JP5912047B2 - サーマルプリンタ - Google Patents
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Description
上記ロック機構としては、例えばプラテン軸の両端部に設けられた軸受を、筐体側のヘッドユニットに設けられたラッチで着脱自在に保持するものが知られている。この場合には、プラテンローラのロックと同時に、プリンタカバー自体もロックがなされる。
これにより、部品精度誤差や組み立て誤差等があったとしても、プリンタカバーの閉動作に伴ってプラテンユニット自体が適宜上記方向に移動するので、各種誤差を吸収しながらロック機構がプラテンローラをロックすることが可能とされている。また、これにより、プリンタカバー自体もロックがなされる。
通常、プリンタカバーの開操作を行う場合には、ロック機構を解除する解除部(解除レバーや解除ボタン等)を操作する必要があるので、ユーザーに共通の操作を行わせることが可能であるが、閉操作を行う場合には、プリンタカバーの任意の位置を押し下げ操作することが可能であるので、ユーザーによってその押し下げ位置が異なってしまう。
例えば、プリンタカバーのうち、該プリンタカバーに取付けられているプラテンローラの長手方向の中央部に相当する部分を押し下げ操作する場合や、プラテンローラの端部に相当する部分を押し下げ操作する場合等、その押し下げ位置は同一箇所に限られるものではない。
この片締まりが生じると、サーマルヘッドに対してプラテンローラが均一に適度な接触圧で接触しないので、印字不良や印字品質の低下を招いてしまううえ、紙ジャム等を発生させ易くなってしまものであった。
(1)本発明に係るサーマルプリンタは、記録紙が収納される筐体本体、及び該筐体本体に開閉可能に連結された蓋体を具備する筐体内に組み込まれたサーマルプリンタであって、前記筐体本体に設けられ、サーマルヘッドを有するヘッドユニットと、前記蓋体に設けられ、前記記録紙を紙送りするプラテンローラを有すると共に、前記蓋体の開閉操作に伴って前記ヘッドユニットに対して分離可能に組み合わされるプラテンユニットと、を備え、前記プラテンユニットは、前記プラテンローラを軸支すると共に係合部を有する支持体を備え、前記ヘッドユニットは、前記係合部に係合可能なラッチを有し、前記蓋体の閉操作に伴って該ラッチを前記係合部に係合させてロックすると共に、該ロック時に前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとを圧接させた状態で組み合わせるロック機構を備え、前記プラテンユニットは、前記支持体を介して、前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラが接近離間する特定方向に沿ってスライド移動自在に前記蓋体に取付けられ、前記蓋体と前記支持体との間には、前記特定方向のうち前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラが接近する方向に前記プラテンユニットを付勢する付勢部材が設けられていることを特徴とする。
しかも、プラテンユニットは、付勢部材によってサーマルヘッドに対してプラテンローラが接近する方向に常時付勢されているので、例えば蓋体の押し下げ位置の影響によってプラテンユニットが一旦傾くように移動したとしても、付勢力によってプラテンユニットの姿勢を元の状態に復帰させることができる。
従って、従来のような片締まりを発生させることなく、サーマルヘッドとプラテンローラとを最適なセット状態で確実に組み合わせることができ、高品質な印字を行うことができるうえ、紙ジャム等の発生を抑制することができる。
図1及び図2に示すように、本実施形態のサーマルプリンタ1は、分離可能に組み合わされるヘッドユニット2とプラテンユニット3とを備え、感熱紙である記録紙Pがロール状に巻回されたロール紙Rを収容するいわゆるクラムシェル型のケーシング(筐体)4内に組み込まれている。なお、図2では、ヘッドユニット2及びプラテンユニット3の図示を簡略化している。
ケーシング4は、上方に開口すると共に、内部に上記ロール紙Rが収納されるロール紙収納部5が設けられたケーシング本体(筐体本体)10と、このケーシング本体10に対して回転軸部12を介して開閉可能に連結された蓋体11と、を備えている。回転軸部12は、ケーシング本体10における後方且つ上方側に取付けられている。これにより、蓋体11の先端部側を回転軸部12回りに略90度程度の範囲で大きく開閉することが可能とされている。
また、ケーシング本体10と蓋体11の先端部との間には、紙送りされた記録紙Pを上方に排出させる排出口6が形成されている。
図3に示すように、内部構造体15は、前方側に位置する前壁部15Aと、左右方向L2に向かい合う一対の側壁部15Bと、後方側に位置する図示しない後壁部と、で概略箱状に形成されており、これら各壁部で囲まれた空間を下方から塞ぐように底壁部15Cが設けられている。そして、これら前壁部15A、側壁部15B、後壁部及び底壁部15Cで囲まれる部分が、上記ロール紙収納部5として機能する。また、底壁部15Cの下方には、図示しないプラテン駆動用モータ等を収容する収容枠体15Dが連設されている。
更に、一対の側壁部15B間には、互いを連結するように左右方向L2に延びた上記回転軸部12が取付けられている。この回転軸部12は、一対の側壁部15Bにおける後方側の上部に取付けられている。
この内面プレート21の外周縁部は、下方に折り曲げられた折曲壁21aとされており、このうち左右方向L2に向かい合う折曲壁21aの後端部には、上記回転軸部12が挿通される挿通孔22が形成されている。これにより、蓋体11は回転軸部12を介してケーシング本体10に開閉可能に連結されている。
一方、蓋体11の内面側には、この解除レバー26に連動して作動する作動片27が取付けられている。この作動片27は、解除レバー26の引き上げ操作に伴って下方移動する凸部27a(図8参照)を有している。
上記ヘッドユニット2は、図2及び図3に示すように、ケーシング本体10における内部構造体15の前壁部15Aに設けられたユニットであり、プラテンローラ35に対して適度な押圧力で押し付けられるサーマルヘッド30と、固定刃31と、を主に具備している。
プラテンユニット3は、図1、図2及び図4に示すように、ロール紙Rから引き出された記録紙Pをケーシング4外に紙送りするプラテンローラ35と、可動刃36と、プラテン支持体(支持体)37と、を主に具備しており、蓋体11の内面に設けられたユニットされている。このため、プラテンユニット3は、蓋体11の開閉操作に伴って上記ヘッドユニット2に対して分離可能に組み合わせ可能とされている。
つまり、プラテンユニット3は、プラテンフレーム41を介して蓋体11に取り付けられている。
詳細に説明すると、プラテンローラ35よりも左右方向L2の外側に延びたプラテン軸35aの両端部には、円筒状の軸受部45がそれぞれ被せられている。これにより、これら軸受部45を押さえ付けたとしても、プラテンローラ35を回転させることが可能とされている。なお、プラテン軸35aの一端部には、軸受部45よりも左右方向L2の外側に2段ギア46が回転フリーに装着されていると共に、該2段ギア46よりも左右方向L2の外側に従動ギア47が固定されている。
なお、一対の軸受部45は、支持壁40aよりも左右方向L2の外側に向けて延びており、蓋体11を閉じた際に図7に示すように、内部構造体15の一対の側壁部15Bに形成された収納凹部20内に収納される。また、これら一対の軸受部45は、収納凹部20内に収納された状態で後述するラッチ70aに係合させられる係合部として機能する。
つまり、このプラテンフレーム41は、支持片41b及び連結片41cを介して、プラテンブロック40を吊下げ状態で保持している。この際、天板部41aとプラテンブロック40との間には空間が確保されており、この空間を利用して可動刃36及び該可動刃36を固定する可動刃フレーム55が配設されている。
サイドフレーム55aにおける後端側の下面には、上記したカッターギア51に噛合するラック56が形成されている。これにより、可動刃フレーム55は、カッターギア51の正逆回転に伴って往復移動させられ、それによって可動刃36を固定刃31に対して接近離間する方向(前後方向L1)にスライド移動させることが可能とされている。
ところで、蓋体11とプラテン支持体37との間には、前後方向L1のうちサーマルヘッド30に対してプラテンローラ35が接近する前方にプラテンユニット3を付勢するコイルバネ(付勢部材)68が設けられている。
しかも、本実施形態では、図4に示すように、プラテンユニット3を内面プレート21に対して組み付けた後、プラテンフレーム41おける天板部41aの後端縁が接触する位置において規制ねじ67が内面プレート21に取付けられている。これにより、プラテンユニット3の後方移動が規制ねじ67によって規制されている。
なお、プラテンユニット3の前方への移動は、開口部60に対する第1爪部65の接触と、切欠溝61に対する第2爪部66の接触と、によって規制される。
次に、蓋体11を閉じた際に、該蓋体11をロックすると同時に、ヘッドユニット2とプラテンユニット3との組み合わせをロックするロック機構について説明する。
図7に示すように、ヘッドユニット2は、側壁部15Bに形成された収納凹部20内に収納されたプラテンローラ35の軸受部45に対して係合可能なラッチ70aを有する回転板70を具備している。この回転板70は、側壁部15Bの内側において前後方向L1に回転自在に配設されており、図示しない付勢部材等によりラッチ70aが後方側に移動するように回転付勢されている。これにより、収納凹部20内にプラテンローラ35の軸受部45が収納されると、ラッチ70aが自然に軸受部45に係合されてロックがなされる。
上記した、ラッチ70aを有する回転板70、挿入ピン71及び回転駒72は、ロック機構75として機能する。
また、内部構造体15における側壁部15Bには、プラテンローラ35を回転するための駆動力、及び可動刃36をスライド移動させるための駆動力を伝達する各種のギアが取付けられている。この点について詳細に説明する。
これにより、プラテン用モータからの回転力を駆動ギア81、中間ギア80及び従動ギア47を通じてプラテン軸35aに伝えることができ、プラテンローラ35を回転させて記録紙Pを紙送りすることが可能とされている。
これにより、カッター駆動用モータからの回転力を4番ギア84、3番ギア83、2番ギア82、2段ギア46、カッターギア51及びラック56を介して可動刃フレーム55に伝えることができ、可動刃36をスライド移動させることが可能とされている。
次に、上述したように構成されたサーマルプリンタ1の作用について説明する。
まず、図1に示すように、ロール紙Rをケーシング本体10のロール紙収納部5内に投入してセットした後、蓋体11を閉操作することで、プラテンユニット3をヘッドユニット2に対して接近させることができる。そして、蓋体11を完全に閉めることで、図2に示すように、記録紙Pをサーマルヘッド30とプラテンローラ35との間に挟んだ状態で、両ユニット2、3を組み合わせることができる。
この場合には、プラテン用モータを駆動して駆動ギア81を回転させる。すると、図7に示すように、この回転力は中間ギア80を介して従動ギア47に伝わるので、プラテンローラ35を回転させることができる。これにより、サーマルヘッド30との間で挟みこまれた記録紙Pをケーシング4の上方に向けて紙送りさせることができる。
また、これと同時にサーマルヘッド30に印字データに応じた制御信号を出力して発熱素子30aを適宜発熱させる。これにより、紙送りされる記録紙Pに対して、各種の文字や図形等を明瞭に印刷することができる。その後、印刷がなされた記録紙Pは固定刃31と可動刃36との間を通過する。
なお、固定刃31は可動刃36のスライド方向に直交する上下方向L3に揺動するうえ、上方に付勢されているので、可動刃36に対して適度な接触圧で接触する。よって、固定刃31の刃先と可動刃36の刃先との間に隙間を生じさせることなく、良好な切れ味で記録紙Pを切断できる。
この場合には、蓋体11の上面に配設された図1に示す解除レバー26を引き上げ操作する。すると、蓋体11の内面側に配設された作動片27が上記引き上げ操作に連動して作動し、凸部27aが下方移動すると共に、図7に示すように、回転駒72の押圧部72bを下方に押し下げる。これにより、回転駒72がCW方向に回転し、これに伴って挿入ピン71がCCW方向に回転する。そのため、挿入ピン71に連結されている回転板70が、ラッチ70aが前方移動するように付勢力に抗して回転させられる。これにより、軸受部45に係合していたラッチ70aが該軸受部45から離間し、ロックが解除される。
その結果、蓋体11を開操作することができ、軸受部45を収納凹部20内から離脱させながら、プラテンユニット3をヘッドユニット2から分離させることができる。
しかしながら、本実施形態の場合には、コイルバネ68によってプラテンユニット3が前方に常時付勢されているので、一旦傾いたとしても元の状態に容易に復帰するので、片押し操作がされたとしても、両方の軸受部45を確実にロックさせることが可能である。
但し、プリンタとしての機能性を高めることができるので、カッター機構38を具備することが好ましい。特に、カッター機構38を具備したとしても、蓋体11の開閉操作に伴って固定刃31と可動刃36とを分離可能に組み合わせることができるので、両刃31、36のメンテナンス等を容易に行い易い。また、片締まりを発生させることなく、ヘッドユニット2とプラテンユニット3とを組み合わせてロックできるので、固定刃31及び可動刃36に関しても互いに切断に最適な状態でセットすることができ、良好な切断機能を確保できる。
更には、プラテンユニット3を前方側に押圧するようにコイルバネ68を配置したが、例えば前方側に引っ張るようにコイルバネ68を配置しても構わない。この場合であっても、プラテンユニット3を前方に向けて付勢することができる。
但し、上記実施形態のように軸受部45を係合部として兼用させることで、部品数を低減でき、構成の簡略化を図ることができる。また、プラテンローラ35に組みつけられる一対の軸受部45そのものを、片締まりを発生させることなく確実にロックできるので、ヘッドユニット2とプラテンユニット3との組み合わせをより安定にロックできると共に、ヘッドユニット2に対してプラテンローラ35を全長に亘ってより均一に圧接させ易い。
一方、蓋体11の内面に取付けられた内面プレート21の折曲壁21aには、前後方向L1に延びるスリット孔92が形成されている。そして、上記固定用シャフト90は、その両端部がこのスリット孔92内に配設されている。
従って、この場合であっても、スリット孔92の範囲内においてプラテンユニット3を前後方向L1にスライド移動可能な状態で蓋体11に取付けることができ、同様の作用効果を奏効することができる。なお、この場合には、蓋体11から内面プレート21を取り外した状態で、固定用シャフト90等を利用してプラテンユニット3を取り付け、その後、内面プレート21を蓋体11の内面に取付ければ良い。
P…記録紙
1…サーマルプリンタ
2…ヘッドユニット
3…プラテンユニット
4…ケーシング(筐体)
10…ケーシング本体(筐体本体)
11…蓋体
30…サーマルヘッド
31…固定刃
35…プラテンローラ
35a…プラテン軸
36…可動刃
37…プラテン支持体(支持体)
38…カッター機構
45…軸受部(係合部)
60…開口部(切欠き部)
61…切欠溝(切欠き部)
65…第1爪部(係合爪)
66…第2爪部(係合爪)
68…コイルバネ(付勢部材)
70a…ラッチ
75…ロック機構
Claims (4)
- 記録紙が収納される筐体本体、及び該筐体本体に開閉可能に連結された蓋体を具備する筐体内に組み込まれたサーマルプリンタであって、
前記筐体本体に設けられ、サーマルヘッドを有するヘッドユニットと、
前記蓋体に設けられ、前記記録紙を紙送りするプラテンローラを有すると共に、前記蓋体の開閉操作に伴って前記ヘッドユニットに対して分離可能に組み合わされるプラテンユニットと、を備え、
前記プラテンユニットは、
前記プラテンローラを軸支すると共に係合部を有する支持体を備え、
前記ヘッドユニットは、
前記係合部に係合可能なラッチを有し、前記蓋体の閉操作に伴って該ラッチを前記係合部に係合させてロックすると共に、該ロック時に前記サーマルヘッドと前記プラテンローラとを圧接させた状態で組み合わせるロック機構を備え、
前記プラテンユニットは、前記支持体を介して、前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラが接近離間する特定方向に沿ってスライド移動自在に前記蓋体に取付けられ、
前記蓋体と前記支持体との間には、前記特定方向のうち前記サーマルヘッドに対して前記プラテンローラが接近する方向に前記プラテンユニットを付勢する付勢部材が設けられ、
前記支持体には、前記蓋体に形成された切欠き部内に、前記特定方向へのスライド移動が許容され、且つ該特定方向以外への移動が規制された状態で係合する係合爪が設けられていることを特徴とするサーマルプリンタ。 - 請求項1に記載のサーマルプリンタにおいて、
前記プラテンローラは、プラテン軸の両端部に取付けられた一対の軸受部を介して前記支持体に軸支され、
前記係合部は、前記一対の軸受部であることを特徴とするサーマルプリンタ。 - 請求項1または2に記載のサーマルプリンタにおいて、
前記付勢部材は、前記プラテンローラに沿って間隔を開けて複数設けられていることを特徴とするサーマルプリンタ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のサーマルプリンタにおいて、
固定刃及び可動刃を有し、前記記録紙を切断するカッター機構を備え、
前記固定刃及び可動刃のうちの一方が前記ヘッドユニットに設けられ、他方が前記プラテンユニットに設けられていることを特徴とするサーマルプリンタ。
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