JP5913606B2 - 円錐角膜の治療に有効であり、イオントフォレシスにより導入される改良された架橋結合組成物 - Google Patents

円錐角膜の治療に有効であり、イオントフォレシスにより導入される改良された架橋結合組成物 Download PDF

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Description

本発明は医療用薬剤分野に関する。特には、円錐角膜の治療に有効である角膜コラーゲンの架橋結合(CXL)を実行するためにイオントフォレシス(イオン電気導入)によって投与される局所的な眼科での使用のための調剤分野に関する。特に、リボフラビンを含んだ眼科組成物の改良された製剤法に関する。
リボフラビンとUV−Aによって促されるコラーゲンの架橋結合は、眼科分野で広く実践されている。それは、UV−Aタイプの発光装置からの紫外線照射による、光感作剤および光吸収物質(正確にはリボフラビン)の組み合わせ作用を通じた円錐角膜の進行性角膜突出に対して、疾患部位の不変性(堅固性、安定性)と抵抗性を増強させるよう、間質コラーゲン原線維の光重合処理を構成要因とする。
本発明の目的は、治療に要する時間を大きく短縮し、実用性と治療結果を向上させることができ、角膜間質の改善された透過および浸透能力を備えた、円錐角膜あるいは他の拡張性角膜疾患の治療のための、イオントフォレシスによって投与される改良された架橋結合剤としてのリボフラビン眼科用溶液(点眼剤)の提供である。
脳と同様に眼は、特に後眼部において、十分な濃度の治療剤の投与を困難にする生体バリア(血液−眼バリア、血液−ガラス体バリア)によって保護されている。全身経由による投与(経口または経静脈投与)では、ほんの少量の薬剤当初量しか眼組織の内部にまで導入されないため、効果は不十分である。
点眼剤の一般的な局所的適用では眼部の治療には不向きであり、その浸透力は大きく制限(通常は5%未満)されるため、眼への薬剤の局所的投与の技術が開発され、その治療効果を高めるために継続的で積極的な研究が実施されている。眼球の周囲(眼球周囲、眼球後方)または眼球内部(眼球内)への直接的な注入では外傷を負わせる危険度が高い。治療薬の注入と特定波長のレーザを使用した上皮全身活性化とによる光力学治療は角膜の透明性を利用するが、患者は暗闇内に滞在しなければならず、治療薬は活性成分が光活性化される前に作用することを防止する光感作剤の追加によって改質を必要とし、さらに、この治療法を実行するためには特殊で高価な機器類を使用しなければならないという弱点を有する。眼の表面に置かれた治療薬貯蔵部を使用して薬剤を連続的またはプログラムに沿って治療薬を送り込むように設計された多数の装置も開発されている。これらは非侵襲形態であるか、結膜嚢内のレンズまたはリングの形態である。しかし、後眼部への物質の導入は制限され、よって、それら装置の利用は前眼部の疾病の治療、例えば、結膜炎の治療に制限される。ガラス体液に外科的に埋め込まれた治療薬のプログラムされた放出のための眼球内インプラントは、接触によって角膜を損傷する重大なリスクを有する。なぜなら、インプラントを配置するには比較的に大きなサイズ(5mm)の切開が必要だからである。別な重大な弱点は、インプラントを交換する潜在的必要性、または疾病が治療に対してどのように反応するかに応じて治療を中断または修正する潜在的な可能性が存在することである。
角膜上皮組織の除去に頼り、そのような方法で非侵襲的な角膜の架橋結合を達成する必要なく、角膜の架橋結合のプロセスにおいて光感作剤および硬化剤として普通に使用されるリボフラビンの角膜吸収を改善し、麻酔を排除し、あるいは麻酔薬量を減少させ、さらに迅速な治癒に結び付ける目的で、特許願WO2010/023705は、角膜の表面に浸透する点眼剤の形態で投与される眼科組成物を調剤するため、トロメタミンに関係するEDTA、及び/又はトロメタミンに関係するEDTAの塩を含んだ吸収増進剤の使用を提案している。
別な可能な対処法は、眼科用イオントフォレシスを利用することである。
これは眼に薬剤を投与する他の技術の弱点の殆どを低減する治療作用を発揮する活性成分投与のための別技術である。事実、この技術は、非侵襲的方法で治療薬を眼に集中させ、眼での滞留時間を長くすることを可能にすることで治療薬導入効果を従来技術の他の技術の場合と同等以上にすることができる。
イオントフォレシスの原理には、生体膜を通して治療薬を体内で導入するため、少なくとも1種の治療薬を含んだ電解質組成物に対する電界の適用が関与する。この技術は皮膚学において骨関節疾患の治療のために長く臨床的に活用されてきたが、近年、活性成分および薬剤の眼内への導入に特に適していることが証明された。
しかし、眼は他の身体部位の大抵の器官とは非常に異なるため、眼のイオントフォレシスは、他のタイプのイオントフォレシスのものとは異なる技術的特殊性(電流密度、適用電界の持続時間と制御、投与される化学物質の物性、投与時に溶液内に発生する電気化学的現象)を提供しなければならない。
特に、国際特許願WO2011/130356は、少なくとも1つの眼構成要素で架橋結合を活性化させる方法に関し、この方法は、イオントフォレシスのプロセスを使用して、その眼構成要素へ荷電された架橋結合剤を搬送し、それを深部にまで押し込むことと、その眼要素へ開始要素を搬送する架橋結合剤を活性化させることを含んでいる。この眼要素は角膜、角膜縁、強膜、および網膜である。前記特許願の教示によれば、リボフラビンのごとき架橋結合剤は、EDTA、塩化ベンザルコニウム、またはアルコールのごとき他の薬剤と様々な濃度で組み合わせが可能であり、角膜表面でのさらなる搬送を促す。しかし、前記特許願の説明は、様々な架橋結合剤の成分量または濃度を定義していない。
眼科分野では、角膜コラーゲンを架橋結合させる目的で角膜にリボフラビンを搬送する最良の方法について議論が進行中である。臨床研究の結果によれば、リボフラビンにイオントフォレシスを適用することがプロセス時間を短縮し、治療前に角膜上皮組織を除去する必要性を排除することが判明した。George Waring:“Old technique,new delivery” Ophthalmology Times Conference Brief,2011年10月22日はURL:http://ophtalmologytimes.modernmedicine.com/ophthalmologytimes/ModernMedicine+Now/Old−techinique−new−delivery/ArticleStandard/Article/detail/745363で、リボフラビン注入を加速するイオントフォレシスによる治療が角膜上皮除去の必要性を排除することを開示している。
本願発明の発明者は2011年12月1日出願のWO2012/095877において、眼科組成物、好適には、角膜突出および他の眼の角膜拡張性症状の治療において、コラーゲンの角膜架橋結合の実施に角膜間質に浸透するように設計された架橋結合を促進するリボフラビンまたは他の薬剤を含有する眼科組成物を搬入するためにイオントフォレシスを使用することが解説されている。電流によって促進される搬入効率の増加により、投与時間は大幅に短縮され、患者にとってそのプロセスの快適性は大きく改善されている。
前記の特許願で解説された眼科組成物は特にイオントフォレシス手段によって眼の内部および表面での移動能力が増加するように設計されている。特に説明されている組成物は、0.1から1%のリボフラビン、または、同時的にリン酸ナトリウムのごとき緩衝物性によっても特徴付けられる他の架橋結合剤を主成分とする。このような方法で、説明されている組成物は、角膜の架橋結合手段による角膜突出または他の角膜拡張患部の角膜上皮組織を除去する必要なく角膜間質の透過および浸透を改善する。前記特許願によれば、イオントフォレシスの手段によって搬送される眼科溶液は緩衝剤として機能し、9を超えない最終pH値に到達するために当初pH値を5から8の範囲に有していなければならない。さらにデキストランの存在は、眼表面への良好な粘着を保証し、向上した接触(時間)を保証し、よってリボフラビン溶液による角膜間質の改善された透過を保証する。
しかし、眼のイオントフォレシス薬剤投与による大きな改善にも関わらず、眼のイオントフォレシスの適用を制限する可能性がある組織の火傷、刺激および一般的な毒性現象のリスクをさらに減少させるため、イオントフォレシス手段による眼における移動の効果を改善させる特定の必要性は常に存在する。このプロセスの実行時にそれら潜在的なリスクを低減し、患者の快適性を増加させるため、イオントフォレシスを達成する時間をさらに短縮することが望ましいであろう。
眼のイオントフォレシス処理の効果と成功度を改善するために専門家が関与できるパラメータは多く存在し、異なる性質を有している。実際には、それらは、電界適用面積と、角膜そのものではない、特に繊細な強膜と、電界強度、適用面積および電極面積の最小化と、良好な再現性を達成するように適用される電界強度の制御と、適用の限定と、移動溶液の特徴とに関する。
国際公開WO2011/130356号公報 国際公開WO2012/095877号公報
George Waring:"Old technique,new delivery" Ophthalmology Times Conference Brief,2011年10月22日
発明の説明
以上に鑑み、本発明の目的は、イオントフォレシスによる投与に適したリボフラビンを主成分とする角膜突出の治療に有効な新規の製剤であって、従来の製剤と較べて角膜間質の経上皮浸透を特徴とする新規な製剤を提供することである。
角膜架橋結合の手段による角膜突出または他の角膜拡張症の治療において、角膜上皮組織の除去を介する必要がなく、角膜間質内への透過および浸透を増加させる能力は、従来と較べて、本発明の製剤で治療される眼の角膜不変性を向上させる変動要因として評価された。
よって本発明の目的は、イオントフォレシスの手段によって角膜に送られ、その後にUV光で照射されるCXL治療に鑑みて、角膜の透過に適したリボフラビンを基本とする特定生成物の製剤を提供することである。特に、リボフラビン溶液の搬送に関して適した方向で最良の浸透圧流を保証できるpH値と浸透圧を有しており、UVでの照射に対応して角膜間質のコラーゲン線維の架橋結合を実行しなければならないイオントフォレシスによる投与に特に適した溶液を提供することである。
イオントフォレシスは、実質的に電界の適用によって荷電された物質の生体膜通過を促進するものであるため、浸透圧とpHは非常に重要であり、イオントフォレシスの手段による溶液搬送効果の決定的な物理学パラメータである。電界が膜に適用され、中性またはイオン化種を含んだ溶媒を移動させると、移動対象の活性成分のイオン化および中性種の濃度に比例して電気浸透圧流が確立される。電気浸透圧流の方向性は、膜の電荷の対イオンの方向に発生する。生理学的pH値(pH=7.4)で、角膜および強膜が含まれるほとんどの生体膜と同様に、皮膚は負に荷電される。従って、電気浸透圧流は、正に荷電された薬剤の陽極移動(+)を増強し、負に荷電された薬剤の陰極移動(−)を遅らせる。低pH値にて、生体表面の電荷は正に移行し、浸透圧流は反転する。これは、イオントフォレシスにより投与される溶液のpH値の調節の重要性を説明しており、さらに結膜と角膜を損傷から保護し(眼は相当に広いpH値範囲に耐性を有しており、点眼液のpH値は4.5から11.5に変動できるが、角膜損傷の防止に有効なpH値の範囲は6.5から8.5である)、浸透圧流の相対貢献度を適したレベルと方向性に維持する。さらに、もし適用された電流の適用時間が短く保たれれば、溶液内のイオン性種の数は安定する。
本発明の好適実施例では、リン酸リボフラビンを基本とする製剤は、pHと浸透圧の測定値に対応した最良パラメータを有することが示されている。特に本発明の製剤は6.5から8のpH値、好適には6.9から7.2のpH値、さらに好適には7.0のpH値を有し、製剤の浸透圧値は90mOsm(ミリオスモル)/lから300mOsm/lであり、好適には96mOsm/lである。
本発明の特定実施例によれば、製剤はデキシトランを含まない。事実、驚くべきことに、本発明の発明者が実施した最近の研究は、角膜突出または他の角膜拡張症の治療の実践において角膜上皮組織の除去処理を必要としないリボフラビンの角膜間質での透過および浸透を、実験観察に基づいてCXL治療に続く角膜不変性の変動要因として評価し、従来において想定されていたものとは対照的に、それらがデキストランも塩化ナトリウムも含まない溶液を使用して大きく改善されていることを示した。
さらなる本発明の利点と特徴とは、非限定的な実施例を示す添付の図面の詳細な説明から明らかになるであろう。
本発明の製剤で治療された眼のストレスとテンション(引張力)の関係を曲線で示す得られた実験結果であり、治療された眼の角膜の抵抗、すなわち角膜突出状態を治療するための治療液の移送の効果を示しており、さらに、製剤がNaClを含まない場合にはさらに大幅に増加されることを示し、さらに、イオントフォレシス処理によって移送される治療液の浸透圧の重要性を示している。
驚くことに、本発明の組成物の製剤のデキシトランとNaClの欠如は特徴的で進歩性があり、イオントフォレシスにより投与され、角膜突出の治療に使用できる点眼液の分野の従来技術において説明される組成物の薬効と比べて予期せぬ利点を提供する。
特に、塩化ナトリウムの欠如による非常に低い浸透圧値は、リボフラビンを基本とする溶液のイオントフォレシス移送に続く角膜架橋結合により治療された眼の増加した抵抗性に関して最良の効果を示す組成物を特徴付ける。
本発明による溶液は、pH値を最良範囲の6.9から7.2に維持する緩衝物質をさらに含んでいる。様々な緩衝物質が専門家に知られており、本発明の一部の実施例に利用できる。しかし、本発明の一部の好適実施例では、リン酸ナトリウム一塩基/二塩基物質はpHを望む範囲に維持する等の適した緩衝能力を提供する。
本発明の眼科組成物は、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタンに連携できるか連携できない、トロメタミンとしても知られる眼科使用が可能な形態でEDTAの塩も含む。
本発明の眼科組成物は、コリリウムの技術形態および点眼薬、ゲルとして調剤可能であり、角膜へ適用して、その後に知られた技術に従ってイオントフォレシス処理を実行できる全ての薬剤形態で調製できる。以下は、本発明を限定することなく、本発明の説明のための例である。本発明の他の特徴および本発明の範囲内の変更は本発明の分野における専門家には自明であろう。
薬剤組成物
本発明による製剤の薬剤組成物は以下に提供されている。個別成分の含有量は重量%で表されている。
実施例1−PREP A
成分 重量%
リボフラビン塩化ナトリウム 0.147
ナトリウム−EDTA 0.1
トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン 0.05
NaHPO・2HO 0.385
NaHPO・2HO 0.217
NaCl 0.5
O 100mlまでの量
pH 7
浸透圧 270mOsm/kg
実施例2−PREP B
成分 重量%
リボフラビン塩化ナトリウム 0.147
ナトリウム−EDTA 0.1
トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン 0.05
NaHPO・2HO 0.385
NaHPO・2HO 0.217
O 100mlまでの量
pH 7
浸透圧 96mOsm/kg
実験データ
従来のものと比較して、イオントフォレシスの手段によって搬送されるリボフラビンを基本とする新規な製剤によるウサギの眼での経上皮浸透の改善された能力を評価するため、角膜不変性に関する移送の効果を調査するために以下のパイロット研究が実施された。
欧州委員会と、視力および眼科協会(ARVO)による眼科および視力研究における動物の使用に関する宣言に従って実施された実験研究のため、12匹のウサギ(ストレインGD79b(着色)、生後2ヶ月および3ヶ月、2.0kgから2.5kg)が使用された。全部の動物は到着時に耳タグによって識別され、試験前に検査され、眼の状態に特別な注意が払われた。実験を開始する前に、全部の動物は少なくとも3日間観察され、病気の症状がないものだけ使用された。
研究で考察された4種類の治療にそれぞれ対応するように12匹の着色ウサギGD79bストレインが3匹ずつ4実験にランダム分割された。
下の表1は4実験群の動物の割り当てを要約している。
Figure 0005913606
実験群1は右目の角膜に、特許願RM2008A00472で説明される0.1%の溶液を1mAのイオントフォレシスによって5分間投与された。
実験群2は右目の角膜に、0.1%のPREP A溶液を1mAのイオントフォレシスによって5分間投与された。
実験群3は右目の角膜に、0.1%のPREP B溶液を1mAのイオントフォレシスによって5分間投与された。
実験群4は右目の角膜に、特許願RM2008A00472で説明される0.1%の溶液の受動拡散によって30分間投与された。
イオントフォレシス処理
動物は、左目を無処理対照として利用しつつ、2つの使い捨て部材(眼部アプリケータおよび再使用可能な発電装置に接続されたリターン電極)で成るイオントフォレシス装置を使用して右目が処理された。10mm径と4.5mm高のポリカーボネート貯蔵部で成る眼部アプリケータは、医療形態PUR(最新医療溶液BV−ref MCF03)で満たされ、ステンレスの電極(AISI304)は発電装置(陰極)にケーブルを介して接続される。リターン電極は内皮針25Gであり、動物の頸部に挿入され、クリップとケーブルで発電装置(陽極)に接続される。発電装置は0.25mAから2.5mA(0.25mA単位の10回の増分)と、0.5分から5分(0.5分単位の10回の増分)で一定電流を送る。この間、適用電圧はマルチメータで測定される。
UV照射
リボフラビンでの角膜コラーゲンの架橋結合のためにUV−Aによる照射が、CSOオフタルミックによって製造された医療装置VEGA CBM X−LINKERを使用して実行された。この装置は370nmの波長で発光させるLEDのアレイと、治療対象の面積を変更できるダイアフラムと、2つの間欠赤光LEDでの焦点システムと、プロセスのリアルタイム画像を得るためのLCDモニターを組み入れたマイクロカメラと、患者に適正な整合を維持させるカメラに組み込まれた同軸固視灯とを備えている。電力は電力メータで制御され、3.0mW/cmに維持される。
それぞれ5分間である照射の6段階で、全ての動物は全30分間照射された。必要に応じて、照射されて角膜が乾燥したら常に1滴の生理塩水が投与された。それぞれの照射ステップの終わりに、角膜は生理塩水で洗浄され、それぞれの照射ステップの開始前に投与される溶液の1滴が加えられた。
照射後に、動物はペントバルビタールの過剰静脈注射で処分され、両眼は素早く試料化され、生体力学アッセイに使用された。
4タイプの治療が施された眼の生体力学評価の結果は、角膜コラーゲン線維の架橋結合ステップに続く眼の抵抗性を示し、4タイプの治療と、異なる組成の3種の溶液で得られた効果の相違を強調する。
得られたデータは下の表2に示されている。
Figure 0005913606

CCT=中央角膜厚
リクロリン(RICROLIN)TE=特許願RM2008A00472で説明されている組成物に対応する溶液の商品名
データは図1で示すグラフで提供されている。ストレスは伸展度または引張度の関数として表されている。
ストレスは、サンプル(試料)の所定の部分に適用された力を、その部分の面積で除算した値(比)として計算されたサンプルの力学物性であり、伸展度は物体の変化後の長さを本来の長さで除算した値(変化度)である。
図1のストレスと引張度の関係を表す曲線で表される生データが示すように、イオントフォレシスによって送り込まれたリボフラビンリン酸ナトリウム、EDTAナトリウムおよびリン酸バッファと水を含んだ、PREP B製剤に対応するリボフラビンの溶液で治療を受けた眼(実験群3)は、対照の眼、および、UV−A照射の前にリボフラビンPREP Aの溶液を受けた、角膜架橋結合を経た眼(実験群2)、さらに、イオントフォレシスの手段で送り込まれた、デキストランまたはNaClとデキストランの両方を含んだ溶液で処理された眼(実験群1)、または単純な吸収により処理された眼(実験群4)の約3倍の中央角膜厚を有した。このことは、前記の特許願RM2008A00472、PCT/IT2009/000392、PCT/IT2001/000010に関してそれぞれ説明されている。実験群3の眼で特定されたさらに厚い中央角膜は、角膜にさらに大きな不変性を提供できる角膜コラーゲン線維の架橋結合を増進させる溶液PREP Bの向上した効果の結果である。このように、溶液PREP Bの使用は、角膜突出および他の関連角膜疾患の治療において治療効果がさらに大きい。
角膜の架橋結合により治療された眼の増強された抵抗力に関する実験データ、よって、本発明の塩化ナトリウムを含まない組成物であるPREP B溶液の角膜内への浸透および透過の増強された能力に関する実験データは、イオントフォレシスメカニズムの概念を基礎として予期されるものとは対比を為す。事実、イオントフォレシスによって送り込まれる溶液の塩化ナトリウムの存在は増加した伝導性に関与し、溶液の良好な伝導性が、普通は荷電物質の良好な移動率を提供することは想定内である。
予想に反して、恐らくイオントフォレシスによって送り込まれる組成物内で解離形態である塩化ナトリウムの存在は、イオントフォレシスが適用される膜の飽和において、活性成分(リン酸リボフラビン)に対して競争力がある効果を発揮し、あるいは、塩化ナトリウムの解離された電荷の存在は、リン酸リボフラビンの電荷を中和し、または、実験作業のpH値で負に荷電された組成物(例えば、眼科的に許容された形態のEDTAの塩)で増進剤として作用する他の化学物質の電荷を中和し、イオントフォレシスにより増強される活性成分の効果的な移動を弱める。
現在、本願発明の発明者は、観察された結果に基づき、物理的−化学的メカニズムを理解するため、さらなる研究に携わっている。

Claims (4)

  1. 角膜イオントフォレシスによって投与するための円錐角膜の治療眼科組成物であって、架橋結合剤はリボフラビンであり、pHは6.9から7.2の間であり、浸透圧値は90から100mOsm/1の間であり、以下の組成を有していることを特徴とする組成物(g):
    リボフラビンリン酸ナトリウム・・・・・・・・・・0.147
    ナトリウム−EDTA・・・・・・・・・・・・・・0.1
    トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン・・・・0.05
    NaHPO・2HO・・・・・・・・・・・・・0.385
    NaHPO・2HO・・・・・・・・・・・・・0.217
    蒸留水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100mlまでの量
  2. pHは7.0であり、浸透圧値は96mOsm/1であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. 7.0のpH値は、適量のリン酸ナトリウム一塩基二水和物及び/又はリン酸ナトリウム二塩基二水和物の緩衝剤で得られることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
  4. コリリウム、点眼剤、ゲル、および、角膜適用でき、その後に角膜イオントフォレシスが続く全ての薬剤形態で調製されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
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