JP2013188740A - 反応槽、処理設備、及び、処理方法 - Google Patents

反応槽、処理設備、及び、処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる反応槽を提供する。
【解決手段】フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための反応槽であって、前記反応槽には砂及び反応剤が収容されており、前記砂及び前記反応剤は前記反応槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を構成しており、前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなることを特徴とする反応槽。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための反応槽、及び、該反応槽を備える処理設備、及び、該反応槽を使用してフッ素を除去する方法に関する。
アルミニウムの電解精錬工程、リン酸肥料の製造工程、ステンレス鋼等のピクリング工程、シリコン等の電気部品の洗浄工程から排出される排水や、ごみ焼却場洗煙排水、石炭火力排煙脱硫排水等に含まれるフッ素は、環境への影響を抑えるために除去される。
特許文献1では、フッ素含有排水をフッ素及びカルシウムから構成される種晶と接触させることにより、排水中のフッ素を晶析させて除去するための装置が提案されている。具体的には、カルシウムが共存するとともにフッ素濃度が10〜15mg/Lの低濃度の排水中からフッ素を晶析させて除去するフッ素含有排水の処理装置であって、前記処理装置は、多数の種晶を充填した晶析反応槽と、前記排水を前記晶析反応槽の下方から流入させるとともに処理水の一部を循環させることにより、前記晶析反応槽内に種晶の流動床を形成させる流動手段と、前記晶析反応槽にリン酸を含有する晶析用薬剤を注入する薬剤注入手段と、前記排水又は前記晶析反応槽で処理された処理水のフッ素濃度を測定するフッ素濃度測定手段と、前記フッ素濃度測定手段の測定結果から、前記排水のフッ素濃度に対する前記晶析反応槽で処理された処理水のフッ素濃度の差が所定値を超えない範囲で、前記晶析用薬剤の注入量を制御する注入量制御手段と、前記晶析反応槽内のpHを測定するpH測定手段と、前記pH測定手段の測定値に基づいて前記晶析反応槽内のpHを所定範囲に調整するpH調整手段と、を備えたことを特徴とするフッ素含有排水の処理装置が記載されている。上記種晶としては、ヒドロキシアパタイト及びリン酸カルシウムで構成されたものを使用している。
フッ素を除去するための反応剤として、特許文献2には、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されていることを特徴とする反応剤が記載されている。
特開2005−246318号公報 国際公開第2010/134573号パンフレット
特許文献1に記載の処理装置では、フッ素含有排水をヒドロキシアパタイト及びリン酸カルシウムで構成された種晶と接触させることにより、排水中のフッ素を種晶に晶析させているが、晶析が進行するにつれて種晶が凝固し、透水性が低下するという問題があった。また、種晶が凝固するため、その交換時に反応槽からの抜き出しが困難になるという問題があった。
特許文献2には、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持された反応剤が記載されているが、実際の処理設備に適用するための具体的な形態は開示されていない。
本発明は、上述のような従来の課題を解決して、簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる反応槽を提供することを目的とする。
本発明者等は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための方法について種々検討を行い、処理対象水からフッ素を除去するための反応槽の構成に着目した。そして、反応槽を上部から順に第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を有するものとし、反応剤層に含まれる反応剤をリン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されたもの、第一の砂層を有効径が粒子(B)よりも小さい第一の砂からなるもの、第二の砂層を有効径が粒子(B)よりも小さい第二の砂からなるもの、とすることによって、簡便かつ効率よくフッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去することが可能となるとともに、長期に亘って透水性を確保することができ、更には、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することが可能であることを見出した。このように反応槽として特定の構成を有するものを用いることによって上記課題を見事に解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための反応槽であって、前記反応槽には砂及び反応剤が収容されており、前記砂及び前記反応剤は前記反応槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を構成しており、前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる反応槽である。
本発明の反応槽は、上記構成よりなるものであるため、簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる。
図1は、本発明の反応槽を備える処理設備の一例の概要を示す模式図である。 図2は、作製例1に記載の反応槽の断面模式図である。 図3は、作製例1に記載の処理設備の概要を示す模式図である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の反応槽は、フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための反応槽である。本発明の反応槽には、砂及び反応剤が収容されており、反応槽の上部から注水された処理対象水が下部に向かって流通する過程で反応剤と接触することにより、反応剤にフッ素が固定化されて処理対象水からフッ素が除去される。反応剤との接触により処理対象水からフッ素が除去されて得られる処理水(以下、単に「処理水」ともいう。)は、排水口から排出される。
上記反応槽の形状、大きさ、材質等は特に限定されず、処理対象水の処理量、処理対象水のフッ素イオン濃度(以降、単に「フッ素濃度」ともいう。)等によって、適宜決定すればよい。槽の形状としては、例えば、円筒状、箱状等が挙げられる。槽の材質としては、例えば、プラスチック、塩化ビニール、アクリル、樹脂、金属等が挙げられる。
本発明の反応槽は、上記構成を有するものであるため、反応剤が凝固せず、透水性に優れている。
本発明の反応槽の中には少なくとも3つの層を構成するように砂及び反応剤が収容されており、槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層が設けられている。処理対象水は、第一の砂層、反応剤層、第二の砂層の順に通過して処理される。従って、本発明の反応槽は、簡便かつ効率よく排水中のフッ素を除去することができるとともに、長期に亘って透水性を確保することができ、更に、反応剤の流出を防止することができるため、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる。
例えば、網等を用いて反応剤の流失を防止することも考えられるが、網はしだいに劣化していくし、また、実用的な設備に導入した場合には操作性が悪く、交換作業が困難である。
各層は、隣り合う2層の境界が明確でなくてもよく、隣り合う2つの層の間に、該2つの層を構成する成分が混在する領域が存在していてもよい。例えば、第一の砂層と反応剤層との間に、第一の砂と反応剤とが混在する領域が存在していてもよい。
反応剤層の厚みは特に限定されるものではなく、処理対象水の処理量、処理対象水のフッ素濃度等によって、所望するフッ素除去量が達成されるように適宜設定すればよい。例えば、30cm以上であることが好ましい。
上記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)(但し、リン酸水素カルシウム二水和物(A)の粒子を除く)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されている。粒子(B)はリン酸水素カルシウム二水和物(A)の粉末よりも粒径が大きいことが好ましい。
リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、処理対象水に含まれるフッ素と反応しCa10(POで表されるフルオロアパタイト(フッ素アパタイト)を形成する。このように、除去されるフッ素はフルオロアパタイトとして固定化され不溶化するため、再溶出しない。
フルオロアパタイトは天然のリン鉱石等が主成分であり、本発明の反応槽では、他に有機物質や重金属類等を使用する必要はない。従って、上記反応剤を使用することによって、二次的な環境汚染を引き起こすことなく、簡単な作業で、経済的に、且つ確実に処理対象水のフッ素濃度を低減することができる。
上記反応剤では、フッ素の除去効率を向上させるためにリン酸水素カルシウム二水和物(A)の微粉末を選択した場合であっても、比較的粒子径の大きな粒子(B)を選択し、リン酸水素カルシウム二水和物(A)をそれに担持させることによって、反応剤の粒径を大きくすることができるため、反応剤がダマ(凝集物)になりにくく、透水性に優れる反応剤層を形成することができる。リン酸水素カルシウム二水和物の粉末を単独で用いた場合、その粒子径に関わらず、リン酸水素カルシウム二水和物の粉末が凝固し、透水性が低下し、その傾向は粒子径が小さいほど顕著である。
また、上記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とから構成されていることから、リン酸水素カルシウム二水和物を単独で用いた場合と比較して、リン酸水素カルシウム二水和物の粒子同士が化学的に結合することも抑制できる。
上記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)を粒子(B)に担持させたものであるため、飛散しにくく、取り扱い性にも優れる。
上記のことから、上記反応剤を用いることによって、透水性を低下させずにリン酸水素カルシウム二水和物(A)の粒径を小さくすることができる。そのため、効率よく排水中のフッ素を除去することができ、結果として、長期に亘って処理水中のフッ素濃度を低下させることができる。更に、使用後の反応剤を簡便かつ高い回収率で回収することができる。
上記反応剤は、粒子(B)100質量部に対して、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が1〜100質量部であることが好ましい。上記範囲に設定することによって、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に効率よく担持され、より透水性、フッ素除去性に優れる反応剤となる。より好ましくは、粒子(B)100質量部に対して、リン酸水素カルシウム二水和物(A)5〜50質量部であり、更に好ましくは、7〜15質量部である。
リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、粉末であることが好ましく、その平均粒子径が10〜100μmであることがより好ましい。上記範囲の平均粒子径であることによって、効率的にリン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されるとともに、フッ素除去性に優れる反応剤となる。
上記リン酸水素カルシウム二水和物(A)の平均粒子径は、日機装株式会社製のマイクロトラック9320HRAを用いて、レーザー回折錯乱法により測定することができる。
リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、粒子表面を活性化したものであることも好ましい形態の一つである。処理対象水中のフッ素を固定化して不溶化する作用は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)の粉末状粒子を水に懸濁処理して、その粒子表面を活性化するとより増大する。
粒子(B)は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)を担持可能な粒子である。リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されることによって、透水性、フッ素除去性に優れる反応剤とすることができる。
粒子(B)としては、例えば、一般的に水の浄化に用いられる濾過砂、濾過砂利等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。粒子(B)として、砂を用いることが好ましい。
粒子(B)は、有効径が0.3〜3.0mmであることが好ましい。有効径は、0.4〜1.0mmであることがより好ましく、0.5〜0.6mmであることが更に好ましい。有効径が上記範囲であることによって、反応剤の透水性及びフッ素除去性がより優れる。
上記有効径は、粒子(B)をふるいわけして総質量の10質量%が通過するふるい目の大きさに相当する粒径である。具体的には、標準網ふるい器(JIS Z8801、呼び寸法:0.3〜3.0mm、ふるい器の大きさ:φ200、深さ:45mm)を用いて手動でふるい分け試験を行い、総質量の10質量%が通過するふるい目の大きさに相当する粒径である。
上記粒子(B)は、実質的に、粒子径が0.3〜3.0mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜3.0mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、粒子(B)としては、粒子(B)全体の90質量%以上の粒子が0.3〜3.0mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は99質量%以上であり、更に好ましい比率は99.9質量%以上である。粒子(B)は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が3.0mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が効率的に担持されるため、より透水性、含フッ素化合物の除去性に優れる反応剤とすることができる。粒子(B)は、実質的に、粒子径が2.8mmを超える粒子を含まない、すなわち、粒子(B)全体の90質量%以上の粒子が2.8mmを超える粒子径を有さない、ことが最も好ましい。
上記粒子(B)の粒子径は、標準網ふるい器(JIS Z8801、呼び寸法:0.3〜3.0mm、ふるい器の大きさ:φ200、深さ:45mm)を用いて手動でふるい分け試験を行い求めることができる。例えば、粒子径が2.8mmを超える粒子を含まないようにする場合には、呼び寸法2.8mmのふるい器を用いる。
上記粒子(B)は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、効率的にリン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持され、より透水性に優れ、かつフッ素の除去性に優れる反応剤とすることができる。
上記粒子(B)の均等係数は、JWWA A103−1:2004に沿って測定することができる。
上記反応剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望によりリン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)以外の成分を含むものであってもよいが、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)が合計で99質量%以上を占めるものが好ましい。
上記反応剤は、粉末状のリン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを混合することにより得ることができる。
反応剤の製造方法は特に限定されないが、例えば、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を、傾胴型重力式ミキサーを用いて混合する工程を含む製造方法により製造することができる。
傾胴型重力式ミキサーは、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を混合するための混合容器が傾胴機構に取り付けられたものであり、一般的に傾胴型重力式ミキサーと称されるものであればよい。傾胴機構とは、上記混合容器を傾斜させるための機構である。
傾胴型重力式ミキサーの形態としては、例えば、截頭円錐形状の容器を合体させ、一端部を開口させると共に、他端部を閉塞させた混合容器を傾胴機構に取り付け、該混合容器の内周壁に混合するための羽根を取り付けたもの等が挙げられる。上記混合容器は、回転可能であることが好ましい。
上記リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を混合する場合、通常、傾胴機構を作動させてドラムの開口部を上方に向け、混合容器を一定方向に回転させながらリン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を投入する。投入された各材料は羽根により持ち上げられては下方に落とされるという動作が繰り返されて混合される。
傾胴型重力式ミキサーは、投入された材料の挙動によって混合が促進されるため、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持された状態を良好に保持しながら混合することができる。そのため、上記反応剤の製造に特に優れた効果を発揮する。
上記反応剤の製造方法としては、リン酸水素カルシウム二水和物(A)及び粒子(B)を傾胴型重力式ミキサーの混合容器中に入れ、必要に応じて水を添加し、混合することが好ましい。
本発明の反応槽に収容される砂としては、処理対象水と反応しない不活性なものであることが好ましい。また、次に挙げる特性の少なくとも1つを満たすものであることが好ましく、次に挙げる特性の全てを満たすものであることがより好ましい。
(1)ごみ、粘土質等の不純物、又は、偏平若しくは脆弱な砂等を多く含まず、石英質を多く含有し、堅く均等である、(2)砂鉄や脆弱な砂等の含有量が少ない、(3)洗浄濁度が30度以下である、(4)比重(密度)が、2.57〜2.67(g/cm)である、(5)強熱減量が、0.75%以下である、(6)摩滅率が、3%以下である、(7)鉄及び鉄含有化合物の含有量が、0.03(mg/L)以下である、(8)マンガン及びマンガン含有化合物の含有量が、0.005(mg/L)以下である、(9)塩酸可溶率が、3.5%以下である。
上記砂の特性は、日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006に準拠して測定することができる。
第一の砂層は、有効径が粒子(B)よりも小さい第一の砂からなる。第一の砂の有効径が、粒子(B)よりも小さいことで、反応剤の飛散を防止することができる。これにより、使用後の反応剤を回収する効率が向上する。
第一の砂の有効径は、粒子(B)の有効径よりも小さいものであれば限定されないが、例えば、0.3〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.6mmであることがより好ましい。
第一の砂は、実質的に、粒子径が0.3〜0.6mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜0.6mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、第一の砂としては、第一の砂全体の90質量%以上の粒子が0.3〜0.6mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。第一の砂は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が0.6mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、反応剤の飛散をより効果的に防止することができる。
第一の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、反応剤の飛散をより効果的に防止することができる。
なお、第一の砂の有効径、粒子径及び均等係数は、粒子(B)と同じ方法で測定することができる。
第一の砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により第一の砂以外の成分を含むものであってもよいが、第一の砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
第一の砂層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、反応剤層よりも小さく設定される。反応剤の飛散を効率的に防止する観点から、1cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、反応槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、10cm以下であることが好ましい。
第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる。第二の砂の有効径が、粒子(B)よりも小さいことで、反応剤層を構成する反応剤が反応槽から流出することを抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
第二の砂の有効径は、粒子(B)の有効径よりも小さいものであれば限定されないが、例えば、0.3〜1.0mmであることが好ましく、0.3〜0.6mmであることがより好ましい。上記範囲に設定することで、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
第二の砂は、実質的に、粒子径が0.3〜0.6mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.3〜0.6mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、第二の砂としては、第二の砂全体の90質量%以上の粒子が0.3〜0.6mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。第二の砂は、粒子径が0.3mm未満である粒子を含まず、粒子径が0.6mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
第二の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
なお、第二の砂の有効径、粒子径及び均等係数は、粒子(B)と同じ方法で測定することができる。
第二の砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により第二の砂以外の成分を含むものであってもよいが、第二の砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
第二の砂層の厚みは特に限定されるものではないが、通常、反応剤層よりも小さく設定される。反応剤の流出を効率的に防止する観点から、5cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、反応槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、30cm以下であることが好ましい。
本発明の反応槽は、上記構成を有することによって、反応剤の流出を防止することができ、結果として、使用後の反応剤の回収効率を向上させることができる。
本発明の反応槽は、更に第三の砂層を有することが好ましく、該第三の砂層が第二の砂層の下に設けられることがより好ましい。そして、第三の砂層は、有効径が第二の砂よりも大きい第三の砂からなることが好ましい。第三の砂の有効径が、第二の砂よりも大きいことで、第二の砂層を構成する第二の砂の流出を抑制することができ、ひいては、反応剤の流出を抑制することができる。これにより、使用後の反応剤の回収効率を更に高めることができる。
第三の砂の有効径は、第二の砂の有効径よりも大きいことが好ましいが、その範囲としては特に限定されず、例えば、0.5〜3.0mmであることが好ましく、0.6〜1.0mmであることがより好ましい。上記範囲に設定することで、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
第三の砂は、実質的に、粒子径が0.5〜3.0mmの粒子であることが好ましく、実質的に粒子径が0.5〜3.0mmの粒子のみからなることがより好ましい。すなわち、第三の砂としては、第三の砂全体の90質量%以上の粒子が0.5〜3.0mmの粒子径を有するものであることが好ましく、より好ましい比率は95質量%以上であり、更に好ましい比率は99質量%以上である。第三の砂は、粒子径が0.5mm未満である粒子を含まず、粒子径が3.0mmを超える粒子を含まないことが特に好ましい。粒子径が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
第三の砂は、均等係数が1.5以下であることが好ましい。均等係数が上記範囲であることによって、反応剤の流出をより抑制することができ、使用後の反応剤の回収効率を高めることができる。
なお、第三の砂の有効径、粒子径及び均等係数は、粒子(B)と同じ方法で測定することができる。
第三の砂層は、本発明の目的を損なわない範囲で、所望により第三の砂以外の成分を含むものであってもよいが、第三の砂が合計で90質量%以上を占めるものが好ましい。
第三の砂層の厚みは特に限定されるものではないが、反応剤層よりも小さく設定されることが好ましい。反応剤の流出を効率的に防止する観点から、5cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、反応槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、50cm以下であることが好ましい。
本発明の反応槽は、更に砂利が収容されたものであることが好ましく、上記砂利から構成される砂利層が第二の砂層の下、又は、本発明の反応槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層の下、に設けられたものであることがより好ましい。上記砂利層が積層されたものであることによって、第二の砂層を構成する第二の砂、又は、本発明の反応槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を構成する第三の砂、が流出することを抑制することができ、ひいては、反応剤が反応槽から流出することを抑制することができる。砂利は、第二の砂、又は、本発明の反応槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂、よりも粒子径が大きいことが好ましい。
砂利層は、粒度が2〜50mmである砂利からなるものであることが好ましい。上記粒度の砂利層を有することによって、第二の砂層を構成する第二の砂、又は、本発明の反応槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を構成する第三の砂、が流出することをより抑制することができ、ひいては、反応剤が反応槽から流出することを抑制することができる。これにより、反応剤の回収効率をより高めることができる。反応剤の回収効率をより高める観点から、砂利の粒度は2〜20mmであることが好ましく、2〜12mmであることが更に好ましい。
砂利の粒度は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
本発明の反応槽に収容される砂利としては、処理対象水と反応しない不活性なものであることが好ましい。また、次に挙げる特性の少なくとも1つを満たすものであることが好ましく、次に挙げる特性の全てを満たすものであることがより好ましい。
(1)ごみ、粘土質等の不純物、又は、偏平若しくは脆弱な粒子等を多く含まず、堅く丸みがある、(2)洗浄濁度が30度以下である、(3)最長軸が最短軸の5倍以上である砂利粒子が砂利粒子全体に対して2重量%以下である、(4)比重が、表面乾燥飽和状態で2.50(g/cm)以上である、(5)塩酸可溶率が、3.5%以下である。
上記砂利の特性は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
上記砂利は、粒度内%が85%以上であることが好ましく、より好ましくは、95%以上である。砂利が上記粒度内%を有することによって、第二の砂層を構成する第二の砂、又は、本発明の反応槽が第三の砂層を有する場合には第三の砂層を構成する第三の砂、が反応槽から流出することをより抑制することができ、ひいては、反応剤が反応槽から流出することを抑制することができる。これにより、反応剤の回収効率をより高めることができる。
砂利の粒度内%は、日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006に準拠して測定することができる。
砂利層の厚みは特に限定されるものではないが、反応剤層よりも小さく設定されることが好ましい。反応剤の流出を効率的に防止する観点から、5cm以上であることが好ましい。厚みの上限には、特に制限はないが、反応槽から使用後の反応剤を簡便に回収することができる点で、30cm以下であることが好ましい。
次に、上記反応槽を備える本発明の処理設備について詳述する。本発明の処理設備は、上述した反応槽を備えることから、簡便に且つ経済的に、フッ素が充分に除去された処理水を得ることができ、かつ使用後の反応剤を高効率で回収することができる。
本発明の処理設備は、処理対象水を貯留するための処理対象水貯留槽、上記反応槽、処理対象水を処理対象水貯留槽から反応槽に供給するための配管、及び、処理対象水を反応槽に通過させて得られた処理水を反応槽から排出するための配管を備える。
処理対象水貯留槽は、処理対象水を貯留するための槽である。処理対象水貯留槽に貯留された処理対象水は、配管を通して、反応槽に供給される。処理対象水貯留槽の容積、深さ、材質等は特に限定されず、処理対象水の量、処理対象水のフッ素濃度、処理設備の規模等から適切に設定すればよい。
処理対象水を処理対象水貯留槽から反応槽に供給するための配管は、処理対象水を処理対象水貯留槽から反応槽へ供給することができればその態様は特に限定されず、処理対象水貯留槽と反応槽とを繋ぐものであってもよいし、反応槽とは直接接触せずに、上部の開口した反応槽の上方に配管の一端を設置し、そこから処理対象水を反応槽に供給することができるものであってもよい。また、配管の途中に処理対象水を送るためのポンプ等が介在していてもよい。
反応槽は、本発明の反応槽の構成を有している限り、その態様は特に限定されず、本発明の処理設備としては、例えば、後述する作製例1において用いられる処理設備(図3)のような態様であって、反応槽の砂利層を通過した処理水が配管から排出されるものであってもよいし、後述する処理設備(図1)のような態様であって、反応槽の砂利層を通過した処理水がすぐに配管から排出されず、一旦反応槽内の少なくとも1つの区画に貯留されるものであってもよい。
処理水を反応槽から排出するための配管は、通常、処理水を処理設備の外部へ排出するためのものであるが、その態様は特に限定されない。例えば、配管の途中に排水する流量を調節するバルブ等が介在していてもよいし、後述するように、配管の途中で逆洗水貯留槽に処理水を貯水するための配管に接続されていてもよい。また、処理水を逆洗水として送るためのポンプ等を備えていてもよい。
ここで、本発明の処理設備の一例を、図を示して更に詳細に説明する。
本発明の反応槽を備える処理設備の一例の概要を模式的に示した図が図1である。
図1に示す処理設備では、処理対象水貯留槽21からポンプ22を介し、配管18を通って処理対象水が上部の開口した反応槽10に供給される。その際、配管と反応槽とは直接接触せず、上部の開口した反応槽の上方に配管の一端が設置されそこから処理対象水が反応槽に供給される。反応槽に供給された処理対象水は、第一の砂層、反応剤層、第二の砂層、砂利層を順に通過してフッ素が充分に除去され処理水となる。得られた処理水は、すぐには反応槽外に排出されず、第一の区画16に貯留される。反応槽への処理対象水の供給が進むにつれて、第一の区画における水位が上昇していく。ここで、第一の区画と第二の区画17とを仕切る仕切り壁32の高さを、第一の区画と反応剤層等が設置されている区画とを仕切る仕切り壁31の高さに比べて低くしておく。第一の区画が満水になり処理水があふれると、処理水は第二の区画へと流入する。そして、第二の区画の処理水が配管19から排出される。排出される処理水の流量はバルブ33により調節される。なお、第一の区画からあふれた処理水が第二の区画へと移る際には、第一の区画と第二の区画とを仕切る仕切り壁32を処理水が超えていくこととなるが、仕切り壁32を超える処理水の流れにムラができることなく均一に流れるよう、仕切り壁32の上部にVノッチ34を施してもよい。ただし、仕切り壁32の上部にVノッチ34を施す場合にも、仕切り壁32の高さが仕切り壁31の高さに比べて低くなるように設置する必要がある。
処理設備をこのような構成とすることによって、砂利層を通過した後の処理水を第一の区画及び第二の区画に一旦貯留し、反応槽からの処理水の排出量を調節することができることから、処理対象水が反応剤層と接触する時間を充分に長くすることが可能である。また、設備を大規模化することも可能である。
このように、本発明の処理設備が、更に、反応槽内に、少なくとも1つの処理水を貯留する区画を有することも好ましい形態の一つである。
本発明の処理設備は、更に、逆洗水を貯留するための逆洗水貯留槽、反応槽から排出された処理水を逆洗水貯留槽に供給するための配管、及び、逆洗水貯留槽に貯留された処理水を反応槽に供給するための配管を備えることも好ましい形態の一つである。
上記構成を有することによって、本発明の処理設備は、得られた処理水を再利用して、逆洗水として用いることができる。これにより、処理水の排出量を低減することができる。更に、得られた処理水を逆洗水として使用できるため、コストを削減することもできる。
逆洗水貯留槽は、逆洗水を貯留するための槽であり、その態様は特に限定されず、逆洗水貯留槽の容積、深さ、材質等は、逆洗水の使用量、反応槽の規模、処理設備の規模等から適切に設定すればよい。
反応槽から排出された処理水を逆洗水貯留槽に供給するための配管は、例えば、上述した処理水を反応槽から排出するための配管に接続されたものである。その態様は特に限定されず、処理水の量、逆洗水貯留槽の構成、規模等を考慮して、適切に設定すればよい。例えば、配管の途中に、処理水を送るためのポンプ等を備えるものであってもよい。
本発明の処理方法は、フッ素を含有する処理対象水を上記反応槽に通過させて、該処理対象水中のフッ素を除去する工程を含むものである。
上記反応槽にフッ素を含有する処理対象水を通過させることで、処理対象水と反応剤とが接触し、処理対象水中のフッ素が除去される。処理方法は、上記反応槽を1回通過させるものであってもよいし、反応槽から排出された処理水を再度反応槽に通過させる、すなわち、上記反応槽を2回以上通過させるものであってもよい。
本発明の処理方法は、フッ素濃度が0.8mg/L以下の処理水を回収する工程を含むものであってもよい。上記反応剤は透水性及び反応効率に優れるため、処理対象水に含有されているフッ素を効率よく除去し、水中のフッ素濃度を0.8mg/L以下にできる。
本発明の処理方法によれば、リン酸水素カルシウム二水和物(A)1gあたりのフッ素固定化量を1mg−F/g以上、好ましくは10mg−F/g以上とすることができる。
本発明の処理方法は、処理対象水にカルシウムイオンを添加してフッ化カルシウム(CaF)を生成させる工程、及び、生成したフッ化カルシウムを除去してフッ素イオン濃度が低減された処理対象水を回収する工程を含むものであってもよい。これらの工程はフッ素を含有する処理対象水を上記反応槽に通過させて、該処理対象水中のフッ素を除去する工程の前に行うことが好ましい。これらの工程は、比較的低コストであるカルシウム化合物を使用するため、特に処理対象水のフッ素イオン濃度が高い場合にコストを削減できる。上記カルシウムイオンは、消石灰(Ca(OH))、炭酸カルシウム(CaCO)、塩化カルシウム(CaCl)等のカルシウム化合物として添加されることが好ましい。
得られた処理水は、フッ素が充分に除去されたものとなり、フッ素濃度が低く(例えば0.8mg/L以下)、環境基準を満たすものとなる。
処理対象水のフッ素含有量は特に限定されず、含有量が少なくても、また、多くても優れたフッ素除去能を発揮することができるが、例えば、0.1mg/L以上であることが好ましい。本発明の効果をより発揮する観点からは、0.8mg/Lを超えるものであることがより好ましい。
本発明において、フッ素含有水中のフッ素イオン濃度は、JIS K0102に準拠した方法により測定することができる。
処理対象水としては、フッ素を含有する水(フッ素含有水)であれば特に限定されず、例えば、工場排水、温泉水、河川の水等が挙げられる。工場排水としては、シリコンウェハ製造工場、半導体製造工場等から排出されるフッ素含有排水、金属工場から排出される酸洗排水、アルミニウム表面処理排水、フッ酸製造排水、肥料製造排水、ごみ焼却排水等が挙げられる。
処理対象水は、フッ素イオンの高い除去効率が得られる点で、pHが3以上であることが好ましい。従って、本発明の処理方法によって得られる処理水(以下、単に「処理水」ともいう。)もpHが3以上であることが好ましい。上記pHはいずれも4以上であることがより好ましい。上記処理対象水又は処理水のpHが3未満である場合、若しくは、各工程中にpHが3未満となる場合、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等でpHを3以上に調整してもよい。
また、上記処理対象水及び処理水は、pHが11以下であることが好ましい。pHが11を超えると、リン酸水素カルシウム二水和物(A)とフッ素イオンとの反応が進行しにくくなるおそれがある。上記処理対象水又は処理水のpHが11を超える場合、若しくは、各工程中にpHが11を超える場合、塩酸等でpHを11以下に調整してもよい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(製造例1)
傾胴型重力式ミキサー(容量110L)に、急速濾過用砂((株)トーケミ製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2004規格品、有効径:0.6mm、均等係数:1.5以下、最大径2.8mm以下、最小径0.3mm以上」)及びリン酸水素カルシウム二水和物の粉末(太平化学産業(株)製、「平均粒子径:54μm」(以下、DCPDという。))の合計100質量部当たり、急速濾過用砂を90質量部、DCPDを10質量部の割合で投入し、3分間混合を行って、反応剤を得る。
(作製例1)
製造例1で得られた反応剤と下記に示す砂及び砂利を用いて、反応槽を作製する。
第一の砂(急速濾過用砂、(株)トーケミ製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2mm以下、最小径0.3mm以上」)
第二の砂(急速濾過用砂、(株)トーケミ製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:0.5mm、均等係数:1.5以下、最大径2mm以下、最小径0.3mm以上」)
第三の砂(急速濾過用砂、(株)トーケミ製、「日本水道協会規格 JWWA A103−1:2006規格品、有効径:1mm、均等係数:1.5以下、最大径2.8mm以下、最小径0.5mm以上」)
砂利(濾過用砂利、(株)トーケミ製、「日本水道協会規格 JWWA A103−4:2006規格品、粒度:4〜8mm、粒度内%:85%以上」)
反応槽として、容積22.6L、内径12cm、高さ200cmのアクリル製容器を用いた。この反応槽は、処理対象水を反応槽内に供給するための配管及び処理対象水が反応槽を通過して得られる処理水を反応槽から排出するための配管を備えている。
上記反応槽に、砂利(1kg)、第三の砂(2kg)、第二の砂(1kg)反応剤(5kg)及び第一の砂(0.5kg)をこの順に投入し、図2に示す反応槽を得る。反応槽10には上部から順に、第一の砂層11(2cm)、反応剤層12(30cm)、第二の砂層13(5cm)、第三の砂層14(10cm)、及び、砂利層15(5cm)が設けられている。
以下に、上記反応槽を備える処理設備を用いて、フッ素を含有する処理対象水を処理する方法について説明する。
図3に示すように、処理設備は、
(1)処理対象水が貯留された処理対象水貯留槽21、
(2)反応槽10、
(3)処理対象水を反応槽10に供給するための配管18、
(4)処理対象水を反応槽10に供給するためのポンプ22、
(5)処理対象水が反応槽10を通過し、処理対象水中のフッ素と反応槽10中の反応剤とが反応することによりフッ素が除去された処理水を反応槽10から排出するための配管19、
(6)逆洗水貯留槽24、
(7)処理水を逆洗水貯留槽24に供給するために、配管19から分岐した配管29、
(8)逆洗水貯留槽24に貯留された逆洗水(処理水)を反応槽10に供給するために配管19に接続された配管28、
(9)逆洗水を反応槽10に供給するためのポンプ23、及び、
(10)水道水等の水を逆洗水貯留槽24に供給するための配管25を備える。
処理対象水は、処理対象水貯留槽21から配管18を通って反応槽10に供給される。反応槽10の上部から供給された処理対象水は、反応槽10内の第一の砂層11、反応剤層12、第二の砂層13、第三の砂層14、及び砂利層15をこの順に通過する。処理対象水に含有されるフッ素は、反応剤層12を通過する際に反応剤と反応し、フルオロアパタイトを形成する。これにより、処理対象水中のフッ素が除去された処理水が得られる。
効率的に使用後の反応剤を回収するためには、反応剤が反応槽10から流出することを防止する必要がある。作製例1の反応槽10は、反応剤層12の下に第二の砂層13を備えることによって、反応剤の流出を効果的に防止することができる。更に、第三の砂層14及び砂利層15を備えることで、反応剤の流出を防止する効果がより一層高められる。
また、上記反応槽は、第一の砂層を備えるため、処理水が注水された際の反応剤の飛散を防止することができる。
上記反応槽は、上記の構成を有することによって、反応剤の飛散、流出を効果的に防止することができ、結果として、使用後の反応剤を簡便に、かつ高い回収効率で回収することができる。
得られた処理水は、配管19から排出される。処理水は配管19を通して処理設備外へ排出してもよいし、処理水の一部又は全部を配管29を通して逆洗水貯留槽24に貯留して、逆洗水としてもよい。逆洗水は、反応槽10を洗浄する際に配管28を通して反応槽10に供給され、反応槽10の洗浄等に使用される。
逆洗水貯留槽24には、水道水等の水を配管25を通して貯留してもよく、これも逆洗水として使用される。
回収した処理水を逆洗水として使用することによって、処理水の排出量を低減することができる。
(実施例1)
作製例1の処理設備の処理対象水貯留槽21に、フッ素イオン濃度3mg/L(S1)の処理対象水を500L投入し、反応槽10へ処理対象水を供給する速度(通水流量)を20L/時間に設定して、処理対象水を処理した。反応槽10から排出された処理水(配管19中の処理水)を一部採取し、そのフッ素イオン濃度(S2)を測定したところ、0.1mg/Lであった。
フッ素イオン濃度の測定は、JIS K0102に準拠して行った。
(実施例2〜8)
処理対象水貯留槽21に投入するフッ素イオン濃度3mg/L(S1)の処理対象水の量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様に、処理し、処理後の処理水のフッ素イオン濃度(S2)を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2013188740
本発明の反応槽及び処理設備は、上記構成よりなるものであるため、フッ素を含有する水が生成される分野において好適に利用可能である。
10:反応槽
11:第一の砂層
12:反応剤層
13:第二の砂層
14:第三の砂層
15:砂利層
16:第一の区画
17:第二の区画
18、19、25、28、29:配管
21:処理対象水貯留槽
22、23:ポンプ
24:逆洗水貯留槽
31、32:仕切り壁
33:バルブ
34:Vノッチ

Claims (11)

  1. フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための反応槽であって、
    前記反応槽には砂及び反応剤が収容されており、前記砂及び前記反応剤は前記反応槽の上部から順に、第一の砂層、反応剤層、及び、第二の砂層を構成しており、
    前記反応剤は、リン酸水素カルシウム二水和物(A)と粒子(B)とを含み、リン酸水素カルシウム二水和物(A)が粒子(B)に担持されており、
    前記第一の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第一の砂からなり、
    前記第二の砂層は、有効径が前記粒子(B)よりも小さい第二の砂からなる
    ことを特徴とする反応槽。
  2. 更に第三の砂層を有し、前記第三の砂層は有効径が第二の砂よりも大きい第三の砂からなり、前記第三の砂層は第二の砂層の下に設けられている
    請求項1記載の反応槽。
  3. 更に砂利が収容されており、前記砂利からなる砂利層が第二の砂層の下に設けられている
    請求項1記載の反応槽。
  4. 更に砂利が収容されており、前記砂利からなる砂利層が第三の砂層の下に設けられている
    請求項2記載の反応槽。
  5. 粒子(B)は、有効径が0.3〜3.0mmの粒子である請求項1、2、3又は4記載の反応槽。
  6. 粒子(B)は、均等係数が1.5以下である請求項1、2、3、4又は5記載の反応槽。
  7. リン酸水素カルシウム二水和物(A)は、平均粒子径が10〜100μmである請求項1、2、3、4、5又は6記載の反応槽。
  8. フッ素を含有する処理対象水からフッ素を除去するための処理設備であって、
    処理対象水を貯留するための処理対象水貯留槽、
    請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の反応槽、
    前記処理対象水を、処理対象水貯留槽から反応槽に供給するための配管、及び、
    前記処理対象水を反応槽に通過させて得られた処理水を、反応槽から排出するための配管を備える
    ことを特徴とする処理設備。
  9. 更に、反応槽内に、少なくとも1つの処理水を貯留する区画を有する
    請求項8記載の処理設備。
  10. 更に、逆洗水を貯留するための逆洗水貯留槽、
    反応槽から排出された処理水を、逆洗水貯留槽に供給するための配管、及び、
    逆洗水貯留槽に貯留された処理水を、反応槽に供給するための配管を備える
    請求項8又は9記載の処理設備。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の反応槽に、フッ素を含有する処理対象水を通過させて、該処理対象水中のフッ素を除去する工程を含む
    ことを特徴とする処理方法。
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