JP5913997B2 - エアスライド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レール上を非接触で移動するスライダを備えたエアスライド装置に関し、特に、レール上におけるスライダの走行安定性が高く、かつ小型・軽量化に適したエアスライド装置の構造に関する。
特許文献1には、軽量の支持対象であっても、これを安定して非接触で支持することができる静圧気体軸受が開示されている。この静圧気体軸受は、支持対象と非接触にて対面する支持面に、それぞれ多数の細孔が形成された第一および第二の多孔面と、第一の多孔面に対して第二の多孔面を隔離する隔壁の端面と、を有している。そして、第一の多孔面の各細孔には、開口から圧縮空気を吐き出すための圧縮空気供給用ポンプが連結されており、第二の多孔面の各細孔には、開口に空気を吸い込むための空気吸引用ポンプが連結されている。また、第二の多孔面は、第一の多孔面と実質的に面一になっている。
このような構造により、特許文献1に記載の静圧気体軸受は、圧縮空気供給用ポンプによる第一の多孔面からの圧縮空気の吐き出しと、空気吸引用ポンプによる第二の多孔面への空気の吸い込みと、自重もしくは支持対象の重さとのバランスによって、軽量の支持対象であっても、これを安定して非接触で支持することができる。
特開2005−214290号公報
支持対象を搭載するためのスライドプレートを具備したスライダにエアベアリングを取り付けて、エアベアリングの支持面をレール表面と対面させることにより、スライダが非接触でレール上を移動するエアスライド装置が知られている。このようなエアスライド装置に、特許文献1に記載の静圧気体軸受を用いた場合、次のような問題が生じる。
すなわち、特許文献1に記載の静圧気体軸受では、第二の多孔面への空気の吸い込みによりスライドプレートを引き寄せるものであるため、スライドプレートを大気圧以上の力でレール表面に引き寄せることができない。このため、特許文献1に記載の静圧気体軸受は、剛性が低く、例えばスライドプレートに外力が加わり、負荷変動が生じると、レール上におけるスライダの走行が不安定になる可能性がある。
また、特許文献1に記載の静圧気体軸受では、空気の吸い込みによりスライドプレートをレール表面に引き寄せるための第二の多孔面を、圧縮空気の吹き出しによりスライドプレートをレール表面上に浮上させるための第一の多孔面を備えたエアベアリング上に形成している。このため、レールの寸法精度の影響を吸収するために、エアベアリングとスライドプレートとの間にガタをもたせて、エアベアリングをスライドプレートへ取り付けた場合において、スライダを水平方向へ移動させると、スライドプレートの自重のみがガタを吸収する力として働き、第二の多孔面のスライドプレートをレール表面に引き寄せる力はガタを吸収する力としては働かない。したがって、スライドプレートの自重より大きな力が加わった場合、スライドプレートがレール表面に対してガタ付く可能性がある。
また、スライダを鉛直方向に移動させると、スライダを水平方向に移動させる場合に比べて、スライドプレートの自重によるガタを吸収する力が弱くなるので、スライドプレートがレール表面に対してガタ付く可能性がさらに大きくなる。
したがって、特許文献1に記載の静圧気体軸受では、スライドプレートの自重がガタ付きを解消する方向に働くような使用環境下では、レール上におけるスライダをある程度安定的に走行させることが可能であるが、スライドプレートの自重がガタ付きを解消する方向に働かないような使用環境下では、レール上におけるスライダの走行が不安定になる可能性がある。
また、特許文献1に記載の静圧気体軸受では、第一の多孔面の開口から圧縮空気を吐き出すための圧縮空気供給用ポンプとは別に、第二の多孔面の開口に空気を吸い込むための空気吸引用ポンプが必要となる。このため、エアスライド装置が大型化・重量化する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スライダを高い精度ならびに高い安定性をもって走行させることが可能性で、かつ小型・軽量化に適した構造を有するエアスライド装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、磁性を帯びたスライダ案内面を有する相手部材を用いるとともに、スライダ案内面に沿って走行するスライダに、スライダ案内面をスライダに相対的に引き寄せるための磁力を発生する磁力発生手段と、この磁力発生手段とは別体の静圧気体軸受と、を取り付けた。
例えば、本発明は、相手部品に対して非接触で移動するスライダを備えたエアスライド装置であって、
前記相手部品は、スライダ進行方向に対して垂直な方向において互いに異なる角度を有する磁性を帯びた二つのスライダ案内面を備え、
前記スライダは、
前記二つのスライダ案内面のうちの一方のスライダ案内面と対面する第一の面、および、他方のスライダ案内面と対面する第二の面を備えたスライドプレートと、
前記第一の面に固定して取り付けられ、前記第一の面と対面する前記一方のスライダ案内面を引き寄せる磁力を発生させる第一の磁力発生手段と、
前記第二の面に固定して取り付けられ、前記第二の面と対面する前記他方のスライダ案内面を引き寄せる磁力を発生させる第二の磁力発生手段と、
前記スライダ進行方向において前記第一の磁力発生手段を挟むように前記第一の面に固定して取り付けられ、前記一方のスライダ案内面と非接触で対面する支持面を有する複数の第一の静圧気体軸受と、
前記スライダ進行方向において前記第二の磁力発生手段を挟むように前記第二の面に取り付けられ、前記他方のスライダ案内面と非接触で対面する支持面および当該支持面と前記他方のスライダ案内面との隙間を均一に保つための調芯手段を有する複数の第二の静圧気体軸受と、を備える
本発明によれば、静圧気体軸受の相手部材として、磁性を帯びたスライダ案内面を有する部材を用い、静圧気体軸受とは別体の磁力発生手段が発生する磁力により、磁性を帯びたスライダ案内面を静圧気体軸受の支持面に相対的に引き寄せる。このため、相手部材を引き寄せる力が大気圧以下に制限される空気吸引の場合に比べて、突然の負荷変動に対する影響を低減可能な高剛性を有する静圧気体軸受を実現することができ、スライダあるいは静圧気体軸受の突然の負荷変動が生じても、スライダ案内面上におけるスライダの走行安定性を保持することができる。
また、本発明によれば、静圧気体軸受とは別体として磁力発生手段を設けているので、スライダに磁力発生手段を直接固定する等により、磁力発生手段をスライダにガタなく取り付けることができる。このため、スライダが相手部材のスライダ案内面に対してガタ付くのを防止できる。したがって、静圧気体軸受のスライダへの取り付けに構造上ガタがある場合でも、スライダ案内面上におけるスライダの走行安全性を高精度で保持することができる。
また、本発明によれば、空気吸引用ポンプが不要となるので、エアスライド装置全体を小型・軽量化することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係るエアスライド装置1の外観図である。 図2(A)、(B)、(C)は、スライダ3の正面図、底面図、右側面図であり、図2(D)は、第二の磁力発生部6Bに代えてこの変形例6’Bを用いた場合における図2(B)に示すスライダ3のC部拡大図である。 図3(A)、(B)は、第二のエアベアリング4Bの外観図である。 図4(A)、(B)は、第二のエアベアリング4Bの正面図、背面図である。 図5(A)は、図4(A)に示す第二のエアベアリング4Bの右側面図であり、図5(B)は、図4(A)に示す第二のエアベアリング4BのA−A断面図である。 図6は、本発明の一実施の形態に係るエアスライド1の動作原理を説明するための図である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るエアスライド装置1の外観図である。また、図2(A)、(B)、(C)は、スライダ3の正面図、底面図、右側面図である。
図示するように、本実施の形態に係るエアスライド装置1は、上面(一方のスライダ案内面)211および上面211と隣り合う一方の側面(他方のスライダ案内面)212が磁性を帯びたレール2と、レール2のスライダ案内面211、212上をレール2の長手方向(図1のX方向)に空気を介して非接触で移動するスライダ3と、を備えている。
レール2は、例えば、アルミ等で形成されたフレーム21と、フレーム21の隣り合う二面(レール2のスライダ案内面211、212)に六角穴付きボルト51および台形ナット55で固定された、2枚の磁性鋼板等のレール板22と、を備えている。レール2のスライダ案内面211、212は、2枚のレール板22の表面211、212により形成される。
スライダ3は、断面L字形状のスライドプレート31と、スライドプレート31およびレール2の一方のスライダ案内面211の間に介在するようにスライドプレート31に取り付けられた2つの第一のエアベアリング4Aと、スライドプレート31およびレール2の他方のスライダ案内面212の間に介在するようにスライドプレート31に取り付けられた2つの第二のエアベアリング4Bと、を備えている。さらに、スライダ3は、スライドプレート31およびレール2の各スライダ案内面211、212の間に介在するようにスライドプレート31に取り付けられた第一、第二の磁力発生部6A、6Bを備えている。ここで、第一の磁力発生部6Aは、2つの第一のエアベアリング4Aの間に配置され、第二の磁力発生部6Bは、2つの第二のエアベアリング4Bの間に配置されている。なお、本実施の形態においては、第一および第二のエアベアリング4A、4Bをそれぞれ2つ、第一および第二の磁力発生部6A、6Bをそれぞれ1つ用いた場合を例示しているが、第一および第二のエアベアリング4A、4Bは、エアスライド装置の用途等に応じてそれぞれ2つ以上設けられていればよく、第一および第二の磁力発生部6A、6Bは、第一および第二のエアベアリング4A、4Bに対して上述の位置関係で配置可能な個数設けられていればよい。
スライドプレート31は、2つの第一のエアベアリング4Aおよび1つの第一の磁力発生部6Aの装着面として、レール2の一方のスライダ案内面211と対面する第一の面311を有し、2つの第二のエアベアリング4Bおよび1つの第二の磁力発生部6Bの装着面として、レール2の他方のスライダ案内面212と対面する第二の面312を有している。このようなスライドプレート31は、例えば、2枚のプレート32A、32Bを、L字形状に組み合わせ、六角穴付きボルト52で固定することにより作製される。
スライドプレート31には、第一の面311側の第一のエアベアリング4Aをネジ止めするための座繰り穴314が、第一のエアベアリング4Aの個数に応じて、第一の面311とその厚み方向において反対側の面313とを繋ぐように形成されており、また、第二の面312側の第二のエアベアリング4Bをネジ止めするためのネジ穴316が、第二のエアベアリング4Bの個数に応じて、第二の面312とその厚み方向において反対側の面315とを繋ぐように形成されている(図6参照)。
また、スライドプレート31には、第一の面311上において2つの第一のエアベアリング4Aの間に配置された1つの第一の磁力発生部6Aをネジ止めするための座繰り穴318が、第一の面311とその厚み方向において反対側の面313とを繋ぐように形成されており、また、第二の面312上において2つの第二のエアベアリング4Bの間に配置された1つの第二の磁力発生部6Bをネジ止めするためのネジ穴319が、第二の面312とその厚み方向において反対側の面315とを繋ぐように形成されている。
さらに、スライドプレート31には、複数の通気路317A、317Bが形成されている。通気路317Aは、第一の面311に隣り合う側面331から形成され、通気路317Bは、第二の面312とその厚さ方向において反対側の面315から形成されている。図示していないが、少なくとも一つの通気路317Bは、第二の面312まで貫通しており、各第二のエアベアリング4Bに繋がるホースに圧縮空気供給用ポンプのホースを接続するためのカプラが第二の面312の反対側の面315側に装着される。一方、他の通気路317Aは、それぞれ、第一の面311まで貫通しており、第一の面311側において、いずれかの第一のエアベアリング4Aの後述する圧縮空気供給路426に繋がっている。そして、第一の面311に隣り合う側面331に、圧縮空気供給用ポンプのホースを接続するためのカプラが装着される(図6参照)。
第一の磁力発生部6Aは、スライドプレート31の第一の面311において、2つの第一のエアベアリング4Aの間に配置されており、その磁力発生面61がレール2の一方のスライダ案内面211と対面した状態で、スライドプレート31の第一の面311側にネジ止めされている。同様に、第二の磁力発生部6Bは、スライドプレート31の第二の面312において、2つの第二のエアベアリング4Bの間に配置されており、その磁力発生面62がレール2の他方のスライダ案内面212と対面した状態で、スライドプレート31の第二の面312側にネジ止めされている。第一の磁力発生部6Aの磁力発生面61は、後述する第一のエアベアリング4Aの支持面40と同一面上もしくは支持面40よりもレール2の一方のスライダ案内面211から離れた位置に配置される。同様に、第二の磁力発生部6Bの磁力発生面62は、第二のエアベアリング4Bの支持面40と同一面上もしくは支持面40よりもレール2の他方のスライダ案内面212から離れた位置に配置される。このような第一、第二の磁力発生部6A、6Bには、例えばネオジム磁石等の永久磁石が用いられる。なお、本実施の形態においては、第一、第二の磁力発生部6A、6Bとして永久磁石を1つずつ用いているが、永久磁石の数は適宜変更可能である。例えば、第一の面311内における第一のエアベアリング4Aの間、および、第二の面312内における第二のエアベアリング4Bの間に、第一および第二の磁力発生部6A、6Bとして、それぞれ、複数の永久磁石を配置してもよい。
第二のエアベアリング4Bは、スライドプレート31の第二の面312側にネジ止めされており、レール2の他方のスライド面212に対して非接触で荷重を支持し、スライドプレート31を、レール2に沿ってスライド自在に保持する。
図3(A)、(B)は、第二のエアベアリング4Bの外観図である。また、図4(A)、(B)、および図5(A)は、第二のエアベアリング4Bの正面図、背面図、および右側面図であり、図5(B)は、図4(A)のA−A断面図である。
図示するように、第二のエアベアリング4Bは、圧縮空気を吐出する円板状の圧縮空気供給部42と、圧縮空気供給部42が取り付けられたベースプレート43と、圧縮空気供給部42およびベースプレート43からなるエアベアリング本体48を揺動自在に保持するボールジョイント44と、を備えている。
圧縮空気供給部42の一方の端面421は、レール2の他方のスライダ案内面212と圧縮空気層を介して非接触で対面する支持面40を構成している。また、この端面421には環状の溝424が形成されており、この溝424の溝底には、自成絞り形体による圧縮空気吐出口425が、溝424の周方向に沿って等間隔に多数形成されている。
圧縮空気供給部42の他方の端面422には、一方の端面421に多数形成された圧縮空気吐出口425と繋がる環状溝426が圧縮空気供給路426として形成されている。この圧縮空気供給路426の外縁にはОリング用溝428が形成されており、このОリング用溝428内に、圧縮空気供給路426からの空気漏れを防止するためのОリング47が収容される。また、圧縮空気供給部42の他方の端面422には、圧縮空気供給部42をベースプレート43に固定するための六角穴付きボルト53が締結されるネジ穴427が形成されている。
ベースプレート43は、圧縮空気供給部42と略同じ外径の円板状部材であり、圧縮空気供給部42のネジ穴427に対応する位置に、一方の端面431から他方の端面432に繋がる座繰り穴433が形成されている。ベースプレート43の他方の端面432を圧縮空気供給部42の他方の端面422に接触させた状態で、六角穴付きボルト53を、この座繰り穴433に挿入して圧縮空気供給部42のネジ穴427に螺合させることにより、圧縮空気供給部42がベースプレート43に固定される。
ベースプレート43の一方の端面431には、ボールジョイント44をベースプレート43に固定するための六角穴付きボルト54が締結されるネジ穴434が形成されている。
ベースプレート43の他方の端面432は、圧縮空気供給部42の圧縮空気供給路426の外縁に形成されたОリング用溝428内のOリング47と当接している。これにより、圧縮空気供給部42の圧縮空気供給路426に充填された圧縮空気が、圧縮空気供給部42の圧縮空気吐出口425以外の領域、つまり、圧縮空気供給部42の他方の端面422とベースプレート43の他方の端面432との当接部分から外部に漏れるのを防止している。
また、ベースプレート43には、圧縮空気供給部42の圧縮空気供給路426に繋がる通気路437が形成されている。この通気路437の開口438は、ベースプレート43の側面436に形成されている。そして、この開口438には、図示していないが、スライドプレート31の通気路317Bにおいて圧縮空気供給用ポンプのホースに連結されたホースを通気路437に繋ぐためのカプラが装着される。これにより、圧縮空気供給用ポンプからの圧縮空気が、スライドプレート31の通気路317Bおよびベースプレート43の通気路437を介して、圧縮空気供給部42の圧縮空気供給路426に供給され、圧縮空気供給部42の圧縮空気吐出口425から、レール2の他方のスライダ案内面212に向けて噴出する。
ボールジョイント44は、ボールヘッド442を有するボールスタッド441と、ボールヘッド442を回動自在に収容するボールソケット443と、ボールソケット443に一体的に形成された固定プレート444と、第二のエアベアリング4Bをスライドプレート31(図6参照)に固定するための固定用ナット445と、を備えている。
ボールスタッド441は、雄ネジ部448が形成されたスタッド部449と、スタッド部449の一方の端面4492に一体的に形成されたボールヘッド442と、を有している。
スタッド部449の他方の端面4491には、六角レンチ用の六角穴4493が形成されている。また、スタッド部449の、ボールヘッド442側(雄ネジ部448とボールヘッド442との間)の外周には、外周面から張り出したフランジ4494が形成されている。第二のエアベアリング4Bをスライドプレート31へ取り付ける前、固定用ナット445は、このフランジ4494と当接するまで、スタッド部449の雄ネジ部448にねじ込まれている。第二のエアベアリング4Bをスライドプレート31の第二の面312側へ取り付ける際には、スライドプレート31に形成されたネジ穴316に、第二の面312側から、スタッド部449のネジ部448をねじ込んだ後、六角穴4493内へ六角レンチを差し込んでスタッド部449の回転を阻止しながら、固定用ナット445を、スライドプレート31の第二の面312に接触するまで回転させる。これにより、第二のエアベアリング4Bがスライドプレート31の第二の面312側に取り付けられる(図6参照)。
ボールソケット443は、例えば、以下のように形成される。すなわち、一方の端面が固定プレート444により塞がれるように固定プレート444と一体的に形成された円筒部材の内部にボールスタッド441のボールヘッド442を挿入し、この状態で、この円筒部材の開口側を可締める。ボールソケット443にはコマ4431が配置されており、ボールソケット443に収容されたボールヘッド442は、このコマ4431によって支えられる。
固定プレート444には、ベースプレート43のネジ穴434に対応する位置にボルト挿入用の貫通孔4441が形成されている。この貫通孔4441に六角穴付きボルト54を挿入して、六角穴付きボルト54をベースプレート43のネジ穴434に螺合させることにより、ボールジョイント44がベースプレート43に取り付けられる。
一方、後述するように圧縮空気供給部42のみから構成されている第一のエアベアリング4Aは、スライドプレート31の第一の面311側にボールジョイント44を介さずに直接ネジ止めされており、レール2の一方のスライダ案内面211に対して非接触で、スライドプレート31を、レール2に沿ってスライド自在に支持する。
第一のエアベアリング4Aが図3〜図5に示す第二のエアベアリング4Bと異なる点は、支持面40がレール2の一方のスライダ案内面211と非接触で対面していること、ベースプレート43とボールジョイント44とが省略されてスライダ3に直接固定されていること、および、スライドプレート31の通気路317Aが圧縮空気供給路426に直結していることである(図6参照)。
なお、以降の説明において、第一のエアベアリング4Aおよび第二のエアベアリング4Bに共通する構成要素に付与する符号について、第一のエアベアリング4Aには記号Aを付加し、第二のエアベアリング4Bには記号Bを付加することにより、両者を区別することとする。
スライドプレート31の座繰り穴314は、第一のエアベアリング4Aの圧縮空気供給部42Aのネジ穴427Aと対応する位置に形成されている。また、スライドプレート31の複数の通気路317A、317Bのうち、第二のエアベアリング4Bに圧縮空気を供給するための通気路317B以外の通気路317Aは、いずれかの第一のエアベアリング4Aの圧縮空気供給部42Aの圧縮空気供給路426Aに繋がる位置に形成されている。六角穴付きボルト55を、スライドプレート31の第二の面312とその厚さ方向において反対側の面315からこの座繰り穴314に挿入し、圧縮空気供給部42Aのネジ穴427Aに螺合させることにより、第一のエアベアリング4Aがスライドプレート31の第一の面311に固定される。この状態において、スライドプレート31の通気路317Aは、それぞれ、第一のエアベアリング4Aの圧縮空気供給部42Aの圧縮空気供給路426Aに繋がっているため、スライドプレート31の各通気路317Aに接続された圧縮空気供給用ポンプからの圧縮空気の供給を開始すると、その圧縮空気が、スライドプレート31の通気路317Aを介して、圧縮空気供給部42Aの圧縮空気供給路426Aに供給され、圧縮空気供給部42Aの圧縮空気吐出口425Aから、レール2の一方のスライダ案内面211に向けて噴出する。このとき、圧縮空気供給部42Aの圧縮空気供給路426Aの外縁に形成されたОリング用溝428A内のOリング47がスライドプレート31の第一の面311に当接しているため、圧縮空気供給部42Aの圧縮空気供給路426Aに充填された圧縮空気が、圧縮空気供給部42Aの圧縮空気吐出口425A以外の領域、つまり、圧縮空気供給部42Aの他方の端面422Aとスライドプレート31の第一の面311との当接部分から外部に漏れ出すことはない。
つぎに、以上のような構造を有するエアスライド装置1の動作原理を説明する。図6は、本実施の形態に係るエアスライド装置1の動作原理を説明するための図である。なお、図6には図示していないが、スライドプレート31の通気路317A、317Bには、それぞれ、第一の面311に隣り合う側面331と第二の面312の反対側の面315側から圧縮空気供給用ポンプのホースがあらかじめ接続されている。
圧縮空気を供給していない状態において、スライドプレート31の第一、第二の面311、312に取り付けられた第一、第二のエアベアリング4A、4Bの支持面40A、40Bが、それぞれレール2の一方のスライダ案内面211および他方のスライダ案内面212と対面するようにして、スライドプレート31をレール2に近付けると、第一、第二の磁力発生部6A、6Bの磁力mによりレール2のスライダ案内面211、212にスライドプレート31が引き寄せられ、第一、第二のエアベアリング4A、4Bの支持面40A、40Bがそれぞれレール2の一方のスライダ案内面211、他方のスライダ案内面212に当接する。これにより、スライドプレート31がレール2上に安定に保持される。
この状態において、図示していない圧縮空気供給用ポンプにより圧縮空気を供給すると、第一のエアベアリング4Aの圧縮空気供給部42Aの圧縮空気供給路426Aには、スライドプレート31の通気路317Aを介して圧縮空気が供給され、第二のエアベアリング4Bの圧縮空気供給部42Bの圧縮空気供給路426Bには、スライドプレート31の通気路317Bおよびベースプレート43の通気路437を介して圧縮空気が供給される。これにより、第一および第二のエアベアリング4A、4Bの圧縮空気供給部42A、42Bの圧縮空気供給路426A、426Bが圧縮空気で充満し、圧縮空気吐出口425A、425Bからレールのスライダ案内面211、212に向けて圧縮空気aが吐き出される。そして、第一、第二のエアベアリング4A、4Bは、レール2のスライダ案内面211、212から引き離され、圧縮空気aの圧力、第一、第二の磁力発生部6A、6Bの磁力m、およびスライダ3の重さ等がバランスする位置(第一のエアベアリング4Aは支持面40とレール2の一方のスライダ案内面211との隙間がt1となる位置、第二のエアベアリング4Bは支持面40とレール2の他方のスライダ案内面212との隙間がt2となる位置)にそれぞれ位置決めされる。これにより、第一および第二のエアベアリング4A、4Bは、レール2に対して非接触でスライダ3からの荷重を支持し、スライダ3を、レール2の長手方向(図1および図6のX方向)にスライド自在に保持する。
このとき、第一のエアベアリング4Aは、スライドプレート31の第一の面311に直付けで固定されているので、第一のエアベアリング4Aの支持面40Aとレール2の一方のスライダ案内面211との隙間がt1となるように維持されることにより、スライドプレート31は、スライドプレート31の第一の面311とレール2の一方のスライダ案内面211との隙間をt3に維持したままレール2上を非接触で安定に移動する。
一方、第二のエアベアリング4Bは、ボールジョイント44を介してスライドプレート31の第二の面312に取り付けられているので、例えばレール2の寸法精度が低く、レール2の他方のスライダ案内面212が一方のスライダ案内面211に対して若干傾いているような場合でも、ボールジョイント44が、ボールヘッド142の中心周りの方向dに、ベースプレート43および圧縮空気供給部42Bを一体として揺動させ、ボールスタッド441に対する支持面40Bの傾きdを自動調節する。これにより、第二のエアベアリング4Bの支持面40Bとレール2の他方のスライダ案内面212との隙間がtで均一に保たれるように調芯される。また、第二の磁力発生部6Bがスライドプレート31の第二の面312に直付けで固定されているので、スライドプレート31の第二の面312自体がレール2の他方の面212に引き寄せられる。このため、スライドプレート31がボールスタッド441の軸芯o方向(図6のZ方向)にガタ付くのを防止できる。
以上、本発明の実施の形態を説明した。
本実施の形態によれば、第一および第二の磁力発生部6A、6Bの磁力mにより、第一および第二のエアベアリング4A、4Bの支持面40A、40Bを、磁性を帯びたレール2のスライダ案内面211、212に引き寄せる。このため、空気吸引によりスライドプレートをレールに引き寄せるタイプ(つまり、エアベアリングの支持面にレールを引き寄せる力が大気圧以下に制限される場合)のエアスライド装置に比べて、より大きな力で、第一および第二のエアベアリング4A、4Bの支持面40A、40Bにレール2を相対的に引き寄せることが可能となる。このため、負荷変動に対する剛性をより高くすることができ、スライダ3に突然の負荷変動が生じても、スライダ3をレール2上で安定して走行させることができる。また、空気吸引用ポンプが不要となるので、エアスライド装置1全体を小型・軽量にできる。さらに、図6に示すように、スライダ3をレール2上の所望の位置により正確に静止させることが可能となり、位置決め機能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、スライドプレート31の第一の面311をレール2の一方のスライダ案内面211に引き寄せる力を発生する第一の磁力発生部6Aを第一の面311に配置し、この第一の磁力発生部6Aを挟むように、レール2の一方のスライダ案内面211から引き離す力を発生する第一のエアベアリング4Aを複数配置している。同様に、スライドプレート31の第二の面312をレールの他方のスライダ案内面212に引き寄せる力を発生する第二の磁力発生部6Bを第二の面312に配置し、この第二の磁力発生部6Bを挟むように、レール2の他方のスライダ案内面212から引き離す力を発生する第二のエアベアリング4Bを複数配置している。このため、例えば、レール2の一方のスライダ案内面211、他方のスライダ案内面212に対してスライダプレート31の第一の面311および第二の面312を傾ける方向の外力がスライダ3に加わった場合でも、第一および第二の磁力発生部6A、6Bの両側において、この傾きを解消するように、第一および第二のエアベアリング4A、4Bの支持面40A、40Bとレール2のスライダ案内面211、212とを相対的に引き離す力が作用し、第一および第二のエアベアリング4A、4Bの支持面40A、40Bとレール2のスライダ案内面211、212との隙間tが維持される。これにより、スライダ3は、姿勢を維持しながら、レール2のスライダ案内面211、212上において安定に走行することができる。なお、本実施の形態においては、スライドプレート31の第一の面311において、第一の磁力発生部6Aを挟むように第一のエアベアリング4Aを配置し、第二の面313において、第二の磁力発生部6Bを挟むように第二のエアベアリング4Bを配置しているが、第一および第二の磁力発生部6A、6Bの周りを囲むように、第一および第二のエアベアリング4A、4Bを複数配置してもよい。
また、本実施の形態においては、スライドプレート31の第二の面313において、第二の磁力発生部6Bを挟むように第二のエアベアリング4Bを配置しているので、第二のエアベアリング4Bは、第二の磁力発生部6Bの両側にそれぞれ1個(合計2個)あればよい。ただし、本発明においても、第二の磁力発生部6Bの周りを囲むように、3個以上の第二のエアベアリング4Bを配置してもよい。同様に、本実施の形態においては、スライドプレート31の第一の面311において、第一の磁力発生部6Aを挟むように、2個の第一のエアベアリング4Aを配置しているが、第一の磁力発生部6Aの周りを囲むように、3個以上の第一のエアベアリング4Aを配置してもよい。
また、本実施の形態では、第一および第二の磁力発生部6A、6Bに永久磁石を用いている。空気吸引によりスライドプレートをレールに引き寄せるタイプのエアスライド装置では、例えば故障等によりポンプが停止した際に、スライドプレートをレールから引き離す力とともに、スライドプレートをレールに引き寄せる力も働かなくなるため、スライドプレートがレールから脱落する可能性がある。脱落防止措置として、レールの両側面を挟むように、3枚のスライドプレートをコの字形状に組み合わせてスライダを作成するなどの工夫が必要であり、スライダの大型化・重量化を招いていた。これに対し、本実施の形態によれば、永久磁石により、スライドプレート31をレール2に引き寄せる磁力mが常に作用しているため、ポンプが停止しても、スライドプレート31がレール2に引き寄せられる。このため、特別な脱落防止措置をとらなくても、スライダ3をレール2上に保持させることが可能となる。したがって、スライダ3を、より小型、より軽量なL字型とすることができる。また、スライダ3の作成に必要なスライドプレート31の枚数が削減されるため、そのコストを抑制することができる。
また、本実施の形態では、ボールジョイント44が、第二のエアベアリング4Bの支持面40Bとレール2の他方のスライダ案内面212との隙間t2を均一に保つように、ボールスタッド441に対する支持面40Bの傾きdを調節するので、レール2の他方のスライダ案内面212の傾きに対して第二のエアベアリング4Bを自動調芯することができる。
また、本実施の形態では、第二の磁力発生部6Bがスライドプレート31の第二の面312に直付けで固定されているので、スライドプレート31の第二の面312自体がレール2の他方のスライダ案内面212に引き寄せられ、スライドプレート31がボールスタッド441の軸芯o方向(図6のZ方向)に対してガタ付くのを防止できる。このため、ボールジョイント44の構造上の問題により、第二のエアベアリング4Bのスライドプレート31への取り付けにガタがある場合でも、スライダ3をレール2上で安定して走行させることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態では、第一、第二のエアベアリング4A、4Bの圧縮空気供給部42A、42Bとして、自成絞りによる圧縮空気吐出口425A、425Bが多数形成された圧縮空気供給部を用いているが、本発明はこれに限定されない。このような圧縮空気供給部42A、42Bの代わりに、オリフィス絞り、表面絞り等により圧縮空気の吐出口が、支持面40A、40Bを構成する表面421に多数形成された圧縮空気供給部を用いてもよい。あるいは、支持面40A、40Bを構成する表面に、圧縮空気供給路426A、426Bに繋がる多孔質焼結層が形成された圧縮空気供給部を用いてもよい。
また、上記の実施の形態では、第一、第二の磁力発生部6A、6Bとして永久磁石を用いているが、電磁石を用いてもよい。
また、上記の実施の形態では、第二のエアベアリング4Bの調芯機構として、ボールジョイント44を用いているが、本発明はこれに限定されない。第二のエアベアリング4Bの支持面40Bとレール2の一方のスライダ案内面211との隙間t2を均一に保つように支持面40Bの傾きを自動調節できるものであれば、その他のものを用いてもよい。例えば、弾性体を介してスライドプレート31の第二の面312に第二のエアベアリング4Bを取り付けることにより、第二のエアベアリング4Bの支持面40Bとレール2の他方のスライダ案内面212との隙間t2を均一に保つようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、ボールジョイント44を有していない第一のエアベアリング4Aの支持面40Aをレール2の上面側のスライダ案内面211に対面させ、ボールジョイント44を有している第二のエアベアリング4Bの支持面40Bをレール2の側面側のスライダ案内面212に対面させているが、エアスライド装置1の用途等に応じて、ボールジョイント44を有しない第一のエアベアリング4Aの支持面40Aをレール2の側面側のスライダ案内面212に対面させ、ボールジョイント44を有している第二のエアベアリング4Bの支持面40Bをレール2の上面側のスライダ案内面211に対面させてもよい。また、スライダ3に取り付けられているすべてのエアベアリングを、ボールジョイント44を有する第二のエアベアリング4Bとしてもよい。
また、上記実施の形態では、レール2上でスライダ3を非接触で移動させるエアスライド装置1を例にとり説明したが、本発明は、レール2を有するエアスライド装置に限らず、スライダ3を案内するスライダ案内面を有する部品(例えばテーブル)を有するエアスライド装置であれば適用可能である。
また、上記の実施の形態では、レール2との隙間に空気層を形成し、この空気層を介してスライダ3を非接触で移動させるエアベアリング4A、4Bをスライダ3に用いた場合を例にとり説明したが、本発明は、レール2との隙間に気体層を形成し、この気体層を介してスライダ3を非接触で移動させる静圧気体軸受を、スライダ3に用いたものであればよい。
また、上記の実施の形態では、第一の磁力発生部6Aをスライドプレート31の第一の面311に直付で固定しているが、第一の磁力発生部6Aのスライダ案内面211に対する距離調整機構を設けてもよい。同様に、第二の磁力発生部6Bをスライドプレート31の第二の面312に直付で固定しているが、第二の磁力発生部6Bのスライダ案内面212に対する距離調整機構を設けてもよい。
例えば、図2(D)に示すように、スライドプレート31に、第二の面312および第二の面312と反対側の面315を貫くネジ穴321を形成する。また、このネジ穴321に螺合するスタッドボルト63の一端に第二の磁力発生部6’Bを取り付け、スタッドボルト63の他端からスタッドボルト63をネジ穴321に挿入して螺合させる。そして、反対側の面315から突き出たスタッドボルト63の他端にナット64を嵌めて、スタッドボルト63のネジ穴321に対する締り具合を調整することにより、第二の磁力発生部6’Bの磁力発生面62’の第二の面312に対する高さhを調整する。
このようにすることにより、第一、第二の磁力発生部6A、6Bの磁力発生面61、62からスライダ案内面211、212までの距離を調整でき、スライダ3およびレール2を相対的に引き寄せる力が調整可能となる。
1:エアスライド装置、2:レール、3:スライダ、4A:第一のエアベアリング、4B:第二のエアベアリング、6A:第一の磁力発生部、6B、6’B:第二の磁力発生部、21:フレーム、22:レール板、31:スライドプレート、32A、32B:プレート、40、40A、40B:支持面、42、42A、42B:圧縮空気供給部、43:ベースプレート、44:ボールジョイント、47:Oリング、48:エアベアリング本体、51、52、53、54:六角穴付きボルト、55:台形ナット、61:第一の磁力発生部6Aの磁力発生面、62、62’:第二の磁力発生部6Bの磁力発生面、63:スタッドボルト、64:ナット、211:レール2のスライダ案内面(レール2の上面)、212:レール2のスライダ案内面(レール2の一方の側面)、311:スライドプレート31の第一の面、312:スライドプレート31の第二の面、313:第一の面311と反対側の面、314:スライドプレート31の座繰り穴、315:第二の面312と反対側の面、316:スライドプレート31のネジ穴、317A、317B:スライドプレート31の通気路、318:スライドプレート31のネジ穴、321:スライドプレート31のネジ穴、331:第一の面311と隣り合う側面、421、422、422A:圧縮空気供給部42の端面、424:圧縮空気供給部42の溝、425、425A、425B:圧縮空気吐出口、426、426A、426B:圧縮空気供給部42の圧縮空気供給路(環状溝)、427、427A:圧縮空気供給部42、42Aのネジ穴、428:Оリング用溝、431、432:ベースプレート43の端面、433:ベースプレート43の座繰り穴、434:ベースプレート43のネジ穴、436:ベースプレート43の側面、437:ベースプレート43の通気路、438:通気路437の開口、441:ボールスタッド、442:ボールヘッド、443:ボールソケット、444:固定プレート、445:固定用ナット、448:スタッド部449の雄ネジ部、449:ボールスタッド441のスタッド部、4431:コマ、4441:固定プレート444のネジ穴、4491、4492:スタッド部449の端面、4493:ボールスタッド441の六角穴、4494:ボールスタッド441のフランジ

Claims (4)

  1. 相手部品に対して非接触で移動するスライダを備えたエアスライド装置であって、
    前記相手部品は、スライダ進行方向に対して垂直な方向において互いに異なる角度を有する磁性を帯びた二つのスライダ案内面を備え、
    前記スライダは、
    前記二つのスライダ案内面のうちの一方のスライダ案内面と対面する第一の面、および、他方のスライダ案内面と対面する第二の面を備えたスライドプレートと、
    前記第一の面に固定して取り付けられ、前記第一の面と対面する前記一方のスライダ案内面を引き寄せる磁力を発生させる第一の磁力発生手段と、
    前記第二の面に固定して取り付けられ、前記第二の面と対面する前記他方のスライダ案内面を引き寄せる磁力を発生させる第二の磁力発生手段と、
    前記スライダ進行方向において前記第一の磁力発生手段を挟むように前記第一の面に固定して取り付けられ、前記一方のスライダ案内面と非接触で対面する支持面を有する複数の第一の静圧気体軸受と、
    前記スライダ進行方向において前記第二の磁力発生手段を挟むように前記第二の面に取り付けられ、前記他方のスライダ案内面と非接触で対面する支持面および当該支持面と前記他方のスライダ案内面との隙間を均一に保つための調芯手段を有する複数の第二の静圧気体軸受と、を備える
    ことを特徴とするエアスライド装置。
  2. 請求項1に記載のエアスライド装置であって、
    前記第一および第二の磁力発生手段は、少なくとも一つの永久磁石からなる
    ことを特徴とするエアスライド装置。
  3. 請求項1または2に記載のエアスライド装置であって、
    前記第二の磁力発生手段と前記他方のスライダ案内面との距離を調整する位置調整手段をさらに有する
    ことを特徴とするエアスライド装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のエアスライド装置であって、
    前記調芯手段は、
    前記第二の静圧気体軸受を前記第二の面に対して角度自在に取り付けるためのボールジョイントである
    ことを特徴とするエアスライド装置。
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