JP5909610B2 - コラーゲンスポンジ - Google Patents

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Description

本発明は、細胞培養、組織欠損部埋植等の基材として用いるコラーゲンスポンジに関する。
本出願は、参照によりここに援用されるところの日本出願、特願2013-027905号優先権を請求する。
(半月板)
膝関節の半月板は、関節内の大腿骨と下腿の脛骨の間にある線維軟骨組織であり、多くの力学負荷の掛かる組織である。半月板の役割は、衝撃吸収、荷重分散、滑動性の向上、関節の安定等が挙げられる。半月板は、スポーツ外傷や日常生活動作での損傷を受けやすく、損傷により膝関節の痛みや運動制限をきたすが、自然治癒しがたい。
従来、薬物療法や運動療法等の保存療法で治癒しない損傷半月板に対しては手術治療が行われ、半月板切除、又は部分切除術が行われてきた。しかし、これらの手術では一時的に痛みを緩和できるものの、半月板機能が損なわれたままとなり、変形性関節症の原因となる。近年、内視鏡技術の進歩に伴い、関節鏡視下半月板縫合術が行われ機能温存が計られるようになった。
しかし、欠損のある損傷、複雑な損傷、変性断裂等は縫合術の適応とならず、半月板機能を修復できないという問題点がある。該問題は、半月板に限らず、血管走行が少ないため自然治癒しがたい軟骨組織全般についての問題といえる。
(コラーゲン)
上記問題の解決策として再生医療が盛んに研究されており、例えば、特許文献1は、「軟骨細胞を細胞培養用基材(コラーゲンスポンジ)上で培養して、その培養した細胞を基材ごと欠損部に埋植する方法」を開示している。
しかし、細胞を基材に播種し、生体外にて一定期間培養した後に、組織欠損部に基材を埋植するため、細胞プロセッシングセンターなどの高度な設備の整った施設でしか実施できず、また安全性の担保が難しいことが問題である。
特許文献2は、「移植片としてのコラーゲン基材」を開示している。しかし、該基材は、表面及び内部にポア構造がなく、内部への細胞の浸潤が起こらず、周辺組織と接触する表面積が少なく組織との結合力が低いため、埋植部位に接合しにくく、脱落を防ぐために縫合糸等による長期的な固定が必要となる。
以上により、コラーゲン由来の基材を力学負荷の掛かる組織に埋植された患者は、該基材が埋植部位に接合するまで安静にしなければならないという問題がある。そこで、力学負荷の掛かる組織に埋植する基材には、埋植部位に接合しやすい構造とすること及び埋植された患者がすぐに日常生活に復帰できるように、埋植する組織と同等の物性を持たせることが求められている。
さらに、基材は生体内において、経時的に劣化及び変質すると考えられることから、患者の再手術を避けるためにも、生体に埋植した後に一定期間で分解されて正常な自家組織に置換されるものが求められている。
特開2008-79548号公報 特開平8-38592号公報
細胞が浸潤するためのポア構造を有するコラーゲン由来の基材においては、埋植周辺組織への力学的な負担を軽減するため及び細胞が浸潤するためのポア構造を維持するために、埋植する組織と同等の圧縮強度(応力)を有し、構造及び応力にむらがないものが求められている。埋植する組織より基材の応力が低いと、埋植部位の周辺組織に圧縮され細胞が浸潤するためのポア構造が潰れてしまう。また、埋植する組織より基材の応力が高いと、周囲の組織に物理的刺激を与え、炎症などの原因となってしまう。
なお、特許文献1に記載のコラーゲンを原料とした細胞培養用担体は、ポア構造が一様ではなく、大きいポアや小さいポアが部分的に集まる構造であった(参照:図3)。このポア構造のむらは、応力のむらを生じ、使用中に該担体に求められる性能が部分的減じる可能性が高い。
本発明者らは、上記課題を解決するために研究した結果、「コラーゲン濃度が50mg/ml以上であるコラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物を凍結乾燥の後、不溶化処理を行い、ひずみ10%負荷時に10〜30kPaの応力を持ち、表面及び内部にポア構造を持ち、ポアの平均直径が50〜400μmの範囲であり、並びにポアの直径の標準偏差がポアの平均直径の80%以下であるコラーゲンスポンジ」が埋植する組織と同等の圧縮強度(応力)を有し、構造及び応力にむらがなく、かつ細胞が浸潤するためのポア構造を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の通りである。
1.コラーゲン濃度が50mg/ml以上であるコラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物を凍結乾燥の後、不溶化処理を行い、ひずみ10%負荷時に10〜30kPaの応力を持ち、表面及び内部にポア構造を持ち、ポアの平均直径が50〜400μmの範囲であり、並びにポアの直径の標準偏差がポアの平均直径の80%以下であるコラーゲンスポンジ。
2.凍結乾燥前に700G以上にて遠心工程を行うことを特徴とする前項1のコラーゲンスポンジ。
3.前記直径の標準偏差が平均直径の60%以下である前項1又は2のコラーゲンスポンジ。
4.前記直径の標準偏差が平均直径の40%以下である前項1〜3のいずれか1のコラーゲンスポンジ。
本発明のコラーゲンは、負荷を掛けながらの細胞培養や負荷の掛かる軟骨組織欠損部への埋植に適した基材である。
本発明のコラーゲンスポンジの断面図(実体顕微鏡像) 本発明のコラーゲンスポンジの断面図(走査型電子顕微鏡像) 従来のコラーゲンスポンジの断面図(走査型電子顕微鏡像)
(本発明のコラーゲンスポンジ)
本発明のコラーゲンスポンジは、「コラーゲン濃度が50mg/ml以上であるコラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物を凍結乾燥の後、不溶化処理を行い、ひずみ10%負荷時に10〜30kPaの応力を持ち、表面及び内部にポア構造を持ち、ポアの平均直径が50〜400μmの範囲であり、並びにポアの直径の標準偏差がポアの平均直径の80%以下」の特性を有する。
(本発明で使用するコラーゲン)
本発明で使用するコラーゲンは、生体組織より採取された不溶性コラーゲン、例えばアキレス腱由来のテンドンコラーゲン、皮膚由来のコラーゲン、可溶性コラーゲン、可溶化コラーゲン、例えば酵素可溶化コラーゲン(アテロコラーゲン)、アルカリ可溶化コラーゲン、酸可溶性コラーゲン、塩可溶性コラーゲン等を用いることができるが、特にアテロコラーゲンが望ましい。動物種にも特に制限はなく、培養時にコラーゲンが熱変性を起こすことのない変性温度を持つコラーゲンであれば問題はない。具体的にはウシ、ブタ等哺乳動物由来、ニワトリ等の鳥類由来、マグロ、イズミダイ等の魚類由来等を用いることができる。またリコンビナントコラーゲンも用いることはできる。コラーゲンの構成アミノ酸側鎖の化学修飾物、具体的にはアセチル化、サクシニル化、フタール化等のアシル化、メチル化、エチル化等のエステル化等を行うことが可能である。
(コラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物の調整)
下記の凍結乾燥工程を行う前に、コラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物を調整する。より詳しくは、不溶性コラーゲンの場合は分散液とし、可溶性コラーゲンの場合には溶液あるいは分散液とする。分散液、溶液、又はその混合物のいずれのpHは特に制限はないが、望ましく中性付近、具体的にはpH4−10が望ましい。なお、分散液とはコラーゲンが容易に溶解するpH1−3以外のpHでコラーゲンが溶解せずに分散あるいは沈殿・膨潤している状態のものを意味する。
(コラーゲン濃度の調整)
凍結乾燥によって軟骨様の強度に近づける為に、凍結乾燥の後に得られたコラーゲン乾燥物をプレスし、密度を高くすることが必要である。該高くする場合には、凍結乾燥によって形成されたポアが潰れるために、細胞を担体内部にまで播種することは困難となる。そこで凍結乾燥の原料となる不溶性、可溶性のコラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物中のコラーゲン濃度を50mg/ml以上、好ましくは70mg/ml以上、より好ましくは100mg/ml以上にする必要がある。50mg/ml以上であれば軟骨組織に類似した物性の担体を得ることができる。特に、アテロコラーゲンを用いる場合は70mg/ml以上が望ましい。
なお、低濃度、例えば30mg/mLの場合、生体内の軟骨と物理的物性の隔たりが大きいために、軟骨細胞を本担体に播種後、直ちに移植あるいは培養後の移植が困難となり、また細胞を播種の後、生体内の軟骨細胞、軟骨組織が受ける負荷を加えた培養も行うことが困難となる。加えて、低濃度である30mg/mlでは、後に不溶化処理を行っても、本発明のコラーゲンの物性は得ることができない。
上記調整したコラーゲン濃度を持った分散液、溶液、又はその混合物のいずれも用いることはできるが、特に分散液が望ましい。
(充填工程)
コラーゲンの分散液、溶液、又はその混合物を所望の形状の型に充填させる。所望の形状としては立方体を作り使用時に所望の形状にカットして使用することもできるし、あるいは最初から所望の形状の型を用いることもできる。
最初から所望の形状の型を用いる方法として、特に制限は無いが、軟骨欠損部に移植する場合には、コラーゲンスポンジそのものを軟骨欠損部の形状に合わせて作ることが望ましい。
具体的な方法としては患者自身のCTあるいはMRIのデータを元に光造形により欠損部の形状を持った型を作ることができる。
(遠心工程)
凍結乾燥前である充填工程前又は後に、700G以上、より好ましくは、750G以上にて、10分〜200分間、より好ましくは15分〜100分間遠心することが好ましい。該遠心により、コラーゲンスポンジの構造及び応力のむらをなくすことができる。
なお、下記の実施例1で示すように、700G以上の遠心工程を得ないコラーゲンスポンジは、コラーゲンスポンジの表面のポア構造は一様ではなく、むらが存在する。
(凍結乾燥工程)
凍結乾燥方法には、自体公知の凍結乾燥の手法を用いることができる。凍結乾燥方法は、急速、緩慢凍結等があるが、凍結の方法によって乾燥物のポアサイズに違いが出るので、希望するポアサイズにできる凍結方法を選択する。例えば、急速に凍結乾燥すれば、ポアサイズは小さくなり、緩慢に凍結乾燥すれば、ポアサイズは大きくなる。
ポアサイズは、細胞がコラーゲンスポンジの内部に浸潤でき、コラーゲンスポンジを出入りする体液により細胞の接着が妨げられないことが望ましい。よって、ポアサイズは、平均直径を50〜400μmの間とすることが望ましい。凍結乾燥機内の−20℃に冷却した棚にコラーゲン分散液を充填した容器を静置し、該分散液を凍結させた後に、−20℃から常温まで経時的に温度を上げながら減圧乾燥を70〜75時間行うことで望みのポアサイズを得ることができる。
(不溶化処理工程)
不溶化処理を行うことによって、物理的な強度を高めたり、移植した組織内での残存期間を調節することができる。不溶化処理を行う場合、コラーゲン乾燥物の形状を崩すことなく、またコラーゲン乾燥物の内部にまで均一に不溶化処理が必要である。
本発明の不溶化処理としては、乾燥物の内部にまで不溶化処理が可能な、乾熱処理、γ線照射、水溶性化学架橋剤、気化可能な化学架橋剤等が望ましい。
不溶化処理は用いる方法によって異なる。例えば、乾熱処理であれば完全に乾燥状態にした後に、120℃程度の加熱雰囲気下で30分以上放置することにより行うことができ、γ線照射処理では膨潤しない程度に乾燥物に湿度を与えた後に、0.1kGy以上の照射によって行うことができる。水溶性化学架橋剤による不溶化処理であれば、具体的には、アルデヒド化合物、エポキシ化合物等が使用できる。例えば、グルタルアルデヒドであれば、0.5%の濃度のグルタルアルデヒドを含む水溶液に、乾燥物を浸漬することにより達成できる。
気化可能な化学架橋剤による不溶化処理では、密閉した容器に乾燥物と化学架橋剤、例えば、ホルマリン溶液等を入れることにより密閉容器内で不溶化処理が行われる。
本発明で使用する水溶性化学架橋剤は、好ましくはエポキシ化合物である化学架橋剤、より好ましくは、アリルグリシジエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO) 5グリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO) 15グリシジルエーテル、レソルシノールジグリシジエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンオリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトルポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル等を使用する。
本発明では、基材の応力が軟骨組織と同程度になるように不溶化処理を行う。軟骨組織の場合、日常生活においては、垂直方向の圧縮による変形率(ひずみ)が、10%程度であり、このときの応力が10〜30kPaであることから、本基材の応力もひずみ10%のときに10〜30kPaになるように不溶化処理条件を調節する。また、この不溶化処理は、生体内で基材が早い段階で分解・吸収されてしまうことを防ぐ効果もある。
(本発明のコラーゲンスポンジの用途)
本発明のコラーゲンスポンジは、そのまま埋植することもできるし、埋植前に細胞を播種し、培養した後に埋植することも可能である。培養する際には、生体の軟骨組織が受ける負荷と類似の負荷を加えながら培養することも可能である。
さらに、本発明のコラーゲンスポンジは、薬剤の担体や軟骨以外の組織の補強材として生体に埋植したり、あるいは生体に埋植することを目的としない細胞培養用の担体、特に、繰り返して負荷を掛けながらの細胞培養用の担体等にも使用することができる。
(本発明のコラーゲンスポンジの特性)
本発明のコラーゲンスポンジは、ひずみ10%負荷時に10〜30kPa、詳細には15〜25kPaの応力を持つ。なお、ひずみ10%負荷時の応力は、本発明のコラーゲンスポンジを37℃の生理食塩水に浸漬して、小型卓上試験機(shimadzu EZ-S)を用いて測定する。
本発明のコラーゲンスポンジのポアの平均直径は、50〜400μmの範囲、詳細には60〜300μmの範囲、より詳細には70〜200μmの範囲にある。
また、本発明のコラーゲンスポンジのポアの直径のばらつき、すなわち標準偏差は、そのポアの平均直径の80%以下であり、好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下である。本発明の「ポアの直径の標準偏差がポアの平均直径の何%以下」であるとの数値は、ポアの直径の標準偏差の値をポアの平均直径で除した値(ポアの直径の標準偏差の値/ポアの平均直径)を意味する。
一方、従来のコラーゲンスポンジでは、ポアの直径の標準偏差はポアの平均直径の約84%(=標準偏差96.40μm/平均直径114.88μm)であった。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(本発明のコラーゲンスポンジの製造)
下記の工程により本発明のコラーゲンスポンジを製造した。
(本発明のコラーゲンスポンジの製造方法)
ウシ真皮由来の酵素可溶化コラーゲン(アテロコラーゲン)を、精製水に加え、さらに練合器にて撹拌し、コラーゲンの分散液を得た。該分散液中のコラーゲン濃度をビューレット法により測定し、分散液中のコラーゲン濃度が100mg/mlとなるように調節した。なお、100mg/mlより濃度が低い場合には、酵素可溶化コラーゲンを加えて、濃度を上げた。
コラーゲン濃度が100mg/mlのコラーゲン分散液を、テフロン(登録商標)チューブに分注し、さらに、760G、20分間の遠心をした。遠心後、棚を−20℃に冷却した凍結乾燥機内に静置し、分散液を凍結した後に−20℃から常温まで、経時的に温度を上げながら減圧乾燥を73時間行った。
凍結乾燥終了したコラーゲン乾燥物を該テフロン(登録商標)チューブより取り出し、必要な長さに切断してから、架橋剤であるエポキシ化合物を入れたメディウム瓶に入れ、減圧脱泡(5分×3回)、その後振盪撹拌(50rpm、30℃、18時間)することにより、不溶化処理を行った。
次に、不溶化処理後のコラーゲンを、イオン交換水を入れたメディウム瓶に移し替えて、振盪撹拌(50rpm、30℃、30分×5回)し、その後架橋剤の中和液を添加して振盪撹拌(50rpm、30℃、18時間)し、再度イオン交換水を入れたメディウム瓶に移し替えて、振盪撹拌(50rpm、30℃、30分×5回)することで、洗浄を行った。
最後に、風乾することにより、本発明のコラーゲンスポンジを得た。
なお、760G、20分間の遠心をせずに得た従来のコラーゲンスポンジをコントロールとした(参照:引用文献1に開示のコラーゲンスポンジ)。
(本発明のコラーゲンスポンジの特性)
上記で得られたコラーゲンスポンジの断面を図1(実体顕微鏡像、Bar:1mm)及び図2(走査型電子顕微鏡像、Bar:100μm)に示す。図1及び図2から明らかなように、本発明のコラーゲンスポンジの表面のポア構造は一様であり、むらは認められなかった。
一方、上記で得られた従来のコラーゲンスポンジの断面を図3(走査型電子顕微鏡像、Bar:100μm)に示す。図3から明らかなように、従来のコラーゲンスポンジの表面のポア構造は一様ではなく、むらが認められた。
本発明のコラーゲンスポンジ及び従来のコラーゲンスポンジの応力の測定を行った。日常生活において膝に掛かる負荷による半月板の変形度合(ひずみ10%)を参考に、担体をひずみ10%圧縮した時の応力を計測した。応力は、本発明のコラーゲンスポンジを37℃の生理食塩水に浸漬して、小型卓上試験機(shimadzu EZ-S)を用いて測定した。
本発明のコラーゲンスポンジは、ひずみ10%負荷時に約18.7kPaであった。
一方、従来のコラーゲンスポンジは多数のむらがあり、ある箇所では、ひずみ10%負荷時に約14.0kPaであった。
本発明のコラーゲンスポンジ及び従来のコラーゲンスポンジの表面(走査型電子顕微鏡像)から無作為に1個のポアを選択し、このポアの長径および長径の中央を通り長径と直交する方向の径を測定し、この2つの値の平均値をこのポアの直径とした。この操作を25個のポアに対して行い、ポアの平均直径および標準偏差を算出した。
本発明のコラーゲンスポンジのポアの平均直径は115.65μmであり、ポアの直径の標準偏差は36.18μmであった。
一方、従来のコラーゲンスポンジのポアの平均直径は114.88μmであり、ポアの直径の標準偏差は96.40μmであった。
実施例1で作製したコラーゲンスポンジを動物に埋入し、埋入評価を行った。詳細は、以下の通りである。
(埋入方法)
ミニブタ9頭の内側半月板前節に、直径5mmの円柱状欠損を作成し、A群(実施例1で作製したコラーゲンスポンジ補填)、B群(ネガティブコントロール:補填なし)、C群(ポジティブコントロール:フィブリンクロット補填)の3群各6例を術後3ヶ月後に解析した。
(埋入結果)
3群は、肉眼的には感染,癒着、関節炎は認めなかった。組織学的評価に関し、A群である実施例1で作製したコラーゲンスポンジ補填は、細胞侵入と一部吸収、線維性組織置換がみられ、周囲組織の維持は、B群に比較して良好であった。
組織充填率に関し、A群は91%、B群は52%及びC群は68%であった。すなわち、実施例1で作製したコラーゲンスポンジ補填は、コントロール補填と比較して、顕著に組織充填率が高かった。
組織スコアリング(Ishida K et al,Tissue Eng,2007)に関し、3群間に有意差は認めなかった。
本発明のコラーゲンは、ブタ半月板欠損モデルでの評価において、フィブリンクロットと比較して、組織誘導、周囲組織の維持に優れている。さらに、本発明のコラーゲンを生体内組織に移植しても、感染、組織癒着、関節炎などの有害事象は認めなかった。
負荷を掛けながらの細胞培養や負荷の掛かる軟骨組織欠損部への埋植に適した基材であるコラーゲンスポンジを提供できた。

Claims (4)

  1. ひずみ10%負荷時に10〜30kPaの応力を持ち、表面及び内部にポア構造を持ち、ポアの平均直径が50〜400μmの範囲であり、並びにポアの直径の標準偏差がポアの平均直径の40%以下であるコラーゲンスポンジ。
  2. 以下の(1)〜(3)の工程を含む、ひずみ10%負荷時に10〜30kPaの応力を持ち、表面及び内部にポア構造を持ち、ポアの平均直径が50〜400μmの範囲であり、並びにポアの直径の標準偏差がポアの平均直径の40%以下であるコラーゲンスポンジの製造方法:
    (1)コラーゲン濃度が50mg/ml以上であるコラーゲンの分散液又は溶液を容器に充填した後に、ポアのむらを抑制するために700G以上にて遠心を行う工程;
    (2)凍結乾燥処理工程;及び
    (3)不溶化処理工程。
  3. 前記遠心の遠心時間は、10分〜200分間である請求項2のコラーゲンスポンジの製造方法
  4. 前記遠心は、前記コラーゲンの分散液又は溶液を凍結乾燥のための容器に充填した後に行う請求項2又は3のいずれか1に記載のコラーゲンスポンジの製造方法
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