JP5908735B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリアセタール樹脂組成物に関する。
ポリアセタール樹脂は結晶性樹脂であり、剛性、強度、靭性、摺動性及びクリープ性に優れた樹脂材料である。ポリアセタール樹脂の用途は、自動車部品、電気・電子部品及び工業部品などの各種機構部品用樹脂材料として、広範囲に亘っている。
これらの各種の機構部品は、通常以下のとおり連続生産される。先ずポリアセタール樹脂に安定剤等の各種添加剤を配合し、得られた配合物を押出し機等により溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを得る。得られたポリアセタール樹脂組成物のペレットを用いて所望の成形品を射出成形し、各種機構部品を連続生産する。このような連続生産を長期間に亘り行う場合、ポリアセタール樹脂は、押出し機等により所定の滞留時間及び温度で溶融混練されることにより熱分解し、ホルムアルデヒドを放出する。そして、放出されたホルムアルデヒドは、糖化反応(ホルモース反応)により炭化物となる。また、ポリアセタール樹脂中に添加されている安定剤等の各種添加剤は、押出し機等により所定の滞留時間及び温度で溶融混練されることにより、いわゆる焼けによる変性が起こり、変性物となる。
ポリアセタール樹脂成形品を長期間連続使用した際、上記炭化物及び変性物が存在する箇所は、成形品使用時の応力が集中し、破壊の起点となる。したがって、上記炭化物及び変性物が混入したポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品は、本来有するポリアセタール樹脂由来の耐久性が阻害される。
そのため、ポリアセタール樹脂組成物を用いて各種の機構部品を連続生産する場合、ポリアセタール樹脂を含む原料を押出し機等により溶融混練する際の温度をポリアセタール樹脂の融点近傍まで極力下げ、更には滞留時間を抑えるなどの条件で、ポリアセタール樹脂組成物のペレットを生産し、上記炭化物及び変性物の発生を抑制している。また、定期的に押出し機等の溶融混練装置を洗浄するなどの処置を施し、上記炭化物及び変性物が成形品に混入することを防止している。さらには、ポリアセタール樹脂組成物を用いた成形品中に上記炭化物及び変性物等の異物が混入していないか、目視で検査するなどの工程検査を行い、品質管理に多大な労力を要しているのが現状である。
従来、ポリアセタール樹脂の熱安定性を改良する方法として、3元共重合ポリアミドを添加配合する方法(例えば、特許文献1参照。)、ポリ−β−アラニン重合体を添加配合する方法(例えば、特許文献2参照。)、2種以上のポリアミド樹脂を添加配合する方法(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。また、近年自動車内装部品を中心に、ホルムアルデヒドを含む揮発性有機化合物(VOC)の放出量の更なる低減要求がある。そのため、ホルムアルデヒド放出抑制剤を添加し、成形品から放出されるホルムアルデヒド量を低減する試みがなされている(例えば、特許文献4参照。)。
特公昭34−005440号公報 特開平02−247247号公報 特開昭51−064559号公報 特開平10−298401号公報
上記従来提案されている方法によると、短時間で連続してポリアセタール樹脂を含む原料を押出し機等により溶融混練する場合は、ポリアセタール樹脂の熱分解や、各種添加剤の変性を抑制できる。そして、ポリアセタール樹脂組成物から得られる成形品は、本来有するポリアセタール樹脂由来の耐久性を損なうことはない。
しかしながら、上記従来提案されている方法によっても、長期間連続してポリアセタール樹脂を含む原料を押出し機等により溶融混練する場合は、ポリアセタール樹脂の熱分解により発生するホルムアルデヒド起因の炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を完全に抑制することはできない。そして、発生した炭化物及び変性物等の異物が、例えば、押出し機ダイスの目を詰まらせ、押出し機のダイス圧が上昇するため、ポリアセタール樹脂組成物を長期間連続して生産することが困難となる場合がある。更には、ポリアセタール樹脂組成物中に炭化物及び変性物が混入すると、上述したとおり、得られるポリアセタール樹脂成形品の長期耐久性が阻害される。
そこで、本発明は、長時間連続して成形を行っても、ポリアセタール樹脂の熱分解により発生するホルムアルデヒド起因の炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を効果的に抑制することが可能なポリアセタール樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するべく鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂に特定の添加剤を配合することにより、長時間連続して成形を行っても、ポリアセタール樹脂の熱分解により発生するホルムアルデヒドに起因する炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を効果的に抑制することができ、且つ金型汚染性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
(A)ポリアセタール樹脂と、
(B−1)下記一般式(1)で表されるカルボン酸モノヒドラジド化合物と、
(B−2)下記一般式(2)で表されるカルボン酸ジヒドラジド化合物と、
(C)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物と、
(D)酸化防止剤と
を含むポリアセタール樹脂組成物。
(式中、R1は水素、アルキル基、置換アルキル基又はアリール基を表し、n=0〜40の整数である。)
[2]
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)とカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)との質量比率((B−1)/(B−2))が、1×10-6〜10,000×10-6の範囲である、[1]記載のポリアセタール樹脂組成物。
[3]
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)が、下記一般式(3)及び/又は(4)に示す構造を含むアクリルアミド重合体である、[1]又は[2]記載のポリアセタール樹脂組成物。
[4]
ポリアセタール樹脂(A)を230℃、窒素雰囲気条件下で加熱した際に、ポリアセタール樹脂(A)の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒド発生量が、ポリアセタール樹脂(A)100質量%に対して、0.001〜2.0質量%である、[1]〜[3]のいずれか記載のポリアセタール樹脂組成物。
本発明によれば、長時間連続成形した際に発生するホルムアルデヒド起因の炭化物、及び各種添加剤起因の変性物の発生を抑制し、且つ金型のメンテナンス頻度を著しく低減(改善)した金型汚染性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、説明する。本発明は、以下の記載に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔ポリアセタール樹脂組成物〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂(A)と、下記一般式(1)で表されるカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)と、下記一般式(2)で表されるカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)と、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)と、酸化防止剤(D)とを含有する。
(式中、R1は水素、アルキル基、置換アルキル基又はアリール基を表し、n=0〜40の整数である。)
〈ポリアセタール樹脂(A)〉
本実施形態に用いるポリアセタール樹脂(A)とは、オキシメチレン基を主鎖に有し、重合体連鎖の両末端がエステル基により封鎖された、ポリオキシメチレンホモポリマーである。ポリアセタール樹脂(A)は、230℃、窒素雰囲気条件下で加熱した際に、ポリアセタール樹脂(A)の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒド発生量が、ポリアセタール樹脂(A)100質量%に対して、0.001〜2.0質量%であることが好ましく、0.001〜1.0質量%であることがより好ましく、0.001〜0.5質量%であることがさらに好ましく、0.001〜0.3質量%であることが特に好ましい。ポリアセタール樹脂(A)の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒド発生量が上記の範囲にあるとき、本発明の目的である長時間連続成形した際に発生する炭化物や変性物の発生を抑制することができ、且つ金型汚染性に優れたポリアセタール樹脂組成物を提供することができる。
ホルムアルデヒド発生量は、主に、ポリアセタール樹脂の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒドと、ポリアセタール樹脂の熱分解によって発生するホルムアルデヒドの2種類がある。本実施形態において、ホルムアルデヒド発生量とは、不安定末端基から放出されるホルムアルデヒド発生量であり、以下に示す方法により定量することができる。
ポリアセタール樹脂(A)を、230℃、窒素雰囲気条件下で、300時間加熱し、発生したホルムアルデヒドを亜硫酸ナトリウム水溶液に吸収する。ホルムアルデヒドを吸収した亜硫酸ナトリウム水溶液を硫酸で滴定し、得られた滴定量からホルムアルデヒド発生量を算出する。300時間の加熱において、各々算出したホルムアルデヒド発生量を経時的にグラフにプロットし、3つの異なるホルムアルデヒド発生速度を求める。第1の発生速度は、ポリアセタール樹脂が完全溶融していない初期の段階であるので、ポリアセタール樹脂表面に存在するホルムアルデヒド量を示している。第2のホルムアルデヒド発生速度は、ポリアセタール樹脂が溶融した状態から熱分解するまでの領域であり、ポリアセタール樹脂の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒドを示す。第3のホルムアルデヒド発生速度は、ポリアセタール樹脂の熱分解の領域であり、ポリマーの主鎖分解によって発生するホルムアルデヒドを示す。これらの事実は、各領域の分子量分布をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)にて測定することにより確認することができる。本実施形態において、ホルムアルデヒド発生量は、第2のホルムアルデヒド発生速度を外挿し、その切片(交点)から求められる。
〈カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)及びカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)〉
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)は、下記一般式(1)で表されるカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)である。また、カルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)は、下記一般式(2)で表されるカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)である。
(式中、R1は水素、アルキル基、置換アルキル基又はアリール基を表し、n=0〜40の整数である。)
上記カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)及びカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)を構成するカルボン酸は、1価若しくは2価のカルボン酸が挙げられる。具体的には、1価のモノカルボン酸の例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。2価のジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ二酸が挙げられる。更に本実施形態に用いるカルボン酸には、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ酸、芳香族カルボン酸も含まれる。具体的な不飽和カルボン酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレイ酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸が挙げられる。ヒドロキシ酸としては、例えば、乳酸、リンゴ酸、クエン酸が挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、サリチル酸、没食子酸、メリト酸、ケイ皮酸が挙げられる。また、ピルビン酸、アコニット酸、アミノ酸、ニトロカルボン酸も、本実施形態に用いるカルボン酸に含まれる。
これらカルボン酸を用いて合成されたカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)及びカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)の具体例としては、カルボジヒドラジン、シュウ酸モノ(ジ)ヒドラジド、マロン酸モノ(ジ)ヒドラジド、コハク酸モノ(ジ)ヒドラジド、グルタル酸モノ(ジ)ヒドラジド、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノ(ジ)ヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、プロピオン酸モノヒドラジド、ラウリン酸モノヒドラジド、ステアリン酸モノヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフタリン酸ジヒドラジド、p―ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、p―ヒドロキシベンゾイックヒドラジン、1,4−シクロへキサンジカルボン酸ジヒドラジン、アセトヒドラジド、アクリロヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ベンゾヒドラジド、ニコチノヒドラジド、イソニコチノヒドラジド、イソブチルヒドラジン、オレイン酸ヒドラジド等が挙げられる。これらカルボン酸モノ(ジ)ヒドラジド化合物の中でも、アジピン酸、セバシン酸、ラウリン酸等のジカルボン酸とヒドラジンとから合成されたカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)及びカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)が好ましく、アジピン酸モノ(ジ)ヒドラジド、セバシン酸モノ(ジ)ヒドラジド、ラウリン酸モノ(ジ)ヒドラジドが好ましい。
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)とカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)との質量比率((B−1)/(B−2))は、1×10-6〜10,000×10-6の範囲であることが好ましい。中でもより好ましくは、(B−1)/(B−2)=1×10-6〜1,000×10-6の質量比であり、さらに好ましくは(B−1)/(B−2)=1×10-6〜100×10-6の質量比である。(B−1)/(B−2)が前記範囲内であると、ポリアセタール樹脂組成物は、長時間連続して成形を行っても、ポリアセタール樹脂の熱分解により発生するホルムアルデヒドに起因する炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を効果的に抑制することができ、且つ金型汚染性が著しく向上する。
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)及びカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)の添加量は、(B−1)及び(B−2)の合計量がポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、0.001〜0.5質量部の範囲であることが好ましい。中でも(B−1)及び(B−2)の合計量は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、より好ましくは0.005〜0.5質量部の範囲であり、さらに好ましくは0.01〜0.3質量部の範囲である。
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)とカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)との質量比率((B−1)/(B−2))の調整方法としては、例えば、カルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)にカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)を添加し調整する方法や、前述のカルボン酸とヒドラジンとの反応条件により合成する際の合成反応条件によって調整する方法が挙げられる。
カルボン酸とヒドラジンとの反応条件により質量比率((B−1)/(B−2))を調整する方法としては、具体的には以下の方法が挙げられる。合成反応時の中間体としてカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)が生成する。このカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)を、合成反応工程以降の洗浄工程で洗浄する際の条件の調整により、カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)の含有率を調整することが可能である。
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)とカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)との質量比率及び添加量が上記の範囲にあるとき、本発明の目的であるホルムアルデヒド起因の炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を抑制し、且つ長時間連続成形した際の金型汚染性を著しく向上させることができる。
〈ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)〉
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)としては、下記一般式(3)及び/又は(4)に示す構造を含むアクリルアミド重合体であることが好ましい。
アクリルアミド重合体とは、上述の一般式(3)及び/又は(4)に示す構造を含むアクリルアミド重合体であり、アクリルアミド以外のビニル基を有するモノマーを共重合成分として導入したアクリルアミド重合体であってもよい。好ましくは、第一級アミド基が30〜70mol%含有されて、アクリルアミド以外のビニル基を有するモノマーを共重合成分として導入したアクリルアミド重合体である。
アクリルアミド重合体の架橋成分は、ビニル基を1個若しくは2個有するモノマーであり、例えば、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、エチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、セシルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等や、ジビニルベンゼン、エチレンビスアクリルアミド、N,N'−メチレンビスアクリルアミド等が挙げられる。これらビニル基を有するモノマーの中で、N,N'−メチレンビスアクリルアミドが特に好ましい。
これらアクリルアミド重合体の中でも、架橋型アクリルアミド重合体で且つ平均粒子径が10μm以下のアクリルアミド重合体が好ましい。更に好ましくは、平均粒子径が5μm以下のアクリルアミド重合体であり、特に好ましくは、架橋型で平均粒子径が3μm以下のアクリルアミド重合体である。
なお、本実施形態において、アクリルアミド重合体の平均粒子径は、アクリルアミド重合体をエタノールに混合し、得られた懸濁液を粒子径測定装置にかけることにより、測定することができる。
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)の添加量は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して0.01〜1質量部の範囲であることが好ましく、中でもより好ましくは0.05〜0.5質量部、さらに好ましい成分(C)の添加量は0.05〜0.3質量部である。ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)の添加量が上記の範囲にあるとき、本発明の目的であるホルムアルデヒド起因の炭化物や、安定剤等の各種添加剤起因の変性物の発生を抑制し、且つ長時間連続成形した際の金型汚染性を著しく向上させることができる。
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
〈酸化防止剤(D)〉
酸化防止剤(D)の具体例としては、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3'−メチル−5−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、1,4−ブタンジオール−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタン、3,9−ビス(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N'−ビス−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プリピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N'−テトラメチレンビス−3−(3'−メチル−5'−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N, N'−ビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル)ヒドラジン、N−サリチロイル−N'−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N'−ビス(2−(3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)オキシアミド等が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)、テトラキス−(メチレン−3−(3',5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートメタンが好ましい。これらの酸化防止剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら酸化防止剤(D)の添加量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜2.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1.0質量部、さらに好ましくは0.01〜0.5質量部の範囲である。
〔ポリアセタール樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、例えば、上記各成分を混合し、溶融混練することにより製造することができる。
カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)、カルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)、酸化防止剤(D)の添加混合、溶融混練方法は、従来公知の方法によって実施可能である。例えば、ポリアセタール樹脂(A)に、所定量のカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)、カルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)、酸化防止剤(D)を添加し、ヘンシェル混合機等の攪拌機で混合する。その後、得られたポリアセタール樹脂混合物を単軸、若しくは2軸の溶融混練装置(押出し機)を用いて溶融混練することによって、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。溶融混練する際の温度は、ポリアセタール樹脂(A)の融点以上、230℃未満の範囲で調整する。また、カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)、カルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)及び酸化防止剤(D)と、ポリアセタール樹脂(A)との混合方法は、特に制限するものではないが、好ましくは、ポリアセタール樹脂(A)を投入した攪拌混合機を窒素雰囲気条件とし、その攪拌混合機に上記(B−1)、(B−2)、(C)及び(D)成分を所定量添加し攪拌混合する。攪拌混合時の温度は、攪拌混合機内の品温が80℃以下となるように調整することにより、攪拌機内に付着・堆積するカルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)、カルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)、酸化防止剤(D)が減り、所定量をポリアセタール樹脂(A)に配合することができ、本発明の目的を達成することができる。
本実施形態のポリアセタール樹脂組成物には、本発明が目的とする特性を損なわない範囲で、従来公知の添加剤を配合することが可能である。当該添加剤として、例えば、摺動剤、耐候(光)剤、離型剤、着色剤、有機・無機強化材、結晶化促進剤、各種熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
<ポリアセタール樹脂組成物の原料>
〔1.ポリアセタール樹脂(A)〕
・ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−1)
攪拌羽根を具備する重合反応器をn−へキサンで満たし、該重合反応器に、ホルムアルデヒドガス(水分量:110ppm)と、重合触媒(ジメチルジステアリルアンモニウムアセテート)と、分子量調節剤(無水酢酸)とを、夫々連続的にフィードし、重合反応させて粗ポリアセタール樹脂ホモポリマーを得た。このときの重合反応温度は、58℃とした。
この条件で得られた粗ポリアセタール樹脂ホモポリマーを、ヘキサンと無水酢酸との1対1混合溶媒で満たした反応容器に投入し、150℃で2時間、粗ポリアセタール樹脂ホモポリマーの不安定末端をエステル化処理した。このときのポリマーと混合溶媒(ヘキサンと無水酢酸の1対1混合溶媒)との質量比(スラリー濃度)は、混合溶媒(ヘキサンと無水酢酸との1対1混合溶媒)100に対して、ポリマーを20とした。
粗ポリアセタール樹脂ホモポリマーの末端安定化処理終了後、反応容器から混合溶媒(ヘキサンと無水酢酸の1対1混合溶媒)とポリアセタール樹脂ホモポリマーとを取り出し、フレッシュのn−ヘキサン溶媒を加えてポリアセタール樹脂ホモポリマーを繰り返し洗浄し、無水酢酸を洗い落とした。当該洗浄は、ポリアセタール樹脂ホモポリマー中の無水酢酸濃度が10ppm以下になるまで繰り返した。
その後、安定化したポリアセタール樹脂ホモポリマーを、120℃で3時間、−700mmHgの条件で減圧乾燥し、ポリアセタール樹脂ホモポリマーから洗浄に用いたn−へキサン溶媒を除去した。更に、ポリアセタール樹脂ホモポリマーを、120℃に設定した加熱式乾燥機を用いて5時間乾燥し、ポリアセタール樹脂ホモポリマー中に含まれる水分を除去した。その後、室温まで冷却し、ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−1)を得た。得られたポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−1)について、メルトフローレート値(以下「MFR値」とも記す。)とホルムアルデヒド発生量とを後述の方法により測定した。当該測定結果を表1に示す。
・ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−2〜A−4)
粗ポリアセタール樹脂の末端安定化条件を変更した以外は上記ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−1)と同様にして、ホルムアルデヒド発生量が異なるポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−2〜A−4)を製造した。この時の末端安定化時間は、ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−2)の製造においては1時間とし、ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−3)の製造においては45分とし、ポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−4)の製造においては30分とした。得られたポリアセタール樹脂ホモポリマー(A−2〜A−4)について、MFR値とホルムアルデヒド発生量とを後述の方法により測定した。当該測定結果を表1に示す。
〔2.ポリアセタール樹脂(A)のメルトフローレート値(以下「MFR値」とも言う)測定方法〕
ASTM D1238に従い、東洋精機(株)製、MELT INDEXERを用いて、シリンダー温度190℃、荷重2.16kgでMFR値を測定した。
〔3.ポリアセタール樹脂(A)のホルムアルデヒド発生量測定方法〕
ポリアセタール樹脂(A)3gをステンレス製の円筒型容器に投入し、このステンレス容器を230℃で窒素雰囲気状態にした加熱炉に設置した。該加熱炉から放出されるガスを0.1mol/リットルの亜硫酸ナトリウム水溶液に吸収させた。該亜硫酸ナトリウム水溶液を1/10規定の硫酸で滴定し、ホルムアルデヒド発生量の経時変化を求めた。求めたホルムアルデヒド発生量をグラフにプロットし、3つの異なるホルムアルデヒド発生速度を求めた。なお、第1の発生速度は、ポリアセタール樹脂が完全溶融していない初期の段階であるので、ポリアセタール樹脂表面に存在するホルムアルデヒド量を示す。第2のホルムアルデヒド発生速度は、ポリアセタール樹脂が溶融した状態から熱分解するまでの領域(第2領域)であり、ポリアセタール樹脂の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒドを示す。第3のホルムアルデヒド発生速度は、ポリアセタール樹脂の熱分解の領域であり、ポリマーの主鎖分解によって発生するホルムアルデヒドを示す。これらの事実は、各領域の分子量分布をGPCにて測定することにより確認した。
本実施例では、第2領域のホルムアルデヒド発生速度(傾き)を切片方向に伸ばし、その切片(交点)から、ポリアセタール樹脂(A)の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒド発生量を求めた。
〔4.ポリアセタール樹脂に配合した各種添加剤〕
本実施例で使用したカルボン酸モノ(ジ)ヒドラジド化合物(B)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)、酸化防止剤(D)を以下に示した。
[カルボン酸ヒドラジド化合物(B)]
カルボン酸ヒドラジド化合物(B)として、下表2に示すカルボン酸ヒドラジド化合物(BI〜BVIII)を用いた。
[ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)]
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)として、以下のアクリルアミド重合体(C−1)を用いた。
・アクリルアミド重合体(C−1):アクリルアミドとN,N‘−メチレンビスアクリルアミドとの共重合体によって得られた、1級アミド基量が45モル%、還元粘度が0.55、平均粒子径が2.5μmのポリ−β―アラニン共重合体。
なお、アクリルアミド重合体(C−1)の1級アミド基量は、以下のとおり測定した。まず、アクリルアミド重合体(C−1)を、水酸化カリウム水溶液に添加し加熱した。その後、一級アミド基をアンモニアで加水分解し、水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定することで、アクリルアミド重合体(C−1)の1級アミド基量を定量した。また、アクリルアミド重合体(C−1)の還元粘度は、アクリルアミド重合体(C−1)を蟻酸に溶解させ、得られた溶液を用いて、オストワルド粘度計により測定した。オストワルド粘度計における恒温槽の温度は、35℃±1℃とした。さらに、アクリルアミド重合体(C−1)の平均粒子径は、アクリルアミド重合体をエタノールに混合し、得られた懸濁液を粒子径測定装置にかけることにより測定した。
[酸化防止剤(D)]
酸化防止剤(D)として、以下の酸化防止剤(D−1)を用いた。
・酸化防止剤(D−1):トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)。
〔5.各種添加剤配合方法〕
ポリアセタール樹脂(A)に、カルボン酸ヒドラジド化合物(B)、ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)、酸化防止剤(D)を所定量添加し、ヘンシェル攪拌混合機で混合して各種添加剤配合物を得た。攪拌混合時の条件は、以下の通りとした。
[攪拌混合条件]
・攪拌混合機の容量 : 10リットル。
・攪拌翼回転数 : 860rpm。
・攪拌混合機のジャケット温度 : 60℃以下とした。
・攪拌混合機内の圧力 : 窒素で5kPaに保った。
・攪拌混合時間 : 2分間。
〔6.溶融混練方法:押出し条件〕
上記5で得られた各種添加剤配合物を、下記条件に設定したベント付き2軸押出し機に投入し溶融混練し、ポリアセタール樹脂組成物を得た。尚、造粒時の押出し機ホッパー内は、窒素で5kPaの微加圧状態とした。
[2軸押出し機の設定条件等]
・押出し機 : 池貝製PCM30φ2軸押出し機(ベント付き)
・シリンダー設定温度 : 205℃
・スクリュー回転数 : 100rpm
・吐出量 : 10kg/hr
・ベント圧 : −700mmHg減圧
〔7.成形品中への炭化物及び変性物の混入率の定量方法、並びに金型汚染性評価〕
上記6で得られたポリアセタール樹脂組成物を下記成形条件で連続成形し、得られた成形品中に存在する炭化物及び変性物を目視観察し、該炭化物及び変性物の混入率を求めた。尚、該炭化物及び変性物の混入率は、1つの成形品(1kg)中に存在する炭化物及び変性物の個数を点数表記したものである。
また、ポリアセタール樹脂組成物を下記成形条件で連続成形する際の金型汚染性については、下記判定基準に従って評価した。
(a)成形条件
・射出成形機 : 東洋精機製Ti-30G
・シリンダー設定温度 : 230℃
・金型設定温度 : 80℃
・成形サイクル : 射出/冷却=10/5秒
・金型サイズ : 30mm×12mm×2mmの鏃型
(流動末端先端部にガス抜き部設置)
・成形ショット数 : 10,000ショット
(b)金型汚染性判定基準
・金型キャビティ内外、ガス抜き部の何れも汚れなし : 0
・金型ガス抜き部に、僅かに汚れがある : 1
・金型キャビティの1/5程度の範囲で汚れあり : 2
・金型キャビティの1/2程度の範囲で汚れあり : 3
・金型キャビティ内外の全体に汚れがある : 4
・金型キャビティ全体に汚れがあり、不織布で拭いても汚れが落ちない : 5
[実施例1]
ポリアセタール樹脂(A−1)100質量部に対して、カルボン酸ヒドラジド(BII)を0.1質量部、アクリルアミド重合体(C−1)0.1質量部、酸化防止剤(D−1)0.1質量部を、上記5及び6のとおり、添加配合し、溶融混練してポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物を用いて、上記7のとおり、10,000ショットまで連続成形して成形品を得た。上記7のとおり、該連続成形の過程での、成形品中に存在する炭化物及び変性物の混入率を定量し、同時に金型汚染性も評価した。当該結果を表3に示した。
[実施例2〜5]
カルボン酸ヒドラジド化合物(B)の種類を、表3に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示した。
[実施例6〜11]
カルボン酸ヒドラジド化合物(BII)の添加量を、表3に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示した。
[実施例12〜14]
ポリアセタール樹脂(A)の種類を、表3に示すとおり変更した以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示した。
[比較例1]
ポリアセタール樹脂(A−3)100質量部に対して、アジピン酸ジヒドラジド(BVI)を0.1質量部、アクリルアミド重合体(C−1)0.1質量部、酸化防止剤(D−1)0.1質量部を、上記5及び6のとおり、添加配合し、溶融混練してポリアセタール樹脂組成物を得た。得られたポリアセタール樹脂組成物を用いて、上記7のとおり、10,000ショットまで連続成形して成形品を得た。上記7のとおり、該連続成形の過程での、成形品中に存在する炭化物及び変性物の混入量を定量し、同時に金型汚染性も評価した。当該結果を表4に示した。
[比較例2、3]
カルボン酸ヒドラジド化合物(B)の種類を、表4に示すとおりセバシン酸ジヒドラジド化合物(BVII)、ドデカ二酸ジヒドラジド化合物(BVIII)に変更した以外は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表4に示した。
[比較例4]
カルボン酸ジヒドラジド化合物(B)を無添加とした以外は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表4に示した。
[比較例5]
酸化防止剤(D)を無添加とした以外は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表4に示した。
[比較例6]
ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)を無添加とした以外は。比較例1と同様の操作を行った。結果を表4に示した。
上記表3及び4の評価結果から明らかなように、本実施形態のポリアセタール樹脂組成物は、長時間連続成形した際の、炭化物及び変性物の発生抑制と金型汚染性とが改善されることが判った。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、電気及び電子機器部品、自動車機構部品や、工業用機構部品等の材料として、産業上の利用可能性がある。

Claims (3)

  1. (A)ポリアセタール樹脂と、
    (B−1)下記一般式(1)で表されるカルボン酸モノヒドラジド化合物と、
    (B−2)下記一般式(2)で表されるカルボン酸ジヒドラジド化合物と、
    (C)ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物と、
    (D)酸化防止剤と
    を含み、
    カルボン酸モノヒドラジド化合物(B−1)とカルボン酸ジヒドラジド化合物(B−2)との質量比率((B−1)/(B−2))が、1×10 -6 〜10,000×10 -6 の範囲である、ポリアセタール樹脂組成物。
    (式中、R1は水素、アルキル基、置換アルキル基又はアリール基を表し、n=0〜40の整数である。)
  2. ホルムアルデヒド捕捉能力を有する含窒素化合物(C)が、下記一般式(3)及び/又は(4)に示す構造を含むアクリルアミド重合体である、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. ポリアセタール樹脂(A)を230℃、窒素雰囲気条件下で、300時間加熱した際に、ポリアセタール樹脂(A)の不安定末端基から放出されるホルムアルデヒド発生量が、ポリアセタール樹脂(A)100質量%に対して、0.001〜2.0質量%である、請求項1又は2記載のポリアセタール樹脂組成物。
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