以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。先ず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を示す正面図であり、図2は遊技盤を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長方形状に形成された外枠(図示しない)と、該外枠の内側に開閉可能に取り付けられる遊技枠とを備える。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示しない)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示しない)と、前面枠及び機構板に取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く)とを含む構造体である。また、パチンコ遊技機1は、額縁形状に形成されて遊技枠に開閉可能に設けられるガラス扉枠2を有する。
図1に示すように、ガラス扉枠2は額縁状に形成され、ガラス扉枠2の下方には打球供給皿3が設けられている。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。遊技盤6は、該遊技盤6を構成する板状体と、該板状体に取り付けられる種々の部品とを含む構造体である。遊技盤6の前面には、図2に示すように、遊技領域7が形成されている。遊技領域7の中央付近には、特別図柄を個々に可変表示する「左」「中」「右」の可変表示部8a〜8cを含む可変表示装置9が設けられている。本実施形態では、「左」「中」「右」の3つの可変表示部8a〜8cにおいて、図柄が全て同一図柄で揃う大当り図柄が表示されると後で詳述する特定遊技状態に制御され、大当り図柄のうち予め定めた確変図柄(例えば、奇数数字の図柄)で揃う大当り図柄になると、特定遊技状態の終了後に、大当りとなる確率(大当り図柄を表示する確率)が通常時に比べて高くなる確変状態(特別遊技状態)に制御される。
可変表示装置9の上部には、左右一対のランプにより構成された普通図柄表示器10が設けられている。一方、可変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効入賞球の数、即ち始動記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示器41(4つのLED)が設けられている。特別図柄の始動記憶は、4個を上限数として記憶可能である。そして、特別図柄始動記憶表示器41は、始動入賞口14への入賞がある毎に点灯するLEDを1個増やす一方、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に点灯するLEDを1個減らす。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14を備えた可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16の駆動によって始動入賞口14の開閉動作を行い(但し、閉鎖状態でも始動入賞口14への入賞が可能である)、始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれて始動口スイッチ14aで検出される。
可変入賞球装置15の下方には、特定遊技状態においてソレノイド21によって開放状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21A(図3参照)が設けられている。
可変入賞球装置15の左側方には、ゲート32が設けられている。ゲート32に遊技球が入賞し、その遊技球がゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10による可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄の始動記憶数が1個増やされる。なお、普通図柄の始動記憶数は、4個を上限値として記憶可能であり、その始動記憶数が普通図柄始動記憶表示器(図示しない)に表示される。
本実施形態では、普通図柄表示器10を構成する左右一対のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開放状態になって遊技球が入賞し易い状態になる。即ち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められると共に、可変入賞球装置15の開放時間及び開放回数のうちの一方又は双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
また、遊技領域7には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、これらの入賞口29,30,33,39への遊技球の入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右両端には、遊技中に点滅表示される飾りランプ25が設けられ、遊技領域7の下端には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられている。さらに、遊技領域7の外周となるガラス扉枠2の前面には、効果音や音声を発生させる左右一対のスピーカ27と、光装飾用の天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、及び右枠ランプ28cと、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51と、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52と、が設けられている。また、本実施形態のパチンコ遊技機1には、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50(図3参照)が隣接して設置されている。
また、パチンコ遊技機1には、駆動モータ94(図3参照)の回転力を利用して打球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示しない)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入った後に遊技領域7を流下する。特別図柄の可変表示を開始できる状態において、打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、可変表示部8a〜8cにおいて特別図柄の可変表示を開始する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄の始動記憶数を1個増やす。
可変表示部8a〜8cにおける特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組み合わせが大当り図柄であると、特定遊技状態に移行する。即ち、一定時間が経過するまで又は所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開閉板20が開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞してV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生して開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。停止時の可変表示部8a〜8cにおける表示結果が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄で揃う大当り図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。即ち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態(特別遊技状態)となる。
図3は、パチンコ遊技機1に設けられる主基板31の回路構成を示すブロック図である。なお、図3には、ランプ・LED制御基板35、払出制御基板37、音制御基板70、演出制御基板80、及び発射制御基板91も示されている。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ95、賞球カウントスイッチ96、及びクリアスイッチ97からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、各ソレノイド16,21,21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、基本回路53から与えられるデータに従って大当り情報等の情報出力信号を外部装置(ホールコンピュータ等)に出力する情報出力回路64と、主基板31に記憶されたシステム内容をリセットするためのシステムリセット回路65と、が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54と、ワークメモリとして使用されるRAM55と、プログラムに従って制御動作を行うCPU56と、該CPU56と外部との間で情報をやり取りするためのI/Oポート部57とを含む。
ランプ・LED制御基板35に搭載されているマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM)は、主基板31から受信するランプ制御用のコマンド信号に応じて、遊技盤6に設けられている特別図柄始動記憶表示器41及び飾りランプ25の表示制御を行うと共に、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51、球切れランプ52の表示制御を行う。
払出制御基板37に搭載されているマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM)は、各種入賞口への遊技球の入賞に基づいて主基板31から受信する払出制御用のコマンド信号に応じて、球払出装置98を駆動制御して遊技球の払い出しを制御する。
音制御基板70に搭載されているマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM)は、主基板31から受信する音制御用のコマンド信号に応じて、スピーカ27からの音発生を制御する。
演出制御基板80に搭載されているマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM)は、主基板31から受信する図柄制御用のコマンド信号に応じて、特別図柄を可変表示する可変表示装置9と普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。
発射制御基板91に搭載されているマイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM)は、打球発射装置の駆動モータ94を駆動制御することで、遊技球の発射を制御する。なお、駆動モータ94の駆動力は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。即ち、発射制御基板91のマイクロコンピュータによって、操作ノブ5の操作量に応じた速度で打球が発射されるように制御される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(例えば、CPU56等)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。この処理は、主基板31の遊技制御手段が実行するメイン処理にて2ms毎に行われる割込処理内で実行される。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、即ち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS310)、始動口スイッチ通過処理(ステップS311)を行う。その後、始動口スイッチ14aのオン・オフに限らずミッション継続設定処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動記憶の記憶数を確認する。始動記憶の記憶数が0でなければ、後述する大当り判定用乱数(ランダム1)の抽出値が予め定めた大当り決定の乱数値と合致するか否かの判定によって大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):可変表示後の特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターンを、変動パターン決定用乱数の値に応じて決定する。また、決定された変動パターンに基づいて、特別図柄が可変表示を行って導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、特別図柄の停止図柄を指令する情報(特別図柄指定コマンド)と、変動態様(変動パターン)を指令する情報(変動パターンコマンド)と、が送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間が経過(ステップS302の特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示部8a〜8cにおいて可変表示される特別図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンド(確定コマンド)が送信される状態に設定する。そして、停止後の特別図柄が大当り図柄となった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口(開閉板20)を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して開閉板20を開状態とすることで大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、特定遊技状態の継続条件の成立を確認する処理を行う。特定遊技状態の継続条件が成立し、且つまだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に特定遊技状態の継続条件が成立しなかった場合、又は全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):特定遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図5は、始動口スイッチ通過処理(ステップS311)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、始動記憶数が最大値(上限数)である4に達しているかどうか確認する(ステップS111)。始動記憶数が4に達していなければ、始動記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動記憶数の値に対応した保存領域(RAM55の特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS113では、図6に示す乱数のうち、ランダム1〜ランダム5が抽出される。その後、ミッション実行フラグがセットされているか否かの判定を行い(ステップS114)、ミッション実行フラグがセットされていなければ、ミッション演出設定処理(ステップS115)を行う。
なお、ミッション演出設定処理では、予め定めた複数回の図柄変動の内でリーチを出現させろというミッション、言い換えれば予め定めた複数回の図柄変動の内でリーチを実行する演出パターンを遊技者に提示するミッション演出の設定が行われる。また、本実施形態では、複数回の図柄変動をそれぞれ4回、8回としたミッション演出Aとミッション演出Bの2種類のミッション演出を設定しており、以下の説明でミッション演出というときは、ミッション演出A及びミッション演出Bの少なくともいずれか一方のことをいう。また、ミッション演出A・Bは、それぞれ所定条件の成立に基づいて4回の継続が行われるようになっており、この継続設定がミッション継続設定処理(ステップS312)で行われる。また、ミッション継続設定処理は、ミッション演出の終了以前に記憶される始動記憶に対してミッション演出の継続を判定する必要があるため、前述したように始動口スイッチ14aのオン・オフに限らず実行される。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2−1〜2−3(ランダム2):特別図柄の左中右のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄の組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)ランダム9:ミッション演出を実行するか否かを決定する(ミッション判定用)
(10)ランダム10:ミッション演出を継続するか否かを決定する(継続判定用)
(11)ランダム11:ミッション演出B時に強制リーチを実行するか否かを決定する(強制リーチ判定用)
図7は、始動口スイッチ通過処理におけるミッション演出設定処理(ステップS115)を示すフローチャートである。なお、本実施形態のミッション演出設定処理は、始動記憶カウンタ=0のときは、何らの処理も実行されることなく終了するものとする。ミッション演出設定処理において、CPU56は、先ず、ミッション終了フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS121)。ミッション終了フラグは、ミッション演出の終了を示すフラグであり、後述する変動パターン設定処理でセットされる。ミッション終了フラグがセットされていれば、そのままメインフローに復帰する一方、ミッション終了フラグがセットされていなければ、始動記憶カウンタのカウント値を処理数に設定すると共に(ステップS122)、検査回数カウンタのカウント値Kを初期値である0に設定する(ステップS123)。なお、検査回数カウンタは、後述するステップS124〜ステップS129のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS124)、始動記憶数=K(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されている大当り判定用乱数値を読み出して(ステップS125)、大当り判定モジュールを実行する。即ち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS126)。大当り判定モジュールにおいて読み出した大当り判定用乱数値に基づいて大当りとならないと判定された場合には(ステップS127)、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS128)、減算後の処理数が0になっていなければステップS124の処理に移行する(ステップS129)。
即ち、この例では、ステップS124〜ステップS129の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。但し、この例では、ステップS124〜ステップS129のループ処理におけるステップS127にて大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS124〜ステップS129では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定されるまで、又は、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
CPU56は、ステップS126において大当りとなると判定された場合には(ステップS127)、大当り時のミッション判定テーブル(図8(A)の右側のテーブル)を使用テーブルとして設定し(ステップS130)、後述のステップS132へ移行する。また、CPU56は、ステップS129において減算後の処理数が0となっていた場合には、保留中の可変表示の中に大当りとなるものは含まれていないと判定し、はずれ時のミッション判定テーブル(図8(A)の左側のテーブル)を使用テーブルとして設定する(ステップS131)。
次に、CPU56は、ミッション判定用乱数を抽出する(ステップS132)。そして、ステップS130又はステップS131で設定されたミッション判定テーブルを参照したミッション判定用乱数の抽出値に基づいてミッション演出A又はミッション演出Bを実行するか否かを判定する(ステップS133)。なお、ステップS133でミッション演出A又はミッション演出Bを実行することが決定された場合には、図8(B)に示すミッション演出設定テーブルに基づいて、各ミッション演出A・B毎で、ミッションカウンタのセット値、継続時のミッションカウンタのセット値、ミッション開始表示指定コマンド(継続フラグリセット時)、ミッション開始表示指定コマンド(継続フラグセット時)が決定される。例えば、ミッション演出Aの実行が決定された場合、ミッションカウンタには、ミッション演出Aの有効期間となる4回の図柄変動回数を設定するために「4」の値がセットさせ、継続時のミッションカウンタには、ミッション演出Aの継続時に延長される有効期間となる4回の図柄変動回数を設定するために「4」の値がセットさせる。また、ミッション開始表示指定コマンド(継続フラグリセット時)のEXTは、ミッション演出Aの開始表示を指定するために「00」がセットされ、ミッション開始表示指定コマンド(継続フラグセット時)のEXTは、ミッション演出Aの継続時の開始表示を指定するために「02」がセットされる。但し、ミッション演出が継続されないときは、継続時のミッションカウンタのセット値、及びミッション開始表示指定コマンド(継続フラグセット時)は使用されない。
ステップS133の判定において、ミッション演出を実行しないことが決定された場合は、そのままメインフローに復帰する。一方、ミッション演出Aを実行することが決定された場合は、後述するステップS139へ移行する。また、ミッション演出Bを実行することが決定された場合は、処理数が0であるか否かを判定することで、始動記憶内に大当りがあるか否かを判定する(ステップS134)。処理数が0であり始動記憶内に大当りがないときは、そのままステップS139へ移行する。処理数が0でなく始動記憶内に大当りがあるときは、検査回数カウンタのカウント値が2以上であるか否かを判定し(ステップS135)、カウント値が2以上でなければステップS139へ移行する。
ステップS135の判定において、カウント値が2以上であれば、強制リーチ判定用乱数を抽出し(ステップS136)、予め定めた強制リーチ判定テーブル(図示しない)を用いて強制リーチを実行するか否か判定する(ステップS137)。強制リーチを実行しないときはそのままステップS139へ移行する一方、強制リーチを実行するときは、強制リーチフラグをセットして(ステップS138)ステップS139へ移行する。なお、強制リーチフラグは、ミッション演出Bを実行する際に、最初の図柄変動でいきなりリーチを出現させてミッションを成功させ、遊技者に意外性を持たせる演出実行用のフラグである。
その後、CPU56は、ミッション開始フラグをセットする(ステップS139)と共に、各ミッション演出A・Bに応じた値をミッションカウンタにセットする(ステップS140)。具体的に、ステップS133でミッション演出Aを実行することが決定された場合には、図8(B)のミッション演出設定テーブルに示すミッション演出Aの「4」の値がミッションカウンタにセットされ、ミッション演出Bを実行することが決定された場合には、図8(B)のミッション演出設定テーブルに示すミッション演出Bの「8」の値がミッションカウンタにセットされる。
図9は、特別図柄プロセス処理におけるミッション継続設定処理(ステップS312)を示すフローチャートである。ミッション継続設定処理において、CPU56は、先ず、ミッション終了フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS141)。ミッション終了フラグがセットされていなければ、そのままメインフローに復帰する一方、ミッション終了フラグがセットされていれば、始動記憶カウンタのカウント値を処理数に設定すると共に(ステップS142)、検査回数カウンタのカウント値Kを初期値である0に設定する(ステップS143)。なお、検査回数カウンタは、後述するステップS144〜ステップS149のループ処理の繰り返し回数をカウントするためのカウンタである。
次いで、CPU56は、検査回数カウンタのカウント値を1加算し(ステップS144)、始動記憶数=K(検査回数カウンタのカウント値が示す数)に対応する保存領域に格納されている大当り判定用乱数値を読み出して(ステップS145)、大当り判定モジュールを実行する。即ち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS146)。大当り判定モジュールにおいて読み出した大当り判定用乱数値に基づいて大当りとならないと判定された場合には(ステップS147)、CPU56は、処理数を1減算し(ステップS148)、減算後の処理数が0になっていなければステップS144の処理に移行する(ステップS149)。
即ち、この例では、ステップS144〜ステップS149の処理が、処理数が0になるまで繰り返し実行される。但し、この例では、ステップS144〜ステップS149のループ処理におけるステップS147にて大当りとなるとの判定がなされると、その時点でループ処理を終了する。つまり、ステップS144〜ステップS149では、保留中の可変表示の中に大当りとなるものがあると判定されるまで、又は、処理数が0となるまで(保留中の可変表示についての判定を全て終えるまで)、始動記憶数=1〜4に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各大当り判定用乱数値が、抽出された時期が早い方から順番に読み出され、大当りとなるか否かの判定が実行される。
CPU56は、ステップS146において大当りとなると判定された場合には(ステップS147)、そのまま後述のステップS152へ移行する。また、CPU56は、ステップS149において減算後の処理数が0となっていた場合には、保留中の可変表示の中に大当りとなるものは含まれていないと判定し、継続判定用乱数を抽出する(ステップS150)。そして、予め定めた継続判定テーブル(図示しない)を用いてミッション演出を継続するか否か判定する(ステップS151)。ミッション演出を継続しないときはそのままメインフローに復帰する一方、ミッション演出を継続するときは、ミッション継続フラグをセットし(ステップS152)、次にミッション終了フラグをリセットする(ステップS153)。なお、このようなミッション終了フラグのリセット処理は、特別図柄停止処理(ステップS304)内にも設けられている。但し、特別図柄停止処理内でミッション終了フラグがリセットされるときは、ミッション演出が継続されない場合である。
その後、CPU56は、ミッション開始フラグをセットする(ステップS154)と共に、ミッション演出の継続に応じた値となる「4」をミッションカウンタにセットする(ステップS155)。具体的には、ミッション演出A・Bのいずれにおいても、図8(B)のミッション演出設定テーブルに示す継続時の「4」の値がミッションカウンタにセットされる。
図10は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの内容の一例を示す一覧表図である。図10に示す例において、コマンド8000(H)〜8009(H)は、特別図柄を可変表示する可変表示装置9における特別図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。
コマンド86XX(H)、87XX(H)、及び88XX(H)は、特別図柄の左中右の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンド90XX(H)は、ミッション演出の開始時の表示を指定する演出制御コマンドである。「XX」にはミッション演出の種類毎で異なった値がセットされる。具体的には、図8(B)に示したように、継続フラグリセット時のミッション演出Aでは「00」がセットされ、継続フラグリセット時のミッション演出Bでは「01」がセットされ、継続フラグセット時のミッション演出A・Bではそれぞれ「02」がセットされる。
コマンド91XX(H)は、ミッション演出の残りミッション回数(図柄変動の回数)の表示を指定する演出制御コマンドである。「XX」には残りミッション回数がセットされる。
コマンド9200(H)は、ミッション演出の成功時の表示を指定する演出制御コマンドである。コマンド9300(H)は、ミッション演出の失敗時の表示を指定する演出制御コマンドである。
コマンドAXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送信される演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、普通図柄の表示に関する演出制御コマンドである。コマンドC000(H)は、客待ちデモンストレーションの表示を指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信される表示指定用の演出制御コマンドである。コマンドE001(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信される表示指定用の演出制御コマンドである。
図11乃至図13は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、先ず、ミッション開始フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS71)。ミッション開始フラグがセットされていないときはそのまま後述するステップS75へ移行する一方、ミッション開始フラグがセットされているときは、ミッション開始表示指定コマンドをセットする(ステップS72)。但し、このとき、ミッション開始表示指定コマンドは、前述したようにミッション演出の種類に応じて異なったものがセットされる。具体的には、ミッション演出Aの開始時には、ミッション開始表示指定コマンド9000(H)がセットされることで、後述する図14(A)に示す「ミッション」の文字100と「4回以内にリーチを出せ」の文字101が表示されて演出パターンが遊技者に提示される。また、ミッション演出Bの開始時には、ミッション開始表示指定コマンド9001(H)がセットされることで、後述する図17(A)に示す「ミッション」の文字100と「8回以内にリーチを出せ」の文字107が表示されて演出パターンが遊技者に提示される。また、ミッション演出A及びミッション演出Bの継続開始時には、それぞれミッション開始表示指定コマンド9002(H)がセットされることで、後述する図16(A)に示す「ミッション継続」の文字105と「4回以内にリーチを出せ」の文字106が表示される。その後、CPU56は、ミッション開始フラグをリセットする(ステップS73)と共に、ミッション実行フラグをセットする(ステップS74)。
次に、CPU56は、ミッション実行フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS75)、ミッション実行フラグがセットされていないときは、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS92)。なお、大当りフラグは、特別図柄通常処理(ステップS300)で実行される大当り判定処理で大当りとする旨の判定がなされた場合にセットされる。大当りフラグがセットされているときは、大当り時の変動パターン種別テーブル(図示しない)を選択する処理を実行した後に(ステップS93)、後述するステップS85へ移行する。一方、大当りフラグがセットされていないときは、リーチの有無を判定し(ステップS94)、リーチがあるときはリーチハズレ時の変動パターン種別テーブル(図示しない)を選択する処理を実行した後に(ステップS95)、また、リーチがないときはリーチ以外ハズレ時の変動パターン種別テーブル(図示しない)を選択する処理を実行した後に(ステップS96)ステップS85へ移行する。なお、ステップS94では、CPU56が、前記始動口スイッチ通過処理のステップS113でRAM55の保存領域に格納されたリーチ判定用乱数(ランダム5)を読み出し、その値が所定の判定値と合致するか否かを判定することで、リーチの有無を判定する。
ステップS75の判定でミッション実行フラグがセットされているときは、残りミッション回数表示指定コマンドをセットする(ステップS76)。但し、このとき、残りミッション回数表示指定コマンドは、ミッションカウンタの値に対応した「EXT」がセットされる。その後、ミッションカウンタから1を減算して(ステップS77)、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS78)。大当りフラグがセットされていないときは、強制リーチフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS97)。強制リーチフラグがセットされているときは、強制リーチフラグをリセットした後に(ステップS105)ミッション成功表示指定コマンドをセットし(ステップS106)、リーチハズレ時の変動パターン種別テーブルを選択する処理を実行して(ステップS107)ステップS85へ移行する。即ち、強制リーチフラグがセットされているときは、リーチでハズレとなる変動パターンを選択するように設定したリーチハズレ時の変動パターン種別テーブルが選択されることで、強制的にリーチでハズレとなるように制御される。
一方、強制リーチフラグがセットされていないときは、ミッションカウンタが0であるか否かを判定する(ステップS98)。ミッションカウンタが0でないときは、そのまま後述するステップS104へ移行する。ミッションカウンタが0のときは、ミッション失敗表示指定コマンドをセットする(ステップS99)と共に、ミッション実行フラグをリセットし(ステップS100)、その後、ミッション継続フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS101)。ミッション継続フラグがセットされていないときは、ミッション終了フラグをセットした後に(ステップS102)、また、ミッション継続フラグがセットされているときは、ミッション継続フラグをリセットした後に(ステップS103)ステップS104へ移行し、リーチ以外ハズレ時の変動パターン種別テーブルを選択する処理を実行してステップS85へ移行する。即ち、強制リーチフラグがセットされていないときは、リーチ以外でハズレとなる変動パターンを選択するように設定したリーチ以外ハズレ時の変動パターン種別テーブルが選択されることで、強制的にリーチ以外でハズレとなるように制御される。
ステップS78の判定において、大当りフラグがセットされているときは、ミッション成功表示指定コマンドをセットする(ステップS79)と共に、ミッション実行フラグをリセットし(ステップS80)、次にミッション継続フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS81)。ミッション継続フラグがセットされていないときは、そのままステップS84へ移行する一方、ミッション継続フラグがセットされているときは、ミッション継続フラグをリセットした後に(ステップS82)、ステップS84へ移行して大当り時の変動パターン種別テーブルを選択する処理を実行する。
次に、CPU56は、変動パターン決定用乱数カウンタをロードし(ステップS85)、選択された変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定し(ステップS86)、決定された変動パターンに基づく変動時間を特別図柄プロセスタイマに設定する(ステップS87)。その後、決定された変動パターンに基づく変動パターンコマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS88)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS89)。このコマンドセット処理を実行することによって、演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。本実施形態では、演出制御基板80に送信され得る各演出制御コマンドは、主基板31のROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定すると共に、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。その後は、特別図柄プロセスタイマをスタートさせた後に(ステップS90)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS91)。
以上説明した変動パターン設定処理において、ステップS72でミッション開始表示指定コマンド9001(H)がセットされてミッション演出Bが開始され、その後ミッションが失敗する場合には、ミッション継続の有無に関わらず、ステップS99でミッション失敗表示指定コマンドがセットされて後述する図17(G)又は図19(E)に示す「ミッション」の文字100と「失敗」の文字103が表示される。そして、ミッション演出Bが継続する(有効期間が延長される)場合は、ステップS72でミッション開始表示指定コマンド9002(H)がセットされてミッション演出Bの継続が報知される。
また、ステップS72でミッション開始表示指定コマンド9000(H)がセットされてミッション演出Aが開始され、その後ミッションが失敗する場合には、ミッション演出Bの失敗時と同様に、ステップS99でミッション失敗表示指定コマンドがセットされて後述する図14(G)又は図16(E)に示す「ミッション」の文字100と「失敗」の文字103が表示される。そして、ミッション演出Aが継続する(有効期間が延長される)場合は、ミッション演出Bの継続時と同様に、ステップS72でミッション開始表示指定コマンド9002(H)がセットされてミッション演出Aの継続が報知される。
次に、ミッション演出における表示画像の一例について説明する。先ず、ミッション演出Aにおけるミッション失敗時の表示画像を図14を参照して説明すると、最初に、図14(A)に示すように、ミッション演出Aを開始する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション」の文字100と「4回以内にリーチを出せ」の文字101が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。即ち、このような表示によって演出パターンが遊技者に提示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9000(H)である。次に、図14(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、表示画面の右上部分に残りミッション回数表示部102が表示される。図14(B)中では、残りミッション回数表示部102に「残り4回」の文字が表示される。その後、図14(C)に示すように、リーチ以外となる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示された後に(同図中では、「3,・,1」の図柄を例示)、図14(D)に示すように、中図柄(可変表示部8b)が停止表示されてはずれ図柄が導出される(同図中では、「3,2,1」のはずれ図柄を例示)。
次いで、図14(E)に示すように、ミッション演出Aの開始から4回目の可変表示として、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示が開始されると、これと同時に、残りミッション回数表示部102の表示が「残り1回」に切り替えられる。その後、図14(F)に示すように、リーチ以外となる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示されると(同図中では、「4,・,2」の図柄を例示)、図14(G)に示すように、一旦、可変表示装置9の表示画面全体に「ミッション」の文字100と「失敗」の文字103が表示され、最終的には、図14(H)に示すように、はずれ図柄が導出される(同図中では、「4,3,2」のはずれ図柄を例示)。
次に、ミッション演出Aにおけるミッション成功時の表示画像を図15を参照して説明すると、最初に、図15(A)に示すように、ミッション演出Aを開始する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション」の文字100と「4回以内にリーチを出せ」の文字101が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。即ち、このような表示によって演出パターンが遊技者に提示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9000(H)である。次に、図15(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、表示画面の右上部分に残りミッション回数表示部102が表示される。図15(B)中では、残りミッション回数表示部102に「残り4回」の文字が表示される。その後、図15(C)に示すように、リーチ以外となる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示された後に(同図中では、「3,・,1」の図柄を例示)、図15(D)に示すように、中図柄(可変表示部8b)が停止表示されてはずれ図柄が導出される(同図中では、「3,2,1」のはずれ図柄を例示)。
次いで、図15(E)に示すように、ミッション演出Aの開始から4回目の可変表示として、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示が開始されると、これと同時に、残りミッション回数表示部102の表示が「残り1回」に切り替えられる。その後、図15(F)に示すように、リーチとなる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示されると(同図中では、「7,・,7」のリーチ図柄を例示)、図15(G)に示すように、一旦、可変表示装置9の表示画面全体に「ミッション」の文字100と「成功」の文字104が表示され、最終的には、図15(H)に示すように、大当り図柄が導出される(同図中では、「7,7,7」の大当り図柄を例示)。
次に、ミッション演出Aにおけるミッション継続時の表示画像を図16を参照して説明すると、最初に、図16(A)に示すように、ミッション演出Aを開始する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション」の文字100と「4回以内にリーチを出せ」の文字101が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。即ち、このような表示によって演出パターンが遊技者に提示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9000(H)である。次に、図16(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、表示画面の右上部分に残りミッション回数表示部102が表示される。図16(B)中では、残りミッション回数表示部102に「残り4回」の文字が表示される。その後、図16(C)に示すように、リーチ以外となった後に中図柄(可変表示部8b)が停止表示されてはずれ図柄が導出される(同図中では、「3,2,1」のはずれ図柄を例示)。
次いで、ミッション演出Aの開始から4回目の可変表示として、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示が開始され、図16(D)に示すように、リーチ以外となる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示されると(同図中では、「4,・,2」の図柄を例示)、図16(E)に示すように、一旦、可変表示装置9の表示画面全体に「ミッション」の文字100と「失敗」の文字103が表示された後に、図16(F)に示すように、はずれ図柄が導出される(同図中では、「4,3,2」のはずれ図柄を例示)。その後、図16(G)に示すように、ミッション演出Aを継続する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション継続」の文字105と「4回以内にリーチを出せ」の文字106が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9002(H)である。そして、図16(H)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、「残り4回」の文字を表示した残りミッション回数表示部102が表示されて、ミッション演出Aが継続される。
次に、ミッション演出Bにおけるミッション失敗時の表示画像を図17を参照して説明すると、最初に、図17(A)に示すように、ミッション演出Bを開始する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション」の文字100と「8回以内にリーチを出せ」の文字107が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。即ち、このような表示によって演出パターンが遊技者に提示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9001(H)である。次に、図17(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、表示画面の右上部分に残りミッション回数表示部102が表示される。図17(B)中では、残りミッション回数表示部102に「残り8回」の文字が表示される。その後、図17(C)に示すように、リーチ以外となった後に中図柄(可変表示部8b)が停止表示されてはずれ図柄が導出される(同図中では、「3,2,1」のはずれ図柄を例示)。
次いで、ミッション演出Bの開始から7回目の可変表示において、図17(D)に示すように、はずれ図柄が導出された後に(同図中では、「5,4,3」のはずれ図柄を例示)、図17(E)に示すように、ミッション演出Bの開始から8回目の可変表示として、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示が開始されると、これと同時に、残りミッション回数表示部102の表示が「残り1回」に切り替えられる。その後、図17(F)に示すように、リーチ以外となる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示されると(同図中では、「4,・,2」の図柄を例示)、図17(G)に示すように、一旦、可変表示装置9の表示画面全体に「ミッション」の文字100と「失敗」の文字103が表示され、最終的には、図17(H)に示すように、はずれ図柄が導出される(同図中では、「4,3,2」のはずれ図柄を例示)。
次に、ミッション演出Bにおけるミッション成功時の表示画像を図18を参照して説明すると、最初に、図18(A)に示すように、ミッション演出Bを開始する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション」の文字100と「8回以内にリーチを出せ」の文字107が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。即ち、このような表示によって演出パターンが遊技者に提示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9001(H)である。次に、図18(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、表示画面の右上部分に残りミッション回数表示部102が表示される。図18(B)中では、残りミッション回数表示部102に「残り8回」の文字が表示される。その後、図18(C)に示すように、リーチ以外となった後に中図柄(可変表示部8b)が停止表示されてはずれ図柄が導出される(同図中では、「3,2,1」のはずれ図柄を例示)。
次いで、ミッション演出Bの開始から7回目の可変表示において、図18(D)に示すように、はずれ図柄が導出された後に(同図中では、「5,4,3」のはずれ図柄を例示)、図18(E)に示すように、ミッション演出Bの開始から8回目の可変表示として、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示が開始されると、これと同時に、残りミッション回数表示部102の表示が「残り1回」に切り替えられる。その後、図18(F)に示すように、リーチとなる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示されると(同図中では、「7,・,7」のリーチ図柄を例示)、図18(G)に示すように、一旦、可変表示装置9の表示画面全体に「ミッション」の文字100と「成功」の文字104が表示され、最終的には、図18(H)に示すように、大当り図柄が導出される(同図中では、「7,7,7」の大当り図柄を例示)。
次に、ミッション演出Bにおけるミッション継続時の表示画像を図19を参照して説明すると、最初に、図19(A)に示すように、ミッション演出Bを開始する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション」の文字100と「8回以内にリーチを出せ」の文字107が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。即ち、このような表示によって演出パターンが遊技者に提示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9001(H)である。次に、図19(B)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、表示画面の右上部分に残りミッション回数表示部102が表示される。図19(B)中では、残りミッション回数表示部102に「残り8回」の文字が表示される。その後、図19(C)に示すように、ミッション演出Bの開始から7回目の可変表示において、はずれ図柄が導出される(同図中では、「3,2,1」のはずれ図柄を例示)。
次いで、図19(D)に示すように、ミッション演出Bの開始から8回目の可変表示において、リーチ以外となる左右の図柄(可変表示部8a,8c)が停止表示されると(同図中では、「4,・,2」の図柄を例示)、図19(E)に示すように、一旦、可変表示装置9の表示画面全体に「ミッション」の文字100と「失敗」の文字103が表示された後に、図19(F)に示すように、はずれ図柄が導出される(同図中では、「4,3,2」のはずれ図柄を例示)。その後、図19(G)に示すように、ミッション演出Bを継続する旨を遊技者に報知する表示として、「ミッション継続」の文字105と「4回以内にリーチを出せ」の文字106が可変表示装置9の表示画面全体に表示される。このとき、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、ミッション開始表示指定コマンド9002(H)である。そして、図19(H)に示すように、全図柄(可変表示部8a〜8c)の可変表示開始と同時に、「残り4回」の文字を表示した残りミッション回数表示部102が表示されて、ミッション演出Bが継続される。
なお、実施形態中では、ミッション演出中の可変表示の実行回数をカウントするミッションカウンタを設けることで、可変表示の実行回数に応じて有効期間を終了させ、ミッション演出を継続する場合、大当りとなる始動記憶以前に記憶された始動記憶の個数(始動記憶の上限個数となる4個)に応じて延長される有効期間を決定しているが、この構成に限定しない。例えば、ミッション演出の有効期間を計時するタイマを設けることで、時間の経過に応じて有効期間を終了させ、ミッション演出を継続する場合、大当りとなる始動記憶以前に記憶された始動記憶に基づく可変表示の実行時間に応じて延長される有効期間を決定するようにしてもよい。具体的には、3分経過することでタイムアップするようにタイマに3分をセットして「3分以内にリーチを出せ」のミッション演出を開始し、継続前のミッション演出の終了から2分経過した時点で、大当りとなる始動記憶に基づく図柄の可変表示が終了する場合には、新たにタイマに2分をセットして「2分以内にリーチを出せ」のミッション演出の継続を行う。
また、実施形態中では、遊技機の構成として、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に発射して、少なくとも遊技球が所定の領域に入賞したことを条件成立に含み特定遊技状態を発生させるパチンコ遊技機を例示しているが、特にこれに限定するものではない。例えば、コインを遊技媒体として遊技を行うスロットマシンやコインゲーム等の遊技機であってもよい。
また、本発明に係るリーチとは、停止した図柄(リーチ表示態様という)が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄(リーチ変動中の図柄という)については可変表示が行われていること、全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態である。具体的には、予め定められた複数の可変表示部に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の可変表示部に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の可変表示部において可変表示が行われている状態(例えば、左・中・右の可変表示部のうち左右の可変表示部には大当り図柄の一部となる図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中央の可変表示部は未だ可変表示が行われている状態)、有効ライン上の可変表示部の全て又は一部の図柄が大当り図柄の全て又は一部を構成しながら同期して可変表示している状態(例えば、左・中・右の可変表示部の全てに可変表示が行われてどの状態が表示されても同一の図柄が揃っている状態で可変表示が行われている状態)である。また、リーチの際に、通常とは異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクター(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクターの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
また、実施形態中では、本発明に係る特定の演出をリーチ演出としているが、これに限定するものではなく、例えば、予告演出等を特定の演出としてもよい。