JP2014131857A - 画像形成装置 - Google Patents

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貴彦 松本
Manabu Seo
学 瀬尾
Hisayoshi Oshima
久慶 大島
Hideomi Sakuma
英臣 佐久間
Yoshino Hasegawa
愛乃 長谷川
Hiroyuki Yamashita
宏之 山下
Yuma Usui
祐馬 臼井
Ryota Suzuki
亮太 鈴木
Takeshi Hihara
健 日原
Mizuki Odagiri
瑞樹 小田切
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Abstract

【課題】ヘッドから吐出されたインク等の記録液を付与される中間転写体を備え、被記録材のカールの抑制を、消費エネルギーの増加、装置の大型化を伴うことなく実現することが可能な、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷機、あるいはこれらのうちの複数を備えた複合機等の、インクジェット方式の画像形成装置の提供。
【解決手段】ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された記録液を付与される中間転写体37と、記録液によって中間転写体37上に担持された画像を被記録材に転写するための転写手段とを有し、転写手段は、中間転写体37に担持された記録液を被記録材に転写するために被記録材を中間転写体37との間に挟んで圧力をかける転写部材38を有し、転写部材38は、表面に凹凸形状70を有する画像形成装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、ヘッドから吐出されたインク等の記録液を付与される中間転写体を備えた、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷機、あるいはこれらのうちの複数を備えた複合機等の、インクジェット方式の画像形成装置に関する。
従来より、画像情報に応じて複数の微小ノズルからインク等の記録液を液滴化して吐出し紙等の記録媒体に付着させるインクジェット方式の画像形成装置が知られている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献13〕参照)。記録液の吐出方式としては、ピエゾ方式に代表される可動アクチュエータ方式、サーマル方式に代表される加熱膜沸騰方式等が知られている。
かかるインクジェット方式の画像形成装置の中でも、中間転写体を用いた転写型インクジェット画像形成装置は、記録紙等の記録媒体や紙粉と、ヘッドとの意図しない接触に起因するノズルの目詰まりが生じにくく、高い信頼性が得られるという特徴を有する。
一方、従来より、たとえばオフィスユースのインクジェット記録装置など、インクジェット方式の上述の画像形成装置においては、安全性やコスト面の利点などから、主成分が水である水性インクを記録液として用いることが主流となっている。
水系インクを用いるインクジェット画像形成装置においては、記録媒体のカールの抑制が重要な課題である。
カールの発生により、装置内での搬送不良による紙ジャムが生じたり、フィニッシャーなどの後処理装置で正常な処理を行なうことができなくなったりする等のおそれがあるためである。すなわち、カールは、印字後の記録媒体の搬送不良を生じさせる場合がある。また、カールは、印字後の穴あけ、ホチキス留め等の後処理などの際における記録媒体言い換えると被記録材の位置決め精度を低下させて後処理の精度を低下させたり後処理を不能としたりするなど、多くの障害の原因となり得る。
カールが生じる原因について説明すると次のとおりである。すなわち、水性インクを吐出して、一般に普通紙が用いられる記録媒体に画像を形成すると、記録媒体の、水性インクが付着する側の面である画像の記録面の水分量が瞬間的に多くなり、記録液中の水分が記録媒体に浸透する。そして、水系インク中の水分が紙繊維に浸透・拡散し、またセルロースの水素結合を切断することにより、被記録媒体の記録面側のみの紙繊維が膨潤してしまい、記録面側を凸にして記録媒体が反ってカールが発生する。
カール対策は上述のように重要である。そこで、カールに対して、次のように数多くの対策技術が示されている(たとえば、〔特許文献1〕〜〔特許文献4〕参照)。
(1)印字直後の記録媒体の印字面に蒸気を吹き付ける技術である(たとえば、〔特許文献1〕参照)。この技術では、記録液に含まれる水分(湿潤剤を含む)が記録媒体である紙の内部へ浸透し、紙の印刷面と裏面とで水分量の差が低減し、印刷面と裏面とが記録液に含まれる水分の吸収によって同程度に膨潤することで、排紙カールを抑制する。
(2)記録媒体の乾燥時間を確保するための搬送経路を機内に設ける技術である(たとえば、〔特許文献2〕、〔特許文献3〕参照)。
(3)加熱手段をもつ搬送ローラで圧力をかけて記録媒体を搬送することで、印字後の水分蒸発を促し、カールを抑制する技術である(たとえば、〔特許文献4〕参照)。
その他、カール対策技術ではないが、転写型インクジェット画像形成装置に関する、高画質化等を目的とした種々の技術が提案されている(たとえば、〔特許文献5〕〜〔特許文献8〕参照)。また、カール対策技術ではないが、記録媒体の搬送に配慮した種々の技術が提案されている(たとえば、〔特許文献9〕〜〔特許文献13〕参照)。
しかしながら、上述したカール対策技術にはそれぞれ次のような問題があると考えられる。
すなわち、(1)の技術では、カール量を低減することが見込まれるものの、蒸気を発生させる必要があるため、省エネルギーの観点から好ましくないという問題があると考えられる。
また、(2)の技術では、水分蒸発のための時間を稼ぐために、機内の搬送経路を長くしなければならないため、装置の小型化を達成することが困難であるという問題があると考えられる。
(3)の技術では、(1)の技術と同様に、省エネルギーの観点から好ましい構成ではないという問題があると考えられる。
本発明は、ヘッドから吐出されたインク等の記録液を付与される中間転写体を備え、被記録材のカールの抑制を、消費エネルギーの増加、装置の大型化を伴うことなく実現することが可能な、インクジェット方式の画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、記録液を吐出するヘッドと、このヘッドから吐出された記録液を付与される中間転写体と、記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写するための転写手段とを有し、前記転写手段は、前記中間転写体に担持された記録液を被記録材に転写するために被記録材を同中間転写体との間に挟んで圧力をかける転写部材を有し、前記転写部材は、表面に凹凸形状を有する画像形成装置にある。
本発明は、本発明は、記録液を吐出するヘッドと、このヘッドから吐出された記録液を付与される中間転写体と、記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写するための転写手段とを有し、前記転写手段は、前記中間転写体に担持された記録液を被記録材に転写するために被記録材を同中間転写体との間に挟んで圧力をかける転写部材を有し、前記転写部材は、表面に凹凸形状を有する画像形成装置にあるので、被記録材のカールの抑制を、消費エネルギーの増加、装置の大型化を伴わない凹凸形状によって実現することが可能であり、カールの抑制により信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
本発明を適用した画像形成装置の一実施例にかかる概略正面図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから中間転写体に記録液が付与される様子を示す概略図である。 図1に示した画像形成装置に備えられた転写部材の凹凸形状の形成態様の一例を示した概略図である。 図1に示した画像形成装置に備えられた転写部材の凹凸形状の形成態様の他の例を示した概略図である。 転写部材の凹凸形状によって被記録材のカールが抑制される理由を説明するための概念図である。 図1に示した画像形成装置においてヘッドから吐出された記録液中の色剤がプロトンを介して凝集した状態を示す概念図である。 図1に示した画像形成装置においてカソードとアノードとの間に形成される記録液による液柱の状態を示す概念図である。 図5と対比される、表面が平滑状の転写部材の作用の例を説明するための概念図である。
図1に本発明を適用した画像形成装置の一例の概略を示す。画像形成装置100は、インクジェットプリンタとしてのプリンタであってフルカラーの画像形成を行うことが可能である。画像形成装置100は、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、一般にコピー等に用いられる普通紙の他、OHPシートや、カード、ハガキ等の厚紙や、封筒等の何れをもシート状の記録媒体としてこれに画像形成を行なうことが可能である。画像形成装置100は、記録媒体である被記録材たる用紙としての記録体である転写紙Sの片面に画像形成可能な片面画像形成装置であるが、被記録媒体である転写紙Sの両面に画像形成可能な両面画像形成装置であってもよい。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な、当該色のインクとしての導電性インクたる記録液を吐出するヘッド61Y、61M、61C、61BKを有している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、記録液吐出体としてのインクヘッドたる記録ヘッドとして機能するものであり、画像形成装置100の本体99の略中央部に配設された中間転写部材としての中間転写体37の外周面に対向する位置に配設されている。インクジェットヘッドであるヘッド61Y、61M、61C、61BKは、中間転写ドラムである中間転写体37の移動方向であって図1において時計回り方向であるA1方向の上流側からこの順で並んでいる。同図において各符号の数字の後に付されたY、M、C、BKは、イエロー、マゼンタ、シアン、黒用の部材であることを示している。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKはそれぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の画像を形成するための吐出装置としての記録液吐出装置であるインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。なお、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、図1の紙面に垂直な方向に複数が並設された態様で、インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKに備えられている。
中間転写体37は、A1方向に回転している状態で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向する領域で、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKからイエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が順次重ね合わされる態様で吐出されて付与される。これにより、中間転写体37は、その表面上にインク画像である画像が形成されるようになっている。このように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを中間転写体37に対向させA1方向に並設したタンデム構造となっている。
ヘッド61Y、61M、61C、61BKによる中間転写体37に対する導電性記録液である記録液の吐出すなわち付与は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37上の同じ位置に重なるように行われる。そのため、かかる各色の画像領域を形成するための、中間転写体37への各色の記録液の付与は、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。このような制御は、後述する制御部98によって行われる。
図1に示すように、画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ備えたインク吐出装置60Y、60M、60C、60BKを有している。
画像形成装置100はまた、中間転写体37を備え中間転写体37のA1方向への回転に伴って転写紙Sを搬送する用紙搬送ユニットとしての搬送ユニット10を有している。
画像形成装置100はまた、転写紙Sを多数枚積載可能であり積載した転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ユニット20を有している。
画像形成装置100はまた、搬送ユニット10によって搬送されてきた画像形成済み言い換えるとプリント済みの転写紙Sを多数積載可能な排紙トレイとしての排紙台25を有している。
画像形成装置100はまた、図2(b)に示すようにヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された直後の記録液による液柱に通電を行う電圧印加手段である電位印加手段としての通電手段33を有している。
画像形成装置100はまた、図1に示すように、記録液等が転写紙Sに転写された後の中間転写体37から、中間転写体37上に残留している記録液等を除去してクリーニングするためのクリーニング手段としての清掃手段34を有している。
画像形成装置100はまた、ヘッド61Y、61M、61C、61BKを一体に支持したヘッド支持体としてのキャリッジ50と、画像形成装置100の動作全般を制御するCPU、メモリ等を含む制御手段としての制御部98とを有している。
搬送ユニット10は、中間転写体37の他に、中間転写体37に対向して配置され中間転写体37との間の領域である転写部31を転写紙Sが通過するときに中間転写体37上に担持された記録液による画像をその転写紙Sに転写する転写手段64を有している。
搬送ユニット10はまた、給紙ユニット20から給送されてきた転写紙Sを転写部31に案内するとともに、転写部31を通過した転写紙Sを排紙台25に案内する案内板としてのガイド板39を有している。
搬送ユニット10はまた、中間転写体37をA1方向に回転駆動する図示しない駆動手段としてのモータ等を有している。
このように、画像形成装置100は、転写紙Sへの画像形成を中間転写体37を用いて間接的に行う間接方式の画像形成装置となっている。
転写手段64は、転写紙Sが転写部31を通過していない状態で中間転写体37に圧力を持って当接し、転写紙Sが転写部31を通過している状態で中間転写体37との間でこの転写紙Sを挟んで圧力をかける転写部材である転写ローラ38を備えている。
転写ローラ38は、中間転写体37に担持された記録液による画像を転写紙Sに転写するために中間転写体37との間でこの転写紙Sを挟み込んで圧力をかけるニップ部を形成する加圧部材としての転写体として機能し、このニップ部が転写部31となっている。転写ローラ38は、この転写部31においてA1方向に沿うように回転するドラム状の回転部材であって、転写部31を中間転写体37と転写ローラ38との間における転写紙Sの搬送経路としている。転写ローラ38は、中間転写体37に従動回転することで、A1方向に沿ったB1方向に移動するが、中間転写体37の駆動と別の駆動によって、転写部31においてA1方向に沿うように回転駆動されても良い。
転写ローラ38は、金属製の芯金38aと、芯金38aの表面上に弾性層として形成された、厚さが5mmのゴム層38bとを有しており、ゴムローラとなっている。転写ローラ38は、記録液による汚れ防止の観点から、表面エネルギーの低い撥水性部材を表面に配設されていることが好ましい。よって、転写ローラ38は、ゴム層38bの表面に、フッ素処理による図示しない表面層を有している。
芯金38aの材料としては、アルミニウム、アルミ合金、銅、ステンレス等が挙げられる。
弾性層は、ゴム層38bのように弾性体であることが望ましい。弾性層を、ゴム層38bのように、弾性体として代表的なゴムによって形成する場合、その材料としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。
弾性層は省略してもよく、この場合、転写ローラ38aは、上述した芯金38aの材料のような剛体によって形成される。
図3に示すように、転写ローラ38は、表面、具体的にはゴム層38bの表面に凹凸形状70を有している。
凹凸形状70のパターンすなわち凹凸パターンは、転写ローラ38が移動するB1方向と交わる交差方向、具体的にはB1方向と直交するC方向に沿って形成されている。すなわち、凹凸形状70は、その溝あるいは凸状の延在する方向が、転写ローラ38の回転中心をなす軸方向であるC方向に一致するように、かかるC方向に沿って、ゴム層38bに形成されている。
ただし、凹凸形状70のパターンは、図4に示すように、転写ローラ38が移動するB1方向に沿った方向、具体的にはB1と平行な方向に形成しても良い。すなわち、凹凸形状70は、その溝あるいは凸状の延在する方向が、C方向に直交するように、ゴム層38bに形成されていても良い。
また、凹凸形状70のパターンは、転写ローラ38が移動するB1方向と交わる交差方向であって、B方向とC方向との中間の斜め方向、すなわち転写ローラ38の周方向であるB1方向に対して斜めに形成しても良い。
さらに、凹凸形状70のパターンは、以上述べた3つのパターンのうち任意の2つのパターンを組み合わせたパターンで形成しても良い。またさらに、凹凸形状70のパターンは、以上述べたパターンに限られるものではない。
転写ローラ38が表面にこのような凹凸形状70を有することにより、次のような作用が生ずる。すなわち、転写部31における中間転写体37と転写ローラ38との間の圧力である転写圧言い換えると加重が一定の条件下において、凹凸形状70を形成している溝と凸状とに交わる方向において転写紙Sにかかる圧力の分布が発生する。
具体的には、凹凸形状70が、図5(a)に示すように、図4に示したパターンである場合には、C方向において転写紙Sにかかる圧力が、溝に対応する部分において小さくなるとともに凸状に対応する部分において大きくなる分布を示す。
たとえば、図8(a)に示すように、かりに転写ローラ38の表面が平滑状である場合には、同図(b)に示すように、C方向において一定の圧力分布を示す。
しかし、図5(a)に示したような凹凸形状70がある場合は、凸部分に高い圧力がかかり、凹部分にかかる圧力が軽減されるために、圧力の分布が生じるのであり、この分布は、図3に示した凹凸形状70においても、B1方向において同様に生じる。
ここで、圧力pで紙に液体を浸透させた場合の浸透深さlに関して、以下のOlsson-Pihlの式(1)が知られている。
Figure 2014131857
この式から、かかる圧力pの平方根に比例して、液体の浸透深さlが深くなることが分かる。
そうすると、図5(a)に示した凹凸形状70を有する転写ローラ38を用いて中間転写体37上の記録液を転写紙Sに転写した場合の、転写紙Sに浸透する記録液の深さを模式的に示すと、概略的に、同図(c)に示すようになる。すなわち、凹凸形状70がある場合は、圧力が高い部分は深くまで記録液が浸透することとなる。他方、図8(c)に示すように、図8(a)に示した、表面が平滑状の転写ローラ38を用いて中間転写体37上の記録液を転写紙Sに転写すると、転写紙S表面を中心に略均等に記録液が留まる。
ここで、図5(d)と図8(d)とを対比すれば明らかなように、印字後のカール量は、図5(d)の方、すなわち、凹凸形状70を有する転写ローラ38を用いて中間転写体37上の記録液を転写紙Sに転写した場合の方が小さい。つまり、凹凸がない転写ローラ38で記録液を転写紙Sに浸透させた場合と比較して、凹凸がある場合すなわち凹凸形状70を有する転写ローラ38で記録液を転写紙Sに浸透させたほうが、カールの程度が小さい。
これは、紙のカールは主として記録液、言い換えると水分が浸透した部分が膨張することによって生じるためである。かかるカールの程度の差が生じる理由をより詳しく説明すると次のとおりである。
図8に示す場合は、転写紙Sの表層部分に均一に液が浸透しやすいことから、同図(d)において実線の長い矢印で示しているように、表層部分の全域にわたって膨張が生じるために表層部分の膨張量が多く、カール量が大きくなる。これに対して、図5に示す場合には、転写紙Sの表層部分に浸透する液量に分布すなわち不均一性がある。よって、同図(d)において実線の短い矢印で示しているように、表層部分の特定部分すなわち浸透量が多い部分において膨張が生じるものの、浸透量が少ない部分においては膨張量が少ない。これに加えて、浸透量が多い部分においては、転写紙Sの深くまで記録液が浸透しており、この深い部分まで浸透した記録液が膨張するため、この深い部位における膨張が表層部分の膨張をキャンセルすることとなる。そのため、図5に示す場合は、図8に示す場合に比べてカール量が少なくなる。
以上のメカニズムにより、凹凸形状70がない場合と比較して、凹凸形状70がある場合のほうが、相対的にカール量が抑制されることとなる。凹凸形状70を転写ローラ38に設ければカールが抑制されるため、消費エネルギーの増加、装置の大型化を伴うことなくカール対策が実現される。
凹凸形状70のパターンすなわち凹凸パターンが走る方向は、転写ローラ38が移動するB1方向と交わる交差方向を含んでいることが好ましい。これは、C方向において生じるカール量は、転写紙Sの搬送方向すなわちA1方向、B1方向に沿った方向において生じるカール量よりも小さい傾向にあるためである。この傾向は、転写紙Sは、転写部31を搬送されるときに、転写部31の圧力により、かかる搬送方向においてカール癖を付けられ易いのに対し、転写部31を搬送される際にC方向において転写紙Sが受ける圧力は均一であるためである。
かかる搬送方向において生じるカールは、図5と図8とを対比しながら行った上述の説明から明らかなように、凹凸パターンが走る方向が、図3に示したように、かかる搬送方向に対する交差方向のうちでもC方向に平行な方向である場合に、最も抑制される。よって、凹凸形状70は、その溝部あるいは凸状が延在する方向が、A1方向、B1方向と直交するように形成されることが、カールを抑制するうえで最も好ましい。
凹凸形状70の深さ言い換えると凹凸深さ、すなわち凹凸形状70を構成している溝部すなわち凹部分の底部位置と凸状すなわち凸部分の頂部位置との高低差は、5μm以上であること好ましい。普通紙の表面の凹凸深さは、一般的に5μm以上であることが多いことから、凹凸深さを5μm以上にすることで、転写紙Sにかかる圧力に分布が生じることとなるためである。
また、凹凸深さは、300μm以下であることが好ましい。一般的な厚紙の厚さが300μm以下であるので、300μmの深さの凹凸を設ければ、厚紙に対しても十分な圧力分布を生じさせることが可能となるためである。すなわち、厚紙の厚さに対応した深さの凹凸を設けることで、普通紙から厚紙まで、厚みの異なる転写紙Sのカールが抑制される。
凹凸形状70の深さについてまとめると、凹凸形状70の深さは、5μm以上で300μ以下の範囲とすることが好ましい。
凹凸を交互に設ける間隔は、等間隔とし、規則正しく凹凸を形成することが好ましい。転写紙Sにかかる圧力分布を規則正しく形成することで、転写紙Sの不規則な変形が防止されるためである。
なお、転写部31において十分な転写圧が印加されるのであれば、転写部材は転写ローラ38のようなドラム状でなく、無端ベルト状、シート状であっても良い。この場合は、十分な転写圧を確保するために、転写部材を裏面から支持する支持部材としてのバックアップ部材を設けることが好ましい。バックアップ部材としては、回転するローラ状の部材、転写部材に当接する部分が滑らかな平板状の部材などが挙げられる。
転写ローラ38などの転写部材は転写紙Sに転写される画像を転写紙Sに定着させるためのヒータを内蔵していても良い。また、搬送ユニット10は、転写ローラ38などの転写部材によって中間転写体37から転写紙Sに転写された画像を転写紙Sに定着させるための定着手段としての定着ローラを備えていてもよい。
図2に示すように、中間転写体37は、導電性基体であるアルミニウム製の支持体37aと、支持体37a上に形成された転写体材料である表面層37bとを有している。表面層37bは中間転写体37の表面に備えられた弾性材料である弾性層となっている。
支持体37aの材質はアルミニウムに限られるものではなく、良導電性で機械的強度があれば、たとえばアルミ合金、銅、ステンレス等の金属によって形成しても良い。支持体37aは絶縁性の絶縁性基体であってもよい。なお、支持体が絶縁性の場合は、後述する記録液の電気分解が行われるように、電圧を印加された導電性の部材、たとえば導電性のローラを、表面層37bの表面あるいは端面に当接させる。
表面層37bは、導電性の弾性部材によって形成されている。弾性部材としては、記録液の剥離性が高いという利点のために平滑で表面エネルギーが低く転写紙Sへの追随性が高い弾性材料が選択される。
そのため、弾性部材は、本形態ではシリコーンゴムとされているが、他に、フッ素ゴム等であっても良い。記録液は後述するように水を含んでいるが、表面層37bの弾性材料としてこのような材料を選択することで撥水性が得られ、記録液の剥離性が高くなっている。この撥水性は、記録液が表面層37bから転写紙Sへ転写されるときの転写しやすさの指標となり、撥水性が高いほど転写率が良く、クリーニングブレードによるクリーニングがしやすくなる。
また、表面層37bの弾性は、転写の際に必要な機能で、表面層37bが転写紙Sの繊維に沿って変形することで接触面積が向上し高い転写率が得られる。低い圧力で転写するにはある程度柔らかい材料を選択する必要がある。
これらの撥水性、弾性という機能を満たす材料としては、たとえば、フルオロシリコーンゴム、フェニルシリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴムなどのゴム材料が挙げられる。表面層37bは、撥水性を上げるためシリコンオイルを含浸したものでも良い。また、表面層37bは単層構造、多層構造のどちらでも構わない。
表面層37bは、後述する記録液の電気分解が行われるようにするために導電剤としてカーボンナノチューブを含んでおり、導電性を有する導電層となっている。カーボンナノチューブは、表面層37b中に、分散された状態で含まれている。カーボンナノチューブは単層構造であっても多層構造であっても良い。導電剤は導電性フィラー、カーボンブラック、その他、金、銀等の金属微粒子等であってもよい。
表面層37bの導電性を上げるためには導電性微粒子を増やすことが考えられるが、表面の導電性微粒子の密度が高いと撥水性低下の要因となる。導電性は、支持体37aと表面層37bとの膜厚方向に対して備えられていれば良く、面方向には絶縁の異方導電性であっても良い。導電性微粒子の大きさは、画像を構成する20〜50μm程度のドットより十分小さい必要があり、0.1μm以下であることが好ましい。
転写性、導電性に関連した、表面層37bのバルク物性と表面物性は以下のものが好ましい。すなわち導電性ゴムの体積抵抗率は10Ω・cm以下、好ましくは10Ω・cm以下である。撥水性は水の後退接触角が60°以上、好ましくは80°以上であり、硬度はJIS−Aで60以下、好ましくは40以下である。また、表面層37bの厚みは0.1〜1mm程度がよく、0.2〜0.6mmが好適である。
後退接触角についてさらに説明すると次のとおりである。
中間転写体37表面の後退接触角は、後述するノズル板61aの中間転写体37側の面であるノズル面の後退接触角より小さいことが望まれる。一般的に濡れ性というと、静的接触角や表面張力など基材と液の親和性をみるが、動的接触角のうち後退接触角によれば親和性の他に液の粘性による影響が加わった値が測定される。そして、後退接触角が大きい部材からは記録液が良く離型され、後退接触角が小さい部材へは記録液がより吸着する事が確認されている。
そうすると、ノズル面の後退接触角を考慮した場合の、中間転写体37表面における記録液の離型性のよい条件としては、中間転写体37表面の後退接触角が70°未満、更に望ましくは60°以下である。これは、ノズル面の後退接触角が純水に対して60°以上、望ましくは75°以上の場合である。このように、中間転写体37表面にノズル面よりも後退接触角の小さい材質を準備することにより、ノズル面上に付着した記録液がノズル面から効率的に除去されることとなる。
なお、表面層37bの導電性は、後述する記録液の電気分解が行われるようにするために要求されることから、記録液を担持する部分が導電性であれば良い。よって、中間転写体37は全周に亘って導電性を有する必要はなく、表面層37bの、記録液を担持する部分が導電性であればよいのであり、この意味において、中間転写体37は少なくとも表面の一部が導電性であれば良い。
給紙ユニット20は、転写紙Sを多数枚積載可能な給紙トレイ21と、給紙トレイ21に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sのみを搬送ユニット10に向けて給送する給紙ローラ22とを有している。
給紙ユニット20はまた、給紙トレイ21及び給紙ローラ22を支持した筐体23を有している。
給紙ユニット20はまた、給紙ローラ22を、ヘッド61Y、61M、61C、61BKにおける記録液の吐出タイミングに合わせるように同図において反時計方向に回転駆動し転写紙Sを給送させる図示しない駆動手段としてのモータ等とを有している。
キャリッジ50は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKに劣化等が生じたときにこれらが新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、ヘッド61Y、61M、61C、61BKと一体で、本体99に対して着脱可能である。ヘッド61Y、61M、61C、61BKもそれぞれ、劣化等が生じたときに新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、独立して本体99に対して着脱可能となっている。これによって、交換作業、メンテナンス作業が容易化されている。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、用いる記録液の色が異なるものの、その余の点では互いに略同様の構成となっている。インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはそれぞれ、ヘッド61Y、61M、61C、61BKをそれぞれ複数、図1における紙面に垂直な方向に一致する主走査方向に並設され、画像形成領域幅に対応した幅でノズル列を備えている。よってインク吐出装置60Y、60M、60C、60BK、画像形成装置100はヘッド固定式のフルライン型となっている。
画像形成装置100は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKが主走査方向すなわちA1方向に垂直な方向に移動するシャトル型であっても良い。シャトル型のヘッド61Y、61M、61C、61BKでは画像形成領域幅に対応した主走査方向への往復運動を行うため、ヘッド61Y、61M、61C、61BKが小型化可能となる利点がある。一般に、中間転写体を備えた画像形成装置は高速で画像形成を行うことが可能な高速タイプであるため、高速で画像形成を行うという観点では、画像形成装置100のようにフルライン型が適している。その他、ヘッド61Y、61M、61C、61BKのそれぞれに対し、すなわち各色について、中間転写体37と転写手段64とを備えていても良い。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKは、複数のヘッド61Y、61M、61C、61BKに供給される当該色の記録液を収容したメインタンクとしての記録液カートリッジであるインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内に収容された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに向けて圧送し給送するための供給ポンプとしての不図示のポンプを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、ポンプによってインクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK側から供給された記録液を各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに分配する不図示のディストリビュータタンクを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、ディストリビュータタンク内の記録液量の不足を検出するために同記録液量を検知する記録液量検知手段であるインク量検知手段としての図示しないインク量検知センサを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKとディストリビュータタンクとの間の記録液の給送路すなわち流路をポンプとともに形成している図示しないパイプを有している。
インク吐出装置60Y、60M、60C、60BKはまた、ディストリビュータタンクと各ヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間の記録液の給送路を形成している図示しないパイプを有している。
インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BKは、内部の記録液が消費されて残り少なくなったときあるいはなくなったとき等に新規のものに交換可能であるように、またメンテナンスを容易にするために、本体99に対して着脱可能となっている。
ポンプは、制御部98によって作動を制御される。具体的には、ポンプは、インク量検知センサによってディストリビュータタンク内の記録液量の不足が検出されたことを条件として、この不足が検出されなくなるまで駆動される。このようにして、ポンプは、インクカートリッジ81Y、81M、81C、81BK内の記録液を、記録液供給部であるインク供給部としての供給タンクたるディストリビュータであるディストリビュータタンクに供給する。
この点、制御部98は記録液供給制御手段であるインク供給制御手段として機能する。
制御部98は、画像形成装置100において駆動される構成については、特に説明しない場合であっても、その駆動を制御するようになっている。
記録液は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒に対応した色剤である顔料と、この顔料の分散剤であるアニオン性分散剤と、水を含む溶媒とを少なくとも含んでいる。かかる顔料とかかる分散剤とにより、記録液のインク成分はアニオン性基を有している。記録液において、顔料が、アニオン成分散剤により、溶媒中に分散されている。
溶媒は安全性の観点及び後述する電気分解を生じせしめるための導電性の観点から水を含んでおり、記録液は導電性インクであり水溶性インクである水溶性記録液となっている。なお、記録液は、保存安定性の観点から、アルカリ性であることが望ましい。
記録液に用いられる顔料としては、特に限定されないが、オレンジ又はイエロー用の顔料として、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
また、レッド又はマゼンタ用の顔料として、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、グリーン又はシアン用の顔料として、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料として、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
記録液中の顔料の含有量は、通常、0.1〜40質量%であり、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。
アニオン性分散剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン(登録商標)縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
記録液は、転写性の点から、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の酸性基を有する樹脂を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いて中和することにより得られるアニオン性基を有する樹脂をさらに含むことが好ましい。酸性基を有する樹脂としては、特に限定されないが、ポリアクリル酸、ポリアミド、ポリビニルアルコール等が挙げられ、これらを二種以上併用してもよい。記録液中のアニオン性基を有する樹脂の含有量は、通常、0.5〜10質量%であり、0.5〜5質量%が好ましい。
記録液は、水に可溶な溶媒をさらに含んでもよい。水に可溶な溶媒としては、特に限定されないが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1、5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、グリセリン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジグリセリンのエチレンオキサイド付加物等の多価アルコール誘導体;ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、トリエタノールアミン等の含窒素溶媒;エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール類;チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等の含硫黄溶媒;炭酸プロピレン、炭酸エチレン等の炭酸アルキレンが挙げられ、これらを二種以上併用してもよい。
図2に示すように、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは、同図において下方を向く記録液吐出側に配設された導電性のノズル板61aと、ノズル板61aに形成されたノズル61bとを有している。
各ヘッド61Y、61M、61C、61BKはまた、ディストリビュータタンクから記録液を供給され記録液を充填された液室としてのインク室61cと、インク室61c内の記録液をノズル61bから吐出させる図示しないインク吐出手段とを有している。
ノズル板61aはノズル61bを多数備えており、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKは1つのノズル61bを有している。すなわち、各ノズル板61aは、複数のヘッド61Y、複数のヘッド61M、複数のヘッド61C、複数のヘッド61BKにそれぞれ共有されている。ノズル61b、インク室61c、インク吐出手段はこれらが1組となって、それぞれ各ヘッド61Y、61M、61C、61BKを構成しているが、同図においてはそのうちの1組のみを図示している。なお、画像形成装置100においてはノズル61bが多数備えられ、上述のように画像形成の高速化に適したライン型の構成となっているが、ノズル61bの数は単数など、少なくても良く、この場合には、上述したシャトル型が採用される。
ノズル板61aは、全体が導電性であるが、これに限らず、インク室61c側の面のみを導電処理された絶縁性の部材であっても良いし、インク室61c側に配設された導電性部材と中間転写体37側に配設された絶縁性部材とによって構成しても良い。ノズル板61aはまた、後述する電気分解の際の気泡の発生を抑制するためにインク室61c側に配設された絶縁性部材と中間転写体37側に配設された導電性部材とによって構成しても良いし、同様の理由によりインク室61c側を絶縁処理しても良い。ノズル板61aはまた、絶縁層および導電層が積層されたものであってもよい。
ノズル板61aの導電性の部分は、後述するようにカソードとして備えられるため、金属溶出に対して耐性を有する材質によって構成する必要はなく、金属、カーボンなど導電性の高い材料によって構成されればよい。
ノズル板61aは、中間転写体37とのギャップが50〜200μmの間で設定される。かかるギャップが50μm未満であると、回転体である中間転写体37とノズル板61aとのギャップを維持することが困難になることがあり、またかかるギャップが200μmを超えると、後述する液注のブリッジが形成されにくくなることがあるためである。
インク吐出手段は、インク室61c内の記録液に圧力を加えてノズル61bから記録液を吐出させる圧力印加手段であっても良いし、加熱による膜沸騰によってノズル61bから記録液を吐出させる加熱手段であっても良い。本形態におけるインク吐出手段は、圧力印加手段を採用している。具体的には、本形態のインク吐出手段は、ノズル61bから記録液を液滴化して転写紙Sに着弾させるための圧力印加手段であるアクチュエータとして圧電素子を有し、圧電素子に印加される電圧パルスに応じてノズル61bから記録液を吐出するようになっている。インク吐出手段として圧力印加手段を採用する場合のアクチュエータはピエゾ方式等の、形状変形素子方式である他の方式の可動アクチュエータであってもよい。インク吐出手段を加熱手段とする場合には、サーマル方式等の加熱ヒータ方式によってノズル61bから記録液を吐出させる構成が挙げられる。
圧電素子に印加する電圧パルスの制御を行う駆動回路は、制御部98の一機能として実現されている。この点、制御部98は、インク吐出制御手段として機能する。インク吐出制御手段として機能する制御部98は、電圧パルスの波形、印加タイミング等を調整することで、ノズル61bから吐出される記録液の量を調整可能である。この点、インク吐出制御手段として機能する制御部98は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出される記録液の量を制御する液吐出量制御手段として機能する。
通電手段33は、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから吐出された記録液がヘッド61Y、61M、61C、61BKと中間転写体37との間を一時的にブリッジした状態で、この記録液に電圧を印加する。これにより、通電手段33は、中間転写体37とヘッド61Y、61M、61C、61BKとの間に電位差が形成されるように、かかる液柱の状態の記録液の内部に電極酸化反応もしくは電極還元反応に起因する電流成分を含んだ通電を行う。そのため、かかる状態の記録液は、すでに述べたように含まれている色剤の凝集を促進される。
そこで、図2に示すように、通電手段33は、電源33aと、電源33aを導電層である支持体37aとノズル板61aとの間に接続した特に図示しない電気回路とを有している。
通電手段33はまた、制御部98の機能の一部として実現され電源33aによる電圧の印加タイミング、印加時間、印加する電圧の大きさを制御する電圧印加制御手段を有している。電圧印加制御手段としての制御部98は、電源33aの電圧を変更する電圧変更手段としても機能する。
電源33aは、電気回路により、陽極を支持体37aに接続され、陰極をノズル板61aに接続されている。よって、通電手段33は、中間転写体37をアノードとして備え、ノズル板61aをカソードとして備えている。
図1に示すように、清掃手段34は、中間転写体37に対していわゆるカウンター当接の態様で当接した、弾性体としてのゴムによって形成された清掃部材としてのクリーニングブレードによって構成されている。
クリーニングブレードを構成する材料としては、特に限定されないが、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、EPDM、エラストマー等の弾性体、その他、ステンレス、アルミニウムなどの金属、非鉄材料が挙げられる。
清掃手段34はクリーニングブレードに代えて、あるいはクリーニングブレードとともに、清掃部材としてのクリーニングローラを備えていてもよい。
清掃部材としてクリーニングブレードすなわちブレードを用いる場合、印字中は保湿状態を保ちながら、転写部31を経た後に中間転写体37上に残留している記録液すなわち残インク等のクリーニングを行うのが良い。これは、ブレード先端の状態が乾燥状態から保湿状態へ切替わるときに、ブレードと中間転写体37との間を残インクがすり抜け、残インクの除去不良がおきるためである。そのため、印字前に記録液を吐出し、ブレード先端を保水する制御を行ってクリーニング性能を安定させるようになっている。
このような構成の画像形成装置100においては、画像形成開始の旨の所定の信号の入力により、中間転写体37が各ヘッド61Y、61M、61C、61BKに対向しながらA1方向に回転する。この過程で、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色の画像領域が中間転写体37の同じ位置に重なるよう、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の記録液が吐出され、中間転写体37上に一時的に画像が担持される。この吐出は、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして順次重ね合わされる態様で行われる。
この吐出のとき、電圧印加制御手段としての制御部98により、通電手段33が駆動され、電源33aから支持体37aとノズル板61aとの間に電圧が印加されている。
この状態で、記録液が、各ヘッド61Y、61M、61C、61BKから中間転写体37上に付与される。
このときには、まず、ヘッド61Y、61M、61C、61BKから、図2(a)に示すように、ノズル61bにおいてメニスカスを形成している記録液が、図2(b)に示すように、中間転写体37に向けて移動する。この移動により、ノズル61bと中間転写体37より具体的には表面層37bとの間に、記録液からなる液柱のブリッジが一時的に形成される。次いで、図2(c)に示すように、記録液からなる液柱のブリッジが分断されることによって中間転写体37に担持され、中間転写体37上に記録液による画像が形成される。
そして、図2(b)に示した、記録液からなる液注のブリッジが形成された状態では、通電手段33により、記録液中の色剤成分が凝集作用を受ける。具体的には、通電手段33の電圧印加により、カソードであるノズル板61aとアノードである中間転写体37より具体的には表面層37bとにはそれぞれ次の電極反応が生じる。
カソード:4HO+4e→2H+4OH・・・反応式(1)
アノード:2HO→4H+O+4e・・・反応式(2)
このように、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が電気分解される。
これにより、アノードとして機能する中間転写体37の表面より具体的には表面層37bの表面で、記録液の液柱のブリッジに含まれる水が酸化してプロトン(H+)が生成する。よって、図6に示すように、アニオン性分散剤Dにより分散されている顔料Pが、プロトンを介して凝集する。
そのため、隣接するドット間の滲みの発生が抑制され、高精細な画像が形成される。また、かかる電圧印加によりノズル61bの目詰まりが予防されるという利点もある。なお、かかるブリッジを形成する時間は、圧電素子に印加される電圧パルスのピーク電圧とパルス幅等を変化させることにより制御可能である。
ここで、図7を用いて、カソード及びアノードの間に形成される液柱のブリッジについて説明する。液柱のブリッジBの内部では、カチオン及びアニオンは、それぞれカソードC及びアノードAの近傍に移動する。その結果、カソードC及びアノードAの表面に、それぞれ電気二重層E及びEが形成されるが、電気二重層E及びEの充電速度は、液柱のブリッジBの導電率、記録液に含まれるイオンの濃度でほぼ決定される。
このとき、電気二重層Eの電圧が数Vに達すると、水が電気分解してファラデー電流が流れる。その結果、アノードAの表面では、水が酸化してプロトンが生成し、アニオン性分散剤により分散されている顔料が凝集する。
すなわち、かかるブリッジが形成された瞬間に、ブリッジに、顔料の凝集作用をもたらすイオンが効率よく生成することで、記録液の中間転写体37への着液と同時に顔料の凝集が行われる。その結果、隣接する記録液ドット間における顔料の滲みが発生せず、非常に高精細な溶質画像が形成される。
このように、通電手段33は、液柱のブリッジBを形成している記録液を電気分解するための、中間転写体37と、ヘッド61Y、61M、61C、61BK、具体的にはノズル板61aとの間の電圧印加を行なうための構成となっている。
液柱のブリッジBが形成されてから分断されるまでの時間は、通常、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒であり、記録液の導電率は、通常、数十mS/m〜数百mS/mである。このため、中間転写体37に記録液による画像を形成するためには、通電手段33による印加電圧は、水の理論分解電圧である1.23Vや一般的な水の電気分解の条件である数V〜十数Vでは不十分であり、数十V〜数百Vであることが好ましい。
液柱のブリッジBが形成されている状態は、高速度カメラによって観察することが可能である。この観察により、インク吐出制御手段として機能する制御部98によりインク吐出手段の圧電素子に電圧パルスを入力してから、ノズル61bから記録液が吐出されるタイミングが、各ノズル61bについて、μsec単位で計測することが可能である。また、記録液が吐出されてから中間転写体37との間でブリッジBが形成されるまでのタイミング、ブリッジの継続時間も、各ノズル61bについて、μsec単位で計測することが可能である。
なお、反応式(1)、(2)に加えて、電極自身の酸化還元反応も同時に起こる。どのような反応が起きるかは、電極材料、電極電位、及び記録液のpHによるが、電位−pH状態図(Pourbaix Diagram)を参照すれば容易に類推される。
中間転写体37上に担持された画像の先端が転写部31に到達するタイミングに合わせて、給紙ユニット20から給送された一枚の転写紙Sが転写部31に供給される。これにより、転写ローラ38が連れ回りしながら、転写部31を通過する転写紙Sに、中間転写体37上に担持されている画像が転写され、転写紙Sの表面に画像が形成される。画像が形成された転写紙Sは、排紙台25に案内され排紙台25上に積載される。
このようにして画像が転写紙Sに転写されるときには、凝集成分及び少量の余剰液成分が転写紙Sに転写される。転写紙Sに転写する余剰液成分量はカールやコックリングが防止ないし高度に抑制される程度に少ないため、これによってもカール対策がさらに高度に実行されており、転写紙Sのジャム等の不具合が防止ないし抑制され、転写紙Sの搬送性が良好である。
よって、排紙台25への転写紙Sの排出、排紙台25上における転写紙Sの積載が良好に行われ、またその他の、画像形成後の転写紙Sの取り扱いが容易化する。この利点は、かかる凝集作用により生じた凝集成分によって余剰液成分の転写紙Sへの吸収性が低減されていることによっても得られる。
高速の画像形成を行うには、記録液を速乾性とすることを要するため、記録液は転写紙Sへの吸収性が一般に高く、この場合にはカールが生じやすいとともに、記録液が転写紙Sの奥深くまで浸透しやすく、いわゆる裏移りを生じ、両面画像形成に不向きとなり得る。しかし、すでに述べた、凹凸形状70によるカール対策が施されているとともに、余剰液成分の量は少ないとともに凝集作用により凝集成分が生成されることで、余剰液成分の転写紙Sへの吸収量、吸収性が最小限に低減されている。そのため、速乾性を担保しつつ、凝集成分が転写紙Sの奥深くまで到達することが防止ないし抑制されていることから、カールとともにかかる裏移りが防止ないし抑制され、両面画像形成にも適している。
また、上述の凝集作用により、アニオン性分散剤により分散されている顔料が凝集し、凝集した顔料によって画像が形成されることにより、転写紙Sが普通紙である場合であっても、フェザリングやブリーディングが防止ないし抑制される。これにより、高速で高画像濃度、高画質の画像形成が可能となっている。
転写部31における転写により、転写部31を通過した中間転写体37上には、記録液に起因する成分はほとんど残っていない。しかし、中間転写体37は清掃手段34によるクリーニングを受けることで、記録液のオフセットが高度に防止ないし抑制される。よって、繰り返し画像形成を行っても、カール及びオフセットによる地肌汚れが防止ないし抑制され、画像劣化、中間転写体37の劣化が抑制ないし防止されて、経時的に良好な画像形成を行うことが可能である。
次の実験により、凹凸形状による転写紙Sのカールの抑制に関する評価を行った。
カールの相対評価のため、互いに条件が以下述べるように異なる実施例1〜6、比較例1〜2を用いた。
<画像形成条件>
組成、重量比を後述するように調整したブラックの記録液を、市販のインクジェットプリンタ(リコー製GX−5000)のヘッドに充填して、中間転写体に400mg/A4となる量で吐出して全面黒ベタ画像を形成し、被記録体に転写した。
中間転写体は200mm/sで回転駆動した。
被記録体として、普通紙(type6200、リコー製)を用いた。
転写部材は、直径25mm、長さ250mmのSUS製の転写ローラであり、荷重20kgf/cmで中間転写体に押し当てられていて、中間転写体に連れ回りする。また、この転写ローラは、図4に示したのと同様に、凹凸形状が、表面に、周方向に平行に設けられている。
クリーニング手段として、厚さ6mmからなる、中間転写体に当接したフッ素ゴム製のブレードを用いた。
実施例1〜3及び比較例1は、上述の画像形成装置100と異なり記録液の電気分解を伴わない画像形成を行って評価を実施し、実施例4〜6及び比較例2は、上述の画像形成装置100のように記録液の電気分解を伴う画像形成を行って評価を実施した。
実施例1〜3及び比較例1に用いた画像形成装置において、中間転写体は、支持体が直径20mm、長さ250mmのアルミ素管であり、支持体の外周にシリコーンゴム層を0.2mmの厚みで形成したものを用いた。
この画像形成装置において用いた記録液の組成、重量比は、次のとおりである。
・スルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液(CAB−O−JET−200、固形分20質量%、キャボット製):35.0質量%
・2−ピロリドン:10.0質量%
・グリセリン:14.0質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
また、実施例4〜6及び比較例2に用いた画像形成装置において、中間転写体は、基材が直径60mm、長さ250mmのアルミ素管であり、この基材の外周に体積抵抗率が500Ω・cmの導電性シリコーンゴム装置0.2mmの厚みを形成したものを用いた。
この画像形成装置において用いた導電性記録液の組成、重量比は、次のとおりである。
・スルホン酸基結合型カーボンブラック顔料分散液(CAB−O−JET−200、固形分20質量%、キャボット製):35.0質量%
・2−ピロリドン:10.0質量%
・グリセリン:14.0質量%
・プロピレングリコールモノブチルエーテル:0.9質量%
・疎水変性ポリエーテルウレタン(アデカ製,アデカノールGT1306):0.575質量%
・ラウリン酸カリウム(アニオン性界面活性剤に相当):0.38質量%
・デヒドロ酢酸ソーダ:0.1質量%
・蒸留水:残量
ヘッドと中間転写体との間の距離は100μmとし、電圧印加手段により、ヘッドと中間転写体との間に100Vの電圧を印加し、かかる導電性記録液の電気分解を実施した。
各実施例、各比較例において、凹凸形状については次のように設定した。
[実施例1]、[実施例4]
凹凸形状を、深さ50μm、ピッチ100μmで形成した。
[実施例2]、[実施例5]
凹凸形状を、深さ100μm、ピッチ200μmで形成した。
[実施例3]、[実施例6]
凹凸形状を、深さ300μm、ピッチ600μmで形成した。
[比較例1]、[比較例2]
凹凸形状を設けなかった。
<判定基準>
カールの判定基準は次のとおりである。
カールの抑制の程度を相対評価することで○、△、×の何れかの判定を行った。具体的には、相対的にカールが抑制されている状態を○と判定するとともに、カール抑制の程度が低くなるに従って△、×と判定した。
<評価結果>
実施例1〜6、比較例1〜2についての評価結果をまとめると、次の表1に示すようになった。
Figure 2014131857
同表から、凹凸形状によってカールが抑制されることが確認された。また同表から、カールの抑制の程度については、凹凸深さが深いほど高いことが分かった。
以上本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定していない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
たとえば、本発明を適用する画像形成装置は、上述の実験で用いた画像形成装置のように、記録液の電気分解を伴わずに画像形成を行う画像形成装置であっても良い。この場合、記録液は、水系インクに限らず、溶剤系インク、オイル系インク、紫外硬化型インクなどであっても良い。またこの場合、記録液を電気分解するための中間転写体の導電性が不要であることから、中間転写体の材質として、シリコーンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、あるいはこれらにフッ素系のコーティングを行ったエラストマーなどを用いることが可能である。また、中間転写体は、全パーツがかかるゴム材料で形成されている必要はなく、例えばアルミニウムなど金属から成る円筒、シート、無端ベルトにかかるゴム材料が形成されたもの、あるいはアルミニウムなど金属からなる円筒ローラ、シート、無端ベルトであっても良い。
また、本発明を適用する画像形成装置は、単色の画像形成のみを行うモノクロ画像形成装置であっても良い。さらに、本発明を適用する画像形成装置は、中間転写体を複数備え、中間転写体相互間の転写を含む複数回の転写を行うことで被記録体への転写を行う構成であっても良い。この場合、担持した記録液を被記録材に転写する中間転写体は、ヘッドから吐出された記録液を、他の中間転写体から転写されることで、間接的に付与されることとなる。
このように、本発明を適用する画像形成装置は、上述のタイプの画像形成装置に限らず、他のタイプの画像形成装置であってもよい。たとえば、本発明を適用する画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、印刷装置の単体、あるいはこれらの複合機、これらに関するモノクロ機等の複合機であってもよい。また、本発明を適用する画像形成装置は、その他、電気回路形成に用いられる画像形成装置、バイオテクノロジー分野において所定の画像を形成するのに用いられる画像形成装置であっても良い。記録ヘッド装置であるヘッドの数は画像形成装置の用途に応じて増減されるものであり、1つであっても、複数であってもよい。
記録液として導電性記録液を用いる場合、この導電性記録液は、インク成分がカチオン性基を有し、カソードとして機能する中間転写体の表面で生成した水酸化物イオンを介して、凝集させてもよい。すなわち、アニオン性分散剤により分散されている顔料を、アノードとして機能する中間転写体の表面で生成したプロトンを介して、凝集させる代わりに、カチオン性分散剤により分散されている顔料を凝集させてもよい。この場合、カソードとして機能する中間転写体の表面で生成した水酸化物イオンを介して、カチオン性分散剤により分散されている顔料を凝集させる。
導電性記録液を電気分解して画像形成を行う場合、中間転写体は、全体が導電性である必要はなく、表面を構成する弾性層が少なくとも導電性であればよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
33 電圧印加手段
37 中間転写体
38 転写部材
61Y、61M、61C、61BK ヘッド
64 転写手段
70 凹凸形状
100 画像形成装置
A1 中間転写体の移動方向
B1 転写部材が移動する方向
C 交差方向
S 被記録材
特開2008−200856号公報 特開2009−035410号公報 特許第4974804号公報 特開2011−225315号公報 特開2002−370442号公報 特開平09−123430号公報 特開2001−277715号公報 特開2010−188665号公報 特開2006−206194号公報 特開2005−001865号公報 特開2004−017294号公報 特許第4178842号公報 特開平10−146956号公報

Claims (6)

  1. 記録液を吐出するヘッドと、
    このヘッドから吐出された記録液を付与される中間転写体と、
    記録液によって前記中間転写体上に担持された画像を被記録材に転写するための転写手段とを有し、
    前記転写手段は、前記中間転写体に担持された記録液を被記録材に転写するために被記録材を同中間転写体との間に挟んで圧力をかける転写部材を有し、
    前記転写部材は、表面に凹凸形状を有する画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    前記凹凸形状の深さが5μm以上であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2記載の画像形成装置において、
    前記凹凸形状の深さが300μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1ないし3の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記凹凸形状は、前記転写部材が前記中間転写体の移動方向に沿って移動する方向と交わる交差方向に沿って形成されていることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4記載の画像形成装置において、
    前記交差方向は、前記転写部材が前記中間転写体の移動方向に沿って移動する方向と直交する方向であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1ないし5の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    前記ヘッドが吐出する記録液は、水を含む導電性記録液であり、
    前記中間転写体は、少なくとも表面の一部が導電性であり、
    前記ヘッドから吐出された導電性記録液が同ヘッドと前記中間転写体との間をブリッジした状態で、この状態の導電性記録液に含まれている水を電気分解するための電圧を、前記中間転写体と前記ヘッドとの間に印加する電圧印加手段を有することを特徴とする画像形成装置。
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