本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には、同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、膜の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
また、本明細書にて用いる第1、第2、第3などの用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」または「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置であるトランジスタおよびその作製方法について図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、本発明の一態様に係る半導体装置であるトランジスタの上面図および断面図である。図1(A)に示すトランジスタの上面図に示す一点鎖線A−Bに対応するA−B断面を図1(B)に示す。なお、図1(A)は、煩雑になるのを防ぐため、層間絶縁膜112およびゲート絶縁膜108などを省略して示す。
図1(B)に示すトランジスタは、基板100と、基板100上に設けられた下地絶縁膜102と、下地絶縁膜102上に設けられた半導体膜106と、半導体膜106上のゲート絶縁膜108と、ゲート絶縁膜108上の、第1の金属膜110aおよび第1の金属膜110a上の第2の金属膜110bを有するゲート電極110と、ゲート絶縁膜108上に形成され、かつ第1の金属膜110aの側面と接し、第1の金属膜110aと同一の金属元素を有する金属酸化物膜114と、第2の金属膜110b及び金属酸化物膜114上に設けられた層間絶縁膜112と、層間絶縁膜を介して半導体膜106と接する配線104と、を有する。なお、下地絶縁膜102を設けない構造としても構わない。
第2の金属膜110bは、Si、Ge、Al、Ti、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ag、Ta、SnもしくはW、またはそれらの窒化物、酸化物ならびに合金を用いればよい。または、少なくともInおよびZnを含む酸化物または酸窒化物を用いても構わない。例えば、In−Ga−Zn−O−N系材料などを用いればよい。
第2の金属膜110bは、上記材料から一種以上選択し、単層でまたは積層で用いればよい。
第1の金属膜110aは、Si、Ge、Al、Co、Y、Zr、TaもしくはW、またはそれらの合金であって、かつ第2の金属膜110bよりイオン化傾向が大きい材料を用いればよい。それにより、第1の金属膜110aを酸化処理する際に、第2の金属膜110bが酸化されるのを抑制することができる。
金属酸化物膜114は、第1の金属膜110aを酸化させることによって形成される。第1の金属膜110aを酸化して金属酸化物膜114を形成する際、未酸化領域が残ってしまうのを防ぐために、第1の金属膜110aの膜厚は薄いことが好ましい。第1の金属膜110aの膜厚は、1nm以上30nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下である。このように第1の金属膜110aの膜厚が小さいことによって、金属酸化物膜114の形成を容易に行うことができる。
また、金属酸化物膜114が形成されることによって、外部から半導体膜106への不純物の拡散を抑制することができる。さらに、半導体膜106に酸化物半導体膜を用いている場合、トランジスタ作製プロセス中における加熱処理によって、酸化物半導体膜から酸素が外部に脱離してしまうのを抑制することができる。
半導体膜106は、シリコン、ゲルマニウム、化合物半導体などを用いることができる。特に、バンドギャップの大きい酸化物半導体膜を用いることが好ましい。本実施の形態において特に断りが無い限り、半導体膜106には酸化物半導体膜を用いることとする。
酸化物半導体膜を用いて作製したトランジスタは、非常に低いオフ電流を示す。また、ゲート電極をマスクにして、酸化物半導体膜に不純物を添加することによって低抵抗領域を形成させてもよい。該低抵抗領域は、トランジスタのソース領域及びドレイン領域として機能する。
低抵抗領域は、酸化物半導体膜を低抵抗化する不純物を含む領域である。例えば、低抵抗領域は、水素、ヘリウム、ホウ素、窒素、フッ素、ネオン、アルミニウム、リン、アルゴン、ヒ素、クリプトン、インジウム、スズ、アンチモンおよびキセノンから選ばれた一種以上を含む領域である。
低抵抗領域を形成することによって、酸化物半導体膜を用いたトランジスタのオン特性の低下を抑制できる。低抵抗領域は、シート抵抗が30kΩ/sq以下、好ましくは10kΩ/sq以下、さらに好ましくは1kΩ/sq以下、さらに好ましくは0.7kΩ/sq以下である。
高抵抗領域は、酸化物半導体膜の主成分以外の成分、即ち不純物の濃度が低い領域である。例えば、高抵抗領域は、不純物濃度が1×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1019atoms/cm3以下の領域である。ただし、主成分と不純物を厳密に分けることは困難であるため、本明細書では1原子%以上含まれる元素を主成分とする。
高抵抗領域は、不純物濃度が低く、かつ欠陥密度が低い領域であり、トランジスタにおいては、高抵抗領域にチャネル領域が形成されることが好ましい。それにより、電気特性および信頼性に優れるトランジスタを作製することができる。
酸化物半導体膜に用いる材料としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)またはジルコニウム(Zr)を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種あるいは複数種を有してもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
酸化物半導体膜は、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質などの状態をとる。
好ましくは、酸化物半導体膜は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とする。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動を低減することが可能である。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
基板100に大きな制限はないが、少なくとも、後の熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有している必要がある。例えば、ガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを、基板100として用いてもよい。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI(Silicon On Insulator)基板などを適用することも可能であり、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板100として用いると好ましい。
また、基板100として、可とう性基板を用いてもよい。なお、可とう性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可とう性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可とう性基板である基板100に転置する方法もある。その場合には、非可とう性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。
下地絶縁膜102は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化ガリウム、酸化ランタン、酸化セシウム、酸化タンタルおよび酸化マグネシウムの一種以上を選択して、単層または積層で用いればよい。
また、下地絶縁膜102は十分な平坦性を有することが好ましい。具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、さらに好ましくは0.1nm以下となるように下地となる膜を設ける。上述の数値以下のRaとすることで、酸化物半導体膜に結晶領域が形成されやすくなる。なお、Raは、JIS B0601で定義されている中心線平均粗さを面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」と表現でき、数式1にて定義される。
なお、数式1において、S0は、測定面(座標(x1,y1)(x1,y2)(x2,y1)(x2,y2)で表される4点によって囲まれる長方形の領域)の面積を指し、Z0は測定面の平均高さを指す。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて評価可能である。
酸化窒化シリコンとは、その組成において、窒素よりも酸素の含有量が多いものを示し、例えば、酸素が50原子%以上70原子%以下、窒素が0.5原子%以上15原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が0原子%以上10原子%以下の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成において、酸素よりも窒素の含有量が多いものを示し、例えば、酸素が5原子%以上30原子%以下、窒素が20原子%以上55原子%以下、シリコンが25原子%以上35原子%以下、水素が10原子%以上25原子%以下の範囲で含まれるものをいう。但し、上記範囲は、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward scattering Spectrometry)を用いて測定した場合のものである。また、構成元素の組成は、その合計が100原子%を超えない値をとる。
また、下地絶縁膜102は、加熱処理により酸素を放出する絶縁膜を用いると好ましい。
「加熱処理により酸素を放出する」とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy:昇温脱離ガス分光法)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1018atoms/cm3以上、好ましくは3.0×1020atoms/cm3以上であることをいう。
ここで、TDS分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量の測定方法について、以下に説明する。
TDS分析したときの気体の放出量は、スペクトルの積分値に比例する。このため、測定したスペクトルの積分値と標準試料の基準値との比により、気体の放出量を計算することができる。標準試料の基準値は、所定の原子を含む試料の、スペクトルの積分値に対する原子の密度の割合である。
例えば、標準試料である所定の密度の水素を含むシリコンウェハのTDS分析結果、および絶縁膜のTDS分析結果から、絶縁膜の酸素分子の放出量(NO2)は、数式2で求めることができる。ここで、TDS分析で得られる質量数32で検出されるスペクトルの全てが酸素分子由来と仮定する。質量数32のものとしてほかにCH3OHがあるが、存在する可能性が低いものとしてここでは考慮しない。また、酸素原子の同位体である質量数17の酸素原子および質量数18の酸素原子を含む酸素分子についても、自然界における存在比率が極微量であるため考慮しない。
NH2は、標準試料から脱離した水素分子を密度で換算した値である。SH2は、標準試料をTDS分析したときのスペクトルの積分値である。ここで、標準試料の基準値を、NH2/SH2とする。SO2は、絶縁膜をTDS分析したときのスペクトルの積分値である。αは、TDS分析におけるスペクトル強度に影響する係数である。数式2の詳細に関しては、特開平6−275697公報を参照する。なお、上記絶縁膜の酸素の放出量は、電子科学株式会社製の昇温脱離分析装置EMD−WA1000S/Wを用い、標準試料として1×1016atoms/cm3の水素原子を含むシリコンウェハを用いて測定する。
また、TDS分析において、酸素の一部は酸素原子として検出される。酸素分子と酸素原子の比率は、酸素分子のイオン化率から算出することができる。なお、上述のαは酸素分子のイオン化率を含むため、酸素分子の放出量を評価することで、酸素原子の放出量についても見積もることができる。
なお、NO2は酸素分子の放出量である。酸素原子に換算したときの放出量は、酸素分子の放出量の2倍となる。
酸化物半導体膜を用いたトランジスタの場合、下地絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が供給されることで、酸化物半導体膜と下地絶縁膜との界面準位密度を低減できる。この結果、トランジスタの動作などに起因して、酸化物半導体膜と下地絶縁膜との界面にキャリアが捕獲されることを抑制することができ、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
さらに、酸化物半導体膜の酸素欠損に起因して電荷が生じる場合がある。一般に酸化物半導体膜の酸素欠損は、一部がドナーとなりキャリアである電子を放出する。この結果、トランジスタのしきい値電圧がマイナス方向にシフトしてしまう。そこで、下地絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が十分に供給され、好ましくは酸化物半導体膜に酸素が過剰に含まれていることにより、しきい値電圧がマイナス方向へシフトする要因である、酸化物半導体膜の酸素欠損密度を低減することができる。
ゲート絶縁膜108は、下地絶縁膜102と同様の方法および同様の材料によって形成すればよい。
層間絶縁膜112は、下地絶縁膜102と同様の方法および同様の材料により形成する。
層間絶縁膜112は、比誘電率が小さく、かつ十分な厚さを有すると好ましい。例えば、比誘電率が3.8程度である酸化シリコン膜を用い、300nm以上1000nm以下の厚さとすればよい。層間絶縁膜112の表面は、大気成分などの影響でわずかに固定電荷を有し、その影響により、トランジスタのしきい値電圧が変動することがある。そのため、層間絶縁膜112は、表面に生じる電荷の影響が十分に小さくなるような範囲の比誘電率および厚さとすることが好ましい。同様の理由で、層間絶縁膜112上に樹脂膜を形成することで、表面に生じる電荷の影響を低減しても構わない。
配線104は、Si、Ge、Al、Cr、Co、Ni、Cu、Y、Zr、Mo、Ag、Ta、SnまたはW、それらの窒化物、酸化物ならびに合金から一種以上選択し、単層でまたは積層で用いればよい。または、少なくともInおよびZnを含む酸化物または酸窒化物を用いても構わない。例えば、In−Ga−Zn−O−N系材料などを用いればよい。なお、配線104は、トランジスタのソース電極およびドレイン電極として機能することができる。
また、図1に示すトランジスタは、活性層の一部を低抵抗化することによってソース領域およびドレイン領域とするプレーナ構造を示しているが、これに限定されるものではない。活性層の一部をソース領域及びドレイン領域として形成せず、配線をソース電極及びドレイン電極として用いることができる。例えば、活性層上面とソース電極およびドレイン電極が接するトップコンタクト構造、または活性層下面とソース電極およびドレイン電極が接するボトムコンタクト構造などを用いることができる。
(トランジスタの作製方法)
次に、図1(B)に示したトランジスタの作製方法について、図2および図3を用いて説明する。
まず、基板100上に下地絶縁膜102を成膜する。下地絶縁膜102は、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法またはパルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法で成膜すればよく、スパッタリング法を用いると好ましい。なお、基板100によっては、下地絶縁膜102を設けなくても構わない。
次に、下地絶縁膜102上に半導体膜を成膜する。半導体膜は、酸化物半導体膜を用いることが好ましく、酸化物半導体膜の成膜は、CVD法、スパッタリング法、MBE法またはPLD法で成膜すればよく、スパッタリング法を用いると好ましい。
酸化物半導体膜を成膜後、加熱処理を行ってもよい。該加熱処理を行うと、酸化物半導体膜の結晶化度が高まる。また、酸化物半導体膜中の不純物(水素および水分など)の濃度を低減し、欠陥密度を低減することができる。
加熱処理は、酸化性雰囲気、不活性雰囲気、減圧雰囲気および乾燥空気雰囲気を1種、または2種以上組み合わせて行えばよい。好ましくは、不活性雰囲気または減圧雰囲気にて加熱処理を行い、その後酸化性雰囲気または乾燥空気雰囲気にて加熱処理を行う。加熱処理の温度は、150℃以上650℃以下、好ましくは250℃以上500℃以下、さらに好ましくは300℃以上450℃以下の温度で行えばよい。加熱処理は、抵抗加熱方式、ランプヒータ方式、加熱ガス方式などを適用すればよい。
酸化性雰囲気とは、酸化性ガスを含む雰囲気をいう。酸化性ガスとは、酸素、オゾンまたは亜酸化窒素などであって、水、水素などが含まれないことが好ましい。例えば、熱処理装置に導入する酸素、オゾン、亜酸化窒素の純度を、8N(99.999999%)以上、好ましくは9N(99.9999999%)以上とする。酸化性雰囲気には、酸化性ガスと不活性ガスが混合されていてもよい。その場合、酸化性ガスが少なくとも10ppm以上含まれる雰囲気とする。酸化性雰囲気で加熱処理を行うことで、酸化物半導体膜の酸素欠損密度を低減することができる。
不活性雰囲気とは、窒素、希ガスなどの不活性ガスを主成分とする雰囲気をいう。具体的には、酸化性ガスなどの反応性ガスが10ppm未満である雰囲気とする。不活性雰囲気で加熱処理を行うことで、酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。
減圧雰囲気とは、処理室の圧力が10Pa以下の雰囲気をいう。減圧雰囲気で加熱処理を行うことで、不活性雰囲気よりもさらに酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。
乾燥空気雰囲気とは、露点−40℃以下、好ましくは露点−50℃以下の酸素20%程度および窒素80%程度含まれる雰囲気をいう。酸化性雰囲気の一種であるが、比較的低コストであるため量産に適している。
次に、酸化物半導体膜を加工して半導体膜106を形成する(図2(A)参照。)。なお、「加工する」とは、特に断りがない限り、フォトリソグラフィ法によって形成したレジストマスクを用い、エッチング処理を行って、所望の形状の膜を得ることをいう。
次に、半導体膜106上にゲート絶縁膜108を成膜する。ゲート絶縁膜108は、CVD法、スパッタリング法、MBE法、PLD法で成膜すればよく、特にスパッタリング法を用いると好ましい。
次に、ゲート絶縁膜108上に導電膜109を成膜する(図2(B)参照。)。導電膜109は、図1に示す第1の金属膜110aと同様の材料により形成することができる。
次に、導電膜109上に、導電膜109よりもイオン化傾向が小さい導電膜を成膜し、該導電膜を加工することによって、導電膜109の一部を露出させると共に、第2の金属膜110bを形成する(図2(C)参照。)。
次に、第2の金属膜110bをマスクにして、露出した導電膜109に対して、酸化処理を行う。該酸化処理によって、露出した導電膜109が酸化され、金属酸化物膜114が形成されると共に、導電膜109において、酸化処理に曝されない第1の金属膜110aが形成される(図3(A)参照。)。
酸化処理は、酸素を含む雰囲気におけるプラズマ処理によって行うことができる。酸素を含む雰囲気として、例えば酸素、一酸化二窒素、オゾンガスなどを用いることができる。プラズマ処理は、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)装置などを用いることができる。また、高密度プラズマ装置を用いると、被処理物へのプラズマによるダメージが低減されるため好ましい。
また、酸化処理はプラズマ処理である必要は無く、酸素を含む雰囲気に、被処理物を曝して加熱することによって行ってもよい。
金属酸化物膜は絶縁性であり、抵抗率は、1×103Ω・cm以上である。
このようにして、第1の金属膜110a及び第2の金属膜110bを有するゲート電極110が形成されることによって、ゲート電極110の加工時におけるゲート絶縁膜108の膜減り及びダメージを抑え、それによりリーク電流を低減させることができる。
なお、酸化処理のマスクとなっている第2の金属膜110bにおいても、条件によって表面も酸化されることがあるが、薄膜である導電膜109を酸化させるのに必要とする時間はわずかな時間であり、さらに、第2の金属膜110bは、導電膜109よりイオン化傾向が小さく、酸化されにくい材料を用いているため、その影響は無視できる程度である。
以上のように、第2の金属膜110bは、導電膜109よりイオン化傾向が小さく、酸化されにくい材料を用いているため、設計したゲート電極110の線幅から大きくずれることなく形成することができる。
なお、特に図示しないが、ゲート電極110をマスクとして、半導体膜106に不純物を添加し、低抵抗領域を形成してもよい。なお、酸化物半導体膜からなる半導体膜において、酸化物半導体膜を低抵抗化する不純物が添加されない領域は高抵抗領域となる。
酸化物半導体膜を低抵抗化する不純物として、水素、ヘリウム、ホウ素、窒素、フッ素、ネオン、アルミニウム、リン、アルゴン、ヒ素、クリプトン、インジウム、スズ、アンチモンおよびキセノンから選ばれた一種以上を添加すればよい。なお、その方法は、イオン注入法、イオンドーピング法で行えばよい。または、酸化物半導体膜を低抵抗化する不純物を含む雰囲気でのプラズマ処理もしくは加熱処理を行えばよい。好ましくはイオン注入法を用いる。なお、イオン注入法にて酸化物半導体膜を低抵抗化する不純物を添加した後に、不活性雰囲気または減圧雰囲気にて加熱処理を行ってもよい。
次に、第2の金属膜110bおよび金属酸化物膜114上に、層間絶縁膜112を形成する。層間絶縁膜112は、CVD法、スパッタリング法、MBE法、PLD法またはスピンコート法で成膜すればよく、下地絶縁膜102と同様の材料および方法によって形成することができる。
次に、層間絶縁膜112、金属酸化物膜114およびゲート絶縁膜108を加工して半導体膜106を露出させ、該露出した半導体膜106と接続する配線104を形成する(図3(B)参照。)。また、図示しないが層間絶縁膜112上に樹脂膜を設けても構わない。
以上のような工程によって、トップゲート型トランジスタにおいて、ゲート電極の加工時におけるゲート絶縁膜の膜減り及びダメージを抑え、それによりリーク電流を低減させることができる。また、微細なトランジスタを歩留まり良く作製することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1で示したトランジスタを用いて、半導体記憶装置を作製する例について説明する。
揮発性半導体記憶装置の代表的な例としては、記憶素子を構成するトランジスタを選択してキャパシタに電荷を蓄積することで、情報を記憶するDRAM(Dynamic Random Access Memory)、フリップフロップなどの回路を用いて記憶内容を保持するSRAM(Static Random Access Memory)がある。
不揮発性半導体記憶装置の代表例としては、トランジスタのゲートとチャネル領域との間にノードを有し、当該ノードに電荷を保持することで記憶を行うフラッシュメモリがある。
上述した半導体記憶装置に含まれるトランジスタの一部に実施の形態1で示したトランジスタを適用することができる。
まずは、実施の形態1で示したトランジスタを適用した揮発性メモリについて図4を用いて説明する。
メモリセルは、ビット線BLと、ワード線WLと、センスアンプSAmpと、トランジスタTrと、キャパシタCと、を有する(図4(A)参照。)。
キャパシタCに保持された電圧の時間変化は、トランジスタTrのオフ電流によって図4(B)に示すように徐々に低減していくことが知られている。当初V0からV1まで充電された電圧は、時間が経過するとdata1を読み出す限界点であるVAまで低減する。この期間を保持期間T_1とする。即ち、2値のメモリセルの場合、保持期間T_1の間にリフレッシュをする必要がある。
ここで、トランジスタTrに実施の形態1で示したトランジスタを適用すると、オフ電流が小さいため、保持期間T_1を長くすることができる。即ち、リフレッシュ期間を長くとることが可能となるため、消費電力を低減することができる。例えば、オフ電流が1×10−21A以下、好ましくは1×10−24A以下となった酸化物半導体膜を用いたトランジスタをDRAMに適用すると、電力を供給せずに数日間から数十年間に渡ってデータを保持することが可能となる。
以上のように、本発明の一態様によって、信頼性が高く、消費電力の小さい揮発性メモリを得ることができる。
また、実施の形態1で示したオン特性の優れたトランジスタを適用することで、キャパシタCへの電荷の蓄積が速やかに行われ、高速動作が可能な半導体記憶装置を得ることができる。
次に、実施の形態1で示したトランジスタを適用した不揮発性メモリについて図5を用いて説明する。
図5(A)は、不揮発性メモリの回路図である。不揮発性メモリは、トランジスタTr_1と、トランジスタTr_1のゲートと接続するワード線WL_1と、トランジスタTr_1のソースと接続するソース配線SL_1と、トランジスタTr_2と、トランジスタTr_2のソースと接続するソース配線SL_2と、トランジスタTr_2のドレインと接続するドレイン配線DL_2と、キャパシタCと、キャパシタCの一端と接続する容量配線CLと、キャパシタCの他端、トランジスタTr_1のドレインおよびトランジスタTr_2のゲートと接続するノードNと、を有する。
なお、本実施の形態に示す不揮発性メモリは、ノードNの電位に応じて、トランジスタTr_2のしきい値電圧が変動することを利用したものである。例えば、図5(B)は容量配線CLの電圧VCLと、トランジスタTr_2を流れるドレイン電流Id_2との関係を説明する図である。
ここで、ノードNは、トランジスタTr_1を介して電圧を調整することができる。例えば、SL_1の電位をVDDとする。このとき、WL_1の電位をTr_1のしきい値電圧VthにVDDを加えた電位以上とすることで、ノードNの電圧をHIGHにすることができる。また、WL_1の電位をTr_1のしきい値電圧Vth以下とすることで、ノードNの電位をLOWにすることができる。
そのため、N=LOWで示したVCL−Id_2カーブと、N=HIGHで示したVCL−Id_2カーブのいずれかを得ることができる。即ち、N=LOWでは、VCL=0VにてId_2が小さいため、データ0となる。また、N=HIGHでは、VCL=0VにてId_2が大きいため、データ1となる。このようにして、データを記憶することができる。
ここで、トランジスタTr_1に実施の形態1で示したトランジスタを適用すると、該トランジスタはオフ電流を極めて小さくすることができるため、ノードNに蓄積された電荷がトランジスタTr_1のソースおよびドレイン間を意図せずにリークすることを抑制できる。そのため、長期間に渡ってデータを保持することができる。また、本発明の一態様を用いることでトランジスタTr_1のしきい値電圧が調整されるため、書き込みに必要な電圧を低減することが可能となり、フラッシュメモリなどと比較して消費電力を低減することができる。
なお、トランジスタTr_2に、実施の形態1で示したトランジスタを適用しても構わない。該トランジスタは、オン特性に優れる。そのため、該トランジスタを用いた半導体記憶装置は高速動作が可能となる。
以上のように、本発明の一態様によって、長期間の信頼性が高く、消費電力の小さく、高速動作が可能な半導体記憶装置を得ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
実施の形態1で示したトランジスタまたは実施の形態2に示した半導体記憶装置を少なくとも一部に用いてCPU(Central Processing Unit)を構成することができる。
図6(A)は、CPUの具体的な構成を示すブロック図である。図6(A)に示すCPUは、基板1190上に、演算回路(ALU:Arithmetic logic unit)1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース(Bus I/F)1198、書き換え可能なROM1199、およびROMインターフェース(ROM I/F)1189を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板などを用いる。ROM1199およびROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図6(A)に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出しや書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、およびレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号CLK1を元に、内部クロック信号CLK2を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
図6(A)に示すCPUでは、レジスタ1196に、記憶素子が設けられている。レジスタ1196の記憶素子には、実施の形態2に示す半導体記憶装置を用いることができる。
図6(A)に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作を行う。即ち、レジスタ1196が有する記憶素子において、位相反転素子によるデータの保持を行うか、キャパシタによるデータの保持を行う。位相反転素子によってデータが保持されている場合、レジスタ1196内の記憶素子への、電源電圧の供給が行われる。キャパシタによってデータが保持されている場合、キャパシタへのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内の記憶素子への電源電圧の供給を停止することができる。
電源停止に関しては、図6(B)または図6(C)に示すように、記憶素子群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設けることにより行うことができる。以下に図6(B)および図6(C)の回路の説明を行う。
図6(B)および図6(C)では、記憶素子への電源電位の供給を制御するスイッチング素子に実施の形態1に示すトランジスタ用いた構成の一例を示す。
図6(B)に示す記憶装置は、スイッチング素子1141と、記憶素子1142を複数有する記憶素子群1143とを有している。具体的に、それぞれの記憶素子1142には、実施の形態2に示す記憶素子を用いることができる。記憶素子群1143が有するそれぞれの記憶素子1142には、スイッチング素子1141を介して、ハイレベルの電源電位VDDが供給されている。さらに、記憶素子群1143が有するそれぞれの記憶素子1142には、信号INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられている。
図6(B)では、スイッチング素子1141として、酸化物半導体などのバンドギャップの大きい半導体を活性層に有するトランジスタを用いており、該トランジスタは、そのゲートに与えられる信号SigAによりスイッチングが制御される。
なお、図6(B)では、スイッチング素子1141がトランジスタを一つだけ有する構成を示しているが、これに限定されず、トランジスタを複数有していてもよい。スイッチング素子1141が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていてもよいし、直列に接続されていてもよいし、直列と並列が組み合わされて接続されていてもよい。
また、図6(C)には、記憶素子群1143が有するそれぞれの記憶素子1142に、スイッチング素子1141を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている、記憶装置の一例を示す。スイッチング素子1141により、記憶素子群1143が有するそれぞれの記憶素子1142への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
記憶素子群と、電源電位VDDまたは電源電位VSSの与えられているノード間に、スイッチング素子を設け、一時的にCPUの動作を停止し、電源電圧の供給を停止した場合においてもデータを保持することが可能であり、消費電力の低減を行うことができる。例えば、パーソナルコンピュータのユーザーが、キーボードなどの入力装置への情報の入力を停止している間でも、CPUの動作を停止することができ、それにより消費電力を低減することができる。
ここでは、CPUを例に挙げて説明したが、DSP(Degital Signal Processor)、カスタムLSI、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのLSIにも応用可能である。
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態1乃至実施の形態3に示すトランジスタ、半導体記憶装置およびCPUの一種以上を含む電子機器の例について説明する。
図7(A)は携帯型情報端末である。図7(A)に示す携帯型情報端末は、筐体9300と、ボタン9301と、マイクロフォン9302と、表示部9303と、スピーカ9304と、カメラ9305と、を具備し、携帯型電話機としての機能を有する。
図7(B)は、ディスプレイである。図7(B)に示すディスプレイは、筐体9310と、表示部9311と、を具備する。
図7(C)は、デジタルスチルカメラである。図7(C)に示すデジタルスチルカメラは、筐体9320と、ボタン9321と、マイクロフォン9322と、表示部9323と、を具備する。
図7(D)は2つ折り可能な携帯情報端末である。図7(D)に示す2つ折り可能な携帯情報端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、留め具9633、操作スイッチ9638、を有する。
表示部9631aまたは/および表示部9631bは、一部または全部をタッチパネルとすることができ、表示された操作キーに触れることでデータ入力などを行うことができる。
本発明の一態様を用いることで、電子機器の性能を高めることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。