JP5915231B2 - 処理方法、及び、処理設備 - Google Patents
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Description
また、これらはいずれも、フッ素を含有する処理対象水を大量に処理する方法としては、更に工夫の余地があった。
本発明の処理設備は、特に濾過槽及び浄化槽に特徴を有するものであることから、まず、濾過槽、浄化槽について詳述した後、本発明の処理設備におけるその他の構成について説明する。その後、本発明の処理設備の一例を具体的に説明する。
本発明における濾過槽には、濾過材、砂及び砂利が収容されており、処理対象水貯留槽から供給された処理対象水は、濾過槽を通過する過程で処理対象水に含まれる汚濁物質が濾過され、汚濁物質の除かれた処理対象水が濾過槽から浄化槽へ供給されることとなる。
また、濾過槽において、上部から順に、濾過材層、砂層、及び、砂利層が設けられている形態も、本発明の好適な形態の一つである。
上記アンスラサイトの形状は、特に限定されないが、粒状であることが好ましい。
上記有効径は、アンスラサイトをふるいわけして総質量の10質量%が通過するふるい目の大きさに相当する粒径である。具体的には、標準網ふるい器(JIS Z8801、呼び寸法:0.3〜3.0mm、ふるい器の大きさ:φ200、深さ:45mm)を用いて手動でふるい分け試験を行い、総質量の10質量%が通過するふるい目の大きさに相当する粒径である。
上記アンスラサイトの均等係数は、JWWA A103−1:2004に沿って測定することができる。
(1)ごみ、粘土質等の不純物、又は、偏平若しくは脆弱な砂等を多く含まず、石英質を多く含有し、堅く均等である、(2)砂鉄や脆弱な砂等の含有量が少ない、(3)洗浄濁度が30度以下である、(4)比重(密度)が、2.57〜2.67(g/cm3)である、(5)強熱減量が、0.75%以下である、(6)摩滅率が、3%以下である、(7)鉄及び鉄含有化合物の含有量が、0.03(mg/L)以下である、(8)マンガン及びマンガン含有化合物の含有量が、0.005(mg/L)以下である、(9)塩酸可溶率が、3.5%以下である。
上記砂層の砂の有効径は、アンスラサイトと同じ方法で測定することができる。
上記砂層の砂の粒子径は、標準網ふるい器(JIS Z8801、呼び寸法:0.3〜3.0mm、ふるい器の大きさ:φ200、深さ:45mm)を用いて手動でふるい分け試験を行い求めることができる。例えば、粒子径が2.8mmを超える粒子を含まないようにする場合には、呼び寸法2.8mmのふるい器を用いる。
上記砂層の砂の均等係数は、アンスラサイトと同じ方法で測定することができる。
(1)ごみ、粘土質等の不純物、又は、偏平若しくは脆弱な粒子等を多く含まず、堅く丸みがある、(2)洗浄濁度が30度以下である、(3)最長軸が最短軸の5倍以上である砂利粒子が砂利粒子全体に対して2重量%以下である、(4)比重が、表面乾燥飽和状態で2.50(g/cm3)以上である、(5)塩酸可溶率が、3.5%以下である。
砂利の粒度は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
砂利の粒度内%は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
本発明における浄化槽には、反応剤及び砂が収容されており、浄化槽の上部から供給された処理対象水が下部に向かって流通する過程で反応剤と接触することにより、反応剤にフッ素が固定化されて処理対象水からフッ素が除去される。反応剤との接触により処理対象水からフッ素が除去されて得られる処理水(以下、単に「処理水」ともいう。)は、排水口から排出される。
例えば、網等を用いて反応剤の流失を防止することも考えられるが、網はしだいに劣化していくし、また、実用的な設備に導入した場合には操作性が悪く、交換作業が困難である。
なお、浄化槽は、上記第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層が設けられている限り、所望によりその他の層が設けられていてもよい。
フルオロアパタイトは天然のリン鉱石等が主成分であり、本発明における浄化槽では、他に有機物質や重金属類等を使用する必要はない。従って、上記反応剤を使用することによって、二次的な環境汚染を引き起こすことなく、簡単な作業で、経済的に、且つ確実に処理対象水のフッ素濃度を低減することができる。
上記リン酸水素カルシウム二水和物(A)の平均粒子径は、日機装株式会社製のマイクロトラック9320HRAを用いて、レーザー回折錯乱法により測定することができる。
上記粒子(B)の有効径は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記粒子(B)の粒子径は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
上記粒子(B)の均等係数は、上記濾過槽における砂層の砂と同じ方法で測定することができる。
傾胴型重力式ミキサーは、投入された材料の挙動によって混合が促進されるため、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持された状態を良好に保持しながら混合することができる。そのため、上記反応剤の製造に特に優れた効果を発揮する。
上記砂利の粒度は、上記濾過槽における砂利層の砂利と同じ方法で測定することができる。
上記砂利の粒度内%は、上記濾過槽における砂利層の砂利と同じ方法で測定することができる。
本発明における処理対象水貯留槽は、処理対象水を貯留するための槽である。処理対象水貯留槽に貯留された処理対象水は、配管を通して、濾過槽の砂利層に供給される。処理対象水貯留槽の容積、深さ、材質等は特に限定されず、処理対象水の量、処理対象水のフッ素濃度、処理設備の規模等から適切に設定すればよい。
処理対象水を処理対象水貯留槽から濾過槽に供給するための配管は、処理対象水を処理対象水貯留槽から濾過槽の砂利層へ供給することができればその態様は特に限定されず、配管の途中に処理対象水を送るためのポンプ等が介在していてもよい。
処理水を浄化槽から排出するための手段としては、処理水を浄化槽の外部へ排出することができればその態様は特に限定されない。例えば、浄化槽内の処理水を排出することができるように浄化槽に設置された配管などが挙げられる。なお、処理水排出手段としての配管は浄化槽と直接接続していてもよいし、貯留区画からあふれる処理水を一旦貯留することができる処理水槽を浄化槽と処理水排出手段としての配管との間に設置してもよい。
また、上記配管の途中に排水する流量を調節するバルブ等が介在していてもよいし、後述するように、配管の途中で逆洗水貯留槽に処理水を貯水するための配管に接続されていてもよい。また、処理水を逆洗水として送るためのポンプ等を備えていてもよい。
ここで、本発明の処理設備の一例を、図を示して更に詳細に説明する。
後述する実施例1において用いられる本発明の処理設備の一例の概要を模式的に示した図が図1である。
図1に示す処理設備では、処理対象水貯留槽31からポンプ32を介し、配管33を通って処理対象水が濾過槽10の砂利層11に供給される。濾過槽10は、壁51と仕切り壁52とに囲まれた区画である。砂利層11への処理対象水の供給が進むにつれて、濾過槽における水位が上昇していき、処理対象水は砂利層11、濾過材層12、砂層13を順に通過して濾過され、汚濁物質の除去された処理対象水となる。ここで、仕切り壁52の高さを、壁51の高さに比べて低くしておく。濾過槽10が満水になると、汚濁物質の除去された処理対象水はあふれ、浄化槽20へと流入する。浄化槽20は、仕切り壁52と仕切り壁55とに囲まれた区画である。なお、濾過槽10からあふれた処理対象水が浄化槽20へと移る際には、仕切り壁52を処理対象水が超えていくこととなるが、仕切り壁52を超える処理対象水の流れにムラができることなく均一に流れるよう、仕切り壁52の上部にVノッチ53を施してもよい。ただし、仕切り壁52の上部にVノッチ53を施す場合にも、仕切り壁52の高さが壁51の高さに比べて低くなるように設置する必要がある。
濾過槽10からあふれて浄化槽20へ流入した処理対象水は、仕切り壁54の高さを仕切り壁52の高さに比べて高くしておくことで、第一の砂層21、反応剤層22、第二の砂層23、砂利層24を順に通過してフッ素が充分に除去された処理水となる。得られた処理水は、すぐには浄化槽外に排出されず、貯留区画58に貯留される。貯留区画58は、反応剤層等が設置されている区画と砂利層で繋がっているが、仕切り壁54と仕切り壁55とに囲まれた区画である。濾過槽から浄化槽への処理対象水の流入が進むにつれて、貯留区画における水位が上昇していく。ここで、仕切り壁55の高さを、仕切り壁54の高さに比べて低くしておく。貯留区画が満水になり処理水があふれると、処理水は処理水槽30へと流入する。処理水槽30は、仕切り壁55と壁57とに囲まれた区画である。ここで、壁57の高さは仕切り壁55の高さに比べて高くしておく。そして、処理水槽内の処理水が配管34から排出される。排出される処理水の流量はバルブ35により調節される。なお、貯留区画からあふれた処理水が処理水槽へと移る際には、仕切り壁55を処理水が超えていくこととなるが、仕切り壁55を超える処理水の流れにムラができることなく均一に流れるよう、仕切り壁55の上部にVノッチ56を施してもよい。ただし、仕切り壁55の上部にVノッチ56を施す場合にも、仕切り壁55の高さが仕切り壁54の高さに比べて低くなるように設置する必要がある。
処理設備をこのような構成とすることによって、濾過槽において、砂利層に供給される処理対象水を濾過槽における水位の上昇と共に砂利層、濾過材層、砂層と順に通過させて濾過し、また、浄化槽において、砂利層を通過した後の処理水を貯留区画に一旦貯留し、浄化槽からの処理水の排出量を調節することができることから、大量の処理対象水を処理する場合であっても、処理対象水が濾過材層及び反応剤層と接触する時間を充分に長くすることが可能であり、流量の変動にも強い処理設備となる。したがって、処理設備を大規模化して大量の処理を行うことも可能である。
上記構成を有することによって、本発明の処理設備は、得られた処理水を再利用して、逆洗水として用いることができる。これにより、処理水の排出量を低減することができる。更に、得られた処理水を逆洗水として使用できるため、コストを削減することもできる。
なお、本発明の処理方法は、これらの工程を含む限り、その他の工程を含んでいてもよい。
処理方法は、上記濾過槽及び浄化槽をそれぞれ1回ずつ通過させるものであってもよいし、浄化槽から排出された処理水を再度濾過槽に供給する、すなわち、上記濾過槽及び浄化槽をそれぞれ2回以上通過させるものであってもよい。
傾胴型重力式ミキサー(容量110L)に、急速濾過用砂(トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2004規格品、有効径:0.6mm、均等係数:1.5以下、最大径2.8mm以下、最小径0.3mm以上」)及びリン酸水素カルシウム二水和物の粉末(太平化学産業社製、「平均粒子径:54μm」(以下、DCPDという。))の合計100質量部当たり、急速濾過用砂を90質量部、DCPDを10質量部の割合で投入し、3分間混合を行って、反応剤を得る。
下記に示す濾過材、砂及び砂利を用いて、濾過槽を作製する。
砂(急速濾過用砂、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2.0mm以下、最小径0.3mm以上」)
砂利(濾過用砂利、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、粒度:4〜8mm、粒度内%:85%以上」)
第二の砂(急速濾過用砂、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2mm以下、最小径0.3mm以上」)
砂利(濾過用砂利、トーケミ社製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、粒度:4〜8mm、粒度内%:85%以上」)
(1)処理対象水が貯留された処理対象水貯留槽31、
(2)濾過槽10、
(3)処理対象水を濾過槽10に供給するための配管33、
(4)処理対象水を濾過槽10に供給するためのポンプ32、
(5)浄化槽20、
(6)処理水槽30、
(7)フッ素が除去された処理水を排出するための配管34、
(8)排出される処理水の流量を調節するバルブ35を備える。
なお、浄化槽20は、貯留区画58を備えている。また、壁51と仕切り壁52との間の距離は50cm、仕切り壁52と仕切り壁54との間の距離は100cm、仕切り壁54と仕切り壁55との間の距離は50cm、仕切り壁55と壁57との間の距離は50cmとなるように設計されている。
また、上記浄化槽は、第一の砂層21を備えるため、処理対象水が濾過槽から流入してきた際の反応剤の飛散を防止することができる。
上記浄化槽は、上記の構成を有することによって、反応剤の飛散、流出を効果的に防止することができ、結果として、処理設備から使用後の反応剤を簡便に、かつ高い回収効率で回収することができる。
上記実施例1の処理設備を用いて、100m3の処理対象水を処理した場合の、処理対象水貯留槽31から配管33への出口(S1)におけるフッ素イオン濃度、及び、処理水槽30から配管34への出口(S2)におけるフッ素イオン濃度をJIS K0102に準拠して測定した。なお、ポンプ32による処理対象水の送水流量は、10L/分とした。測定結果を表1に示す。
処理対象水の処理量を表1に記載した量に変更した以外は、処理例1と同様に処理して、S1、S2におけるフッ素イオン濃度を処理例1と同様に測定した。測定結果を表1に示す。
11:砂利層
12:濾過材層
13:砂層
20:浄化槽
21:第一の砂層
22:反応剤層
23:第二の砂層
24:砂利層
30:処理水槽
31:処理対象水貯留槽
32:ポンプ
33、34:配管
35:バルブ
51、57:壁
52、54、55:仕切り壁
53、56:Vノッチ
58:貯留区画
Claims (10)
- フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理設備であって、
処理対象水を貯留するための処理対象水貯留槽、
濾過材、砂、及び、砂利が収容され、処理対象水貯留槽から供給される処理対象水を濾過するための濾過槽、
反応剤、及び、砂が収容され、濾過槽を通過して供給される処理対象水を浄化するための浄化槽、
前記処理対象水を、処理対象水貯留槽から濾過槽に供給するための配管、及び、
前記処理対象水を浄化槽に通過させて得られた処理水を、浄化槽から排出するための手段を備え、
前記濾過槽において濾過材、砂、及び、砂利は、濾過槽の上部から順に、砂層、濾過材層、及び、砂利層を構成し、
前記処理対象水貯留槽から濾過槽に処理対象水を供給するための配管は、前記砂利層に処理対象水を供給するように設置され、
前記濾過材は、アンスラサイトを含み、
前記浄化槽において反応剤、及び、砂は、浄化槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を構成し、
前記浄化槽は、第二の砂層を通過して得られた処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有し、
前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、
前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、
前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる
ことを特徴とする処理設備。 - 前記浄化槽は、更に第三の砂層を有し、前記第三の砂層は有効径が第二の砂よりも大きい第三の砂からなり、前記第三の砂層は第二の砂層の下に設けられている
請求項1記載の処理設備。 - 前記浄化槽は、第三の砂層を通過した処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有する
請求項2記載の処理設備。 - 前記浄化槽は、更に砂利を収容し、前記砂利からなる砂利層が第二の砂層の下に設けられている
請求項1記載の処理設備。 - 前記浄化槽は、更に砂利を収容し、前記砂利からなる砂利層が第三の砂層の下に設けられている
請求項2記載の処理設備。 - 前記浄化槽は、砂利層を通過した処理水を貯留する少なくとも1つの貯留区画を有する
請求項4または5記載の処理設備。 - 前記粒子(B)は、有効径が0.3〜3.0mmの粒子である請求項1、2、3、4、5又は6記載の処理設備。
- 前記粒子(B)は、均等係数が1.5以下である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の処理設備。
- 前記リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、平均粒子径が10〜100μmである請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の処理設備。
- フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理方法であって、
フッ素を含有する処理対象水を濾過槽内の砂利層に供給する工程、
処理対象水が該濾過槽を、前記砂利層、濾過材層、砂層の順に通過する工程、
該濾過槽を通過した処理対象水を浄化槽に供給する工程、
処理対象水が、該浄化槽内の第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層をこの順に通過する工程、
該第二の砂層を通過して得られた処理水を貯留する工程、
該貯留された処理水を、浄化槽から排出する工程を含み、
前記濾過槽には、濾過材、砂、及び、砂利が収容されており、前記濾過槽において前記濾過材、前記砂、及び、前記砂利は、前記濾過槽の上部から順に、前記砂層、前記濾過材層、及び、前記砂利層を構成し、前記濾過材は、アンスラサイトを含み、
前記浄化槽には、反応剤、及び、砂が収容されており、前記浄化槽において前記反応剤、及び、前記砂は、前記浄化槽の上部から順に、前記第一の砂層、前記反応剤層、及び、前記第二の砂層を構成し、
前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、
前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、
前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる
ことを特徴とする処理方法。
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