JP5910878B2 - 機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法 - Google Patents

機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5910878B2
JP5910878B2 JP2012132905A JP2012132905A JP5910878B2 JP 5910878 B2 JP5910878 B2 JP 5910878B2 JP 2012132905 A JP2012132905 A JP 2012132905A JP 2012132905 A JP2012132905 A JP 2012132905A JP 5910878 B2 JP5910878 B2 JP 5910878B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispersion medium
functional resin
developing solvent
liquid
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012132905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013256576A (ja
Inventor
一樹 大森
一樹 大森
良一 宮坂
良一 宮坂
正康 保坂
正康 保坂
正勝 林
正勝 林
伊藤 雅彦
雅彦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd filed Critical Mitsubishi Kakoki Kaisha Ltd
Priority to JP2012132905A priority Critical patent/JP5910878B2/ja
Publication of JP2013256576A publication Critical patent/JP2013256576A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5910878B2 publication Critical patent/JP5910878B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Glanulating (AREA)

Description

本発明は、例えば熱可塑性樹脂を媒体として含む機能性樹脂原料からその粉粒体を製造する機能性樹脂粉粒体の製造システムに関し、更に詳しくは、機能性樹脂粉粒体を製造する際に用いられる分散媒及び展開溶媒を循環使用することができる機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法に関する。
この種の機能性樹脂粉粒体を製造する技術としては、本出願人が特許文献1において提案した機能性樹脂粉粒体の製造システム及びその製造方法がある。このシステムでは、混練機を用いて熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン)を媒体として含む機能性樹脂の原料と分散媒(例えば、ポリエチレングリコール)を混合し、これら両者を機能性樹脂の融点以上の温度で混練して機能性樹脂を分散媒中に球形状の粒子として分散させた混練物を得た後、この混練物と分散媒のみと相溶性のある展開溶媒(例えば、水)を攪拌機内に投入し、機能性樹脂の融点以下の温度まで冷却した混練物を展開溶媒中で攪拌機によって攪拌し、混練物から展開溶媒中に分散媒を溶出した混合液中で機能性樹脂粉粒体の懸濁液を得る。この懸濁液を希釈液(例えば、メタノール)で希釈した後、希釈懸濁液を遠心分離機によって機能性樹脂の粉粒体と希釈混合液に固液分離する。このように希釈液で懸濁液を希釈することで、懸濁液の粘度が低下し、機能性樹脂粉粒体と希釈混合液との間に比重差がついて固液分離が容易になる。分離後の機能性樹脂粉粒体は、所定の工程を経て製品として得られる。一方、分離後の希釈混合液は、蒸留装置を用い常圧下で混合液を蒸留し、低沸点のメタノールを分留して回収する。
特開2007−179061
しかしながら、特許文献1に記載の従来の製造システムでは希釈懸濁液を固液分離して生成する希釈混合液(ポリエチレングリコール、水、メタノールの混合液)の全量を蒸留し、希釈液であるメタノールを蒸留操作により回収し、循環使用しているが、希釈液以外の分散媒(ポリエチレングリコール)と展開溶媒(水)は分離回収することが難しく、そのまま排水している。また、循環使用するメタノールの回収するために、排出処理する分散媒及び展開溶媒までも蒸留操作しているため、無駄な消費エネルギーが多く、それだけランニングコストが高くなっていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ランニングコストを低減し、しかも従来は排出されていた分散媒及び展開溶媒を効率よく回収して循環使用することができる機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の請求項1に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システムは、少なくとも熱可塑性樹脂を含み所定の機能を発現する機能性樹脂とこの機能性樹脂と相溶性のない分散媒とを上記機能性樹脂の融点以上の温度に加熱、混合して混合物を調製し、上記混合物と上記分散媒のみを溶かす展開溶媒とを上記機能性樹脂の融点以下の温度で上記展開溶媒を攪拌して上記分散媒が上記混合物から上記展開溶媒中に溶出して得られる混合液と上記機能性樹脂の粉粒体との懸濁液を調製した後、上記懸濁液を上記粉粒体と上記混合液とに固液分離して上記粉粒体を回収すると共に上記混合液を上記分散媒と上記展開溶媒とに分離して回収する機能性樹脂粉粒体の製造システムであって、上記分散媒と上記展開溶媒の分離回収手段は、上記混合液を冷却して上記展開溶媒から上記分散媒を析出させる析出手段と、上記析出手段で得られた上記分散媒と上記展開溶媒とを固液分離する固液分離手段と、上記固液分離手段で得られた上記分散媒を低温、減圧下で攪拌しながら上記分散媒の残留展開溶媒を蒸発させて上記分散媒を回収する分散媒回収手段と、上記固液分離手段からの上記展開溶媒をそのまま回収する溶媒回収手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システムは、請求項1に記載の発明において、上記固液分離手段として遠心分離機を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システムは、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記分散媒回収手段として攪拌機を有する真空蒸発装置を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システムは、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記分散媒回収手段から蒸発した上記展開溶媒を回収する第2の溶媒回収手段を有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5に記載の機能性樹脂粉粒体の製造方法は、少なくとも熱可塑性樹脂を含み所定の機能を発現する機能性樹脂とこの機能性樹脂と相溶性のない分散媒とを上記機能性樹脂の融点以上の温度に加熱、混合して混合物を調製し、上記混合物と上記分散媒のみを溶かす展開溶媒を上記機能性樹脂の融点以下の温度で上記展開溶媒を攪拌して上記分散媒が上記混合物から上記展開溶媒中に溶出して得られる混合液と上記機能性樹脂の粉粒体との懸濁液を調製した後、上記懸濁液を上記粉粒体と上記混合液に固液分離して上記粉粒体を回収すると共に上記混合液を上記分散媒と上記展開溶媒とに分離して回収する機能性樹脂粉粒体の製造方法であって、上記分散媒と上記展開溶媒を分離回収する工程は、上記混合液を冷却して上記展開溶媒から上記分散媒を析出させる工程と、上記析出工程で得られた上記分散媒と上記展開溶媒とを分離する工程と、上記分離工程で得られた上記分散媒を低温、減圧下で攪拌しながら上記分散媒の残留展開溶媒を蒸発させて上記分散媒を回収する工程と、上記分離工程で得られた上記展開溶媒をそのまま回収する工程と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載の機能性樹脂粉粒体の製造方法は、請求項5に記載の発明において、上記分散媒としてポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイドを用いることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に記載の機能性樹脂粉粒体の製造方法は、請求項5または請求項6に記載の発明において、上記展開溶媒としてアルコール類またはケトン類を用いることを特徴とするものである。
本発明によれば、ランニングコストを低減し、しかも従来は排出されていた分散媒及び展開溶媒を効率よく回収して循環使用することができる機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法を提供することができる。
本発明の機能性樹脂粉粒体の製造システムの一実施形態を示す構成図である。 図1に示す遠心濾過装置を示す模式図である。 図1に示す分離板型デカンタを断面図である。
以下、図1〜図3に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
本実施形態の機能性樹脂粉粒体の製造システム10は、例えば図1に示すように、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン)を含み所定の機能を発現する機能性樹脂とこの機能性樹脂と相溶性のない分散媒(例えば、ポリエチレングリコール)とを混ぜて機能性樹脂の融点以上の温度に加熱、混合して混練物を調製する混練機11と、混練機11からの混練物と分散媒のみを溶かす展開溶媒(例えば、エタノール)とを機能性樹脂の融点以下の温度で攪拌し、混練物から分散媒が展開溶媒中に溶出してできる混合液と機能性樹脂粉粒体との懸濁液を調製する攪拌機12と、この懸濁液を機能性樹脂粉粒体と混合液に固液分離する遠心濾過装置13と、を備え、固液分離後に機能性樹脂粉粒体を回収すると共に混合液を分散媒と展開溶媒とに分離して回収するように構成されている。
機能性樹脂粉粒体に含まれる熱可塑性樹脂は、所定の機能を発現する組成物のバインダの役割を有している。所定の機能を発現する組成物は、種々の物理的、化学的特性を有し、熱可塑性樹脂を媒体として機能性樹脂粉粒体として種々の物理的、化学的特性を付与することができる。熱可塑性樹脂は、特に制限されないが、例えばポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、テトラフルオロエチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、ポリカプロラクトン(PCL)及びポリ乳酸(PLA)から選択される少なくともいずれか一つを含む熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
また、分散媒は、機能性樹脂に対して相溶性のある溶媒であれば、特に制限されず、機能性樹脂に即して適宜選択することができる。機能性樹脂に含まれる熱可塑性樹脂がポリプロピレンやポリエチレンの場合には、分散媒として例えばポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド類を用いることができる。また、熱可塑性樹脂がポリ乳酸の場合には、分散媒としてポリアクリル酸を用いることができる。
展開溶媒は、機能性樹脂が溶解し難く、実質的に分散媒のみを溶かす溶媒で、分散媒の溶解度がその温度に大きく依存するものであれば特に制限されない。展開溶媒としては、例えば、エタノール等のアルコール類を好ましく用いることができる。例えば分散媒としてポリエチレングリコールを用いる場合には、エタノールを展開溶媒として用いることができる。懸濁液から機能性樹脂粉粒体が分離回収されると、この粉粒体は洗浄される。その洗浄液としては、例えば展開溶媒と同一のものが好ましい。本実施形態では、洗浄液としてエタノールが用いられる。
而して、混練機11には、図1に示すように機能性樹脂を貯留するタンク11Aと、分散媒を貯留するタンク11Bが付帯し、これらのタンク11A、11Bから混練機11に機能性樹脂と分散媒が所定の混合比(重量比)(例えば、機能性樹脂:分散媒7=100%:200〜400%)になるように計量されて供給される。混練機11は、機能性樹脂と分散媒を機能性樹脂の融点以上の温度(例えば、150〜160℃)に加熱して混練することにより、分散媒中で造粒された機能性樹脂が球状物として分散する混合物を調製する。この混合物は、下流側の攪拌機12へ供給される。
本実施形態では、後述するように分散媒を回収し、循環使用するようにしてある。回収された分散媒には展開溶媒が僅かに含まれているため、この展開溶媒が混練機11内での混練中に蒸発する。この展開溶媒は、混練機11に付設された冷却塔11Cで冷却されて液化し、回収タンク11Dで回収する。回収された展開溶媒は、攪拌機12において循環使用される。
攪拌機12には、図1に示すように展開溶媒を貯留するタンク12Aが付帯し、このタンク12Aから展開溶媒を攪拌機12内へ供給する。この攪拌機12では、混練機11から受給する混練物を例えば60℃以下の温度まで冷却し、この温度で展開溶媒と一緒に攪拌する。これにより混合物の分散媒が展開溶媒中に溶出すると共に機能性樹脂の球形物が徐々に分散されて懸濁液として調製される。攪拌機12には冷却塔12B及び回収タンク12Cが付設され、冷却塔12B及び回収タンク12Cによって沸点の低い展開溶媒を回収する。攪拌機12において得られた懸濁液は、遠心濾過装置13に供給される。
遠心濾過装置13は、遠心力で懸濁液を固液分離して、機能性樹脂粉粒体を濾布で回収し、混合液を濾液として回収する。この遠心濾過装置13は、例えば図2に示すようにバスケット型遠心濾過機として構成されている。この遠心濾過装置13は、図2に示すように、内周面に濾材131Aが張設された回転バスケット131と、この回転バスケット131を回転させる回転軸132と、回転バスケット131の濾液(混合液)側と連通孔133を介して連通するサイホン室134と、サイホン室134内の混合液を吸引して排出する浸漬深さを調整できるサイホン管135と、回転バスケット131内に懸濁液を供給する供給管136と、回転バスケット131の内周面に形成された機能性樹脂粉粒体のケーキ層を掻き取る掻き取りナイフ137と、掻き取りナイフ137で掻き取られた粉粒体を機能性樹脂粉粒体として排出する排出シュート138と、を備えている。尚、図2において、139は、掻き取りナイフ137の濾材131に対する角度を調整する回転軸である。
遠心濾過装置13で懸濁液を固液分離する場合には、例えば回転バスケット131の回転により機能性樹脂粉粒体に100〜2000Gの遠心力を付与することによって機能性樹脂粉粒体に付着する殆どの混合液を除去し、機能性樹脂粉粒体のケーキ層の混合液の含有率を約2〜8%程度まで低下させることができる。遠心力が100G未満では混合液の含有率が十分に低下せず、次の乾燥工程での負荷が大きくなり乾燥に長時間を要する。遠心力が2000Gを超えても混合液の含有率に殆ど差がなくなる。しかも、遠心濾過装置13は、密閉式であり、外部からの不純物の混入を防止することができ、高純度の機能性樹脂粉粒体を得ることができる。この遠心濾過装置13において機能性樹脂粉粒体における混合液の含有率を約2〜8%程度まで低下させる。
固液分離された機能性樹脂粉粒体は、排出シュート138を介して粉粒体回収機構へ供給され、粉粒体回収機構において機能性樹脂粉粒体が洗浄され、洗浄液から固液分離された後、乾燥されて機能性樹脂粉粒体として貯留される。固液分離された混合液は、サイホン管135を介して混合液の回収する混合液回収機構へ供給され、混合液回収機構において混合液が分散媒と展開溶媒に分離されて回収される。回収された分散媒は、循環使用するために混練機11に付帯するタンク11Bへ戻され、回収された展開溶媒は、循環使用するために攪拌機12に付帯するタンク12Aへ戻される。
混合液回収機構は、図1に示すように、遠心濾過装置13からサイホン管135を介して受給する混合液を冷却して混合液から分散媒を析出(晶析)させる析出装置14と、析出装置14から受給する混合液を分散媒と展開溶媒とに固液分離する遠心分離機(例えば、分離板型デカンタ)15と、分離板型デカンタ15で固液分離された分散媒と展開溶媒をそれぞれ個別に受給する分散媒タンク16及び溶媒タンク17と、分散媒タンク16から受給する分散媒を減圧下で冷却し、攪拌しながら分散媒に残留する展開溶媒を蒸発させて分散媒を回収する真空蒸発装置18と、を備えている。
懸濁液を固液分離する分離板型デカンタ15は、図3に示すように、大径に形成された直胴部と直胴部から徐々に縮径するコーン部とからなる回転体15Aと、この回転体15Aの右端面中央から軸芯に従って挿着されたスクリューコンベア15Bと、回転体15Aとスクリューコンベア15Bを所定の速度差で回転させる減速機15Cと、を備え、晶析後の分散媒と展開溶媒が回転体15Aとスクリューコンベア15Bの間の分離室15Dで固液分離するように構成されている。分離室15D内で遠心力により沈降分離した固体状の分散媒は、同図に矢印Xで示すように分離室15Dの左端近傍に形成された孔から外部の分散媒回収タンク15Aへ供給される。また、分離室15D内で分離された展開溶媒は、同図に矢印Yで示すように分離室15Dの右端面に形成された孔から外部の溶媒タンク17へ供給される。
図3に示すようにスクリューコンベア15Bは、軸部と軸部の外周面に螺旋状に形成されたスクリュー羽根とを有し、スクリュウー羽根で分散媒を搬送するようになっている。スクリューコンベア15Gの軸部の右半分には給液室15Eとなる中空部が形成され、この給液室15Eの左端近傍には周面に沿って所定の間隔を空けて複数の孔が形成されている。この給液室15Eには右端から給液管15Fが軸芯に従って挿着され、同図に矢印Zで示すように給液管15Fから混合液を供給し、給液室15Eの複数の孔から同図に矢印Uで示すように分離室15Dへ混合液を遠心力で分散させる。分離室15D内にはスクリューコンベア15Bの軸部の外周面全面に渡って複数の分離板15Gが軸方向に取り付けられている。これらの分離板15Gは、軸部の径方向から傾斜して放射状に装着され、更に、これらの分離板15Gの外周面にスクリューコンベア15Bのスクリュー羽根が配置されている。
従って、給液管15Fから混合液が供給されると、混合液が給液室15Eの孔から分離室15D内へ分散する。分離室15Dでは、混合液はスクリューコンベア15Gのスクリュー羽根に沿ってスパイラル状の流れを形成し、加速されながら分離板15G間の隙間に入り、ここで清澄な上澄み液が分離室15Dの右端の孔を経由して外部へ展開溶媒として溶媒タンク17へ供給される。一方、分離室15Dで分離された固形状の分散媒は分離板15Gに沿って回転体15Aの内周面に向けて移動し、内周面に沿って堆積する。堆積した分散媒は回転体15Aより僅かに遅い速度で回転するスクリューコンベア15Bの働きで回転体15Aの左方のコーン部へ搬送され、分離室15Dの孔から分散媒回収タンク16へ供給される。
分散媒タンク16内に回収された分散媒は、60〜80%の展開溶媒を含んでいるため、真空蒸発装置18において真空雰囲気(例えば、−0.05MPa)で低温(例えば、60℃以下の温度)下において分散媒を攪拌しながら残留展開溶媒を蒸発させる。真空蒸発装置18内の分散媒は、攪拌作用を受けて粒状に解砕されて表面積が大きくなり、しかも展開溶媒の沸点が低いため、60℃以下という低温下であっても展開溶媒が効率よく蒸発し、例えば展開溶媒の含有率が10%程度まで低下する。この分散媒は、混練機11に付帯するタンク11B内へ戻されて循環使用される。また、真空蒸発装置18内で蒸発した展開溶媒は真空蒸発装置18に付帯する冷却塔18Aで冷却されて液化し、溶媒回収タンク18B内へ貯留される。この溶媒回収タンク18B内の展開溶媒が所定の容量に達すると攪拌機12に付帯するタンク12Aへ戻されて循環使用される。
このように真空蒸発装置18では遠心濾過装置13から回収される混合液の全量をそのまま蒸発処理するのではなく、析出装置14で析出した分散媒を含む混合液から大部分の展開溶媒を分離板型デカンタ15において分離除去した後で分散媒を処理するため、真空蒸発装置18による展開溶媒の蒸発処理量が従来と比較して格段に少なく、しかも低温で処理するため加熱操作を伴わず消費エネルギーを大幅に削減することができ、もってランニングコストを削減することができる。
また、上記粉粒体回収機構は、遠心濾過装置13から排出シュート138を介して受給する機能性樹脂粉粒体を洗浄液(例えば、エタノール)によって洗浄する洗浄タンク19と、洗浄タンク19から洗浄後の機能性樹脂粉粒体を洗浄液と一緒に受給して洗浄液と機能性樹脂粉粒体に固液分離する遠心濾過装置20と、遠心濾過装置20から濾液(洗浄液)を回収する回収タンク21と、遠心濾過装置20から濾過後の機能性樹脂粉粒体を受給して乾燥する乾燥機22と、乾燥機22から乾燥後の粉粒体を貯留する粉粒体タンク23と、を備えている。
洗浄タンク19には洗剤タンク19Aが付帯し、洗剤タンク19Aから洗浄タンク19へ洗浄液を供給し、機能性樹脂粉粒体と一緒に攪拌機によって攪拌して機能性樹脂粉粒体を洗浄し、機能性樹脂粉粒体に付着する分散媒を除去する。遠心濾過装置20は、遠心濾過装置13と同一のものを使用しても良く、また、他の遠心分離機を使用しても良い。また、乾燥機22は、例えばダブルコーン型乾燥機として構成されている。この乾燥機22では、容器内で水分を含んだ機能性樹脂粉粒体を解砕羽根で攪拌すると共に容器のジャケット部に供給された温水によって機能性樹脂粉粒体を加熱して乾燥する。この乾燥機20において機能性樹脂粉粒体は乾燥し、その水分含有率は0.5%程度まで低下する。
以上説明したように本実施形態によれば、混練機11で調製された機能性樹脂と分散媒の混合物を攪拌機12に供給し、攪拌機12において展開溶媒と一緒に混合物を攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を遠心濾過装置13において固液分離して得られる混合液を混合液回収機構において分散媒と展開溶媒とに効率よく分離して回収することができるため、分散媒と展開溶媒を廃棄処理することなく有効に循環使用することができ、省資源に資することができる。また、混合液を分散媒と展開溶媒に分離する際に、析出装置14において展開溶媒中で分散媒を析出させて分離し、この混合液を分離板型デカンタ15において分散媒と展開溶媒を固液分離した後、展開溶媒をそのまま回収して循環使用する。一方、分散媒は真空蒸発装置18において減圧、低温下で攪拌処理して展開溶媒が蒸発除去されるため、従来のように加熱操作がなく、消費エネルギーを格段に削減してランニングコストを低減することができる。しかも、真空蒸発装置18では分散媒を攪拌して解砕するため、分散媒をそのまま混練機11において循環使用することができる。
本発明は、上記実施形態に何等制限されるものではなく、必要に応じて各構成要素を適宜設計変更することができ、必要に応じて適宜の機器を付加することもできる。上記実施形態では、固液分離手段として遠心濾過機13や分離板型デカンタ25を用いているが、その他のタイプの濾過機や分離機を用いることもできる。
本発明は、種々の物理的、化学的特性を付与した機能性樹脂粉粒体を製造する場合に好適に利用することができる。
10 機能性樹脂粉粒体の製造システム
14 析出装置(析出手段)
15 分離板型デカンタ(固液分離手段)
17 溶媒タンク(溶媒回収手段)
18 真空蒸発装置(分散媒回収手段)
18A 冷却塔(第2の溶媒回収手段)
18B 溶媒タンク(第2の溶媒回収手段)
21 回収タンク(濾液(洗浄液)回収手段)

Claims (7)

  1. 少なくとも熱可塑性樹脂を含み所定の機能を発現する機能性樹脂とこの機能性樹脂と相溶性のない分散媒とを上記機能性樹脂の融点以上の温度に加熱、混合して混合物を調製し、上記混合物と上記分散媒のみを溶かす展開溶媒とを上記機能性樹脂の融点以下の温度で上記展開溶媒を攪拌して上記分散媒が上記混合物から上記展開溶媒中に溶出して得られる混合液と上記機能性樹脂の粉粒体との懸濁液を調製した後、上記懸濁液を上記粉粒体と上記混合液とに固液分離して上記粉粒体を回収すると共に上記混合液を上記分散媒と上記展開溶媒とに分離して回収する機能性樹脂粉粒体の製造システムであって、上記分散媒と上記展開溶媒の分離回収手段は、上記混合液を冷却して上記展開溶媒から上記分散媒を析出させる析出手段と、上記析出手段で得られた上記分散媒と上記展開溶媒とを固液分離する固液分離手段と、上記固液分離手段で得られた上記分散媒を低温、減圧下で攪拌しながら上記分散媒の残留展開溶媒を蒸発させて上記分散媒を回収する分散媒回収手段と、上記固液分離手段からの上記展開溶媒をそのまま回収する溶媒回収手段と、を備えたことを特徴とする機能性樹脂粉粒体の製造システム。
  2. 上記固液分離手段として遠心分離機を設けたことを特徴とする請求項1に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システム。
  3. 上記分散媒回収手段として攪拌機を有する真空蒸発装置を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システム。
  4. 上記分散媒回収手段から蒸発した上記展開溶媒を回収する第2の溶媒回収手段を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の機能性樹脂粉粒体の製造システム。
  5. 少なくとも熱可塑性樹脂を含み所定の機能を発現する機能性樹脂とこの機能性樹脂と相溶性のない分散媒とを上記機能性樹脂の融点以上の温度に加熱、混合して混合物を調製し、上記混合物と上記分散媒のみを溶かす展開溶媒を上記機能性樹脂の融点以下の温度で上記展開溶媒を攪拌して上記分散媒が上記混合物から上記展開溶媒中に溶出して得られる混合液と上記機能性樹脂の粉粒体との懸濁液を調製した後、上記懸濁液を上記粉粒体と上記混合液に固液分離して上記粉粒体を回収すると共に上記混合液を上記分散媒と上記展開溶媒とに分離して回収する機能性樹脂粉粒体の製造方法であって、上記分散媒と上記展開溶媒を分離回収する工程は、上記混合液を冷却して上記展開溶媒から上記分散媒を析出させる工程と、上記析出工程で得られた上記分散媒と上記展開溶媒とを分離する工程と、上記分離工程で得られた上記分散媒を低温、減圧下で攪拌しながら上記分散媒の残留展開溶媒を蒸発させて上記分散媒を回収する工程と、上記分離工程で得られた上記展開溶媒をそのまま回収する工程と、を備えたことを特徴とする機能性樹脂粉粒体の製造方法。
  6. 上記分散媒としてポリエチレングリコールまたはポリエチレンオキサイドを用いることを特徴とする請求項5に記載の機能性樹脂粉粒体の製造方法。
  7. 上記展開溶媒としてアルコール類またはケトン類を用いることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の機能性樹脂粉粒体の製造方法。
JP2012132905A 2012-06-12 2012-06-12 機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法 Active JP5910878B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132905A JP5910878B2 (ja) 2012-06-12 2012-06-12 機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012132905A JP5910878B2 (ja) 2012-06-12 2012-06-12 機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013256576A JP2013256576A (ja) 2013-12-26
JP5910878B2 true JP5910878B2 (ja) 2016-04-27

Family

ID=49953278

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012132905A Active JP5910878B2 (ja) 2012-06-12 2012-06-12 機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5910878B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007321027A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Trial Corp 造粒装置及び造粒方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013256576A (ja) 2013-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105189617A (zh) 用于制备微粉化聚醚酰亚胺聚合物的优化乳液干燥方法
JP6461182B2 (ja) 微粒子ポリマーの乾燥方法
CN115135424A (zh) 废旧分离膜废料油提取装置以及利用所述装置的再生原料生产方法
KR100948612B1 (ko) 폐실리콘 슬러리 정제방법
JP4964256B2 (ja) 廃プラスチックの回収方法及び回収装置
JP5910878B2 (ja) 機能性樹脂粉粒体の製造システム及び機能性樹脂粉粒体の製造方法
JP2014119192A (ja) 脱水乾燥装置および重合体の製造方法
CN106432794A (zh) 一种聚氨酯废弃物的回收工艺
CN114163642B (zh) 一种节能环保型聚砜类树脂的提纯工艺及提纯设备
CA2812275C (en) Systems and methods for separating mine tailings from water-absorbing polymers and regenerating the separated water-absorbing polymers
JP5140337B2 (ja) 機能性樹脂粉体の製造システム及び機能性樹脂粉体の製造方法
WO2014077028A1 (ja) 粒状物の間接加熱乾燥方法、改質石炭の製造方法、間接加熱型乾燥装置及び改質石炭製造装置
JP5188684B2 (ja) 複合粉体の製造システム及び複合粉体の製造方法
CN106432791A (zh) 一种聚乙烯废弃物的回收工艺
TW201034767A (en) Waste slurry recycling method of multi-wire cutting silicon chip
JP5613895B2 (ja) 結晶ろ過の方法
CN109679137A (zh) 一种废旧聚碳酸酯的回收再生系统及工艺
KR20010099167A (ko) 도토리로부터 전분 분리방법
JP4247196B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂の回収方法及びその回収処理設備
JP5064299B2 (ja) 多孔質重合体粒子の乾燥粉体の製造方法
CN219338239U (zh) 一种环氧树脂生产中环氧树脂混合物分离过滤装置
JP2014019603A (ja) シリコンスラッジの洗浄装置及びシリコンの回収方法
CN212403889U (zh) 含杂污泥干化预处理系统
JP2018077389A (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
US2531785A (en) Wax refining

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5910878

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250