JP5908672B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウェーハの裏面を研削して個々のデバイスに分割する方法に関する。
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画され表面に形成されたウェーハは、研削装置によって裏面が研削されて所定の厚さに形成された後、ダイシング装置等によって個々のデバイスに分割され、各種電子機器等に利用されている。
また、ウェーハの分割予定ラインにデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの溝を形成した後、ウェーハの裏面を研削して溝を裏面から表出させて個々のデバイスに分割する先ダイシングと称される技術によっても、ウェーハを個々のデバイスに分割することができる(例えば特許文献1参照)。
いずれの場合も、ウェーハの裏面研削時には、表面が研削装置のチャックテーブルに保持されるため、表面が傷つかないようにするために、表面には保護テープが貼着されデバイスが保護されている。
ところが、研削によりウェーハの厚さが例えば50μm以下、30μm以下と薄くなると、ウェーハに腰がなくなり、ウェーハの搬送が困難になるという問題がある。
また、先ダイシングにおいては、保護テープにウェーハの表面を貼着しフレームで支持した状態で研削するので、ウェーハが個々のデバイスに分割されてもフレームによる搬送が可能であるが、デバイスに分割された瞬間にデバイス同士が接触して一部のデバイスが破損するという問題及び溝に研削屑が入り込みデバイスの側面が汚染されるという問題がある。
そこで、本出願人は、ウェーハまたは分割予定ラインにデバイスの仕上がり厚さに相当する深さの溝が形成されたウェーハを、液状樹脂を介してハードプレートに貼り付け、紫外線を照射して液状樹脂を固化させた後にウェーハの裏面を研削する技術を開発し、特許出願した(特許文献2参照)。
特開平11−40520号公報 特開2004−296839号公報
しかし、ウェーハが薄く形成されているため、ウェーハの表面からハードプレートを剥離することが困難であり、作業性が悪いという問題がある。
本発明は、このような問題にかんがみなされたもので、表面にハードプレートが貼着されたウェーハの裏面を研削した後に、ウェーハの表面からハードプレートを容易に剥離できるようにすることを目的とする。
第一の発明は、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて表面に形成されたウェーハの裏面を研削して個々のデバイスに分割するウェーハの加工方法に関するもので、ガラス基板の上面にシランカップリング剤によってフッ素コーティングを行うフッ素コーティング工程と、ガラス基板のフッ素コーティングされた面にウェーハの表面を対面させ、紫外線の照射によって固化する液状樹脂を介在させてウェーハの表面をガラス基板に貼り付けて合体させる合体工程と、ガラス基板側から紫外線を照射して液状樹脂を固化させる液状樹脂固化工程と、研削装置のチャックテーブルにガラス基板側を保持しウェーハの裏面を研削する研削工程と、ウェーハを収容する開口部を有するフレームにダイシングテープを貼着するとともにウェーハの裏面を該ダイシングテープに貼着し、開口部にガラス基板と合体したウェーハを収容するダイシングテープ貼着工程と、ガラス基板をウェーハの表面から剥離するとともにウェーハの表面に残存している固化した液状樹脂を剥離する剥離工程と、分割予定ラインを切断して個々のデバイスに分割する分割工程と、ダイシングテープから個々のデバイスをピックアップするピックアップ工程とから少なくとも構成される。
第二の発明は、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて表面に形成されたウェーハの裏面を研削して個々のデバイスに分割するウェーハの加工方法に関するもので、デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの溝を分割予定ラインに形成する溝形成工程と、ガラス基板の上面にシランカップリング剤によってフッ素コーティングを行うフッ素コーティング工程と、ガラス基板のフッ素コーティングされた面にウェーハの表面を対面させ、紫外線の照射によって固化する液状樹脂を介在させてウェーハの表面をガラス基板に貼り付けて合体させる合体工程と、ガラス基板側から紫外線を照射して液状樹脂を固化させる液状樹脂固化工程と、研削装置のチャックテーブルにガラス基板側を保持しウェーハの裏面を研削して溝をウェーハの裏面から表出させる研削工程と、ウェーハを収容する開口部を有するフレームにダイシングテープを貼着するとともにウェーハの裏面をダイシングテープに貼着し、開口部にガラス基板と合体したウェーハを収容するダイシングテープ貼着工程と、ガラス基板をウェーハの表面から剥離するとともにウェーハの表面に残存している固化した液状樹脂を剥離する剥離工程と、ダイシングテープから個々のデバイスをピックアップするピックアップ工程とから少なくとも構成される。
本発明に係るウェーハの加工方法は、ガラス基板の上面にシランカップリング剤によってフッ素コーティングを行い、フッ素コーティングした上面に樹脂を介してウェーハを貼り付け、その状態で加工を行ってからガラス基板をウェーハから剥離するように構成したため、ガラス基板のウェーハからの剥離を円滑かつ容易に行うことができる。
ウェーハの一例を示す斜視図である。 フッ素コーティングされたガラス基板を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態を工程別に略示的に示す断面図である。 液状樹脂を介してウェーハの表面をガラス基板に貼り付ける状態を示す斜視図である。 表面がガラス基板に貼り付けられたウェーハを示す斜視図である。 液状樹脂に紫外線を照射する状態を示す斜視図である。 ウェーハの裏面を研削する状態を示す斜視図である。 ウェーハの裏面をダイシングテープに貼着してフレームで支持した状態を示す斜視図である。 ウェーハの表面からガラス基板及び固化した液状樹脂を剥離する状態を示す斜視図である。 ウェーハを個々のデバイスに分割する状態を示す斜視図である。 デバイスをピックアップする状態を略示的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態を工程別に略示的に示す断面図である。 ウェーハの表面に溝を形成する状態を示す斜視図である。 液状樹脂を介して溝が形成されたウェーハの表面をガラス基板に貼り付ける状態を示す斜視図である。 溝が形成された表面がガラス基板に貼り付けられたウェーハを示す斜視図である。 液状樹脂に紫外線を照射する状態を示す斜視図である。 表面に溝が形成されたウェーハの裏面を研削する状態を示す斜視図である。 裏面から溝が表出したウェーハを示す斜視図である。 溝が表出したウェーハの裏面をダイシングテープに貼着してフレームで支持した状態を示す斜視図である。 ウェーハの表面からガラス基板及び固化した液状樹脂を剥離する状態を示す斜視図である。
図1に示すウェーハWは、分割予定ラインLによって区画されて表面W1に複数のデバイスDが形成されて構成されている。以下では、このウェーハWの裏面W2を研削するとともに個々のデバイスに分割するウェーハWの加工方法について説明する。
1 第1の実施形態
(1)フッ素コーティング工程
最初に、図2に示すように、板状形に形成され、加工対象のウェーハWとほぼ同じ大きさのガラス基板1を準備する。ガラス基板1は、ウェーハWと同径か、またはウェーハWよりも若干大径に形成されている。
図2及び図3(A)に示すように、ガラス基板1の上面に、シランカップリング剤によってフッ素コーティングするフッ素表面処理剤2を塗布する。フッ素表面処理剤2としては、例えば住友スリーエム社製のフッ素系表面処理剤である「ノベックEGC−1720」を使用することができる。このようにして、フッ素表面処理剤2によってガラス基板1の上面がフッ素コーティングされたハードプレート10が形成される。
ガラス基板1に対するフッ素表面処理剤2の塗布は、例えばガラス基板1を鉛直方向に立てた状態でフッ素表面処理剤2に浸漬し、その後上方に引き上げ、ガラス基板1に付着したフッ素表面処理剤2を乾燥させるディップコーティング法によって行うことができる。
フッ素表面処理剤2は、1つの分子中に有機官能基と加水分解性基の両者を併せ持つ有機ケイ素化合物であり、この特徴的な構造を利用して有機官能基にフッ素基を反応させ、加水分解性基をガラス表面と加水分解反応させることによりガラス表面との化学結合を形成し、化学的性質が異なるもの同士を強固に結びつけることによってガラス表面にフッ素をコーティングすることができる。
(2)合体工程
フッ素コーティング工程の後、図4に示すように、ガラス基板1のフッ素コーティングされた面に、紫外線の照射を受けることによって固化する液状樹脂3を塗布する。液状樹脂3の塗布は、例えばスピンコートによって行うことができる。
そして、液状樹脂3を塗布した面にウェーハWの表面W1を対面させ、図3(B)及び図5に示すように、液状樹脂3を介在させてウェーハWの表面W1をガラス基板1に貼り付けて合体させる。なお、液状樹脂3としては、例えば特開2004−296839に開示された液状樹脂を使用することができる。
(3)液状樹脂固化工程
合体工程の後、図3(C)及び図6に示すように、ガラス基板1側から液状樹脂3に対して紫外線を照射して液状樹脂3を固化させ、ガラス基板1によるウェーハWの支持状態を安定させる。
(4)研削工程
次に、例えば図7に示す研削装置4のチャックテーブル40において、ガラス基板1側を保持し、ウェーハWの裏面W2が露出した状態とする。この研削装置4には、回転軸410の下端のマウント411に研削ホイール412が装着された構成の研削手段41を備えており、研削ホイール412の下面には砥石413が固着されている。
チャックテーブル40に保持されたウェーハWの裏面W2が露出した状態でチャックテーブル40を回転させるとともに、研削ホイール412を回転させながら研削手段41を降下させることにより、図7及び図3(D)に示すように、回転する砥石413をウェーハWの裏面W2に接触させて研削を行う。そして、ウェーハWが所望の厚さになると、研削手段41を上昇させて研削を終了する。
(5)ダイシングテープ貼着工程
研削工程終了後は、図8及び図3(E)に示すように、リング状に形成され開口部50を有するフレーム5の開口部50を塞ぐようにダイシングテープ51を貼着するとともに、ダイシングテープ51にウェーハWの裏面W2を貼着する。そうすると、ガラス基板1と一体となったウェーハWが開口部50に収容され、ダイシングテープ51を介してフレーム5に支持された状態となる。
(6)剥離工程
次に、ダイシングテープ51にウェーハWの裏面W2が貼着された状態で、図3(F)及び図9に示すように、ウェーハWの表面W1からガラス基板1を剥離する。また、ガラス基板1とともに、ウェーハWの表面W1に残存している固化した液状樹脂3も表面W1から剥離する。ガラス基板1にはフッ素コーティングが施されているため、液状樹脂3の剥離を円滑かつ容易に行うことができる。
(7)分割工程
図3(G)及び図10に示すように、ウェーハWの分割予定ラインLに高速回転する切削ブレード6を切り込ませ、ウェーハWと切削ブレード6とを水平方向に相対移動させることにより、すべての分割予定ラインを切断して個々のデバイスDに分割する。
(8)ピックアップ工程
図11に示すように、ピックアップ装置7の固定部70にフレーム5を固定するともに、ウェーハ支持部71にウェーハWを載置する。そして、フレームFとウェーハWとを相対的に鉛直方向に移動させることにより、図3(H)及び図11に示すように、ダイシングテープ51を伸張させて隣り合うデバイス間の間隔をひろげる。
こうしてデバイス間の間隔をひろげた後、コレット72を用いてデバイスDを吸着してダイシングテープ51からピックアップする。
2 第2の実施形態
(1)溝形成工程
図1に示したウェーハWのすべての分割予定ラインLに対し、図12(A)及び図13に示すように、表面W1側から高速回転する切削ブレード6を切り込ませて溝Gを形成する。溝Gは、デバイスDの最終仕上がり厚さに相当する深さを有する。
(2)フッ素コーティング工程
図2に示したように、円形に形成され、ウェーハWとほぼ同じ大きさののガラス基板1を準備する。ガラス基板1は、ウェーハWと同径か、またはウェーハWよりも若干大径に形成されている。
図2及び図12(B)に示すように、ガラス基板1の上面にフッ素表面処理剤2を塗布する。フッ素表面処理剤2としては、例えば住友スリーエム社製のフッ素系表面処理剤である「ノベックEGC−1720」を使用することができる。このようにして、フッ素表面処理剤2によってガラス基板1の上面がフッ素コーティングされたハードプレート10が形成される。ガラス基板1に対するフッ素表面処理剤2の塗布は、第1の実施形態と同様の方法によって行うことができる。
(3)合体工程
次に、図14に示すように、ガラス基板1のフッ素コーティングされた面に、紫外線の照射を受けることによって固化する液状樹脂3を塗布する。そして、液状樹脂3を塗布した面に溝Gが形成されたウェーハWの表面W1を対面させ、図12(C)及び図15に示すように、液状樹脂3を介在させてウェーハWの表面W1をガラス基板1に貼り付けて合体させる。
(4)液状樹脂固化工程
合体工程の後、図12(D)及び図16に示すように、ガラス基板1側からUV硬化型樹脂3に対して紫外線を照射し、液状樹脂を固化させ、ガラス基板1によるウェーハWの支持状態を安定させる。
(5)研削工程
次に、例えば図17に示す研削装置4のチャックテーブル40においてガラス基板1側を保持し、ウェーハWの裏面W2が露出した状態でチャックテーブル40を回転させるとともに、研削ホイール412を回転させながら研削手段41を降下させることにより、図12(E)及び図17に示すように、回転する砥石413をウェーハWの裏面W2に接触させて研削を行う。そうすると、図18に示すように、裏面W2から溝Gが露出し、個々のデバイスDに分割される。分割されたデバイスDは、ガラス基板1に貼着されているため、全体としてウェーハWの形状を維持している。
(6)ダイシングテープ貼着工程
図12(F)及び図19に示すように、リング状に形成され開口部50を有するフレーム5の開口部50を塞ぐようにダイシングテープ51を貼着し、ダイシングテープ51に分割されたウェーハWの裏面W2を貼着する。そうすると、ガラス基板1と一体となったウェーハWが開口部50に収容され、ダイシングテープ51を介してフレーム5に支持された状態となる。
(7)剥離工程
次に、ダイシングテープ51にウェーハWの裏面W2が貼着された状態で、図12(G)及び図20に示すように、ウェーハWの表面W1からガラス基板1を剥離する。また、ガラス基板1とともに、ウェーハWの表面W1に残存している固化した液状樹脂3も表面1から剥離する。ガラス基板1にはフッ素コーティングが施されているため、液状樹脂3の剥離を円滑に行うことができる。
(8)ピックアップ工程
図11に示すように、ピックアップ装置7の固定部70にフレーム5を固定するともに、ウェーハ支持部71にウェーハWを載置する。そして、フレームFとウェーハWとを相対的に鉛直方向に移動させることにより、図11及び図12(H)に示すように、ダイシングテープ51を伸張させて隣り合うデバイス間の間隔をひろげる。
デバイス間の間隔をひろげた後、コレット72を用いてデバイスDを吸着してダイシングテープ51からピックアップする。
W:ウェーハ
W1:表面 L:分割予定ライン D:デバイス G:溝
W2:裏面
10:ハードプレート 1:ガラス基板 2:シランカップリング剤
3:液状樹脂
4:研削装置
40:チャックテーブル
41:研削手段
410:回転軸 411:マウント 412:研削ホイール 413:砥石
5:フレーム 50:開口部 51:ダイシングテープ
6:切削ブレード
7:ピックアップ装置 70:固定部 71:ウェーハ支持部 72:コレット

Claims (2)

  1. 複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて表面に形成されたウェーハの裏面を研削して個々のデバイスに分割するウェーハの加工方法であって、
    ガラス基板の上面にシランカップリング剤によってフッ素コーティングを行うフッ素コーティング工程と、
    該ガラス基板のフッ素コーティングされた面に該ウェーハの表面を対面させ、紫外線の照射によって固化する液状樹脂を介在させて該ウェーハの表面を該ガラス基板に貼り付けて合体させる合体工程と、
    該ガラス基板側から紫外線を照射して該液状樹脂を固化させる液状樹脂固化工程と、
    研削装置のチャックテーブルに該ガラス基板側を保持し該ウェーハの裏面を研削する研削工程と、
    該ウェーハを収容する開口部を有するフレームにダイシングテープを貼着するとともに該ウェーハの裏面を該ダイシングテープに貼着し、該開口部に該ガラス基板と合体したウェーハを収容するダイシングテープ貼着工程と、
    該ガラス基板を該ウェーハの表面から剥離するとともに該ウェーハの表面に残存している固化した液状樹脂を剥離する剥離工程と、
    該分割予定ラインを切断して個々のデバイスに分割する分割工程と、
    該ダイシングテープから該個々のデバイスをピックアップするピックアップ工程と、
    から少なくとも構成されるウェーハの加工方法。
  2. 複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて表面に形成されたウェーハの裏面を研削して個々のデバイスに分割するウェーハの加工方法であって、
    該デバイスの仕上がり厚さに相当する深さの溝を分割予定ラインに形成する溝形成工程と、
    ガラス基板の上面にシランカップリング剤によってフッ素コーティングを行うフッ素コーティング工程と、
    該ガラス基板のフッ素コーティングされた面に該ウェーハの表面を対面させ、紫外線の照射によって固化する液状樹脂を介在させて該ウェーハの表面を該ガラス基板に貼り付けて合体させる合体工程と、
    該ガラス基板側から紫外線を照射して該液状樹脂を固化させる液状樹脂固化工程と、
    研削装置のチャックテーブルに該ガラス基板側を保持し該ウェーハの裏面を研削して該溝を該ウェーハの裏面から表出させる研削工程と、
    該ウェーハを収容する開口部を有するフレームにダイシングテープを貼着するとともに該ウェーハの裏面を該ダイシングテープに貼着し、該開口部に該ガラス基板と合体したウェーハを収容するダイシングテープ貼着工程と、
    該ガラス基板を該ウェーハの表面から剥離するとともに該ウェーハの表面に残存している固化した液状樹脂を剥離する剥離工程と、
    該ダイシングテープから個々のデバイスをピックアップするピックアップ工程と、
    から少なくとも構成されるウェーハの加工方法。
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