置70B)の駆動態様を変化させることとしてもよい。
次に、図5を用いて「取得情報記憶手段」等について説明する。主制御基板200に搭載されたRAM202には、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bと、第1保留数メモリ202cと、第2保留数メモリ202dと、第1事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第2事前判定結果メモリ(図示を省略)とが設けられている。また、サブ制御基板220に搭載されたRAM220bには、第1事前判定結果情報メモリ221bと、第2事前判定結果情報メモリ222bと、第1保留数情報メモリ223bと、第2保留数情報メモリ224bとが設けられている。以下、「有効な始動入賞」とは、対応する保留数(第1保留数若しくは第2保留数)が上限個数でない状態で生じた始動入賞を指す。
第1始動口17aに対する有効な始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値(以下、「第1判定用乱数値」ということがある。)が取得され、第1判定用乱数値メモリ202aにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数を示す値が第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される。ここで、「第1判定用乱数値」には「大当りか否かを当否判定するための当否判定用乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。
また、第1判定用乱数が第1判定用乱数値メモリ202aに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が、当否判定に関する事前判定および大当り図柄(特別図柄)に関する事前判定(大当りを発生する旨の事前判定の結果を得た場合)を行うとともに、これらの事前判定(以下、「第1事前判定」という。)の結果を第1事前判定結果(図示を省略)にシフトメモリ形式で記憶する。これに伴い、第1始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
ここで、第1始動口17aに対する始動入賞に基づく第1始動入賞時コマンドは、「第1事前判定の結果を特定可能な情報(以下、「第1事前判定結果情報」という。)」、「当該始動入賞後の第1保留数を特定可能な情報(以下、「第1保留数情報」という。)」等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、第1始動入賞時コマンドを受信すると、「第1事前判定結果情報」を第1事前判定結果情報メモリ221bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、第1事前判定結果情報メモリ221bに記憶された第1事前判定結果情報に基づいて、第1判定用乱数値メモリ202a(取得情報記憶手段)に「第1当否判定の結果が、大当りとなる当否判定用乱数値」が記憶されているか否かを判断する。以下、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が大当りとなると事前判定(第1事前判定、第2事前判定)される当否判定用乱数値を「当り保留」と称し、当否判定(第1当否判定、第2当否判定)の結果が外れとなると事前判定(第1事前判定、第2事前判定)される当否判定用乱数値を「外れ保留」と称する。
第2始動口17bに対する有効な始動入賞を生ずると、これに対応する判定用乱数値(以下、「第2判定用乱数値」ということがある。)が取得され、第2判定用乱数値メモリ202bにシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数を示す値が第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される。ここで、「第2判定用乱数値」には、第1判定用乱数値と同様に「大当りか否かを当否判定するための当否判定乱数値(大当り抽選乱数値)」、「大当り図柄(特別図柄)を決定するための図柄決定乱数値」等が含まれる。
また、第2判定用乱数値が第2判定用乱数値メモリ202bに記憶されると、主制御基板200を構成するCPU201が、当否判定に関する事前判定および大当り図柄(特別図柄)に関する事前判定(大当りを発生する旨の事前判定の結果を得た場合)を行うとともに、これらの事前判定(以下、「第2事前判定」という。)の結果を第2事前判定結果メモリ(図示を省略)にシフトメモリ形式で記憶する。これに伴い、第2始動入賞時コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。
ここで、第2始動口17bに対する始動入賞に基づく第2始動入賞時コマンドは、「第2事前判定の結果を特定可能な情報(以下、「第2事前判定結果情報」という。)」、「当該始動入賞後の第2保留数を特定可能な情報(以下、「第2保留数情報」という。)」等を示すコマンドである。そして、サブ制御基板220は、第2始動入賞時コマンドを受信すると、第2事前判定の結果を示す情報(第2事前判定結果情報)を第2事前判定結果情報メモリ222bにシフトメモリ形式で記憶するとともに、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、第2事前判定結果情報メモリ222bに記憶された第2事前判定結果情報に基づいて、第2判定用乱数値メモリ202b(保留記憶手段)に当り保留(第2当否判定の結果が、大当りとなる当否判定用乱数値)が記憶されているか否かを判定することができる。
なお、第1判定用乱数値メモリ202aおよび第2判定用乱数値メモリ202bは、始動入賞に基づき取得される判定用乱数値(取得情報)を記憶する「取得情報記憶手段」の具体例を構成する。また、「第1判定用乱数値」は第1始動口17aに対する有効な始動入賞に基づき取得される判定用乱数値(取得情報)の総称であり、「第2判定用乱数値」は第2始口17bに対する有効な始動入賞に基づき取得される判定用乱数値(取得情報)の総称である。また、第1判定用乱数値メモリ202aと、第2判定用乱数値メモリ202bと、第1事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第2事前判定結果メモリ(図示を省略)と、第1事前判定結果情報メモリ221bと、第2事前判定結果情報メモリ222bには、有効な始動入賞(有効な第1始動入賞、有効な第2始動入賞)を生ずる毎に、対応するデータがシフトメモリ形式で記憶される。そして、対応する判定用乱数値(第1判定用乱数値メモリ202a、第2判定用乱数値メモリ202b)に記憶されている判定用乱数値を最先に記憶されたものから順に読み出し、その読み出した判定用乱数を基に当否判定やこの当否判定に基づく図柄変動遊技を行うことを「判定用乱数値を消化する」と称する。
(3)遊技機1による遊技の概要
次に、本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について、図6〜16を用いて簡単に説明する。
a.普通図柄変動遊技
普通図柄変動遊技は、普通図柄の変動表示および停止表示等によって構成される。この普通図柄の変動表示は、図6に示すように、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過すること(普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16sが遊技球を検知すること)に基づいて普通図柄表示部63において開始される(S1、S2)。この普通図柄の変動表示の実行時間(普通図柄の変動時間)は、普通図柄の変動表示を開始する際に決定されるが、この実行時間は普通図柄の変動表示を開始する際の遊技状態に基づき決定される。ここで、図7(a)に示すように、普通図柄の変動遊技に関し、本遊技機1では、第1遊技状態と第2遊技状態とが実行される。そして、第1遊技状態は第2始動口への遊技球の入球頻度が第1の頻度の第1入球頻度状態によって構成される。この第1入球頻度状態では開放延長機能が作動しない(第2始口17bの開放時間が0.2秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間(例えば、30秒)に決定される。また、第1入球頻度状態は、開放延長機能が作動しない遊技状態であり、普通図柄に関する抽選が低確率(例えば、当り確率30%、3/10)で行われる。
また、第2遊技状態は、第2始動口17bへの遊技球の入球頻度が、第1の頻度よりも高い第2の頻度の第2入球頻度状態によって構成される。この第2入球頻度状態では開放延長機能が作動する(第2始動口17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が通常変動時間よりも短くされた短縮変動時間(例えば、2秒)に決定される。また、第2入球頻度状態は、開放延長機能が作動する遊技状態であり、普通図柄に関する抽選が高確率(例えば、当り確率90%、9/10)で行われる。なお、本実施例では、このように、第2遊技状態は開放延長機能が作動する遊技状態であるため、第2始動口17bに遊技球が入球する可能性は、第1遊技状態に比べて高くなる。なお、各実施例の第2遊技状態を1種のみ設定するが、複数の第2遊技状態を設定してもよい。例えば、第2遊技状態として、第2始動口17bへの遊技球の入球頻度が、第2頻度状態よりも高い第3入球頻度状態を設けてもよい。例えば、第3入球頻度状態として、開放延長機能が作動する(第2始動口17bの開放時間が5秒とされる)とともに、普通図柄の変動時間が、第2入球頻度状態よりも短くされた第2短縮変動時間(例えば、1秒)とし、第2入球頻度状態よりも普通図柄に関する抽選の頻度を高めてもよい。ここで、第1遊技状態は第2始動口17bへの遊技球の入球頻度が所定の遊技状態の具体例を構成し、第2遊技状態は第2始動口17bへの遊技球の入球頻度が当該「所定の遊技状態」よりも高い高頻度状態の具体例を構成する。そして、主制御基板200に搭載されたCPU201は、高頻度状態発生手段の具体例を構成する。
また、第2遊技状態を実現するための手法(第2始動口17bに遊技球が入球する頻度を高くするための手法)としては、図7(b)に示すように、(a)普通図柄の変動表示の実行時間を短縮化する手法(以下、「手法1」という。)と、(b)普図当否判定(第1当否判定)の結果を停止表示する時間を短縮化する手法(以下、「手法2」という。)と、(c)第2始動口17bの開放時間(第2の態様となる時間)を延長する手法(以下、「手法3」という。)と、(d)普図当否判定(第1当否判定)の結果が当り(所定結果)となる確率を高くする手法(以下、「手法4」という。)、(e)第2始動口17bが開放状態(第2の態様)となる回数を多くする手法(以下、「手法5」という。)の他に、手法1〜手法5を2個以上組み合わせた手法を例示できる。なお、図7(b)中の「電チュー」とは第2始動口17b(電動式の可変始動口)を示している。
図6に示すように、この普通図柄の変動表示は、普通図柄表示部63に当り図柄若しくは外れ図柄を停止表示することで終了する。そして、普通図柄表示部63に当り図柄が所定時間に亘って停止表示されると(S3)、第2始動口17bが一定時間開放状態(第2状態)となり(S4)、普通図柄表示部63に外れ図柄が停止表示されると(S5)、第2始動口17bは閉鎖状態(第1の態様)を維持する(S6)。ここで、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示される場合において、開放延長機能が作動しない第1遊技状態であるときには、第2始動口17bの開放時間が短く(例えば、0.2秒)されるため、第2始動口17bに遊技球が入球する頻度(入球可能性)が低くなる。
また、普通図柄表示部63に当り図柄が停止表示される場合において、開放延長機能が作動する遊技状態(第2遊技状態)であるときには、第2始動口17bの開放時間が長く(例えば、5秒)される。なお、以下の説明において、開放延長機能が作動する第2遊技状態を「電サポ状態」と称し、開放延長機能が作動しない第1遊技状態(第1入球頻度状態)を「非電サポ状態」と称することがある。
b.図柄変動遊技および図柄変動演出
前述のように、本遊技機1では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づいて行われる当否判定の結果を示す図柄の停止表示と、この停止表示の前段階に行われる変動表示とを情報表示装置60および演出表示装置27の2種類の図柄表示装置で実行する。ここで、情報表示装置60の第1特別図柄表示部62aで表示される第1特別図柄と、情報表示装置60の第2特別図柄表示部62bで表示される第2特別図柄は「本図柄」であり、主制御部200Aによって「停止表示させる図柄(停止図柄)」と「変動時間(変動パターン)」が決定される。但し、本実施例では、始動入賞(第1始動入賞若しくは第2始動入賞)に基づく、判定用乱数値(入球情報)を取得した時点で当否判定の結果等が事前判定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいては「演出図柄」が表示され、主制御部200Aの制御の下で遊技上の演出を制御するサブ制御部220Aによって、その変動態様と停止図柄とが決定される。そして、通常、これらの「演出図柄」の図柄変動は「本図柄」と同一の時間だけ実行され、これらの「演出図柄」の停止図柄の表示内容(大当り、外れ)は、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおける「本図柄」の表示内容(大当り、外れ等)と矛盾を生じないものとされる。
ここで、本遊技機1では第1始動入賞に基づいて第1特別図柄表示部62aにおいて「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行され、第2始動入賞に基づいて第2特別図柄表示部62bにおいて「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」が実行される。また、「第1特別図柄に係る図柄変動遊技」若しくは「第2特別図柄に係る図柄変動遊技」の実行に伴って演出表示装置27において図柄変動演出が実行される。以下、「図柄変動遊技」と「図柄変動演出」の概要について説明する。なお、本図柄および演出図柄は何れも「識別情報」の具体例を構成するが、本遊技機1において使用する「識別情報」を本図柄および演出図柄のうち何れか一方に一本化してもよい。
b−1.図柄変動遊技
第1特別図柄に係る図柄変動遊技(変動表示)と、第2特別図柄に係る図柄変動遊技(変動表示)は、図3(b)に示すように、対応する特別図柄表示部(62a若しくは62b)を構成する7セグメント表示体によって、算用数字を構成できない不完全な図柄(以下、不完全図柄という。)の「循環表示」を行うことを内容とする。具体的には、算用数字に比べて遊技者にとって馴染みが無く、識別や記憶が困難な不完全図柄を「循環表示」することを内容とする。ここで、第1特別図柄および第2特別図柄は識別情報の具体例を構成する。
そして、第1特別図柄に係る変動表示における停止表示態様によって「第1始動入賞」に基づいて実行される特別図柄に関する当否判定(以下、「第1当否判定」という。)の結果が表示され、第2特別図柄に係る変動表示における停止表示態様によって「第2始動入賞」に基づいて実行される特別図柄に関する当否判定(以下、「第2当否判定」という。)の結果が表示される。
図8に示すように、遊技機1の確率状態が通常確率状態(低確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/400」とされ、遊技機1の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/60」とされる。そして、何れかの特別図柄表示部62a、62bに大当りを示す判定結果が停止表示されると「大当り」が発生し、大当り遊技実行手段(つまり、特定遊技実行手段)が駆動して大当り遊技が実行される。ここで、「大当り」は「特定結果」の具体例を構成し、「大当り遊技」は「特定遊技」の具体例を構成する。また、約「1/400」が「所定確率」の具体例を構成し、約「1/60」が「高確率」の具体例を構成する。なお、本実施例の遊技機1は当否判定の結果が特定結果となる確率を2種設定可能性であるが、3種以上設定可能性であってもよく、この場合、「所定確率」および「高確率」を適宜選択可能である。例えば、第1確率と、第1確率よりもい高い第2確率と、第2確率よりもい高い第3確率とを設定可能である場合、第1確率を「所定確率」とし、第2確率若しくは第3確率を「高確率」としてもよいし、第2確率を「所定確率」とし、第3確率を「高確率」としてもよい。
本実施例では、当否判定の結果が大当りの場合、特別図柄表示部62a(62a若しくは62b)に停止表示される大当り図柄が乱数抽選を用いて決定される。具体的には、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「16R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Aという。)」若しくは「12R確変大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Bという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「確変柄A」、「確変図柄B」若しくは「8R通常大当りの発生を示す大当り図柄(以下、確変柄Cという。)」に決定される。
なお、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、3個のセグメントを発光させたものが「確変大当り」を示し、「確変大当り」の種類(16R確変大当り、12R確変大当り、8R確変大当り等)を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。但し、本明細書では、説明を簡略化するため、大当り図柄を「確変A」、「確変B」、「確変C」のように「アルファべット」を用いて表現する。また、当否判定の結果が外れの場合、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bを構成する「7セグメント表示体」のうち、1個のセグメントが発光する。なお、後述する変形例2等のように、大当りとして通常大当りを発生する場合には、2個のセグメントを発光させたものが「通常大当り」を示し、「通常大当り」の種類を発光させるセグメントの組合わせ態様で特定する。
大当り遊技を開始すると、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cの駆動及び駆動停止を行うことで「大入賞口31aを開閉する開閉動作」が実行される。そして、大当り遊技中の各ラウンド遊技においては、大入賞装置31に対して、大入賞口31aを1回だけ開放状態(入球可能状態)に変化させる開閉動作が施される。なお、大入賞口31aに規定入賞数(10個)の遊技球が入球するか、或いは、大入賞口31aの開放時間が開放限度時間(30秒)に到達すると、ラウンド終了条件が成立して、実行中のラウンド遊技(大当りラウンド)を終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると大当り遊技を終了する。
図8に示すように、「16R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Aが実行され、「12R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「12回」の大当り遊技Bが実行され、「8R確変大当り」を生ずると「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Cが実行される。そして、対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段(後述する。)が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。つまり、確率設定手段が当否判定の判定結果が大当りとなる確率を高確率に設定する。この高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「120回」になるまで継続される。つまり、本遊技機1は、大当り遊技を終了後において、次回の大当りが発生するまで高確率状態は保障されておらず、大当りを得ることなく実行された当否判定の回数が120回となると(ST期間の回数切り回数に到達すると)、当否判定の判定確率が低確率に戻される回数切り確変機(ST機)である。つまり、ST期間の回数切り回数に到達すると、確率設定手段が当否判定の判定結果が大当りとなる確率を所定確率(低確率)に設定する。但し、本遊技機1と異なり、発生する大当りの種類に対応する大当り遊技の終了後に確率変動手段が作動しない大当り(通常大当り)を生じてもよい(この点に関しては後述する)。尚、大当り確率(当り確率)が「特定結果導出確率」に相当する。
また、本遊技機1では、何れの大当り(16R確変大当り、12R確変大当り、8R確変大当り)を生じても、対応する大当り遊技の終了後に開放延長手段(後述する。)が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態、つまり電サポ状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になるまで継続される。つまり、本遊技機1では、開放延長状態(電サポ状態)にも、回数切り(大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「100回」になるまで)が設けられており、ST期間の終期の方よりも開放延長状態(電サポ状態)の回数切りの方が早期に到来する。なお、図8に示すように、第2当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」においては、第1当否判定の結果が「大当り」である場合の「振分抽選」に比べて遊技者にとってより有利な振り分けがなされる。ここで、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数を示す「100回」は「第1回数」の具体例を構成し、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数を示す「120回」は「所定回数」および「第2回数」の具体例を構成する。このように、本実施例では「第1回数」を「所定回数」未満に定めているが、「第1回数」と「所定回数」とを等しくすることもできる。
b−2.図柄変動演出
図柄変動演出も、第1始動入賞若しくは第2始動入賞に基づいて開始される。そして、図柄変動演出の実行時間(変動時間)も、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に決定される変動パターン(後述する。)によって特定される。また、図柄変動演出には、確率状態が低確率状態(所定確率の状態)であるときに実行される図柄変動演出(以下、「第1図柄変動演出」という。)と、高確率状態であるときに実行される図柄変動演出(以下、「第2図柄変動演出」という。)とがある。
ここで、遊技機1の遊技状態が「低確率状態で、かつ第2始動口17bの開放延長機能が作動しない非開放延長状態」である場合に、第1図柄変動演出が行われる。以下、この遊技状態を「低確率非開放延長状態」若しくは「Aモード」と称することがある。このように、遊技状態が低確率非開放延長状態(Aモード)であると、図9(a)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの地色が「白色」とされる。また、遊技状態が低確率非開放延長状態(Aモード)であると、可能性表示部27Fや残り回数表示部27Gが表示画面27aに出現することはない。
また、遊技機1の遊技状態が「高確率状態で、かつ第2始動口17bの開放延長機能が作動する開放延長状態(電サポ状態)」の場合と、「高確率状態で、かつ非開放延長状態(非電サポ状態)」の場合に、第2図柄変動演出が行われる。以下、遊技機1の遊技状態が「高確率状態で、かつ開放延長状態」である場合に、遊技機1の遊技状態が「高確率開放延長状態」若しくは「Bモード」であると称することがある。また、遊技機1の遊技状態が「高確率状態で、かつ非開放延長状態」である場合に、遊技機1の遊技状態が「高確率非開放延長状態(潜伏確変状態)」若しくは「Cモード」であると称することがある。
遊技機1の遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)であると、図9(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの地色が「赤色」とされ、高確率非開放延長状態(Cモード)であると、図9(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aの地色が「青色」とされる。ここで、本実施例、後述他の実施例、各変形例においても、高確率開放延長状態(Bモード)と高確率非開放延長状態(Cモード)とで演出表示装置27の表示画面27aの地色を区別してもよいが、本実施例、後述他の実施例、各変形例において、高確率開放延長状態(Bモード)と高確率非開放延長状態(Cモード)とで演出表示装置27の表示画面27aの地色を同一とし、高確率開放延長状態(Bモード)および高確率非開放延長状態(Cモード)を表示画面27aの地色によっては区別し難くしてもよい。この場合、遊技者は、現在の遊技状態を予測することが必要となる。
また、本遊技機1は大当り遊技を終了すると一律に高確率状態となり、大当りを生ずることなく実行される特別図柄変動遊技の累積回数が「120回」になると低確率状態となる。また、大当り遊技を終了すると一律に高確率開放延長状態(Bモード)となり、大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「100回」になると(開放延長状態の回数切りになると)、高確率非開放延長状態(Cモード)となる。そして、高確率非開放延長状態(Cモード)となった後、大当りを生ずることなく実行される当否判定(特別図柄変動遊技)の累積回数が「20回」になると(ST回数の上限の120回になると)、高確率状態の回数切りとなり、低確率非開放延長状態(Aモード)となる。
また、遊技機1の遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)である場合と、高確率非開放延長状態(Cモード)である場合には、可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gが表示画面27aに出現する。以下、「第1図柄変動演出」について説明した後、「第2図柄変動演出」にいて更に具体的に説明する。
c.第1図柄変動演出
この図柄変動演出では、図10(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでは、演出図柄表示領域27bに3つ(3桁)の演出図柄を表示しつつ演出図柄の変動表示と停止表示がなされる。この演出図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示(スクロール変動表示)」によって構成される。そして、演出図柄の変動表示の実行時間(変動時間)が経過すると、演出図柄の停止表示が一定時間(約0.6秒間)実行される。この演出図柄の停止表示は、前述の下部表示装置60(特別図柄表示部(62a若しくは62b))による停止表示と同様に、当否判定の結果を表示するものである。
ここで、演出図柄の停止図柄には「大当りを示す図柄(大当り図柄)」と「外れを示す図柄(外れ図柄)」とがある。そのうち、大当り(16R確変大当り、12R確変大当り、8R確変大当り)の発生を示す図柄は3つの演出図柄がすべて同一の数字とされる組み合わせによって構成される。また、「外れ図柄」は、3つの演出図柄のうちの少なくとも1つが他と異なる数字とされる組み合わせによって構成される。更に、図10(c)に示すように、演出表示装置27において「大当り図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行うが、「外れ図柄」を表示する場合、図10(b)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う場合と、図10(a)に示すように、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行わない場合がある。
d.第2図柄変動演出
次に第2図柄変動演出について第1図柄変動演出との相違点を中心に説明する。この第2図柄変動演出は、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gが出現する点と、大当り遊技終了後の所定期間内の図柄変動演出である点を除いて、前述の第1図柄変動演出と同様である。以下、大当り遊技演出について簡単に説明した後、図12〜図15に示す具体例を用いて第2図柄変動演出について説明する。ここで、大当り遊技演出は大当り遊技の実行に伴って演出表示装置27等において実行される演出である。
大当り図柄が停止表示されると、図11に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでファンファーレ演出を行う(a1)。そして、このファンファーレ演出を終了すると、第1回目(第1ラウンド)の係る大当りラウンドを実行するが、その際、表示画面27aにおいて第1ラウンドに係るラウンド演出が実行される(a2)。そして、第1ラウンドの終了条件が成立すると、第1ラウンドに係るラウンド遊技を終了して、表示画面27aにおいてインターバル演出を行う(a3)。この後、所定のインターバル時間(待機時間の約2秒)を経て、第2回目(第2ラウンド)に係る大当りラウンドに係るラウンド演出が実行される(a4)。以降、同様にして「大当りラウンド」及び「ラウンド演出が最終ラウンド(16ラウンドを図示)まで「インターバル時間」及び「インターバル演出」を挟みつつ繰り返される(a5、a6)。
そして、最終のラウンドが終了し、大当り遊技を終了すると、図12に示すように、表示画面27aにおいてエンディング演出を行った後(a7)、大当り遊技終了後、最初の図柄変動演出(図柄変動遊技)を開始する。この場合、最初の図柄変動演出(図柄変動遊技)を開始する際に実行される「特別図柄の当否判定」は高確率状態で行われる。つまり、大当り遊技中は「特別図柄の当否判定」の判定確率は低確率(所定確率)とされるが(大当り遊技中は、確率設定手段が当否判定の判定結果が大当りとなる確率を所定確率(低確率)に設定するが)、エンディング演出を終了すると判定確率は高確率とされる。
エンディング演出を終了し、図柄変動演出(図柄変動遊技)を開始可能な状態となると、遊技状態は高確率開放延長状態(Bモード)に設定される。そして、図柄変動演出を開始すると、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fと、残り回数表示部27Gとが出現する。ここで、可能性表示部27Fには、開放延長状態が終了するまでの間(電サポ状態が回数切りされるまでの間)当否判定を繰り返した場合において、大当りが得られる可能性が表示される。つまり、高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの間、当否判定を繰り返した場合において、大当りが得られる可能性が表示される。この可能性は「1−(59/60)N」なる式(以下、「式1」と称する。)で示される。
更に具体的に説明すると、本遊技機1が高確率状態にあるとき、1回の当否判定を行う毎に大当りを発生する可能性(確率)は「1/60」であり、1回の当否判定を行う毎に外れを発生する可能性(確率)は「59/60」である。そして、当否判定を「N回(Nは自然数)」繰り返しても、大当りを発生しない可能性(確率)が「59/60」を「N」回乗じた値であるため、当否判定を「N回」を繰り返したとき、大当りを発生する可能性(確率)は「1」から「(59/60)をN回乗じた値」を減じた値となる。
ここで、図15は、当否判定を「N回」を繰り返したときの大当りの発生可能性(確率)を示す表示である。先ず、大当り遊技を終了した直後の当否判定(大当り遊技終了の最初の当否判定)を行うときに、高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)100」なる式で算出される(約81.4%)。また、大当り遊技終了後、2回目の当否判定(大当り遊技終了の最初の当否判定)を行うときに、高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)99」なる式で算出され(約81.1%)、大当り遊技終了後、3回目の当否判定(大当り遊技終了の最初の当否判定)を行うときに、高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)98」なる式で算出される(約80.7%)。以後、高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの回数に合わせて「式1」の「N」が小さくなり、大当り遊技終了、100回目の当否判定を行うときに(高確率開放延長状態における最後の当否判定を行うときに)、高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)」、つまり、「約1.7%」となる。
高確率開放延長状態(Bモード)が終了するまでの間に大当りを発生しないと、遊技機1の遊技状態は高確率非開放延長状態(Cモード)に設定される。この高確率非開放延長状態(Cモード)においても、図柄変動演出を開始すると、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fと、残り回数表示部27Gとが出現する。そして、可能性表示部27Fには、高確率状態(高確率非開放延長状態)が終了するまでの間、当否判定を繰り返した場合において、大当りが得られる可能性が表示される。つまり、可能性表示部27Fには高確率非開放延長状態(Cモード)が終了するまでの間、当否判定を繰り返した場合において、大当りが得られる可能性が表示されるが、この可能性も「式1」を用いて算出される。
つまり、高確率開放延長状態(Bモード)を終了した直後の当否判定(Cモードになって最初の当否判定)を行うときに、高確率非開放延長状態(Cモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)20」なる式で算出される(約26.6%)。また、高確率非開放延長状態(Cモード)を開始後、2回目の当否判定(大当り遊技終了の最初の当否判定)を行うときに、高確率非開放延長状態(Cモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)19」なる式で算出される(約27.3%)。以後、高確率非開放延長状態(Cモード)が終了するまでの回数に合わせて「式1」の「N」が小さくなり、高確率非開放延長状態(Cモード)を開始後、20回目の当否判定を行うときに(高確率非開放延長状態における最後の当否判定を行うときに)、高確率非開放延長状態(Cモード)が終了するまでの間に大当りを発生する可能性(確率)は「1−(59/60)」、つまり、「約1.7%」となる。
次に、図12〜図14を用いて第2図柄変動演出の概要を説明する。前述のように、遊技状態は高確率開放延長状態(Bモード)に設定され、図柄変動演出を開始すると、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fと、残り回数表示部27Gとが出現する。そして、高確率開放延長状態(Bモード)に設定された後、最初の図柄変動演出(当否判定)が開始されると、可能性表示部27Fに、高確率開放延長状態(Bモード)を終了するまで当否判定を繰り返した場合に大当りを発生する可能性(確率)を示す数値(百分率)が表示される(a8)。また、残り回数表示部27Gには、高確率開放延長状態(Bモード)を終了するまでに、実行可能な特別図柄変動遊技(特別図柄に関する当否判定)の回が表示される。つまり、以後、大当りを発生しないとしたならば、高確率開放延長状態(Bモード)で実行可能な当否判定の残り回数(以下、「残り回数」という。)が表示される。具体的に述べると、高確率開放延長状態(Bモード)に設定された後、最初の図柄変動演出(当否判定)が開始されると、可能性表示部27Fに「81.4」の数値と表示され、残り回数表示部27Gでは「100」の数値と表示される(a8)。なお、本実施例では、可能性表示部27Fで「%」の表記を省略し、残り回数表示部27Gで「回」の表記を省略したが、これらの表記を行うこととしてもよい。
この可能性表示部27Fへの数値の表示と、残り回数表示部27Gへの数値の表示は、当該の最初の図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される(a9、a10)。そして、当該の最初の図柄変動演出(当否判定)によって、外れの発生を示す停止図柄(演出図柄)が表示され、次の図柄変動演出(当否判定)の開始タイミングとなると、当該次の図柄変動演出(当否判定)が開始される。この次の図柄変動演出(当否判定)が開始されると、可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gの数値が更新される。具体的には、遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)に設定されてから、2回目の図柄変動演出を開始すると、可能性表示部27Fに「80.7」の数値と表示され、残り回数表示部27Gに「99」の数値と表示される(a11)。
この可能性表示部27Fへの数値の表示と、残り回数表示部27Gへの数値の表示は、当該の2回目の図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される(a12、a13)。そして、当該の2回目の図柄変動演出(当否判定)によって、外れの発生を示す停止図柄(演出図柄)が表示され、更に次の図柄変動演出(当否判定)の開始タイミングとなると、更に次の図柄変動演出が開始される(a14)。
この更に次の図柄変動演出(当否判定)が開始されると、可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gの数値が更新される。具体的には、遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)に設定されてから、3回目の図柄変動演出を開始すると、可能性表示部27Fに「80.4」の数値と表示され、残り回数表示部27Gに「98」の数値と表示される(a14)。この可能性表示部27Fへの数値の表示と、残り回数表示部27Gへの数値の表示は、当該の3回目の図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される(a14、a15)。以後、遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)に設定されてから、実行される図柄変動演出の回数が増加していく場合、図柄変動演出を開始する度に可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gの数値が更新され(a16〜a19)、当該更新された数値は当該図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される。
そして、高確率開放延長状態(Bモード)に設定されてから100回目の図柄変動演出(高確率開放延長状態において実行される最後の図柄変動演出)が開始されると、可能性表示部27Fに「1.7」の数値と表示され、残り回数表示部27Gに「1」の数値と表示される(a20)。この可能性表示部27Fへの数値の表示と、残り回数表示部27Gへの数値の表示は、当該の100回目の図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される(a21、a22)。但し、当該の100回目の図柄変動演出が当否判定の結果が「外れ」であることを示すためのものである場合には、当該図柄変動演出の途中でバトル演出が繰り広げられる。
具体的には、リーチ表示がなされた後、バトル演出が開始される(a21)。このバトル演出は、遊技者の味方である味方キャラクタ(例えば、芋虫のキャラクタ)と遊技者の敵である敵キャラクタ(例えば、てんとう虫のキャラクタ)とが出現し、バトル(決闘)を行う(a21)。そして、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出される直前までバトル演出を実行し、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出されるタイミングとなると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す停止図柄とともに、敵キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされる。このとき、可能性表示部27Fへの数値が、高確率状態において最低の数値(1.7)となる(a22)。なお、当否判定の結果が「大当り」である場合には、味方キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされ、大当り遊技(大当り遊技演出)に移行する。
高確率開放延長状態(Bモード)を終了すると、遊技状態が高確率非開放延長状態(Cモード)に設定される。そして、高確率非開放延長状態(Cモード)に設定された後、最初の図柄変動演出(当否判定)が開始されると、可能性表示部27Fに「28.6」の数値と表示され、残り回数表示部27Gに「20」の数値と表示されるとともに、表示画面27aに「当り可能性が高い値に復活したことを示唆する表示」がなされる(a23)。この可能性表示部27Fへの数値の表示と、残り回数表示部27Gへの数値の表示は、高確率非開放延長状態(Cモード)に設定された後、最初の図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される。尚、当り可能性が「特定結果判定可能性」に相当する。
このように、高確率開放延長状態(Bモード)を終了するまでは可能性表示部27Fの表示される数値が「高確率状態における当り可能性を示す数値のうち、最低の数値(1.7))であったのに(図15を参照)、高確率非開放延長状態(Cモード)に移行すると、当り可能性を示す数値が一気に跳ね上がるため、遊技興趣を高めることができる。つまり、高確率開放延長状態(Bモード)では可能性表示部27Fで「第1可能性」を表示し、高確率非開放延長状態(Cモード)では可能性表示部27Fで「第2可能性」を表示する。そして、可能性表示部27Fでの表示が「第1可能性」から「第2可能性」に切り替わることで、当り可能性を示す数値が一気に跳ね上がるため、電サポ状態で所謂「はまり状態(有利であるのに大当りを得られない状態)」であったが、遊技者は気分を切り換え、高確率非開放延長状態(Cモード)に希望をつなぐこと(遊技興趣を維持すること)になる。
高確率非開放延長状態(Cモード)での最初の図柄変動演出(当否判定)によって、外れの発生を示す停止図柄(演出図柄)が表示され、次の図柄変動演出(当否判定)の開始タイミングとなると、当該次の図柄変動演出(当否判定)が開始されたものとする。この次の図柄変動演出(当否判定)が開始されると、可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gの数値が更新される。具体的には、遊技状態が高確率開放延長状態(Cモード)に設定されてから、2回目の図柄変動演出を開始すると、可能性表示部27Fに「27.3」の数値と表示され、残り回数表示部27Gに「19」の数値と表示される(図15を参照)。以後、遊技状態が高確率非開放延長状態(Cモード)に設定されてから、実行される図柄変動演出の回数が増加していく場合、図柄変動演出を開始する度に可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gの数値が更新され、当該更新された数値は当該図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される。なお、高確率非開放延長状態(Cモード)において残り回数表示部27Gには、高確率非開放延長状態(Cモード)を終了するまでに、実行可能な当否判定(特別図柄変動遊技)の回数が表示される。つまり、以後、大当りを発生しないとしたならば、高確率非開放延長状態(Cモード)で実行可能な当否判定の残り回数(残り回数)が表示され、この残り回数も、前述の高確率開放延長状態(Bモード)での残り回数と同様に当否判定を行う毎に更新(減算)される。
そして、高確率非開放延長状態(Cモード)に設定されてから20回目の図柄変動演出(高確率非開放延長状態において実行される最後の図柄変動演出)が開始されると、可能性表示部27Fに「1.7」の数値と表示され、残り回数表示部27Gに「1」の数値と表示される。この可能性表示部27Fへの数値の表示と、残り回数表示部27Gへの数値の表示は、当該の最後の図柄変動演出(当否判定)が終了するまで、同一の数値に維持される。更に、高確率非開放延長状態を終了すると、遊技機1の遊技状態は低確率非開放延長状態(Aモード)に戻される(a24)。
なお、本実施例では、遊技率状態が高確率開放延長状態(Bモード)である場合と、高確率非開放延長状態(Cモード)である場合において、当り可能性を「第1可能性」と「第2可能性」に分けて表示する場合を例示した。つまり、高確率状態での当り可能性を、大当り遊技終了後に実行される図柄変動演出(当否判定)の累積回数が第1回数(100回)に到達するまでの(電サポの回数切りまでの)当り可能性を示す第1可能性(第1当り可能性)と、当該累積回数が第1回数(100回)経過後、所定回数(120回)に到達するまでの(電サポの回数切りの後であって、高確率状態の回数切りを生ずるまでの)当り可能性を示す第2可能性(第2当り可能性)に分けて表示した。以下、この表示態様をAタイプの表示態様という。
但し、図16に示す変形例1のように、高確率状態開放延長状態(Bモード、)である場合と、高確率非開放延長状態(Cモード)である場合において、当り可能性を分けることなく表示してもよい。つまり、高確率状態での当り可能性を、大当り遊技終了後に実行される図柄変動演出(当否判定)の累積回数が所定回数(120回)に到達するまで当り可能性を示してもよい。以下、この表示態様をBタイプの表示態様という。この場合、残り回数表示部27Gには、大当りを発生しないとしたならば、高確率状態を維持しつつ実行可能な当否判定の残り回数(残り回数)が表示される。つまり、大当りを発生しないとしたならば、高確率状態(Bモード若しくはCモード)で実行可能な当否判定の残り回数(残り回数)が表示され(初期値はST回数の「120」である)、この残り回数も当否判定を行う毎に更新(減算)される。
ここで、可能性表示部27Fは「可能性表示手段」の具体例を構成する。また、本実施例、後述する他の実施例、各変形例においても、残り回数表示部27Gを省略することとしてもよく、この場合、可能性表示部27Fの表示(例えば、数値の大小)によって「残り回数」を予測することができる。また、各実施例および各変形例では、「ST期間の残り回数」との関係で「当り可能性」を特定するデータ(図15や図16に示すデータ)を、サブ制御基板220に搭載されたROM220cに記憶し、ST期間の残り回数を示すデータを特定するデータ(或いは、ST期間開始後、何回目の当否判定が行われたかを特定するデータ)を、主制御基板200をサブ制御基板220に送信する(図24の確変回数指定コマンドを送信する)。そして、サブ制御基板220は当該データ(図24の確変回数指定コマンド)を受信すると、当該データ(確変回数指定コマンド)が特定するデータ(例えば、ST期間開始後、何回目の当否判定が行われたかを示すデータや、ST期間において高確率で当否判定を実行し得る残り回数)に対応するデータ)をROM220cから読み出して(例えば、第1回目の当否判定では、「81.4」の数値を示すデータをROM220cから読み出して)、可能性表示部27Fに読み出して表示したり、表示の更新(例えば、第2回目の当否判定では、「81.4」から「81.1」に更新)することを行っている。なお、ROM220cに、図15や図16に示すデータ(数値)が特定する当りを算出する計算式(前述の式1)を記憶しておき、サブ制御基板220が受信した「ST期間の残り回数を示すデータを特定するデータ(或いは、ST期間開始後、何回目の当否判定が行われたかを特定するデータ)」に基づいて、可能性表示部27Fの表示する数値を特定してもよい。
(4)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図17は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図25のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。ここで、賞球払出処理(S80)は入賞口(17a、17b、31a、45〜47)に遊技球が入球したときの賞球払出に関する処理であるが、その詳細な説明を省略する。
A.普通図柄遊技処理
図18及び図19は、普通図柄遊技処理の概要を示すフロー図であり、普通柄遊技処理が起動されると、CPU201は普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ16sの状態に基づいて、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過したか否かを判断する(S105)。このS105の処理において肯定判断される場合は(S105;YES)、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満であるか否かが判断され(S110)、所定個数未満であると判断された場合には(S110;YES)、普通図柄に関する保留数を「+1」するとともに、普通図柄に関する当否判定(第1当否判定)を行うための乱数値を取得して記憶した後(S115)、S120の処理に移行する。これに対して、S105の処理において否定判断される場合(S105;NO)及び普通図柄に関する保留数が所定個数以上であると判断された場合には(S110;NO)、S115の処理を行うことなく、S120の処理に移行する。なお、普通図柄に関する当否判定を普図当否判定といい、単に当否判定を表記する場合には特別図柄に関する当否判定を指すものとする。
S120の処理においては、普通電動役物が作動中か否か(第2始動口17bが開放状態であるか否か)が判断され(S120)、作動中の場合(S120;YES)、普通図柄遊技処理を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。一方、作動中でない場合(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中か否かが判断される(S125)。そして、S125の処理において変動表示されていないと判断される場合には(S125;NO)、普通図柄表示部63において、普通図柄が停止表示されているか否かが判断される(S130)。そして、普通図柄が停止表示されていると判断されると(S130;YES)、「普通図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したか否かが判断される(図19のS180)。そして、S180にて肯定判断されると(S180;YES)、S185の処理に移行し、S180にて否定判断されると(S180;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
また、普通電動役物が作動中でなく(図18のS120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中でなく(S125;NO)、しかも、普通図柄の停止表示を実行中でないと判断されると(S130;NO)、普通図柄に関する保留数が「0」であるか否か判定される(S135)。そして、この保留数が「0」と判断されると(S135;YES)、普通図柄遊技処理を終了して遊技制御処理に復帰する。一方、この保留数が「0」でないと判断されると(S135;NO)、開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断する(S138)。ここで、開放延長フラグは開放延長機能が作動していることを示すフラグであり、本実施例においては遊技機1の遊技状態が第2遊技状態(第2入球頻度状態)である場合にはセット(ONに設定)される。
開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S138;YES)、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普図当否判定を高確率(高い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行った後(S145)、「普通図柄の変動時間」として「短縮時間(2秒)に短縮化した変動時間」を設定した後(S155)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
一方、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S138;NO)には、遊技機1の遊技状態は通常遊技状態(第1入球頻度状態)にある。この場合、S115の処理にて記憶された乱数値のうち最も古いものを用いて、普通図柄に関する普通図柄に関する普図当否判定を低確率(低い当選確率)にて行うとともに、普通図柄に関する保留数を「−1」する処理を行う(S148)。そして、「普通図柄の変動表示の時間」として通常時間(30秒)を設定した後(S156)、普通図柄の変動表示を開始させる(S160)。そして、S160の処理の後、普通図柄遊技処理を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
また、普通電動役物が作動中でなく(S120;NO)、普通図柄表示部63において普通図柄の変動表示を実行中の場合(S125;YES)、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判断し(図21のS165)、経過していない場合(S165;NO)、普通図柄遊技処理を終了して、図19の遊技制御処理に復帰する。一方、普通図柄の変動時間が経過すると(S165;YES)、普通図柄の変動表示を停止させた後(S170)、普通図柄の停止図柄の表示時間(停止表示時間)が設定される(S175)。この後、「普通図柄の停止表示時間」が経過すると(S180;YES)、S185の処理に移行する。
S185の処理においては、普通図柄表示部63に停止表示された図柄が、普通電動役物を作動させる図柄であるか否か(つまり、普通図柄の当り図柄であるか否か)判定され、作動させる図柄でない場合(S185;NO)、つまり、普通図柄の外れ図柄である場合(S185;NO)、普通図柄遊技処理を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。一方、作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合(S185;YES)、普通電動役物開放延長機能が作動しているか否か、つまり、開放延長フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S188)。
開放延長フラグがセット(ONに設定)されている場合(S188;YES)、普通電動役物の開放時間(第2始動口17bを開放状態とする時間)を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、5秒)」に設定した後(S190)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2始動口17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して、図17の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S188;NO)、普通電動役物の開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、0.2秒)」に設定した後(S192)、普通電動役物を作動させ(S194)、第2始動口17bを開放状態とする。そして、普通図柄遊技処理を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
B.普通電動役物遊技処理(S200)
図20は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図17の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17dが作動中であるか否か(第2始動口17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2始動口17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17dの作動時間(第2始動口17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長状態では5秒、通常開放状態では0.2秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間(開放時間)が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17dの作動を停止させることで開放状態にある第2始動口17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2始動口17b)の開放中に(S202;NO)、第2始動口17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると(S204;YES)、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17dの作動を停止させ(S206)、普通電動役物遊技処理を終了させる。なお、本遊技機1では普通電動役物17dの作動に際して普通電動役物ソレノイド17cが駆動されると、普通電動役物17dを構成する第2始動口17bの翼片部17eを外側に回動して、第2始動口17bが開放状態となる。
C.特別図柄遊技処理(S300)
特別図柄遊技処理(S300)が起動すると、図21に示すように、先ず、第1始動入賞若しくは第2始動入賞が発生したか否かが判断される(S301a、S301b)。そして、S301aの処理及びS301bの処理において否定的な判断がなされる場合(S301a;NO、S301b;NO)、そのまま図22に示すS308以降の処理に移行する。
CPU201によって第1始動入賞が発生したと判断されると(S301a;YES)、第1保留数が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302a)。このS302aの処理において所定数未満と判断されると(S302a;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303a)。この第1始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図5に示す第1判定用乱数値メモリ202a)にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第1保留数が図5に示す第1保留数メモリ202cに累積的に記憶(加算記憶)される(S303a)。ここで、S303aの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第1始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第1特別図柄表示部62aに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)「図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値」等が含まれる。
CPU201は、S303aの処理に続いて、S303aの処理で取得した当否判定用乱数値(特図1大当り抽選乱数値)を用いて、第1当否判定(特図1大当り抽選)に関する事前判定(第1事前判定)を行い、その結果を示す情報を第1事前判定結果メモリ(図5で図示を省略)に記憶する(S304a)。そして、第1始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S305a)、図22のS308の処理に移行する。ここで、第1始動入賞時コマンドは前述のように、第1事前判定の結果を特定可能な情報と、第1始動入賞後の第1保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第1始動入賞後の第1保留数を特定するコマンドと、その他の情報を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。また、第1事前判定において第1当否判定の結果が大当りとなる場合には、この第1事前判定において、「特図1図柄決定乱数値」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行する。この大当り図柄に関する事前判定の結果を特定可能な情報も第1始動入賞時コマンドに含まれる。
ここで、第1始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値と、第2始動入賞に基づいて取得される判定用乱数値とが記憶された状況の下では後者が優先的に処理される(後述する。)。また、図21〜図24においては、CPU201によって行われる処理のうち、第1始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図1に関する処理という。)と、第2始動入賞に基づいて実行される各処理(以下、特図2に関する処理という。)のうち同様な処理に関しては、同一のステップ数(算用数字)を付している。そして、この同一のステップ数を付した処理は基本的には同一の処理であるため、以下の説明においては「特図1に関する処理」及び「特図2に関する処理」のうちの一方を説明し、他方の説明を省略することがある。なお、「特図1に関する処理」については「ステップ数」にアルファベットの「a」を付し、「特図2に関する処理」について「ステップ数」にアルファベットの「b」を付して区別することがある。
また、CPU201によって第2始動入賞が発生したと判断されると(S301b;YES)、第2始動入賞に対応する第2特別図柄の保留数(第2保留数)が所定数未満(本実施例は4未満)であるか否かが判断される(S302b)。このS302bの処理において所定数未満と判断されると(S302b;YES)、これに応じて判定用乱数値を取得する(S303b)。この第2始動入賞に基づき取得される判定用乱数値は、主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレス(図5に示す第2判定用乱数値メモリ202b)にシフトメモリ形式で記憶されるとともに、第2保留数が、図5に示す第2保留数メモリ202dに累積的に記憶(加算記憶)される(S303b)。ここで、S303bの処理で取得される判定用乱数値としては、(a)第2始動入賞に基づいて実行される第1当否判定に際して用いる当否判定乱数値、(b)第2特別図柄表示部62bに停止表示される当り図柄を決定するための図柄決定乱数値、(c)「図柄変動演出においてリーチを演出するか否かを決定するためのリーチ乱数値」等が含まれる。
CPU201は、S303bの処理に続いて、S303bの処理で取得した当否判定用乱数値(特図2大当り抽選乱数値)を用いて、第2当否判定(特図2大当り抽選)に関する事前判定(第2事前判定)を行い、その結果を示す情報を第2事前判定結果メモリ(図5で図示を省略)に記憶する(S304b)。そして、第2始動入賞時コマンドをサブ制御基板220に送信した後(S305b)、図22のS308の処理に移行する。ここで、第2始動入賞時コマンドは前述のように、第2事前判定の結果を特定可能な情報と、第2始動口17bへの始動入賞後の第2保留数等を示すコマンドである。但し、本実施例と異なり、第2始動口17bへの始動入賞後の第2保留数を特定するコマンドと、その他の情報を特定するコマンドとを別コマンドとしてもよい。また、第2事前判定において第2当否判定(特図2大当り抽選)の結果が大当り(当選)となる場合には、この第2事前判定において、「特図2図柄決定乱数値」を用いた「大当り図柄に関する事前判定」も実行する。
S308の処理では、図22に示すように、大当り遊技を実行しているか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図23のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。そして、CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して図22の遊技制御処理に復帰する。
一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否か(第1特別図柄および第2特別図柄のうちの何れかが変動中であるか否か)を判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314a、S314b)。なお、本実施例では、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間を0.6秒とする。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「第1保留数」と「第2保留数」とのうちの何れかが「ゼロ」でないことである。そして、本実施例のCPU201は、「第2保留数」が「ゼロ」であるか否かを優先して判断する(S314b)。つまり、「第2保留数」が「ゼロ」でない場合、前述の第2判定用乱数値メモリ202bから、最も古い判定用乱数値を読み出し(S316b)、第2特別図柄に関する当否判定処理(第2当否判定処理)を行う(S320b)。なお、S316bで読み出す判定用乱数値はS303bで取得したものであって、当否判定乱数値、図柄決定乱数値等が含まれる。
この第2当否判定処理(S320b)では、第2当否判定に関する処理が行われる。この第2当否判定処理(S320b)では遊技機1の確率状態が高確率状態であるか否か(確変フラグがセットされているか否か)が判断され、高確率状態であるときには、「高確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われ、通常確率状態(低確率状態)であるときには、「通常確率用のデータテーブル」と「S316bの処理で読み出した判定用乱数値(大当り用判定乱数値)」とを用いて「大当り判定」が行われる。なお、第2当否判定処理(S320b)と後述する第1当否判定処理(S320a)は主制御基板200に搭載されたCPU201が「当否判定手段」として行う処理の具体例を構成する。
CPU201は、第2当否判定処理(S320b)を行うと特図2図柄変動開始処理(S500b)に移行する。この特図2図柄変動開始処理(S500b)が起動すると、図24に示すように、第2当否判定(S320b)の結果が「大当り」であるか否かが判断され、「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、前述のS316の処理で読み出した判定用乱数値に含まれる図柄決定乱数値を用いた乱数抽選の結果に基づき特別図柄表示部62aに停止表示される図柄(大当り図柄)を決定(選択)する処理を行った後、遊技機1の遊技状態等に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを選択する。そして、その選択された変動パターンテーブルを用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
ここで、変動パターンの決定(選択)に際し、大当り確率が低確率であって通常変動を行う遊技状態では、図25に示す「低確率通常変動状態」用の変動パターンテーブルが用いられ、大当り確率が高確率であって短縮変動を行う遊技状態では、図25に示す「高確率短縮変動状態」用の変動パターンテーブルが用いられ、大当り確率が高確率であって通常変動を行う遊技状態では、図25に示す「高確率通常変動状態」用の変動パターンテーブルが用いられる。ここで、本実施例では短縮変動を行う遊技状態は「開放延長状態」であり、通常変動を行う遊技状態は「非開放延長状態」である。このため、「高確率短縮変動状態」は前述の高確率開放延長状態(Bモード)であり、「高確率通常変動状態」は前述の高確率非開放延長状態(Cモード)である。また、「低確率通常変動状態」は、前述の低確率非開放延長状態(Aモード)である。更に、本遊技機1の遊技状態は、「低確率通常変動状態」、「高確率短縮変動状態」若しくは「高確率通常変動状態」となることがあるが、大当り確率が低確率であって短縮変動を行う遊技状態(低確率短縮変動状態)となることはない。但し、本遊技機1で発生し得る大当りの態様に「通常大当り」を加え、通常大当りにかかる大当り遊技の終了後に「低確率短縮変動状態」を生じさせてもよい。この場合、変動パターンの決定(選択)に際し、「低確率短縮変動状態」用の変動パターンテーブルが用いられる。
一方、S502の処理にて、当否判定の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態に応じて選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数値を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、S303の処理において取得される判定用乱数値にはリーチ乱数値が含まれ、S540の処理ではこのリーチ乱数値を読み出し、この読み出したリーチ乱数値に基づいてリーチ演出の実行の有無が決定される。そして、S540の処理において用いる変動パターンテーブルは以下のように選択される。
つまり、遊技機1の遊技状態が「低確率通常変動状態」であってリーチ演出を行わない場合には、図26の「低確率通常変動状態」の欄において「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図26の「低確率通常変動状態」の欄において「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。また、遊技機1の遊技状態が「高確率短縮変動状態」であってリーチ演出を行わない場合には、図26の「高確率短縮変動状態」の欄において「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図26の「高確率短縮変動状態」の欄において「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。更に、遊技機1の遊技状態が「高確率通常変動状態」であってリーチ演出を行わない場合には、図26の「高確率通常変動状態」の欄において「リーチ演出なし」と表記された各変動パターンテーブルのうち、変動開始時の保留数に対応する変動パターンテーブルがセットされ、リーチ演出を行う場合には、図26の「高確率通常変動状態」の欄において「リーチ演出あり」と表記された変動パターンテーブルがセットされる。
ここで、S510若しくはS540の処理で決定される変動パターンのうち、変動短縮機能が作用しているときに選択される変動パターンによって特定される変動時間は、変動短縮機能が作用していないときに選択される変動パターンによって特定される変動時間に比べて短くされる可能性が高い。また、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄に関する保留数と、リーチ演出の有無を考慮して変動時間の長短が決定され、リーチ演出を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ演出を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる。また、特別図柄の保留数が少ない場合には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合には短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される。なお、本遊技機1において、主制御基板200に搭載されたROM203には、図25および図26に表記した変動パターンテーブルが記憶されている。
図24に戻って更に説明すると、S510若しくはS540の処理の後、CPU201は第2特別図柄表示部62bにて第2特別図柄の変動表示を開始するとともに(S590)、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって特図2の変動表示の開始を示すコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、CPU201は、サブ制御基板220に向かって第2特別図柄に係る「変動パターン指定コマンド」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「第2保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するための保留数指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行う(S595)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合には(S596;NO)、そのまま特図2図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。これに対して、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合には(S596;YES)、確変回数指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理を行った後(S598)、特図2図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
ここで、確変フラグは特別図柄の当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率に設定される状態(高確率状態)にあること(確率変動機能が作動していること)を示すフラグである。また、確変回数指定コマンドは、以後高確率状態で当否判定を実行可能な回数(例えば、「ST回数の残り回数」、「高確率状態になってから実行した当否判定の累積回数」、「高確率状態になってから何番目に実行した当否判定であるかを示すデータ」等)を特定するコマンドであり、サブ制御基板220は確変回数指定コマンドを受信することで、「高確率状態での当否判定の残り回数」を特定することができる。なお、サブ制御基板220に「高確率状態になってから実行した当否判定の累積回数を計数するカウンタ」を設ける場合には、サブ制御基板220が高確率状態になってから「変動パターン指定コマンド(図33のS1305を参照)」を受信する回数を計数することで、以後高確率状態で当否判定を実行可能な回数を特定することもできる。この場合、図24からS596およびS598の処理を省略することができる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するROM203(図4を参照)が、前述の可能性表示部27Fに表示すべき数値に関するデータを記憶している場合には、S598の処理で「当該データ」のうち、その時点の「ST回数の残り回数」に対応するものを、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって出力してもよい。
ここで、変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、ストローブ信号とともにサブ制御基板220に向かって出力される。このストローブ信号は、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aの割り込み端子に接続されており、サブ制御基板220側のCPU220aは、ストローブ信号が入力されると直ちに各指定信号を受け取って、指定信号の内容を解析する。詳細な説明は省略するが、変動パターンは、リーチ演出を行うか否か、停止表示される特別図柄(停止図柄)が大当り図柄であるか否か等の種々の条件を考慮して決定されており、変動パターンが分かれば、特別図柄が変動表示する時間を決定することができる。また、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、特別図柄が大当り図柄で確定停止するのか外れ図柄で確定停止するのか、更には大当り図柄で確定停止する場合、その大当り図柄(図8を参照)が何れであるかを知ることができる。なお、大当りの種類として、「確変大当り」の他に「通常大当り(後述する変形例2を参照)」を含む場合には、特別図柄停止情報指定コマンドを解析すれば、確定停止する大当り図柄が「通常大当り図柄」、「確変大当り図柄」の何れであるかを知ることができる。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、演出表示制御基板222に対して演出図柄の表示制御信号を出力し、演出図柄の変動表示・確定停止等を行う。また、特別図柄の変動時間(変動パターン指定コマンド)に基づいて、演出表示装置27でいわゆるリーチ演出を行うか否か、更にはどのような種類のリーチ演出とするかも決定する。そして、サブ制御基板220は、こうして決定した演出内容に従って、演出表示制御基板222や、アンプ基板224、装飾駆動基板226などを制御することにより、決定した内容の演出を行うことになる。
図22に戻り、「第2保留数」が「ゼロ」であるとともに(S314b;YES)、「第1保留数」が「ゼロ」でない場合(S314a;NO)には、第1判定用乱数値メモリ202aから最も古い判定用乱数値を読み出し(S316a)、第1当否判定処理を行う(S320a)。そして、特図1図柄変動開始処理(S500a)を行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図17の遊技制御処理に復帰する。ここで、S320aの処理として行われる第1当否判定処理もS320bと同様に行われ、S500aの処理として行われる特図1図柄変動開始処理(S500a)もS500bの処理として行われる特図2図柄変動開始処理(S500b)と同様に行われる。この特図1図柄変動開始処理(S500a)においてCPU201は、第1当否判定処理(S320a)の結果に基づいて第1特別図柄の停止図柄(大当りの大当り図柄、外れの場合は外れ図柄)を決定する処理と、変動パターンを乱数抽選によって決定する処理を行う。そして、第1特別図柄の変動表示を開始させた後、サブ制御基板220に向かって所定のコマンドを送信することで、特図1図柄変動開始処理(S500a)が終了するため、CPU201は一旦特別図柄遊技処理(S300)を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図22参照)で、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。その際、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して図17の遊技制御処理に復帰する。これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している第1特別図柄又は第2特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図17の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、特別図柄表示部(62a若しくは62b)に大当り図柄が停止表示されたか否かを判断する(図23のS352)。
図23のS352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、後述する「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファに、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当り)」、「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域がS354の処理で用いるバッファとして機能する。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ、具体的には「確変フラグ」、「変動短縮フラグ」、「開放延長フラグ」などであり、S354の処理においては、これらのフラグが「ON」「OFF」の何れに設定されているかを示すデータ(現在の遊技状態を示すデータ)がセットされる。
なお、「変動短縮フラグ」は特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮される状態(短縮変動状態)にあること(時短機能が作動していること)を示すフラグである。また、「開放延長フラグ」は第2始動口17b(普通電動役物17d)の開放時間が延長される状態にあること(開放延長機能が作動していること)を示すフラグである。なお、本実施例では、「変動短縮フラグ」および「開放延長フラグ」のON/OFF切り換わりタイミングが同一となっており、両フラグは一体的に扱われるものである。このように短縮変動状態であるときは開放延長状態でもあり、短縮変動状態が終了すると、それとともに開放延長状態も終了する。
主制御基板200のCPU201はS354の処理に続いて、発生させる大当りの種類に応じて大入賞装置31の開閉パターンをセットする処理を行う(S370)。具体的には「16R確変大当り」を発生させる場合、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「16ラウンド」行う開閉パターンがセットされ、「12R確変大当り」を発生させる場合、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「12ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。また、「8R確変大当り」を発生させる場合、大入賞口31aの開放限度時間を「30秒」とするラウンド遊技を「8ラウンド」行う開閉パターンがセットされる。そして、S370の処理に続いて、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理を行う(S378)。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する。
S378の処理に続いてS380以降の処理に移行する。ここで、S378の処理で「大当り遊技フラグ」がセットされると、大当り遊技実行手段が作動を開始して遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行するが、本遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S380以降の一連の処理を以下のように行った後、特別図柄遊技処理(S300)を終了する。具体的には、S380の処理において、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S382)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に向かって送信した後(S383)、S384の処理に移行する。なお、S382の処理によって大当り確率が低確率に設定される。ここで、S383のモード指定コマンドは、高確率開放延長状態(Bモード)若しくは高確率非開放延長状態(Cモード)から低確率非開放延長状態(Aモード)に変更されたこと示すコマンドであるます。
S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図17の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図17の遊技制御処理に復帰する。そして、図17の遊技制御処理に復帰すると後述する大当り遊技処理を行う。
次に、図23のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、第1特別図柄表示部62a若しくは第2特別図柄表示部62bにおいて停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合には(S352;NO)、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S390)。そして、確変フラグが解除(OFFに設定)されている場合(S390;NO)、そのままのS398の処理に移行する。一方、確変フラグがセット(ONに設定)されている場合(S390;YES)、確変カウンタの値を「−1」する処理(S392)を行った後、確変カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S394)。
そして、「ゼロ」になっていない場合(S394;NO)、S398の処理に移行する。これに対して、確変カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S394;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)する処理(S396)を行った後、モード指定コマンドをサブ制御基板220に向かって送信した後(S397)、S398の処理に移行する。このように確変フラグを解除(OFFに設定)すると、以後の当否判定を行う場合、低確率状態で行われる。ここで、「確変カウンタ」は高確率状態で行われる当否判定の上限実行回数(特別図柄の変動表示の上限実行回数)を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、以後の当否判定が低確率状態で行われる。また、S397のモード指定コマンドは低確率通常変動モード指定コマンドであり、サブ制御基板220はこのコマンドを受信することで、遊技機1の遊技状態が、高確率非開放延長状態(Cモード)から低確率非開放延長状態(Aモード)に変更されたと判断することができる。
S398の処理では変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない(OFFに設定されている)場合には(S398;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図22の遊技制御処理に復帰する。一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合には(S404;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図17の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合には(S404;YES)、遊技機1の遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)から高確率非開放延長状態(Cモード)に切り換わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に向かって送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて図17の遊技制御処理に復帰する。ここで、「変動短縮カウンタ」は変動短縮状態で行われる特別図柄の変動表示の上限実行回数を示すものであり、その値が「ゼロ」になると、今回の特別図柄の変動表示で短縮変動状態(第2遊技状態)が終了して、次回の変動表示から通常変動状態(第1遊技状態)に切り換わり、次回以降の特別図柄の変動表示は通常変動状態で行われる。また、S397のモード指定コマンドは高確率通常変動モード指定コマンドであり、サブ制御基板220はこのコマンドを受信することで、遊技機1の遊技状態が、高確率開放延長状態(Bモード)から高確率非開放延長状態(Cモード)に変更されたと判断することができる。
D.大当り遊技処理(S600)
主制御基板200に搭載されたCPU201が、図17の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、図27に示す大当り遊技処理(S600)において「大当り遊技フラグ」がセットされていると判断すると(S602;YES)、大当り遊技の実行に係る処理が行われる。この処理により、本遊技機1では「大当り遊技A」、「大当り遊技B」若しくは「大当り遊技C」が実現される。
図27は、大当り遊技処理(S600)の流れを示すフローチャートである。大入賞口31aが開放されると、前述のように、所定の開放時間が経過するか、或いは、所定数の遊技球が大入賞口31aに入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開放状態となる。ここで、閉鎖状態(入球不能状態)の大入賞装置31が開放状態(入球可能状態)となり、再び開放状態となることを内容とする遊技は「単位動作(大当り遊技においてはラウンド)」と称することとする。そして、この単位動作を所定回数(8回、12回若しくは16回)繰り返すと、当り遊技を終了する。以下、この図27および図28を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
大当り遊技(大当り遊技A、大当り遊技B、大当り遊技C)を開始すると、先ず、大入賞口31aが開放中か否かを判断する(S604)。ここで、大入賞口31aは「大当り遊技状態ではない通常の遊技状態」では閉鎖されており、従って、大当り遊技の開始直後には大入賞口31aは閉鎖状態となっている。このため、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31aは開放中ではないと判断され(S604;NO)、続いて、大当り遊技の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当り遊技開始後に実行された単位動作の回数」が対応する大当り遊技の設定回数に達したか否かを判断する(S612)。
但し、大当り遊技が開始された直後は大当り遊技の終了条件が成立しないため、S612の処理では必然的に否定的な判断がなされる(S612;NO)。このため、S614の処理に移行してインターバル時間(例えば、2秒)が経過したか否かを判断する(S614)。つまり、大入賞口31aの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S614)。ここで、大入賞口31aの閉鎖時間(インターバル時間)とは、単位動作と単位動作との間で大入賞口31aが閉鎖状態となっている時間である。そして、大当り遊技が開始された直後には大入賞口31aは閉鎖状態となっているから、必然的に大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S614;YES)、大入賞口31aを開放させた後(S616)、図27に示した大当り遊技処理を一旦終了して図17の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図17に示す一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S600)を開始する。この際、前述のように、図17に示した遊技制御処理を主制御基板200のCPU201が一回実行するために要する時間は約4msecとなっている。従って、図27に示す大当り遊技処理(S600)も約4msec毎に繰り返して実行される。そして、S604の処理で肯定的な判断がなされると、大入賞口31aの開放時間(30秒)が経過したか否かを判断する(S606)。
大入賞口31aの開放時間が経過していれば(S606;YES)、大入賞口31aを閉鎖した後(S610)、図27に示した大当り遊技処理(S600)を抜けて図17の遊技制御処理に復帰する。一方、大入賞口31aの開放時間が経過していない場合は(606;NO)、大入賞口31aに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S608)。そして、遊技球の入球数が規定数に達した場合も(S608;YES)、大入賞口31aを閉鎖する(S610)。つまり、遊技球の入球数が規定数に達すると開放時間の経過を待たずに大入賞口31aを閉鎖する。
大入賞口31aの開放時間が経過せず(S606;NO)、入球数が規定数に達していない場合は(S608;NO)、大入賞口31aを開放させたまま、図27の大当り遊技処理を抜けて図17の遊技制御処理に復帰する。
遊技機1の遊技状態が「大当り遊技状態」である場合、図17の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31aの開放時間が経過するか(S606;YES)、若しくは、大入賞口31aに所定数の遊技球が入球して(S608;YES)、大入賞口31aが閉鎖される(S610)。こうして、1回の単位動作を終了する。
遊技機1の遊技状態が「当り遊技状態」にあるときに、再度、大当り遊技処理(S600)が実行され、S604において大入賞口31aが閉鎖中と判断されると(S604;NO)、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したか否かが判断される(S612)。つまり、「大当り遊技」が「大当り遊技A」の場合は、その当り遊技中に実行した単位動作の回数(ラウンド数)が「16」に達したか否かが判断され、「大当り遊技B」の場合は、その当り遊技中に実行した単位動作の回数(ラウンド数)が「12」に達したか否かが判断され、「大当り遊技C」の場合は、その当り遊技中に実行した単位動作の回数(ラウンド数)が「8」に達したか否かが判断される。そして、単位動作の回数(ラウンド数)が設定回数に到達していなければ(S612;NO)、インターバル時間(例えば、2秒)が経過したことを確認した後(S614;YES)、再び大入賞口31aを開放状態とする新たな単位動作を実行する(S616)。一方、S612の処理において、当該「大当り遊技」の終了条件が成立したと判断される場合(S612;YES)、以下に示す「大当り遊技終了時処理(S800)」を行った後、大当り遊技処理(S600)を終了し、図17の遊技制御処理に復帰する。次に、図28を用いて大当り遊技終了時処理(S800)について説明する。
この大当り遊技終了時処理(S800)が起動すると、CPU201は、図28に示すように、大当り遊技フラグを解除(OFFに設定)した後(S805)、前述の「大当り終了時参照用バッファ(図23のS354を参照)」を参照することによって、今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の当り図柄」という。)の種類に関する情報を取得する(S810)。そして、確変フラグをセット(ONに設定)する処理(S822)と、確変カウンタに「120」をセット(ONに設定)する処理(S825)と、変動短縮フラグをセット(ONに設定)する処理(S830)と、開放延長フラグをセット(ONに設定)する処理(S840)とを行う。更に、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理(S845)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に向かって送信する処理(S850)とを行った後、大当り遊技終了時処理(S800)を終了する。ここで、S850の高確率短縮変動モード指定コマンドであり、サブ制御基板220はこのコマンドを受信することで、遊技機1の遊技状態が、低確率非開放延長状態(Aモード)から高確率開放延長状態(Bモード)に変更されたと判断することができる。
(5)演出制御処理(S980)
次に、図29を用いて、サブ制御部220A(サブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222Aと協働して行う「演出制御処理(S980)」の概要について説明する。なお、図29には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要な処理のみを図示している。この演出制御処理(S980)では、演出モード設定処理(S1000)、保留発生時処理(S1100)、可能性表示開始処理(S1200)、可能性表示更新処理(S1250)、可能性表示終了処理(S1260)、図柄変動演出処理(S1300)、保留消化時処理(S1600)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。また、図29の一周の処理に要する時間は、ほぼ2msecとなっているため、これらの処理は約2msec毎に繰り返し実行される。以下、図29のフロー図に示す処理のうち、大当り遊技演出処理についての説明は省略する。
a.演出モード設定処理(S1000)
図30(a)に示すように、サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、演出モード設定処理(S1000)において、先ず、主制御部140からのモード指定コマンドを受信したか否かを監視する(S1005)。そして、CPU220aは、モード指定コマンドを受信すると(S1005;YES)、この受信したモード指定コマンドの内容を解析する。そして、遊技機1の遊技モードが高確率変動短縮変動モードであると判断すると(S1010;YES)、演出モードを「Bモード」に設定し(S1015)、演出モード設定処理(S1000)を終了する
また、遊技機1の遊技モードが高確率通常変動モードであると判断すると(S1010;NO、S1020;YES)、演出モードを「Cモード」に設定し(S1025)、演出モード設定処理(S1000)を終了する。更に、遊技機1の遊技モードが低確率通常変動モードであると判断すると(S1010;NO、S1020;NO)、演出モードを「Aモード」に設定し(S1035)、演出モード設定処理(S1000)を終了する。ここで、演出モードが「Aモード」に設定されると、演出表示装置27の表示画面27aの地色が「白色」とされ、演出モードが「Bモード」に設定されると、演出表示装置27の表示画面27aの地色が「赤色」とされ、演出モードが「Cモード」に設定されると、演出表示装置27の表示画面27aの地色が「青色」とされる。但し、「Bモード」および「Cモード」を紛らわしくする遊技機では、両者の場合に演出表示装置27の表示画面27aの地色を同一色としてもよい。
b.保留発生時処理(S1000)
保留発生時処理(S1000)においては、図30(b)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、この始動入賞時コマンドによって特定される事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報と、保留数に関する情報等を記憶し(S1010)、保留図柄を表示する処理を行った後(S1020)、保留発生時処理(S1000)を終了する。ここで、S1010の処理において、第1始動入賞に基づく始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第1事前判定の結果に関する情報」を第1事前判定結果情報メモリ221bにシフトメモリ形式で記憶し、第1保留数情報メモリ223bに記憶されている第1保留数の値を「+1」する。また、第2始動入賞に基づく始動入賞時コマンドを受信すると(S1005;YES)、「第2事前判定の結果に関する情報」を第2事前判定結果情報メモリ222bに記憶し、第2保留数情報メモリ224bに記憶されている第2保留数の値を「+1」する。
c.可能性表示開始処理(S1200)
可能性表示開始処理(S1200)においては、図31(a)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが高確率短縮変動モード指定コマンドを受信すると(S1210;YES)、演出表示装置27の表示画面27aにおいて可能性表示を開始する処理を行う(S1220)。このS1220は、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gを出現させる処理である。また、高確率短縮変動モード指定コマンドは、前述のように大当り遊技を終了し、遊技状態が高確率開放延長状態(Bモード)に設定されると、主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、S1220の処理を行った後(S1220)、可能性表示開始処理(S1200)を終了する。
d.可能性表示更新処理(S1250)
可能性表示更新処理(S1250)においては、図31(b)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが確変回数指定コマンドを受信すると(S1255;YES)、演出表示装置27の表示画面27aにおいて「当り可能性の表示」を更新する処理を行う(S1258)。このS1258は、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fにおいて当り可能性を示す数値を更新する処理である。また、確変回数指定コマンドは、遊技機1の遊技状態が高確率状態である場合において、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示を開始する度に主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、S1250の処理を行った後(S1220)、可能性表示更新処理(S1250)を終了する。
ここで、前述のように、「ST期間の残り回数」との関係で「当り可能性」を特定するデータ(図15に示すデータ)は、サブ制御基板220に搭載されたROM220cに記憶されており、ST期間の残り回数を示すデータを特定するデータとして、図24の確変回数指定コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。そして、サブ制御基板220はS1255の処理で確変回数指定コマンドを受信すると、可能性表示部27Fに表示する数値をROM220cから読み出して表示したり、表示の更新を行っている。なお、ST期間の第1回目の図柄変動演出を開始する際の「当り可能性」を、図31(a)の可能性表示開始処理において可能性表示部27Fに表示し、ST期間の第2回目の図柄変動演出を開始する際の「当り可能性」を、図31(b)の可能性表示更新処理において表示(前回の図柄変動演出の際の数値を、新たな数値に更新して表示)してもよい(可能性表示更新処理においては、第1回目の図柄変動演出を開始する際に受信する確変回数指定コマンドを無視し、第2回目以降の図柄変動演出を開始する際に受信する確変回数指定コマンドを有効としてもよい)。若しくは、図31(a)の可能性表示開始処理において可能性表示部27Fを表示画面27aに出現させる処理のみを行い、可能性表示更新処理においては、第1回目以降の図柄変動演出を開始する際に受信する確変回数指定コマンドを全て有効なものとして扱ってもよい。
e.可能性表示終了処理(S1280)
可能性表示終了処理(S1280)においては、図32(a)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが低確率通常変動モード指定コマンドを受信すると(S1282;YES)、演出表示装置27の表示画面27aの可能性表示を消去(終了)する処理を行う(S1288)。このS1288は、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fおよび残り回数表示部27Gを消去する処理である。また、低確率通常変動モード指定コマンドは、前述のように大当り遊技を開始するときと、高確率非開放延長状態(Cモード)を終了するときに、主制御基板200からサブ制御基板220に送信される。そして、サブ制御基板220のCPU220aは、S1288の処理を行った後(S1288)、可能性表示終了処理(S1280)を終了する。
f.図柄変動演出処理(S1300)
図柄変動演出処理(S1300)においては、図33に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが、図柄変動開始時のコマンドを受信すると(S1305;YES)、S1310以降の処理が実行される。
CPU220aは、受信した「特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果を判断することができる。そして、当否判定の結果が大当りである場合には(S1310;YES)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、大当り用の演出パターンを設定する処理を行い(S1320)、当否判定の結果が外れである場合には(S1310;NO)、受信した変動パターン指定コマンドに基づき、外用の演出パターンを設定する処理を行う(S1325)。
S1320およびS1325の処理では、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて設定される演出パターンを設定する。ここで、前述の図25および図26には、変動パターンとともに、変動パターンに対応して設定される演出パターンが記載されている。つまり、図25および図26に示す「演出」の項目には、変動パターンに対応して設定される演出パターンが記載されており、「N」の記号はノーマルリーチを行う演出パターンを示し、「S」の記号はスーパーリーチを行う演出パターンを示している。そして、1320の処理で決定された演出パターンによって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の態様やリーチ演出の態様、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される。また、S1325の処理で決定された演出パターンによって、演出表示装置27の表示画面27aで実行される演出表示の態様、リーチ演出の実行有無、リーチ演出を実行する場合のリーチ演出態様等、演出図柄の変動表示の開始から終了(確定表示)までの表示パターンが決定される。
CPU220aはS1320の処理若しくはS1325の処理を行うと、演出図柄の停止図柄(確定表示する図柄)をセットする処理を行った後(S1345)、S1350の処理に移行する。ここで、S1320の処理を経て実行されるS1345の処理では、「大当り停止図柄」として「大当りを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされ、S1325の処理経て実行されるS1345の処理では、「外れ停止図柄」として「外れを確定表示する演出図柄」の具体的な態様等が選択・セットされる。
S1350の処理では、S1320の処理若しくはS1325の処理で決定した「演出パターン」と、S1345の処理で決定した「演出図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出図柄の変動表示を開始させる(S1350)。この後、S1390の処理において、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止コマンドを受信したと判断すると(S1390;YES)、受信した図柄停止コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、演出表示装置27における演出図柄の変動表示を停止させ(S1395)、図柄変動演出を終了させる。
g.保留消化時処理(S1600)
保留消化時処理(S1600)においては、図32(b)に示すように、サブ制御基板220のCPU220aが図柄変動開始時コマンドを受信すると(S1605;YES)、保留図柄によって示す保留数を「−1」する処理(S1630)を行い、S1650の処理に移行する。そして、S1650の処理では、当該消化される保留に対応する事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報を対応する事前判定結果情報メモリ(221b、222b)から消去するとともに当該事前判定結果情報メモリの下位の記憶領域に記憶されている事前判定の結果に関する情報を1個上位の記憶領域にシフトさせる処理を行う。また、対応する保留数情報メモリ(223b、224b)に記憶されている保留数の値を「−1」する処理を行い、保留消化時処理(S1600)を終了する。
(6)実施例の効果
本遊技機1では、確変機において、100回(第1回数)までの残り回数の当否判定を実行することによって、当否判定の結果が大当りと判定される可能性を更新表示するため、当該確変機が自身にとって好ましい遊技機であるか否かを判別することが容易である。つまり、単に「1回の当否判定毎の大当り確率」を表示するのでなく、「複数回に亘って当否判定を繰り返した場合に、当該複数回の当否判定の間に、当否判定の結果が大当りと判定される可能性」を表示するため、複数回当否判定を繰り返すと何れの可能性(確率)で大当りが得られるかを認識することが容易となり、当該確変機が自身にとって好ましい遊技機であるか否かを判別することが容易である。また、これにより、残り期間に応じて変化する大当り発生の期待度を把握し、適切な期待度を持って遊技を行うことができ、遊技興趣を高めることができる。特に、高確率状態の回数切りを行う「ST機」であるため、「ST期間中」に当否判定の結果が大当りと判定される可能性の高低を把握容易であり、遊技者が使用するST機を容易に選択可能となる。また、「ST機」においては「ST期間中」に当否判定の結果が特定結果と判定される可能性(特定結果判定可能性、当り可能性)は、ST期間の経過によって(当否判定が実行される毎に)刻刻と変化し、その時々の残りの当り可能性を把握容易であるため、遊技者はST期間中に当りと判定されること(所謂連荘)への期待度を把握可能である。これにより、適切な期待度を持って遊技を行うことができ、遊技興趣を高めることができる。例えば、ST期間は比較的長いが特定結果導出確率が比較的低い遊技機と、ST期間は比較的短いが特定結果導出確率が比較的高い遊技機とが存在する。この様な遊技機においても、夫々の遊技機を遊技すれば、可能性表示手段に表示される可能性表示に基づいて、所定回数の残り回数における特定結果判定可能性を容易に把握することができる。
また、本遊技機1では、可能性表示部27Fが、遊技機1の遊技状態が高確率状態となってから実行される当否判定の回数が100回(第1回数)に到達するまで、当該100回(第1回数)に到達するまでの大当り可能性を示す第1当り可能性(第1可能性)を表示し、当該100回(第1回数)経過後、当該当否判定の回数が120回(所定回数)に到達するまで、当該120回(所定回数)に到達するまでの当り可能性を示す第2当り可能性(第2可能性)を表示する。このように、第1当り可能性と第2当り可能性の2段階に分けて当り可能性を表示し、当り可能性の表示を多様化するため、遊技興趣を高めることができる。
しかも、第1当り可能性から第2当り可能性に表示が変化することによって、可能性表示部27Fに表示される当り可能性が高くなる。つまり、当り可能性の表示が第1当り可能性の表示から第2当り可能性の表示に移行する際に、「当り可能性」が高くなる。このため、当り可能性の表示が第1当り可能性の表示から第2当り可能性の表示に移行することで、遊技興趣を高めることができる。つまり、高確率開放延長状態(Bモード)では可能性表示部27Fで「第1当り可能性」を表示し、高確率非開放延長状態(Cモード)では可能性表示部27Fで「第2当り可能性」を表示する。そして、可能性表示部27Fでの表示が「第1当り可能性」から「第2当り可能性」に切り替わることで、当り可能性の数値が一気に跳ね上がるため、電サポ状態で所謂「はまり状態(有利であるのに大当りを得られない状態)」であったが、遊技者は気分を切り換え、高確率非開放延長状態(Cモード)に希望をつなぐこと(遊技興趣を維持すること)になる。
次に、実施例3の遊技機について説明する。この実施例3の遊技機では、当り可能性の表示を伴う図柄変動演出を実行しているときに、当り可能性を示す数値を適宜変更する点が実施例1と異なる。この実施例3では、図39(b)、図40および図41が付加されている点が実施例1と異なる。なお、実施例3を実施例1の変形例として説明するが、実施例3が実施例2の変形例であってもよい。
前述の実施例1の遊技機1では、高確率状態で可能性表示を行う場合に、当り可能性を示す数値を1回の図柄変動演出中において終始、一定の値としていたが、実施例3の遊技機では、1回の図柄変動演出中に当該数値が変更されるケースを備えている。
具体的には、図40に示すように、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に主制御部200Aによって設定された変動パターン(乱数抽選で選択された変動パターン)が特定変動パターンである場合には、1回の図柄変動演出中に当該数値を変更する演出を行うこととしている。なお、実施例3と異なり、図柄変動遊技(図柄変動演出)の開始時に主制御部200Aによって設定された変動パターンが何れの変動パターンであっても、1回の図柄変動演出中に当該数値を変更する演出を行うこととしてもよい。
以下、遊技機の遊技状態が高確率状態に移行してから101回目に実行される図柄変動遊技の変動パターンとして、図40に示す特定変動パターン2が設定された場合を例にとって具体的に説明する。ここで、この特定変動パターン2によって特定される演出パターンが、当否判定の結果が外れとなる図柄変動演出(以下、外れ演出という。)を特定するとともに、スーパーリーチを伴う演出を特定するものとする。ここで、ノーマルリーチはリーチ表示が成立した後に演出が発展しないリーチ(リーチ演出)を指し、スーパーリーチはリーチ表示が成立した後に演出が発展するリーチ(バトル演出等の発展するリーチ演出)を指し、ノーマルリーチが出現するよりもスーパーリーチが出現した方が当り信頼度が高くなるものとする。
図41に示すように、遊技機の遊技状態が高確率状態に移行してから101回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)が開始されると、可能性表示部27Fに「28.6」なる数値が表示される(e1、e2)。この「28.6」なる数値は、高確率状態で20回(残り回数)の当否判定を繰り返した場合に大当りを発生する確率(当り可能性)を示す数値である(図15を参照)。そして、演出図柄表示領域27bにおいて、リーチ表示が成立すると可能性表示部27Fの数値が「80.0」に変更される(e3)。
この後、表示画面27aにキャラクタAが出現すると、可能性表示部27Fの数値が「85.0」に変更される(e4)。また、この後、キャラクタBが出現すると、可能性表示部27Fの数値が「88.0」に変更される(e5)。そして、図柄変動演出の実行時間が経過して、当否判定の結果が外れであることを示す図柄(外れ図柄)が表示されると、可能性表示部27Fの数値が「ゼロ」に変更される(e6)。更に、遊技機の遊技状態が高確率状態に移行してから102回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)が開始されると、可能性表示部27Fに「27.3」なる数値が表示される(e7)。この「27.3」なる数値は、高確率状態で19回(残り回数)の当否判定を繰り返した場合に大当りを発生する確率(当り可能性)を示す数値である(図15を参照)。つまり、本来、102回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)が開始されると可能性表示部27Fに表示すべき数値である。
また、図40に示すように、特定パターンとしては、「外れ演出を特定するとともに、ノーマルリーチを伴う演出を特定する演出パターンが対応することになる特定変動パターン1」、「当否判定の結果が大当りとなる図柄変動演出(以下、当り演出という。)を特定するとともに、ノーマルリーチを伴う演出を特定する演出パターンが対応することになる特定変動パターン3」、「当り演出を特定するとともに、スーパーリーチを伴う演出を特定する演出パターンが対応することになる特定変動パターン4」等も例示できる。更に、「外れ演出を特定し、ノーマルリーチを伴う演出を特定するとともに、外れ演出に当該外れ演出の当り信頼度を示す予告キャラクタが出現する演出パターンが対応することになる特定変動パターン5」、「当り演出を特定し、ノーマルリーチを伴う演出を特定するとともに、当り演出に当該当り演出の当り信頼度を示す予告キャラクタが出現する演出パターンが対応することになる特定変動パターン6」、「リーチを伴わない外れ演出を特定する演出パターンが対応することになる特定変動パターンn」等も例示できる。
例えば、前述の101回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)の演出パターンが、特定変動パターンnによって特定される演出パターンである場合、図柄変動演出の開始後、所定時間(例えば、2秒)が経過すると、可能性表示部27Fの数値が「28.6」から「ゼロ」に変更される。更に、遊技機の遊技状態が高確率状態に移行してから102回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)が開始されると、可能性表示部27Fに「27.3」なる数値が表示される。
また、前述の101回目の図柄変動演出(図柄変動遊技)の演出パターンが、特定変動パターン4によって特定される演出パターンである場合、リーチ表示が成立すると可能性表示部27Fの数値が「80.0」に変更される。また、表示画面27aにキャラクタAが出現すると「85.0」に、キャラクタBが出現すると「88.0」に、キャラクタCが出現すると「90.0」に、キャラクタDが出現すると「95.0」にそれぞれ変更される。そして、図柄変動演出の実行時間が経過して、当否判定の結果が大当りであることを示す図柄(大当り図柄)が表示されると、可能性表示部27Fの数値が「100」に変更される。なお、その他の特定変動パターンを特定された場合も、前述の特定変動パターン2、特定パターン4、特定変動パターンnが特定された場合と同様である。
実施例3の演出制御処理(S980)には、図39(b)に示す可能性表示変更処理(S1400)が付加されている。つまり、実施例3の演出制御処理(S980)では、演出モード設定処理(S1000)、保留発生時処理(S1100)、可能性表示開始処理(S1200)、可能性表示更新処理(S1250)、可能性表示終了処理(S1260)、図柄変動演出処理(S1200)、保留消化時処理(S1600)、可能性表示変更処理(S1400)大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。
この可能性表示変更処理(S1400)においては、サブ制御基板220のCPU220aが今回の図柄変動演出を開始する際に特定された変動パターンが特定変動パターンであると判断すると(S1405;YES)、可能性表示態様を当該特定変動パターンの種類に基づいて変更する処理を行い(S1410)、可能性表示変更処理(S1400)。ここで、特定変動パターンの種類に基く可能性表示態様とは、例えば、特定された変動パターンが特定変動パターン2である場合には、『リーチ表示が成立すると可能性表示部27Fの数値を「80.0」に変更し、キャラクタAが出現すると、可能性表示部27Fの数値を「85.0」に変更し、キャラクタBが出現すると、可能性表示部27Fの数値を「88.0」に変更し、外れ図柄が表示されると、可能性表示部27Fの数値を「ゼロ」に変更する』といった可能性表示態様である。
実施例3によると、実施例1の効果に加えて以下の効果を得ることができる。つまり、実施例3の遊技機によると、図柄変動演出の実行中において、その図柄変動演出の大当り信頼度等に基づいて、可能性表示態様が変更されるため、更に遊技興趣を高めることが容易である。なお、図40に示す予告キャラクタは、当該実行中の図柄変動演出の結果に関する予告を行うための手段であるが、事前判定の結果を基づく予告キャラクタとすることもできる。例えば、始動入賞時コマンドによって特定される事前判定(第1事前判定若しくは第2事前判定)の結果を示す情報(図30(b)を参照)に基づいて、次回以降の図柄変動演出の結果を示唆する予告キャラクタを、当該進行中の図柄変動演出で出現させてもよい。そして、この予告キャラクタに基づいて、当該進行中の図柄変動演出の実行中に、可能性表示部27Fの数値を変更すること(次回100%の文字等を表示すること)としてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り、特許請求の範囲において本発明を特定するための記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
すなわち、各実施例では、発生する大当りの態様が確変大当りのみであったが、図42に示す変形例2のように発生する大当りの態様が通常大当りのみとされてもよい。この変形例2では、確率状態は常に通常確率状態(所定確率状態)とされており、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/80」とされている。この変形例2では、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「8R通常大当りAの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Aという。)」若しくは「8R通常大当りBの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Bという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「通常図柄A」、「通常図柄B」および「8R通常大当りCの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Cという。)」のうち何れかに決定される。
また、8R通常大当りA、8R通常大当りBおよび8R通常大当りCのうちの何れを生じても、「ラウンド遊技」の実行回数が「8回」の大当り遊技Dが実行されるが、大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、遊技機の確率状態が通常確率状態(所定率状態)とされる。また、8R通常大当りA、8R通常大当りBおよび8R通常大当りCのうちの何れを生じても、大当り遊技の終了後に開放延長手段が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。
但し、発生する大当りの種類に応じて大当り遊技終了後に実行可能な開放延長回数(電サポ状態を回数切りする回数)が異なっている。つまり、「8R通常大当りA」の発生に基づく大当り遊技の終了後においては、大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「50回」になるまで継続される。また、「8R通常大当りB」の発生に基づく大当り遊技の終了後においては、大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「30回」になるまで継続され、「8R通常大当りC」の発生に基づく大当り遊技の終了後においては、大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「20回」になるまで継続される。
この変形例2においては、大当り遊技を終了し、第1回目の図柄変動演出が開始されると、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fが出現し、可能性表示部27Fに「開放延長状態が終了するまで当否判定が繰り返されるとした場合に、当否判定の結果が大当りとなる確率(当り可能性)」が表示される。具体的には、「8R通常大当りA」の発生に基づく大当り遊技の終了し、第1回目の図柄変動演出が開始されると、図43(a)に示すように、可能性表示部27Fに「46.7」の数値が表示される。また、「8R通常大当りB」の発生に基づく大当り遊技の終了し、第1回目の図柄変動演出が開始されると、図43(b)に示すように、可能性表示部27Fに「31.4」の数値が表示され、「8R通常大当りC」の発生に基づく大当り遊技の終了し、第1回目の図柄変動演出が開始されると、図43(c)に示すように、可能性表示部27Fに「22.2」の数値が表示される。
変形例2の遊技機においては、8R通常大当りA、8R通常大当りBおよび8R通常大当りCのうちの何れを生じても、大当り図柄が同一態様(例えば、「偶数数字」の「ぞろ目図柄」で構成)とされ、大当り遊技の実行態様(何れも大当り遊技D)であるため、演出表示装置27の表示画面27aに表示される大当り図柄や、大当り遊技の実行態様に基づいて、電サポ状態の回数切りの回数を予測することができない。ところが、大当り遊技終了後、第1回目の図柄変動演出において可能性表示部27Fに表示される数値を観察することで、当該「回数切りの回数」を予測すること(例えば、46.7と表示されると、開放延長回数が多く、22.2と表示されると、開放延長回数が少ない等)ができる。そして、変形例2の遊技機のように確変大当りを発生しない遊技機においても、1回の当否判定毎の大当り確率を表示するのでなく、複数回に亘って当否判定を繰り返した場合に、当否判定の結果が大当りと判定される可能性を表示するため、複数回当否判定を繰り返すと、何れの確率で大当りが得られるかを判断容易となり、当該遊技機が自身にとって好ましい遊技機であるか否かを判別することが容易である。
次に、図44を用いて変形例2の変形例(以下、変形例3という。)を説明する。この変形例3では、「8R通常大当りA」の発生に基づく大当り遊技の終了後において、第1回目の図柄変動演出が開始されると、可能性表示部27Fに「22.2」の数値を表示する(f1)。これにより、遊技者は、電サポ状態の回数切りの回数が少ない回数に設定されたとの印象(8R通常大当りCの発生に基づく大当り遊技の終了後であるとの印象)を受けることになる。そして、大当り遊技の終了後において、第20回目の図柄変動演出が開始されると、可能性表示部27Fに「1.3」の数値を表示する(f4)。この20回目の図柄変動演出が当否判定の結果が「外れ」であることを示すためのものである場合には、当該図柄変動演出の途中でバトル演出が繰り広げられる。
具体的には、リーチ表示がなされた後、バトル演出が開始される(f5)。このバトル演出も、味方キャラクタと敵キャラクタとが出現し、バトル(決闘)を行う(f5)。そして、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出される直前までバトル演出を実行し、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出されるタイミングとなると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す停止図柄とともに、敵キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされる(f6)。このとき、可能性表示部27Fの数値が数値(1.3)と表示される。なお、当否判定の結果が「大当り」である場合には、味方キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされ、大当り遊技(大当り遊技演出)に移行する。
続いて、大当り遊技終了後、第21回目の図柄変動演出が開始されると、可能性表示部27Fに「31.4」の数値と表示される(f7)。この場合、大当り遊技終了後、第20回目の図柄変動演出を終了したときに可能性表示部27Fの表示された数値が最低の数値(1.3)であったのに、大当り遊技終了後、第21回目の図柄変動演出が開始されると、当り可能性を示す数値が一気に跳ね上がる。つまり、開放延長回数が少ない回数(20回)から多い数(50回)に昇格したような印象を遊技者に与えることができるため、遊技興趣を更に高めることができる。例えば、「8R通常大当りA」の発生に基づく大当り遊技を終了したケースと、「8R通常大当りC」の発生に基づく大当り遊技を終了したケースにおいては、大当り遊技終了後、第20回目の図柄変動演出を終了すると、遊技者は、開放延長回数が少ない回数(20回)から多い数(50回)に昇格するか否かを、わくわくしつつ見守ることになるため、遊技興趣を更に高めることができる。
各実施例においては、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達すると(高確率開放延長状態、つまり、Bモードを終了すると)、一律に潜伏確変状態(高確率非開放延長状態、つまり、Cモード)に移行する態様を例示したが、図45および図46に示す変形例4のように、潜伏確変状態以外の遊技状態に移行する場合を含んでいてもよい。
この変形例4の遊技機では、図45に示すように、遊技機の確率状態が通常確率状態(低確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/400」とされ、遊技機の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/60」とされる。そして、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「16R確変大当りGの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Gという。)」若しくは「12R確変大当りEの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Eという。)に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「16R確変大当りDの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Dという。)」、「確変図柄E」若しくは「12R確変大当りFの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Fという。)」に決定される。
16R確変大当りD若しくは16R確変大当りGを生ずると、「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Dが実行され、「12R確変大当りE」若しくは「12R確変大当りF」を生ずると、「ラウンド遊技」の実行回数が「12回」の大当り遊技Eが実行される。また、何れの大当りを発生しても、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。また、何れの大当りを発生しても、大当り遊技の終了後には開放延長手段が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。
ここで、「16R確変大当りD」若しくは「12確変大当りE」に係る大当り遊技の終了後の高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「100回」になるまで継続される。また、「16R確変大当りG」若しくは「12確変大当りF」に係る大当り遊技の終了後の高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「120回」になるまで継続される。また、何れの大当りを生じても、大当り遊技の終了後の開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「100回」になるまで継続される。
この変形例4では、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達すると(電サポ状態の回数切りがされると)、高確率非開放延長状態(Cモード)若しく低確率非開放延長状態(Aモード)となる。この場合、遊技者は、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達した後の図柄変動演出において可能性表示部27Fに表示された数値を観察することで、その時点の遊技状態を把握することができる。
例えば、図46に示すように、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達する前(電サポが回数切りされる前)には、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fを表示しないこととする(g1〜g3)。そして、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達した後、第1回目の図柄変動演出が開始される場合に、遊技機の遊技状態が高確率状態(高確率非開放延長状態)であると可能性表示部27Fが出現し、当該可能性表示部27Fに当否判定を高確率状態が終了するまで繰り返すとした場合の当り可能性を表示する(g4)。一方、遊技機の遊技状態が低確率状態(低率非開放延長状態)であると可能性表示部27Fが出現させないこととしてもよい。なお、遊技機の遊技状態が低確率状態(低率非開放延長状態)であっても、可能性表示部27Fで当り可能性が低いことを示す表示(例えば、「ミニマム」の文字の表示)を行ってもよい。
ここで、変形例4では、大当り遊技の終了後において、第100回目の図柄変動演出の途中でバトル演出が繰り広げられる。具体的には、リーチ表示がなされた後、バトル演出が開始される(g2)。そして、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出される直前までバトル演出を実行し、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出されるタイミングとなると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す停止図柄とともに、敵キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされる(g3)。なお、当否判定の結果が「大当り」である場合には、味方キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされ、大当り遊技(大当り遊技演出)に移行する。
続いて、大当り遊技終了後、第101回目の図柄変動演出(開放延長状態を終了した後、最初の図柄変動演出)が開始されると、遊技機の遊技状態が高確率状態(高確率非開放延長状態)であると可能性表示部27Fが出現するとともに、味方キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示と「まだまだ(まだまだ、確変が継続する意)」の文字が表示される(g4)。これに対して、遊技機の遊技状態が低確率状態(低確率非開放延長状態)であると、可能性表示部27Fが出現しないともに、遊技者の奮起を促す表示(「激励の文字」が表示)がなされる(h4)。
次に、図47を用いて変形例4の変形例(以下、変形例5という。)を説明する。この変形例5の遊技機では、図47に示すように、遊技機の確率状態が低確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/400」とされ、遊技機の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/60」とされる。そして、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「16R通常大当りDの発生を示す大当り図柄(以下、通常図柄Dという。)」若しくは「確変図柄D」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「通常図柄D」、若しくは「確変図柄F」に決定される。
「16R通常大当りD」若しくは「16R確変大当りD」を生ずると、「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Dが実行され、「12R確変大当りE」を生ずると、「ラウンド遊技」の実行回数が「12回」の大当り遊技Eが実行される。また、「16R確変大当りD」若しくは「12R確変大当りF」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となり、この状態(高確率状態)は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「120回」になるまで継続される。また、「16R確変大当りD」若しくは「12R確変大当りF」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には開放延長手段が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。
また、「16R通常大当りD」を生ずると、対応する大当り遊技の終了後には、確率変動手段が作動を開始しないため、遊技機1の確率状態が低確率状態とされる。また、当該大当り遊技の終了後に開放延長手段が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となる。この開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「100回」になるまで継続される。
この変形例5においても、「16R確変大当りD」若しくは「12R確変大当りF」に係る大当り遊技の終了後において、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達すると(電サポ状態が回数切り状態となると)、高確率非開放延長状態(Cモード)となる。また、「16R通常大当りD」に係る大当り遊技の終了後において、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達するまで、当否判定の判定確率が低確率で、かつ開放延長状態となり、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達すると(電サポ状態が回数切り状態となると)、低確率非開放延長状態(Aモード)となる。
この変形例5においても、例えば、図46に示すように、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達する前には、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fを表示しないこととする(g1〜g3)。そして、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達した後、第1回目の図柄変動演出が開始される場合に、遊技機の遊技状態が高確率状態(高確率非開放延長状態)であると可能性表示部27Fが出現し、当該可能性表示部27Fに当否判定を高確率状態が終了するまで繰り返すとした場合の当り可能性を表示する(g4)。一方、遊技機の遊技状態が低確率状態(低率非開放延長状態)であると、可能性表示部27Fが出現させないこととしてもよい。なお、遊技機の遊技状態が低確率状態(低率非開放延長状態)であっても、可能性表示部27Fで当り可能性が低いことを示す表示(例えば、「ミニマム」の文字の表示)を行ってもよい。なお、各実施例においては発生する大当りの態様が確変大当りのみとされ、変形例2および変形例3では、発生する大当りの態様が通常大当りのみとされたが、変形例5に示すように、確変大当りおよび通常大当りの双方を発生し得る遊技機に対しても、本発明を適用できる。
各実施例で所謂「ST機」への適用を説明したが、高確率状態が実質的に次回の大当りまで継続する可能性が確変機に対しても、本発明を適用できる。かかる遊技機について、図48〜図50に示す変形例6を用いて簡単に説明する。
この変形例6の遊技機では、図48に示すように、遊技機の確率状態が通常確率状態(低確率状態)である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/400」とされ、遊技機の確率状態が高確率状態である場合には、第1当否判定および第2当否判定の何れにおいても、大当りを示す判定結果が導出される確率は約「1/60」とされる。そして、第2当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選(振分抽選)によって、大当り図柄が「16R確変大当りJの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Jという。)」、「16R確変大当りHの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Hという。)」若しくは「16R確変大当りIの発生を示す大当り図柄(以下、確変図柄Iという。)」に決定される。また、第1当否判定の結果が大当りの場合、乱数抽選によって、大当り図柄が「確変図柄H」若しくは「確変図柄I」に決定される。
何れの大当りを生じても、「ラウンド遊技」の実行回数が「16回」の大当り遊技Hが実行され、対応する大当り遊技の終了後には確率変動手段が作動し、当否判定の結果が大当りとなる確率(大当り確率)が高確率とされる状態(高確率状態)となる。また、何れの大当りを生じても、大当り遊技の終了後には開放延長手段が作動し、第2始動口17bの開放時間が延長される状態(開放延長状態)となり、開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「100回」になるまで継続される。
ここで、「16R確変大当りJ」に係る大当り遊技の終了後の高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「10,000回」になるまで(実質的に、次回の大当りを生ずるまで)継続される。つまり、大当りを生ずること無く高確率状態で実行された当否判定の累積回数を計数する計数手段は、パチンコのホールの始業時若しくは終業時にリセットされる点と、1台の遊技機において一日当りに実行される当否判定の回数は「10,000回」を下回るため、「16R確変大当りJ」に係る大当り遊技の終了後の高確率状態は、実質的に、次回の大当りを生ずるまで継続されることになる。また、「16R確変大当りH」に係る大当り遊技の終了後の高確率状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「100回」になるまで継続され、「16R確変大当りI」に係る大当り遊技の終了後の開放延長状態は、大当り遊技の終了後に大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「120回」になるまで継続される。
この変形例6においても、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達すると(電サポ状態が回数切り状態となると)、高確率非開放延長状態(Cモード)若しく低確率非開放延長状態(Aモード)となる。この場合も、遊技者は、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達した後の図柄変動演出において可能性表示部27Fに表示された数値を観察することで、その時点の遊技状態を把握することができる。
例えば、図49および図50に示すように、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達する前(電サポ状態が回数切りされる前)には、演出表示装置27の表示画面27aに可能性表示部27Fを表示しないこととする(m1〜m3)。そして、開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達した後、第1回目の図柄変動演出が開始される場合に、遊技機の遊技状態が高確率状態(高確率非開放延長状態)であると可能性表示部27Fが出現し、当該可能性表示部27Fに当否判定を高確率状態が終了するまで繰り返すとした場合の当り可能性を表示する(m5、m6)。一方、遊技機の遊技状態が低確率状態(高低率非開放延長状態)であると可能性表示部27Fが出現させないこととする(m4)。なお、遊技機の遊技状態が低確率状態(低率非開放延長状態)であっても、可能性表示部27Fで当り可能性が低いことを示す表示(例えば、「ミニマム」の文字の表示)を行ってもよい。
但し、変形例6では、可能性表示部27Fの出現の有無(当り可能性の表示の可否)を遊技者が選択可能となっている。具体的には、大当り遊技の終了後において第100回目の図柄変動演出の途中で、演出表示装置27の表示画面27aに「演出ボタンSWの画像」と「当り可能性を表示したい場合には、演出ボタンSWを操作すべき旨のメッセージ(図示を省略する)」が表示され(m2)、演出ボタンSWの操作が有効化される。そして、当該図柄変動演出が終了する前に演出ボタンSWを操作(押圧)するか、演出ボタンSWを操作(押圧)せずに当該図柄変動演出が終了すると、演出ボタンSWの操作が無効化される。
演出ボタンSWを操作(押圧)することなく、大当り遊技終了後、第101回目の図柄変動演出(開放延長状態を終了した後、最初の図柄変動演出)が開始されると、可能性表示部27Fが出現することはない(n4)。この場合、遊技者は、その時点の遊技状態を可能性表示部27Fの表示に基づいて判断することはできない。これに対して、演出ボタンSWを操作(押圧)し、大当り遊技終了後、第101回目の図柄変動演出(開放延長状態を終了した後、最初の図柄変動演出)が開始されると、以下のように取り扱われる。
開放延長状態の継続回数が上限回数(100回)に到達することで、確率状態が低確率状態となった場合、つまり、16R確変大当りHの発生に基づく開放延長状態が回数切り状態となる場合には、可能性表示部27Fが出現することはない(m4)。なお、この場合、遊技機の遊技状態が低確率状態(低率非開放延長状態)となるが、可能性表示部27Fで当り可能性が低いことを示す表示(例えば、「ミニマム」の文字の表示)を行ってもよい。
また、16R確変大当りIの発生に基づく開放延長状態が回数切り状態となる場合には、その後、大当りを生ずることなく実行される当否判定の累積回数が「20回」になるまで高確率状態(高確率非開放延長状態)が継続されることになる。このため、可能性表示部27Fが出現し、当否判定を高確率状態が終了するまで繰り返すとした場合の当り可能性を示す数値(28.6)が表示される(m5)。更に、16R確変大当りJの発生に基づく開放延長状態が回数切りとなる場合には、実質的に大当りを発生するまで高確率状態(高確率非開放延長状態)が継続される。このため、可能性表示部27Fが出現し、当否判定を高確率状態が終了するまで繰り返すとした場合の当り可能性を示す数値(無限大を示す記号)が表示される(m6)。
次に、図51を用いて変形例6の変形例(以下、「変形例7」という。)について説明する。つまり、変形例6は高確率状態の継続期間として、3通りの期間(4通り以上であってもよい。)を備えるが、このような場合、変形例7に示すように、1種類の継続期間が終了する毎に高確率状態の継続の可否を示す演出を行ってもよい。例えば、第1の継続期間(100回)が終了する前に、第1のバトル演出が行い、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出されるタイミングとなると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す停止図柄とともに、敵キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされる(p1)。なお、当否判定の結果が「大当り」である場合には、味方キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされ、大当り遊技(大当り遊技演出)に移行する。
そして、高確率状態が更に継続する場合、次の図柄変動演出が開始されると、可能性表示部27Fに「28.6」の数値と表示される(p2)。つまり、第2の継続期間(120回)までに大当りを生ずる可能性が表示される。なお、第1の継続期間(100回)で高確率状態を終了する場合には、次の図柄変動演出が開始しても、可能性表示部27Fは出現しない(q2)。
第1の継続期間(100回)が終了しても、高確率状態が継続している場合には、第2の継続期間(120回)を終了する前に、第2のバトル演出が行い、図柄変動演出の結果(当否判定の結果)が導出されるタイミングとなると、当否判定の結果が「外れ」であることを示す停止図柄とともに、敵キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされる(p3、p4)。なお、当否判定の結果が「大当り」である場合には、味方キャラクタがバトルに勝利したことを示す表示がなされ、大当り遊技(大当り遊技演出)に移行する。
そして、高確率状態が更に継続する場合、次の図柄変動演出が開始されると、可能性表示部27Fに「無限大の記号」が表示される(p5)。一方、第2の継続期間(100回)で高確率状態を終了する場合には、次の図柄変動演出が開始しても、可能性表示部27Fは出現しない(r5)。
また、各実施例および各変形例では、図柄変動演出(当否判定)を行う毎に、可能性表示部の数値を更新する態様を例示したが、図52(a)に示す変形例8のように図柄変動演出(当否判定)が複数回行われると、可能性表示部の数値を更新する態様を例示することもできる。この場合、変形例8に示すように、図柄変動演出(当否判定)が複数回連続して行われる場合において、当り可能性を示す数値の平均値(当該複数回における平均値)を示してもよい。例えば、大当り遊技終了後、10回の当否判定が連続して行われる場合において、各当否判定が行われるときの当り可能性を示す数値の平均値を示してもよい。また、図52(a)に併記する変形例9に示すように、可能性表示部27Fに当り可能性を示唆するキャラクタや図形を表示することとするとともに、複数回の図柄変動演出(当否判定)が終了する毎に、可能性表示部27Fに表示するキャラクタや図形を更新したり(種類を更新したり)、或いは、表示するキャラクタや図形の色若しくは数を更新することとしてもよい。
また、各実施例では、可能性表示部に表示される数値やキャラクタで当り可能性を示す態様を例示したが、図52(b)に示す変形例10のように、当り可能性を表示画面27aに出現させたレベルゲージ(レベルメータ)Lの表示幅で示すこともできる。例えば、変形例10では、「複数のランプL1を直列に並べて構成されるレベルゲージ(レベルメータ)L」を模したものが表示画面27aに出現し、消灯状態に表示された複数のランプL1が、表示画面27aの一端側に位置するものから他端側に位置するもの順で点灯しておき、その点灯数によって程度(%)を示す構成とする。この場合、ランプL1の点灯数を多くなる高い当り可能性を示し、ランプL1の点灯数を少なくなると低い当り可能性を示すこととする。そして、ST回数の残り回数が多いと、ランプL1の点灯数が多くなり、残り回数が少なくなるとランプL1を少するようにして、当り可能性を示すことができる。
各実施例では、確変回数指定コマンドが主制御基板200からサブ制御基板220に送信される度に、サブ制御基板220が可能性表示更新処理(S1250)を行う態様を述べたが、サブ制御基板220が複数確変回数指定コマンドが複数回受信する毎に、1回可能性表示更新処理(S1250)を行う態様を例示することもできる。例えば、所定の確変回数指定コマンドを受信し、可能性表示更新処理(S1250)を行い、その後、4回の確変回数指定コマンドを無視(可能性表示更新処理に結び付けない)こととし、次の確変回数指定コマンドを受信し、可能性表示更新処理(S1250)を行い、その後、4回の確変回数指定コマンドを無視(可能性表示更新処理に結び付けない)ことを繰り返してもよい。
また、遊技機が特定モードである場合には、遊技機の遊技状態にかかわらず、当り可能性の表示を行わないこととしてもよい。例えば、当否判定の結果が大当りとなり、大当り図柄が他の大当り図柄とは異なる特定大当り図柄に決定されたとする。そして、この特定大当り図柄が停止表示されることに基づく大当り遊技の終了後に特定モードが開始されることとする。この場合、大当り遊技終了時に主制御基板200からサブ制御基板220に特定モード指定コマンドが送信される。そして、この特定モード指定コマンドを受信したサブ制御基板220は、当り可能性の表示を行わないように表示制御を行うこととしてもよい。
また、各実施例では、電サポ状態の回数切り回数が、高確率状態の回数切り回数よりも少ない場合を例示したが、電サポ状態の回数切り回数および高確率状態の回数切り回数が等しくされたり、電サポ状態の回数切り回数が、高確率状態の回数切り回数よりも多くなってもよい。
更に、上述した各実施例および変形例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口、第2始動口、大入賞口等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益(遊技価値)を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。そのようなタイプの遊技機として、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与する遊技機を例示でき、この場合にも、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプの遊技機としては、遊技機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成された遊技機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。この種の遊技機(いわゆる封入式遊技機)においては、例えば、入賞口に遊技球が入球する毎に、例えば、入球した入賞口毎に定められた賞球量を示すデータを記憶することによって、遊技の結果としての遊技価値を遊技者に付与することができる。
各実施例では、第1特別図柄(識別情報)若しくは第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)で停止表示されると、そのまま大当り遊技(特定遊技)を開始する態様を例示したが、第1特別図柄(識別情報)若しくは第2特別図柄(識別情報)が大当り図柄(特定態様)で停止表示され、更に所定の開始条件が成立することによって、大当り遊技(特定遊技)が開始される態様としてもよい。例えば、特別図柄が大当り図柄で停止表示された後、遊技領域に設けられた開始ゲートを遊技球が通過することによって大当り遊技を開始する遊技機も例示することができる。つまり、「識別情報が特定態様で表示されることに基づいて特定遊技が実行可能となる」ことには、「識別情報が特定態様で表示されるだけで特定遊技の実行条件(開始条件)が成立する」ものや、「識別情報が特定態様で表示されることに加え他の条件が成立することで、特定遊技の実行条件(開始条件)が成立する」ものが含まれる。