以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのカラーのプリンタについて説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図において、10はプリンタ、Csは筐体であり、該筐体Csは、前壁Wf、前壁Wf側からみて左側の側壁Ws1、前壁Wf側からみて右側の側壁Ws2、頂壁Wt、背壁Wr及び底壁Wbを備え、前壁Wfに外装カバー15がヒンジhgを揺動軸として矢印方向に揺動自在に配設される。
本実施の形態において、プリンタ10の幅方向である側壁Ws1、Ws2間の方向を第1の方向としてのX方向とし、プリンタ10の高さ方向である底壁Wb及び頂壁Wt間の方向を第2の方向としてのY方向とし、プリンタ10の奥行方向である背壁Wr及び前壁Wf間の方向を第3の方向としてのZ方向とする。さらに、X方向において側壁Ws1側から側壁Ws2側に向く方向を+X方向(図における矢印方向)とし、側壁Ws2側から側壁Ws1側に向く方向を−X方向とし、Y方向において底壁Wb側から頂壁Wt側に向く方向を+Y方向(図における矢印方向)とし、頂壁Wt側から底壁Wb側に向く方向を−Y方向とし、Z方向において背壁Wr側から前壁Wf側に向く方向を+Z方向(図における矢印方向)とし、前壁Wf側から背壁Wr側に向く方向を−Z方向とする。
また、11は、プリンタ10の本体、すなわち、装置本体の下部に配設され、媒体としての用紙を収容する媒体収容部としての用紙カセット、12は該用紙カセット11の側壁Ws2側の端部、すなわち、前端に配設され、回転させられて用紙を1枚ずつ媒体搬送路Rtに繰り出す繰出部材としてのホッピングローラである。
前記媒体搬送路Rtは「S」字状の形状を有し、前記ホッピングローラ12から繰り出された用紙は、媒体搬送路Rtに沿って矢印A方向に搬送され、頂壁Wtに形成されたスタッカSkに排出され、積載される。
また、装置本体の上部には、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成するための画像形成部Qが配設され、該画像形成部Qの下方に、各色のトナー像を用紙に転写する転写ユニットu1が画像形成部Qに隣接させて配設される。
該画像形成部Qは、側壁Ws1側(−X方向側)から側壁Ws2(+X方向側)側にかけて互いに隣接させて、かつ、前壁Wf側(+Z方向側)から背壁Wr側(−Z方向側)に向けて延在させて配設された画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21C、該各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cの像担持体としての感光体ドラム25と対向させて、かつ、前壁Wf側(+Z方向側)から背壁Wr側(−Z方向側)にかけて延在させて配設された露光装置としてのLEDヘッド22Bk、22Y、22M、22C、前記画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21C及び前記LEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cを支持するユニット支持体としての規制ガイド24Bk、24Y、24M、24C、並びに各規制ガイド24Bk、24Y、24M、24Cの上方において、側壁Ws1側(−X方向側)から側壁Ws2(+X方向側)側にかけて互いに隣接させて、かつ、前壁Wf側(+Z方向側)から背壁Wr側(−Z方向側)に向けて延在させて配設された現像剤収容部としてのトナーカートリッジ23Bk、23Y、23M、23Cを備える。なお、画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21C及びトナーカートリッジ23Bk、23Y、23M、23Cは、装置本体に対して着脱自在に配設される。そして、Spは、装置本体に対して画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cを着脱するための、断面が矩形の形状を有する空洞の挿入部である。
また、転写ユニットu1は、画像形成ユニット21Cの下方において回転自在に配設された第1のローラとしての駆動ローラR1、画像形成ユニット21Bkの下方において回転自在に配設された第2のローラとしての従動ローラR2、前記媒体搬送路Rtと対向させて回転自在に配設された第3のローラとしてのテンションローラR3、前記駆動ローラR1、従動ローラR2及びテンションローラR3によって張設され、駆動ローラR1の回転に伴って矢印B方向に走行させられ、走行に伴って各色のトナー像が重ねて転写され、カラーのトナー像を形成する一次転写体としての転写ベルト13、並びに前記媒体搬送路Rtにおいて転写ベルト13を介してテンションローラR3と対向させて配設され、カラーのトナー像を用紙に転写する二次転写体としての転写ローラ16を備える。
そして、前記媒体搬送路Rtには、ホッピングローラ12より下流側に、ホッピングローラ12によって繰り出された用紙の斜行を矯正するレジスタローラ対17が、該レジストローラ対17より下流側で、かつ、転写ローラ16より上流側に、用紙を転写ベルト13と転写ローラ16とが当接する部分に形成される転写部に送る搬送ローラ対18が配設される。
また、媒体搬送路Rtにおける、前記転写ローラ16より下流側に、用紙に転写されたカラーのトナー像を用紙に定着させてカラー画像を形成する定着装置としての定着器14が、該定着器14より下流側に、カラー画像が形成された用紙を搬送する搬送ローラ対19が、該搬送ローラ対19より下流側に、用紙を装置本体外に排出する排出ローラ対20が配設される。
次に、前記画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21C及びLEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cについて説明する。この場合、各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cは互いに同じ構造を有し、各LEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cも互いに同じ構造を有するので、画像形成ユニット21Bk及びLEDヘッド22Bkについてだけ説明する。
図4は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニット及びLEDヘッドの概念図、図5は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの第1の斜視図、図6は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの第2の斜視図である。
図において、21Bkは画像形成ユニットであり、該画像形成ユニット21Bkは、上端が開放された第1の筐体部としてのロワフレームhs1と、該ロワフレームhs1を上方から覆う第2の筐体部としてのアッパカバーhs2とから成るハウジングhs、画像形成ユニット21Bkの後端Egr(+Z方向側の端部)においてハウジングhsを密封するリヤカバーhs3、及び画像形成ユニット21Bkの前端Egf(−Z方向側の端部)においてハウジングhsを密封するフロントカバーhs4を備える。なお、前記リヤカバーhs3に把手Hdが形成される。
そして、前記画像形成ユニット21Bkのハウジングhs内に、回転自在に配設され、表面に潜像としての静電潜像を形成するための前記感光体ドラム25、回転自在に配設され、該感光体ドラム25の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ26、前記感光体ドラム25に圧接させて回転自在に配設され、静電潜像に現像剤としてのトナー28を付着させることによってトナー像を形成し、現像を行う現像剤担持体としての現像ローラ27、該現像ローラ27に圧接させて配設され、現像ローラ27の表面のトナー28を薄層化する現像剤規制部材としての現像ブレード29、前記現像ローラ27に圧接させて回転自在に配設され、現像ローラ27にトナー28を供給する現像剤供給部材としての一対のトナー供給ローラ30a、30b、トナー像が転写ベルト13(図3)に転写された後に前記感光体ドラム25の表面に残留したトナー、すなわち、残留現像剤としての残留トナー32を掻き取ることによって除去するクリーニング部材31等を備える。
また、前記ハウジングhs内における、現像ローラ27、現像ブレード29及びトナー供給ローラ30bより上方に、現像剤収容室としてのトナー収容室33が形成され、該トナー収容室33に、前記トナーカートリッジ23Bkから供給されたトナー28が収容される。
前記アッパカバーhs2には、画像形成ユニット21Bkを装置本体に装着したときにLEDヘッド22Bkを収容するための溝部m1が、画像形成ユニット21Bkの後端Egr(+Z方向側の端部)から前端Egf(−Z方向側の端部)にかけて長手方向(Z方向)に延在させて形成され、溝部m1の底部btの前記LEDヘッド22Bkと対向する部分には、LEDヘッド22Bkに配設された図示されない複数のLED素子からの光を通過させるための開口部h1が形成される。
そして、前記溝部m1の長手方向(Z方向)における所定の箇所、本実施の形態においては、画像形成ユニット21Bkの前端Egfに、溝部m1の底部btから所定の量だけ突出するようにLEDヘッド22Bkを清掃する清掃部材40が形成される。
また、前記ロワフレームhs1における前記側壁Ws1側(−X方向側)の側面には、外方に向けて水平に突出させて第1の被係合部としての凸部101が、画像形成ユニット21Bkの後端Egrから前端Egfにかけて長手方向(Z方向)に延在させて形成され、前記凸部101の下面に、長手方向の全体にわたって被支持部としての受け面Saが形成される。
そして、前記ロワフレームhs1における反対側の側面、すなわち、前記側壁Ws2側(+X方向側)の側面には、外方に向けて水平に突出させて第2の被係合部としての凸部102が、画像形成ユニット21Bkの後端Egrから前端Egfにかけて長手方向(Z方向)に延在させて形成され、前記凸部102の下面に、長手方向の全体にわたって被支持部としての受け面Sbが形成される。なお、受け面Sa、Sbは、前記凸部101、102において、画像形成ユニット21Bkの高さ方向(+Y方向)における同じ位置(同一面上)に形成される。また、凸部101、102は、リヤカバーhs3とハウジングhsとの間、及びハウジングhsとフロントカバーhs4との間において分離させられるが、受け面Sa、Sbは連続させて形成される。
次に、前記構成のプリンタ10の動作について説明する。
媒体搬送用の駆動部としての図示されない搬送モータが駆動され、前記ホッピングローラ12(図3)が回転させられると、用紙カセット11に収容された用紙が1枚ずつ分離させられて媒体搬送路Rtに繰り出される。そして、繰り出された用紙は、前記レジストローラ対17及び搬送ローラ対18によって搬送され、転写ベルト13と転写ローラ16との間の転写部に送られる。
一方、各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cにおいて、画像形成用の駆動部としての図示されないドラムモータが駆動され、感光体ドラム25が回転させられると、それに伴って、帯電ローラ26が回転させられ、感光体ドラム25の表面が、帯電ローラ26によって一様に帯電させられ、LEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cによって露光されて、静電潜像が形成される。
そのために、LEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cは、図示されない基板、該基板に取り付けられ、前記感光体ドラム25の軸方向(Z方向)に延在させて配設され、複数のLED素子から成るLEDアレイ、該LEDアレイと感光体ドラム25との間に、感光体ドラム25の軸方向に延在させて配設された光学系としての図示されないレンズ等を備える。そして、図示されない制御部から画像データがLEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cに送られると、各LEDヘッド22Bk、22Y、22M、22Cが駆動され、各LED素子が選択的に発光させられ、発光に伴って発生した各光がレンズによって集束されて感光体ドラム25の表面に照射され、静電潜像が形成される。
また、感光体ドラム25が回転させられるのに伴って、現像ローラ27が回転させられ、トナー供給ローラ30a、30bが回転させられる。そして、前記トナーカートリッジ23Bk、23Y、23M、23Cからトナー収容室33に供給されたトナー28が、トナー供給ローラ30a、30bの回転に伴って現像ローラ27に供給され、現像ローラ27上において現像ブレード29によって薄層化される。薄層化されたトナー28は、静電気力によって感光体ドラム25の静電潜像に付着させられ、静電潜像が現像され、各感光体ドラム25上にブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成される。
また、前記転写ユニットu1において、ベルト走行用の駆動部としての図示されないベルトモータが駆動され、転写ベルト13が各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cに沿って走行させられると、前記各感光体ドラム25上の各色のトナー像が順次転写ベルト13に重ねて転写され、カラーのトナー像が形成され、該カラーのトナー像が前記転写部において用紙に転写される。
続いて、該用紙は定着器14に送られ、該定着器4において、カラーのトナー像が加熱され、加圧されて用紙に押し付けられて定着させられる。このようにしてカラー画像が形成され、印刷が行われた用紙は、搬送ローラ対19によって搬送され、排出ローラ対20によって装置本体外に排出され、スタッカSkに積載される。
ところで、前述されたように、前記画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cは、装置本体に対して着脱自在に配設されるようになっている。
そのために、装置本体における各トナーカートリッジ23Bk、23Y、23M、23Cの下方に前記挿入部Sp(図2)が形成される。前記外装カバー15を開き、画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cを、図2における手前側(+Z方向及び抜出方向)に移動させることによって挿入部Spから抜き出したり、奥側(−Z方向及び挿入方向)に移動させることによって挿入部Spに挿入したりして、挿入部Spに対して挿脱することができる。
この場合、各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cを挿入部Spに対して円滑に挿脱することができるように、挿入部Sp内に前記規制ガイド24Bk、24Y、24M、24Cが配設され、各規制ガイド24Bk、24Y、24M、24Cは、それぞれ、各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cを挿脱自在に支持し、各画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cが、該画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cの挿脱方向に対してほぼ直交する幅方向(X方向)に移動するのを規制することによって、挿脱軌跡を規制する。したがって、画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cを規制ガイド24Bk、24Y、24M、24Cに対して挿脱することによって、画像形成ユニット21Bk、21Y、21M、21Cを挿入部Spに対して挿脱方向(−Z方向及び+Z方向)に挿脱することができる。
次に、前記規制ガイド24Bk、24Y、24M、24Cについて説明する。この場合、規制ガイド24Bk、24Y、24M、24Cは同じ構造を有するので、規制ガイド24Bkについてだけ説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における規制ガイド及びLEDヘッドの配設状態を示す斜視図、図7は本発明の第1の実施の形態における規制ガイドの側面図、図8は本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドを非露光位置に置いた状態を示す図、図9は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の画像形成ユニットと規制ガイドとの関係を示す図である。
図において、24Bkは前記挿入部Sp(図2)内において、プリンタ10の前壁Wf側から背壁Wr側にかけて画像形成ユニット21Bkの長手方向(Z方向)に延在させて形成された規制ガイドであり、該規制ガイド24Bkの前端(−Z方向側の端部)が、挿入部Spにおけるプリンタ10の背壁Wr側に配設された支持壁105に取り付けることによって装置本体に対して固定される。
また、前記規制ガイド24Bkは、外装カバー15を開閉するのに伴って、リンク機構から成る図示されない昇降機構を作動させることによってプリンタ10の高さ方向(Y方向)に移動させられ、外装カバー15が閉じられた状態で、第1の位置である画像形成ユニット作動位置に置かれ、外装カバー15が開かれた状態で、第2の位置である画像形成ユニット退避位置に置かれる。そして、画像形成ユニット作動位置において、規制ガイド24Bkによって支持される画像形成ユニット21Bkが転写位置に置かれ、感光体ドラム25が転写ベルト13と接触させられ、画像形成ユニット退避位置において、前記画像形成ユニット21Bkが非転写位置に置かれ、感光体ドラム25が転写ベルト13から十分に離される。
また、前記支持壁105より後方(−Z方向)には、画像形成ユニット21Bkを動作させるための駆動ユニット106が配設される。該駆動ユニット106は、ドラムモータMd、該ドラムモータMdの回転を感光体ドラム25に伝達するためのギヤGt等を備え、画像形成ユニット21Bkが挿入部Spに挿入され、装置本体に装着されると、前記ギヤGtの伝達軸Shと前記感光体ドラム25の軸とが所定の付勢力で付勢された状態で連結される。
前記規制ガイド24Bkは、金属製の板材を折り曲げ加工することによって形成され、矩形の形状を有する平面状の天板42、該天板42の両縁から下方に向けて垂下させて、かつ、長手方向(Z方向)に延在させて形成された側板43、44、該各側板43、44の下端において、内側に向けて(互いに対向する側に)突出させて、かつ、長手方向(前記挿入部Spに対する画像形成ユニット21Bkの挿脱方向)に帯状に延在させて形成された第1、第2の係合部としての支持突片107、108等を備える。
そして、前記規制ガイド24Bkの幅方向における所定の位置に、前記天板42の裏面から垂下させて前記LEDヘッド22Bkが取り付けられる。該LEDヘッド22Bkは、前記昇降機構の動作に連動して、前記規制ガイド24Bkに対して、プリンタ10の高さ方向(Y方向)に移動させられ、第1の位置である図4に示される露光位置、及び第2の位置である図8に示される非露光位置に置かれる。そして、LEDヘッド22Bkは、露光位置に置かれると、画像形成ユニット21Bkに近接させられ、感光体ドラム25の表面を露光し、非露光位置に置かれると、画像形成ユニット21Bkから離され、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkに対する挿脱を許容する。
前記支持突片107は、規制ガイド24Bkの、画像形成ユニット21Bkの抜出方向(+Z方向)における下流側端である後端(+Z方向側の端部)に形成された下支持部p1、該下支持部p1に隣接させて斜め上方に向けて傾斜させて形成された傾斜支持部p2、及び該傾斜支持部p2に隣接させて、前記規制ガイド24Bkの、画像形成ユニットの抜出方向(+Z方向)における上流側の端部である前端(−Z方向側の端部)まで水平に延在させて形成された上支持部p3を備え、該上支持部p3の上面に支持面Scが形成される。また、前記支持突片108は、規制ガイド24Bkの、画像形成ユニット21Bkの抜出方向(+Z方向)における下流側の端部である後端に形成された下支持部p11、該下支持部p11に隣接させて斜め上方に向けて傾斜させて形成された傾斜支持部p12、及び該傾斜支持部p12に隣接させて、前記規制ガイド24Bkの、画像形成ユニットの抜出方向(+Z方向)における上流側の端部である前端まで水平に延在させて形成された上支持部p13を備え、該上支持部p13の上面に支持面Sdが形成される。なお、前記支持突片107、108は、規制ガイド24Bkの高さ方向(+Y方向)において互いに同じ位置に、かつ、前記LEDヘッド22Bkの下端より所定の距離だけ下方に支持面Sc、Sdが位置するように形成される。
前記規制ガイド24Bkにおける側板43、44間の距離は、画像形成ユニット21Bkの幅、すなわち、凸部101の先端と凸部102の先端との間の距離よりわずかに大きくされる。
したがって、画像形成ユニット21Bkの凸部101、102と、前記規制ガイド24Bkの支持突片107、108とをそれぞれ係合させることによって、本実施の形態においては、凸部101、102を支持突片107、108上に位置させて、受け面Saと支持面Scとを対向させ、受け面Sbと支持面Sdとを対向させることによって、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して位置決めし、かつ、挿脱することことができる。
なお、画像形成ユニット21Bkが規制ガイド24Bkに対して挿脱される間、凸部101、102の先端が規制ガイド24Bkの側板43、44の内側面と摺動させられるので、規制ガイド24Bkは、画像形成ユニット21Bkが幅方向(X方向)に移動するのを規制する。
また、前記側板43、44の内側面における前記下支持部p1、p11(画像形成ユニット21Bkの抜出方向(+Z方向)における下流側の端部)に、樹脂製のストッパ部材111、112が固定部材としての図示されないねじによって取り付けられ、ストッパ部材111、112は、画像形成ユニット21Bkが規制ガイド24Bkから抜けるのを防止する。なお、ストッパ部材111、112が、それぞれ下支持部p1、p11の縁部より内側に突出することがないように、規制ガイド24Bkの幅方向(X方向)における支持面Sc、Sdの幅と、ストッパ部材111、112の厚さとが等しくされる。
前記ストッパ部材111、112は、それぞれ、矩形の形状を有する本体部115、及び該本体部115から前方(−Z方向)に向けて突出させて形成された突起116を備え、前記本体部115の上面115aは突起116の上面116aより上方に置かれる。
そして、突起116の上面116aと、支持突片107、108の各支持面Sc、Sdとが規制ガイド24Bkの高さ方向(Y方向)において同一平面上に置かれ、本体部115の上面115aの前端(−Z方向側の端部)eg2と、突起116の上面116a及び支持面Sc、Sdとの間に、規制ガイド24Bkの高さ方向(Y方向)の段差部εが形成される。
なお、突起116の上面116a及び支持面Sc、Sdによって第1の支持部が、本体部115の上面115aによって第2の支持部が構成される。
ところで、前記LEDヘッド22Bkは、前述されたように、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入したときに前記溝部m1に収まるように配設される。また、LEDヘッド22Bkは、長手方向において規制ガイド24Bkより短く、前端(−Z方向側の端部)Eg1が規制ガイド24Bkの前端より後方に、後端(+Z方向側の端部)Eg2が規制ガイド24Bkの後端より前方に置かれる。
そして、LEDヘッド22Bkの下端には前記レンズが配設され、該レンズのレンズ面121は、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際に、前記溝部m1に配設された清掃部材40と摺動させられる。
次に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入するときの画像形成ユニット21Bkの動作について説明する。
画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する場合、まず、画像形成ユニット21Bkの前記凸部101、102の受け面Sa、Sbがストッパ部材111、112の上面115aの前端(−Z方向側の端部)eg2に当接させられる。
そして、画像形成ユニット21Bkを前進(−Z方向に移動)させると、前記受け面Sa、Sbの前端(−Z方向側の端部)eg1が支持面Sc、Sdの所定の部分と当接させられ、受け面Sa、Sbの所定の部分が前記上面115aの前端eg2と当接させられる。なお、受け面Sa、Sbの前端eg1によって第1の被支持当接部が、支持面Sc、Sdの前記前端eg1と当接させられる部分によって第1の支持当接部が、受け面Sa、Sbの前記上面115aの前端eg2と当接させられる部分によって第2の被支持当接部が、ストッパ部材111、112の上面115aの前端eg2によって第2の支持当接部が構成される。
続いて、前記受け面Sa、Sbの後端がストッパ部材111、112の上面115aを通過すると、受け面Sa、Sbの、画像形成ユニット21Bkの挿入方向における上流側の端部である後端は段差部εの分だけ下方(−Y方向)に移動し、受け面Sa、Sbの全体が支持面Sc、Sdと当接させられ、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkへの挿入が終了する。
このとき、ギヤGtの伝達軸Shと前記感光体ドラム25の軸との間に加わる付勢力が+Z方向に向かって画像形成ユニット21Bkに加わり、前記付勢力によって凸部101、102の後端面(+Z方向側の端面)と段差部εの端面とが当接させられるので、規制ガイド24Bkは画像形成ユニット21Bkが長手方向(Z方向)に移動するのを規制する。
これに対して、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す場合は、画像形成ユニット21Bkは、受け面Sa、Sbを、それぞれ規制ガイド24Bkの支持面Sc、Sd及びストッパ部材111、112の上面115aと当接させた状態で後退(抜出方向である+Z方向に移動)させられる。
ところで、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して挿脱する際の、受け面Sa、Sbの前端eg1とストッパ部材111、112の上面115aの前端eg2との間の距離を挿入量Lとしたとき、ストッパ部材111、112の上面115aは支持面Sc、Sdより段差部ε分だけ高いので、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して挿脱する際に、画像形成ユニット21Bkは規制ガイド24Bkに対して傾斜させられた状態で前進又は後退させられ、水平面に対する傾きθは、
θ=tan-1 (ε/ L)
になる。
該傾きθは、挿入量Lに応じて異なり、挿入量Lが小さいほど大きくなり、挿入量Lが大きいほど小さくなる。したがって、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する場合、挿入を開始してから終了するまでの間、傾きθは徐々に小さくなるのに対して、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す場合、抜出しを開始してから終了するまでの間、傾きθは徐々に大きくなる。
次に、前記清掃部材40について説明する。
図10は本発明の第1の実施の形態における清掃部材の配設状態を示す斜視図、図11は図10のA−A断面図である。
図に示されるように、清掃部材40は、画像形成ユニット21Bkの前端Egf(及びeg1)より距離dだけ後方(抜出方向における下流側)の位置に配設される。なお、本実施の形態において、前記距離dは、画像形成ユニット21Bkが装置本体に装着された状態において、清掃部材40がLEDヘッド22Bk(図1)の前端Eg1より前方(抜出方向における上流側)の位置に置かれるように設定されるが、距離dが長いほど、画像形成ユニット21Bkの傾きθに対して、画像形成ユニット21Bkの高さ方向における清掃部材40の位置の変化量が大きくなる。
また、前記清掃部材40は、溝部m1の底部btからLEDヘッド22Bkのレンズ面121に向けて突出するように配設され、長方形の形状を有する板状の弾性体131、及び画像形成ユニット21Bkの長手方向における弾性体131より前端側及び後端側に隣接させて、かつ、溝部m1の底部btから突出させて底部btと一体に形成され、前記弾性体131の下方部分を保持する一対の保持部151、152から成る。前記弾性体131は、1〔mm〕以上、かつ、3〔mm〕以下の厚さ、本実施の形態においては、2〔mm〕の厚さを有するウレタンゴムのスポンジ材から成り、画像形成ユニット21Bkの長手方向における弾性体131の前面(抜出方向における上流側)の上端に第1のエッジeg11が、弾性体131の背面(抜出方向における下流側)の上端に第2のエッジeg12が形成される。そして、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出すと、前記弾性体131がレンズ面121と接触させられ、画像形成ユニット21Bkの長手方向における前方に撓み、第2のエッジeg12がレンズ面121と当接させられ、レンズ面121が擦られる。
したがって、例えば、印刷動作中に、レンズ面121にトナー28(図4)が付着し、用紙上の画像に縦筋等が発生した場合に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出すだけで、レンズ面121に付着したトナー28を掻き取り、LEDヘッド22Bkを清掃することができる。
また、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入すると、前記弾性体131は、レンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における後方(挿入方向の上流側)に向けて撓み、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際にレンズ面121と当接した第2のエッジeg12ではない第1のエッジeg11がレンズ面121と当接し、レンズ面121を擦る。この場合、レンズ面121に付着したトナー28は、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際に既に掻き取られているので、第1のエッジeg11が汚れるのを抑制することができる。また、第1のエッジeg11によってレンズ面121が汚されることはない。
なお、前記弾性体131の先端の底部btからの高さは、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して挿脱する際に、弾性体131がレンズ面121と接触して撓むように設定される。そのために、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkへの挿入が終了し、画像形成ユニット21Bkが装置本体に装着された状態で、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの前端Eg1より前方の位置に置かれ、弾性体131はレンズ面121と接触することなく、撓まないが、このとき、本実施の形態においては、弾性体131の先端がLEDヘッド22Bkのレンズ面121より所定の量、本実施の形態においては、1〔mm〕高くなるように、弾性体131の先端の底部btからの高さが設定される。
次に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して挿脱する際の清掃部材40の状態について説明する。
まず、印刷動作が終了した状態で、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出すときの清掃部材40の状態について説明する。
図12は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドから抜き出すときの清掃部材の状態を説明するための第1の図、図13は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドから抜き出すときの清掃部材の状態を説明するための第2の図、図14は本発明の第1の実施の形態におけるLEDヘッドを清掃している状態を示す図、図15は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドから抜き出すときの清掃部材の状態を説明するための第3の図である。なお、各図12、13及び15において、(a)は画像形成ユニット21BkとLEDヘッド22Bkとの関係を示す図、(b)は清掃部材40の拡大図である。
印刷動作中であり、画像形成ユニット21Bkが装置本体に装着された状態において、図12に示されるように、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの前端Eg1より前方の位置に置かれるので、弾性体131はレンズ面121と接触せず、撓んでいない。
このとき、画像形成ユニット21Bkの受け面Sa、Sb(図4)は、それぞれストッパ部材111、112の各突起116の上面116a、及び支持突片107、108(図1)の支持面Sc、Sdと当接させられる。
続いて、印刷動作が終了した状態で、操作者が、把手Hd(図5)を把持し、画像形成ユニット21Bkの後端Egrを持ち上げて手前側(+Z方向)に引くと、図13に示されるように、前記受け面Sa、Sb(図4)が段差部εに乗り上げる。このようにして、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkからの抜出しが開始されると、受け面Sa、Sbの前端eg1が支持突片107、108の支持面Sc、Sdに当接させられ、ストッパ部材111、112の各上面115aの前端eg2が受け面Sa、Sbに当接させられて、画像形成ユニット21Bkが後退させられる。
このとき、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの前端Eg1より後方で、かつ、受け面Sa、Sbの前端eg1より後方の位置(+Z方向(画像形成ユニット21Bkの抜出方向)における前端eg1より下流側の位置)に置かれ、弾性体131がレンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における前方に撓み、第2のエッジeg12がレンズ面121に当接させられ、レンズ面121を擦る。その結果、図14に示されるように、弾性体131によって、レンズ面121に付着したトナー28が掻き取られ、LEDヘッド22Bkが清掃される。なお、掻き取られたトナー28は、弾性体131の第2のエッジeg12の近傍に付着したまま清掃部材40と共に移動させられる。
この間、画像形成ユニット21Bkの挿入量Lは小さくなり、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkから抜き出される量、すなわち、抜出量は大きくなり、それに伴って、画像形成ユニット21Bkの傾きθが大きくなる。
この場合、画像形成ユニット21Bkは受け面Sa、Sbの前端eg1を中心として回動させられるので、画像形成ユニット21Bkの傾きθが大きいほど、弾性体131の変形量である撓み量が大きくなり、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が大きくなる。
そして、図15に示されるように、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkからの抜出しがほぼ終了し、清掃部材40がLEDヘッド22Bkの後端Eg2の近傍に到達すると、画像形成ユニット21Bkの挿入量Lは更に小さくなり、これに伴って、画像形成ユニット21Bkの抜出量が更に大きくなり、画像形成ユニット21Bkの傾きθが更に大きくなる。また、弾性体131の撓み量が更に大きくなり、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が更に大きくなる。
次に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する際の清掃部材40の状態について説明する。
図16は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の清掃部材の状態を説明するための第1の図、図17は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の清掃部材の状態を説明するための第2の図、図18は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の清掃部材の状態を説明するための第3の図である。なお、各図において、(a)は画像形成ユニット21BkとLEDヘッド22Bkとの関係を示す図、(b)は清掃部材40の拡大図である。
図16に示されるように、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkへの挿入が開始されると、受け面Sa、Sb(図4)の前端eg1が支持突片107、108(図1)の支持面Sc、Sdに当接させられ、ストッパ部材111、112の各上面115aの前端eg2に受け面Sa、Sbが当接させられ、画像形成ユニット21Bkが前進させられる。
このとき、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの後端Eg2より前方の位置に置かれる。
そして、画像形成ユニット21Bkの前進に伴って弾性体131がレンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における後方に撓み、第1のエッジeg11がレンズ面121と当接し、レンズ面121を擦る。
この間、画像形成ユニット21Bkの挿入量Lが大きくなり、抜出量が小さくなり、それに伴って、画像形成ユニット21Bkの傾きθが小さくなる。そして、図17に示されるように、弾性体131の撓み量が小さくなる。
続いて、画像形成ユニット21Bkが更に前進させられ、図18に示されるように、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkへの挿入がほぼ終了すると、清掃部材40はLEDヘッド22Bkの前端Eg1より前方の位置に置かれ、弾性体131はレンズ面121と接触しなくなり、撓まなくなる。
なお、前述されたように、LEDヘッド22Bkは、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際に第2のエッジeg12によって清掃されているので、第1のエッジeg11によって清掃されない。
すなわち、弾性体131は、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際、レンズ面121と接触して画像形成ユニット21Bkの長手方向における前方に撓み、第2のエッジeg12がレンズ面121と当接し、レンズ面121を擦るのに対して、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する際は、レンズ面121と接触して画像形成ユニット21Bkの長手方向における後方に撓み、第1のエッジeg11がレンズ面121と当接し、レンズ面121を擦る。したがって、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際に第2のエッジeg12によって掻き取られ、第2のエッジeg12の近傍に付着したトナー28がレンズ面121に接触することはないので、レンズ面121にトナー28が再び付着することはない。
次に、前記清掃部材40の動作について説明する。
例えば、印刷動作中にLEDヘッド22Bkのレンズ面121にトナー28が付着し、用紙上の画像に縦筋等が発生した場合において、操作者が印刷動作を停止させて外装カバー15(図2)を開くと、前記昇降機構が作動させられ、規制ガイド24Bkが画像形成ユニット退避位置に置かれ、規制ガイド24Bkによって支持される画像形成ユニット21Bkが転写ベルト13から十分に離される。
また、前記昇降機構の動作に連動して、LEDヘッド22Bkが前記非露光位置に置かれ、画像形成ユニット21Bkから離され、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkに対する挿脱が許容される。
そして、操作者が、把手Hd(図5)を把持して画像形成ユニット21Bkを上方(+Y方向)に移動させると、凸部101、102(図4)の後端面が段差部εより上方に移動させられ、規制ガイド24Bkによる画像形成ユニット21Bkの規制が解除される。
続いて、操作者が画像形成ユニット21Bkを手前側に引くと、受け面Sa、Sbの前端eg1が支持面Sc、Sdに当接させられ、ストッパ部材111、112の上面115aの前端eg2が受け面Sa、Sbに当接させられて、画像形成ユニット21Bkが後退させられる。
そして、清掃部材40の弾性体131は、レンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における前方に撓み、第2のエッジeg12がレンズ面121と当接し、レンズ面121を擦る。その結果、レンズ面121に付着したトナー28が掻き取られ、LEDヘッド22Bkが清掃される。
ところで、前述されたように、本実施の形態においては、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して挿脱する際に、画像形成ユニット21Bkの水平面に対する傾きθに応じて画像形成ユニット21Bkが傾斜させられ、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が変化するようになっている。そこで、画像形成ユニット21Bkの水平面に対する傾きθと、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力との関係について説明する。
図19は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの傾きと押圧力との関係を説明するための図、図20は本発明の第1の実施の形態における画像形成ユニットの傾きと押圧力係数との関係を示す図である。なお、図20において、横軸に画像形成ユニット21Bkの傾きθを、縦軸に押圧力係数ρを採ってある。
図19において、hs2はアッパカバー、m1は溝部、btは該溝部m1の底部、131は弾性体、Cn1は画像形成ユニット21Bkが受け面Sa、Sbの前端eg1(図9)を中心として回動させられるのに伴って、溝部m1の底部btが回動させられる点、すなわち、回動中心点、W1は該回動中心点Cn1から弾性体131が取り付けられている点、すなわち、弾性体131の下端qまでの距離である。
画像形成ユニット21Bkが水平面に対して傾きθだけ傾斜させられると、溝部m1の底部btが回動中心点Cn1を中心にして回動させられ、水平面に対して傾きθだけ傾斜させられる。そして、画像形成ユニット21Bkが水平に置かれているときと比べて弾性体131の下端qは移動量Lq
Lq=W1・sinθ
だけ上方(+Y方向)に移動させられ、弾性体131も回動中心点Cn1を中心にして回動させられ、傾きθだけ傾斜させられるので、弾性体131の先端rは移動量Lr
Lr=W1・sinθ・cosθ
だけ上方に移動させられ、該移動量Lrに比例する押圧力が発生させられる。
そこで、値sinθ・cosθを押圧力係数ρとしたとき、図20に示されるように、傾きθが、
0〔°〕≦θ≦45〔°〕
の範囲において、傾きθが大きいほど押圧力係数ρが大きくなり、押圧力が大きくなるとともに、傾きθが、
45〔°〕<θ
の範囲において、傾きθが大きいほど押圧力係数ρが小さくなり、押圧力が小さくなる。また、押圧力係数ρの変化率Δρは、傾きθが、
0〔°〕≦θ≦25〔°〕
の範囲で大きく、
25〔°〕<θ≦45〔°〕
の範囲で小さい。
そこで、本実施の形態においては、傾きθが、
0〔°〕≦θ≦45〔°〕
の範囲、好ましくは、
0〔°〕≦θ≦25〔°〕
の範囲にされる。
このように、本実施の形態においては、印刷動作中にLEDヘッド22Bkのレンズ面121にトナー28が付着して用紙上の画像に縦筋等が発生しても、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際に、清掃部材40によってLEDヘッド22Bkが清掃されるので、LED素子の発光に伴う各光をレンズによって良好に集束し、感光体ドラム25の表面に確実に照射し、静電潜像を精度よく形成することできる。その結果、画像品位が低下するのを防止することができる。
しかも、画像形成ユニット21Bkの抜出量が大きくなるのに伴って、画像形成ユニット21Bkの傾きθが大きくなり、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が大きくなるので、第2のエッジeg12によって掻き取られたトナー28が第2のエッジeg12とレンズ面121との間をすり抜けるのを防止することができる。その結果、LEDヘッド22Bkを確実に清掃することができる。
さらに、掻き取られ、第2のエッジeg12の近傍に付着したトナー28の量が多くなるまで押圧力は大きくならないので、レンズ面121を擦ることによって第2のエッジeg12が摩耗するのを抑制することができる。したがって、清掃部材40の耐久性を高くすることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
図21は本発明の第2の実施の形態における清掃部材の配設状態を示す斜視図、図22は図21のB−B断面図である。
図に示されるように、清掃部材40は、画像形成ユニット21Bkの前端Egfより距離dだけ後方に配設される。
前記清掃部材40は、溝部m1の底部btから露光装置としてのLEDヘッド22Bkのレンズ面121(図7)に向けて突出するように配設され、下端が溝部m1の底部btに形成された穴h2に埋め込まれて固定された、長方形の形状を有する板状の弾性体131、及び画像形成ユニット21Bkの長手方向における弾性体131より前端側に隣接させて、かつ、溝部m1の底部btから突出させて底部btと一体に形成され、前記弾性体131の下方部分を保持する保持部151から成る。前記弾性体131は、1〔mm〕以上、かつ、3〔mm〕以下の厚さ、本実施の形態においては、2〔mm〕の厚さを有するウレタンゴムのスポンジ材から成り、画像形成ユニット21Bkの長手方向における弾性体131の前面の上端に第1のエッジeg11が、弾性体131の背面の上端に第2のエッジeg12が形成される。そして、画像形成ユニット21Bkをユニット支持体としての規制ガイド24Bkから抜き出すと、前記弾性体131がレンズ面121と接触させられ、画像形成ユニット21Bkの長手方向における前方に撓み、第2のエッジeg12がレンズ面121と当接させられ、レンズ面121が擦られる。
したがって、例えば、印刷動作中に、レンズ面121に現像剤としてのトナー28(図4)が付着し、媒体としての用紙上の画像に縦筋等が発生した場合に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出すだけで、レンズ面121に付着したトナー28を掻き取り、LEDヘッド22Bkを清掃することができる。
また、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入すると、前記弾性体131は、レンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における後方に向けて撓み、第1のエッジeg11がレンズ面121と当接し、レンズ面121を擦る。この場合、レンズ面121に付着したトナー28は、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際に既に掻き取られているので、第1のエッジeg11が汚れるのを抑制することができる。また、第1のエッジeg11によってレンズ面121が汚されることはない。
そして、弾性体131の前面側に保持部151が配設され、該保持部151によって弾性体131が保持されるので、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す場合、前記弾性体131は、第1の実施の形態と同じ撓み量で撓み、同じ押圧力でレンズ面121を押圧する。これに対して、弾性体131の背面側には保持部が配設されないので、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する場合、弾性体131は、第1の実施の形態より大きい撓み量で撓み、小さい押圧力でレンズ面121を押圧する。
したがって、操作者は、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに円滑に挿入することができ、画像形成ユニット21Bkを精度よく装置本体に装着することができる。また、弾性体131がレンズ面121を擦ることによって第2のエッジeg12が摩耗するのを抑制することができるので、清掃部材40の耐久性を一層高くすることができる。
次に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに対して挿脱する際の清掃部材40の状態について説明する。
まず、印刷動作が終了した状態で、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkから抜き出す際の清掃部材40の状態について説明する。
図23は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドから抜き出す際の清掃部材の状態を説明するための第1の図、図24は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドから抜き出す際の清掃部材の状態を説明するための第2の図、図25は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドから抜き出す際の清掃部材の状態を説明するための第3の図である。なお、各図において、(a)は画像形成ユニット21BkとLEDヘッド22Bkとの関係を示す図、(b)は清掃部材40の拡大図である。
印刷動作中であり、画像形成ユニット21Bkが装置本体に装着された状態において、図23に示されるように、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの前端Eg1より前方の位置に置かれるので、弾性体131はレンズ面121と接触せず、撓んでいない。
このとき、画像形成ユニット21Bkの被支持部としての受け面Sa、Sb(図4)は、それぞれストッパ部材111、112(図1)の各突起116の上面116a、及び支持突片107、108の支持面Sc、Sdと当接させられる。
続いて、印刷動作が終了した状態で、図24に示されるように、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkからの抜出しが開始されると、受け面Sa、Sbの前端eg1が支持面Sc、Sdに当接させられ、ストッパ部材111、112の上面115aの前端eg2が受け面Sa、Sbに当接させられて、画像形成ユニット21Bkが後退させられる。
このとき、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの前端Eg1より後方で、かつ、受け面Sa、Sbの前端eg1より後方の位置に置かれ、弾性体131がレンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における前方に撓み、第2のエッジeg12がレンズ面121に当接させられ、レンズ面121を擦る。その結果、弾性体131によって、レンズ面121に付着したトナー28が掻き取られ、LEDヘッド22Bkが清掃される。
この間、画像形成ユニット21Bkの挿入量Lは小さくなり、抜出量は大きくなり、それに伴って画像形成ユニット21Bkの傾きθが大きくなり、弾性体131の撓み量が大きくなり、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が大きくなる。
そして、図25に示されるように、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkからの抜出しがほぼ終了し、清掃部材40がLEDヘッド22Bkの後端Eg2の近傍に到達すると、画像形成ユニット21Bkの挿入量Lは更に小さくなり、これに伴って、画像形成ユニット21Bkの抜出量が更に大きくなり、画像形成ユニット21Bkの傾きθが更に大きくなる。また、弾性体131の撓み量が更に大きくなり、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が更に大きくなる。
次に、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する際の清掃部材40の状態について説明する。
図26は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の清掃部材の状態を説明するための第1の図、図27は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の清掃部材の状態を説明するための第2の図、図28は本発明の第2の実施の形態における画像形成ユニットを規制ガイドに挿入する際の清掃部材の状態を説明するための第3の図である。なお、各図において、(a)は画像形成ユニット21BkとLEDヘッド22Bkとの関係を示す図、(b)は清掃部材40の拡大図である。
画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkへの挿入が開始されると、受け面Sa、Sbの前端eg1が支持突片107、108の支持面Sc、Sdに当接させられ、ストッパ部材111、112の上面115aの前端eg2に受け面Sa、Sbが当接させられて、画像形成ユニット21Bkが前進させられる。
そして、図26に示されるように、清掃部材40は、LEDヘッド22Bkの後端Eg2より前方の位置に置かれ、画像形成ユニット21Bkの前進に伴って弾性体131がレンズ面121と接触し、画像形成ユニット21Bkの長手方向における後方に撓み、第1のエッジeg11によってレンズ面121を擦る。
この間、画像形成ユニット21Bkの挿入量Lが大きくなり、抜出量Lが小さくなり、それに伴って、画像形成ユニット21Bkの傾きθが小さくなる。そして、図27に示されるように、弾性体131の撓み量が小さくなる。
続いて、画像形成ユニット21Bkが更に前進させられ、図28に示されるように、画像形成ユニット21Bkの規制ガイド24Bkへの挿入がほぼ終了すると、清掃部材40はLEDヘッド22Bkの前端Eg1より前方の位置に置かれ、弾性体131はレンズ面121と接触しなくなり、撓まなくなる。
なお、前述されたように、弾性体131の背面側には保持部が配設されないので、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する場合、弾性体131の自由長が長くなり、第1の実施の形態より大きい撓み量で撓む。
このように、本実施の形態においては、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに挿入する場合、弾性体131の自由長が長くなり、第1の実施の形態より大きい撓み量で撓むので、弾性体131がレンズ面121を押圧する押圧力が大きくならない。
したがって、操作者は、画像形成ユニット21Bkを規制ガイド24Bkに円滑に挿入することができ、画像形成ユニット21Bkを精度よく装置本体に装着することができる。また、弾性体131がレンズ面121を擦ることによって、第2のエッジeg12が摩耗するのを抑制することができるので、清掃部材40の耐久性を一層高くすることができる。
前記第各実施の形態においては、プリンタ10について説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。