JP5906958B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ヘッドによりインク等の記録液を中間転写体に付与して画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来より、ピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式、サーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式等により、ノズルからインク等の記録液を吐出するヘッドを備えたインクジェットプリンタ等のインクジェット記録方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。
このような画像形成装置において、ヘッドから記録紙等の被記録材に記録液を直接吐出する構成では、ヘッドと被記録材とが近接するため、被記録材に付着している紙粉、埃等がノズルに付着しやすい。紙粉等がノズルに付着すると、ノズルから吐出される液滴の飛翔方向が乱れたり、ノズルが閉塞したりして、画像品質や信頼性が低下する。
このような不具合を回避するための方策としては、ノズルからの吐出安定性を優先し、粘度が小さい、多量の水分を含んだ記録液を使用するのが一般的である。
しかし、このような記録液は、記録液が被記録材に着弾する際に滲みが発生しやすいという不具合を生ずる。
しかし、このような記録液は、記録液が被記録材に着弾する際に滲みが発生しやすいという不具合を生ずる。
そこで、被記録材に付着している紙粉、埃等がノズルに付着することを抑制する技術として、ヘッドから吐出された記録液を担持する中間転写体を備え、中間転写体に画像を形成した後、被記録材に転写する画像形成装置が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕、〔特許文献2〕参照)。
このような画像形成装置における滲み対策として、中間転写体に処理液を塗布する技術が提案されている(たとえば、〔特許文献1〕参照)。しかし、この技術には、サプライによる高コスト化、装置の複雑化、大型化という問題がある他、処理液の反応に時間を要するため高速化が難しいという問題、転写性が低いという問題がある。
滲み対策のための他の技術として、アスペクト比が1×104以上であってアスペクト比の大きなカーボンナノチューブが分散された弾性層を有する中間転写体を用い、ヘッドから吐出された記録液がヘッドと中間転写体との間をブリッジした状態でヘッドと中間転写体との間に電圧を印加する技術が提案されている(たとえば、〔特許文献2〕参照)。
この技術では、電圧の印加によって記録液が電気分解されることで滲み対策がなされている。よって、この技術は、滲み対策の処理液が不要であり、処理液を用いることに伴う問題に対する対策としても有効である。
なお、カーボンナノチューブを含有させた層を形成するための技術は知られている(たとえば、〔特許文献3〕参照)。
なお、カーボンナノチューブを含有させた層を形成するための技術は知られている(たとえば、〔特許文献3〕参照)。
しかし、カーボンナノチューブのアスペクト比は、1×104未満であることが多い。また、アスペクト比を小さくすると、カーボンナノチューブを含有させる弾性層の基材の選択肢が広くなり、転写性の向上に適した材料を基材として選択することが可能となるという事情もある。
ただし、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブにおいては、カーボンナノチューブの含有量が1wt%未満であると、弾性層の抵抗率を、記録液のドットの大きさの領域において均一にすることが困難になることが、発明者の鋭意研究によって明らかとなった。
本発明は、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブを含有するとともに記録液のドット領域での抵抗率の均一化が図られた弾性体を表面に備えた中間転写体を有し、ヘッドによりインク等の記録液をかかる中間転写体に付与して、処理液を用いることなく滲みを抑制した画像形成を行うインクジェット方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、表面に導電性の弾性層を備えた中間転写体と、前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液が電気分解するように前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、導電性記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写する転写手段とを有し、前記弾性層は、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブを、1.5wt%以上7.0wt%以下の含有量で含んでいる画像形成装置にある。
本発明は、導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、表面に導電性の弾性層を備えた中間転写体と、前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液が電気分解するように前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、導電性記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写する転写手段とを有し、前記弾性層は、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブを、1.5wt%以上7.0wt%以下の含有量で含んでいる画像形成装置にあるので、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブを含有するとともに導電性記録液のドット領域での抵抗率の均一化が図られた弾性体を表面に備えた中間転写体を有し、ヘッドにより導電性記録液をかかる中間転写体に付与して、処理液を用いることなく滲みを抑制した画像形成を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
図1に本発明を適用した画像形成装置の一例の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことが可能である。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である被記録材たる用紙としての記録体である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての導電性インクたる導電性記録液である記録液を吐出する記録液吐出体としてのインクヘッドである記録ヘッドとしてのヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写ドラムである中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。なお、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与され、その表面上に画像が形成されるようになっている。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する記録液の吐出すなわち付与は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるよう、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。このような制御は、後述する制御部によって行われる。
図1に示すように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKと、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送ユニット10と、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ユニット20と、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙トレイとしての排紙台25とを有している。
画像形成装置100はまた、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液による液柱がヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を一時的にブリッジした状態で、中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電位差が形成されるように、かかる液柱の状態の記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行いかかる状態の記録液に後述のように含まれている色剤の凝集を促進する電圧印加手段としての通電手段33を有している。
画像形成装置100はまた、図1に示すように、記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上に残留している記録液等を除去してクリーニングするためのクリーニング手段としての清掃手段34と、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50と、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての図示しない制御部とを有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37との間の領域である転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による画像をその転写紙Sに転写する転写手段64と、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内する案内板としてのガイド板39と、中間転写体37をA1方向に回転駆動する図示しない駆動手段としてのモータ等とを有している。このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
転写手段64は、中間転写体37に従動回転する転写ローラ38を備えている。なお、転写ローラ38は転写紙Sに転写される画像を転写紙Sに定着させるためのヒータを内蔵していても良い。また、搬送ユニット10は、転写ローラ38によって中間転写体37から転写紙Sに転写された画像を転写紙Sに定着させるための定着手段としての定着ローラを備えていてもよい。
図2に示すように、中間転写体37は、導電性基体であるアルミニウム製の支持体37aと、支持体37a上に形成された表面層37bとを有している。表面層37bは中間転写体37の表面に備えられた弾性層となっている。
支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、機械的強度があれば、たとえばアルミ合金、銅、ステンレス等の金属によって形成しても良い。支持体37aは絶縁性の絶縁性基体であってもよい。
表面層37bは、表面層37bを弾性層として機能させる基材として、シリコーンゴムが用いられている。基材は、シリコーンゴムに限られるものではなく、記録液の剥離性が高いという利点のためには表面エネルギーが低く転写紙Sへの追随性が高い弾性材料であればよい。よって、基材としては、たとえばウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴムを用いてもよい。
表面層37bは、中間転写体37に導電性を付与するために、かかるゴム材料に導電剤としてのカーボンナノチューブと導電性フィラーとを分散して混入させた導電性ゴムとされ、導電層となっている。ただし、導電剤を増やすと導電性は向上するが、離型性が低下するトレードオフの関係であり、また、後述する理由から、カーボンナノチューブと導電性フィラーとの含有量は後述のように調整されている。
表面層37bの硬度は、JISAの規格において60°以下とされている。これは、表面層38bの硬度が60°を超えると、転写性が低下することがあるためである。
表面層37bの水の後退接触角は、60°より大きく、さらには80°より大きいことが望ましい。弾性層37bの水の後退接触角が60°以下であると、転写性が低下することがあるためである。
表面層37bの水の後退接触角は、60°より大きく、さらには80°より大きいことが望ましい。弾性層37bの水の後退接触角が60°以下であると、転写性が低下することがあるためである。
表面層37bの算術平均粗さRaは、1以下であることが好ましい。表面層37bの算術平均粗さRaが1を超えると、転写性が低下することがあるためである。
表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。
表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。
表面層37bのその余については後に詳述する。
なお、中間転写体37は、ドラム状でなく、無端ベルト状、その他可能であればシート状であっても良い。
なお、中間転写体37は、ドラム状でなく、無端ベルト状、その他可能であればシート状であっても良い。
図1に示すように、給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ローラ22と、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23と、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように同図において反時計方向に回転駆動し転写紙Sを給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等とを有している。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対して着脱可能となっている。ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。これによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ複数、図1における紙面に垂直な方向に一致する主走査方向に並設されている。よってインク吐出装置60Y、60M、60C、60BK、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。
なお、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKが主走査方向すなわちA1方向に垂直な方向に移動するシャトル型であっても良い。また、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに対し、すなわち各色について、中間転写体37と転写手段64とを備えていても良い。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される当該色の記録液を収容したメインタンクとしての記録液カートリッジであるインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKと、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに向けて圧送し給送するための供給ポンプとしての図示しないポンプと、ポンプによってインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK側から供給されてきた記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに分配して供給する記録液供給部であるインク供給部としての供給タンクたるディストリビュータである図示しないディストリビュータタンクとを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、ディストリビュータタンク内の記録液量の不足を検出するために同記録液量を検知する記録液量検知手段であるインク量検知手段としての図示しないインク量検知センサと、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKとディストリビュータタンクとの間の記録液の給送路をポンプとともに形成している図示しないパイプと、ディストリビュータタンクと各ヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間の記録液の給送路を形成している図示しないパイプとを有している。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。
ポンプは、制御部によって作動を制御される。具体的には、インク量検知センサによってディストリビュータタンク内の記録液量の不足が検出されたことを条件として、この不足が検出されなくなるまで駆動され、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内の記録液をディストリビュータタンクに供給する。この点、制御部は記録液供給制御手段であるインク供給制御手段として機能する。制御部は、画像形成装置100において駆動される構成については、特に説明しない場合であっても、その駆動を制御するようになっている。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色剤である顔料と、この顔料の分散剤であるアニオン性分散剤と、水を含む溶媒とを少なくとも含んでいる。かかる顔料とかかる分散剤とにより、記録液のインク成分はアニオン性基を有している。記録液において、顔料が、アニオン成分散剤により、溶媒中に分散されている。
溶媒は安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は導電性インクであり水溶性インクである水溶性記録液となっている。なお、記録液は、保存安定性の観点から、アルカリ性であることが望ましい。
記録液に用いられる顔料としては、特に限定されないが、オレンジ又はイエロー用の顔料として、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
また、レッド又はマゼンタ用の顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、グリーン又はシアン用の顔料として、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
記録液中の顔料の含有量は、通常、0.1〜40質量%であり、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
また、レッド又はマゼンタ用の顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、グリーン又はシアン用の顔料として、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
記録液中の顔料の含有量は、通常、0.1〜40質量%であり、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
アニオン性分散剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
記録液は、転写性の点から、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の酸性基を有する樹脂を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて中和することにより得られるアニオン性基を有する樹脂をさらに含むことが好ましい。酸性基を有する樹脂としては、特に限定されないが、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられ、二種以上併用してもよい。記録液中のアニオン性基を有する樹脂の含有量は、通常、0.5〜10質量%であり、0.5〜5質量%が好ましい。
記録液は、水に可溶な溶媒をさらに含んでもよい。水に可溶な溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール誘導体;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒;炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の炭酸アルキレンが挙げられ、二種以上併用してもよい。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側に配設された導電性のノズル板61aと、ノズル板61aに形成されたノズル61bと、ディストリビュータタンクから記録液を供給され記録液を充填されたインク室61cと、インク室61c内の記録液をノズル61bから吐出させる図示しないインク吐出手段とを有している。
ノズル板61aはノズル61bを多数備えており、多数のインク室61cに共有されている。ノズル61b、インク室61c、インク吐出手段はこれらが1組となって、それぞれ各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに多数備えられているが、同図においてはそのうちの1組のみを図示している。
ノズル板61aは、全体が導電性であるが、これに限らず、インク室61c側の面のみを導電処理された絶縁性の部材であっても良いし、インク室61c側に配設された導電性部材と中間転写体37側に配設された絶縁性部材とによって構成しても良いし、後述する電気分解の際の気泡の発生を抑制するためにインク室61c側に配設された絶縁性部材と中間転写体37側に配設された導電性部材とによって構成しても良いし、同様の理由によりインク質61c側を絶縁処理しても良い。
ノズル板61aの導電性の部分は、後述するようにカソードとして備えられるため、金属溶出に対して耐性を有する材質によって構成する必要はなく、金属、カーボンなど導電性の高い材料によって構成されればよい。
ノズル板61aは、中間転写体37とのギャップが50〜200μmの間で設定される。かかるギャップが50μm未満であると、回転体である中間転写体37とノズル板61aとのギャップを維持することが困難になることがあり、またかかるギャップが200μmを超えると、後述する液注のブリッジが形成されにくくなることがあるためである。
インク吐出手段は、ノズル61bから記録液を液滴化して吐出させ転写紙Sに着弾させるためのアクチュエータとして圧電素子を有し、圧電素子に印加される電圧パルスに応じてノズル61bから記録液を吐出するようになっている。インク吐出手段のアクチュエータはピエゾ方式等の、形状変形素子方式である他の方式の可動アクチュエータであってもよいし、サーマル方式等の加熱ヒータ方式によってノズル61bから記録液を吐出させるものであっても良い。
図2に示すように、通電手段33は、電源33aと、電源33aを支持体37aとノズル板61aとに接続した特に図示しない電気回路と、制御部の機能の一部として実現され電源33aによる電圧の印加タイミング、印加時間、印加する電圧の大きさを制御する電圧印加制御手段とを有している。電圧印加制御手段としての制御部は、電源33aの電圧を変更する電圧変更手段としても機能する。
電源33aは、電気回路により、陽極を支持体37aに接続され、陰極をノズル板61aに接続されている。よって、通電手段33は、中間転写体37をアノードとして備え、ノズル板61aをカソードとして備えている。
図1に示すように、清掃手段34は、中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で当接した、弾性体としてのゴムによって形成された清掃部材としてのクリーニングブレードによって構成されている。
クリーニングブレードを構成する材料としては、特に限定されないが、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム等の弾性体が挙げられる。
清掃手段34はクリーニングブレードに代えて、あるいはクリーニングブレードとともに、清掃部材としてのクリーニングローラを備えていてもよい。
清掃手段34はクリーニングブレードに代えて、あるいはクリーニングブレードとともに、清掃部材としてのクリーニングローラを備えていてもよい。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転し、この過程で、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同じ位置に重なるよう、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で吐出され、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。
このとき、電圧印加制御手段としての制御部により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aとノズル板61aとの間に電圧が印加されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。
このときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図2(a)に示すように、ノズル61bにおいてメニスカスを形成している記録液が、図2(b)に示すように、中間転写体37に向けて移動し、ノズル61cと中間転写体37より具体的には表面層37bとの間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成される。次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって中間転写体37に担持され、中間転写体37上に記録液による画像が形成される。
そして、図2(b)に示した、記録液からなる液注のブリッジが形成された状態では、通電手段33により、記録液中の色剤成分が凝集作用を受ける。具体的には、通電手段33の電圧印加により、カソードであるノズル板61aとアノードである中間転写体37より具体的には表面層37bとにはそれぞれ次の電極反応が生じる。
カソード:4H2O+4e−→2H2+4OH−・・・反応式(1)
アノード:2H2O→4H++O2+4e−・・・反応式(2)
このように、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
アノード:2H2O→4H++O2+4e−・・・反応式(2)
このように、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
これにより、アノードとして機能する中間転写体37の表面より具体的には表面層37bの表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化してプロトン(H+)が生成する。よって、図3に示すように、アニオン性分散剤Dにより分散されている顔料Pが、プロトンを介して凝集する。
そのため、隣接するドット間の滲みの発生が抑制され、高精細な画像が形成される。また、かかる電圧印加によりノズル61bの目詰まりが予防されるという利点もある。なお、かかるブリッジを形成する時間は、圧電素子に印加される電磁パルスのピーク電圧とパルス幅等により制御可能である。
ここで、図4を用いて、カソード及びアノードの間に形成される液柱のブリッジについて説明する。液柱のブリッジBの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層EC及びEAが形成されるが、電気二重層EC及びEAの充電速度は、液柱のブリッジBの導電率言い換えると抵抗RB、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。
このとき、電気二重層EAの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成し、アニオン性分散剤により分散されている顔料及びアニオン性基を有する樹脂が凝集する。すなわち、かかるブリッジが形成された瞬間に、ブリッジに、顔料の凝集作用をもたらすイオンが効率よく生成することで、記録液の中間転写体37への着液と同時に顔料の凝集が行われる。その結果、隣接する記録液ドット間における顔料の滲みが発生せず、非常に高精細な溶質画像が形成される。
一方、電気二重層ECの容量CECは、電気二重層EAの容量CEAよりも十分に大きいため、カソードCの表面では、水が還元しにくい。これは、カソードCとしての、記録液が接触するノズル板61aの面積が、アノードAとしての、液柱が接触する部分の中間転写体37より具体的には表面層37bの面積よりも十分に大きいためである。
顔料の凝集の度合いは、プロトンの生成量、即ち、液柱のブリッジを形成する時間、通電手段33による印加電圧等により制御部によって制御することが可能である。また、水が酸化してプロトンが生成する際に、酸素も発生するが、微量であることに加え、水に溶解すると考えられるため、画像形成を阻害しない。
液柱のブリッジBが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数S/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給され、転写ローラ38が連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像が転写され、転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、凝集成分及び少量の余剰液成分が転写紙Sに転写される。転写紙Sに転写する余剰液成分量はカールやコックリングが防止ないし高度に抑制される程度に少ないため、転写紙Sのジャム等の不具合が防止ないし抑制され、転写紙Sの搬送性が良好である。
よって、排紙台25への転写紙Sの排出、排紙台25上における転写紙Sの積載が良好に行われ、またその他の、画像形成後の転写紙Sの取り扱いが容易化する。この利点は、かかる凝集作用により生じた凝集成分によって余剰液成分の転写紙Sへの吸収性が低減されていることによっても得られる。
高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高く、この場合には記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透し、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなり得る。しかし、余剰液成分の量は少ないとともに凝集作用により凝集成分が生成されることで、余剰液成分の転写紙Sへの吸収量、吸収性が最小限に低減されている。そのため、速乾性を担保しつつ、凝集成分が転写紙Sの奥深くまで到達することが防止ないし抑制されていることから、かかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。
また、上述の凝集作用により、アニオン性分散剤により分散されている顔料が凝集し、凝集した顔料によって画像が形成されることにより、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディングを防止ないし抑制しつつ、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能である。
転写部31における転写により、転写部31を通過した中間転写体37上には、記録液に起因する成分はほとんど残っていない。しかし、中間転写体37は清掃手段34によるクリーニングを受けることで、記録液のオフセットが高度に防止ないし抑制される。よって、繰り返し画像形成を行っても、オフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
このような画像形成を行うにあたって、表面層37bの抵抗率を、表面層37bに着弾する記録液のドットの大きさの領域において均一にすることが、ノズル61cと表面層37bとの間をブリッジした液柱状の記録液を電気分解して顔料を凝集させるために重要である。
一方、すでに述べたように、表面層37bに分散される、カーボンナノチューブのアスペクト比は、一般的に、1×104未満であることが多い。また、アスペクト比を小さくすると、カーボンナノチューブを含有させる弾性層の基材の選択肢が広くなり、転写性の向上に適した材料を基材として選択することが可能となるという事情もある。なお、アスペクト比とは、平均径に対する平均長さの比である。
ただし、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブにおいては、カーボンナノチューブ同士が接触しにくくなるため、かりに、表面層37bのカーボンナノチューブの含有量が1wt%未満であるとすれば、表面層37bの抵抗率を、記録液のドットの大きさの領域において均一にすることが困難になることがわかった。
また、次のことも確認された。
かかる含有量が1.5wt%未満であると、表面層37bの近傍で、液柱状の記録液に含まれる水を電気分解することが困難になることがあり、かかる含有量が7.0wt%を超えると、材料のチキソ性が高くなり平滑な面を成型することが困難となる。かかる含有量が7.0wt%を超えると、表面層37bの基材であるシリコーンゴムの硬化阻害が生じ、塑性変形やもろくなるなどの不具合が起こりうる。かかる含有量が7.0wt%を超えると、表面の粗さや物性の変化により表面層37bの転写性が低下することがある。
かかる含有量が1.5wt%未満であると、表面層37bの近傍で、液柱状の記録液に含まれる水を電気分解することが困難になることがあり、かかる含有量が7.0wt%を超えると、材料のチキソ性が高くなり平滑な面を成型することが困難となる。かかる含有量が7.0wt%を超えると、表面層37bの基材であるシリコーンゴムの硬化阻害が生じ、塑性変形やもろくなるなどの不具合が起こりうる。かかる含有量が7.0wt%を超えると、表面の粗さや物性の変化により表面層37bの転写性が低下することがある。
そこで、表面層37bは、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブを含有しているとともに、記録液のドット領域での抵抗率の均一化等を図るために、かかるカーボンナノチューブを、1.5wt%以上7.0wt%以下の含有量で含んでいる。
これにより、表面層37bは、記録液のドット領域において、その表面の全体において、ノズル61cと表面層37bとの間をブリッジした液柱状の記録液に対する導電性に優れているとともに、記録液やその凝集成分に対する離型性が優れ、転写性に優れる。また、アスペクト比が1×104未満と小さくなっているため、表面層37bの基材の選択肢が広くなり、転写性の向上に適した材料を基材として選択することが可能となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37とが一時的にブリッジした記録液による液柱に上述した所望の電位差を形成するには、表面層37bの体積抵抗率は、記録液の体積抵抗率よりも小さく、1×103Ω・cm未満であることが好ましい。表面層37bの体積抵抗率が1×103Ω・cm以上であると、表面層37bの近傍で、ノズル61cと表面層37bとの間をブリッジした液柱状の記録液に含まれる水を電気分解することが困難になることがあるためである。
この体積抵抗率は、ノズル61cと表面層37bとの間をブリッジした状態となった記録液に流れる電流を用いて測定される体積抵抗率である。すなわち、ロレスタなどによりプローブ面積が大きな状態において測定される体積抵抗率ではなく、実際の画像における記録液のドット領域で測定される、液柱の通電量から算出される値である。なお、ロレスタとは、体積抵抗率の測定に一般的に用いられる装置である。
表面層37bは、カーボンナノチューブ、イオン液体、弾性体及び溶媒を含む塗布液を支持体37aに塗布することにより形成することが可能である。イオン液体は、カーボンナノチューブの分散に用いられる。溶媒は、カーボンナノチューブを分散したイオン液体と弾性体との分散に用いられる。弾性体は、本形態では、すでに述べたようにシリコーンゴムである。
かかる塗布液は、カーボンナノチューブを含有させた層を形成するための、上述の技術において知られているようにして製造可能である。すなわち、カーボンナノチューブがイオン液体により溶媒中に分散されている分散液及び弾性体が溶媒中に溶解されている溶液を用いて製造することが可能である。
イオン液体は、カチオンとアニオンとを含む。
イオン液体を構成するカチオンとしては、特に限定されないが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムが挙げられ、その他には、
化学式:(CH3)2(CH3CH2)(CH2CH2OCH2CH2OCH3)N+
で表される4級アンモニウム塩等が挙げられる。
イオン液体を構成するカチオンとしては、特に限定されないが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムが挙げられ、その他には、
化学式:(CH3)2(CH3CH2)(CH2CH2OCH2CH2OCH3)N+
で表される4級アンモニウム塩等が挙げられる。
イオン液体を構成するアニオンとしては、特に限定されないが、テトラフルオロホウ酸イオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸イオン等が挙げられる。
カチオン及び/又はアニオンを二種以上併用してもよい。
カチオン及び/又はアニオンを二種以上併用してもよい。
塗布液にイオン液体を用いない処方を用いても良く、この処方においては、カーボンナノチューブとしてアスペクト比が1×104未満の市販のものを用いれば、表面層37bは均一な弾性層となる。ただし、この場合も、均一な導電性を得る等の目的で、カーボンナノチューブの含有量は、1.5wt%以上7.0wt%以下とする。
イオン液体による分散法以外では、たとえばシリコーン樹脂への添加剤として、ジフェニルシランジオール、α,ω−ジメチルシロキサンジオール等の両末端シラノール基封鎖低分子シロキサンやシラン等の分散剤を添加してもよい。かかる添加剤は、シリコーンゴム等のシリコーン樹脂とカーボンナノチューブとの両者に親和し、カーボンナノチューブの分散剤として機能する。
なお、カーボンナノチューブを均一に分散させるには、塗布液のベースとなる弾性材料は、塗布液を製造する際に用いるイオン液体との相溶性などから、フッ素系樹脂など選択肢が限られる場合があることが知られている。
塗布液を製造する際に用いるカーボンナノチューブの平均長さは、1μm程度が好ましい。
カーボンナノチューブは、単層ナノチューブと多層ナノチューブとの何れであってもよいし、これらを併用しても良い。
カーボンナノチューブは、単層ナノチューブと多層ナノチューブとの何れであってもよいし、これらを併用しても良い。
すでに述べたように、表面層37bは導電性フィラーを含有している。表面層37bに導電性フィラーを含有させた理由は次のとおりである。表面層37bにおいては、上述のように、カーボンナノチューブのアスペクト比が1×104未満であると、カーボンナノチューブ同士が接触しにくくなるため、カーボンナノチューブの含有量を上述の範囲で増やすことで均一な導電率を得ることとしている。
しかしながら、カーボンナノチューブの含有量を増やすとチキソ性が高くなり、加工性が低下するため、形成する画像の画質を保障する、上述の表面の粗さの確保が困難になることがある。
そこで、表面層37bに導電性フィラーを含有させることで、導電性の均一性を補う。ただし、導電性フィラーを20wt%超の含有率とすると、表面の離型性が低下するため転写性が悪くなり、画質が低下する。したがって、表面層37bにおける導電性フィラーの含有量は20wt%以下としている。
導電性フィラーとしては、アスペクト比が小さいものが好ましく、フラーレン、カーボン粉末等が挙げられるが、フラーレンを選択することが好ましい。フラーレンは、カーボンナノチューブと同様な構造を有するため、カーボンナノチューブの良好な分散条件にて、凝集することなく効率よく分散し、少量で均一な導電性の表面層37bが得られるためである。
以上の条件を考慮した次の実験により画像形成が良好に行われるか否かを確かめたところ、評価結果は表1に示すようになった。
実験の条件は次のとおりである。
実験の条件は次のとおりである。
実験に用いた画像形成装置は、次の条件を満たす、画像形成装置100と同様の構成の、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)を用いた画像形成装置である。
実験に使用したヘッド61Y、61M、61C、61BKは、金属製のノズル板61aを備えている。
ノズル板61aと支持体37aとの間の電源33aによる印加電圧は120Vとした。
ノズル板61aと支持体37aとの間の電源33aによる印加電圧は120Vとした。
中間転写体の表面の弾性層が含有するカーボンナノチューブは何れも、アスペクト比が1×103で保土谷化学工業製である。
中間転写体は、外周の線速が100mm/秒でA1方向に回転駆動した。
中間転写体は、外周の線速が100mm/秒でA1方向に回転駆動した。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体とのギャップは100μmとした。
清掃手段34としては、フッ素ゴムからなるブレードを用いた。
転写ローラ38は、金属製の芯金に厚さが1mmのゴム層を形成したものである。
清掃手段34としては、フッ素ゴムからなるブレードを用いた。
転写ローラ38は、金属製の芯金に厚さが1mmのゴム層を形成したものである。
以上のような画像形成装置を用いて、図5に示すように、中間転写体に、ドット径が50μmの孤立ドットからなる100mm角のイエローの網点画像PA及びマゼンタの網点画像PBを35mm間隔で形成した。さらに、ドット径が50μmの孤立ドットからなる100mm角のブラックのベタ画像を形成した。
転写紙Sとしては上質紙TYPE6200(リコー社製)を用いた。
転写紙Sとしては上質紙TYPE6200(リコー社製)を用いた。
使用した各色の記録液すなわち導電性インクは以下のようにして調製した。
[導電性インクの調製]
・ブラックの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)4質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム2質量%、尿素15質量%、グリセリン5質量%、2−ピロリドン0.5質量%、1,2−オクタンジオール0.5質量%、硝酸テトラメチルアンモニウム15重量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.1質量%及び蒸留水(残余)からなる混合液を調整した後、平均孔径が0.8μmのメンブレンフィルターを用いて加圧濾過し、ブラックの導電性インクを得た。
・イエローの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)の代わりに、ピグメントイエロー152を用いて、イエローの導電性インクを得た。
・シアンの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)の代わりに、ビグメントブルー15を用いて、シアンの導電性インクを得た。
・マゼンタの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)の代わりに、ピグメントレッド83を用いて、マゼンタの導電性インクを得た。
・ブラックの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)4質量%、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸ナトリウム2質量%、尿素15質量%、グリセリン5質量%、2−ピロリドン0.5質量%、1,2−オクタンジオール0.5質量%、硝酸テトラメチルアンモニウム15重量%、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール0.1質量%及び蒸留水(残余)からなる混合液を調整した後、平均孔径が0.8μmのメンブレンフィルターを用いて加圧濾過し、ブラックの導電性インクを得た。
・イエローの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)の代わりに、ピグメントイエロー152を用いて、イエローの導電性インクを得た。
・シアンの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)の代わりに、ビグメントブルー15を用いて、シアンの導電性インクを得た。
・マゼンタの導電性インク
ケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製)の代わりに、ピグメントレッド83を用いて、マゼンタの導電性インクを得た。
[実施例1]
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを3.5wt%含有し、ロレスタで測定した体積抵抗率が1Ω・cmであり、水の後退接触角が75°である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、画像形成領域における弾性層の全面において通電しない箇所がなく、体積抵抗率として10〜20Ωcmの値が得られた。ここで、通電しない箇所がない、とは、導電性が得られない部分がなく、均一な導電性が得られていることを示している(以下同じ)。
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを3.5wt%含有し、ロレスタで測定した体積抵抗率が1Ω・cmであり、水の後退接触角が75°である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、画像形成領域における弾性層の全面において通電しない箇所がなく、体積抵抗率として10〜20Ωcmの値が得られた。ここで、通電しない箇所がない、とは、導電性が得られない部分がなく、均一な導電性が得られていることを示している(以下同じ)。
[実施例2]
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを2.5wt%含有し、導電性フィラーとしてカーボン粉末を1wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものである。またこの弾性層は、ロレスタで測定した体積抵抗率が25Ω・cmであり、水の後退接触角が80°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、画像形成領域における弾性層の全面において通電しない箇所がなく、体積抵抗率として20〜30Ωcmの値が得られた。
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを2.5wt%含有し、導電性フィラーとしてカーボン粉末を1wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものである。またこの弾性層は、ロレスタで測定した体積抵抗率が25Ω・cmであり、水の後退接触角が80°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、画像形成領域における弾性層の全面において通電しない箇所がなく、体積抵抗率として20〜30Ωcmの値が得られた。
[実施例3]
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを2.5wt%含有し、導電性フィラーとしてフラーレンを0.5wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものである。またこの弾性層は、ロレスタで測定した体積抵抗率が100Ω・cmであり、水の後退接触角が85°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、画像形成領域における弾性層の全面において通電しない箇所がなく、体積抵抗率として20〜30Ωcmの値が得られた。
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを2.5wt%含有し、導電性フィラーとしてフラーレンを0.5wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものである。またこの弾性層は、ロレスタで測定した体積抵抗率が100Ω・cmであり、水の後退接触角が85°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、画像形成領域における弾性層の全面において通電しない箇所がなく、体積抵抗率として20〜30Ωcmの値が得られた。
[比較例1]
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを1.0wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものであり、ロレスタで測定した体積抵抗率が100Ω・cmであり、水の後退接触角が80°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、体積抵抗率として局所的に1000Ωcmの値が得られ、また画像形成領域において弾性層の一部に通電しない箇所が確認された。ここで、通電しない箇所が確認された、とは、導電性が得られない部分があり、導電性が不均一となっていることを示している。
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを1.0wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものであり、ロレスタで測定した体積抵抗率が100Ω・cmであり、水の後退接触角が80°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、体積抵抗率として局所的に1000Ωcmの値が得られ、また画像形成領域において弾性層の一部に通電しない箇所が確認された。ここで、通電しない箇所が確認された、とは、導電性が得られない部分があり、導電性が不均一となっていることを示している。
[比較例2]
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを8.0wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものであり、ロレスタで測定した体積抵抗率が5Ω・cmであり、水の後退接触角が55°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、体積抵抗率として5Ωcmの値が得られたが、画像形成領域において弾性層の表面に粗さが目立ち、レーザー顕微鏡で算術平均粗さRa10um以上の箇所が複数確認された。
使用した弾性層は、カーボンナノチューブを8.0wt%含有したシリコーンゴム塗布液を塗布することで得たものであり、ロレスタで測定した体積抵抗率が5Ω・cmであり、水の後退接触角が55°である。かかる塗布液を用いた以外は、実施例1と同様である。
実際に記録液の液柱に通電したところ、体積抵抗率として5Ωcmの値が得られたが、画像形成領域において弾性層の表面に粗さが目立ち、レーザー顕微鏡で算術平均粗さRa10um以上の箇所が複数確認された。
・評価項目について
[導電率]
液柱への通電時に微細領域で通電しない箇所がなく、抵抗率が1000Ωcm未満であるときに○、抵抗率が1000Ωcm以上であるときに×と判定した。1000Ωcmの値は、実験に用いた画像形成装置、記録液において、記録液の凝集度、転写性が良好となるか否かの閾値である。
[導電率]
液柱への通電時に微細領域で通電しない箇所がなく、抵抗率が1000Ωcm未満であるときに○、抵抗率が1000Ωcm以上であるときに×と判定した。1000Ωcmの値は、実験に用いた画像形成装置、記録液において、記録液の凝集度、転写性が良好となるか否かの閾値である。
[滲み]
マイクロスコープを用いて、転写紙Sに転写された網点画像のドットの形状を観察し、ドットが独立している場合を○、やや滲んでいる場合を△、滲んでいる場合を×と判定した。
マイクロスコープを用いて、転写紙Sに転写された網点画像のドットの形状を観察し、ドットが独立している場合を○、やや滲んでいる場合を△、滲んでいる場合を×と判定した。
[転写性]
X−riteを用いて、記録紙Sに転写されたベタ画像の濃度を測定し、ベタ画像の濃度が1.35以上である場合を◎、1.20以上1.35未満である場合を○、1.00以上1.20未満である場合を△、1.00未満である場合を×と判定した。X−riteは濃度測定に一般的に用いられる装置である。
1.20の値は、実験に用いた画像形成装置、記録液において、記録液の凝集度が良好となるか否かの閾値であり、1.00の値は、実験に用いた画像形成装置、記録液において、記録液の凝集度が許容範囲となるか否かの閾値である。
X−riteを用いて、記録紙Sに転写されたベタ画像の濃度を測定し、ベタ画像の濃度が1.35以上である場合を◎、1.20以上1.35未満である場合を○、1.00以上1.20未満である場合を△、1.00未満である場合を×と判定した。X−riteは濃度測定に一般的に用いられる装置である。
1.20の値は、実験に用いた画像形成装置、記録液において、記録液の凝集度が良好となるか否かの閾値であり、1.00の値は、実験に用いた画像形成装置、記録液において、記録液の凝集度が許容範囲となるか否かの閾値である。
上表から分かるように、実施例1では、網点画像のドットが独立しており、ベタ画像の濃度が高いことが確認された。このことから、カーボンナノチューブのアスペクト比が1×104未満の1×103で、含有率が1.5wt%以上7.0wt%未満の3.5wt%の弾性層を用いることで、インク画像の滲みの発生が抑制され、転写性が優れることがわかった。
実施例2ではカーボンナノチューブの添加量が2.5wt%に減らしたとともに、導電性フィラーであるカーボン粉末1wt%を添加している。上表から分かるように、転写性が許容範囲内で低下している。これは、得られた塗液のチキソ性が低くなり、またシリコーンゴムの硬化条件も好ましく、後退接触角が更に高く、離型性にすぐれた弾性層が得られていることによるものである。
実施例3では、カーボンナノチューブの添加量については実施例2と同じとし、また、導電性フィラーを実施例2よりも少量とするとともにフラーレンとしている。これにより、均一な抵抗率が得られ、また後退接触角が85度と高くなっている。網点画像のドットが独立しており、ベタ画像の濃度が高い。
比較例1では、離型性は高くベタ画像の濃度は高いものの、網点画像のドットがやや滲んでいることが確認された。これは、カーボンナノチューブの含有率が1.5wt%以上7.0wt%未満の範囲外の1.0wt%の弾性層を用いたことで、実施例1と比較して、弾性層が抵抗率の均一な弾性体となっていないため通電できない箇所があり、画像が滲むことによるものである。
比較例2では、網点画像のドットが独立しているが、ベタ画像の濃度が低いことが確認された。これは、カーボンナノチューブの含有率が1.5wt%以上7.0wt%未満の範囲外の8.0wt%の弾性層を用いたことで、導電性物質の添加量が多く、表面物性や形状の影響を受けて離型性が低下するため、実施例1と比較して、転写性が劣ることによるものである。
実施例、比較例それぞれの実験結果の比較により、カーボンナノチューブのアスペクト比が1×104未満で、含有率が1.5wt%以上7.0wt%未満の範囲の弾性層を用いることが、良好な画像形成を行うのに好適であることが分かった。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、導電性記録液は、インク成分がカチオン性基を有し、カソードとして機能する中間転写体の表面で生成した水酸化物イオンを介して、凝集させてもよい。すなわち、アニオン性分散剤により分散されている顔料を、アノードとして機能する弾性層の表面で生成したプロトンを介して、凝集させる代わりに、カチオン性分散剤により分散されている顔料を、カソードとして機能する弾性層の表面で生成した水酸化物イオンを介して、凝集させてもよい。
中間転写体は、全体が導電性である必要はなく、表面を構成する弾性層が少なくとも導電性であればよい。
中間転写体は、全体が導電性である必要はなく、表面を構成する弾性層が少なくとも導電性であればよい。
本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置であってもよい。また、複写機、ファクシミリの単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機、その他、電気回路形成に用いられる画像形成装置、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。ヘッドの数は画像形成装置の用途に応じて増減されるものであり、1つであっても、複数であってもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
33 電圧印加手段
37 中間転写体
37b 弾性層
61b ノズル
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
64 転写手段
100 画像形成装置
S 被記録材
37 中間転写体
37b 弾性層
61b ノズル
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
64 転写手段
100 画像形成装置
S 被記録材
Claims (5)
- 導電性記録液を吐出するノズルを備えたヘッドと、
このヘッドにより吐出された導電性記録液を付与される、表面に導電性の弾性層を備えた中間転写体と、
前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態でこの状態の導電性記録液が電気分解するように前記中間転写体と前記ヘッドとの間に電圧を印加する電圧印加手段と、
導電性記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写する転写手段とを有し、
前記弾性層は、アスペクト比が1×104未満のカーボンナノチューブを、1.5wt%以上7.0wt%以下の含有量で含んでいる画像形成装置。 - 請求項1記載の画像形成装置において、
前記弾性層は、前記状態となった導電性記録液に流れる電流を用いて測定される体積抵抗率が1×103Ωcm未満であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
前記弾性層は、導電性フィラーを含んでいることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3記載の画像形成装置において、
前記弾性層における前記導電性フィラーの含有量が20wt%以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3または4記載の画像形成装置において、
前記導電性フィラーがフラーレンであることを特徴とする画像形成装置。
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