JP5915231B2 - 処理方法、及び、処理設備 - Google Patents

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Description

本発明は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理方法、及び、そのための処理設備に関する。
アルミニウムの電解精錬工程、リン酸肥料の製造工程、ステンレス鋼等のピクリング工程、シリコン等の電気部品の洗浄工程から排出される排水や、ごみ焼却場洗煙排水、石炭火力排煙脱硫排水等に含まれるフッ素は、環境への影響を抑えるために除去される。
特許文献1では、フッ素含有排水をフッ素及びカルシウムから構成される種晶と接触させることにより、排水中のフッ素を晶析させて除去するための装置が提案されている。具体的には、カルシウムが共存するとともにフッ素濃度が10〜15mg/Lの低濃度の排水中からフッ素を晶析させて除去するフッ素含有排水の処理装置であって、前記処理装置は、多数の種晶を充填した晶析反応槽と、前記排水を前記晶析反応槽の下方から流入させるとともに処理水の一部を循環させることにより、前記晶析反応槽内に種晶の流動床を形成させる流動手段と、前記晶析反応槽にリン酸を含有する晶析用薬剤を注入する薬剤注入手段と、前記排水又は前記晶析反応槽で処理された処理水のフッ素濃度を測定するフッ素濃度測定手段と、前記フッ素濃度測定手段の測定結果から、前記排水のフッ素濃度に対する前記晶析反応槽で処理された処理水のフッ素濃度の差が所定値を超えない範囲で、前記晶析用薬剤の注入量を制御する注入量制御手段と、前記晶析反応槽内のpHを測定するpH測定手段と、前記pH測定手段の測定値に基づいて前記晶析反応槽内のpHを所定範囲に調整するpH調整手段と、を備えたことを特徴とするフッ素含有排水の処理装置が記載されている。上記種晶としては、ヒドロキシアパタイト及びリン酸カルシウムで構成されたものを使用している。
フッ素を除去するための反応剤として、特許文献2には、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されていることを特徴とする反応剤が記載されている。
特開2005−246318号公報 国際公開第2010/134573号パンフレット
特許文献1に記載の処理装置では、フッ素含有排水をヒドロキシアパタイト及びリン酸カルシウムで構成された種晶と接触させることにより、排水中のフッ素を種晶に晶析させているが、晶析が進行するにつれて種晶が凝固し、透水性が低下するという問題があった。また、種晶が凝固するため、その交換時に反応槽からの抜き出しが困難になるという問題があった。
特許文献2には、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持された反応剤が記載されているが、実際の処理設備に適用するための具体的な形態は開示されていない。
また、これらはいずれも、フッ素を含有する処理対象水を大量に処理する方法としては、更に工夫の余地があった。
本発明は、上述のような従来の課題を解決して、簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、大量の排水を処理可能であり、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる処理設備及び処理方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための方法について種々検討を行い、処理対象水からフッ素を除去するための処理設備の構成に着目した。そして処理設備を、処理対象水貯留槽から処理対象水が濾過槽に供され、濾過槽を通過した処理対象水が浄化槽に供されるものとし、濾過槽を上部から順に砂層、濾過材層、及び、砂利層を有するものとし、処理対象水貯留槽から濾過槽へ供される処理対象水は濾過槽の砂利層に供されるようにして、濾過材層に含まれる濾過材をアンスラサイトを含むものとし、また、浄化槽を上部から順に第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を有するものとし、第二の砂層を通過して得られた処理水を浄化槽内の少なくとも1つの貯留区画に貯留するものとして、反応剤層に含まれる反応剤をリン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されたもの、第一の砂層を有効径が粒子(B)よりも小さい第一の砂からなるもの、第二の砂層を有効径が粒子(B)よりも小さい第二の砂からなるもの、とすることによって、簡便かつ効率よくフッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去することが可能となるとともに、大量の排水を処理可能であり、長期に亘って透水性を確保することができ、更には、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することが可能であることを見出した。このように処理設備として特定の構成を有するものを用いることによって上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理設備であって、処理対象水を貯留するための処理対象水貯留槽;濾過材、砂、及び、砂利が収容され、処理対象水貯留槽から供給される処理対象水を濾過するための濾過槽;反応剤、及び、砂が収容され、濾過槽を通過して供給される処理対象水を浄化するための浄化槽;前記処理対象水を、処理対象水貯留槽から濾過槽に供給するための配管;前記処理対象水を浄化槽に通過させて得られた処理水を、浄化槽から排出するための手段;を備え、前記濾過槽において濾過材、砂、及び、砂利は、濾過槽の上部から順に、砂層、濾過材層、及び、砂利層を構成し、前記処理対象水貯留槽から濾過槽に処理対象水を供給するための配管は、前記砂利層に処理対象水を供給するように設置され、前記濾過材は、アンスラサイトを含み、前記浄化槽において反応剤、及び、砂は、浄化槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を構成し、前記浄化槽は、第二の砂層を通過して得られる処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有し、前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる処理設備である。
本発明はまた、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理方法であって、フッ素を含有する処理対象水を濾過槽内の砂利層に供給する工程;処理対象水が該濾過槽を通過する工程;該濾過槽を通過した処理対象水を浄化槽に供給する工程;処理対象水が、該浄化槽内の第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層をこの順に通過する工程;該第二の砂層を通過して得られた処理水を貯留する工程;該貯留された処理水を、浄化槽から排出する工程;を含む処理方法でもある。
本発明の処理設備及び処理方法は、上記構成よりなるものであるため、簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、大量の排水を処理可能であり、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる。
図1は、実施例1において用いられる本発明の処理設備の一例の概要を示す模式図である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の処理設備は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理設備であって、処理対象水を貯留するための処理対象水貯留槽、処理対象水貯留槽から供給される処理対象水を濾過するための濾過槽、濾過槽を通過して供給される処理対象水を浄化するための浄化槽、処理対象水を処理対象水貯留槽から濾過槽に供給するための配管、及び、処理対象水を浄化槽に通過させて得られた処理水を浄化槽から排出するための手段を備える。本発明の処理設備は、このように後述する濾過槽及び浄化槽を備えることから、簡便に且つ経済的に、フッ素が充分に除去された処理水を得ることができるとともに、大量の排水を処理することが可能であり、かつ使用後の反応剤を高効率で回収することができる。なお、本発明の処理設備は、上述の構成を備えるものである限り、それ以外の構成を含むものであってもよい。
本発明の処理設備は、特に濾過槽及び浄化槽に特徴を有するものであることから、まず、濾過槽、浄化槽について詳述した後、本発明の処理設備におけるその他の構成について説明する。その後、本発明の処理設備の一例を具体的に説明する。
(1)濾過槽
本発明における濾過槽には、濾過材、砂及び砂利が収容されており、処理対象水貯留槽から供給された処理対象水は、濾過槽を通過する過程で処理対象水に含まれる汚濁物質が濾過され、汚濁物質の除かれた処理対象水が濾過槽から浄化槽へ供給されることとなる。
上記濾過槽の形状、大きさ、材質等は特に限定されず、処理対象水の処理量、処理対象水の汚濁物質含有量等によって、適宜決定すればよい。槽の形状としては、例えば、円筒状、箱状等が挙げられる。槽の材質としては、例えば、プラスチック、塩化ビニール、アクリル、樹脂、金属等が挙げられる。
上記濾過槽の中には少なくとも3つの層を構成するように濾過材、砂及び砂利が収容されており、濾過槽の上部から順に、砂層、濾過材層、及び、砂利層が設けられている。そして、処理対象水貯留槽から濾過槽に処理対象水を供給するための配管は、該砂利層に処理対象水を供給するように設置されている。このような構成とすることにより、処理対象水は、濾過槽の下部から砂利層、濾過材層、砂層の順に通過して処理される。このように処理することによって、濾過槽の次の槽において、閉塞の原因と成る汚濁物質を効率良く確実に除去出来る。なお、濾過槽は、上記砂層、濾過材層、及び、砂利層が設けられている限り、所望によりその他の層が設けられていてもよい。
また、濾過槽において、上部から順に、濾過材層、砂層、及び、砂利層が設けられている形態も、本発明の好適な形態の一つである。
上記濾過槽において各層は、隣り合う2層の境界が明確でなくてもよく、隣り合う2つの層の間に、該2つの層を構成する成分が混在する領域が存在していてもよい。例えば、砂層と濾過材層との間に、砂と濾過材とが混在する領域が存在していてもよい。
上記濾過材層の厚みは特に限定されるものではなく、処理対象水の処理量、処理対象水の汚濁物質含有量等によって、処理対象水の濾過が充分に、かつ、滞りなく行われるように適宜設定すればよい。例えば、30cm以上であることが好ましい。
上記濾過材は、アンスラサイトを含む。アンスラサイトを用いることによって、処理対象水の濾過を充分に行うことができる。
上記アンスラサイトの形状は、特に限定されないが、粒状であることが好ましい。
上記アンスラサイトの有効径は、特に限定されないが、例えば、0.5〜3.0mmであることが好ましく、より好ましくは、0.6〜1.0mmである。有効径が上記範囲であることによって、閉塞の原因と成る汚濁物質を確実に捕らえ除去出来る。
上記有効径は、アンスラサイトをふるいわけして総質量の10質量%が通過するふるい目の大きさに相当する粒径である。具体的には、標準網ふるい器(JIS Z8801、呼び寸法:0.3〜3.0mm、ふるい器の大きさ:φ200、深さ:45mm)を用いて手動でふるい分け試験を行い、総質量の10質量%が通過するふるい目の大きさに相当する粒径である。
上記アンスラサイトの均等係数は、1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、閉塞の原因と成る汚濁物質を確実に捕らえ除去出来る。
上記アンスラサイトの均等係数は、JWWA A103−1:2004に沿って測定することができる。
上記濾過材は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望によりアンスラサイト以外の成分を含むものであってもよいが、アンスラサイトが合計で99質量%以上を占めるものが好ましい。
本発明における濾過槽に収容される砂としては、処理対象水と反応しない不活性なものであることが好ましい。また、次に挙げる特性の少なくとも1つを満たすものであることが好ましく、次に挙げる特性の全てを満たすものであることがより好ましい。
(1)ごみ、粘土質等の不純物、又は、偏平若しくは脆弱な砂等を多く含まず、石英質を多く含有し、堅く均等である、(2)砂鉄や脆弱な砂等の含有量が少ない、(3)洗浄濁度が30度以下である、(4)比重(密度)が、2.57〜2.67(g/cm)である、(5)強熱減量が、0.75%以下である、(6)摩滅率が、3%以下である、(7)鉄及び鉄含有化合物の含有量が、0.03(mg/L)以下である、(8)マンガン及びマンガン含有化合物の含有量が、0.005(mg/L)以下である、(9)塩酸可溶率が、3.5%以下である。
上記砂層は、有効径が0.3〜1.0mmである砂からなるものであることが好ましい。上記砂層の砂の有効径としては、0.3〜0.6mmであることがより好ましい。
上記砂層の砂の有効径は、アンスラサイトと同じ方法で測定することができる。
上記砂層の砂は、実質的に、粒子径が0.3〜0.6mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜0.6mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、上記砂層の砂としては、上記砂層の砂全体の90質量%以上の粒子が0.3〜0.6mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。上記砂層の砂は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が0.6mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。上記砂層の砂の粒子径が上記範囲であることによって、濾過槽の次の槽において、閉塞の原因と成る汚濁物質を確実に除去出来る。
上記砂層の砂の粒子径は、標準網ふるい器(JIS Z8801、呼び寸法:0.3〜3.0mm、ふるい器の大きさ:φ200、深さ:45mm)を用いて手動でふるい分け試験を行い求めることができる。例えば、粒子径が2.8mmを超える粒子を含まないようにする場合には、呼び寸法2.8mmのふるい器を用いる。
上記砂層の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、閉塞の原因と成る汚濁物質を確実に除去出来る。
上記砂層の砂の均等係数は、アンスラサイトと同じ方法で測定することができる。
上記砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により上記砂以外の成分を含むものであってもよいが、上記砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
上記砂層の厚みは特に限定されるものではないが、濾過材層と同等かそれよりも小さく設定されることが好ましい。
本発明における濾過槽に収容される砂利としては、処理対象水と反応しない不活性なものであることが好ましい。また、次に挙げる特性の少なくとも1つを満たすものであることが好ましく、次に挙げる特性の全てを満たすものであることがより好ましい。
(1)ごみ、粘土質等の不純物、又は、偏平若しくは脆弱な粒子等を多く含まず、堅く丸みがある、(2)洗浄濁度が30度以下である、(3)最長軸が最短軸の5倍以上である砂利粒子が砂利粒子全体に対して2重量%以下である、(4)比重が、表面乾燥飽和状態で2.50(g/cm)以上である、(5)塩酸可溶率が、3.5%以下である。
上記砂利層は、粒度が2〜50mmである砂利からなるものであることが好ましい。上記粒度の砂利層を有することによって、閉塞の原因と成る汚濁物質を効率良く確実に除去出来ると共に通水性の確保も出来る。砂利の粒度は2〜20mmであることがより好ましく、2〜12mmであることが更に好ましい。
砂利の粒度は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
上記砂利層の砂利は、粒度内%が85%以上であることが好ましく、より好ましくは、95%以上である。上記砂利層の砂利が上記粒度内%を有することによって、閉塞の原因と成る汚濁物質を効率良く確実に除去出来ると共に通水性の確保も出来る。
砂利の粒度内%は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
上記砂利層の厚みは特に限定されるものではないが、濾過材層よりも小さく設定されることが好ましい。
(2)浄化槽
本発明における浄化槽には、反応剤及び砂が収容されており、浄化槽の上部から供給された処理対象水が下部に向かって流通する過程で反応剤と接触することにより、反応剤にフッ素が固定化されて処理対象水からフッ素が除去される。反応剤との接触により処理対象水からフッ素が除去されて得られる処理水(以下、単に「処理水」ともいう。)は、排水口から排出される。
上記浄化槽の形状、大きさ、材質等は特に限定されず、処理対象水の処理量、処理対象水のフッ素イオン濃度(以降、単に「フッ素濃度」ともいう。)等によって、適宜決定すればよい。槽の形状としては、例えば、円筒状、箱状等が挙げられる。槽の材質としては、例えば、プラスチック、塩化ビニール、アクリル、樹脂、金属等が挙げられる。
上記浄化槽の中には少なくとも3つの層を構成するように反応剤及び砂が収容されており、浄化槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層が設けられている。処理対象水は、第一の砂層、反応剤層、第二の砂層の順に通過して処理される。これにより、上記浄化槽は、簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、反応剤の流出を防止することができるため、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる。
例えば、網等を用いて反応剤の流失を防止することも考えられるが、網はしだいに劣化していくし、また、実用的な設備に導入した場合には操作性が悪く、交換作業が困難である。
なお、浄化槽は、上記第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層が設けられている限り、所望によりその他の層が設けられていてもよい。
上記浄化槽において各層は、隣り合う2層の境界が明確でなくてもよく、隣り合う2つの層の間に、該2つの層を構成する成分が混在する領域が存在していてもよい。例えば、第一の砂層と反応剤層との間に、第一の砂と反応剤とが混在する領域が存在していてもよい。
反応剤層の厚みは特に限定されるものではなく、処理対象水の処理量、処理対象水のフッ素濃度等によって、所望するフッ素除去量が達成されるように適宜設定すればよい。例えば、30cm以上であることが好ましい。
上記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)(但し、リン酸水素カルシウム二水和物(A)の粒子を除く)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されている。粒子(B)はリン酸水素カルシウム二水和物(A)の粉末よりも粒径が大きいことが好ましい。
リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、処理対象水に含まれるフッ素と反応しCa10(POで表されるフルオロアパタイト(フッ素アパタイト)を形成する。このように、除去されるフッ素はフルオロアパタイトとして固定化され不溶化するため、再溶出しない。
フルオロアパタイトは天然のリン鉱石等が主成分であり、本発明における浄化槽では、他に有機物質や重金属類等を使用する必要はない。従って、上記反応剤を使用することによって、二次的な環境汚染を引き起こすことなく、簡単な作業で、経済的に、且つ確実に処理対象水のフッ素濃度を低減することができる。
上記反応剤では、フッ素の除去効率を向上させるためにリン酸水素カルシウム二水和物(A)の微粉末を選択した場合であっても、比較的粒子径の大きな粒子(B)を選択し、リン酸水素カルシウム二水和物(A)をそれに担持させることによって、反応剤の粒径を大きくすることができるため、反応剤がダマ(凝集物)になりにくく、透水性に優れる反応剤層を形成することができる。リン酸水素カルシウム二水和物の粉末を単独で用いた場合、その粒子径に関わらず、リン酸水素カルシウム二水和物の粉末が凝固し、透水性が低下し、その傾向は粒子径が小さいほど顕著である。
また、上記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とから構成されていることから、リン酸水素カルシウム二水和物を単独で用いた場合と比較して、リン酸水素カルシウム二水和物の粒子同士が化学的に結合することも抑制できる。
上記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)を粒子(B)に担持させたものであるため、飛散しにくく、取り扱い性にも優れる。
上記のことから、上記反応剤を用いることによって、透水性を低下させずにリン酸水素カルシウム二水和物(A)の粒径を小さくすることができる。そのため、効率よく排水中のフッ素を除去することができ、結果として、長期に亘って処理水中のフッ素濃度を低下させることができる。更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる。
上記反応剤は、粒子(B)100質量部に対して、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が1〜100質量部であることが好ましい。上記範囲に設定することによって、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に効率よく担持され、より透水性、フッ素除去性に優れる反応剤となる。より好ましくは、粒子(B)100質量部に対して、リン酸水素カルシウム二水和物(A)5〜50質量部であり、更に好ましくは、7〜15質量部である。
リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、粉末であることが好ましく、その平均粒子径が10〜100μmであることがより好ましい。上記範囲の平均粒子径であることによって、効率的にリン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されるとともに、フッ素除去性に優れる反応剤となる。
上記リン酸水素カルシウム二水和物(A)の平均粒子径は、日機装株式会社製のマイクロトラック9320HRAを用いて、レーザー回折錯乱法により測定することができる。
リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、粒子表面を活性化したものであることも好ましい形態の一つである。処理対象水中のフッ素を固定化して不溶化する作用は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)の粉末状粒子を水に懸濁処理して、その粒子表面を活性化するとより増大する。
粒子(B)は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)を担持可能な粒子である。リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されることによって、透水性、フッ素除去性に優れる反応剤とすることができる。
粒子(B)としては、例えば、一般的に水の浄化に用いられる濾過砂、濾過砂利等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。粒子(B)として、砂を用いることが好ましい。
上記粒子(B)は、有効径が0.3〜3.0mmであることが好ましい。有効径は、0.4〜1.0mmであることがより好ましく、0.5〜0.6mmであることが更に好ましい。有効径が上記範囲であることによって、反応剤の透水性及びフッ素除去性がより優れる。
上記粒子(B)の有効径は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記粒子(B)は、実質的に、粒子径が0.3〜3.0mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜3.0mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、粒子(B)としては、粒子(B)全体の90質量%以上の粒子が0.3〜3.0mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は99質量%以上であり、更に好ましい比率は99.9質量%以上である。粒子(B)は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が3.0mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が効率的に担持されるため、より透水性、含フッ素化合物の除去性に優れる反応剤とすることができる。粒子(B)は、実質的に、粒子径が2.8mmを超える粒子を含まない、すなわち、粒子(B)全体の90質量%以上の粒子が2.8mmを超える粒子径を有さない、ことが最も好ましい。
上記粒子(B)の粒子径は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記粒子(B)は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、効率的にリン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持され、より透水性に優れ、かつフッ素の除去性に優れる反応剤とすることができる。
上記粒子(B)の均等係数は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記反応剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望によりリン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)以外の成分を含むものであってもよいが、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)が合計で99質量%以上を占めるものが好ましい。
上記反応剤は、粉末状のリン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを混合することにより得ることができる。
反応剤の製造方法は特に限定されないが、例えば、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を、傾胴型重力式ミキサーを用いて混合する工程を含む製造方法により製造することができる。
傾胴型重力式ミキサーは、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を混合するための混合容器が傾胴機構に取り付けられたものであり、一般的に傾胴型重力式ミキサーと称されるものであればよい。傾胴機構とは、上記混合容器を傾斜させるための機構である。
傾胴型重力式ミキサーの形態としては、例えば、截頭円錐形状の容器を合体させ、一端部を開口させると共に、他端部を閉塞させた混合容器を傾胴機構に取り付け、該混合容器の内周壁に混合するための羽根を取り付けたもの等が挙げられる。上記混合容器は、回転可能であることが好ましい。
上記リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を混合する場合、通常、傾胴機構を作動させてドラムの開口部を上方に向け、混合容器を一定方向に回転させながらリン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を投入する。投入された各材料は羽根により持ち上げられては下方に落とされるという動作が繰り返されて混合される。
傾胴型重力式ミキサーは、投入された材料の挙動によって混合が促進されるため、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持された状態を良好に保持しながら混合することができる。そのため、上記反応剤の製造に特に優れた効果を発揮する。
上記反応剤の製造方法としては、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を傾胴型重力式ミキサーの混合容器中に入れ、必要に応じて水を添加し、混合することが好ましい。
本発明における浄化槽に収容される砂としては、上述した本発明における濾過槽に収容される砂と同様のものを用いることができる。
上記第一の砂層は、有効径が粒子(B)よりも小さい第一の砂からなる。第一の砂の有効径が、粒子(B)よりも小さいことで、反応剤の飛散を防止することができる。これにより、使用後の反応剤を回収する効率が向上する。
上記第一の砂の有効径は、粒子(B)の有効径よりも小さいものであれば限定されないが、例えば、0.3〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.6mmであることがより好ましい。
上記第一の砂は、実質的に、粒子径が0.3〜0.6mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜0.6mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、第一の砂としては、第一の砂全体の90質量%以上の粒子が0.3〜0.6mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。第一の砂は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が0.6mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、反応剤の飛散をより効果的に防止することができる。
上記第一の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、反応剤の飛散をより効果的に防止することができる。
なお、上記第一の砂の有効径、粒子径及び均等係数は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記第一の砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により第一の砂以外の成分を含むものであってもよいが、第一の砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
上記第一の砂層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、反応剤層よりも小さく設定される。反応剤の飛散を効率的に防止する観点から、1cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、浄化槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、10cm以下であることが好ましい。
上記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる。第二の砂の有効径が、粒子(B)よりも小さいことで、反応剤層を構成する反応剤が浄化槽から流出することを抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
上記第二の砂の有効径は、粒子(B)の有効径よりも小さいものであれば限定されないが、例えば、0.3〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.6mmであることがより好ましい。上記範囲に設定することで、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
上記第二の砂は、実質的に、粒子径が0.3〜0.6mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜0.6mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、第二の砂としては、第二の砂全体の90質量%以上の粒子が0.3〜0.6mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。第二の砂は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が0.6mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
上記第二の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
なお、上記第二の砂の有効径、粒子径及び均等係数は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記第二の砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により第二の砂以外の成分を含むものであってもよいが、第二の砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
上記第二の砂層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、反応剤層よりも小さく設定される。反応剤の流出を効率的に防止する観点から、2cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、浄化槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、30cm以下であることが好ましい。
本発明における浄化槽は、上記構成を有することによって、反応剤の流出を防止することができ、結果として、使用後の反応剤の回収効率を向上させることができる。
上記浄化槽は、更に第三の砂層を有することが好ましく、該第三の砂層が第二の砂層の下に設けられることがより好ましい。そして、第三の砂層は、有効径が第二の砂よりも大きい第三の砂からなることが好ましい。第三の砂の有効径が、第二の砂よりも大きいことで、第二の砂層を構成する第二の砂の流出を抑制することができ、ひいては、反応剤の流出を抑制することができる。これにより、使用後の反応剤の回収効率を更に高めることができる。
上記第三の砂の有効径は、第二の砂の有効径よりも大きいことが好ましいが、その範囲としては特に限定されず、例えば、0.5〜3.0mmであることが好ましく、0.6〜1.0mmであることがより好ましい。上記範囲に設定することで、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
上記第三の砂は、実質的に、粒子径が0.5〜3.0mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.5〜3.0mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、第三の砂としては、第三の砂全体の90質量%以上の粒子が0.5〜3.0mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。第三の砂は、粒子径が0.5mm未満である粒子を含まず、粒子径が3.0mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
上記第三の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
なお、上記第三の砂の有効径、粒子径及び均等係数は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記第三の砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により第三の砂以外の成分を含むものであってもよいが、第三の砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
上記第三の砂層の厚みは特に限定されるものではないが、反応剤層よりも小さく設定されることが好ましい。反応剤の流出を効率的に防止する観点から、5cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、浄化槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、50cm以下であることが好ましい。
本発明における浄化槽は、更に砂利が収容されたものであることが好ましく、上記砂利から構成される砂利層が第二の砂層の下、又は、上記浄化槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層の下、に設けられたものであることがより好ましい。上記砂利層が積層されたものであることによって、第二の砂層を構成する第二の砂、又は、上記浄化槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を構成する第三の砂、が流出することを抑制することができ、ひいては、反応剤が浄化槽から流出することを抑制することができると共に、通水性を確保することができる。砂利は、第二の砂、又は、上記浄化槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂、よりも粒子径が大きいことが好ましい。
本発明における浄化槽に収容される砂利としては、上述した本発明における濾過槽に収容される砂利と同様のものを用いることができる。
上記砂利層は、粒度が2〜50mmである砂利からなるものであることが好ましい。上記粒度の砂利層を有することによって、第二の砂層を構成する第二の砂、又は、上記浄化槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を構成する第三の砂、が流出することをより抑制することができ、ひいては、反応剤が浄化槽から流出することを抑制することができる。これにより、反応剤の回収効率をより高めることができる。反応剤の回収効率をより高める観点から、砂利の粒度は2〜20mmであることがより好ましく、2〜12mmであることが更に好ましい。
上記砂利の粒度は、上記濾過槽における砂利層の砂利と同じ方法で測定することができる。
上記砂利は、粒度内%が85%以上であることが好ましく、より好ましくは、95%以上である。砂利が上記粒度内%を有することによって、第二の砂層を構成する第二の砂、又は、上記浄化槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を構成する第三の砂、が浄化槽から流出することをより抑制することができ、ひいては、反応剤が浄化槽から流出することを抑制することができる。これにより、反応剤の回収効率をより高めることができる。
上記砂利の粒度内%は、上記濾過槽における砂利層の砂利と同じ方法で測定することができる。
上記砂利層の厚みは特に限定されるものではないが、反応剤層よりも小さく設定されることが好ましい。
上記浄化槽はまた、第二の砂層を通過して得られた処理水、上記浄化槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を通過して得られた処理水、または、上記浄化槽が砂利層を有する場合には砂利層を通過して得られた処理水、を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有している。これにより上記浄化槽は、反応剤との接触によりフッ素が除去された処理水を一定量貯留することが可能となる。このような浄化槽を用いることで、大量の処理対象水を処理する場合であっても、反応剤層への処理対象水の滞留時間を長くすることが可能となり、処理対象水から充分にフッ素を除去することができる。
(3)処理対象水貯留槽
本発明における処理対象水貯留槽は、処理対象水を貯留するための槽である。処理対象水貯留槽に貯留された処理対象水は、配管を通して、濾過槽の砂利層に供給される。処理対象水貯留槽の容積、深さ、材質等は特に限定されず、処理対象水の量、処理対象水のフッ素濃度、処理設備の規模等から適切に設定すればよい。
(4)配管
処理対象水を処理対象水貯留槽から濾過槽に供給するための配管は、処理対象水を処理対象水貯留槽から濾過槽の砂利層へ供給することができればその態様は特に限定されず、配管の途中に処理対象水を送るためのポンプ等が介在していてもよい。
(5)処理水排出手段
処理水を浄化槽から排出するための手段としては、処理水を浄化槽の外部へ排出することができればその態様は特に限定されない。例えば、浄化槽内の処理水を排出することができるように浄化槽に設置された配管などが挙げられる。なお、処理水排出手段としての配管は浄化槽と直接接続していてもよいし、貯留区画からあふれる処理水を一旦貯留することができる処理水槽を浄化槽と処理水排出手段としての配管との間に設置してもよい。
また、上記配管の途中に排水する流量を調節するバルブ等が介在していてもよいし、後述するように、配管の途中で逆洗水貯留槽に処理水を貯水するための配管に接続されていてもよい。また、処理水を逆洗水として送るためのポンプ等を備えていてもよい。
(6)処理設備
ここで、本発明の処理設備の一例を、図を示して更に詳細に説明する。
後述する実施例1において用いられる本発明の処理設備の一例の概要を模式的に示した図が図1である。
図1に示す処理設備では、処理対象水貯留槽31からポンプ32を介し、配管33を通って処理対象水が濾過槽10の砂利層11に供給される。濾過槽10は、壁51と仕切り壁52とに囲まれた区画である。砂利層11への処理対象水の供給が進むにつれて、濾過槽における水位が上昇していき、処理対象水は砂利層11、濾過材層12、砂層13を順に通過して濾過され、汚濁物質の除去された処理対象水となる。ここで、仕切り壁52の高さを、壁51の高さに比べて低くしておく。濾過槽10が満水になると、汚濁物質の除去された処理対象水はあふれ、浄化槽20へと流入する。浄化槽20は、仕切り壁52と仕切り壁55とに囲まれた区画である。なお、濾過槽10からあふれた処理対象水が浄化槽20へと移る際には、仕切り壁52を処理対象水が超えていくこととなるが、仕切り壁52を超える処理対象水の流れにムラができることなく均一に流れるよう、仕切り壁52の上部にVノッチ53を施してもよい。ただし、仕切り壁52の上部にVノッチ53を施す場合にも、仕切り壁52の高さが壁51の高さに比べて低くなるように設置する必要がある。
濾過槽10からあふれて浄化槽20へ流入した処理対象水は、仕切り壁54の高さを仕切り壁52の高さに比べて高くしておくことで、第一の砂層21、反応剤層22、第二の砂層23、砂利層24を順に通過してフッ素が充分に除去された処理水となる。得られた処理水は、すぐには浄化槽外に排出されず、貯留区画58に貯留される。貯留区画58は、反応剤層等が設置されている区画と砂利層で繋がっているが、仕切り壁54と仕切り壁55とに囲まれた区画である。濾過槽から浄化槽への処理対象水の流入が進むにつれて、貯留区画における水位が上昇していく。ここで、仕切り壁55の高さを、仕切り壁54の高さに比べて低くしておく。貯留区画が満水になり処理水があふれると、処理水は処理水槽30へと流入する。処理水槽30は、仕切り壁55と壁57とに囲まれた区画である。ここで、壁57の高さは仕切り壁55の高さに比べて高くしておく。そして、処理水槽内の処理水が配管34から排出される。排出される処理水の流量はバルブ35により調節される。なお、貯留区画からあふれた処理水が処理水槽へと移る際には、仕切り壁55を処理水が超えていくこととなるが、仕切り壁55を超える処理水の流れにムラができることなく均一に流れるよう、仕切り壁55の上部にVノッチ56を施してもよい。ただし、仕切り壁55の上部にVノッチ56を施す場合にも、仕切り壁55の高さが仕切り壁54の高さに比べて低くなるように設置する必要がある。
処理設備をこのような構成とすることによって、濾過槽において、砂利層に供給される処理対象水を濾過槽における水位の上昇と共に砂利層、濾過材層、砂層と順に通過させて濾過し、また、浄化槽において、砂利層を通過した後の処理水を貯留区画に一旦貯留し、浄化槽からの処理水の排出量を調節することができることから、大量の処理対象水を処理する場合であっても、処理対象水が濾過材層及び反応剤層と接触する時間を充分に長くすることが可能であり、流量の変動にも強い処理設備となる。したがって、処理設備を大規模化して大量の処理を行うことも可能である。
本発明の処理設備は、更に、逆洗水を貯留するための逆洗水貯留槽、浄化槽から排出された処理水を逆洗水貯留槽に供給するための配管、及び、逆洗水貯留槽に貯留された処理水を浄化槽に供給するための配管を備えることも好ましい形態の一つである。
上記構成を有することによって、本発明の処理設備は、得られた処理水を再利用して、逆洗水として用いることができる。これにより、処理水の排出量を低減することができる。更に、得られた処理水を逆洗水として使用できるため、コストを削減することもできる。
逆洗水貯留槽は、逆洗水を貯留するための槽であり、その態様は特に限定されず、逆洗水貯留槽の容積、深さ、材質等は、逆洗水の使用量、浄化槽の規模、処理設備の規模等から適切に設定すればよい。
浄化槽から排出された処理水を逆洗水貯留槽に供給するための配管は、例えば、上述した処理水を浄化槽から排出するための配管に接続されたものである。その態様は特に限定されず、処理水の量、逆洗水貯留槽の構成、規模等を考慮して、適切に設定すればよい。例えば、配管の途中に、処理水を送るためのポンプ等を備えるものであってもよい。
本発明の処理方法は、フッ素を含有する処理対象水を濾過槽内の砂利層に供給する工程、処理対象水が当該濾過槽を通過する工程、当該濾過槽を通過した処理対象水を浄化槽に供給する工程、処理対象水が当該浄化槽内の第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層をこの順に通過する工程、当該第二の砂層を通過して得られた処理水を貯留する工程、当該貯留された処理水を、浄化槽から排出する工程を含むものである。
なお、本発明の処理方法は、これらの工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
上記濾過槽及び浄化槽に順に、フッ素を含有する処理対象水を通過させることで、処理対象水が濾過材を通過し、反応剤と接触して、処理対象水中のフッ素が除去される。また、処理対象水が浄化槽に供給されてから排出されるまでの間に、浄化槽の第二の砂層を通過して得られた処理水をすぐに排出せずに一旦浄化槽内に貯留することによって、浄化槽からの処理水の排出量を調節することが可能となるため、大量の処理対象水を処理する場合であっても、処理対象水が濾過材層及び反応剤層と接触する時間を充分に長くすることができ、流量の変動にも強いものとなる。
処理方法は、上記濾過槽及び浄化槽をそれぞれ1回ずつ通過させるものであってもよいし、浄化槽から排出された処理水を再度濾過槽に供給する、すなわち、上記濾過槽及び浄化槽をそれぞれ2回以上通過させるものであってもよい。
本発明の処理方法は、フッ素濃度が0.8mg/L以下の処理水を回収する工程を含むものであってもよい。上記反応剤は透水性及び反応効率に優れるため、処理対象水に含有されているフッ素を効率よく除去し、水中のフッ素濃度を0.8mg/L以下にできる。
本発明の処理方法によれば、リン酸水素カルシウム二水和物(A)1gあたりのフッ素固定化量を1mg−F/g以上、好ましくは10mg−F/g以上とすることができる。
本発明の処理方法は、処理対象水にカルシウムイオンを添加してフッ化カルシウム(CaF)を生成させる工程、及び、生成したフッ化カルシウムを除去してフッ素イオン濃度が低減された処理対象水を回収する工程を含むものであってもよい。これらの工程はフッ素を含有する処理対象水を上記濾過槽及び浄化槽に通過させて、該処理対象水中のフッ素を除去する工程の前に行うことが好ましい。これらの工程は、比較的低コストであるカルシウム化合物を使用するため、特に処理対象水のフッ素イオン濃度が高い場合にコストを削減できる。上記カルシウムイオンは、消石灰(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、塩化カルシウム(CaCl)等のカルシウム化合物として添加されることが好ましい。
得られた処理水は、フッ素が充分に固定化、除去されたものとなり、フッ素濃度が低く(例えば、0.8mg/L以下)、環境基準を満たすものとなる。
処理対象水のフッ素含有量は特に限定されず、含有量が少なくても、また、多くても優れたフッ素除去能を発揮することができるが、例えば、0.1mg/L以上であることが好ましい。本発明の効果をより発揮する観点からは、0.8mg/Lを超えるものであることがより好ましい。
本発明において、フッ素含有水中のフッ素イオン濃度は、JIS K0102に準拠した方法により測定することができる。
処理対象水としては、フッ素を含有する水(フッ素含有水)であれば特に限定されず、例えば、工場排水、温泉水、河川の水等が挙げられる。工場排水としては、シリコンウェハ製造工場、半導体製造工場等から排出されるフッ素含有排水、金属工場から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ごみ焼却排水等が挙げられる。
処理対象水は、フッ素イオンの高い除去効率が得られる点で、pHが3以上であることが好ましい。従って、本発明の処理方法によって得られる処理水もpHが3以上であることが好ましい。上記pHはいずれも4以上であることがより好ましい。上記処理対象水又は処理水のpHが3未満である場合、若しくは、各工程中にpHが3未満となる場合、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等でpHを3以上に調整してもよい。
また、上記処理対象水及び処理水は、pHが11以下であることが好ましい。pHが11を超えると、リン酸水素カルシウム二水和物(A)とフッ素イオンとの反応が進行しにくくなるおそれがある。上記処理対象水又は処理水のpHが11を超える場合、若しくは、各工程中にpHが11を超える場合、塩酸等でpHを11以下に調整してもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
傾胴型重力式ミキサー(容量110L)に、急速濾過用砂(トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2004規格品、有効径:0.6mm、均等係数:1.5以下、最大径2.8mm以下、最小径0.3mm以上」)及びリン酸水素カルシウム二水和物の粉末(太平化学産業社製、「平均粒子径:54μm」(以下、DCPDという。))の合計100質量部当たり、急速濾過用砂を90質量部、DCPDを10質量部の割合で投入し、3分間混合を行って、反応剤を得る。
(実施例1)
下記に示す濾過材、砂及び砂利を用いて、濾過槽を作製する。
濾過材(水処理濾過用アンスラサイト、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:1.0mm、均等係数:1.5以下、外観:粒状」)
砂(急速濾過用砂、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2.0mm以下、最小径0.3mm以上」)
砂利(濾過用砂利、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、粒度:4〜8mm、粒度内%:85%以上」)
濾過槽として、幅1.5m×0.5m、高さ0.6mの樹脂製容器を用いる。
上記濾過槽に、砂利(100L)、濾過材(150L)、及び、砂(100L)をこの順に投入し、図1に示す濾過槽を得る。濾過槽10には上部から順に、砂層13(15cm)、濾過材層12(20cm)及び、砂利層11(15cm)が設けられている。
また、製造例1で得られた反応剤と下記に示す砂及び砂利を用いて、浄化槽を作製する。
第一の砂(急速濾過用砂、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2mm以下、最小径0.3mm以上」)
第二の砂(急速濾過用砂、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2mm以下、最小径0.3mm以上」)
砂利(濾過用砂利、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、粒度:4〜8mm、粒度内%:85%以上」)
浄化槽として、幅1.5m×1m、高さ0.6mの樹脂製容器を用いる。
上記浄化槽に、砂利(150L)、第二の砂(75L)、反応剤(225L)及び第一の砂(75L)をこの順に投入し、図1に示す浄化槽を得る。浄化槽20には上部から順に、第一の砂層21(5cm)、反応剤層22(15cm)、第二の砂層23(5cm)、及び、砂利層24(10cm)が設けられている。
以下に、上記濾過槽及び浄化槽を備える処理設備を用いて、フッ素を含有する処理対象水を処理する方法について説明する。
図1に示すように、処理設備は、
(1)処理対象水が貯留された処理対象水貯留槽31、
(2)濾過槽10、
(3)処理対象水を濾過槽10に供給するための配管33、
(4)処理対象水を濾過槽10に供給するためのポンプ32、
(5)浄化槽20、
(6)処理水槽30、
(7)フッ素が除去された処理水を排出するための配管34、
(8)排出される処理水の流量を調節するバルブ35を備える。
なお、浄化槽20は、貯留区画58を備えている。また、壁51と仕切り壁52との間の距離は50cm、仕切り壁52と仕切り壁54との間の距離は100cm、仕切り壁54と仕切り壁55との間の距離は50cm、仕切り壁55と壁57との間の距離は50cmとなるように設計されている。
処理対象水は、処理対象水貯留槽31から配管33を通って濾過槽10に供給される。濾過槽の砂利層11に供給された処理対象水は、水位の上昇と共に砂利層11、濾過材層12、砂層13をこの順に通過する。砂層を通過した処理対象水は水位の更なる上昇と共にあふれ、浄化槽20に流入する。浄化槽に流入した処理対象水は、第一の砂層21、反応剤層22、第二の砂層23、及び砂利層24をこの順に通過する。処理対象水に含有されるフッ素は、反応剤層を通過する際に反応剤と反応し、フルオロアパタイトを形成する。これにより、処理対象水中のフッ素が除去された処理水が得られる。
得られた処理水は、すぐには浄化槽外に排出されず、貯留区画58に貯留される。濾過槽から浄化槽への処理対象水の流入が進むにつれて、貯留区画における水位が上昇していき、貯留区画が満水になり処理水があふれると、処理水は処理水槽30へと流入する。そして、処理水槽内の処理水が配管34から排出される。排出される処理水の流量はバルブ35により調節される。
効率的に使用後の反応剤を回収するためには、反応剤が浄化槽20から流出することを防止する必要がある。実施例1の浄化槽は、反応剤層22の下に第二の砂層23を備えることによって、反応剤の流出を効果的に防止することができる。更に、砂利層24を備えることで、反応剤の流出を防止する効果がより一層高められる。
また、上記浄化槽は、第一の砂層21を備えるため、処理対象水が濾過槽から流入してきた際の反応剤の飛散を防止することができる。
上記浄化槽は、上記の構成を有することによって、反応剤の飛散、流出を効果的に防止することができ、結果として、処理設備から使用後の反応剤を簡便に、かつ高い回収効率で回収することができる。
(処理例1)
上記実施例1の処理設備を用いて、100mの処理対象水を処理した場合の、処理対象水貯留槽31から配管33への出口(S1)におけるフッ素イオン濃度、及び、処理水槽30から配管34への出口(S2)におけるフッ素イオン濃度をJIS K0102に準拠して測定した。なお、ポンプ32による処理対象水の送水流量は、10L/分とした。測定結果を表1に示す。
(処理例2〜5)
処理対象水の処理量を表1に記載した量に変更した以外は、処理例1と同様に処理して、S1、S2におけるフッ素イオン濃度を処理例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 0005915231
本発明の処理設備は、上記構成よりなるものであるため、フッ素を含有する水が生成される分野において好適に利用可能である。
10:濾過槽
11:砂利層
12:濾過材層
13:砂層
20:浄化槽
21:第一の砂層
22:反応剤層
23:第二の砂層
24:砂利層
30:処理水槽
31:処理対象水貯留槽
32:ポンプ
33、34:配管
35:バルブ
51、57:壁
52、54、55:仕切り壁
53、56:Vノッチ
58:貯留区画

Claims (10)

  1. フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理設備であって、
    処理対象水を貯留するための処理対象水貯留槽、
    濾過材、砂、及び、砂利が収容され、処理対象水貯留槽から供給される処理対象水を濾過するための濾過槽、
    反応剤、及び、砂が収容され、濾過槽を通過して供給される処理対象水を浄化するための浄化槽、
    前記処理対象水を、処理対象水貯留槽から濾過槽に供給するための配管、及び、
    前記処理対象水を浄化槽に通過させて得られた処理水を、浄化槽から排出するための手段を備え、
    前記濾過槽において濾過材、砂、及び、砂利は、濾過槽の上部から順に、砂層、濾過材層、及び、砂利層を構成し、
    前記処理対象水貯留槽から濾過槽に処理対象水を供給するための配管は、前記砂利層に処理対象水を供給するように設置され、
    前記濾過材は、アンスラサイトを含み、
    前記浄化槽において反応剤、及び、砂は、浄化槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を構成し、
    前記浄化槽は、第二の砂層を通過して得られた処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有し、
    前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、
    前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、
    前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる
    ことを特徴とする処理設備。
  2. 前記浄化槽は、更に第三の砂層を有し、前記第三の砂層は有効径が第二の砂よりも大きい第三の砂からなり、前記第三の砂層は第二の砂層の下に設けられている
    請求項1記載の処理設備。
  3. 前記浄化槽は、第三の砂層を通過した処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有する
    請求項2記載の処理設備。
  4. 前記浄化槽は、更に砂利を収容し、前記砂利からなる砂利層が第二の砂層の下に設けられている
    請求項1記載の処理設備。
  5. 前記浄化槽は、更に砂利を収容し、前記砂利からなる砂利層が第三の砂層の下に設けられている
    請求項2記載の処理設備。
  6. 前記浄化槽は、砂利層を通過した処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有する
    請求項4または5記載の処理設備。
  7. 前記粒子(B)は、有効径が0.3〜3.0mmの粒子である請求項1、2、3、4、5又は6記載の処理設備。
  8. 前記粒子(B)は、均等係数が1.5以下である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の処理設備。
  9. 前記リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、平均粒子径が10〜100μmである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の処理設備。
  10. フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理方法であって、
    フッ素を含有する処理対象水を濾過槽内の砂利層に供給する工程、
    処理対象水が該濾過槽を、前記砂利層、濾過材層、砂層の順に通過する工程、
    該濾過槽を通過した処理対象水を浄化槽に供給する工程、
    処理対象水が、該浄化槽内の第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層をこの順に通過する工程、
    該第二の砂層を通過して得られた処理水を貯留する工程、
    該貯留された処理水を、浄化槽から排出する工程を含み、
    前記濾過槽には、濾過材、砂、及び、砂利が収容されており、前記濾過槽において前記濾過材、前記砂、及び、前記砂利は、前記濾過槽の上部から順に、前記砂層、前記濾過材層、及び、前記砂利層を構成し、前記濾過材は、アンスラサイトを含み、
    前記浄化槽には、反応剤、及び、砂が収容されており、前記浄化槽において前記反応剤、及び、前記砂は、前記浄化槽の上部から順に、前記第一の砂層、前記反応剤層、及び、前記第二の砂層を構成し、
    前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、
    前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、
    前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる
    ことを特徴とする処理方法。
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