JP5909854B2 - レーザリフトオフ装置およびレーザリフトオフ方法 - Google Patents

レーザリフトオフ装置およびレーザリフトオフ方法 Download PDF

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本発明は、基板上に材料層が形成されたワークに対し、該基板を透過する波長域のレーザ光を照射して、材料層を基板から剥離するレーザリフトオフ装置および方法に関し、特に、変形したワークをそのままの状態で保持して、レーザ光を照射し、当該材料層を分解して当該基板から剥離する(以下、レーザリフトオフという)ことができるレーザリフトオフ装置およびレーザリフトオフ方法に関するものである。
窒化ガリウム(GaN)系化合物半導体により形成される半導体発光素子の製造プロセスにおいて、サファイア基板の一方の表面上に形成されたGaN系化合物材料層を当該サファイア基板の裏面にあたる他方の表面からレーザ光を照射することにより剥離するレーザリフトオフの技術が知られている。
半導体露光工程や上記レーザリフトオフ工程を行う際には、通常、被照射物であるワーク(ウエハ)をワークステージに吸着保持して、光源から露光光やレーザ光を照射する。
半導体露光工程で使用するシリコンウエハの様な平面状のワークを露光する場合には、通常、ワークをワークステージ上に載せて、ワークステージに設けた複数の排気孔から排気を行い、ワークとワークステージ間の空間を減圧しステージに保持する方法が用いられる。
また、ワークが凹凸状に変形している場合、あるいは不規則に変形していた場合も、変形が軽微で、ワーク自体が変形可能なものであれば、上記の方法を用いて平面に矯正して保持することが可能である。
また、上に凸に変形しており、また、変形量が大きい場合は、例えば、特許文献1に記載されるように、下部の空間を減圧して吸着し保持する方法が知られている。
特許文献1に記載の方法では、図9に示すように上に凸に変形した回路基板(ワーク)を次のように保持する。
すなわち、吸着ステージ101に貫通孔102を設け、該貫通孔に真空吸引ベローズ103を設けて、吸着ステージ101上に突出させる。そして、回路基板(ワーク)104を真空吸引ベローズ103で真空吸引し、回路基板(ワーク)を平面状に矯正して、基板吸着面105に吸着固定する。
また、下に凸に変形したワークや不規則に変形したワークを保持する方法として、先端部分が弾性変形してワーク表面に吸着する複数の支持棒(リフトピン)を用いる方法が知られている。(特許文献2)
特許文献2に記載のものは、図10に示すように、ワーク110を吸着するリフトピン111を用いてワーク110をステージ112に保持する。
リフトピン111は、図10(a)に示すように、ステージ112上に設けられた貫通孔113を貫通して、上下動可能に例えば3箇所設けられており、図10(b)に示すように、チューブ状の中空部を有する弾性部材からなるリング111a、支柱111b等から構成される。上記中空部は配管111bを介して空圧ユニット111c等の負圧発生源に連通している。
変形したワークをステージ112に保持させるには、上記リフトピン111をステージ112面上に上昇させ、ワーク110の下面に接触させる。リフトピン111がワークに接触すると、弾性部材で構成されたリング111aがワークの形状に合わせて変形し、その先端がワーク110に密着しリフトピン111はワーク110の下面に真空吸着する。
この状態でリフトピン111を下降させると、ワーク110は変形を矯正されながらステージ112に押し付けられる。ワーク110の略全面がステージ112面に接触したら、ステージ112に設けられた不図示の真空吸着孔を介してワーク110とステージ112面の空気を吸引して、ワーク110をステージ面に吸着固定する。
特開2007−294781号公報 特開2010−226039号公報
LEDの製造においては、例えば、円形状のサファイア基板の上に窒化ガリウム層を形成したワークが使用される。このように、基板とは膨張率が異なる層を形成したものをワークとする場合、前工程で加熱冷却が繰り返されると、上下の材質の熱膨張係数の違いから反りや変形が生じる。
例えば、500μm程度のサファイア基板上に窒化ガリウム層を形成したワークの場合、約800°Cでサファイア基板上に窒化ガリウムの結晶層を成長させる。この時ワークは平らであるが、冷却するにつれて膨張係数の大きいサファイア基板が大きく縮むために、ワークはサファイア基板側に反る(サファイア基板側が凹面側になる)。
レーザリフトオフ工程を行う場合、前記したようにサファイア基板側からレーザ光を照射するので、ワークは、ワークステージ上にサファイア基板を上側にして置かれる。したがって、ワークは、通常、下に凸の状態でワークステージにおかれる。
この様なワークを、ワークステージ上に保持し、レーザリフトオフ工程を行おうとする場合、前記従来のワークステージや前記特許文献1あるいは特許文献2に記載されるようなワークステージを用いることはできない。
これは、レーザリフトオフ工程におけるワークは前記したように反りや変形が生じたものであり、シリコンウエハと比べて反りや変形の量が大きく、剛性も高いためである。すなわち、前記従来の保持方法のように、ワークを平面状に矯正して、ステージ面に吸着固定しようとするとワークが破損する可能性がある。
なお、レーザリフトオフ工程におけるワークは、下に凸の状態でワークステージにおかれる場合が多いので、前記特許文献1に記載の方法では吸着保持することができない。
更に、前記特許文献2に記載のリフトピンでワークを保持した状態でレーザリフトオフ工程を試みた場合、リフトピンの一部が弾性部材で変形する構造となっているため、ワークに対してレーザ光を相対移動させると、ステージを移動させる時の加減速でリフトピンの変形による位置ズレや振動が発生し安定して保持することができない。
本発明は上記事情に基づきなされたものであって、変形したワークを破損させることなく保持してレーザ光を照射しレーザリフトオフ処理を行うことができるレーザリフトオフ装置および方法を提供することである。
従来の露光工程においては、ワークが反ったり変形したりしたものであっても、基本的にワークをワークステージ面に押し付けて平面状にして露光処理をしていた。
これに対し、レーザリフトオフ工程におけるワークは前記したように大きく変形したものが多い。このようなワークを従来行われていたように、ワークステージ面に押し付けて平面状に矯正しようとすると、ワークが折れる等、破損する可能性が高い。
そこで、本発明では、ワークが反ったり変形したりしたものであっても、その状態のままステージ上に保持し、レーザリフトオフ工程を実施するようにした。そのため、本発明においては、ステージ上に、ワークを3点で支持する支持体を設け、ワークを変形した状態のまま、ステージ上に支持する。そして、変形したワークに対して、レーザ光を照射し、レーザリフトオフ処理を行う。なお、レーザ光を出射するレーザ源としては、材料層の分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光をワークに対して照射することができる光源を用いる。
これにより、ワークを破損させることなく、レーザリフトオフ処理を行うことができる。また、3点で支持するようにしたので、ワークの変形状態にかかわらず、ワークに無用な力を掛けることなく、ワークを支持することができる。
なお、レーザリフトオフ処理を行うに際しては、照射位置を精密に位置決めする必要があり、また、ワークを間歇的に移動させて複数の露光エリアに連続的にレーザ光を照射する方法がとられることが多いので、移動に伴いワークの位置がずれたり、振動したりしないようにする必要がある。そこで、ワークを上記支持体の方へ押し付ける機構を設け、ワークが移動しないように構成することが望ましい。
以上に基づき、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
(1)基板上に材料層が形成され、上に凸もしくは凹に変形したワークに対し、レーザ源からのレーザ光と該ワークを相対的に移動させながら、該レーザ源から、前記基板を透過する波長域のレーザ光を照射して、該材料層を該基板から剥離するレーザリフトオフ装置であって、レーザ光を発生するレーザ源と、レーザ光を所定の形状に成形するためのレーザ光学系と、前記ワークを支持する支持機構を備えたステージと、ステージを搬送する搬送機構と、レーザ源で発生するレーザ光の照射間隔および搬送機構の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、隣接する照射領域に照射される各レーザ光の重畳度が所望の値になるように前記レーザ源で発生するレーザ光のパルス間隔を制御し、前記支持機構は、該ステージから突出する3点で、該ワークを変形した状態のまま支持するワーク支持体を備え、前記レーザ光学系とワークとの距離が変動しても、レーザ光が重ね合わせて照射される領域におけるレーザ光強度が、材料層を分解して基板から剥離させるために必要な分解閾値を越える値になるようにして、前記レーザ源は、前記変形したワークに対して、前記材料層の分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光を照射する。
(2)上記(1)において、前記ワーク支持体は前記ステージから突出する3本の支持棒を備え、前記支持機構は前記ワークを該支持棒の方へ押しつける押し付け手段を有する。
(3)上記(2)において、前記ワーク支持体の支持棒は、ワークと点接触する先端形状を有する剛性体からなり、前記押し付け手段は、該支持棒の周囲に配置された弾性部材から構成され、該弾性部材は、ワーク下面と該支持棒が接触したとき、該弾性部材とワーク下面とで閉空間を形成するように配置され、該支持棒には該閉空間を減圧する吸引孔が設けられる。
(4)上記(2)(3)において、3本の支持棒はステージの中央の点を中心とした仮想円上に略等間隔で位置させる。
(5)レーザ光を発生するレーザ源と、レーザ光を所定の形状に成形するためのレーザ光学系とを備え、基板上に材料層が形成され、上に凸もしくは凹に変形したワークに対し、レーザ源からのレーザ光と該ワークを相対的に移動させながら、該レーザ源から、前記基板を透過する波長域のレーザ光を照射して、該材料層を該基板から剥離するレーザリフトオフ方法において、隣接する照射領域に照射される各レーザ光の重畳度が所望の値になるように、前記レーザ源で発生するレーザ光のパルス間隔を制御し、変形した状態のまま3点で支持された前記ワークに対して、
前記ワークの変形により、前記レーザ光学系とワークとの距離が変動しても、レーザ光が重ね合わせて照射される領域におけるレーザ光強度が、材料層を分解して基板から剥離させるために必要な分解閾値を越える値になるようにして、前記レーザ源は、前記変形したワークに対して、前記材料層の分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光を照射する。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)ステージから突出する3点で、該ワークを変形した状態のまま支持して、レーザリフトオフ処理を行うようにしたので、ワークが大きく変形していても、ワークを破損させることなく、レーザリフトオフ処理を行うことができる。また、3点で支持するようにしたので、ワークがどのように変形していても、ワークに無用な力を掛けることなく、ワークを支持することができる。
(2)ワークを支持する支持機構に、ワークを支持棒の方へ押しつける押し付け手段を設けることにより、ワークを3点で確実に保持することができ、ワークの移動等に伴いワークの位置がずれるのを防止することができる。
特に、ワークを3点で支持する支持棒を、ワークと点接触する先端形状を有する剛性体とすることで、ワークの移動時等に、ワークを振動させることなく保持することができる。
(3)上記押し付け手段を、該支持棒の周囲に配置された弾性部材から構成し、ワーク下面と該支持棒が接触したとき、該弾性部材とワーク下面とで閉空間を形成し、該閉空間を減圧することにより、支持棒とワークの点接触で維持しながら、ワークが移動しても、位置ずれや振動を発生させずに保持することが可能になる。
(4)3本の支持棒をステージの中央の点を中心とした仮想円上に略等間隔で位置させることにより、ワークを安定に支持することができる。
本発明の実施例のレーザリフトオフ処理の概要を説明する概念図である。 本発明の実施例のレーザリフトオフ装置の光学系の構成を示す概念図である。 ワーク上にレーザ光が重畳して照射される様子を説明する図である。 本発明の実施例のステージの斜視図である。 本発明のワーク支持体の第1の実施例を示す図である。 本実施例の支持体を用いて変形したワークを保持した状態を示す図である。 本発明のワーク支持体の第2の実施例を示す図である。 弾性部材を支持棒とは別に設けた支持機構の他の構成例を示す図である。 従来の基板を保持する保持ステージの構成例(1)を示す図である。 従来の基板を保持する保持ステージの構成例(2)を示す図である。
図1は、本発明の実施例のレーザリフトオフ処理の概要を説明する概念図である。
本実施例において、レーザリフトオフ処理は次のように行われる。
紫外線領域のレーザ光Lを透過する基板(サファイア基板)1aと材料層1bが積層されサポート基板1cが接着されたワーク1が、ステージ20に設けられた支持機構10の支持棒12上に3点で支持され載置されている。ワーク1は例えば同図に示すように下に凸に変形したものである。なお、ワークの反り量は4インチのワークの場合、400μm程度である。
ワーク1を載せた支持機構10が設けられたステージ20は、コンベヤのような搬送機構2に載置され、搬送機構2によって所定の速度で搬送される。ワーク1は、ステージ20と共に図中の矢印AB方向に搬送されながら、基板1aを通じて、図示しないパルスレーザ源から出射するパルスレーザ光Lが照射される。
ワーク1は、サファイアからなる基板1aの表面に、窒化ガリウム(GaN)系化合物の材料層1bが形成されてなるものである。基板1aは、GaN系化合物の材料層を良好に形成することができ、尚且つ、GaN系化合物の材料層を分解するために必要な波長のレーザ光を透過するものであれば良い。材料層1bには、低い入力エネルギーによって高出力の青色光を効率良く出力するためにGaN系化合物を用いることができる。材料層1bとしては、III族系化合物を用いることができ、上記GaN系化合物や、窒化インジウムガリウム(InGaN)系化合物、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)系化合物などがある。
材料層1bはパルスレーザ光Lが照射されることにより、材料層1bのGaNがガリウム(Ga)と窒素(N)とに分解する。
レーザ光Lは、基板1aおよび基板1aから剥離する材料層1bを構成する物質に対応して適宜選択すべきである。サファイアの基板1aからGaN系化合物の材料層1bを剥離する場合には、例えば波長248nmを放射するKrF(クリプトンフッ素)エキシマレーザを用いることができる。レーザ波長248nmの光エネルギー(5eV)は、GaNのバンドギャップ(3.4eV)とサファイアのバンドギャップ(9.9eV)の間にある。したがって、波長248nmのレーザ光はサファイアの基板からGaN系化合物の材料層を剥離するために望ましい。
図2は本発明の実施例のレーザリフトオフ装置の光学系の構成を示す概念図である。同図において、レーザリフトオフ装置は、パルスレーザ光を発生するレーザ源30と、レーザ光を所定の形状に成形するためのレーザ光学系40と、ワーク1が載置される支持機構10を有するステージ20と、ステージ20を搬送する搬送機構2と、レーザ源30で発生するレーザ光の照射間隔および搬送機構2の動作を制御する制御部31とを備えている。
レーザ光学系40は、シリンドリカルレンズ41、42と、レーザ光をワークの方向へ反射するミラー43と、レーザ光を所定の形状に成形するためのマスク44と、マスク44を通過したレーザ光Lの像をワーク1上に投影する投影レンズ45とを備えている。ワーク1へのパルスレーザ光の照射領域の面積および形状は、レーザ光学系40によって適宜設定することができる。
レーザ光学系40の先にはワーク1が配置されている。ワーク1はステージ20に設けられた支持機構10の支持棒12上に3点で支持されており、図5の例では、支持機構10の支持棒12の周辺に設けられた弾性部材16とワーク1の裏面との間の閉空間17を減圧することで、ワーク1は上記支持棒12の方向へ押し付けられ、支持棒端部14の任意の1点と点接触している。
ステージ20は搬送機構2に載置されており、搬送機構2によって搬送される。すなわち、ワーク1は、図1に示す矢印A、Bの方向に順次に搬送されながら、隣り合う各照射領域に、例えば四角形状に照射領域が成形されたパルスレーザ光が順次照射され、ワークの一方端の照射領域から他方端の照射領域までレーザ光が照射されると、図1の矢印Cの方向にワーク1が移動し、ついで上記のように矢印A、Bの方向に順次に搬送されながら、隣り合う各照射領域に順次レーザ光が照射される。
制御部31は、ワーク1の隣接する照射領域に照射される各レーザ光の重畳度が所望の値になるように、レーザ源30で発生するパルスレーザ光のパルス間隔を制御する。
レーザ源30から発生するレーザ光Lは例えば波長248nmの紫外線を発生するKrFエキシマレーザである。レーザ源としてArFレーザやYAGレーザを使用しても良い。
レーザ源30で発生したパルスレーザ光Lは、シリンドリカルレンズ41、42、ミラー43、マスク44を通過した後に、投影レンズ45によってワーク1上に投影される。パルスレーザ光Lは、基板1aを通じて基板1aと材料層1bの界面に照射される。
基板1aと材料層1bの界面では、パルスレーザ光Lが照射されることにより、材料層1bの基板1aとの界面付近のGaNが分解される。このようにして材料層1bが基板1aから剥離される。
上記パルスレーザ光Lは、例えば四角形状に成形された照射領域を有し、ワーク1の互いに隣接する領域において、図3に示すように、レーザ光が互いに重畳するように照射される。なお、図3の縦軸はワークの各照射領域に照射されるレーザ光の強度(断面のエネルギー値)を示し、横軸はワークの搬送方向を示す。また、L1、L2は、それぞれワークの隣り合う照射領域に照射されるレーザ光を示し、同図のハッチングで示した領域が重畳している領域である。また、同図はワーク1の照射面が焦点位置からずれ、レーザ光L1、L2の断面が、周方向になだらかに広がるエッジ部を有し頂上に平坦面を有する略台形状に形成された場合を示している。
なお、レーザ光L1,L2は同時に照射されるわけではなく、レーザ光L1が照射されてから1パルス間隔後にレーザ光L2が照射される。また、レーザ光L1、L2は、図3に破線で示すように、GaN系化合物の材料層を分解してサファイアの基板から剥離させるために必要な分解閾値VEを超えるエネルギー領域において重畳される。
このように、レーザ光が重畳して照射される領域におけるそれぞれのパルスレーザ光の強度を、上記分解閾値VEを越える値になるように設定することで、材料層を基板から剥離させるために十分なレーザエネルギーが与えることができ、基板上に形成された材料層に割れを生じさせることなく、材料層を基板から確実に剥離させることができる。
ここで、ワーク1は前記したように例えば400μm程度反っており、上記レーザ光学系40は、このように反ったワークに対して、材料層の分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光を、ワークに対して照射する必要がある。
このため、上記レーザ光学系40としては、投影レンズ45とワーク1間の距離がワーク1の変形により400μm程度変動しても、材料層1bの分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光を照射できるものを用いる必要があり、具体的には、レーザ光学系40とワーク1の距離が400μm程度変動したとき、材料層1bの分解反応をする領域の大きさ(図3におけるd)の変動が30μm程度以下になるものを用いる。
すなわち、ワーク1が変形している場合、レーザ光の照射位置がワーク1上で相対的に移動すると、投影レンズ45とワーク1間の距離が変動し、ワークの照射面は投影レンズの焦点位置からずれ、ワーク1の結晶層の分解反応をする領域の大きさも変動するが、この変動が30μm程度以下になるようにし、この照射領域の30μmの変動を考慮して、照射領域の重ね合わせ量がある程度の量になることを処理条件として、ステージ20の移動条件を設定する。これにより、一定のフォーカス位置設定で、すなわち、ワーク1とレーザ光学系40の距離をリアルタイムで調整することなく、ワーク全面を処理することができる。
次に本発明の実施例のステージの具体的な構成例について説明する。
図4は、本発明の実施例のステージの斜視図である。
ステージ20上には、支持機構10を構成するワーク支持体である3本の支持棒12が配置されている。支持棒12は、例えば、ステージ20に設けられた貫通孔11に嵌め込まれており、支持棒12の周囲には、後述するように弾性部材16が設けられている。
支持棒12は、ステージ20の中央の点を中心とした仮想円上に略等間隔で配置されている。支持棒12をこのように配置することで、ワークを安定に支持することができる。また、ワーク1の重心位置がステージ20の略中央位置になるようにワーク1を載せることで、3本の支持棒12に係る力を等しくすることができる。
図5は、本発明の支持機構を構成するワーク支持体の第1の実施例を示す概略図である。支持棒12は、ステンレスなどの硬質な材料で構成されており、中心部分を排気孔13が貫通している。
ワークを搭載する側の支持棒端部14は曲面で構成されている。また、支持棒12の中心部を貫通している排気孔13は支持棒端部14側で屈曲しており、該支持棒端部の側方に排気口15が開けられている。すなわち、排気口15は、ワーク1を搭載した際にワーク1の表面が接触しない箇所に開けられている。
支持棒端部14の周囲には押し付け手段としてゴムなど変形しやすいで構成された円筒状の弾性部材16が設けられており、弾性部材16の一端は支持棒端部14の周囲を囲むように密着している。
弾性部材16の他方の端部にワーク1を搭載すると図5(a)に示すように弾性部材16が変形し、ワーク1表面、支持棒端部14と弾性部材16の内壁空間で囲まれた閉空間17を形成する。
排気孔13よりコンプレッサなどを用いて、閉空間17をワーク1と支持棒端部14が接触するまで減圧する。これにより、図5(b)に示したように、ワーク1は支持棒12方向に押し付けられる。支持棒12の端部は曲面で構成されているので、ワーク1と支持棒端部14が一点で接触する。3本の支持棒を用いるとワーク1を支持棒12を介してステージに固定することができる。
図6は、本実施例の支持体を用いて変形したワーク1を保持した状態を示している(3本目の支持棒は不図示)。ワーク1は、前記したように、レーザ光を透過する基板(サファイア基板)1aと材料層1bとサポート基板1cからなる3層構造であり、基板1aが上側になるように、支持棒12上に載せられる。ワーク1の下面は、剛性体よりなる支持棒12と点接触しており、ステージ20からの高さを正確に決めることができる。3か所に設けられた支持棒12は、基本的に同じ高さになるように設定され、また、その高さはワークの変形量等を考慮して適宜設定される。
図7は、本発明の支持機構を構成するワーク支持体の第2の実施例を示す概略図である。
支持棒12は、ステンレスなどの硬質な材料で構成されており、同図に示すように支持棒12の内部を排気孔13が貫通している。
ワーク1を搭載する側の支持棒端部14は円錐形状をしている。また、支持棒12の内部を貫通している排気孔13は円錐状の支持棒端部14に隣接する部分に排気口15が開けられている。この場合も、ワーク1が支持棒端部14の先端部分で点接触し、3点でワーク1は保持される。
以上説明した実施例では、押し付け手段として支持棒端部14の周囲に弾性部材16を設け、弾性部材16とワーク1の下面で形成される閉空間17を減圧して、ワーク1を保持するように構成した場合を示したが、図8に示すようにワーク1を支持棒12へ押し付けるようにしてもよい。
図8は、上記ワーク1を支持棒12へ押し付ける手段を支持棒12とは別に設けた場合の構成例を示す図である。
同図において、支持棒12は前記したようにステージ20上に3か所に設けられ、その上にワーク1が載せられる。また、ステージ20の中央付近には、貫通孔11が設けられ貫通孔11には、排気孔13を有する円筒状の排気管18が設けられる。該排気管18をコンプレッサなどに連通させ、エアーを吸入する。これにより、ステージ20とワーク1の下面の間の空間が減圧され、周囲の空気圧に対してワーク1下面の空気圧が相対的に低くなり、ワーク1はステージ20側に押し付けられ、ワーク1が移動しないように固定される。
1 ワーク
1a 基板(サファイア基板)
1b 材料層
1c サポート基板
2 搬送機構
10 支持機構
11 貫通孔
12 支持棒
13 排気孔
14 支持棒端部
15 排気口
16 弾性部材
17 閉空間
18 排気管
20 ステージ
30 レーザ源
31 制御部
40 レーザ光学系
41,42 シリンドリカルレンズ
43 ミラー
44 マスク
45 投影レンズ

Claims (5)

  1. 基板上に材料層が形成され、上に凸もしくは凹に変形したワークに対し、レーザ源からのレーザ光と該ワークを相対的に移動させながら、該レーザ源から、前記基板を透過する波長域のレーザ光を照射して、該材料層を該基板から剥離するレーザリフトオフ装置であって、
    レーザ光を発生するレーザ源と、レーザ光を所定の形状に成形するためのレーザ光学系と、前記ワークを支持する支持機構を備えたステージと、ステージを搬送する搬送機構と、レーザ源で発生するレーザ光の照射間隔および搬送機構の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、隣接する照射領域に照射される各レーザ光の重畳度が所望の値になるように、前記レーザ源で発生するレーザ光のパルス間隔を制御し、
    前記支持機構は、該ステージから突出する3点で、該ワークを変形した状態のまま支持するワーク支持体を備え、
    前記レーザ光学系とワークとの距離が変動しても、レーザ光が重ね合わせて照射される領域におけるレーザ光強度が、材料層を分解して基板から剥離させるために必要な分解閾値を越える値になるようにして、前記レーザ源は、前記変形したワークに対して、前記材料層の分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光を照射する
    ことを特徴とするレーザリフトオフ装置。
  2. 前記ワーク支持体は前記ステージから突出する3本の支持棒を備え、前記支持機構は前記ワークを該支持棒の方へ押しつける押し付け手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のレーザリフトオフ装置。
  3. 前記ワーク支持体の支持棒は、ワークと点接触する先端形状を有する剛性体からなり、
    前記押し付け手段は、該支持棒の周囲に配置された弾性部材から構成され、該弾性部材は、ワーク下面と該支持棒が接触したとき、該弾性部材とワーク下面とで閉空間を形成するように配置され、該支持棒には該閉空間を減圧する吸引孔が設けられる
    ことを特徴とする請求項2に記載のレーザリフトオフ装置。
  4. 前記3本の支持棒はステージの中央の点を中心とした仮想円上に略等間隔で位置する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のレーザリフトオフ装置。
  5. レーザ光を発生するレーザ源と、レーザ光を所定の形状に成形するためのレーザ光学系とを備え、基板上に材料層が形成され、上に凸もしくは凹に変形したワークに対し、レーザ源からのレーザ光と該ワークを相対的に移動させながら、該レーザ源から、前記基板を透過する波長域のレーザ光を照射して、該材料層を該基板から剥離するレーザリフトオフ方法であって、
    隣接する照射領域に照射される各レーザ光の重畳度が所望の値になるように、前記レーザ源で発生するレーザ光のパルス間隔を制御し、
    変形した状態のまま3点で支持された前記ワークに対して、前記ワークの変形により、前記レーザ光学系とワークとの距離が変動しても、レーザ光が重ね合わせて照射される領域におけるレーザ光強度が、材料層を分解して基板から剥離させるために必要な分解閾値を越える値になるようにして、前記レーザ源は、前記変形したワークに対して、前記材料層の分解閾値を越えるエネルギーレベルのレーザ光を照射する
    ことを特徴とするレーザリフトオフ方法。
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