JP5910391B2 - トーションビームの残留応力診断方法及び装置並びに製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トーションビームの残留応力診断方法及び装置並びに製造方法に関する。本明細書において、被加工材の成形加工は、特にことわらない限り、冷間で行われる。
トーションビームは、自動車のサスペンション形式の一つであるトーションビーム式サスペンションにおいて、左右のトレーリングアームやリンクをつなぐところのねじれ(トーション)を許容する横梁(クロスビーム)を指す。トーションビームの断面形状は、丸形や角形の中空鋼管のほか、I形、<形、⊂形、∩形などが見られる。
トーションビームの製造方法として、円管を素材とし上下のプレス金型にて前記円管の長手方向の一部を径方向に押し潰して断面略U或いはV字形状に成形すると云う方法(通常プレス法と記す)が知られている(例えば特許文献1、特許文献2など参照)。前記通常プレス法で得られた成形品であるトーションビームにおいて、U或いはVの字形の両端に相当する部位である耳部(当該部位は兎の耳を思わせる断面形状なので、耳部と呼ばれる)、とくに、前記押し潰しを受けた部分(押し潰し部)と受けなかった部分(非押し潰し部;但し、軽微な程度に潰されて断面楕円形状となった部分も含む)との境界部分である徐変部に位置する耳部は、残留応力が高く疲労亀裂発生の危険性が高い部位(疲労亀裂発生危険部位と記す)である。そこで、特許文献2では、前記耳部とくに前記徐変部に位置する耳部の疲労強度を向上させるために、前記断面略U字形状或いは断面略V字形状の成形品を対象に、U或いはVの字形の底に相当する部位であるボトムラインを曲げ内側として前記疲労亀裂発生危険部位が塑性変形域(ひずみε≧0.2%)に入る曲げ-曲げ戻しを加える旨の方法(特許文献2[0050]参照;曲げ矯正法と記す)を提案している。尚、此処に云うひずみεとは最大主応力方向のひずみ(=最大主ひずみ)である。前記曲げ矯正法によれば、トーションビームの耳部の引張残留応力を低減させるとともに、加工硬化させることができて、疲労強度が向上する。工程としては通常プレス法の工程後に軽度の曲げ-曲げ戻しの工程が付加されるだけであって、造管長さの制約は通常の場合と同じで、研磨、捻り、熱処理の工程付加もないので、生産性や製造コストの面での不利は無視できる程度に小さい(特許文献2[0016]参照)。
一方、応力測定法の1つに、赤外線カメラを用いる方法(熱弾性応力測定法)があり、その測定原理は、100年以上前にケルビン卿が熱弾性効果として論文発表している(非特許文献1,2参照)。熱弾性応力測定法は、圧縮・引張応力に対応した熱弾性効果による発熱・吸熱反応を利用して、物体に周期的外力を作用させることで生じる温度変化から応力変化の可視化を行うものである。この熱弾性応力測定の技術分野では、例えば、曲げと軸力が複雑に加わる部材の応力測定精度を向上させるべく、測定対象物に繰り返し負荷を与えた際に発生する負荷応力の波形と赤外線映像装置によって測定された測定応力との間の位相のずれを測定し、この位相のずれから測定対象物における熱伝導に起因する測定誤差を計算し、この測定誤差を補償する補正係数を測定応力に乗算することによりその測定応力を補正する旨の方法(特許文献3参照)などが提案されている。
又、弾性係数の温度依存性を考慮した熱弾性効果の非線形性理論が提唱されている(非特許文献3,4参照)
特開2007−237784号公報 特開2010−253552号公報 特開2006−153865号公報
W.Thomson(Lord Kelvin): Trans.Roy.Soc.,Vol.20(1853),p.261 W.Thomson(Lord Kelvin): Phil.Mag.,Vol.5(1878),p.4 A.K.Wong他: J.Phys/Chem.Solids,49(1988) 廣川他: 計算数理工学論文集Vol.3(2003),論文No.03#062001
前記曲げ矯正法は、上述のようにトーションビームの生産性や製造コストの面での不利なく疲労強度の向上が図れると云う点で、有利な方法である。
一方、品質保証を十分に行う観点からすれば、前記通常プレス法や前記曲げ矯正法によるトーションビームの実生産ラインで生産されたトーションビーム(製品)の残留応力レベルを全数検査により管理するのが望ましい。残留応力測定手法としては、ひずみゲージ切出し法が汎用され、特許文献2でもこの手法にて残留応力測定を行った旨記載されている(特許文献2[0050][0051]参照)。しかし、ひずみゲージ切出し法は、製品耳部へのひずみゲージ貼付→切出し工程を有し、製品の毀損を伴う破壊検査となるから、全数検査は不可能で抜き取り検査となって信頼性が十分とは云えなくなり、然も抜き取り検査した製品は屑化せざるを得ず製品歩留が低下する。従って、製品の残留応力レベルの管理は全数検査が可能な非破壊検査で行うことが望ましい。
非破壊での残留応力測定法としては、X線応力測定法が周知であり、便利な手法ではあるが、測定する試料には、a)結晶粒数が十分にある、b)強い集合組織を持たない、c)X線の侵入深さ内で平面応力状態にある、d)X線の侵入深さ内に応力勾配がない、e)複合組織となっていない、と云った制約があるとの情報(www.jsse-web.jp/tech/kandokoro/kan40.pdf 「第40回 残留応力測定」参照)や、実際の製造工程で製造途中や完成後に残留応力を測定することは殆どなく、トラブルが生じてからその原因究明のために測定するというのが実情であるとの情報(www.tri.pref.osaka.jp/kankou/news/No77/Xray.pdf 「X線による残留応力測定−残留応力の功罪と測定事例−」参照)から推して、トーションビームの実生産ラインへの適用は困難であると考えられる。
一方、前記熱弾性応力測定法は、測定する試料にはX線応力測定法における様な制約は無いのであるが、そもそも物体に周期的外力を作用させることで生じる温度変化から応力変化の可視化を行うものであるから、温度変化の発生しない一定荷重起因の応力や残留応力などの静的応力は、赤外線カメラで捉えたのみでは原理的に測定できない。
以上の様に、従来技術では、トーションビームの生産ラインで製品の残留応力レベルを管理するのに適した非破壊検査方法が無く、品質保証のレベルアップが難しいという課題があった。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討し、その結果、次の知見を得た。
1) 弾性係数の温度依存性を考慮した熱弾性効果の非線形性理論(非特許文献3,4参照)によると、熱弾性効果によって生じる温度変化は、応力変化だけでなく残留応力を含む静的応力にも依存する。
2) 廣川らの理論式(非特許文献4参照)を用い、鋼材について単軸モデルの場合の温度振幅ΔTに及ぼす、応力比R=−1の周期的外力による応力振幅Δσ(≦1000MPa)と周期的外力負荷前の残留応力σr(=±500MPa)の影響を計算で求めたところ、ΔT=A(σr)*Δσ、なる単調増加型の直線関係(此処にA(σr)は正の係数であり、σrに依存する)となり、Δσ=500MPa,σr=0MPaの場合に対するΔσ=500MPa,σr=±500MPaの場合の温度振幅ΔTの偏差ΔΔTは、ΔΔT≒±0.03℃、であった。
3) 従って、測定温度分解能の良い赤外線カメラを用いて残留応力の異なる2つの試料のうち一方を基準試料として双方に同じ周期的外力を負荷して温度振幅を測定し、双方の温度振幅測定結果を比較する事で、他方の試料の残留応力を相対評価する事が可能である。
4) 前記周期的外力は、反復曲げ-曲げもどし加工、反復捻り-捻りもどし加工、反復引張-圧縮加工の何れかの加工で負荷することができる。
本発明は、上述の知見に基き成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)円管の長手方向の一部を径方向に押し潰して断面略U又はV字形状でそのU又はV字両端相当部位が耳部をなす押し潰し部の長手方向両端に断面形状が長手方向で徐々に変わる部位である徐変部を介して断面略円形状の非押し潰し部が連なるものとした第1の成形品、及び、該第1の成形品にそのU又はV字底相当部位であるボトムラインを曲げ内側として前記徐変部内の前記耳部が塑性変形域に入る曲げ-曲げもどしを加えてなる第2の成形品の何れかであるトーションビーム、及び該トーションビームをひずみ取り焼鈍してなる基準材を測定対象として、
該測定対象に其の弾性変形域内で周期的外力を負荷しつつ前記徐変部内の前記耳部における熱弾性効果による温度振幅を赤外線カメラで測定し、
前記基準材に対する前記トーションビームの前記温度振幅の偏差から前記トーションビームの残留応力を評価することを特徴とするトーションビームの残留応力診断方法。
(2)前記(1)に記載されたトーションビームの残留応力診断方法の実施に用いる装置であって、前記第1又は第2の成形品であるトーションビームの前記押し潰し部を含む長手方向範囲の少なくとも一部分を挟持する中央クランプ手段と、前記押し潰し部の両側の各非押し潰し部を夫々含む各長手方向範囲の少なくとも一部を把持する両管端クランプ手段と、前記温度振幅測定用の赤外線カメラと、該両管端クランプ手段を上下方向に下記振動モードA,Bの何れかで振動させる外力負荷手段と
を有することを特徴とするトーションビームの残留応力診断装置。
振動モードA:前記第2の成形品を出発素材とし、前記徐変部内の耳部が弾性変形域内で複数回の曲げ‐曲げもどしを受ける振動モード。
振動モードB:前記第1の成形品を出発素材とし、前記徐変部内の耳部が塑性変形域内で1回の反復曲げ‐曲げもどしを受け、次いで弾性変形域内で複数回の反復曲げ‐曲げもどしを受ける振動モード。
(3)前記(1)に記載されたトーションビームの残留応力診断方法に従って前記第1又は第2の成形品であるトーションビームを得る成形製造工程と、該得られたトーションビームを測定対象として前記温度振幅の測定を行う検査工程とを有するトーションビームの製造方法であって、
前記検査工程において前記基準材に対する前記トーションビームの温度振幅偏差を閾値と比較し、閾値以下は合格、閾値超は不合格とし、前記不合格となったトーションビームは製品から除外することを特徴とするトーションビームの製造方法。
本発明によれば、特定の成形製造工程で製造した第1又は第2の成形品であるトーションビームを測定対象として、周期的外力を負荷して、疲労亀裂発生危険部位であるところの前記徐変部内の前記耳部における熱弾性効果による温度振幅を赤外線カメラで測定し、一方、予め前記対象とされるトーションビームと同じものをひずみ取り焼鈍してなる基準材を測定対象として、同様に温度振幅を測定しておき、前記基準材に対する前記トーションビームの温度振幅測定値の偏差から前記成形品の残留応力を評価することにより、前記トーションビームの残留応力レベルを非破壊検査で全数相対評価でき、以て、品質管理のレベルアップを達成できる。
又、本発明によれば、前記第1の成形品に曲げ矯正を施して疲労亀裂発生危険部位の疲労強度を向上させた前記第2の成形品となし引き続き該第2の成形品の残留応力レベルを評価すると云う工程である工程Y、或いは更に、素管長手方向中央部を押し潰して前記第1の成形品と成す工程である工程Xを前記工程Yの前に付加した工程である工程XY、を1つの装置で実行することができて、作業性及び経済性を格段に改善させることができる。
第1の成形品を示す概略図である。 第1の成形品から第2の成形品への加工工程を示す概略図である。 本発明の実施形態を示す概略図である。 本発明に好ましく用いうる赤外線カメラの1例を示す機能説明付き外観図である。 本発明装置の1例を示す概略図である。 実施例1における温度振幅の測定要領を示す説明図(b)(c)及びサンプル品についての前記温度振幅の測定結果を示すグラフ(a)である。 実施例2におけるサンプル品についての温度振幅の測定結果を示すグラフである。
前記(1)に記載の本発明(以下、本発明診断法とも云う)について説明する。
本発明診断法の診断対象であるトーションビームは、前記第1の成形品又は前記第2の成形品であり、これらは前記測定対象でもある。
前記第1の成形品は、円管の長手方向の一部を径方向に押し潰して断面略U又はV字形状でそのU又はV字両端相当部位が耳部をなす押し潰し部の長手方向両端に断面形状が長手方向で徐々に変わる部位である徐変部を介して断面略円形状の非押し潰し部が連なるものであり、これは、前記通常プレス法(例えば特許文献1に記載の製造方法)で製造される。前記円管は金属管、中でも特に鋼管である。図1に示す様に、前記第1の成形品10は、長手方向中央部が断面略U又はV字形状(図1(b)(c))でそのU又はV字両端相当部位が耳部5をなす押し潰し部1であり、該押し潰し部1の両端に夫々前記徐変部2が連なり、更に前記徐変部2の両端に夫々前記非押し潰し部3が連なる。前記耳部5は前記押し潰し部1から前記徐変部2にかけて延在する。前記徐変部2内の前記耳部5は残留応力が比較的高いことから疲労亀裂発生危険部位AFとなっている。尚、前記断面略U又はV字形状におけるU又はV字底相当部位をボトムライン6と称する(図1(a)(b)(c))。
前記非押し潰し部3は、前記円管の長手方向の一部を径方向に押し潰して断面略U又はV字形状の押し潰し部に成形した際に、円管長手方向の非押し潰し部になる部位が断面円形状(図1(d))となるだけでなく、径方向に軽圧下されて楕円形状(図1(e))となっても良い。なお、管端の断面形状は楕円形状又は異径断面形状に成形されたものが多い。複雑な異径断面形状の場合はトーションビーム成形前に予成形工程で管端を予め成形する。
前記第2の成形品は、前記第1の成形品に前記曲げ矯正法(特許文献2に記載の製造方法)による曲げ矯正を施したものである。これは、図2に示す様に、前記第1の成形品10にその前記ボトムライン6を曲げ内側として前記徐変部2内の前記耳部5(疲労亀裂発生危険部位AF)が塑性変形域に入る曲げ-曲げもどし(即ち曲げ矯正)を加えて第2の成形品20と成したものである。即ち、例えば、前記第1の成形品10を被加工材11とし、該被加工材11の押し潰し部1を、中央クランプ手段7である上下の金型7で挟持し、且つ非押し潰し部3を、両管端クランプ手段8である左右のチャック8で把持し(図2(a)(e)(f))、該左右のチャック8をストロークS1だけ押下げ30することで前記曲げを行う(図2(b))。前記ストロークS1は疲労亀裂発生危険部位AFに長手方向引張側の塑性変形域のひずみε(鋼の場合ε≧0.2%)が加わるストロークとされる。そして其処から引き続き前記左右のチャック8をストロークS2だけ押上げ31することで前記曲げもどしを行う(図2(c))。前記ストロークS2は疲労亀裂発生危険部位AFに長手方向圧縮側の塑性変形域のひずみε(鋼の場合ε≦−0.2%)が加わり且つ除荷後のスプリングバックを経て最終製品形状に到達するストロークとされる。
尚、本例では第2の成形品20の最終形状(最終製品形状)が、第1の成形品10と同じくボトムライン6が直線状である形状(ストレートな形状)とされた場合を示した(図2(a)(d))が、本発明は、斯かる場合に限定されるものではなく、第1の成形品10が下反り(ボトムライン6の中央が両端よりも下方に位置する)若しくは上反り(ボトムライン6の中央が両端よりも上方に位置する)の形状とされ、又、此れに対応する第2の成形品20が最終的に前記下反り、前記上反り、前記ストレートの何れかの形状とされた場合も、図2の例の場合と同じ要領で曲げ矯正を実行できるから、無論本発明の範囲内である。
本発明診断法では、前記第1の成形品10であるトーションビーム10又は前記第2の成形品20であるトーションビーム20、及びこれらのトーションビーム10又は20をひずみ取り焼鈍してなる基準材(図示省略)を測定対象とし、例えば図3に測定対象がトーションビーム20である場合を示す様に(トーションビーム10である場合も同様である)、該トーションビーム20に其の弾性変形域内で周期的外力を負荷しつつ前記疲労亀裂発生危険部位AF(前記徐変部2内の前記耳部5)における熱弾性効果による温度振幅ΔTを赤外線カメラ9で測定する。前記周期的外力は、図3に示す反復曲げ-曲げもどし50、反復捻り-捻りもどし51、反復引張-圧縮52の何れかの加工方法で負荷できる。反復曲げ-曲げもどし50の場合は、トーションビーム20の長手方向中央部、端部の夫々を、例えば図2のように支持して、前者を固定態、後者を可動態としておくことが、周期的外力負荷間トーションビーム20を安定的に保持する観点から好ましい。此の場合に好適に用いうる装置は、請求項2に記載の残留応力診断装置であり、後に詳説される。
反復捻り-捻りもどし51の場合及び反復引張-圧縮52の場合は、トーションビーム20の長手方向の一端部を固定態、それ以外の部分を可動態とし、該可動態とした他端部に前記周期的外力を負荷しつつ該他端部側の疲労亀裂発生危険部位AFの熱弾性効果による温度振幅を赤外線カメラ9で捉えるようにするとよい。反復捻り-捻りもどし51の場合に好適に用いうる装置は、通常の捻り疲労試験機に赤外線カメラを配備した装置である。反復引張-圧縮52の場合に好適に用いうる装置は、通常の引張圧縮疲労試験機(両振り式、片振り式の何れでも可)に赤外線カメラを配備した装置である。
前記弾性変形域は、鋼の場合、前述のとおり塑性変形域のひずみε(=最大主応力方向のひずみ)が、引張側ではε≧0.2%、圧縮側ではε≦−0.2%である事から、この範囲を除いた残りのひずみ範囲であるところのε=−0.2%超0.2%未満のひずみ範囲(便宜上、ひずみ範囲Eと云う)とすればよいとも云えるが、前記ひずみ範囲Eを弾性変形域の管理範囲とするのでは該管理範囲の内側であったにしても其の境界(上限或いは下限)に近いひずみが加わったとき疲労亀裂発生危険部位AF内の何処かが局部的に塑性変形域に入ってしまい、熱弾性効果による温度振幅ΔTを正しく捉えるのが困難になる場合が生じる事が懸念される。この懸念を払拭するために、前記弾性変形域の管理範囲は、前記ひずみ範囲E(ε=−0.2%超0.2%未満)の半分程度、例えばε=−0.1%以上0.1%以下のひずみ範囲とするのが好ましい。
尚、図3(b)には、赤外線カメラ9による温度測定開始時点より前の加工段階であるところの図2の(a)時点から(d)時点にかけての曲げ矯正段階に対応するひずみ付与履歴も併せて図示した。
そして、前記基準材に対する前記トーションビームの温度振幅測定値の偏差から前記トーションビームの残留応力を評価する。
前記基準材は、1つのロット(組成、形状が互いに同一である複数本の要素の集合;ここでは、要素=製品=トーションビームである)をなす複数のトーションビーム10又は20のロットうちの1本をひずみ取り焼鈍したもので代表でき、この1本の代表基準材についての温度振幅測定結果を、前記ロット内の全てのトーションビームに対して温度振幅測定値の偏差をとるときの基準値として用いることができる。従って、前記基準材は相異なるロット(同一ロット内の要素数は多大である)毎に1本だけ準備すればよく、製品歩留に対する悪影響は無視できる程度に小さい。
前記赤外線カメラは、測定温度分解能が高性能のものでないと、基準材に対するトーションビームの残留応力有無による温度振幅偏差を検出するのが難しい。前述の知見2)における計算結果(ΔΔT=±0.03℃)に鑑みて、前記測定温度分解能は0.02℃以下が好ましい。より好ましくは、0.01℃以下である。このような高性能の赤外線カメラとしては、MCT(水銀カドミウムテルル)、InSb(インジウムアンチモン)等の赤外線検知素子を実装した市販品が挙げられる。前記高性能の赤外線カメラの1例としてInSb素子型赤外線カメラを図4に示す。
前記周期的外力に関しては、熱弾性効果による温度振幅に対する熱拡散の影響(負の影響)が顕著になって温度測定精度が悪くなる事を回避する観点から、前記周期的外力の周波数fは、f≧1Hzとするのが好ましい。より好ましくは、f≧5Hzである。
又、前記測定温度振幅は、前記周期的外力に対応して周期的波形を呈する測定温度データの1サイクル毎の温度振幅値を所定の連続付与サイクル数に亘って平均して求めるが、該平均をする統計処理の信頼度を確保する観点から、該平均をするデータの個数(=n数)は10以上である事が好ましく、従って、前記n数に該当する前記周期的外力の連続付与サイクル数は、10サイクル以上とすることが好ましい。
又、風等の外乱の影響を除く為に、前記赤外線カメラで捉えた前記測定温度データから前記周期的外力の周波数とは異なる周波数成分(異周波数成分)を除去した残りのデータを用いて前記測定温度振幅を求める事が好ましい。
次に、前記(2)に記載の本発明(以下、本発明装置とも云う)について説明する。本発明装置は、請求項1に記載されたトーションビームの残留応力診断方法の実施に用いられる。其の例を図5に示す。この図において、13はクランク機構、14はベルト、15はモータ、70は外力負荷手段であり、前掲図と同一又は相当部材には同じ符号を付し説明を省略する。
被加工材11は、出発素材が前記第1(又は第2)の成形品であるトーションビームである。中央クランプ手段7は、上下の金型7で被加工材11の押し潰し部(=図2の押し潰し部1)を含む長手方向範囲の少なくとも一部分を挟持する配置とされる。両管端クランプ手段8は、左右のチャック8で前記押し潰し部の両側の各非押し潰し部(=図2の非押し潰し部3)を夫々含む各長手方向範囲の少なくとも一部を把持する配置とされる。
赤外線カメラ9は、前記徐変部内の耳部(=図2の徐変部2内の耳部5=疲労亀裂発生危険部位AF)の温度振幅測定用である。
外力負荷手段70は、前記両管端クランプ手段8を上下方向に下記振動モードA,Bの何れかで振動60させる。
振動モードA:前記徐変部内の耳部が弾性変形域内で複数回の曲げ‐曲げもどしを受ける振動モード。
振動モードB:前記徐変部内の耳部が塑性変形域内で1回の反復曲げ‐曲げもどしを受け、次いで弾性変形域内で複数回の反復曲げ‐曲げもどしを受ける振動モード。
前記振動モードAは、図3(b)における図2(d)時点から振動終了までのひずみ付与形態、即ち本発明診断法において前記第2の成形品を出発素材とした場合の実施形態に対応する。
前記振動モードBは、図3(b)における図2(a)時点から振動終了までのひずみ付与形態、即ち本発明診断法において前記第1の成形品を出発素材とした場合の実施形態に対応し、これによれば、前記工程Y([発明の効果]参照)を1つの装置で実施できる。
又、前記中央クランプ手段(上下の金型)7には素管中央部を押し潰す加圧機構(図示せず)を容易に付加する事ができ、斯くした形態の装置によれは、素管を出発素材として前記工程XY([発明の効果]参照)を1つの装置で実施できる。
前記外力負荷手段70は、図5の例では、左右の各チャック8に連結したクランク機構13が、これへモータ15からベルト14経由で伝達された回転運動を、上下方向の振動60に変換する構成としたが、これ以外の構成、例えば、左右の各チャック8に連結した油圧シリンダ(図示せず)が直接的に上下方向の振動60を付勢する構成としてもよい。
尚、前記振動モードBは、前記外力付加手段70に、上下方向の振動60の周波数及び振幅の各々に対し少なくとも二段階の切替を行う手段(斯かる手段は変速機等といった通常の技術の範囲内である)を付加する事で容易に実現できる。
次に、前記(3)に記載の本発明(以下、本発明製法ともいう)について説明する。本発明製法は、本発明診断法に従って前記第1又は第2の成形品であるトーションビームを得る成形製造工程と、得られたトーションビームを測定対象として前記温度振幅測定を行う検査工程とを有するものであると云う前提のもとに、前記検査工程において前記トーションビームの温度振幅測定値から計算した温度振幅偏差を閾値と比較し、閾値以下は合格、閾値超は不合格とし、該不合格となったトーションビームは製品から除外することを特徴とするものである。
ここで、前記トーションビームの温度振幅偏差は、該トーションビームの温度振幅測定値から前記基準材(=ひずみ取り焼鈍材)の温度振幅値(予め測定されて既知である)を差し引いた量である。一方、前記閾値は次の様にして設定される。即ち、前記トーションビームのサンプル品について予め求めておいた温度振幅偏差と残留応力との関係式と、前記トーションビームの過去の疲労試験実績データから推定した疲労亀裂の発生しない限界残留応力値とを用い、該限界残留応力値から十分な余裕代を差し引いて定めた残留応力管理値を、前記関係式の残留応力項に代入し、該関係式の演算により計算温度振幅値を求め、これを前記閾値として採用する。
これにより、前記合格となったトーションビーム(製品)は、前記疲労亀裂発生危険部位における残留応力の点でひずみ取り焼鈍材に十分近い、即ち十分な耐疲労亀裂発生特性を有した、ものばかりとなり、従って品質保証の信頼性が格段に向上する。
実施例1は、前記本発明診断法の実施例である。此処では、公用の10kN捻り疲労試験機に赤外線カメラ(図4に示したもの)を配備した装置(装置DD1とも云う)を用いた。
予備調査実験として、前記第1の成形品(=通常プレス材)、前記第2の成形品(=曲げ矯正材)、前記基準材(=ひずみ取り焼鈍材=SRA材)の全3種(3種とも同一形状)から夫々1本ずつ抽出したサンプル品を測定対象として前記装置DD1により前記温度振幅の測定を行った。前記通常プレス材は、引張強度780MPa級の電縫鋼管(外径89.1mm、肉厚2.6mm、長さ1100mm)からなる素材を前記通常プレス法([背景技術]参照)により、図1(a)(b)(e)に示した形状に成形して得られた。前記曲げ矯正材は、前記通常プレス材からなる素材に、図2の要領で前記曲げ矯正法による加工を施して得られた。前記SRA材は、前記通常プレス材からなる素材にひずみ取り焼鈍を施して得られた。
前記装置DD1による反復捻り-捻りもどしにおいては、応力比R=−1、周波数f=2Hzとし、捻り角度φを種々の水準にとることで周期的外力の大きさを変えた。赤外線カメラによる温度測定視野は、図6(c)に示すとおり、測定対象12の疲労亀裂発生危険部位AF内のエリア80(14×14mm□)に合わせた。前記サンプル品の種毎に、前記エリア80を測定して図6(b)に模式図で示す測定温度Tの波形を得、其の第iサイクルの温度振幅ΔTiの連続60サイクル(i=1〜60)に亘る相加平均値を温度振幅(詳しくは熱弾性効果による温度振幅)ΔTとした。一方、予め、前記種毎に別途1本ずつ抽出した残留応力測定対象材について、ひずみゲージ切出し法により前記エリア80における残留応力(詳しくは、エリア80での平均的な残留応力)σrを測定した。その結果、前記σrの測定値は、前記SRA材(=基準材)では略0MPa、前記通常プレス材(=第1の成形品)では770MPa、前記曲げ矯正材(=第2の成形品)では205MPaであった。
図6(a)は、前記サンプル品の種別に、前記温度振幅ΔTと前記捻り角度φとの2元データのプロット点と、前記2元データから最小二乗法に基く回帰分析で求めた回帰直線を示したグラフである。図より明らかな様に、前記温度振幅ΔTと前記捻り角度φとは良好な直線関係にあり、該直線の勾配(正の値)はσrの増加と共に増大する。又、φ=0度ではΔT=0℃である。
斯かる予備調査実験の結果に基き、該予備調査実験範囲内の捻り角度φ(図6より、φ=2.0〜7.0度)における、前記SRA材に対する前記通常プレス材及び前記曲げ矯正材それぞれの前記回帰直線から計算される温度振幅ΔT1(φ)、ΔT2(φ)の偏差である温度振幅偏差ΔΔT1(φ)、ΔΔT2(φ)、並びに前記通常プレス材及び前記曲げ矯正材それぞれの残留応力σr1(=770MPa)、σr2(=205MPa)を用いて、前記第1又は第2の成形品からなるトーションビームの工程品(一定の工程により大量生産される製品の意。前記サンプル品と区別する為にこう呼ぶ。以下同じ)についての残留応力σrを前記SRA材に対する温度振幅偏差ΔΔT(φ)から推定するに用いる式として次式(1)を設定した。尚、基準材(σr=0MPa)では当然ΔΔT(φ)=0℃である。
σr={σr1-σr2}/{ΔΔT1(φ)-ΔΔT2(φ)}×ΔΔT(φ) …(1)
そして、前記トーションビームの工程品について逐一、前記装置DD1を用いて、捻り角度φを前記予備調査実験範囲内の一定値φcとし、其の余の条件は前記予備調査実験のと同じにして、前記反復捻り‐捻りもどしによる周期的外力を負荷しつつ前記赤外線カメラにて前記エリア80の箇所を測定して得た熱弾性温度振幅ΔT(φc)から、φ=φcにおける前記SRA材に対する温度振幅偏差ΔΔT(φc)を求め、これと前記式(1)とから残留応力σrを算出するようにした。
本実施例の実施により、前記トーションビームの工程品の全数について、前記疲労亀裂発生危険部位AF内の前記エリア80における残留応力の定量的評価(診断)が可能となり、以て品質保証の信頼性が向上した。
実施例2は、前記本発明製法の実施例である。此処では、図5に例示した構成とされた本発明装置において、前記中央クランプ手段(上下の金型)7には素管中央部を押し潰す加圧機構(図示せず)を付加して単一装置での前記工程XY([発明の効果]参照)の容易実行を可能ならしめ、且つ、前記外力負荷手段70には上下方向の振動60の周波数及び振幅の各々に対し少なくとも二段階の切替を行う手段を付加して前記振動モードBの容易実行を可能ならしめ、且つ、赤外線カメラ9としては図4に示したものを用いる事とした形態の装置(装置DD2とも云う)を用いた。尚、無論の事であるが、前記装置DD2により負荷される前記周期的外力は前記反復曲げ-曲げもどしによるものである。
引張強度780MPa級の電縫鋼管(外径89.1mm、肉厚2.9mm、長さ1100mm)からなる素材を前記装置DD2にセットし、先ず前記通常プレス法に則った押し潰し加工を施して実施例1と同類形状の第1の成形品となし、引き続き前記曲げ矯正法に則った曲げ-曲げもどし加工を施して実施例1と同類形状の第2の成形品としてなるトーションビームの工程品を得、引き続き前記検査工程に移行し、前記装置DD2内にセットしたままの状態の前記工程品を測定対象として、前記反復曲げ-曲げもどしにより周期的外力を負荷しつつ前記赤外線カメラで実施例1と同じエリア80(図6(c)参照)における温度振幅ΔTを実施例1と同じ要領(図6(b)参照)で測定した。
前記反復曲げ-曲げもどしの条件は、応力比R=−1、周波数f=3Hz、応力振幅Δσ=500MPaとし、得られた温度振幅ΔTから、予め同様の周期的外力負荷条件下で求めておいた前記工程品に対応する基準材(=前記SRA材相当材)の温度振幅ΔT0を差し引いて、前記工程品の温度振幅偏差ΔΔTを得た。該得られた温度振幅偏差ΔΔTを閾値ΔΔTcと比較し、ΔΔT≦ΔΔTcならば合格とし、それ以外ならば不合格とし、該不合格となった工程品は製品から除外する事とした。
此処で前記閾値ΔΔTcは前記工程品の生産開始以前に次の様にして設定した。即ち、サンプル品として、前記第1及び第2の成形品の夫々と同じ処方で製造した通常プレス材及び曲げ矯正材と、前記通常プレス材をひずみ取り焼鈍してなる基準材(=SRA材)とを準備し、これらについて、前記エリア80と同じ箇所の残留応力σrをひずみゲージ切出し法にて測定し、一方、前記装置DD2にて、応力振幅Δσを複数水準変え、其の余の条件は前記工程品の場合と同じとして、熱弾性効果による温度振幅ΔTを測定した。その結果を図6(a)の場合と同様の処方で整理して図7に示す。図示のとおり各材毎のΔσとΔTとは単調増加型の直線関係にあり、該直線(関係直線と呼称)の勾配はσrの増加と共に直線的に増大する。又、Δσ=0MPaではΔT=0℃である。従って、或る応力振幅Δσにおける前記基準材に対する残留応力σr有材の温度振幅偏差ΔΔT(Δσ)は、次式(2)で表される。尚、基準材(σr=0MPa)では当然ΔΔT(Δσ)=0℃である。
ΔΔT(Δσ)={ΔΔT1(Δσ)-ΔΔT2(Δσ)}/{σr1-σr2}×σr …(2)
此処に、σr1、σr2は夫々、前記通常プレス材、前記曲げ矯正材の、前記ひずみゲージ切出し法による残留応力測定値であり、ΔΔT1(Δσ)は、ΔΔT1(Δσ)=(前記通常プレス材の前記関係直線上でΔσ値に対応するΔT値)−(前記基準材の前記関係直線上でΔσ値に対応するΔT値)であり、ΔΔT2(Δσ)は、ΔΔT2(Δσ)=(前記曲げ矯正材の前記関係直線上でΔσ値に対応するΔT値)−(前記基準材の前記関係直線上でΔσ値に対応するΔT値)である。
一方、前記工程品と同等なトーションビームについての過去の疲労試験実績データから、疲労亀裂の発生しない限界残留応力値σrzを推定し、これから十分な余裕代δを差し引いて、残留応力管理値σrc(=σrz−δ)を定めた。そして、該σrcを前記式(2)のσr項に代入し、Δσ項には前記工程品のと同じ値(=500MPa)を代入して、演算をし、その結果を前記閾値ΔΔTcとして採用した。
本実施例の実施により、実施例1と同様の品質保証の信頼性向上効果のみならず、前記第1の成形品よりも耐疲労特性に優れた前記第2の成形品からなるトーションビームを、素材鋼管から一貫して単一の装置で製造でき然も引き続き其の残留応力診断までも完遂できて、製品品質、経済性、生産性が格段に向上すると云う効果をも奏する事ができた。
1 押し潰し部
2 徐変部
3 非押し潰し部
5 耳部
6 ボトムライン
7 中央クランプ手段(上下の金型)
8 両管端クランプ手段(左右のチャック)
9 赤外線カメラ
10 第1の成形品(トーションビーム)
11 被加工材
12 測定対象
13 クランク機構
14 ベルト
15 モータ
20 第2の成形品(トーションビーム)
30 押下げ
31 押上げ
50 反復曲げ-曲げもどし
51 反復捻り-捻りもどし
52 反復引張-圧縮
60 振動
70 外力負荷手段
80 エリア
AF 疲労亀裂発生危険部位(徐変部内の耳部)
ΔT 温度振幅
ΔΔT 温度振幅偏差

Claims (3)

  1. 円管の長手方向の一部を径方向に押し潰して断面略U又はV字形状でそのU又はV字両端相当部位が耳部をなす押し潰し部の長手方向両端に断面形状が長手方向で徐々に変わる部位である徐変部を介して断面略円形状の非押し潰し部が連なるものとした第1の成形品、及び、該第1の成形品にそのU又はV字底相当部位であるボトムラインを曲げ内側として前記徐変部内の前記耳部が塑性変形域に入る曲げ-曲げもどしを加えてなる第2の成形品の何れかであるトーションビーム、及び該トーションビームをひずみ取り焼鈍してなる基準材を測定対象として、
    該測定対象に其の弾性変形域内で周期的外力を負荷しつつ前記徐変部内の前記耳部における熱弾性効果による温度振幅を赤外線カメラで測定し、
    前記基準材に対する前記トーションビームの前記温度振幅の偏差から前記トーションビームの残留応力を評価することを特徴とするトーションビームの残留応力診断方法。
  2. 請求項1に記載されたトーションビームの残留応力診断方法の実施に用いる装置であって、前記第1又は第2の成形品であるトーションビームの前記押し潰し部を含む長手方向範囲の少なくとも一部分を挟持する中央クランプ手段と、前記押し潰し部の両側の各非押し潰し部を夫々含む各長手方向範囲の少なくとも一部を把持する両管端クランプ手段と、前記温度振幅測定用の赤外線カメラと、該両管端クランプ手段を上下方向に下記振動モードA,Bの何れかで振動させる外力負荷手段と
    を有することを特徴とするトーションビームの残留応力診断装置。
    振動モードA:前記第2の成形品を出発素材とし、前記徐変部内の耳部が弾性変形域内で複数回の曲げ‐曲げもどしを受ける振動モード。
    振動モードB:前記第1の成形品を出発素材とし、前記徐変部内の耳部が塑性変形域内で1回の反復曲げ‐曲げもどしを受け、次いで弾性変形域内で複数回の反復曲げ‐曲げもどしを受ける振動モード。
  3. 請求項1に記載されたトーションビームの残留応力診断方法に従って前記第1又は第2の成形品であるトーションビームを得る成形製造工程と、該得られたトーションビームを測定対象として前記温度振幅の測定を行う検査工程とを有するトーションビームの製造方法であって、
    前記検査工程において前記基準材に対する前記トーションビームの温度振幅偏差を閾値と比較し、閾値以下は合格、閾値超は不合格とし、前記不合格となったトーションビームは製品から除外することを特徴とするトーションビームの製造方法。
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